IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ロボット外科手術アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20220309BHJP
   A61B 17/072 20060101ALI20220309BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20220309BHJP
   A61B 90/40 20160101ALI20220309BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/072
A61B17/29
A61B90/40
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018561587
(86)(22)【出願日】2017-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2017033905
(87)【国際公開番号】W WO2017205313
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】62/341,714
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,701
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,720
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,748
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,761
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,774
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,804
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ゼムロク, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハーチ, マシュー
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-103137(JP,A)
【文献】特開2015-134203(JP,A)
【文献】特開2009-226028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0079884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00
A61B 34/30 - A61B 34/37
A61B 8/00
A61B 17/00
A61B 17/03
A61B 17/28 - A61B 17/295
A61B 17/30 - A61B 17/32
A61B 18/14
A61B 90/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科用アセンブリに連結するための外科用器具であって、前記ロボット外科用アセンブリは、前記外科用器具に回転力を伝達するように構成されており、前記外科用器具は、
細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されているエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに動作可能に結合されている駆動アセンブリであって、前記駆動アセンブリは、前記エンドエフェクタに接続されている少なくとも1つのケーブルを含み、前記少なくとも1つのケーブルの移動は、前記エンドエフェクタの移動を作動させ、前記少なくとも1つのケーブルは、パリレンでコーティングされている、駆動アセンブリと、
前記細長いシャフトの近位端に支持されているハウジングであって、前記ハウジングは、前記ロボット外科用アセンブリに結合するように構成されており、前記ハウジングは、傾斜したカム面を支持する側面を含み、前記傾斜したカム面は、前記ハウジングが前記ロボット外科用アセンブリに横方向に結合されることを可能にするように構成されている、ハウジングと
を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つのケーブルは、前記ロボット外科用アセンブリから伝達される回転力に応答して移動可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記駆動アセンブリは、第1の駆動ナットを支持する第1の駆動ねじをさらに含み、前記第1の駆動ナットは、前記少なくとも1つのケーブルを移動させるために前記第1の駆動ねじが回転すると、前記第1の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記外科用器具は、前記エンドエフェクタに動作可能に連結されている第2の駆動アセンブリをさらに備え、前記第2の駆動アセンブリは、第2の駆動ナットを支持する第2の駆動ねじを含み、前記第2の駆動ナットは、前記第2の駆動ねじが回転すると、前記第2の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第1の駆動ナットおよび前記第2の駆動ナットは、前記第1の駆動ねじおよび前記第2の駆動ねじが回転するときに軸方向に反対方向に移動するように構成されている、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記駆動アセンブリは、前記少なくとも1つのケーブルを張力状態に維持する付勢部材をさらに含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記外科用器具が前記ロボット外科用アセンブリと電気的に通信できるように、前記ロボット外科用アセンブリに電気的に結合するように構成されている少なくとも1つの電気コネクタを支持する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つのケーブルは、タングステンから形成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
外科用器具を備えるロボット手術器具であって、
前記外科用器具は、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用器具であり、
前記外科用器具は、前記ロボット外科用アセンブリに結合されている、ロボット手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,714号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,701号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,720号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,748号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,761号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,774号、および2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,804号、の各々の利益およびこれらに対する優先権を主張するものであり、各出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(背景技術)
ロボット外科手術システムは、最小侵襲性医療手技において使用されている。いくつかのロボット外科手術システムは、外科手術ロボットアームを支持するコンソールと、ロボットアームに載置された、少なくとも1つのエンドエフェクタ(例えば、鉗子、または把持ツール)を有する外科手術器具とを含む。ロボットアームは、外科手術器具に、その動作および運動のための機械力を提供する。各ロボットアームは、外科手術器具に動作的に接続された器具駆動ユニットを含むことができる。
【0003】
手動操作の外科手術器具は、しばしば、外科手術器具の機能を作動させるためのハンドルアセンブリを含む。しかしながら、ロボット外科手術システムを使用するときに、ハンドルアセンブリは、典型的に、エンドエフェクタの機能を作動させるために存在していない。故に、ロボット外科手術システムによってそれぞれ一意的な外科手術器具を使用するために、器具駆動ユニットを使用して、選択された外科手術器具と接続して、外科手術器具の動作を駆動する。ロボット外科手術システムにおいて、ロボットアームは、外科手術器具を保持するために使用することができる。いくつかのロボット外科手術システムにおいて、外科手術器具の細長いシャフトの全長は、ロボットアームのホルダまたは他の特徴を通過しなければならず、それによって、外科手術器具の取り外しまたは交換が煩雑になる。
【0004】
故に、外科手術器具のより効率的かつ迅速な取り外しまたは交換を可能にするロボット外科手術システムに対する必要性が存在する。
【0005】
さらに、外科手術器具の回転軸が、外科手術器具自体の中にあるものと比較して、ロボット外科手術アセンブリのロボットアーム内で生じるロボット外科手術システムに対する必要性が存在する。この様態において、外科手術器具の構成および組み立てが単純化され、かつコスト効率がより高くなる。
【0006】
さらに、有用性が改善され、かつ高められたロボット外科手術システムに対する必要性が存在する。例えば、緊急事態において手動操作可能であるロボット外科手術システムに対する必要性も存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、ロボット外科手術システムが提供される。ロボット外科手術システムは、ロボットアームと、ロボットアームに連結されたキャリッジと、駆動ベルトと、キャリッジによって支持されたモータとを含む。キャリッジは、器具回転プーリーおよびモータ軸プーリーを回転可能に支持する。駆動ベルトは、器具回転プーリーおよびモータ軸プーリーに連結される。モータは、キャリッジによって支持され、また、モータの作動に応じてモータによって駆動されるカップリングを含む。カップリングは、モータ軸プーリーの回転が駆動ベルトを回転させて、器具回転プーリーを回転させるように、モータ軸プーリーと係合する。
【0008】
いくつかの実施形態において、ロボット外科手術システムは、キャリッジに連結するように構成された外科手術器具を含むことができる。外科手術器具は、器具回転プーリーの回転が外科手術器具を回転させるように、器具回転プーリーに動作可能に連結することができる。
【0009】
ロボット外科手術システムは、外科手術器具に連結するように構成された駆動伝達アセンブリを含む無菌バリアハウジングを備えることができる。無菌バリアハウジングは、キャップを含むことができる。キャップは、無菌バリアハウジング内に画定された内部空洞を露出させるために、取り外し可能とすることができる。空洞は、その中で選択的にモータパックを受容するように構成することができる。
【0010】
特定の実施形態において、ロボット外科手術システムは、駆動伝達アセンブリに連結するように構成された無菌バリアカラーアセンブリをさらに備えることができる。無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が駆動伝達アセンブリに連結されている間に、外科手術器具を支持するように構成することができる。駆動伝達アセンブリおよび無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が無菌バリアカラーアセンブリに連結されている間にその長手方向軸に沿って回転するように、器具回転プーリーの回転に応答して共に回転することができる。
【0011】
ロボット外科手術システムは、無菌バリアハウジング内で支持されたモータパックをさらに含むことができる。モータパックは、無菌バリアハウジングに対して駆動伝達アセンブリと共に回転することができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、ロボット外科手術システムは、駆動ベルトに動作可能に連結されたテンションプーリーをさらに含むことができる。
【0013】
本開示の別の態様によれば、ロボット外科手術システムは、外科手術器具と、器具駆動ユニットと、外科手術器具が器具駆動ユニットに連結されている間に、器具駆動ユニットおよび外科手術器具を支持するキャリッジとを含む。外科手術器具は、その近位端部と遠位端部との間に長手方向軸を画定する。器具駆動ユニットは、外科手術器具が器具駆動ユニットに連結されている間に外科手術器具に回転力を伝達するように構成することができる。
【0014】
キャリッジは、器具回転プーリーと、モータ軸プーリーと、器具回転プーリーおよびモータ軸プーリーに連結された駆動ベルトと、カップリングとを含む。カップリングは、カップリングの回転が器具回転プーリーおよびモータ軸プーリーの周囲で駆動ベルトを回転させて、外科手術器具の長手方向軸を中心に外科手術器具を回転させるように、モータ軸プーリーと係合する。
【0015】
いくつかの実施形態において、ロボット外科手術システムは、レールを支持するロボットアームを含むことができる。キャリッジは、ロボットアームのレールに移動可能に載置することができる。キャリッジは、レールに連結された後方パネルと、後方パネルから延在するカップリングフランジとを含むことができる。カップリングフランジは、器具回転プーリーを回転可能に支持することができる。
【0016】
特定の実施形態において、器具駆動ユニットは、そこから延在する駆動伝達アセンブリを有する無菌バリアハウジングを含むことができる。駆動伝達アセンブリは、外科手術器具に連結するように構成することができる。無菌バリアハウジングは、キャップを含むことができる。キャップは、無菌バリアハウジング内に画定された内部空洞を露出させるために、取り外し可能とすることができる。空洞は、その中で選択的にモータパックを受容するように構成することができる。
【0017】
ロボット外科手術システムは、駆動伝達アセンブリに連結するように構成された無菌バリアカラーアセンブリを含むことができる。無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が駆動伝達アセンブリに連結されている間に、外科手術器具を支持するように構成することができる。駆動伝達アセンブリおよび無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が無菌バリアカラーアセンブリに連結されている間に回転するように、器具回転プーリーの回転に応答して共に回転することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、ロボット外科手術システムは、無菌バリアハウジング内で支持されたモータパックを含むことができる。モータパックは、駆動伝達アセンブリがモータパックと外科手術器具との間に無菌インターフェースを提供するように、駆動伝達アセンブリを係合するように構成することができる。モータパックは、無菌バリアハウジングに対して駆動伝達アセンブリと共に回転することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、キャリッジは、駆動ベルトに動作可能に連結されたテンションプーリーをさらに含む。
【0020】
本開示のさらに別の態様によれば、ロボット外科手術アセンブリは、キャリッジと、キャリッジに載置されたシェルと、シェルに取り外し可能に接続可能な無菌バリアハウジングと、モータパックとを含む。無菌バリアハウジングは、その中に空洞を画定することができ、また、そこから遠位に延在する駆動伝達アセンブリを有することができる。モータパックは、無菌バリアハウジングの空洞内で選択的に受容可能とすることができ、また、無菌バリアハウジングの空洞内で受容して、モータパックから駆動伝達アセンブリに回転力を伝達する間に、無菌バリアハウジングの駆動伝達アセンブリとインターフェースするように構成することができる。駆動伝達アセンブリは、駆動伝達アセンブリに連結された外科手術器具に回転力を伝達するように構成される。
【0021】
ロボット外科手術アセンブリは、無菌バリアハウジングに回転可能に支持された係止リングを含むことができる。駆動伝達アセンブリは、無菌バリアハウジングに対して回転可能とすることができ、係止リングは、駆動伝達アセンブリに連結して、駆動伝達アセンブリの角度配向に関する触覚フィードバックを提供するように構成することができる触覚フィードバックリングを支持することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、無菌バリアハウジングは、空洞内でモータパックを選択的に閉鎖するために、そこに枢動的に連結されたカバーを含むことができる。
【0023】
特定の実施形態において、ロボット外科手術アセンブリは、シェルに連結された無菌ドレープをさらに含むことができる。無菌ドレープは、無菌バリアを確立するように位置付け可能とすることができる。
【0024】
ロボット外科手術アセンブリは、ロボットアーム上で支持されたレールを有するロボットアームをさらに含むことができる。キャリッジは、レールに沿って軸方向に移動可能とすることができる。キャリッジは、器具回転プーリーを回転可能に支持するカップリングフランジを含むことができる。器具回転プーリーは、そこを通る開口部を画定することができる。開口部は、駆動伝達アセンブリを非回転受容するためのキー溝を画定することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、無菌バリアカラーアセンブリは、駆動伝達アセンブリに連結するように構成することができる。無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が駆動伝達アセンブリに連結されている間に、外科手術器具を支持するように構成することができる。駆動伝達アセンブリおよび無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が無菌バリアカラーアセンブリに連結されている間にその長手方向軸に沿って回転するように、器具回転プーリーの回転に応答して共に回転することができる。
【0026】
特定の実施形態において、モータパックは、無菌バリアハウジングに対して駆動伝達アセンブリと共に回転することができる。
【0027】
本開示の一態様によれば、ロボット外科手術システムは、ロボットアームと、外科手術器具と、ロボットアームに連結され、外科手術器具を支持するように構成されたロボット外科手術アセンブリとを含む。
【0028】
ロボット外科手術アセンブリは、キャリッジと、キャリッジに載置されたシェルと、シェルに接続可能な無菌バリアハウジングと、無菌バリアハウジングによって支持されたモータパックとを含む。無菌バリアハウジングは、そこから遠位に延在する駆動伝達アセンブリを有することができる。モータパックは、無菌バリアハウジングの駆動伝達アセンブリとインターフェースして、モータパックから駆動伝達アセンブリに回転力を伝達するように構成することができる。駆動伝達アセンブリは、外科手術器具に回転力を伝達するように構成することができる。
【0029】
特定の実施形態において、係止リングは、無菌バリアハウジング上で回転可能に支持することができる。駆動伝達アセンブリは無菌バリアハウジングに対して回転可能とすることができ、係止リングは、駆動伝達アセンブリに連結して、駆動伝達アセンブリの角度配向に関する触覚フィードバックを提供するように構成される触覚フィードバックリングを支持することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、無菌バリアハウジングは、空洞内でモータパックを選択的に閉鎖するために、そこに枢動的に連結されたカバーを含むことができる。
【0031】
ロボット外科手術システムは、シェルに連結された無菌ドレープを含むことができる。無菌ドレープは、無菌バリアを確立するように位置付け可能とすることができる。
【0032】
特定の実施形態において、ロボットアームは、レールを含むことができ、キャリッジは、レールに沿って軸方向に移動可能とすることができる。キャリッジは、そこを通る開口部を画定する器具回転プーリーを回転可能に支持するカップリングフランジを含むことができる。開口部は、駆動伝達アセンブリを非回転受容するためのキー溝を画定することができる。
【0033】
ロボット外科手術システムは、駆動伝達アセンブリに連結するように構成された無菌バリアカラーアセンブリを含むことができる。無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が駆動伝達アセンブリに連結されている間に、外科手術器具を支持するように構成することができる。駆動伝達アセンブリおよび無菌バリアカラーアセンブリは、外科手術器具が無菌バリアカラーアセンブリに連結されている間にその長手方向軸に沿って回転するように、器具回転プーリーの回転に応答して共に回転することができる。モータパックは、無菌バリアハウジングに対して駆動伝達アセンブリと共に回転することができる。
【0034】
本開示のなおも別の態様によれば、電気機械ロボットの外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに連結するための無菌インターフェースモジュールが提供される。外科手術器具は、エンドエフェクタを含み、また、ロボット外科手術アセンブリによって作動するように構成することができる。
【0035】
