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特許7037470ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20220309BHJP
   A47B 88/49 20170101ALI20220309BHJP
   H05K 7/02 20060101ALI20220309BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
H05K7/00 B
A47B88/49
H05K7/02 Q
H05K7/18 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018212605
(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公開番号】P2019140377
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2018-11-13
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】107104583
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】張 維成
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【合議体】
【審判長】井上 信一
【審判官】山本 章裕
【審判官】畑中 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-259247(JP,A)
【文献】米国特許第6303864(US,B1)
【文献】英国特許出願公開第2395745(GB,A)
【文献】実開平2-120876(JP,U)
【文献】カナダ国特許出願公開第3022485(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00-77/18, 83/00-88/22
G06F 1/00, 1/16- 1/18
H05K 7/00-7/10, 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置であって、当該接続装置は、
第1の側壁と、第2の側壁と、該第1の側壁及び該第2の側壁の間に接続される中間壁を含む第1のフィッティングであって、該中間壁には収容構造が形成され、該収容構造は第1の部分と、該第1の部分と連通する第2の部分とを含む、第1のフィッティングと、
突起を有し、前記第1のフィッティングと相互に取り付けされる第2のフィッティングと、
前記第2のフィッティングの、前記突起が設けられる側とは反対の側に取り付けられる弾性部材であって、該弾性部材は、該弾性部材により提供される弾性力に対応してロック位置又は非ロック位置にあるブロック部を含み、該ロック位置にある場合、該ブロック部は、前記第2のフィッティングの、前記第1のフィッティングの第1の側壁に対応する部分の上にあり、前記第1のフィッティングと前記第2のフィッティングとが相互取り付け状態にある場合には前記第1のフィッティングの第1の側壁の上にも位置する、弾性部材と、
を含み、
前記第1のフィッティングが前記第2のフィッティングに対して第1の位置から第2の位置に第1の方向に沿って変位された場合、前記第1のフィッティングの収容構造の第2の部分は前記第2のフィッティングの突起と係合し、前記弾性部材は、前記ブロック部を前記非ロック位置から前記ロック位置に戻すために弾性力を放出し、前記ロック位置にある前記ブロック部は、前記第1のフィッティングが前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って動かされた場合に前記第1のフィッティングの第1の側壁に当接して前記第1のフィッティングが前記第2の方向に沿って前記第2のフィッティングから外れるのを防止するように構成され、
前記第1のフィッティングの収容構造の第2の部分が前記第2のフィッティングの突起と係合している場合、前記ブロック部を介して前記弾性部材を手動で操作して弾性力を生成させて前記ブロック部を前記非ロック位置にいざない、前記第1のフィッティングを前記第2のフィッティングに対して前記第2の位置から前記第1の位置に前記第2の方向に沿って変位させることにより前記第1のフィッティングを前記第2のフィッティングから取り外すことができる、接続装置。
【請求項2】
前記収容構造の第2の部分の寸法は前記収容構造の第1の部分の寸法よりも小さく、前記突起は頭部と該頭部に接続される本体部とを含み、該本体部の寸法は該頭部の寸法よりも小さく、前記収容構造の第2の部分の寸法は前記突起の本体部の寸法よりも大きいが、前記突起の頭部の寸法よりも小さい、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記弾性部材は弾性部をさらに含み、前記ブロック部は該弾性部から突出し、前記ブロック部を所定の角度で前記弾性部に対して揺動するため、前記弾性部材の操作を促進するために前記弾性部に開口が形成される、請求項1に記載の接続装置。
