(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】海苔巻き器
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20220309BHJP
【FI】
A23L7/10 G
(21)【出願番号】P 2018108392
(22)【出願日】2018-06-06
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】712004462
【氏名又は名称】ホーオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】高山 圭一
【審査官】吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171337(JP,A)
【文献】実開昭48-102294(JP,U)
【文献】特表2010-502211(JP,A)
【文献】登録実用新案第3133881(JP,U)
【文献】特開2007-053914(JP,A)
【文献】すてっぷ7月号~くるくるのりまきやさん~,こどもちゃれんじすてっぷを紹介するブログ,2012年07月29日,[2017年9月19日検索]インターネット,<URL:http://challenge-mama.seesaa.net/article/283436843.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に長い凹部を有した本体と、
この本体に開閉自在に支持され、前記本体の長い凹部に対向する長手方向に長い凹部を有した蓋と、
前記本体又は前記蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の摘み部と、
前記本体又は前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の摘み部と、
前記蓋に設けられ、前記蓋の長手方向に形成された海苔を挿入する海苔挿入スリット部と、
前記本体と前記蓋を連結する連結手段とを備えている
ことを特徴とする海苔巻き器。
【請求項2】
第1の摘み部は、本体又は蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の突出部に遊嵌される第1の遊嵌体であり、
第2の摘み部は、前記本体又は前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の突出部に遊嵌される第2の遊嵌体である
ことを特徴とする請求項1記載の海苔巻き器。
【請求項3】
長手方向に長い凹部を有した本体と、
この本体に開閉自在に支持され、前記本体の長い凹部に対向する長手方向に長い凹部を有した蓋と、
この蓋に設けられ、前記蓋の長手方向に形成された海苔挿入スリット部と、
前記本体の長手方向の一方の端部に設けられた第1の本体側摘み部と、
前記本体の長手方向の他方の端部に設けられた第2の本体側摘み部と、
前記蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の蓋側摘み部と、
前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の蓋側摘み部とを備え、
前記第1の本体側摘み部が第1の蓋側摘み部に、前記第2の本体側摘み部が第2の蓋側摘み部に、それぞれ対向している
ことを特徴とする海苔巻き器。
【請求項4】
長手方向に長い凹部を有し、本体の凹部に載置された米飯を押し付ける押し型を備えている
ことを特徴とする請求項1~3記載の何れか一項に記載の海苔巻き器。
【請求項5】
本体の外側に第1、第2の脚部が設けられ、
前記第1、第2の脚部により載置部位に載置される
ことを特徴とする請求項1~4記載の何れか一項に記載の海苔巻き器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔巻き器に係り、特に、コンパクトな海苔巻き器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海苔巻きを容易に作ることができる海苔巻き器がある(特許文献1参照)。