無菌インターフェースモジュールは、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに選択的に連結するように構成された本体部材を含む。本体部材は、誘電材料で形成することができる。無菌インターフェースモジュールは、本体部材内で支持された駆動アセンブリを含むことができ、また、ロボット外科手術アセンブリから外科手術器具に回転力を伝達して、外科手術器具を作動させて、外科手術器具が機能を行うことを可能にするように構成することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、本体部材は、ロボット外科手術アセンブリと外科手術器具との間で情報を電気的に通信する電気コネクタを支持することができる。本体部材は、ロボット外科手術アセンブリから外科手術器具に電気外科用エネルギーを伝達するように構成された電気外科用接続部材を支持することができる。電気外科用接続部材は、電気コネクタから電気的に絶縁することができる。
【0037】
特定の実施形態において、駆動アセンブリは、駆動カプラと、駆動カプラから延在する伝達シャフトとを含むことができる。駆動カプラは、ロボット外科手術アセンブリと係合可能とすることができ、伝達シャフトは、外科手術器具と係合可能とすることができる。駆動カプラおよび伝達アセンブリは、外科手術器具のエンドエフェクタを動作させるように、ロボット的に移動可能とすることができる。
【0038】
無菌インターフェースモジュールは、本体部材上で支持された回転可能なカラーを含むことができる。無菌インターフェースモジュールは、回転可能なカラーに固定されたリングカプラと、駆動アセンブリの伝達シャフトに固定された駆動カプラと、駆動カプラとリングカプラとの間で支持されたアイドラカプラとを含むことができる。リングカプラは、回転可能なカラーが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、アイドラカプラと選択的に係合可能とすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、無菌インターフェースモジュールは、本体部材に連結された浮動プレートをさらに含むことができる。浮動プレートは、本体部材への外科手術器具の選択的な接続を容易にするように、本体部材に対して移動可能とすることができる。浮動プレートは、ばね付勢することができる。
【0040】
本開示の1つの態様において、ロボット外科手術システムは、電気機械ロボット外科手術器具と、ロボット外科手術アセンブリと、無菌インターフェースモジュールとを含む。無菌インターフェースモジュールは、誘電材料で形成された本体部材を有する。本体部材は、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに選択的に連結して、ロボット外科手術アセンブリと外科手術器具との間で無菌性を維持するように構成することができる。本体部材は、ロボット外科手術アセンブリから外科手術器具に回転力を伝達して、外科手術器具を作動させるように構成された駆動アセンブリを支持することができる。
【0041】
無菌インターフェースモジュールの本体部材は、本体部材がロボット外科手術アセンブリおよび外科手術器具に連結されている間に、ロボット外科手術アセンブリと外科手術器具の間で情報を電気的に通信する電気コネクタを支持することができる。無菌インターフェースモジュールの本体部材は、ロボット外科手術アセンブリから外科手術器具に電気外科用エネルギーを伝達するよう構成された電気外科用接続部材を支持することができる。電気外科用接続部材は、電気コネクタから電気的に絶縁することができる。
【0042】
特定の実施形態において、外科手術器具は、エンドエフェクタを含むことができる。無菌インターフェースモジュールの駆動アセンブリは、駆動カプラと、駆動カプラから延在する伝達シャフトとを含むことができる。駆動カプラは、ロボット外科手術アセンブリと係合可能とすることができ、伝達シャフトは、外科手術器具と係合可能とすることができる。駆動カプラおよび伝達アセンブリは、外科手術器具のエンドエフェクタを動作させるように、ロボット的に移動可能とすることができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、無菌インターフェースモジュールは、無菌インターフェースモジュールの本体部材上で支持された回転可能なカラーを含むことができる。無菌インターフェースモジュールは、回転可能なカラーに固定されたリングカプラと、駆動アセンブリの伝達シャフトに固定された駆動カプラと、駆動カプラとリングカプラとの間で支持されたアイドラカプラとを含むことができる。リングカプラは、回転可能なカラーが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、アイドラカプラと選択的に係合可能とすることができる。リングカプラは、第1および第2の位置の間で回転して、駆動カプラをロボット外科手術アセンブリから選択的に係合解除することができる。回転可能なカラーの回転は、回転可能なカラーの軸方向運動、およびアイドラカプラと回転可能なカラーとの間の選択的な係合をもたらすことができる。
【0044】
特定の実施形態において、無菌インターフェースモジュールは、無菌インターフェースモジュールの本体部材に連結された浮動プレートを含むことができる。浮動プレートは、無菌インターフェースモジュールの本体部材への外科手術器具の選択的な接続を容易にするように、無菌インターフェースモジュールの本体部材に対して移動可能とすることができる。無菌インターフェースモジュールの浮動プレートは、ばね付勢することができる。
【0045】
本開示のなおも別の態様によれば、外科手術器具に回転力を伝達するように構成されたロボット外科手術アセンブリに連結するための外科手術器具が提供される。外科手術器具は、細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端部に連結されたエンドエフェクタと、エンドエフェクタに動作的に連結された駆動アセンブリとを含む。駆動アセンブリは、エンドエフェクタに接続される1つ以上のケーブルを含み、1つ以上のケーブルの運動は、エンドエフェクタの運動を作動させる。1つ以上のケーブルは、パリレンでコーティングすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、1つ以上のケーブルは、ロボット外科手術アセンブリから伝達される回転力に応答して移動可能とすることができる。
【0047】
特定の実施形態において、駆動アセンブリは、駆動ナットを支持する駆動ねじを含むことができる。駆動ナットは、駆動ねじが回転して、1つ以上のケーブルを移動させるときに、駆動ねじに沿って軸方向に移動可能とすることができる。
【0048】
外科手術器具は、エンドエフェクタに動作的に連結された第2の駆動アセンブリをさらに含むことができる。第2の駆動アセンブリは、第2の駆動ナットを支持する第2の駆動ねじを含むことができ、該第2の駆動ナットは、第2の駆動ねじが回転するときに、第2の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である。第1および第2の駆動ナットは、第1および第2の駆動ねじが回転するときに、軸方向に反対方向に移動するように構成することができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、駆動アセンブリは、1つ以上のケーブルをテンション付与状態に維持する付勢部材を含む。
【0050】
特定の実施形態において、外科手術器具は、細長いシャフトの近位端部上で支持されたハウジングを含む。ハウジングは、ロボット外科手術アセンブリに連結するように構成することができる。ハウジングは、傾斜したカム作用表面を支持する側面を含むことができる。傾斜したカム作用表面は、ハウジングをロボット外科手術アセンブリに横方向に連結することを可能にするように構成することができる。ハウジングは、外科手術器具がロボット外科手術アセンブリと電気的に通信することができるように、ロボット外科手術アセンブリに電気的に結合するように構成された1つ以上の電気コネクタを支持することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、1つ以上のケーブルは、タングステンで形成することができる。
【0052】
本開示の一態様によれば、ロボット外科手術器具は、ロボット外科手術アセンブリに連結するように構成されたハウジングと、ハウジングから遠位に延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから遠位に延在するエンドエフェクタと、ハウジング内で支持された駆動アセンブリとを含む。駆動アセンブリは、エンドエフェクタに接続されたケーブルを含む。ケーブルは、エンドエフェクタを作動させるように移動可能である。ケーブルは、オートクレーブ可能な材料でコーティングすることができる。
【0053】
ケーブルは、ハウジングがロボット外科手術アセンブリに連結されている間に、ロボット外科手術アセンブリから伝達される回転力に応答して移動可能とすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、駆動アセンブリは、駆動ナットを支持する駆動ねじを含む。駆動ナットは、駆動ねじが回転してケーブルを移動させるときに、駆動ねじに沿って軸方向に移動可能とすることができる。ロボット外科手術器具は、エンドエフェクタに動作的に連結された第2の駆動アセンブリをさらに含むことができる。第2の駆動アセンブリは、第2の駆動ナットを支持する第2の駆動ねじを含むことができ、該第2の駆動ナットは、第2の駆動ねじが回転するときに、第2の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である。第1および第2の駆動ナットは、第1および第2の駆動ねじが回転するときに、軸方向に反対方向に移動するように構成することができる。
【0055】
特定の実施形態において、駆動アセンブリは、ケーブルをテンション付与状態に維持する付勢部材を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、オートクレーブ可能な材料は、パリレンを含むことができる。ケーブルは、タングステンで形成することができる。
【0057】
特定の実施形態において、ハウジングは、傾斜したカム作用表面を支持する側部表面を含む。傾斜したカム作用表面は、ハウジングをロボット外科手術アセンブリに横方向に連結することを可能にするように構成することができる。ハウジングは、外科手術器具がロボット外科手術アセンブリと電気的に通信することができるように、ロボット外科手術アセンブリに電気的に結合するように構成された1つ以上の電気コネクタを支持することができる。
【0058】
本開示の別の態様による、ロボット外科手術システムは、外科手術器具と、ロボット外科手術アセンブリとを含む。ロボット外科手術アセンブリは、器具開口部を画定し、また、浮動プレートと、駆動アセンブリとを含む。浮動プレートは、伸長位置と圧縮位置の間で移動可能とすることができる。外科手術器具は、浮動プレートが圧縮位置に配置されている間に、ロボット外科手術アセンブリ器具開口部内で横方向に受容可能とすることができる。浮動プレートは、外科手術器具がロボット外科手術アセンブリの器具開口部内で受容されている間に、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに連結するように伸長位置に移動可能とすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、浮動プレートは、そこから延在する1つ以上のタブを含む。1つ以上のタブは、外科手術器具に係合して、伸長位置から圧縮位置に浮動プレートを移動させるように構成することができる。
【0060】
特定の実施形態において、駆動アセンブリは、浮動プレートが伸長位置に配置されている間に、器具開口部の中へ延在する1つ以上のカプラを含むことができる。浮動プレートは、浮動プレートが伸長位置から圧縮位置に移動するときに、器具開口部の外に1つ以上のカプラを移動させることができる。外科手術器具は、ロボット外科手術アセンブリの1つ以上のカプラを補完する、1つ以上のカプラを含むことができる。ロボット外科手術アセンブリの1つ以上のカプラは、浮動プレートが伸長位置にあり、かつ外科手術器具がロボット外科手術アセンブリに連結されている間に、外科手術器具の1つ以上のカプラを係合するように構成することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、浮動プレートは、伸長位置に向かってばね付勢することができる。
【0062】
特定の実施形態において、ロボット外科手術アセンブリは、器具開口部を画定する半環状カップリングカフを含むことができる。半環状カップリングカフは、U字形状の本体を含むことができる。カップリングカフは、カップリングカフの内面に形成された傾斜面を含むことができる。傾斜面は、カップリングカフの傾斜面が器具開口部内で外科手術器具を支持するように、外科手術器具の外面に形成された補完面に係合するように構成することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、外科手術器具は、ハウジングと、ハウジングに枢動的に接続された1つ以上のパドルとを含むことができる。1つ以上のパドルは、外科手術器具が器具開口部を通って横方向に摺動することができるように、浮動プレートを圧縮位置に移動させるように浮動プレートに係合可能とすることができる。
【0064】
本開示のなおも別の態様によれば、外科手術器具に選択的に係合するためのロボット外科手術アセンブリが提供される。ロボット外科手術アセンブリは、外科手術器具に回転力を伝達するように構成された駆動アセンブリと、器具開口部を画定する半環状カップリングカフと、浮動プレートとを含む。浮動プレートは、伸長位置と圧縮位置の間で移動可能とすることができる。カップリングカフは、浮動プレートが圧縮位置にある間に、外科手術器具を、器具開口部を通して横方向に受容するように構成することができる。浮動プレートは、駆動アセンブリを外科手術器具に連結するように、圧縮位置から伸長位置に移動可能とすることができる。
【0065】
浮動プレートは、そこから延在する1つ以上のタブを含むことができる。1つ以上のタブは、外科手術器具に係合して、伸長位置から圧縮位置に浮動プレートを移動させるように構成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、駆動アセンブリは、浮動プレートが伸長位置に配置されている間に、器具開口部の中へ延在する1つ以上のカプラを含むことができる。浮動プレートは、浮動プレートが伸長位置から圧縮位置に移動するときに、器具開口部の外に1つ以上のカプラを移動させることができる。1つ以上のカプラは、浮動プレートが伸長位置にある間に、外科手術器具に係合するように構成することができる。浮動プレートは、伸長位置に向かってばね付勢することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、カップリングカフは、U字形状の本体を含むことができる。カップリングカフは、カップリングカフの内面に形成された傾斜面を含むことができる。傾斜面は、カップリングカフの傾斜面が器具開口部内で外科手術器具を支持するように、外科手術器具の外面に形成された補完面に係合するように構成することができる。
【0068】
特定の実施形態において、駆動アセンブリは、駆動アセンブリを作動させるロボット制御式モータアセンブリに連結することができる。
【0069】
本開示の一態様によれば、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに連結するための無菌インターフェースモジュールが提供される。外科手術器具は、エンドエフェクタを含む。
【0070】
無菌インターフェースモジュールは、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに選択的に連結するように構成された本体部材を含む。無菌インターフェースモジュールは、本体部材によって支持された第1の駆動伝達アセンブリをさらに含む。第1の駆動伝達アセンブリは、駆動カプラと、駆動カプラから延在する伝達シャフトとを含む。駆動カプラは、ロボット外科手術アセンブリと係合可能とすることができ、伝達シャフトは、外科手術器具と係合可能とすることができる。駆動カプラおよび伝達アセンブリは、外科手術器具のエンドエフェクタを動作させるように、ロボット的に移動可能とすることができる。
【0071】
回転可能なカラーは、本体部材上で支持され、また、第1の駆動伝達アセンブリと動作可能に関連付けられる。回転可能なカラーは、外科手術器具のエンドエフェクタを手動で操作するように、本体部材に対して手動で移動可能とすることができる。回転可能なカラーは、回転可能なカラーが本体部材の周囲を回転するときに、本体部材に対して軸方向に移動させることができる。
【0072】
無菌インターフェースモジュールは、回転可能なカラーに固定されたリングカプラをさらに含むことができる。駆動カプラは、第1の駆動伝達アセンブリの伝達シャフトに固定することができ、アイドラカプラは、駆動カプラとリングカプラとの間で支持することができる。リングカプラは、回転可能なカラーが第1の位置にある間に、アイドラカプラに係合することができ、回転可能なカラーが第2の位置にある間に、アイドラカプラから離間配置される。リングカプラは、回転可能なカラーが本体部材の周囲を回転するときに、アイドラカプラを回転させることができる。アイドラカプラの回転は、駆動カプラを回転させて、伝達シャフトを回転させることができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、第2の駆動伝達アセンブリは、第1の駆動伝達アセンブリと連動して外科手術器具のエンドエフェクタを動作させるように構成される。第1の駆動伝達アセンブリは、回転可能なカラーが本体部材に対して移動するときに、第2の駆動伝達アセンブリとは関係なく回転可能とすることができる。第2の駆動伝達アセンブリは、回転可能なカラーが本体部材に対して回転するときに、静止した状態を維持するように構成することができる。
【0074】
特定の実施形態において、浮動プレートは、本体部材に連結することができ、ばねは、駆動カプラと伝達シャフトの間に位置付けることができる。浮動プレートは、本体部材から外科手術器具の選択的な取り外しを容易にするために、伝達シャフトと共に、本体部材に対して近位方向に移動可能とすることができる。ばねは、浮動プレートを遠位方向に付勢するように構成することができる。
【0075】
本開示の別の態様によれば、ロボット外科手術システムは、エンドエフェクタを含む外科手術器具と、ロボット外科手術アセンブリと、外科手術器具をロボット外科手術アセンブリに連結するためにロボット外科手術アセンブリと外科手術器具との間に位置付け可能である無菌インターフェースモジュールとを含む。
【0076】
さらに別の本開示の態様によれば、ロボット外科手術アセンブリに連結された外科手術器具のエンドエフェクタを手動で操作するための方法が提供される。本方法は、無菌インターフェースモジュールの回転可能なカラーを回転させて、アイドラカプラに対してリングカプラを軸方向に移動させることと、リングカプラをアイドラカプラと選択的に係合することと、リングカプラがアイドラカプラと係合している間に、リングカプラと共にアイドラカプラを回転させて、第1の駆動伝達アセンブリを手動で回転させることと、第1の駆動伝達アセンブリの手動の回転に応答して、外科手術器具のエンドエフェクタを操作することとを含む。
【0077】
本方法は、アイドラカプラからリングカプラを軸方向に離間配置して、リングカプラをアイドラカプラから係合解除することを含むことができる。本方法は、第2の駆動伝達アセンブリとは関係なく第1の駆動伝達アセンブリを手動で回転させることを含むことができる。
【0078】
本開示の一態様によれば、外科手術器具ホルダが提供される。外科手術器具ホルダは、キャリッジと、ハウジングと、駆動アセンブリとを含む。キャリッジは、外科手術ロボットアームに係合するように、および器具駆動ユニットを支持するように構成される。キャリッジは、モータを含む。ハウジングは、キャリッジから延在し、チャネルを画定する。駆動アセンブリは、プーリーと、ベルトと、環状部材とを含む。プーリーは、ハウジング内に回転可能に配置され、また、モータの作動がプーリーを回転させるようにモータと動作可能に係合する。ベルトは、ハウジング内に回転可能に配置され、プーリーの回転がベルトの回転を達成するようにプーリーと動作可能に係合する。環状部材は、ハウジングのチャネル内に配置され、器具駆動ユニットを回転不能に受容するように構成される。環状部材は、ベルトの回転が環状部材の回転を達成するようにベルトと動作可能に係合する。
【0079】
いくつかの実施形態において、ベルトは、閉ループとすることができ、また、ベルトの内面から延在する歯を含むことができる。環状部材は、その外面から延在する歯を有することができ、また、ベルトの歯と動作可能に係合することができる。環状部材は、リングと、リング内に配置された環状ベースプレートとを含むことができる。リングは、そこから延在する環状部材の歯を有することができる。環状ベースプレートは、1つ以上の孔を画定することができる。リングおよび環状ベースプレートは、器具駆動ユニットを受容するように構成された空洞を協働的に画定することができる。
【0080】
キャリッジは、モータから延在する回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトに回転不可能に接続されたシャフトカップリングとをさらに含み得ることが企図される。駆動アセンブリは、シャフトカップリングに回転不可能に接続された近位端部を有する従動シャフトと、キャリッジの駆動シャフトの回転がシャフトカップリングの回転を達成し、次に、駆動アセンブリのプーリーの回転を達成するように、回転不可能にプーリーに接続された遠位端部とをさらに含むことができる。キャリッジのモータ、キャリッジの駆動シャフト、および駆動アセンブリの従動シャフトの各々は、互いに直列に長手方向軸を画定することができる。
【0081】
キャリッジは、モータと電気通信してモータの動作を制御するプリント回路基板をさらに含むことができることが想定される。
【0082】