【請求項4】
ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリであって、当該スライドレールアセンブリは第1のレールと、該第1のレールに対して変位可能な第2のレールとを含み、当該ケーブル管理装置は第1のアームと、該第1のアームに可動に接続される第2のアームと、該第1のアームを前記第1のレールに接続するように構成された第1の接続装置と、該第2のアームを前記第2のレールに接続するように構成された第2の接続装置と、を含み、該第1の接続装置及び該第2の接続装置の少なくとも一方は、
前記第1のアームに配置される第1のフィッティングであって、該第1のフィッティングは、第1の側壁と、第2の側壁と、該第1の側壁及び該第2の側壁の間に接続される中間壁と、該中間壁に形成される収容構造を含む、第1のフィッティングと、
前記第1のレールに配置される第2のフィッティングであって、該第2のフィッティングは突起を含み、前記第1のフィッティングと相互に取り付けされる、第2のフィッティングと、
前記第2のフィッティングの、前記突起が設けられる側とは反対の側に取り付けられる弾性部材であって、該弾性部材は弾性部と、該弾性部により提供される弾性力に対応してロック位置又は非ロック位置にあるブロック部を含み、該ロック位置にある場合、該ブロック部は、前記第2のフィッティングの、前記第1のフィッティングの第1の側壁に対応する部分の上にあり、前記第1のフィッティングと前記第2のフィッティングとが相互取り付け状態にある場合には前記第1のフィッティングの第1の側壁の上にも位置する、弾性部材と、
を含み、
前記収容構造は第1の部分と、該第1の部分に接続される第2の部分とを含み、該第2の部分の寸法は該第1の部分の寸法よりも小さく、
前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングは、前記第1の部分を介して前記突起を前記収容構造に挿入し、前記第1のフィッティングを前記第2のフィッティングに対して変位させて前記突起を前記第2の部分と係合させることにより互いに取り付けられ、
前記第1のフィッティングが前記第2のフィッティングに対して第1の位置から第2の位置に第1の方向に沿って変位された後で該第1の方向と反対の第2の方向に動かされると、前記ブロック部は前記第1のフィッティングの第1の側壁に当接して前記第1のフィッティングが該第2の方向に沿って前記第2のフィッティングから外れるのを防止するように構成される、ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの双方は第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1のアームの第1の端部及び前記第2のアームの第1の端部は互いに枢結されている、請求項4に記載のケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のフィッティングは前記第1のアームの第2の端部に枢結され、前記第2のフィッティングは前記第1のレールの後部に接続される、請求項5に記載のケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記突起は頭部と該頭部に接続される本体部とを含み、該本体部の寸法は該頭部の寸法よりも小さく、前記収容構造の第2の部分の寸法は前記突起の本体部の寸法よりも大きいが、前記突起の頭部の寸法よりも小さい、請求項4に記載のケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記ブロック部は前記弾性部から突出し、前記ブロック部を所定の角度で前記弾性部に対して揺動するため、前記弾性部材の操作を促進するために前記弾性部に開口が形成される、請求項4に記載のケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接続装置に関し、より具体的にはケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライドレールアセンブリには、例えば家具の引き出しやラックシステムを含む幅広い用途が存在する。ラックシステムにおいて用いられる場合、スライドレールアセンブリはケーブル管理装置を用いて支持する必要がある電気ケーブルを有する電子機器を保持するのに用いられる。具体的には、ケーブル管理装置は、前述のスライドレールアセンブリの2つのスライドレールに接続可能な2つの可動アームを通常有する。
【0003】
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリと共に用いられる接続装置が開示されている。これらの特許文献は参照により本願に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8634198号明細書