この海苔巻き器(N)は、長手方向に長い凹部を有した第1の長手形状部材(1)と、この第1の長手形状部材(1)の長手方向に対して略直交するように第1の長手形状部材(1)に取り付けられた第1の取っ手部材(3)と、第1の長手形状部材(1)に回動自在に支持され、長手方向に長い凹部を有した第2の長手形状部材(2)と、この第2の長手形状部材(2)の長手方向に対して略直交するように第2の長手形状部材(2)に取り付けられた第2の取っ手部材(4)と、第2の長手形状部材(2)に設けられ、第2の取っ手部材(4)の長手方向に対して略直交するように形成された海苔挿入スリット部(6)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、第1、第2の長手形状部材(1)、(2)の長手方向に対して略直交するように第1、第2の取っ手部材(3)、(4)が設けられていると、海苔巻き器が大きくなってしまうという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、前記問題点を考慮してなされた海苔巻き器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の海苔巻き器は、長手方向に長い凹部を有した本体と、この本体に開閉自在に支持され、前記本体の長い凹部に対向する長手方向に長い凹部を有した蓋と、前記本体又は前記蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の摘み部と、前記本体又は前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の摘み部と、前記蓋に設けられ、前記蓋の長手方向に形成された海苔を挿入する海苔挿入スリット部と、前記本体と前記蓋を連結する連結手段とを備えているものである。
【0007】
また、請求項2記載の海苔巻き器は、請求項1記載の海苔巻き器において、第1の摘み部は、本体又は蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の突出部に遊嵌される第1の遊嵌体であり、第2の摘み部は、前記本体又は前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の突出部に遊嵌される第2の遊嵌体である。
【0008】
また、請求項3記載の海苔巻き器は、長手方向に長い凹部を有した本体と、この本体に開閉自在に支持され、前記本体の長い凹部に対向する長手方向に長い凹部を有した蓋と、この蓋に設けられ、前記蓋の長手方向に形成された海苔挿入スリット部と、前記本体の長手方向の一方の端部に設けられた第1の本体側摘み部と、前記本体の長手方向の他方の端部に設けられた第2の本体側摘み部と、前記蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の蓋側摘み部と、前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の蓋側摘み部とを備え、前記第1の本体側摘み部が第1の蓋側摘み部に、前記第2の本体側摘み部が第2の蓋側摘み部に、それぞれ対向しているものである。
【0009】
また、請求項4記載の海苔巻き器は、請求項1~3記載の何れか一項に記載の海苔巻き器において、長手方向に長い凹部を有し、本体の凹部に載置された米飯を押し付ける押し型を備えているものである。
【0010】
また、請求項5記載の海苔巻き器は、請求項1~4記載の何れか一項に記載の海苔巻き器において、本体の外側に第1、第2の脚部が設けられ、前記第1、第2の脚部により載置部位に載置されるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の海苔巻き器によれば、従来の海苔巻き器のように取っ手がない分、コンパクトになると共に、連結手段によって本体と蓋を連結し、一方の手の指で第1の摘み部を、他方の手の指で第2の摘み部を、それぞれ把持して、例えば、連結状態にある本体と蓋を上下動すれば、海苔挿入スリット部より挿入された海苔が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
【0012】
また、請求項2記載の海苔巻き器によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、第1の摘み部は、本体又は蓋の長手方向の一方の端部に設けられた第1の突出部に遊嵌される第1の遊嵌体であり、第2の摘み部は、前記本体又は前記蓋の長手方向の他方の端部に設けられた第2の突出部に遊嵌される第2の遊嵌体であるため、第1、第2の摘み部による海苔巻き器の回転動作をスムーズに行うことができる。
【0013】
また、請求項3記載の海苔巻き器によれば、従来の海苔巻き器のように取っ手がない分、コンパクトになると共に、一方の手の指で第1の本体側摘み部及び第1の蓋側摘み部を、他方の手の指で第2の本体側摘み部及び第2の蓋側摘み部を、それぞれ把持して本体と蓋を連結状態にすると共に、連結状態にある本体と蓋を上下動すれば、海苔挿入スリット部より挿入された海苔が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
【0014】
また、請求項4記載の海苔巻き器によれば、上述した請求項1~3の何れか一項に記載の発明の効果に加え、長手方向に長い凹部を有し、本体の凹部に載置された米飯を押し付ける押し型を備えているため、補助具の押し型を使用して本体内の米飯を固めて、形を整えることができる。
【0015】