本開示のいくつかの態様において、ベルトは、柔軟性を有することができ、また、ハウジングによって画定された長半円形状に沿って進行するように構成することができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、ハウジングはその中でエンクロージャを画定する側壁と、エンクロージャ内に配置され、側壁に接続された基部とを含むことができる。基部は、ハウジングのチャネルおよび弓状の底部レッジを画定することができる。ハウジングは、基部から上方へ延在する弓状の壁をさらに含むことができる。駆動アセンブリは、第1のベアリングと、第2のベアリングとをさらに含むことができる。第1のベアリングは、ハウジング内に配置し、環状部材と係合することができる。第2のベアリングは、ハウジングの弓状の底部レッジ上に配置し、環状部材と係合することができる。第1および第2のベアリングは、ハウジングに対する環状部材の回転を容易にする。
【0084】
駆動アセンブリは、ハウジング内に回転可能に配置された第2のプーリーをさらに含み得ることが企図される。第2のプーリーは、ベルトと動作可能に係合する。駆動アセンブリのプーリーは、互いに離間配置される。ベルトは、駆動アセンブリのプーリーに、および環状部材に巻き付く。
【0085】
本開示の別の態様において、外科手術ロボットアームと共に使用する外科手術アセンブリが提供される。外科手術アセンブリは、器具駆動ユニットと、外科手術器具ホルダとを含む。器具駆動ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に配置されたモータアセンブリとを含む。外科手術器具ホルダは、キャリッジと、キャリッジから延在するハウジングと、駆動アセンブリとを含む。キャリッジは、外科手術ロボットアームに移動可能に係合するように構成された第1の側部と、器具駆動ユニットのハウジングを回転不可能に支持するように構成された第2の側部とを有する。キャリッジは、モータを含む。器具駆動ユニットのハウジングは、キャリッジから延在し、チャネルを画定する。駆動アセンブリは、プーリーと、ベルトと、環状部材とを含む。プーリーは、キャリッジのモータの作動が駆動アセンブリのプーリーを回転させるように、外科手術器具ホルダのハウジング内に回転可能に配置され、キャリッジのモータと動作可能に係合する。ベルトは、ハウジング内に回転可能に配置され、プーリーの回転がベルトの回転を達成するようにプーリーと動作可能に係合する。環状部材は、ハウジングのチャネル内に配置され、器具駆動ユニットのモータアセンブリを回転不能に受容するように構成される。環状部材は、ベルトの回転が環状部材を回転させて、器具駆動ユニットのハウジングに対する器具駆動ユニットのモータアセンブリの回転をもたらすように、ベルトと動作可能に係合する。
【0086】
いくつかの実施形態において、環状部材は、リングと、リング内に配置された環状ベースプレートとを含むことができる。リングは、そこから延在する環状部材の歯を有することができる。環状ベースプレートは、そこを通るモータアセンブリの駆動シャフトを受容する1つ以上の孔を画定することができる。リングおよび環状ベースプレートは、器具駆動ユニットのモータアセンブリを受容するように構成された空洞を協働的に画定することができる。
【0087】
外科手術アセンブリは、器具駆動ユニットのモータアセンブリと回転不能に接続するように構成された外科手術器具をさらに含み得ることが企図される。外科手術器具ホルダの駆動アセンブリを介した器具駆動ユニットのモータの回転アセンブリは、外科手術器具の回転を達成する。
【0088】
他の態様、特徴、および利点は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用器具に回転力を伝達するように構成されたロボット外科用アセンブリに連結するための外科用器具であって、
細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに動作可能に結合され、前記エンドエフェクタに接続された少なくとも1つのケーブルを含む駆動アセンブリとを備え、前記少なくとも1つのケーブルの動きは、前記エンドエフェクタの動作を作動させ、前記少なくとも1つのケーブルは、パリレンでコーティングされている、
外科用器具。
(項目2)
前記少なくとも1つのケーブルは、前記ロボット外科用アセンブリから伝達される回転力に応答して移動可能である、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
前記駆動アセンブリが、駆動ナットを支持する駆動ねじをさらに含み、前記駆動ナットが、前記少なくとも1つのケーブルを動かすために前記駆動ねじが回転すると、前記駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である、項目1に記載の外科用器具。
(項目4)
前記エンドエフェクタに動作可能に連結された第2の駆動アセンブリをさらに備え、前記第2の駆動アセンブリは、前記第2の駆動ねじが回転するときに前記第2の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能な第2の駆動ナットを支持する第2の駆動ねじを含む、項目3に記載の外科用器具。
(項目5)
前記第1および第2の駆動ナットは、前記第1および第2の駆動ねじが回転するときに軸方向反対方向に移動するように構成されている、項目4に記載の外科用器具。
(項目6)
前記駆動アセンブリは、前記少なくとも1つのケーブルを張力状態に維持する付勢部材をさらに含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目7)
前記細長いシャフトの近位端に支持されたハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、前記ロボット手術用アセンブリに結合するように構成されている、項目1に記載の外科用器具。
(項目8)
前記ハウジングは、傾斜したカム面を支持する側面を含み、前記傾斜したカム面は、前記ハウジングを前記ロボット手術用アセンブリに横方向に結合させるように構成されている、項目7に記載の外科用器具。
(項目9)
前記ハウジングは、前記外科用器具が前記ロボット外科用アセンブリと電気的に通信できるように、前記ロボット外科用アセンブリに電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気コネクタを支持する、項目7に記載の外科用器具。
(項目10)
前記少なくとも1つのケーブルがタングステンから形成される、項目1に記載の外科用器具。
(項目11)
ロボット手術器具であって、
ロボット手術用アセンブリに結合するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングから遠位に延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位に延びるエンドエフェクタと、
前記ハウジングに支持された駆動アセンブリとを備え、前記駆動アセンブリは前記エンドエフェクタに結合するケーブルを備え、前記ケーブルは前記エンドエフェクタを作動させるように移動可能であり、前記ケーブルはオートクレーブ可能な材料でコーティングされている、
ロボット手術器具。
(項目12)
前記ケーブルは、前記ロボット手術用アセンブリから伝達される回転力に応答して移動可能であり、前記ハウジングは、前記ロボット手術用アセンブリに結合される、項目11に記載のロボット手術用器具。
(項目13)
前記駆動アセンブリは、駆動ナットを支持する駆動ねじをさらに備え、前記駆動ナットは、前記駆動ねじが前記ケーブルを動かすように回転するときに前記駆動ねじに沿って軸方向に移動可能である、項目11に記載のロボット手術器具。
(項目14)
前記エンドエフェクタに動作可能に結合された第2の駆動アセンブリをさらに備え、前記第2の駆動アセンブリは、前記第2の駆動ねじが回転するときに前記第2の駆動ねじに沿って軸方向に移動可能な第2の駆動ナットを支持する第2の駆動ねじを含む、項目13に記載のロボット手術器具。
(項目15)
前記第1および第2の駆動ナットは、前記第1および第2の駆動ねじが回転するときに軸方向反対方向に移動するように構成されている、項目14に記載のロボット手術器具。
(項目16)
前記駆動アセンブリは、前記ケーブルを緊張状態に維持する付勢部材をさらに含む、項目11に記載のロボット手術器具。
(項目17)
前記オートクレーブ可能な材料が、パリレンを含む、項目11に記載のロボット手術器具。
(項目18)
前記ケーブルは、タングステンで形成されることを特徴とする、項目11に記載のロボット手術器具。
(項目19)
前記ハウジングは、傾斜したカム面を支持する側面を含み、前記傾斜したカム面は、前記ハウジングを前記ロボット手術用アセンブリに横方向に結合できるように構成されている、項目11に記載のロボット手術器具。
(項目20)
前記ハウジングは、前記外科用器具が前記ロボット外科用アセンブリと電気的に通信できるように、前記ロボット外科用アセンブリに電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気コネクタを支持する、項目19に記載のロボット手術用器具。
【0089】
本開示の実施形態は、添付図面を参照しながら本明細書で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】本開示によるロボット外科手術アセンブリを含むロボット外科手術システムの概略図である。
図2】部品が分離された、本開示の一実施形態によるロボット外科手術アセンブリおよび電気機械外科手術器具の斜視図である。
図3】ロボット外科手術システムのレールスライド上に支持されて示される、ロボット外科手術アセンブリのキャリッジの斜視図である。
図4】キャリッジおよびレールに連結され、接続されているロボット外科手術システムの無菌シェルおよびバッグを例示する、図3のキャリッジおよびレールの斜視図である。
図5】キャリッジおよびレールに連結され、接続されたロボット外科手術システムの無菌シェルおよびバッグを例示する、図3および図4のキャリッジおよびレールの側面図である。
図6】本開示の一実施形態による無菌バリアカラーアセンブリのキャリッジおよびレールへの連結または接続を例示する、図5のキャリッジおよびレールの側面図である。
図7図2の7-7に沿って切断した、図2で例示されるロボット外科手術アセンブリのモータパックの縦断面図である。
図8図7のモータパックのキャニスタモータおよびそれぞれのモータカプラの斜視図である。
図9】本開示のロボット外科手術アセンブリのモータパック、駆動伝達アセンブリ、および係止リングの構成要素の横断面図である。
図10図9の無菌バリアカラーアセンブリの平面図である。
図11】それぞれのモータカプラに接続された無菌バリアカラーアセンブリの駆動カプラを例示する斜視図である。
図12】無菌バリアカラーアセンブリの触覚リングの斜視図である。
図13】部品が分離された、図9の電気機械外科手術器具ならびに無菌バリアカラーアセンブリの浮動プレートおよびカップリングカフの斜視図である。
図14】電気機械外科手術器具の駆動アセンブリの斜視図である。
図15図13の15-15に沿って切断した、断面図である。
図16図15の16-16に沿って切断した、断面図である。
図17】無菌バリアカラーアセンブリを介してキャリアに連結された電気機械外科手術器具の拡大縦断面図である。
図18】電気機械外科手術器具をそこから取り外した、図17の実例のさらなる拡大図である。
図19】電気機械外科手術器具がロボット外科手術アセンブリに連結され、ロボット外科手術アセンブリの駆動伝達シャフトが電気機械外科手術器具の近位のカプラから分離された、図17の実例のさらに別の拡大図である。
図20】電気機械外科手術器具がロボット外科手術アセンブリに連結され、ロボット外科手術アセンブリの駆動伝達シャフトが電気機械外科手術器具の近位のカプラに連結された、図17の実例のなおも別の拡大図である。
図21A】無菌バリアカラーアセンブリを介してキャリアに連結された電気機械外科手術器具を例示する、電気機械外科手術器具の解放レバーまたはパドルを横断して延在する平面に沿って切断したときの、ロボット外科手術アセンブリに連結された電気機械外科手術器具の縦断面図である。
図21B】ロボット外科手術アセンブリに連結されている電気機械外科手術器具を例示する進行図である。
図21C】ロボット外科手術アセンブリに連結されている電気機械外科手術器具を例示する進行図である。
図21D】ロボット外科手術アセンブリに連結されている電気機械外科手術器具を例示する進行図である。
図22】ロボット外科手術システムのスライドレール上で支持され、電気機械外科手術器具に連結されて示される、本開示の別の実施形態によるロボット外科手術アセンブリの正面斜視図である。
図23図22のロボット外科手術アセンブリおよび電気機械外科手術器具の後方斜視図である。
図24】その一部分が想像線で示される、図22のロボット外科手術アセンブリに接続される電気機械外科手術器具の底部斜視図である。
図25図22のロボット外科手術アセンブリの底部斜視図である。
図26図24の26-26に沿って切断した断面図である。
図27図22のロボット外科手術アセンブリのプーリーの斜視図である。
図28図22のロボット外科手術アセンブリの無菌バリアの後方底面斜視図である。
図29図22のロボット外科手術アセンブリの無菌バリアの前方上面斜視図である。
図30図22のロボット外科手術アセンブリの無菌バリアカラーアセンブリに接続されて示される、電気機械外科手術器具の前方斜視図である。
図31図22のロボット外科手術アセンブリの無菌バリアカラーアセンブリに接続されて示される、電気機械外科手術器具の後方斜視図である。
図32】スライドレールに接続されて示される、図22のロボット外科手術アセンブリおよび電気機械外科手術器具の縦断面図である。
図33図32に示される詳細の領域の拡大図である。
図34図32の34-34に沿って切断した、ロボット外科手術アセンブリおよび電気機械外科手術器具の断面図である。
図35図34に示される詳細の領域の拡大図である。
図36】部品が分離された、図2または図36のロボット外科手術アセンブリと共に使用するためのロボット外科手術アセンブリの別の実施形態および種々の電気機械外科手術器具の実施形態の側立面図である。
図37図36に示される種々の電気機械外科手術器具の1つの実施形態の上面図である。
図38図1のロボット外科手術アセンブリの一部分の拡大部分断面図である。
図39】その無菌インターフェースモジュールが第1の位置で示される、図1のロボット外科手術アセンブリの拡大側断面図である。
図40】その無菌インターフェースモジュールが第2の位置で示される、図1のロボット外科手術アセンブリの一部分の拡大側断面図である。
図41】その無菌インターフェースモジュールが第1の位置で示される、図1のロボット外科手術アセンブリの一部分の拡大正面図である。
図42】その無菌インターフェースモジュールが第2の位置で示される、図41に示されるロボット外科手術アセンブリの一部分の拡大正面図である。
図43】その無菌インターフェースモジュールが第1の位置で示される、図41に示されるロボット外科手術アセンブリの一部分の斜視断面図である。
図44】その無菌インターフェースモジュールが第2の位置で示される、図41に示されるロボット外科手術アセンブリの一部分の斜視断面図である。
図45】第1の位置における無菌インターフェースモジュールの拡大頂部断面図である。
図46】駆動カプラが第1の状態で示される、図1のロボット外科手術アセンブリの無菌インターフェースモジュールの駆動伝達アセンブリおよびモータアセンブリのモータカプラの拡大斜視図である。
図47】駆動伝達アセンブリが第2の状態で示される、図46の駆動伝達アセンブリおよびモータカプラの斜視図である。
図48】部品が分離された、本開示によるロボット外科手術アセンブリのさらに別の実施形態の側立面図である。
図49】適切な位置における安全クリップを例示する、図48のロボット外科手術アセンブリの無菌インターフェースモジュールの斜視図である。
図50】部品が分離された、図49の無菌インターフェースモジュールの斜視図である。
図51図49の51-51に沿って切断した断面図である。
図52図49の52-52に沿って切断した断面図である。
図53図49の53-53に沿って切断した断面図である。
図54図48図53の無菌モジュールインターフェースの側面図である。
図55】第1の条件における無菌モジュールインターフェースを例示する、図49の55-55に沿って切断したときの、図48図54の無菌モジュールインターフェースの断面立面図である。
図56】第2の条件における無菌モジュールインターフェースを例示する、図55の無菌モジュールインターフェースの断面立面図である。
図57】そこに接続された外科手術器具を含む、図48のロボット外科手術アセンブリの縦断面図である。
図58】そこに接続された外科手術器具を含む、図48のロボット外科手術アセンブリの別の縦断面図である。
図59】外科手術器具ホルダと、器具駆動ユニットと、外科手術器具とを含む、図1の外科手術アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図60A】部品が分離された、図59の外科手術器具ホルダの斜視図である。
図60B】部品が組み立てられた、図59の外科手術器具ホルダの斜視図である。
図61図60Bの線61-61に沿って切断した、外科手術器具ホルダの断面図である。
図62】部品が分離された、図60Bの駆動アセンブリおよび外科手術器具ホルダのハウジングの斜視図である。
図63図62の外科手術器具ホルダのハウジングの拡大図である。
図64A図63の線64A-64Aに沿って切断した、外科手術器具ホルダのハウジングの断面図である。
図64B】追加の駆動アセンブリの環状部材およびプーリーがその中に配置された、図64Aに示されるハウジングの断面図である。
図65A図63のハウジングの上面図である。
図65B】追加の駆動アセンブリのベルトおよびプーリーがその中に配置された、図63のハウジングの上面図である。
図66A】テンション付与アセンブリが追加された、図65Bの外科手術器具ホルダのハウジングの上面図である。
図66B図66Aに示される詳細の領域の斜視図である。
図67】外科手術器具ホルダに配置された器具駆動ユニットを例示する、図59の線67-67に沿って切断した、外科手術アセンブリの断面図である。
図68】外科手術器具ホルダに配置された器具駆動ユニットを例示する、図59の線68-68に沿って切断した、外科手術アセンブリの別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
ここで開示される、電気機械外科手術器具の動作を駆動するための器具駆動ユニットを含む外科手術アセンブリおよびその方法の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において、同様に参照符号は、複数の図面の各々における同一のまたは対応する要素を示す。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、患者により近い、ロボット外科手術システム、外科手術アセンブリ、またはその構成要素のその一部分を指し、一方で、「近位」という用語は、患者からより遠い、ロボット外科手術システム、外科手術アセンブリ、またはその構成要素のその一部分をさす。本明細書で使用される場合、平行したおよび垂直なという用語は、真の平行および真の垂直から最大で約+または-10度まで、略平行および略垂直である相対的な構成を含むものと理解される。
【0092】
本明細書で使用される場合、「臨床医」という用語は、医者、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、また、サポート要員を含む場合がある。以下の説明では、周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを回避するために、詳細に説明されない。
【0093】
下で詳細に説明するように、外科手術ロボットアームに取り付けるように構成された外科手術アセンブリが提供される。外科手術アセンブリは、例えば、限定されないが、電気機械器具をその長手方向軸を中心に回転させるように構成されたモータを有する器具駆動ユニットを含む。いくつかの実施形態において、モータは、中空コアモータとすることができる。加えて、電気機械器具のその長手方向軸を中心にした回転度を決定し、調整するように構成されたフィードバックアセンブリが提供される。電気機械器具の回転は、伝達装置(歯車、ベルト、および/またはケーブル)を介して、空気圧を介して、および/または液圧を介して、中空コアモータ、キャニスタモータ(ブラシなしまたはブラシ付き)によって達成することができる。電気機械器具の回転軸は、器具駆動ユニットまたはロボットアームと一体にすることができる。
【0094】
最初に図1を参照すると、例えばロボット外科手術システム1等の外科手術システムは、一般に、1つ以上の外科手術ロボットアーム2、3と、制御デバイス4と、制御デバイス4と連結された操作コンソール5とを含む。外科手術ロボットアーム2、3のいずれも、ロボット外科手術アセンブリ100と、そこに連結された電気機械外科手術器具200とを有することができる。いくつかの実施形態において、ロボット外科手術アセンブリ100は、外科手術ロボットアーム2、3のうちの1つのスライドレール40に取り外し可能に取り付けることができる。特定の実施形態において、ロボット外科手術アセンブリ100は、外科手術ロボットアーム2、3のうちの1つのスライドレール40に固定的に取り付けることができる。
【0095】
操作コンソール5は、原則として当業者に知られているように、3次元画像を表示するようにセットアップされた表示デバイス6と、臨床医(図示せず)が第1の操作モードにおいてロボットアーム2、3を遠隔操作することが可能である、手動入力デバイス7、8とを含む。ロボットアーム2、3の各々は、ジョイントを通して接続することができる任意の数の部材で構成することができる。ロボットアーム2、3は、制御デバイス4に接続された電気駆動装置(図示せず)によって駆動することができる。制御デバイス4(例えば、コンピュータ)は、例えば、ロボットアーム2、3、取り付けられたロボット外科手術アセンブリ100、およびしたがって、電気機械外科手術器具200(電気機械エンドエフェクタ(図示せず)を含む)が、手動入力デバイス7、8によって画定される運動に従って所望の運動を実行するような方法で、コンピュータプログラムによって、駆動装置を起動させるようにセットアップされる。制御デバイス4はまた、ロボットアーム2、3および/または駆動装置の運動を調整するような方法でセットアップすることができる。