【文献】米国特許第8833715号明細書
【文献】米国特許第9167717号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市場の要求の変化につれて、ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのために用いられる接続装置には代替的なデザインが要求される。したがって、特定の顧客のニーズにこたえるために革新的なデザインのユニークな製品を開発することは、継続的な努力及び注目が要求されるテーマである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置に関し、接続装置はスライドレールとケーブル管理装置とを少ない労力で簡便に取り外す機構を提供する。
【0007】
本発明の一態様によれば、ケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリのための接続装置は、収容構造を有する第1のフィッティングであって、該収容構造は第1の部分と、該第1の部分と連通する第2の部分とを含む、第1のフィッティングと、突起を有する第2のフィッティングと、前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングのうちの一方に取り付けられる弾性部材であって、該弾性部材は、該弾性部材により提供される弾性力に対応してロック位置又は非ロック位置にあるブロック部を含む、弾性部材と、を含む。前記第1のフィッティングの収容構造の第1の部分が前記第2のフィッティングの突起と係合した場合、前記弾性部材は、前記弾性部材が手動で操作されることにより又は前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングの協働に反応して弾性力を生成して前記ブロック部が前記非ロック位置にいざなって前記第1のフィッティングが前記第2のフィッティングから取り外すことができるようにする。前記第1のフィッティングが前記第2のフィッティングに対して第1の位置から第2の位置に第1の方向に沿って変位された場合、前記第1のフィッティングの収容構造の第2の部分は前記第2のフィッティングの突起と係合し、前記弾性部材は、前記ブロック部を前記非ロック位置から前記ロック位置に戻すために弾性力を放出し、前記ロック位置にある前記ブロック部は前記第1のフィッティングが前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って前記第2のフィッティングから外れるのを防止するように構成されている。
【0008】
前記第1のフィッティングは第1の側壁と、第2の側壁と、該第1の側壁及び該第2の側壁の間に接続される中間壁を含むことが好ましい。前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングが相互取り付け状態にある場合、前記ブロック部は前記第1のフィッティングの第1の側壁上に構成される。
【0009】
前記収容構造の第2の部分の寸法は前記収容構造の第1の部分の寸法よりも小さいことが好ましい。前記突起は頭部と該頭部に接続される本体部とを含み、該本体部の寸法は該頭部の寸法よりも小さい。前記収容構造の第2の部分の寸法は前記突起の本体部の寸法よりも大きいが、前記突起の頭部の寸法よりも小さい。
【0010】
前記弾性部材は弾性部をさらに含み、前記ブロック部は該弾性部から突出することが好ましい。前記ブロック部を所定の角度で前記弾性部に対して揺動するため、前記弾性部材の操作を促進するために前記弾性部は開口を有する。
【0011】
本発明の別の態様はケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリに関する。当該スライドレールアセンブリは第1のレールと、該第1のレールに対して変位可能な第2のレールとを含む。当該ケーブル管理装置は第1のアームと、該第1のアームに可動に接続される第2のアームとを含む。当該ケーブル管理装置は、該第1のアームを前記第1のレールに接続するように構成された第1の接続装置と、該第2のアームを前記第2のレールに接続するように構成された第2の接続装置と、をさらに含む。ここでは、該第1の接続装置及び該第2の接続装置の少なくとも一方は、前記第1のアームに配置される第1のフィッティングと、前記第第1のレールに配置される第2のフィッティングと、前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングのうちの一方に取り付けられる弾性部材であって、該弾性部材は弾性部及びブロック部を含む、弾性部材と、を含む。加えて、前記第1のフィッティング及び前記第2のフィッティングは前記収容構造及び前記突起を通じて取り付けられる。前記第1のフィッティングが前記第2のフィッティングに対して第1の位置から第2の位置に第1の方向に沿って変位された場合、前記ブロック部は前記第1のフィッティングが前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って前記第2のフィッティングから外れるのを防止するように構成されている。