また、請求項5記載の海苔巻き器によれば、上述した請求項1~4の何れか一項に記載の発明の効果に加え、本体の外側に第1、第2の脚部が設けられ、前記第1、第2の脚部により載置部位に載置されるため、本体を載置部位に安定して載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の海苔巻き器の概略的斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、
図2のA-A線による概略的断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)のh部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【
図5】
図5(a)は、
図3のB-B線による概略的断面図であり、
図5(b)は、
図5(a)のk部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【
図6】
図6(a)は、
図3のC-C線による概略的断面図であり、
図6(b)は、
図6(a)の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図1の海苔巻き器の使用状態を示す概略的図である。
【
図9】
図9は、
図7の海苔巻き器の本体の凹部に米飯を入れ、前記米飯の上に具材を入れた状態を示す概略的図である。
【
図10】
図10は、
図9の具材の上に米飯を被せ、押し型で形を整える前の状態を示す概略的図である。
【
図11】
図11は、具材を多く入れたい場合の一使用形態の概略的図である。
【
図12】
図12は、
図1の海苔巻き器の本体と蓋を分離し、それぞれ内側から撮った写真である。
【0017】
本発明の一実施例の海苔巻き器を図面(
図1~
図12)を参照して説明する。
図1に示す1は海苔巻き器で、海苔巻き器1は、長手方向に長い凹部10aを有した本体10と、この本体10に開閉自在に支持され、本体10の長い凹部10aに対向する長手方向に長い凹部20aを有した蓋20と、本体10の長手方向の一方の端部に設けられた第1の摘み部30と、本体10の長手方向の他方の端部に設けられた第2の摘み部40と、蓋20に設けられ、蓋20の長手方向に形成された海苔50を挿入する海苔挿入スリット部20Sと、本体10と蓋20を連結する連結手段Rとを備えている。
なお、第1の摘み部30は、
図5に示すように、例えば、本体10の長手方向の一方の端部に設けられた第1の突出部30Aに遊嵌される第1の遊嵌体30Bであり、第2の摘み部40は、例えば、本体10の長手方向の他方の端部に設けられた第2の突出部40Aに遊嵌される第2の遊嵌体40Bである。
また、本実施例においては、第1の摘み部30を本体10に設けたが、本願発明にあっては、これに限らず、第1の摘み部30を蓋20に設けるようにしても良く、また、本実施例においては、第2の摘み部40を本体10に設けたが、本願発明にあっては、これに限らず、第2の摘み部40を蓋20に設けるようにしても良い。
これら本体10、蓋20、第1の摘み部30及び第2の摘み部40は、合成樹脂、例えば、ポリプロピレンで形成されている。
また、
図7に示すように、本体10の外側に第1、第2の脚部10X、10Yが設けられ、第1、第2の脚部10X、10Yにより載置部位100に載置される。そのため、本体10を載置部位100に安定して載置することができる。
【0018】
また、蓋20は本体10に連結手段Rにより連結される。連結手段Rは、例えば、下記に示すものである。
即ち、
図7、
図9及び
図12に示すように、11は、本体10に連結した長手形状の第1の被係止部で、12は、本体10に連結した第2の被係止部で、13は、本体10に連結した第3の被係止部である。
21は、蓋20に連結し、第1の被係止部11に係止する第1の係止部で、22は、蓋20に連結し、第2の被係止部12に係止する第2の係止部で、23は、蓋20に連結し、第3の被係止部13に係止する第3の被係止部である。
【0019】
次に、海苔巻き器1の使用形態について説明すると、本体10の凹部10aに米飯を入れて(
図9)、蓋20を被せると共に、連結手段Rによって蓋20を本体10に連結し、連結状態にある本体10と蓋20を上下動、又は、蓋20を被せる前に、凹部10a内の米飯を後述する押し型5(
図10)で凹部10aに載置された米飯を押し付けて、円筒状に形成する。
そして、蓋20を本体10に連結した状態で、
図8に示すように、一方の手の指で第1の摘み部30を、他方の手の指で第2の摘み部40を、それぞれ把持して、同じ方向に回転すれば、海苔巻き器1は、円運動を描くように回転し、海苔挿入スリット部20Sより挿入された海苔50が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
【0020】
なお、海苔巻き内に具材(例えば、具材2、3、4)を入れたいときには、例えば、