【0096】
ロボット外科手術システム1は、外科手術テーブル「ST」上に位置付けられた(例えば、横たわる)患者「P」を、外科手術器具、例えば電気機械外科手術器具200によって最小侵襲様態で治療するために使用するように構成される。ロボット外科手術システム1はまた、2つを超えるロボットアーム2、3も含むことができ、追加的なロボットアームも同様に制御デバイス4に接続され、操作コンソール5によって遠隔操作が可能である。外科手術器具、例えば電気機械外科手術器具200(その電気機械エンドエフェクタを含む)はまた、任意の追加的なロボットアーム(複数可)にも取り付けることができる。
【0097】
制御デバイス4は、1つ以上のモータ、例えばモータ(モータ1、・・・、n)を制御することができ、各モータは、ロボットアーム2、3のあらゆる方向における運動を駆動するように構成される。さらに、制御デバイス4は、ロボット外科手術アセンブリ100の無菌バリアハウジング130内に配置されたモータパック50のモータ52、54、56、および58(図2図7、および図17図21A)を含む、器具駆動装置ユニット110を制御することができる。モータパック50のモータ52、54、56、および58は、電気機械外科手術器具200のエンドエフェクタの種々の動作を駆動する。モータ52、54、56、および58は、例えばキャニスタモータ等の回転モータを含むことができる。モータ52、54、56、および58のうちの1つ以上は、電気機械外科手術器具200またはその構成要素の相対回転をその長手方向軸「X」に沿って駆動するように構成することができる。いくつかの実施形態において、モータパック50の各モータは、電気機械外科手術器具200の電気機械エンドエフェクタの動作および/または運動を達成するために駆動ロッドまたはレバーアームに動作的に接続された、駆動ねじ340(または、例えば、リニア駆動装置、キャプスタン、その他)を作動させるように構成することができる。
【0098】
本開示によれば、電気機械外科手術器具200は、電気機械外科手術器具200の長手方向回転軸からある半径方向距離オフセットされた回転軸を有するモータ44(例えば、1つの実施形態では、第5の軸モータ、図24を参照されたい)によって、その長手方向回転軸を中心に回転する。
【0099】
ロボット外科手術システムの構成および動作の詳細な議論について、2011年11月3日に出願された米国特許出願公開第2012/0116416号、名称「Medical Workstation」を参照する場合があり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0100】
図1の参照を続けると、ロボット外科手術システム1は、ロボットアーム2または3と、またはそれに連結されたロボット外科手術アセンブリ100と、ロボット外科手術アセンブリ100に連結された電気機械外科手術器具200とを含む。ロボット外科手術アセンブリ100は、そのモータから電気機械外科手術器具200の従動部材へ電力および作動力を伝達して、最終的には、電気機械外科手術器具200のエンドエフェクタの構成要素の運動、例えば、ナイフブレード(図示せず)の運動および/もしくはエンドエフェクタの顎部材の開放および閉鎖、エンドエフェクタの咬交/回転/ピッチ/ヨー、ならびに/またはステープラの作動もしくは発射)を駆動する。ロボット外科手術アセンブリ100はまた、エネルギーに基づく電気外科用器具または同類のもの(例えば、ケーブル駆動装置、プーリー、摩擦ホイール、ラックアンドピニオン配設、その他)を起動または発射するように構成することができる。
【0101】
以下、図2図6を参照すると、ロボット外科手術アセンブリ100は、レール40上へ摺動可能に載置されたインターフェースパネルまたはキャリッジ42に接続可能である。キャリッジ42は、制御デバイス4から制御および電力を受容するモータ44(図24を参照されたい)を支持または収容する。キャリッジ42は、モータ駆動のチェーンまたはベルト41(図3を参照されたい)または同類のものを介してレール40に沿って移動することができる。代替的に、図32および図33を参照すると、キャリッジ42は、ねじ付きロッド/ナット配設を介して、レール40に沿って移動することができる。例えば、キャリッジ42は、そこを通るねじ付きロッド40aを受容するねじ付きナットまたはカラー42aを支持することができる。使用に際して、ねじ付きロッド40aが回転すると、ねじ付きカラー42a(例えば、図32および図33を参照されたい)、そして次にキャリッジ42をレール40に沿って並進運動させる。カップリング46(図24を参照されたい)または同類のものは、モータ44の駆動シャフトに接続され、また、モータ44の作動に応じて、時計回りまたは反時計回りに回転することができる。チェーン/ベルト41またはねじ付きロッドおよびカラー配設40a/42aが示され、説明されるが、意図された機能を達成することが可能な任意の他のシステム(例えば、ケーブル駆動装置、プーリー、摩擦ホイール、ラックアンドピニオン配設、その他)が使用され得ることが企図される。
【0102】
図2図6および図17図21Aを参照すると、キャリッジ42は、その後方パネル42aから、およびレール40から延在する、または突出するカップリングフランジ43を含む。図2図4を参照すると、キャリッジ42のカップリングフランジ43は、そこを通る開口部またはボア43aを画定し、また、器具回転歯車またはプーリー48を回転可能に支持する。プーリー48は、無菌バリアハウジング130の駆動装置伝達アセンブリ140の非回転受容のためのキー溝を画定する、そこを通る環状非円形横断面プロファイルの通路または開口部(例えば、略D字形状、または同類のもの)を有する。プーリー48は、ジャーナルベアリングまたは同類のものによってカップリングフランジ43において回転可能に支持される。
【0103】
一時的に図24図26を参照すると、キャリッジ42は、カップリングフランジ114内で、モータ軸歯車またはプーリー118(例えば、平歯車)およびテンション歯車またはプーリー120を回転可能に支持することができる。駆動装置ベルト122または同類のものは、プーリー48、モータ軸プーリー118、およびテンションプーリー120の周囲に延在する。モータ軸プーリー118は、モータ44のカップリング46に接続可能であり、また、その作動に応じてモータ44によって駆動される。故に、使用に際して、モータ44が作動すると、モータ44がカップリング46を駆動し、これが、モータ軸プーリー118を駆動し、次に、ベルト122を駆動し、次に、プーリー48を回転させる。
【0104】
図2~6を参照すると、キャリッジ42を包む、または覆う無菌シェルまたはバリア60が提供される。シェル60は、キャリッジ42の後方パネル42aを覆うように構成され、適合された後方シェル部分60aと、後方シェル部分60aから延在し、キャリッジ42のカップリングフランジ43を覆うように構成された環状シェル部分60bとを含む。シェル60の環状シェル部分60bは、非円形横断面プロファイル(例えば、略D字形状または同類のもの)を有するプーリー48の通路または開口部48aと位置合わせされる開口部60cを画定する。無菌ドレープ61または同類のものは、シェル60に固定または接着することができ、また、レール40およびロボットアーム2または3の上に引き寄せて、患者「P」、外科手術野、および/またはロボット外科手術システム1の間の無菌バリアを確立し、維持することができる。
【0105】
図2および図17図21Aを参照すると、ロボット外科手術アセンブリ100は、シェル60と噛合するように、または別用にはそこに接続するように構成された無菌バリアハウジング130を含む。無菌バリアハウジング130は、その中に空洞を画定する中空シェルまたは本体132を含む。無菌バリアハウジング130は、本体132の近位端部を選択的に閉鎖するように構成され、適合された近位キャップまたはカバー134を枢動的またはヒンジ的に支持する。無菌バリアハウジング130は、本体132の遠位端部上で支持された、またはそこに接続された駆動伝達アセンブリ140をさらに含む。
【0106】
無菌バリアハウジング130の本体132の空洞は、モータパック50または同類のもの(図2図7図8、および図17図21Aを参照されたい)をその中で摺動可能に受容するように構成される。モータパック50は、長方形の形態で配設された4つのモータ52、54、56、58を含むことができ、よって、そのそれぞれの駆動シャフト52a、54a、56a、および58aは、全てが互いに平行であり、また、全てが共通の方向に延在する。各モータ52、54、56、および58の駆動シャフト52a、54a、56a、および58aは、それぞれ、駆動伝達アセンブリ140のそれぞれの駆動装置カプラ144a、146a、148a、および150aと動作的にインターフェースすることができる(図9図11を参照されたい)。モータパック50は、4つのキャニスタモータまたは同類のものを含むことができ、それぞれが、非円形横断面プロファイル(例えば、略D字形状、または同類のもの)を有する駆動シャフトを有する。
【0107】
ロボット外科手術アセンブリ100で使用するための例示的なモータパック50について、2015年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/181,817号、名称「Robotic Surgical Assemblies」を参照する場合があり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
図8図11および図17図20を参照すると、モータカプラ52b、54b、56b、および58bは、それぞれ、各モータ52、54、56、および58のそれぞれの駆動シャフト52a、54a、56aおよび58aに回転不可能に接続することができる。各モータカプラ52b、54b、56b、および58bは、非円形横断面プロファイルを有する、そこを通るルーメンを画定する略管状構成を有することができる。各モータカプラ52b、54b、56b、および58bのルーメンは、それぞれ、各モータ52、54、56、および58のそれぞれの駆動シャフト52a、54a、56a、および58aを回転不可能に係合するように、および/または受容するように構成され、ルーメンは、略D字形状の横断面プロファイルを有することができる。
【0109】
各モータカプラ52b、54b、56b、および58bは、1つ以上の遠位に延在するタブ52c、54c、56c、および58cを含み、これは/これらは、駆動伝達シャフト144、146、148、および150の駆動カプラ144a、146a、148a、および150aのそれぞれの噛合特徴またはスロット144c、146c、148c、および150cに係合して、「オルダムカップリング」の様態で、モータ52、54、56、および58から、駆動伝達アセンブリ140のそれぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150に回転力を伝達するように構成される。このオルダムタイプのカップリングは、バックラッシュを制限し、また、その構成要素が互いにわずかにずれて整列しているときに、自動修正することを可能にする。いくつかの実施形態において、これらのタブおよび/またはスロットのうちの1つ以上は、補完的なV字形状構成を有することができる。任意の回転力伝達特徴が、モータカプラ52b、54b、56b、および58bの遠位端部に提供され得ることが企図される。使用に際して、モータ52、54、56、および58のうちの任意の1つが起動されて、それぞれの駆動シャフト52a、54a、56a、および58aを回転させると、特定の駆動シャフト駆動シャフト52a、54a、56a、および58aは、それぞれのモータカプラ52b、54b、56b、および58bに回転を伝達し、次に、回転を(タブ52c、54c、56c、および58cを介して)駆動伝達アセンブリ140の駆動伝達シャフト144、146、148、および150のそれぞれの駆動カプラ144a、146a、148a、および150aに伝達する。そのような配設およびカップリングは、モータカプラ52b、54b、56b、および58b、ならびに駆動カプラ144a、146a、148a、および150aが、その長手方向軸に対して任意の半径方向にある程度浮遊することを可能にする。
【0110】
図9図12および図17図21Aを参照すると、無菌バリアハウジング130の駆動伝達アセンブリ140は、本体132の遠位端部から延在する本体部分142を含む。駆動伝達アセンブリ140の本体部分142は、キャリッジ42のプーリー48の補完的な非円形の(例えば、例示されるようにD字形状の)通路または開口部48a内でキー止め受容するための、非円形の形態(例えば、例示されるように略D字形状)の外側プロファイルを有する。D字形状の横断面プロファイルが示され、説明されるが、六角形、アレン、星形、十字形、二重「D」、「T」、トルクス(登録商標)、バル、フィリップス、螺旋プロファイルが挙げられるが、これらに限定されない、任意の非円形横断面プロファイルを使用して、キー止め接続を提供することができる。
【0111】
駆動伝達アセンブリ140は、少なくとも1つの、および図11および図18図20に示されるように、4つの駆動シャフト(駆動伝達シャフト144および148だけが示されている)を回転可能に支持する。例示されるように、各駆動伝達シャフト(例えば、144および148)の近位端部は、モータカプラ52b、54b、その他を介して、それぞれの駆動カプラを(例えば、144aおよび148aをそれぞれ)回転不可能に支持し、該モータカプラは、モータパック50のそれぞれのモータ52、54、56、および58の駆動シャフト52a、54a、56a、および58aに回転不能に接続するように構成され、適合される。特に、各駆動カプラ144a、146a、148a、および150aは、カプラ144、146、148、および150がそれぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150上を浮遊することができるように、ピンスロット配設を介して、それぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150上で並進運動可能に支持される。図9に特に関連して、各駆動カプラ144a、146a、148aおよび150aは、モータパック50のモータ52、54、56、および58のそれぞれの駆動シャフト52a、54a、56a、および58aからの回転力を受容し、伝達するように構成された、それぞれの噛合特徴144c、146c、148c、および150cを画定する。
【0112】
各駆動伝達シャフト144、146、148、および150の遠位端部は、それぞれの駆動カプラ144b、146b、148b、および150bを支持し、該駆動カプラは、電気機械外科手術器具200の駆動アセンブリ300の近位カプラ310に回転不能に接続するように構成され、適合される。各駆動カプラ144b、146b、148b、および150bは、冠歯車または同類のものに類似し得ることが企図される。
【0113】
下でさらに詳細に説明されるように、それぞれの付勢部材144d、146d、148d、および150d(例えば、圧縮ばね)は、駆動カプラ144a、146a、148a、および150aと、駆動カプラ144b、146b、148b、および150bとの間に間置することができ、付勢部材144d、146d、148d、および150dは、駆動カプラ144a、146a、148a、および150aを伸長状態に維持し、また、遠位浮動プレート173を伸長状態に維持する。
【0114】
図11は、簡潔にするために、(モータ52の)駆動シャフト52bに接続された駆動伝達シャフト144だけを例示するが、残りの駆動伝達シャフト146、148、および150の各々は、同じまたは類似の様態で駆動伝達シャフト144として構築され、本明細書ではさらに詳細に説明されない。加えて、図21Aで分かるように、付勢部材175は、ばねの形態で、遠位浮動プレート173に作用して、遠位浮動プレート173を伸長状態に維持するのを補助することができる。
【0115】
使用に際して、モータパック50のモータ52、54、56、および58が作動すると、モータ52、54、56、および58の駆動シャフト52a、54a、56a、および58aの回転は、それぞれ、それぞれの駆動伝達シャフト144、146、148および150を介して、電気機械外科手術器具200の駆動アセンブリ300の近位カプラ310に伝達される。
【0116】
図10図25、および図28を参照すると、駆動伝達アセンブリ140の本体部分142は、遠位に延在するタブまたはタング142dを含み、プラグを形成する。プラグ142dは、無菌バリアハウジング130に含まれるモータパック50と電気機械外科手術器具200の電気コネクタ220(図13)との間の電気的相互接続を可能にするために、電気コネクタをその中で支持するように構成される。
【0117】
図2図9図10、および図17図21Aに例示されるように、ロボット外科手術アセンブリ100は、無菌バリアハウジング130の本体132の遠位端部上で回転可能に支持された係止リングまたはカラー160を含む。下でより詳細に説明されるように、係止カラー160は、無菌バリアハウジング130の本体132から遠位に突出し、また、無菌バリアカラーアセンブリ170の近位リングコネクタ171(図2図6、および図17~21Aを参照されたい)にねじ込み可能に接続するように構成された雌ねじ160a(図17図21Aを参照されたい)を画定する。
【0118】
図9および図10を参照すると、係止リングまたはカラー160は、触覚フィードバックリング161をその中で回転不可能に支持する。触覚フィードバックリング161は、係止リングまたはカラー160の内面に画定された対応する凹部160b(図10)内で受容するように構成された、1つ以上の半径方向外方に突出するナブまたはリブ161aを含む。触覚フィードバックリング161は、そこから半径方向内方に突出し、駆動伝達アセンブリ140の本体部分142内に形成された対応する凹部142aと連結または噛合するように構成された、1つ以上のダブテールコネクタ161bまたは同類のものをさらに含む。
【0119】
使用に際して、臨床医が、駆動伝達アセンブリ140を、その長手方向軸を中心に所望の角度配向まで回転させると、触覚フィードバックリング161のナブまたはリブ161aが、係止リングまたはカラー160の対応する凹部160bに選択的に進入して、駆動伝達アセンブリ140の角度配向に関する触覚フィードバックを臨床医に提供する。係止リングまたはカラー160の凹部160b、および触覚フィードバックリング161のナブまたはリブ161aが提供され、それによって、駆動伝達アセンブリ140の90°の角度配向、または任意の他の所望のもしくは想定した角度配向に対する触覚フィードバックが提供されることが企図される。
【0120】
以下、図2図13、および図17図21Aを参照すると、ロボット外科手術アセンブリ100は、シェル60の環状シェル60bに接続可能であり、かつプーリー48のD字形状の通路または開口部48aを通って延在可能である、無菌バリアカラーアセンブリ170を含む。具体的には、無菌バリアカラーアセンブリ170は、非円形横断面の外側プロファイル(例えば、略D字形状または同類のもの)を有する管状スリーブ本体172と、補完的な非円形横断面プロファイル(例えば、略D字形状または同類のもの)を有する内側ボア172aとを含む。
【0121】
無菌バリアカラーアセンブリ170は、管状スリーブ本体172の遠位端部上で支持された、または別様にはそこに固定された、半環状カップリングカフ176をさらに含む。結合カフ176は、少なくとも図13で例示されるように、遠位かつ横方向に開く開口側縁部または器具開口部176b、および一対の対向する側部アーム176cを有する、U字形状の本体部分176aを含む。本体部分176aの各側部アーム176cは、その内側に並置された表面に形成された、またはそこから突出した傾斜面176dを含む。各傾斜176dは、遠位端部(開口側縁部176bの近く)から近位端部(本体部分176aのバックスパンの近く)へ高さが増加する。各傾斜176dは、カップリングカフ176の平面遠位表面に対して約10°の角度が付され得ることが企図される。本体部分176aの各側部アーム176cは、管状スリーブ本体172の遠位端部に接続された、または別様にはそこから延在する遠位浮動プレート173のそれぞれのアームまたはタブ173aを摺動可能に受容するように構成された、その表面に形成された凹部またはチャネル176eをさらに含む。
【0122】
上で述べたように、無菌バリアカラーアセンブリ170は、遠位浮動プレート173をさらに含む。遠位浮動プレート173は、そこから延在する一対の並列アームまたはタブ173aを含み、これらは、カップリングカフ176の凹部またはチャネル176eを通って延在し、かつそこから突出するように寸法決定される。
【0123】
遠位浮動プレート173は、開口部のパターンをさらに画定し、該開口部は、限定されないが、半径方向または長方形配列の開口部173bをその中に含むことができ、該開口部を通って、駆動伝達アセンブリ140の各駆動伝達シャフト144、146、148、および150の遠位端部が延在する。具体的には、それぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150の駆動カプラ144b、146b、148b、および150bは、遠位浮動プレート173のそれぞれの開口部173b内に回転可能に着座する。
【0124】
動作に際して、結合カフ176を管状スリーブ本体172の遠位端部に接続した状態で、付勢部材144d、146d、148d、および150dは、それぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150の駆動カプラ144a、146a、148a、および150aを伸長状態に押圧し、次に、遠位浮動プレート173に対して押圧して、遠位浮動プレート173を伸長状態に維持し、それによって、遠位浮動プレート173の一対の並列のアームまたはタブ173aが、カップリングカフ176の凹部またはチャネル176eを通って延在し、そこから突出する。
【0125】