【0012】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの双方は第1の端部及び第2の端部を有することが好ましい。加えて、前記第1のアームの第1の端部及び前記第2のアームの第1の端部は互いに枢結されている。
【0013】
前記第1のフィッティングは前記第1のアームの第2の端部に枢結され、前記第2のフィッティングは前記第1のレールの後部に接続されることが好ましい。
【0014】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリを示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る接続装置を示す分解図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るケーブル管理装置及びスライドレールアセンブリを示す分解図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る、ケーブル管理装置のアームをスライドレールアセンブリのスライドレールに接続するために取り付けられる接続装置の第1のフィッティング及び第2のフィッティングを示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る、所定の角度で揺動するように強制された接続装置の弾性部材を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る、接続装置の弾性部材が弾性力を生成した後に相互取り付け状態から取り外された第1のフィッティング及び第2のフィッティングを示す図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る、第1のフィッティング及び第2のフィッティングが相互取り付け状態から取り外された後で取り外されたケーブル管理装置及びスライドレールを示す図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る、ラックシステムの一方側に取り付けられたケーブル管理装置を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリのスライドレールを通じて開方向に沿ってラックシステムから引き出される電子機器を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る、ラックシステムの別の側に取り付けられるケーブル管理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態はスライドレールアセンブリ22、ケーブル管理装置24及び第1の接続装置26を含む。本発明は、第2の接続装置28をさらに含むことが好ましい。
【0017】
スライドレールアセンブリ22は第1のレール30と、第1のレール30に対して変位可能な第2のレール32とを含み、第1のレール30と第2のレール32との間で可動に接続された第3のレール34をさらに含むことが好ましい。第3のレール34は、第1のレール30に対する第2のレール32の動きを延ばすために用いられる。第1のレール30は前部30a及び後部30bを有し、第2のレール32は前部32a及び後部32bを有する。
【0018】
ケーブル管理装置24は第1のアーム36及び第2のアーム38を含む。第2のアーム38は第1のアーム36に可動に接続されている(例えば枢結されている)。実際の用途では、第1のアーム36及び第2のアーム38の双方は第1の端部E1と、第1の端部E1の反対側の第2の端部E2とを有する。第1のアーム36の第1の端部E1及び第2のアーム38の第1の端部E1は互いに枢結されている。ここでは、第1のアーム36の第1の端部E1及び第2のアーム38の第1の端部E1は接続ベース40を通じて互いに枢結されている。即ち、第1のアーム36の第1の端部E1及び第2のアーム38の第1の端部E1は、それぞれ第1のシャフト42a及び第2のシャフト42bを通じて接続ベース40の各側に枢結されている。そのような構成において、電子機器のケーブルを支持するためにケーブル管理部44が第1のアーム36、第2のアーム38及び接続ベース40に配置される。本願で言及するケーブル管理部44は当業者に知られているため、本願においては、ケーブル管理部44に関する説明は簡略化のために省略する。
【0019】