図9に示すように、本体10の凹部10aに米飯を半分入れ、米飯の上に具材2、3、4を載せ、米飯を被せる。その際、米飯を固めて、形を整えるために、押し型5を用いると良い。この押し型5は、長手方向に長い凹部5aを有し、本体10の凹部10aに載置された米飯を押し付けることができる。5bは、凹部5aの外側に設けられた長手方向に長い指で摘む摘み部である。
また、具材2、3、4と、具材を多く入れたい場合は、
図11に示すように、海苔50で具材2、3、4を巻いてから米飯の上に置くと良い。
【0021】
従って、上述した海苔巻き器1によれば、従来の海苔巻き器のように取っ手がない分、コンパクトになると共に、連結手段Rによって本体10と蓋20を連結し、
図8に示すように、一方の手の指で第1の摘み部30を、他方の手の指で第2の摘み部40を、それぞれ把持して、第1、第2の摘み部30、40によって海苔巻き器1を回転させれば、海苔巻き器1はスムーズに回転し、海苔挿入スリット部20Sより挿入された海苔50が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
【0022】
なお、一方の手の指で第1の摘み部30を、他方の手の指で第2の摘み部40を、それぞれ把持して、海苔巻き器1を回転させたが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、下記に述べるものでも良い。
即ち、30Cは、本体10の長手方向の一方の端部に設けられた第1の本体側摘み部で、40Cは、本体10の長手方向の他方の端部に設けられた第2の本体側摘み部である。
なお、この実施例においては、上述の実施例と同様に、本体10と蓋20を連結する連結手段Rとを備えている。
そして、連結手段Rによって本体10と蓋20を連結すると共に、一方の手の指で第1の本体側摘み部30Cを、他方の手の指で第2の本体側摘み部40Cを、それぞれ把持して、連結状態にある本体10と蓋20を上下動すれば、海苔挿入スリット部20Sより挿入された海苔50が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
また、説明の関係上、第1の本体側摘み部30C、第1の摘み部30と符号を異にしているが、第1の本体側摘み部30Cは、第1の摘み部30の一例でもあり、また、第2の本体側摘み部40C、第2の摘み部40と符号を異にしているが、第2の本体側摘み部40Cは、第2の摘み部40の一例でもある。
【0023】
なお、一方の手の指で第1の本体側摘み部30Cを、他方の手の指で第2の本体側摘み部40Cを、それぞれ把持して、連結状態にある本体10と蓋20を上下動させたが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、下記に述べるものでも良い。
即ち、この実施例においては、上述の実施例と同様に、本体10と蓋20を連結する連結手段Rとを備えている。
30Dは、蓋20の長手方向の一方の端部に設けられた第1の蓋側摘み部で、40Dは、蓋20の長手方向の他方の端部に設けられた第2の蓋側摘み部である。
そして、連結手段Rによって本体10と蓋20を連結すると共に、一方の手の指で第1の蓋側摘み部30Dを、他方の手の指で第2の蓋側摘み部40Dを、それぞれ把持して、連結状態にある本体10と蓋20を上下動すれば、海苔挿入スリット部20Sより挿入された海苔50が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
また、説明の関係上、第1の蓋側摘み部30D、第1の摘み部30と符号を異にしているが、第1の蓋側摘み部30Dは、第1の摘み部30の一例でもあり、また、第2の蓋側摘み部40D、第2の摘み部40と符号を異にしているが、第2の蓋側摘み部40Dは、第2の摘み部40の一例でもある。
【0024】
なお、上述の実施例においては、第1の本体側摘み部30Cと第2の本体側摘み部40C、第1の蓋側摘み部30Dと第2の蓋側摘み部40Dとそれぞれ個別に設けるようにしたが、第1の本体側摘み部30Cが第1の蓋側摘み部30Dに、第2の本体側摘み部40Cが第2の蓋側摘み部40Dに、それぞれ対向するようにしても良い。
そして、一方の手の指で第1の本体側摘み部30C及び第1の蓋側摘み部30Dを、他方の手の指で第2の本体側摘み部40C及び第2の蓋側摘み部40Dを、それぞれ把持して本体10と蓋20を連結状態にすると共に、連結状態にある本体10と蓋20を上下動すれば、海苔挿入スリット部20Sより挿入された海苔50が容易に円筒状の米飯に巻き付いて海苔巻きを形成することができる。
この場合、本体10と蓋20を連結する連結手段Rは、必ずしも、必要ではない。
【符号の説明】
【0025】
1 海苔巻き器
10 本体
10a 凹部
20 蓋
20a 凹部
20S 海苔挿入スリット部
30 第1の摘み部
30A 第1の突出部
30B 第1の遊嵌体
40 第2の摘み部
40A 第2の突出部
40B 第2の遊嵌体
50 海苔
R 連結手段