無菌バリアカラーアセンブリ170は、無菌構成要素(例えば、無菌バリアハウジング130、電気機械外科手術器具200、その他)と、非無菌構成要素(例えば、ロボットアーム2、3、モータパック50、その他)との間で無菌バリアを維持するように機能する。具体的には、無菌バリアカラーアセンブリ170は、シェル60の環状シェル60bの開口部を通って、より具体的には、キャリッジ42のプーリー48のD字形状の通路または開口部48aを通って延在する。動作に際して、インターフェースパネル42のモータ44が作動すると、(上で説明したように)モータ44がプーリー48を駆動し、次に、無菌バリアカラーアセンブリ170を回転させる。駆動伝達アセンブリ140が無菌バリアカラーアセンブリ170の管状スリーブ本体172の内側ボア172aを通って延在し、そこにキー止めされた状態で、無菌バリアカラーアセンブリ170を回転させると、駆動伝達アセンブリ140が回転し、次に、無菌バリアハウジング130内に回転可能に保持された、または含まれるモータパック50が回転する。
【0126】
以下、図13図21Aを参照すると、電気機械外科手術器具200が示され、説明される。電気機械外科手術器具200は、その遠位端部に固定された、または固定可能な外科手術器具またはエンドエフェクタ(図示せず)を有することができる。電気機械外科手術器具200は、ロボット外科手術アセンブリ100によって(例えば、モータパック50のモータ52~58を介して)供給される伝達回転力/運動を、駆動部材380の長手方向運動に伝達して、その種々の機能を達成するように構成される。
【0127】
電気機械外科手術器具200は、駆動アセンブリ300をその中で受容するように構成された少なくとも1つの空洞またはボア212aをその中に画定するハウジング212を含む、ハウジングアセンブリ210を含む。本開示によれば、ハウジング212のボア212aは、4つの別個の駆動アセンブリ300をその中で動作的に支持するように構成される。ボア212aは、各部分が4つの駆動アセンブリ300のうちの別個の1つを動作的に支持する状態で、4つの別個の離散または相互接続したボア部分を画定するように構成され得ることが企図される。
【0128】
図15および図16に例示されるように、ハウジング212のボア212aの各部分は、それぞれの長手方向に延在する溝またはチャネル212bをその中に画定する。下でさらに詳細に説明されるように、各チャネル212bは、それぞれの駆動アセンブリ300の駆動ナット350から半径方向に延在するレールまたはタブ350bを摺動的に受け入れるように構成される。
【0129】
ハウジング212は、無菌バリアカラーアセンブリ170(図13)のカップリングカフ176のU字形状の本体部分176aの傾斜表面176dと横方向接続/接続解除(例えば、下でさらに詳細に説明される、側部装填)して、電気機械外科手術器具200をロボット外科手術アセンブリ100に接続するための、その対向する側面に配置された傾斜したカム作用表面218をさらに含む。電気機械外科手術器具200がロボット外科手術アセンブリ100に完全に接続されたときに、電気機械外科手術器具200の駆動アセンブリ300の近位カプラ310は、ロボット外科手術アセンブリ100の駆動伝達アセンブリ140のそれぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150と位置合わせされ、接続される。
【0130】
上で説明したように、電気機械外科手術器具200のハウジングアセンブリ210のハウジング212は、ロボット外科手術アセンブリ100の駆動アセンブリ140のプラグ146に選択的に接続するように構成された電気コネクタ220(図13)を支持する。電気機械外科手術器具200は、(識別情報、使用情報、および同類ものを記憶するための)メモリ、(電気機械外科手術器具200から/へ、制御デバイス4から/へ、および/またはリモート中央処理システムから/へ、データまたは情報を受信し、伝送するための)有線または無線通信回路、が挙げられるが、これらに限定されない、電子機器を含むことができる。ロボット外科手術アセンブリ100は、(例えば、切除、凝固、封止、その他のための)電気機械外科手術器具に基づく電気外科を使用する、およびそれに接続するための、専用の電気焼灼器ケーブルまたは同様のものの通過またはルーティングを可能にするように構成することができる。電気コネクタ220としては、導電性コネクタ、磁気コネクタ、抵抗コネクタ、容量コネクタ、ホールセンサ、リードスイッチ、または同類のものを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0131】
図13~21Aの参照を続けると、電気機械外科手術器具200のハウジングアセンブリ210は、複数の駆動アセンブリ300を含む。例示される実施形態において、電気機械外科手術器具200は、4つの駆動アセンブリ300を含むが、電気機械外科手術器具200は、本開示の範囲から逸脱することなく、より多い(例えば、5つまたは6つの)またはより少ない(例えば、3つの)駆動アセンブリ300を含むことができる。
【0132】
各駆動アセンブリ300は、近位カプラ310と、近位ベアリング320と、駆動ねじ340と、駆動ナット350と、付勢要素370と、駆動部材(例えば、駆動ロッドまたは駆動装置ケーブル)380とを含む。各駆動アセンブリ300の近位カプラ310は、駆動伝達アセンブリ140の駆動伝達シャフト144、146、148、および150のそれぞれの駆動カプラ144b、146b、148b、および150bと噛み合い係合するように構成される。動作に際して、駆動伝達アセンブリ140の駆動伝達シャフト144、146、148、および150の回転は、上で説明したように、それぞれの駆動アセンブリ300のそれぞれの近位カプラ310の回転をもたらす。
【0133】
各駆動アセンブリ300の近位カプラ310は、それぞれの駆動ねじ340の近位端部にキー止めされるか、または別様には回転不可能に接続される。故に、近位カプラ310の回転は、それぞれの駆動ねじ340の対応する回転をもたらす。
【0134】
各近位ベアリング320は、ハウジングアセンブリ210のハウジング212の近位端部に隣接するそれぞれの駆動ねじ340の近位部分の周りに配置される。各駆動ねじ340の遠位端部または先端部は、回転可能に配置することができ、またはハウジング212の遠位端部に画定されたそれぞれの凹部212c内で支持することができる(図15を参照されたい)。
【0135】
駆動ねじ340は、ねじ付き本体またはシャフト部分340aを含み、その半径方向中心を通って延在する長手方向軸「A-A」を画定する(図14を視認されたい)。使用に際して、近位カプラ310の回転は、上で説明したように、対応する回転の方向および速度で、長手方向軸「A-A」を中心にそれぞれの駆動ねじ340の回転をもたらす。
【0136】
駆動ナット350(または、キャプスタン)は、駆動ねじ340のねじ付きシャフト部分340aに機械的に係合するように構成された、そこを通って長手方向に延在するねじ付き開口350aを含む。駆動ナット350は、駆動ねじ340の回転が駆動ナット350を長手方向に運動させるような態様で、駆動ねじ340に位置付けられるように構成される。すなわち、駆動ナット350および駆動ねじ340は、互いに係合する。その上、近位カプラ310の第1の方向の(例えば、時計回りの)回転は、駆動ナット350を駆動ねじ340に沿って第1の長手方向に(例えば、近位に)で移動させ、近位カプラ310の第2の方向の(例えば、反時計回りの)回転は、駆動ナット350を駆動ねじ340に対して第2の長手方向に(例えば、遠位に)移動させる。
【0137】
各駆動ナット350は、そのねじ付き開口350aに隣接して配置された、その中に形成された係合タブ350c内に形成された保持ポケットを含む。下でさらに詳細に論じられるように、各保持ポケットは、それぞれの駆動部材380の近位端部380aを保持するように構成される。
【0138】
各駆動ナット350は、その外面から半径方向に、およびそれに沿って長手方向に延在するタブ350bを含む。各駆動ナット350のタブ350bは、ハウジング212のボア212a内に形成された長手方向に延在するチャネル212b内に摺動可能に配置されるように構成される。各駆動ナット350のタブ350bは、ハウジング212のボア212aのそれぞれのチャネル212bと協働して、駆動ねじ340が回転するときに、駆動ナット350が長手方向軸「A-A」を中心に回転するのを妨げる、または阻止する。
【0139】
各駆動ナット350は、その半径方向内方の表面に隣接して配置された係合部分350cを含み、該係合部分は、それぞれの駆動部材380の近位部分380aに機械的に係合するように、または保持するように構成される。動作に際して、駆動ナット350が駆動ねじ340に沿って軸方向に変位すると、駆動ナット350が、駆動部材380の付随する軸方向並進運動を伝達する。
【0140】
付勢要素370、例えば圧縮ばねは、各駆動ねじ340のねじ付きシャフト部分340aの遠位部分を半径方向に取り囲むように構成される。各付勢要素370は、それぞれの駆動ナット350と、ハウジングアセンブリ210のハウジング212の遠位表面との間に間置される。
【0141】
各駆動部材380は、ハウジングアセンブリ210のハウジング212のそれぞれの中央孔またはチャネルを通って、それぞれの駆動ナット350から遠位に延在し、また、電気機械外科手術器具200の外科手術器具、例えばエンドエフェクタの一部分に機械的に係合するように構成される。
【0142】
動作に際して、少なくとも1つの駆動部材380の長手方向並進運動は、電気機械外科手術器具200のエンドエフェクタの機能を駆動するように構成される。例えば、特定の駆動部材380の遠位並進運動は、エンドエフェクタの一対の顎部材をもう一方に対して接近させるように構成することができ、同じ駆動部材380の近位並進運動は、例えば、少なくとも1つの顎部材をもう一方の顎部材から離れて移動させるように構成することができる。加えて、電気機械外科手術器具200の別の駆動部材380の遠位並進運動は、エンドエフェクタの一対の顎部材を第1の方向に関節運動させるように構成することができ、別の駆動部材380の近位並進運動は、エンドエフェクタの一対の顎部材を第2の方向に関節運動させるように構成することができる。
【0143】
本開示によれば、駆動部材380のうちの少なくとも1つの遠位部分は、可撓性部分を含むことができ、一方で、駆動部材380の近位部分は、硬質であり、よって、可撓性遠位部分は、電気機械外科手術器具200を通る特定の経路をたどることができる。故に、付勢部材370は、駆動部材380をテンション付与状態に維持して、弛みを阻止するように、または駆動部材380の可撓性遠位部分の弛みの量を低減させるように機能する。
【0144】
電気機械外科手術器具200の使用中に(すなわち、ロボット外科手術アセンブリ100のモータ(複数可)52、54、56、および58、または他の動力駆動装置を使用して、近位カプラ(複数可)310を回転させたときに)、近位カプラ310の回転は、駆動ねじ340の対応する回転をもたらす。駆動ねじ340の回転は、駆動ねじ340のねじ付き部分340aと駆動ナット350のねじ付き開口との係合により、駆動ナット350の長手方向並進運動を行わせる。上で論じたように、駆動ナット350の長手方向並進運動の方向は、近位カプラ310の、したがって、駆動ねじ340の回転方向によって決定される。例えば、駆動ねじ340の近位並進運動は、駆動ねじ340と係合されるそれぞれの駆動部材380の対応する近位並進運動をもたらす。
【0145】
加えて、1つの駆動ナット350が、第1の駆動アセンブリ300から第1の長手方向に(例えば、近位に)移動するときに、駆動ナット350が、それに応じて、異なる駆動アセンブリ300から第2の逆の長手方向に(例えば、遠位に)移動させられることが想定される。そのような構成は、駆動部材380の任意の弛みを補償するように機能する。本開示によれば、各駆動ナット350は、独立に駆動され得ることが企図される。
【0146】
エンドエフェクタは、本明細書において、顎アセンブリを含むように説明されているが、追加的または代替的に他のエンドエフェクタを使用することが可能である。電気機械外科手術器具200と共に使用するための、またはそこに接続するエンドエフェクタの構成および動作の例示的な実施例の詳細な議論について、2014年10月20日に出願された共同所有の国際特許出願第PCT/US14/61329号、名称「Wrist and Jaw Assemblies for Robotic Surgical Systems」を参照する場合があり、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
図13図21、および図35を参照すると、電気機械外科手術器具200のハウジングアセンブリ210のハウジング212は、少なくとも1つの、望ましくは一対の解放レバーまたはパドル214をその反対側で支持する。各解放パドル214は、ハウジング212に枢動的に接続された第1の端部214aと、ハウジング212の外面へ/から移動可能な第2の端部214bとを含む。各解放パドル214の第2の端部214bは、無菌バリアカラーアセンブリ170の遠位浮動プレート173のそれぞれのアームまたはタブ173aに作用して、電気機械外科手術器具200をロボット外科手術アセンブリ100から係合解除するように構成された、テーパー付きカム作用表面214cを画定する。具体的には、電気機械外科手術器具200が無菌バリアカラーアセンブリ170の半環状カップリングカフ176に接続されるときに、遠位浮動プレート173のアームまたはタブ173aが整列され、電気機械外科手術器具200のそれぞれのパドル214と位置合わせされる。さらに、アームの自由端部、または遠位浮動プレート173のタブ173aは、パドル214のそれぞれのテーパー付きカム作用表面214cに作用して、パドル214を外方へ押圧または付勢する。
【0148】
図13図21A、および図35の参照を続けると、ロボット外科手術アセンブリ100への電気機械外科手術器具200の接続が示され、説明される。最初に、上で簡潔に説明したように、無菌バリアカラーアセンブリ170は、シェル60の環状シェル60bに接続され、モータパック50は、無菌バリアハウジング130の本体132の空洞132a内に装填され、ロボット外科手術アセンブリ100の無菌バリアハウジング130の駆動伝達アセンブリ140は、シェル60に接続される。
【0149】
電気機械外科手術器具200は、次いで、最初に電気機械外科手術器具200のハウジング212の傾斜したカム作用表面218をカップリングカフ176の対応する傾斜表面176dと整列させることによって、無菌バリアカラーアセンブリ170のカップリングカフ176に接続される。図21B~21Dで分かるように、電気機械外科手術器具200は、次いで、ロボット外科手術アセンブリ100に対して横方向に移動し(例えば、側部装填され)、よって、電気機械外科手術器具200のハウジング212がカップリングカフ176内で完全に受容される、または着座するまで、電気機械外科手術器具200の傾斜したカム作用表面218は、カップリングカフ176の傾斜表面176dに沿って、電気機械外科手術器具200を上方へ(近位に)にカム運動させる。
【0150】
電気機械外科手術器具200がカップリングカフ176の中へ横方向に移動すると、上で説明したように、ハウジング212が上方へ(近位に)付勢されて遠位浮動プレート173の内側肩部173c、173d(図21A)と接触して、遠位浮動プレート173を遠位浮動プレート173の遠位バネ付勢に対して近位に付勢する。また、電気機械外科手術器具200がロボット外科手術アセンブリ100に適切に接続されたときに、電気機械外科手術器具200の近位カプラ310は、ロボット外科手術アセンブリ100の駆動伝達アセンブリ140のそれぞれの駆動伝達シャフト144、146、148、および150と位置合わせ(例えば、ばね付勢)され、接続される。
【0151】
ロボット外科手術アセンブリ100からの電気機械外科手術器具200の接続解除は、電気機械外科手術器具200のパドル214をハウジング212に向かって押圧し、それによって、パドル214のテーパー付きカム作用表面214cが、アームの自由端部、または遠位浮動プレート173のタブ173aに作用することを含む。パドル214がアームの自由端部、またはタブ173aに作用すると、パドル214は、遠位浮動プレート173を近位に付勢し、それによって、駆動伝達シャフト144、146、148、および150の駆動カプラ144b、146b、148b、および150bが、それぞれの付勢部材144d、146d、148d、および150dの付勢に対して近位に付勢されて、電気機械外科手術器具200(図20)のそれぞれの近位歯車またはカプラ310から駆動カプラ144b、146b、148b、および150bを分離または係合解除する。その後に、ロボット外科手術アセンブリ100から電気機械外科手術器具200を横方向に取り外す、または接続解除することができる。
【0152】
図21Aに例示されるように、無菌バリアカラーアセンブリ170の管状スリーブ本体172は、軸方向に延在する一対の対向する偏向可能なフィンガ172bを含む。各フィンガ172bは、半径方向外方に延在する角度付き外面172cおよび半径方向外方に延在する角度付き内面172dを有する自由端部において終端する。さらに、近位リングコネクタ171は、管状スリーブ本体172の角度付き外面172cと相補的な角度で配向された、環状角度付き内面171aを画定する。また、無菌バリアハウジング130の遠位ノーズは、管状スリーブ本体172の角度付き内面172dと相補的な角度で配向された、環状角度付き外面130aを画定する。
【0153】
使用に際して、近位リングカラー171に管状スリーブ本体172をスナップ止めした状態で、近位リングカラー171は、近位リングカラー171の近位端部を係止リングカラー160の中へ挿入し、係止リングカラー160を回転させて、近位リングカラー171を引き込み、それとねじ込み可能に接続することによって、係止リングカラー160に接続される。係止リングカラー160を回転させて近位リングカラー171を引き込むと、近位リングカラー171の環状角度付き内面171aは、管状スリーブ本体172の偏向可能なフィンガ172bの角度付き外面172cに作用して、無菌バリアハウジング130の遠位ノーズの環状角度付き外面130aに対して、管状スリーブ本体172の偏向可能なフィンガ172bを挟持または捕捉する。この様態で、係止リングカラー160の締め付け回転は、駆動伝達アセンブリ140および近位リングカラー171を接近させ、そして、駆動伝達アセンブリ140を管状スリーブ本体172に噛合させる。
【0154】
図21Aの参照を続けると、Oリング、ガスケット、または同類のものの形態のシール部材177は、外側ハウジング部分130の外側環状フランジと、近位リングカラー171の近位レッジまたは表面のとの間に間置することができる。
【0155】
図22図35を参照すると、本開示の別の実施形態による係止リングまたはカラーが、示され、説明され、また一般に、係止リングまたはカラー460として表される。加えて、図22図35に示されるように、本開示の別の実施形態による無菌バリアカラーアセンブリが示され、説明され、また一般に、無菌バリアカラーアセンブリ470として表される。図22図35において、図1図21Aのものと同様の部品を識別するために、類似する参照番号が使用されている。また、簡潔にするために、係止リングまたはカラー160および無菌バリアカラーアセンブリ170を有するロボット外科手術アセンブリ100(図1図21A)と、係止リングまたはカラー460および無菌バリアカラーアセンブリ470を有するロボット外科手術アセンブリ100(図22~35)との違いだけを、本明細書の下で詳細に説明する。
【0156】
図21A図35に例示されるように、ロボット外科手術アセンブリ100は、無菌バリアハウジング130の本体132の遠位端部上で回転可能に支持された係止リングまたはカラー460を含むことができる。係止カラー460は、無菌バリアハウジング130の本体132から遠位に突出し、また、無菌バリアカラーアセンブリ470にねじ込み可能に接続するように構成された雌ねじ460a(図33および図35図27を参照されたい)を画定する。係止カラー460の最遠位表面は、一連の切り欠きまたは凹部460bをその中に画定する。凹部460bは、係止カラー460の最遠位表面の周囲で半径方向に延在することができる。凹部460bは、4組の3つの凹部を含むことができ、一組の凹部は、互いに90°離れて(または略90°離れて)位置付けられる。
【0157】
ロボット外科手術アセンブリ100は、シェル60の環状シェル60bに接続可能であり、かつプーリー48のD字形状の通路または開口部48a(図26および図27を参照されたい)を通って延在可能である、無菌バリアカラーアセンブリ470をさらに含むことができる。具体的には、無菌バリアカラーアセンブリ470は、非円形横断面の外側プロファイル(例えば、略D字形状または同類のもの)を有する管状スリーブ本体172と、補完的な非円形横断面プロファイル(例えば、略D字形状または同類のもの)を有する内側ボア472aとを含む。管状スリーブ本体472の近位部分の外面は、スレッド472bをその中に画定し、スレッド472bは、管状スリーブ本体472の少なくとも1つの半径方向部分に形成される。管状スリーブ本体472の近位部分は、半径方向外方に突出し、その近位端部から遠位端部へ高さが増加する、一対の対向する偏向可能なタブ472cを含む。
【0158】
無菌バリアカラーアセンブリ470は、管状スリーブ本体472上で支持されたリングフランジ474をさらに含む。リングフランジ474は、管状スリーブ本体472から半径方向外方に延在する。リングフランジ474は、リングフランジ474の近位表面から突出する、一対の対向する偏向可能なタブ474aを含む。リングフランジ474の偏向可能なタブ474aは、係止カラー460内に形成された凹部460b内で選択的に受容するように構成される。カラー460が回転して、電気機械外科手術器具200をロボット外科手術アセンブリ100に固定すると、リングフランジ474の偏向可能なタブ474aと係止カラー460の凹部460bとの間に触覚および/または可聴フィードバックが提供されて、電気機械外科手術器具200がロボット外科手術アセンブリ100に固定された旨の指示を提供する。
【0159】