第1の接続装置26は第1のアーム36を第1のレール30に取り外し可能に接続するように構成されている。第2の接続装置28は第2のアーム38を第2のレール32に取り外し可能に接続するのに用いられる。本実施形態では、第2の接続装置28の構造構成は第1の接続装置26のものと実質的に同一である。例えば、第1の接続装置26及び第2の接続装置28の双方は2つのフィッティング及び1つの弾性部材を含む。ここでは、第2の接続装置28の第1のフィッティング47は第2のアーム38の第2の端部E2に枢結され、第2の接続装置28の第2のフィッティング49は第2のレール32の後部32bに接続されている。加えて、第2の接続装置28の弾性部材51は、第2の接続装置28の第1のフィッティング47及び第2のフィッティング49が相互取り付け状態から外れるのを防止するように構成されている。第1のアーム36は第2のアーム38が第2のレール32に取り外し可能に接続されるのと実質的に同じ原理で第1のレール30に取り外し可能に接続されている。簡略化のために、以下で説明する実施形態は、第1のアーム36が第1の接続装置26を通じて第1のレール30に取り外し可能に接続される方法のみを説明する。
【0020】
実際の用途では、第1の接続装置26は第1のフィッティング46、第2のフィッティング48及び弾性部材50を含む。第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48は第1のアーム36及び第1のレール30にそれぞれ配置されている。第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48は、(図1又は図4に示すように)収容構造52及び突起54との間の構成を通じて取り付けられている。収容構造52は開口又はスロットであることが好ましい。収容構造52は第1の部分52a(又は下側部)と、第1の部分52aに接続される第2の部分52b(又は上側部)とを含み、第2の部分52bの寸法は第1の部分52aの寸法よりも小さい。収容構造52の第1の部分52aが突起54と係合し、お互いに対して変位された後、収容構造52を突起54に固定することができる。突起54は頭部54aと、頭部54aに接続される本体部54bとを含み、本体部54bの寸法は頭部54aの寸法よりも小さいことが好ましい。収容構造52が突起54に固定された場合、突起54の頭部54aは、(図1又は図4に示すように)収容構造52の第2の部分52bの一方側によりブロックされる。
【0021】
収容構造52を有する第1のフィッティング46及び突起54を備える第2のフィッティング48を以下一例として説明する。本実施形態では、2つの収容構造52及び2つの突起54を示すが、本発明はそのような構成に限定されない。さらに、第1のフィッティング46は、枢動部材56aを通じて第1のアーム36の第2の端部E2に枢結され、第2のフィッティング48は第1のレール30の後部30bに接続される。第2のフィッティング48はネジ、ラッチ等を用いて第1のレール30に固定できる。あるいは、第2のフィッティング48は第1のレール30にリベット留め又は溶接できる。即ち、第2のフィッティング48は、第2のフィッティング48が第1のレール30に固定された後、第1のレール30の一部と見ることができる。
【0022】
第1の接続装置26の弾性部材50は第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48のうちの一方に取り付けられる。一例として、弾性部材50は板バネであり得る。実際の用途では、弾性又は柔軟性を有する部品も本発明の範囲内にある。弾性部材50は弾性部50a及びブロック部50bを含む。ブロック部50bは弾性部材50の弾性部50a上に配置される。ブロック部50bは弾性部50aから延びていることが好ましく、弾性部材50のブロック部50bは弾性部50aから突出していることがより好ましい。
【0023】
第1のフィッティング46が第2のフィッティング48に対して第1の方向D1に沿って(図6に示す)第1の位置P1から(図4に示す)第2の位置P2に変位された場合、第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48のうちの一方に構成されたブロック部50bは、(図1又は図4に示すように)第1のフィッティング46が第2のフィッティング48から外れるのを防止するように構成されている。
【0024】
図4に示すように、第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48は第1の側壁(又は上側側壁)と、第1の側壁に対応する第2の側壁(又は下側側壁)と、第1の側壁及び第2の側壁の間に接続される中間壁とを含む。
【0025】
実際の用途では、第1のフィッティング46は、第1の側壁46a(又は上側側壁)と、第2の側壁46b(又は下側側壁)と、第1の側壁46a及び第2の側壁46bとの間に接続される中間壁46cとを含む。他方、第2のフィッティング48は、第1の側壁48a(又は上側側壁)と、第2の側壁48b(又は下側側壁)と、第1の側壁48a及び第2の側壁48bとの間に接続される中間壁48cとを含む。
【0026】
本実施形態では、収容構造52は第1のフィッティング46の中間壁46cに設けられ、突起54は第2のフィッティング48の中間壁48cに設けられて、弾性部材50は第2のフィッティング48に取り付けられている。一例として、弾性部材50の弾性部50aの一端は第2のフィッティング48の中間壁48cの後ろ側(即ち、第1のフィッティング46から離れた方の側)に接続されている。
【0027】
第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48が相互取り付け状態にある場合、ブロック部50bは第1のフィッティング46の側壁46aの上に位置する。このとき、ブロック部50bは、第1のフィッティング46が第1の方向D1の反対側の第2の方向D2に沿って第2のフィッティング48から外れるのを防止するためにロック位置K1にある。
【0028】
図5図6及び図7に示すように、第1のフィッティング46を第2のフィッティング48から外すことを望む場合、弾性部材50に力Fを加えて弾性力を生成させて、ブロック部50bを弾性部50aに対して揺動させ、ブロック部50bを(図5に示すように)第1のフィッティング46の第1の側壁46aの上からブロック部50bを取り外すことができる。このとき、ブロック部50bはロック位置K1から非ロック位置K2に動かされる。そのような構成では、第1のアーム36を第2の方向D2に沿って第1のレール30に対して変位させて、突起54の頭部54aが収容構造52の第2の部分52bから(図6に示すように)収容構造52の第1の部分52aに戻るようにさせることができる。これは、(図7に示すように)第1のアーム36及び第1のレール30がお互い外れることを可能にする。具体的には、ブロック部50bは弾性部材50の弾性力に反応でき、ロック位置K1又は非ロック位置K2に構成される。第1のフィッティング46の収容構造52の第1の部分52aが第2のフィッティング48の突起54と係合した場合、弾性部材50は、弾性部材50が手動で操作されるか又は第1のフィッティング46と第2のフィッティング48との協働に反応することにより弾性力を生成して、第1のフィッティング46が第2のフィッティング48から取り外されるようにブロック部50bを非ロック位置K2にいざなうことができる。第1のフィッティング46が第2のフィッティング48に対して第1の方向D1に沿って第1の位置P1から第2の位置P2に変位された場合、第1のフィッティング46の収容構造52の第2の部分52bは第2のフィッティング48の突起54に対応する位置に位置する。弾性部材50の弾性力を放出することにより、ブロック部50bは、ブロック部50bが第1のフィッティング46が第2のフィッティング48から第1の方向D1の反対側の第2の方向D2に沿って取り外されるのを防止するよう構成されるように非ロック位置K2からロック位置K1に戻る。
【0029】
図7図6及び図4を連続して参照されたい。第1のアーム36及び第1のレール30が再度取り付けられると、第1のアーム36及び第1のレール30を互いにより近づけることができる。同時に、弾性部材50は(図6に示すように)弾性力を維持するように力Fにより僅かに押圧するか又は操作することができる。さらに、第1のフィッティング46がケーブル管理装置24(又は第1のアーム36)と協働して第2のフィッティング48に第1の方向D1で(即ち下方向で)取り付けられると、(図4に示すように)突起54の本体部54bが挿入され、収容構造52の第1の部分52aから第2の部分52bに取り付けられる。弾性部材50の弾性力を放出することにより、ブロック部50bは第1のフィッティング46の第1の側壁46aをブロックして(図4に示すように)第1のフィッティング46が第2のフィッティング48から第1の方向D1の反対側の第2の方向D2に(即ち上方向に)取り外されるのを防止することができる。なお、前述の第1の方向D1及び第2の方向D2は説明を目的としたものにすぎない。実際の用途では、第1の方向D1及び第2の方向D2は互いに逆方向であればよく、本発明は係る構成に限定されない。なお、収容構造52の第2の部分52bの寸法は突起54の本体部54bの寸法よりも大きいが、突起54の頭部54aの寸法よりは小さい。したがって、第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48が図4にしたがって取り付けられた場合、フィッティングは水平方向(H1)及び垂直方向(V1)に沿って変位できず、フィッティングを安定且つ固定させることができる。加えて、弾性部材50の弾性部50aは、(図5及び図6に示すように)弾性部材50が力Fによってより容易に押圧又は操作して弾性力を維持できるように(図2に示すように)開口50cを有する。そして、ユーザーは弾性部材50を少ない労力で操作して、ブロック部50bを弾性部50aに対して所定の角度で揺動させて第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48の取り付けを促進できる。
【0030】