ドレープまたは同類のもの(図示せず)を構成するポリマー材料のシートが、無菌バリアハウジング130の係止カラー460の最遠位表面と、無菌バリアカラーアセンブリ470のリングフランジ474の近位表面との間に挟まれ得る、または捕捉され得る(または接着され、弾性的に係合され、またはスナップラッチ係合され得る)ことが企図される。ドレープは、無菌バリアハウジング130の上に、レール40の上に、およびロボットアーム2、3の上に延在することができる。
【0160】
図36を参照すると、ロボット外科手術システムの1つの実施形態は、4つの独立制御のモータ52、54、56、および58を有するロボット外科手術アセンブリ500と、4つの駆動アセンブリ256a~256dを有する駆動システム256を含む電気機械外科手術器具250とを含み、各駆動アセンブリは、例えば、ロボット外科手術アセンブリ100に関して上で説明したように、ロボット外科手術アセンブリ500のそれぞれのモータ52、54、56、および58に選択的に接続可能である。電気機械外科手術器具250は、電気外科用器具200に類似しており、本明細書では、構成およびその動作の違いを説明するのに必要な範囲でだけ説明される。
【0161】
電気機械外科手術器具250は、その遠位端部で選択的に支持されたエンドエフェクタ252(図36では、開放位置で示される)と、その近位端部で支持された器具ハウジング253を含む。エンドエフェクタ252は、顎アセンブリまたは同類のものを含むことができるが、追加的または代替的に他のエンドエフェクタを使用することが可能である。電気機械外科手術器具250と共に使用するための、またはそこに接続するエンドエフェクタの構成および動作の例示的な実施例の詳細な議論について、2014年10月20日に出願された共同所有の国際特許出願第PCT/US14/61329号、名称「Wrist and Jaw Assemblies for Robotic Surgical Systems」、米国特許第8,636,192号、または米国特許第8,925,786号を参照する場合があり、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0162】
器具ハウジング253は、取り外しアセンブリ254と、駆動アセンブリ256とを支持する。取り外しアセンブリ254は、器具ハウジング253の対向する側部上に解放レバーまたはパドル254a、254bを含み、これらは、ロボット外科手術アセンブリ500から電気機械外科手術器具250を選択的に切り離すように動作可能である。下でさらに詳細に説明されるように、各パドル254a、254bは、無菌インターフェースモジュール530の浮動プレート566のタブ566b、566cに作用して、ロボット外科手術アセンブリ500から電気機械外科手術器具250を係合解除するように構成された、テーパー付きカム作用表面(図示せず)を含むことができる(図43を参照されたい)。駆動システム256は、エンドエフェクタ252を操作するために、および/または動作させるために電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252に連結された、駆動ケーブルまたは駆動ロッド等の1つ以上の駆動またはコネクタ部材「CM」と協働する、第1の駆動アセンブリ256aと、第2の駆動アセンブリ256b、256c、256dとを含む。第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの各々は、下でさらに詳細に説明されるロボット外科手術アセンブリ500の補完的な器具係合端部またはカプラ(図47に示される係合カプラ568e等)と係合可能な、係合カプラ258(例えば、歯車または同類のもの)を含む。
【0163】
上で述べたように、ロボット外科手術システム1は、外科手術テーブル「ST」上に位置付けられた(例えば、横たわる)患者「P」を、外科手術器具、例えば、直線状の/関節運動可能な器具200および250(例えば、ステープル固定器具、縫合器具、電気焼灼器具、その他)、内視鏡250’、または把持装置250’’(図36)等の電気機械外科手術器具のうちの任意の1つによって最小侵襲様態で治療するために使用するように構成される。ロボット外科手術システム1は、2つを超えるロボットアーム2、3を含むことができ、追加的なロボットアームも同様に制御デバイス4に接続され、操作コンソール5によって遠隔操作が可能である。外科手術器具、例えば電気機械外科手術器具200(図2)、250、250’、および/または250’’のうちの任意の1つ以上はまた、追加的なロボットアームにも取り付けることができる。
【0164】
上で述べたように、モータパック50は、4つのモータ(例えば、非円形の駆動シャフトを有するキャニスタモータまたは同類のもの)を含むことができ、該4つのモータは、電気機械外科手術器具200(図2)、250、250’、および/または250’’のうちの任意の1つとインターフェースするように、各々が共通の方向に延在し、また、互いに並列する形態で配設される。
【0165】
一般に、ロボット外科手術アセンブリ500は、そのモータ52、54のうちの1つ以上から、電気機械外科手術器具250のそれぞれの従動部材/駆動アセンブリ256a~256dのうちの1つ以上(例えば、ロボット外科手術アセンブリ500と電気機械外科手術器具250との間で回転および/または軸方向力を伝達するために、「オルダムカップリング」配設または同類のものを介して互いにキー止めされる)に電力および作動力を伝達して、最終的には、電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252の1つ以上の構成要素の運動を駆動する。例えば、ロボット外科手術アセンブリ500から電気機械外科手術器具250への電力/力の伝達は、ナイフブレード(図示せず)の運動、エンドエフェクタ252の顎部材の閉鎖および開放、ステープラの作動もしくは発射、電気外科用エネルギーに基づく器具の起動もしくは発射、および/またはその他の機能を達成する。
【0166】
ここで説明されるロボット外科手術システムの1つ以上の構成要素と共に使用するための同じまたは類似の構成要素のうちの1つ以上を有するロボット外科手術システムの構成および動作の詳細な議論について、2011年11月3日に出願された米国特許出願第2012/0116416号、名称「Medical Workstation」を参照する場合があり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0167】
以下、図36図47を参照すると、ロボット外科手術システム1のロボット外科手術アセンブリ500は、モータアセンブリまたはモータパック50を支持する器具駆動ユニットまたはハウジング510を含む。ロボット外科手術アセンブリ500のハウジング510は、コネクタアセンブリ540を含む。
【0168】
無菌ドレープ552がそこに固定されたリング部材550が提供され、リング部材550は、モータパック50からの回転力が通過することを可能にし、無菌ドレープ552は、ロボット外科手術アセンブリ500およびロボットアーム2、3を覆うように構成される。リング部材550は、(例えば、スナップ嵌めを介して)コネクタアセンブリ540の遠位端部に回転可能に取り付けるように構成される。無菌ドレープ552は、ハウジング510、ロボット外科手術アセンブリ500、およびロボットアーム2、3に関して上で所望されたように配設して、種々の上述した構成要素および/または外科手術部位/流体と、電気機械外科手術器具200(図2)、250、250’、および/または250’’との間の無菌バリアを提供することができる。
【0169】
電気機械外科手術器具200をロボット外科手術アセンブリ100に連結(例えば、側部装填)することに関して上で説明したものに類似して、カラーアセンブリまたは無菌インターフェースモジュール530は、ロボット外科手術アセンブリ500と、電気機械外科手術器具200(図2)、250、250’、および/または250’’のうちの任意の1つとを選択的に相互接続するために提供される。一般に、無菌インターフェースモジュール530は、器具駆動ユニットまたはハウジング510と、電気機械外科手術器具250等の電気機械外科手術器具との間のインターフェースを提供するように機能する。このインターフェースは、無菌性を好都合に維持し、ロボット外科手術アセンブリ500と電気機械外科手術器具との間で電気通信を伝送するための手段を提供し、ロボット外科手術アセンブリ500から電気機械外科手術器具に回転力を伝達して、電気機械外科手術器具によって機能を行うための手段を提供し、および/または(例えば、迅速な器具交換のために)ロボット外科手術アセンブリ500に対して電気機械外科手術器具を選択的に取り付ける/取り外すための手段を提供する。
【0170】
ロボット外科手術アセンブリ500のモータアセンブリ50は、任意の数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、その他)のモータ52、54を含み、該モータは、モータ52、54から延在する対応する数のモータカプラ52b、54b(図41を参照されたい)を介して無菌インターフェースモジュール530に連結する。
【0171】
図40で分かるように、カラーアセンブリまたは無菌インターフェースモジュール530は、ロボット外科手術アセンブリ500と、そこに連結された電気機械外科手術器具250等の任意の電気機械外科手術器具との間の電気通信を提供するために、電気コネクタ532a、532bと、電気コネクタ532a、532bとの間に連結された電気リボン534とを含む。
【0172】
図41図45を参照すると、無菌インターフェースモジュール530は、上部分562a、中間部分562b、および下部分562cを有する本体部材562を含む。本体部材562の上部分562aは、上部分562aの肩部562eから上部分562aの周囲に延在する螺旋チャネル562dを画定する。上部分562aは、無菌インターフェースモジュール530をロボット外科手術アセンブリ500のハウジング510のコネクタアセンブリ540に固定するために、上部分562aから近位に延在する一対の取り付けアーム562f、562gをさらに含む。一対の取り付けアーム562f、562gは、上部分562aの対向側部上に鏡像関係で配置することができる。
【0173】
本体部材562の中間部分562bは、フランジ562hを含み、回転可能なカラー564をその上で回転可能に支持する。無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564は、回転可能なカラー564の肩部564bから延在する螺旋チャネル564aを画定する。回転可能なカラー564の螺旋チャネル564aおよび回転可能なカラー564の肩部564bは、本体部材562の上部分562aおよび本体部材562の上部分562aの肩部562eの螺旋チャネル562dを補完する。回転可能なカラー564は、ユーザが、(下でさらに詳細に説明される)矢印「A」によって示されるように、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562に対して、回転可能なカラー564を把持する、および/または回転させることを容易にするために、把持溝564cをさらに含む。
【0174】
無菌インターフェースモジュール530の本体部材562の下部分562cは、本体部材562の中間部分562bの遠位端部上で支持された、または別様には該遠位端部に固定された半環状カップリングカフの形態である。本体部材562の下部分562cは、側部アーム562j、562kと開口部との間に遠位かつ横方向に画定された器具開口部562iを有するU字形状の本体を含む。下部分562cは、電気機械外科手術器具250のハウジング212の傾斜したカム作用表面218を補完する、その内面に形成された傾斜面562x(図41)をさらに含む。器具開口部562iは、電気機械外科手術器具250等の電気機械外科手術器具をその中で受容して、電気機械外科手術器具250をロボット外科手術アセンブリ500に取り外し可能に固定するように構成される。下部分562cの側部アーム562j、562kは、本体部材562の中間部分562bから遠位に延在し、また、下部分562cの器具開口部562i内で電気機械外科手術器具250を支持するように位置付けられる。
【0175】
ロボット外科手術アセンブリ100に関して上で説明した遠位浮動プレート173に類似して、無菌インターフェースモジュール530は、本体部材562の中間部分562bと本体部材562の下部分562cとの間で支持された浮動プレート566をさらに含む。無菌インターフェースモジュールの浮動プレート566は、非圧縮位置または伸長位置と圧縮または後退位置の間で移動可能である。浮動プレート566は、丸ばね(例えば、波形ばね、図示せず)によって、および無菌インターフェースモジュール530の駆動伝達アセンブリの付勢部材(例えば、568、570)によって、非圧縮位置に向かって遠位にばね付勢される。無菌インターフェースモジュール530の浮動プレート566の非圧縮位置において、浮動プレート566は、中間部分562bの底面562lから距離「D」(図43を参照されたい)だけ離間配置される。浮動プレート566は、基部566と、基部566から遠位に延在するタブ566b、566cとを含む。タブ566b、566cは、本体部材562の下部分562cを通って延在する。浮動プレート566は、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570を受容する開口566d、566eをその中に画定する。一対の駆動伝達アセンブリ568、570が本明細書で詳細に示され、説明されるが、任意の数の、例えば、1つ、3つ、5つ、その他等の駆動伝達アセンブリを提供することができる。
【0176】
図43図47を参照すると、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570は、モータアセンブリ50のそれぞれのモータカプラ52b、54bの連結端部56と係合可能な連結端部568b、570bを画定する、それぞれの駆動カプラ568a、570aを含む。第1の駆動伝達アセンブリ568は、伝達シャフト568cを含み、第2の駆動伝達アセンブリ570は、伝達シャフト570cを含む。それぞれの第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cは、その遠位端部において、それぞれの器具係合端部またはカプラ568e、570e(例えば、遠位に延在する歯を有する歯車または同類のもの)まで延在する。
【0177】
第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cは、伝達シャフト568cの器具係合カプラ568eの近位に配置された駆動カプラ568dをその上でさらに支持し得ることが企図される。
【0178】
それぞれの付勢部材またはばね568f(第2の駆動伝達アセンブリ570の付勢部材は図示せず)は、それぞれの第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570の各々の駆動カプラ568a、570aと伝達シャフト568c、570cとの間で支持され、よって、各ばね568fは、その圧縮に応じて、そのそれぞれの第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570にばね力を印加するように構成される。駆動伝達アセンブリ568、570の付勢部材は、圧縮ばねとすることができる。第1の駆動伝達アセンブリ568の駆動カプラ568aおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の駆動カプラ570aは、第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cから延在するウイング568h(第2の駆動伝達アセンブリ570のウイングは図示せず)を摺動可能に受容する、側部スロット568g、570gをその中に画定する。伝達シャフト568c、570cのウイング568hは、伝達シャフト568c、570cのうちの1つとそのそれぞれの駆動カプラ568a、570aとの相対移動に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ568の側部スロット568gおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の側部スロット570gを通って摺動するように構成される。これに関して、駆動伝達アセンブリ568、570の駆動カプラ568a、570aは、「オルダム」カップリングの様態での連結を提供する。例えば、駆動カプラ568aの側部スロット568gは、駆動カプラ568aの連結端部568bによって画定されたスロットに対して横方向および/または垂直であり、それによって、駆動カプラ568aは、「オルダム」カップリングを介して、駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよびモータ52の駆動シャフト52aを連結する。いくつかの実施形態において、例えば連結端部568bによって画定されるような、ここで開示されるカプラのいずれかの1つ以上の噛合面は、バックラッシュを最小にするために、わずかな抜き勾配を含むことができる(例えば、ばね568fが、駆動シャフト52aに向かって駆動カプラ568aを押し、該抜き勾配は、駆動カプラ568aおよび駆動シャフト52aを底部に到達させること、または密に接近させることを確実にする)。
【0179】
無菌インターフェースモジュール530は、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564の内面で支持されたリングカプラまたは歯車572をさらに含む。無菌インターフェースモジュール530は、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562の中間部分562b上で支持されたアイドラカプラまたは歯車574を含む。アイドラ歯車574は、回転可能なカラー564の回転運動に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ568の駆動カプラまたは歯車568dと噛合され、また、輪歯車572(図43および図44参照されたい)と選択的に係合可能である。無菌インターフェースモジュール530は、第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570を横方向に支持するように構成された、支持プレート576、578をさらに含む。無菌インターフェースモジュール530の支持プレート576は、輪歯車572と回転可能なカラー564の内面との間に画定された支持チャネル564c(図44を参照されたい)内に固定され、よって、支持プレート576が第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570aに対して軸方向に移動している間に、回転可能なカラー564は、支持プレート576を中心に回転することができる。
【0180】
支持プレート576は、第1の駆動伝達アセンブリ568の駆動カプラ568aおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の駆動カプラ570aに固定して、支持プレート576が無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564と共に軸方向に移動するときに、第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cに対して駆動カプラ568a、570aを軸方向に移動させることができる。駆動カプラ568a、570aの軸方向運動は、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が第1および第2の位置(ならびに第1および第2の位置の間の任意の数の中間位置)の間で移動するときに、駆動装置カプラ568a、570aが、ハウジング510のモータアセンブリ50のモータカプラ54b、52bに/から駆動装置カプラ568a、570aを選択的に係合および係合解除することを可能にする。モータアセンブリ50のモータカプラ52b、54bは、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が第2の位置(図42および図44)にある間に、無菌インターフェースモジュール530のそれぞれの駆動カプラ568a、570aに係合され、また、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が第1の位置(図41および図43)にある間に、係合解除される。好都合に、モータアセンブリ50が動かなくなった場合、モータアセンブリ50のモータカプラ52b、54bと無菌インターフェースモジュール530の駆動カプラ568a、570aとの間の係合解除は、緊急解除のための、モータアセンブリ50から無菌インターフェースモジュール530の単純化された分離を提供する。
【0181】
電気機械外科手術器具200、250、その他等の電気機械外科手術器具を無菌インターフェースモジュール530に連結するために、電気外科用器具の傾斜したカム作用表面(例えば、電気機械外科手術器具200のハウジング212の傾斜したカム作用表面218)を、無菌インターフェースモジュール530の下部分562cの対応する傾斜表面562xと整列させる。カップリングカフ176に関して上で説明したものに類似して、電気機械外科手術器具200は、次いで、電気機械外科手術器具の傾斜したカム作用表面が無菌インターフェースモジュール530の下部分562cの傾斜表面562xで完全に受容されるまで、またはそこに着座するまで、ロボット外科手術アセンブリ500に対して横方向に移動する(例えば、側部装填される)。
【0182】