図7に示すように、弾性部材50のブロック部50bは下端50dを有し、下端50dは第1のフィッティング46の第1の側壁46aと協働する。第2のフィッティング48は2つの突起54を備える。2つの突起54のうちの一方は第2のフィッティング48の第1の側壁48aの隣りに配置され、2つの突起54のうちの他方は第2のフィッティング48の第2の側壁48bの隣りに配置される。第1のフィッティング46は2つの収容構造52を備える。2つの収容構造52のうちの一方は第1のフィッティング46の第1の側壁46aの隣りに配置され、2つの収容構造52のうちの他方は第2のフィッティング48の第2の側壁46bの隣りに配置される。ブロック部50bの下端50dは2つの突起54のうちの一方から第1の間隔L1離間されている。ブロック部50bの下端50dは2つの突起54のうちの他方から第2の間隔L2離間されている。第1のフィッティング46の第2の側壁46bは、2つの収容構造52のうちの一方から第3の間隔L3離間され、第1のフィッティング46の第1の側壁46aは2つの収容構造52のうちの他方から第4の間隔L4離間されている。第1の間隔L1は第3の間隔L3と実質的に等しく、第2の間隔L2は第4の間隔L4と実質的に等しい。
【0031】
図7に示すように、弾性部材50のブロック部50bは下端50dを有し、下端50dは第1のフィッティング46の第1の側壁46Aと協働する。第2のフィッティング48は2つの突起54を備える。2つの突起54のうちの一方は第2のフィッティング48の第1の側壁48aの隣りに配置され、2つの突起54のうちの他方は第2のフィッティング48の第2の側壁48bの隣りに配置される。第1のフィッティング46は2つの収容構造52を備える。2つの収容構造52のうちの一方は第1のフィッティング46の第1の側壁46Aの隣りに配置され、2つの収容構造52のうちの他方は第2のフィッティング48の第2の側壁46bの隣りに配置される。ブロック部50bの下端50dは2つの突起54のうちの一方から第1の間隔L1離間されている。ブロック部50bの下端50dは2つの突起54のうちの他方から第2の間隔L2離間されている。第1のフィッティング46の第の側壁46Aは、2つの収容構造52のうちの一方から第3の間隔L3離間され、第1のフィッティング46の第1の側壁46Aは2つの収容構造52のうちの他方から第4の間隔L4離間されている。第1の間隔L1は第3の間隔L3と実質的に等しく、第2の間隔L2は第4の間隔L4と実質的に等しい。
【0032】
図9に示すように、電子機器58は、一対のスライドレールアセンブリ22の第2のレール32を第1のレール30に対して変位させることによりラック60の内部から引き出すことができる。ここでは、第1のアーム36及び第2のアーム38は枢動し互いに対して延在する。
【0033】
図10に示すように、スライドレールとアームとをお互いにから外す機構は、前述の第1の接続装置26及び第2の接続装置28を通じて提供される。代替的な実施形態では、ケーブル管理装置24は、ラック60の左側でスライドレールアセンブリ22に取り外し可能に取り付けられている。例えば、第1の接続装置26は、ラック60の左側で第1のアーム36をスライドレールアセンブリ22の第1のレール30に取り外し可能に接続でき、第2の接続装置28は、ラック60の左側でスライドレールアセンブリ22の第2のレール32に取り外し可能に接続できる。
【0034】
上記の実施形態から本発明は下記の利点を有することが分かる。
【0035】
1)第1の接続装置26の弾性部材50は、第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48のうちの一方に取り付けられる。第1のフィッティング46が第2のフィッティング48に取り付けられている場合、第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48のうちの他方に位置するブロック部50bは、第1のフィッティング46が第2のフィッティング48から取り外されるのを防止するのに用いることができる。
【0036】
2)弾性部材50の弾性部50aは、弾性部材50が弾性力を維持するように力Fにより容易に押圧できるように又は操作できるようにする開口50cを有する。そして、ユーザーは弾性部材50を少ない労力で操作して、ブロック部50bを弾性部50aに対して所定の角度で揺動させて第1のフィッティング46及び第2のフィッティング48の取り付けを促進できる。
【0037】
)アーム及びスライドレール(例えば、第1のアーム36と第1のレール30又は第2のアーム38と第2のレール32)をお互いから外す機構は、第1の接続装置26又は第2の接続装置28を通じて提供される。
【0038】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0039】
22 スライドレールアセンブリ
24 ケーブル管理装置
26 第1の接続装置
28 第2の接続装置
30 第1のレール
32 第2のレール
34 第3のレール
36 第1のアーム
38 第2のアーム
40 接続ベース
42 シャフト
44 ケーブル管理部
46 第1のフィッティング
48 第2のフィッティング
50 弾性部材
52 収容構造
54 突起
56a 枢動部材
58 電子機器
60 ラック
62 第1のブラケット
64 第2のブラケット
66 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10