電気機械外科手術器具が下部分562cの中へ横方向に移動すると、電気機械外科手術器具は、上方へ(カップリングカフ176に関して上で説明したものに類似して、近位に)カム運動して、浮動プレート566を近位に移動させるか、または圧縮する。浮動プレート566の圧縮位置への運動は、伝達シャフト568c、570c(およびそれらの対応する器具係合端部568e、570e)を、無菌インターフェースモジュール530の下部分562cの器具開口部562iから近位に引き離して、電気機械外科手術器具250の無菌インターフェースモジュール530の器具開口部562iへの挿入を容易にする。浮動プレート566を圧縮位置に移動させることは、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568の器具係合端部568eおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の器具係合端部570eと、電気機械外科手術器具の対応するカプラ(例えば、電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256d、または電気機械外科手術器具200の近位カプラ310)との間の挿入接触/干渉を阻止するのを補助する。
【0183】
電気外科用器具250等の電気機械外科手術器具が無菌インターフェースモジュール530の下部分562c内に完全に着座すると、浮動プレート566がその伸長位置から押し戻され、よって、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568の器具係合端部568eおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の器具係合端部570e、および電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの対応するカプラが互いに位置合わせされて、無菌インターフェースモジュール530を介して、電気機械外科手術器具250をロボット外科手術アセンブリ500に連結する。
【0184】
使用に際して、ロボット外科手術アセンブリ500が外科手術ロボットアーム2、3のうちの1つに固定され、任意の電気機械外科手術器具200、200’、200’’がロボット外科手術アセンブリ500に固定された状態で、臨床医は、例えば、所望に応じて、ロボット外科手術アセンブリ500によって、電気機械外科手術器具250をロボット的に制御することによって、外科処置を行うことができる。特に、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が第2の位置に位置付けられて、ハウジング510および無菌インターフェースモジュール530のモータおよび駆動カプラ52b、54b、568a、570aにそれぞれ係合した状態で、モータアセンブリ50のモータ52、54のうちの1つ以上が作動して、モータ52、54のモータカプラ52b、54bのうちの1つ以上を回転させ、よって、本明細書で説明されるように、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568および第2の駆動伝達アセンブリ570のうちの1以上が、電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dのうちの1つ以上と協働して、そのエンドエフェクタ252を動作させ、および/または操作する。
【0185】
図42図44を参照すると、緊急事態において、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が、第2の高さ「H2」において第2の位置にあり、本体部材562の上部分562aの肩部562e及び回転可能なカラー562の肩部564bが係合した状態で、回転可能なカラー564は、矢印「B」によって示しされるように、本体部材562を中心に回転して、回転可能なカラー564を、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562の中間部分562bのフランジ562hに向かって軸方向に遠位方向に移動させることができる。回転可能なカラー564の第2の位置において、輪歯車572は、アイドラ歯車574から長手方向に離間配置される。
【0186】
上で説明したように、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564は、第2の位置から第1の位置(任意の数の中間位置)まで移動することができる。例えば、臨床医は、例えば停電中に、電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252を手動で制御することが必要であるので、臨床医は、無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564を、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562に対して第1および第2の位置(ならびに第1および第2の位置の間の任意の数の中間位置)の間で回転させて、回転可能なカラー564を、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562の中間部分562bのフランジ562hに対して第1の高さ「H1」と第2の高さ「H2」との間で移動させることができる。
【0187】
無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564が、所定の角度回転(例えば、90度であるが、無菌インターフェースモジュール530および/またはその1つ以上の構成要素は、所望の所定の角度回転を作成するために、任意の適切な構成を有することができる)を通して(第2の位置から第1の位置に向かって)回転すると、輪歯車572が回転し、アイドラ歯車574に向かって軸方向に遠位に前進するときに、無菌インターフェースモジュール530の輪歯車572が、無菌インターフェースモジュール530のアイドラ歯車574に係合して、アイドラ歯車574の回転を達成する。アイドラギア574の回転は、(一般に、そのロボットの制御を伴わずに静止した状態を維持する)無菌インターフェースモジュール530の第2の駆動伝達アセンブリ570とは関係なく、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568の駆動ギア568dを回転させる。無菌インターフェースモジュール530のアイドラ歯車574の回転に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ568の駆動歯車568dが回転すると、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ568が電気機械外科手術器具250の第1の駆動アセンブリ256aと協働して、好都合に、(例えば、その1つの顎部を移動させて、エンドエフェクタ252を開放し、その中に把持している組織を放出するように)そのエンドエフェクタ252を手動で操作する。無菌インターフェースモジュール530の回転可能なカラー564は、所望に応じて反対方向に回転して、電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252を操作し得る(例えば、閉鎖する)ことが企図される。
【0188】
第2の位置から第1の位置への(および/または第1の位置から第2の位置への)回転可能なカラー564の手動の回転は、無菌インターフェースモジュール530および電気機械外科手術器具250のそれぞれの構成要素を通して力を付与して、電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252を手動で操作して、エンドエフェクタ252を所望の方向/位置に位置付ける。例えば、電気機械外科手術器具250のエンドエフェクタ252は、エンドエフェクタ252によって把持されている組織を放出するための開放位置まで手動で操作することができ、よって、電気機械外科手術器具250を外科手術部位から取り外すことができ、一方で、停電または他の類似する緊急事態が生じたときにそのような手動の操作が実現可能でない場合に別様に存在するであろう望ましくない組織損傷のリスクを制限する。
【0189】
ロボット外科手術アセンブリ500から電気機械外科手術器具250を取り外して、例えば器具の(例えば、電気機械外科手術器具200、250’、または250’’のうちの1つとの)交換を行うために、臨床医は、取り外しアセンブリ254のパドル254a、254bを押圧することができる。パドル254a、254bの押圧は、無菌インターフェースモジュール530の浮動プレート566のタブ566b、566cに力を付与して、無菌インターフェースモジュール530の本体部材562に対して浮動プレート566を近位方向に移動させる。浮動プレート566が近位方向に移動すると、第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cが、第1の駆動伝達アセンブリ568のばね568fおよび第2の駆動伝達アセンブリ570のばね570fからの付勢力に対して、浮動プレート566と共に近位方向に並進運動する。無菌インターフェースモジュール530の本体部材562に対する第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cの運動は、電気機械外科手術器具250のそれぞれの第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの係合カプラ258から、第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cの器具係合端部568eおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cの器具係合端部570eを分離する。第1の駆動伝達アセンブリ568の伝達シャフト568cの器具係合端部または歯車もしくはカプラ568eおよび第2の駆動伝達アセンブリ570の伝達シャフト570cの器具係合端部または歯車もしくは570eが、電気機械外科手術器具250のそれぞれの第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの係合カプラ258から分離されると、電気機械外科手術器具250の器具ハウジング253の近位端部が、本体部材562の下部分562cの器具開口部562iから外へ横方向に摺動することができる。
【0190】
電気機械外科手術器具250は、上で説明したように、本体部材562の下部分562cの器具開口部562iを通して、再度取り付けることができる。代替的に、所望に応じて、器具200、内視鏡250’、または把持装置250’’等の異なる電気機械外科手術器具を同様に取り付けることができる。
【0191】
以下、図48図58を参照すると、ロボット外科手術アセンブリは、本開示の別の実施形態によれば、一般に、600として表される。ロボット外科手術アセンブリ600は、ロボット外科手術アセンブリ500に類似しており、したがって、それらの間の構成および使用の違いを説明するために必要な程度まで、本明細書でさらに詳細に説明する。ロボット外科手術システム1のロボット外科手術アセンブリ600は、モータアセンブリまたはモータパック650(図58)を支持する、器具駆動ユニットまたはハウジング610を含む。ロボット外科手術アセンブリ600のハウジング610は、コネクタアセンブリ640を含む。
【0192】
リング部材550は、(例えば、スナップ嵌めを介して)コネクタアセンブリ640の遠位端部に回転可能に取り付けるように構成される。無菌ドレープ552は、ハウジング610、ロボット外科手術アセンブリ600、およびロボットアーム2、3に関して所望されるように配設して、種々の上述した構成要素および/または外科手術部位/流体と、電気機械外科手術器具200(図2)、250、250’、または250’’との間の無菌バリアを提供することができる。
【0193】
カラーアセンブリまたは無菌インターフェースモジュール630は、ロボット外科手術アセンブリ600と、電気機械外科手術器具200、250、250’、または250’’のうちの任意の1つとを選択的に相互接続するために提供される。
【0194】
図49図53で分かるように、カラーアセンブリまたは無菌インターフェースモジュール630は、ロボット外科手術アセンブリ600と、そこに連結された電気機械外科手術器具250等の任意の電気機械外科手術器具との間の電気通信を提供するために、電気コネクタ632a、632bと、電気コネクタ632a、632bとの間に連結された電気リボン(図示せず)とを含む。電気コネクタ632a、632bは、締着具697によって無菌インターフェースモジュール630に連結することができる。
【0195】
図49図56を参照すると、無菌インターフェースモジュール630は、上部分662a、締着具698によって上部分662aに固定された中間部分662b、および締着具699によって中間部分662bに固定された下部分662cを有する本体部材662を含む。本体部材662の上部分662aは、上部分662aの肩部662eから上部分662aの周囲に延在する螺旋チャネル662dを画定する。上部分662aは、無菌インターフェースモジュール630をロボット外科手術アセンブリ600のハウジング610のコネクタアセンブリ640に固定するために、上部分662aから近位に延在する一対の取り付けアーム662f、662gをさらに含む。一対の取り付けアーム662f、662gは、上部分662aの対向側部上に鏡像関係で配置することができる。
【0196】
図49図51を参照すると、本体部材662の中間部分662bは、フランジ662hを含み、また回転可能なカラー664をその上で回転可能に支持する。中間部分662bは、離間された開口部662mをその側面に画定する。安全クリップ663は、本体部材162の中間部分662bのクリップ受容凹部662mの中へスナップ嵌めして、回転可能なカラー664と本体部材662の中間部分662bのフランジ662hとの間の場所において、安全クリップ663を無菌インターフェースモジュール630の上へ固定することができる。安全クリップ663は、180°を超えて延在する半円形カフの形態をとることができ、また、弾性材料で形成することができる。安全クリップ163は、ブロックまたはストッパのように作用して、回転可能なカラー664が本体部材662の中間部分662bのフランジ662hに向かって接近することを阻止し、それによって、回転可能なカラー664が中間部分662bのフランジ662hに向かって不用意な接近することを妨げる。回転可能なカラー664を作動させる前に、上で説明したように、安全クリップ663は、最初に、回転可能なカラー664と中間部分662bのフランジ662hとの間から取り外さなければならない。安全クリップ663は、そこから半径方向内方に延在し、また、本体部材662の中間部分662b内に形成された開口部662m内で受容する、または該開口部内に配置するように構成された、ナブまたは同類のもの663aを含むことができる。
【0197】
無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664は、回転可能なカラー664の肩部664bから延在する、螺旋チャネル664aを画定する。回転可能なカラー664の螺旋チャネル664aおよび回転可能なカラー664の肩部664bは、本体部材662の上部分662aおよび本体部材662の上部分662aの肩部662eの螺旋チャネル662dを補完する。回転可能なカラー664は、ユーザが、無菌インターフェースモジュール630の本体部材662に対して、回転可能なカラー664を把持すること、および/または作動させることを容易にするために、把持溝664cをさらに含む。回転可能なカラー664はまた、リップ664dも含み、該リップは、上で論じたように、安全クリップが、中間部分662bのフランジ662hに向かう回転可能なカラー664の運動を阻止することを可能にするように、回転可能なカラー664から遠位に延在し、また、安全クリップ663と係合可能である。回転可能なカラー664はまた、情報を臨床医に提供するために、しるし664e(例えば、1つ以上の矢印)をその上に含むこと、またはその中に画定することができる。いくつかの実施形態において、このしるしは、動作命令を提供することができる。
【0198】
無菌インターフェースモジュール630の本体部材662の下部分662cは、締着具699を介して、本体部材662の中間部分662bの遠位端部に固定された半環状カップリングカフの形態である。本体部材662の下部分662cは、側部アーム662j、662kと開口部との間に遠位かつ横方向に画定された器具開口部662iを有するU字形状の本体を含む。下部分662cは、電気機械外科手術器具のハウジングの傾斜したカム作用表面(例えば、電気機械外科手術器具200のハウジング212の傾斜したカム作用表面218)を補完する傾斜表面662x(図49)をさらに含む。器具開口部662iは、電気機械外科手術器具250等の電気機械外科手術器具をその中で受容して、電気機械外科手術器具250をロボット外科手術アセンブリ600に取り外し可能に固定するように構成される。電気機械外科手術器具250を(例えば、側部装填を介して)その中で受容するときに、下部分662cの側部アーム662j、662kは、本体部材662の中間部分662bから遠位に延在し、また、下部分662cの器具開口部662i内で電気機械外科手術器具250を支持するように位置付けられる。
【0199】
無菌インターフェースモジュール530の浮動プレート566に類似して、無菌インターフェースモジュール630は、本体部材662の中間部分662bと本体部材662の下部分662cとの間で支持された浮動プレート666をさらに含む。浮動プレート666は、非圧縮位置または伸長位置と圧縮または後退位置との間で移動可能である。浮動プレート666は、浮動プレート666と本体部材662の中間部分662bとの間に配置されたばね665aによって、および無菌インターフェースモジュール630の駆動伝達アセンブリ(例えば、668、670)のばねによって、非圧縮位置に向かって遠位にばね付勢される。下部浮動プレート666の非圧縮位置において、浮動プレート666は、中間部分662bの底面662lから距離「E」(図55を参照されたい)だけ離間配置される。浮動プレート666は、基部666aと、基部666aから遠位に延在するタブ666b、666cとを含む。タブ666b、666cは、本体部材662の下部分662cを通って延在する。浮動プレート666は、無菌インターフェースモジュール630の第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670を受容する開口666d、666eをその中に画定する。
【0200】
図49図52および図58を参照すると、無菌インターフェースモジュール630の第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670は、ハウジング610内で支持されたモータアセンブリ650のそれぞれのモータカプラ652a、654aの連結端部626と係合可能な連結端部668b、670bを画定する、それぞれの駆動カプラ668a、670aを含む。第1の駆動伝達アセンブリ668は、伝達シャフト668cを含み、第2の駆動伝達アセンブリ670は、伝達シャフト670cを含む。それぞれの第1の駆動伝達アセンブリ668の伝達シャフト668cおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の伝達シャフト670cは、その遠位端部において、それぞれの器具係合端部または668e、670e(例えば、遠位に延在する歯を有する歯車または同類のもの)まで延在する。第1の駆動伝達アセンブリ668の伝達シャフト668cは、伝達シャフト668cの器具係合端部668eの近位で支持された駆動カプラまたは歯車668dをさらに含む。
【0201】
それぞれの付勢部材またはばね668f、670fは、それぞれの第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670の各々の駆動カプラ668a、670aと伝達シャフト668c、670cとの間で支持され、よって、各ばね668f、670fは、その圧縮に応じて、そのそれぞれの第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670にばね力を印加するように構成される。駆動伝達アセンブリ668、670の付勢部材668f、670fは、圧縮ばねとすることができる。第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動カプラ668aおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の駆動カプラ670aは、第1の駆動伝達アセンブリ668の伝達シャフト668cから延在するウイング668hおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の伝達シャフト670cから延在する670hを摺動可能に受容する、側部スロット668g、670gをその中に画定する。伝達シャフト668c、670cのウイング668h、670hは、(例えば、「オルダム」カップリングの様態で)伝達シャフト668c、670cのうちの1つとそのそれぞれの駆動カプラ668a、670aとの相対移動に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ668の側部スロット668gおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の側部スロット670gを通って摺動するように構成される。
【0202】
無菌インターフェースモジュール630は、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664の内面で支持されたリングカプラまたは歯車672をさらに含む。無菌インターフェースモジュール630は、無菌インターフェースモジュール630の本体部材662の中間部分662bによって支持されたアイドラカプラまたは歯車674を含む。アイドラ歯車674は、回転可能なカラー664の回転運動に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動歯車668dと噛合され、また、輪歯車672(図55および図56を参照されたい)と選択的に係合可能である。
【0203】
無菌インターフェースモジュール630は、第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670を横方向に支持するように構成された、支持プレート676、678をさらに含む。支持プレート676は、一般に、本体部材662の上部分662aと本体部材662の中間部分662bとの間で支持される。
【0204】
図55および図56で分かるように、無菌インターフェースモジュール630の支持プレート676は、輪歯車672と回転可能なカラー664の内面との間に画定された支持チャネル664c内で固定され、よって、支持プレート676が無菌インターフェースモジュール630の本体部材662の上部分662aに対して軸方向に移動している間に、回転可能なカラー664は、本明細書で詳述されるように安全クリップ663を取り外した状態で、支持プレート676を中心に回転することができる。支持プレート676は、第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動カプラ668aのフランジ668zおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の駆動カプラ670aのフランジ670zに連結されて、支持プレート676が無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664と共に軸方向に移動するときに、第1の駆動伝達アセンブリ668の伝達シャフト668cおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の伝達シャフト670cに対して駆動カプラ668a、670aを軸方向に移動させる。駆動カプラ668a、670aの軸方向運動は、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664が第1および第2の位置(ならびに第1および第2の位置の間の任意の数の中間位置)の間で移動するときに、駆動装置カプラ668a、670aが、ハウジング610のモータアセンブリ50のモータカプラ652a、654a(図58)に/から駆動装置カプラ668a、670aを選択的に係合すること、および係合解除することを可能にする。モータアセンブリ650のモータカプラ652a、654aは、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664が第2の位置(図55および図58)にある間に、無菌インターフェースモジュール630のそれぞれの駆動カプラ668a、670aに係合され、また、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664が第1の位置(図56)にある間に、係合解除される。
【0205】
電気機械外科手術器具250等の電気機械外科手術器具を無菌インターフェースモジュール630に連結するために、電気機械外科手術器具のハウジングの傾斜したカム作用表面(例えば、電気機械外科手術器具200のハウジング212の傾斜したカム作用表面218を参照されたい)を、無菌インターフェースモジュール630の下部分662cの対応する傾斜表面662xと整列させる。カップリングカフ176および無菌インターフェースモジュール530に関して上で説明したものに類似して、電気機械外科手術器具250は、次いで、無菌インターフェースモジュール630の下部分662cの傾斜表面662xに着座するまで、ロボット外科手術アセンブリ600に対して横方向に移動する(例えば、側部装填される)。
【0206】
電気機械外科手術器具250が下部分662cの中へ横方向に移動すると、上で説明したように、浮動プレート566が、第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670のばね付勢、および浮動プレート666から近位に延在するばね665のばね付勢に対して、その圧縮位置に向かって付勢される。浮動プレート666の圧縮位置への運動は、伝達シャフト668c、670c(およびそれらの対応する器具係合端部668e、670e)を、無菌インターフェースモジュール630の下部分662cの器具開口部662iから近位に引き離して、電気機械外科手術器具250の無菌インターフェースモジュール630の器具開口部662iへの挿入を容易にする。浮動プレート666を圧縮位置に移動させることは、第1の駆動伝達アセンブリ668の器具係合端部668eおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の器具係合端部670eと、電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの対応する歯車またはカプラとの間の挿入接触/干渉を阻止するのを補助する。
【0207】
電気機械外科手術器具250が無菌インターフェースモジュール630の下部分662c内に完全に着座すると、ばね665ならびに第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670のばね付勢に応答して、浮動プレート666がその伸長位置に押し戻され、よって、無菌インターフェースモジュール630の第1の駆動伝達アセンブリ668の器具係合端部668eおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の器具係合端部670e、および電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dの対応する歯車またはカプラが互いに位置合わせされて、無菌インターフェースモジュール630を介して、電気機械外科手術器具250をロボット外科手術アセンブリ600に連結する。
【0208】
使用に際して、ロボット外科手術アセンブリ600が外科手術ロボットアーム2、3のうちの1つに固定され、任意の電気機械外科手術器具200、250、250’、250’’がロボット外科手術アセンブリ600に固定された状態で、臨床医は、例えば、所望に応じて、ロボット外科手術アセンブリ600によって、電気機械外科手術器具250をロボット的に制御することによって、外科処置を行うことができる。特に、ロボット外科手術アセンブリ500に関して上で説明したものに類似して本明細書で説明されるように、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664が第2の位置に位置付けられた状態で、モータアセンブリ50は、無菌インターフェースモジュール530の第1の駆動伝達アセンブリ668および第2の駆動伝達アセンブリ670のうちの1つ以上が、電気機械外科手術器具250の第1および第2の駆動アセンブリ256a~256dのうちの1つ以上と協働して、例えば、そのエンドエフェクタ252を動作させるように、および/または操作するように、作動することができる。
【0209】
図51図54図56、および図58を参照すると、緊急事態(例えば、停電)においては、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664が第2の位置にあり、輪歯車672がアイドラ歯車674から長手方向に離間配置された状態である間に、安全クリップ663が無菌インターフェースモジュール630から手動で取り外される。無菌インターフェースモジュール530に関して上で説明したものに類似して、安全クリップ663が取り外されると、回転可能なカラー664を、矢印「F」(図54)によって示されるように、本体部材662を中心に手動で回転させて、回転可能なカラー664を無菌インターフェースモジュール630の本体部材662の中間部分662bのフランジ662hに向かって遠位方向に軸方向に移動させて、ハウジング610のモータアセンブリ650のモータカプラ652a、654aから、第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動カプラ668aおよび第2の駆動伝達アセンブリ670の駆動カプラ670aを分離することができる。
【0210】
さらに、無菌インターフェースモジュール530に類似して、無菌インターフェースモジュール630の回転可能なカラー664は、所定の角度回転を通して、第2の位置から第1の位置に向かって回転させることができる。輪歯車672が回転可能なカラー664に連結された状態で、そのような回転は、輪歯車672が回転し、アイドラ歯車674に向かって軸方向に遠位に前進するときに、無菌インターフェースモジュール630の輪歯車672が、無菌インターフェースモジュール630のアイドラ歯車674に係合して、アイドラ歯車674の回転を生じさせることを可能にする。アイドラギア674の回転は、(一般に、そのロボットの制御を伴わずに静止した状態を維持する)無菌インターフェースモジュール630の第2の駆動伝達アセンブリ670とは関係なく、無菌インターフェースモジュール630の第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動ギア668dを回転させる。
【0211】
無菌インターフェースモジュール530に関して上で説明したものに類似して、無菌インターフェースモジュール630のアイドラ歯車674の回転に応答して、第1の駆動伝達アセンブリ668の駆動歯車668dが回転すると、無菌インターフェースモジュール630の第1の駆動伝達アセンブリ668が電気機械外科手術器具250の第1の駆動アセンブリ256aと協働して、好都合に、そのエンドエフェクタ252を手動で操作する。
【0212】
ロボット外科手術アセンブリ500に関して上で説明したものに類似して、ロボット外科手術アセンブリ600から電気機械外科手術器具250を取り外して、例えば器具の(例えば、電気機械外科手術器具200、250’、または250’’のうちの1つとの)交換を行うために、臨床医は、電気機械外科手術器具250の取り外しアセンブリ254のパドル254a、254bを押圧して、ロボット外科手術アセンブリ600から電気機械外科手術器具250を解放することができる。特に、無菌インターフェースモジュール530に関して上で説明したものに類似して、電気機械外科手術器具250の取り外しアセンブリ254のパドル254a、254bを押圧することで、浮動プレート666を、無菌インターフェースモジュール630のばねの付勢に対して、圧縮位置に移動させて、電気機械外科手術器具250が、その本体部材662の下部分662cの器具開口部662iから外へ横方向に摺動することを可能にする。
【0213】
電気機械外科手術器具250は、所望または必要に応じて、本体部材662の下部分662cの器具開口部662iを通して、再度取り付けることができる。代替的に、所望または必要に応じて、器具200、内視鏡250’、または把持装置250’’等の異なる電気機械外科手術器具を同様に取り付けることができる。
【0214】
電気機械外科手術器具のいくつかの実施形態の駆動部材380および/またはコネクタ部材「CM」(図15および図36を参照されたい)は、ステンレス鋼、タングステン、ポリマー、または同類のもの等の、任意の適切な材料を含むことができる。そのような材料は、1つ以上の層を含むことができる、1つ以上のコーティングを含むことができる。これらのコーティングは、任意の適切なポリ(p-キシリレン)ポリマー(例えば、パリレンまたは同類のもの)等のポリマー材料を含むことができる。これらのポリマー材料のいずれかは、化学蒸着または同類のもの等の任意の適切な技法によって形成することができる。そのようなコーティングは、駆動部材380および/またはコネクタ部材「CM」の信頼性および/またはライフサイクルを高めるように構成される。好都合に、パリレン等のポリ(p-キシリレン)ポリマーは、生物学的適合性があり、ほとんどあらゆる表面(例えば、ケーブル)に適用するための低摩擦および潤滑性を提供する。例えば、ここで説明される電気機械外科手術器具は、より長い器具寿命を提供するために、パリレン等のポリ(p-キシリレン)ポリマーでコーティングしたタングステンケーブルで形成された、駆動装置または接続部材を含むことができる。加えて、そのようなポリ(p-キシリレン)ポリマーは、誘電体バリアを提供する。ポリ(p-キシリレン)ポリマーコーティングは、洗浄および/またはオートクレーブ処置から、タングステンケーブル(およびタングステンケーブルの任意の内部潤滑剤)を保護する。加えて、ポリ(p-キシリレン)ポリマーコーティングは、タングステンケーブルとタングステンケーブルを掛けるプーリーとの間に保護層を提供する。特定の実施形態において、1つ以上のコーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))または同類の材料を含むことができる。
【0215】
ここで説明される無菌インターフェースモジュールのいずれか、またはその一部分は、誘電体材料(例えば、任意の適切なポリマー)で形成することができ、および/または電流漏出を阻止するために誘電体として機能することができる。例えば、1つの適切なポリマーとしては、ポリフェニルスルホン(例えば、Radel(登録商標)R-5100)または同類のものを挙げることができる。いくつかの実施形態において、ここで説明される無菌インターフェースモジュールは、情報伝送に使用されるような他の電気構成要素(例えば、電気コネクタ532a、632a、電気リボン534、その他)から、電気外科用ケーブル599(図45を参照されたい)または同類のもの等の、専用の電気焼灼器ケーブルを電気的に絶縁するように構成される。さらに、電気外科用ケーブルおよび/または電気コネクタ532a等の任意の電気構成要素は、互いに対して所定の離間配置された場所として位置付けることができ、それによって、そのような構成要素間の所定の距離が誘電体として作用することができる。
【0216】
いくつかの実施形態において、ここで説明される無菌インターフェースモジュールまたはその一部分は、オートクレーブ可能とすることができる。
【0217】
図59を参照すると、ロボット外科手術システムの1つの実施形態は、ロボットアーム2または3(図1を参照されたい)のうちの1つとまたはそれに連結された、ロボット外科手術アセンブリ1100を含む。ロボット外科手術アセンブリ1100は、外科手術器具ホルダ1102と、器具駆動ユニット1110と、電気機械外科手術器具1200等の電気機械外科手術器具とを含む。器具駆動ユニット1110は、そのモータから電気機械外科手術器具1200の従動部材(図示せず)に電力および作動力を伝達して、最終的には、電気機械外科手術器具1200のエンドエフェクタ1210の構成要素の運動、例えばナイフブレード(図示せず)の運動、および/もしくはエンドエフェクタ1210の顎部材の閉鎖および開放、ステープラの作動もしくは発射、ならびに/または電気外科用エネルギーに基づく器具の起動もしくは発射、または同類のものを駆動する。器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114(図67および図68)は、外科手術器具ホルダ1102内で支持されたモータ「M」によって回転し、その回転運動を電気機械外科手術器具1200に伝達する。
【0218】
図59図60A図60B、および図61を参照すると、外科手術アセンブリ1100の外科手術器具ホルダ1102は、器具駆動ユニット1110のモータの回転アセンブリ1114(図68)を作動させるように機能する。外科手術器具ホルダ1102は、背面部材またはキャリッジ1104と、キャリッジ1104の端部1104bから横方向に(例えば、垂直に)延在する外側部材またはハウジング1106とを含む。いくつかの実施形態において、ハウジング106は、キャリッジ1104に対して種々の角度で、かつキャリッジ1104の種々の部分から延在することができる。キャリッジ1104は、第1の側部1108aと、および第1の側部1108aに対向する第2の側部1108bとを有する。キャリッジ1104の第1の側部1108aは、外科手術器具ホルダ1102がロボットアーム2(図1を参照されたい)のレール40に沿って摺動または並進運動することを可能にするように、ロボットアーム2のレール40に着脱可能に接続可能である。キャリッジ1104の第2の側部1108bは、器具駆動ユニット1110のハウジングまたは外側シェル1112を回転不可能に支持するように構成される。
【0219】
外科手術器具ホルダ1102のキャリッジ1104は、例えばキャニスタモータ「M」等のモータをその中で支持または収容する。下で詳細に説明するように、モータ「Mは」、制御デバイス4(図1)から制御および電力を受信して、最終的には、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114を回転させる。いくつかの実施形態において、キャリッジ1104は、キャリッジ1104のモータ「M」の動作を制御するために、モータ「M」と電気通信するプリント回路基板1107を含むことができる。キャリッジ1104は、モータ「M」から、およびキャリッジ1104を通って長手方向に延在する、回転可能な駆動シャフト1109を有する。キャリッジ1104は、モータ「M」の駆動シャフト1109の回転を外科手術器具ホルダ1102の駆動アセンブリ1150のプーリー1154に伝達するようにモータ「M」の駆動シャフト1109に回転不可能に接続された、シャフトカップリング1116をさらに含む。
【0220】
図60A~64Bを参照すると、外科手術器具ホルダ1102のハウジング1106は、器具駆動ユニット1110をその中で回転可能に受容し、支持するように構成された、該ハウジングを通るチャネル1118を画定する。ハウジング1106は、略長半円形状を有するが、いくつかの実施形態において、ハウジング1106は、例えばC字形状、U字形状、V字形状、フック形状、または同類のもの等の様々な形状をとることができる。外科手術器具ホルダ1102のハウジング1106は、駆動アセンブリ1150の構成要素を収容または保持するようにさらに構成され、下で詳細に説明される。
【0221】
特に図62図63図64A、および図64Bを参照すると、外科手術器具ホルダ1102のハウジング1106は、一般に、その中にエンクロージャ1122を画定する側壁1120と、側壁1120の頂部分に接続された頂部プレート1124とを含む。側壁1120は、半円形構成を有する第1の部分1120aと、正方形または長方形構成を有する第2の部分1120bとを有する。側壁1120の第1の部分1120aは、側壁1120の頂部分からエンクロージャ1122の中へ内方に延在する、頂部リッジまたはレッジ1126aを有する。頂部レッジ1126aは、駆動アセンブリ1150の第1のベアリング1153aの一部分を受容するように構成された切り欠き1128aをその中に画定する。第1のベアリング1153aは、約50~70ミリメートル、例えば約60ミリメートルの内径、約50~70ミリメートル、例えば約66ミリメートルの外径、約1~4ミリメートル、例えば約2.5ミリメートルの幅、および約5~15グラム、例えば約9グラムの質量を有する。ハウジング1106は、エンクロージャ1122内に配置された基部1130をさらに含む。
【0222】
基部1130は、側壁1120の底部分に接続される。基部1130は、そこを通る円形チャネル1118を画定する、円形の内面1132を含む。円形チャネル1118は、駆動アセンブリ1150の環状部材1182を受容するように構成される。基部1130は、基部1130の内面1132から中央チャネル1118の中へ内方に延在する、底部リッジまたはレッジ1126bをさらに含む。上で説明した第1のベアリング1153aに類似して、底部レッジ1126bは、駆動アセンブリ1150の第2のベアリング1153bを受容するように構成された切り欠き1128bをその中に画定する。ハウジング1106の頂部レッジ1126aおよび底部レッジ1126bは、駆動アセンブリ1150のベルト1160を摺動可能に受容するように構成された溝1134をその間に協働的に画定する。
【0223】
ハウジング1106は、基部1130から上方へ延在する曲線状または弓状の壁1136をさらに含み、また、側壁1120の第2の部分1120bに隣接して配置され、中央チャネル1118を部分的に取り囲む。ハウジング1106の弓状の壁1136は、エンクロージャ122の中に延在し、かつ弓状の壁1136の内面1140から外方へ延在する、頂部リッジまたはレッジ1138を有する。弓状の壁1136の頂部レッジ1138は、頂部レッジ1126a、1138が、予め装填されるばね(例えば、波形ばね)のための隙間を提供するように、側壁1120の第1の部分1120aの頂部レッジ1126aと同一平面上にある。
【0224】
図61図66を参照すると、器具駆動ユニット1110を外科手術器具ホルダ1102内で動作可能に受容したときに、外科手術器具ホルダ1102の駆動アセンブリ1150は、外科手術器具ホルダ1102のモータ「M」の駆動シャフト1109の回転を、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114(図68)の回転運動に伝達するように構成される。駆動アセンブリ1150は、回転可能にハウジング1106内に配置された従動シャフト1152を含む。従動シャフト1152は、近位端部1152aと、遠位端部1152bとを有する。従動シャフト1152の近位端部1152aは、ハウジング1106の頂部プレート1124を通って近位に延在する。従動シャフト1152の遠位端部1152bは、ハウジング1106の基部1130を通って遠位に延在する。駆動アセンブリ1150の従動シャフト1152は、ハウジング1106内で回転可能に保持される。
【0225】
図61に例示されるように、キャリッジ1104のモータ「M」、キャリッジ1104の駆動シャフト1109、および駆動アセンブリ1150の従動シャフト1152は、それぞれ互いに直列である。従動シャフト1152の近位端部1152aは、モータ「M」の駆動シャフト1109の回転が、シャフトカップリング1116を回転させ、次に、駆動アセンブリ1150の従動シャフト1152を回転させるように、キャリッジ1104のシャフトカップリング1116に回転不可能に接続される。
【0226】
図61図66の参照を続けると、駆動アセンブリ1150は、第1のプーリー1154および第2のプーリー1156を含み、それぞれが、ハウジング1106の弓状壁1136とハウジング1106の側壁1120との間に、特に側壁1120の第2の部分1120bのそれぞれの対向する隅部1144a、1144bに画定された空間1142内に配置される。従動シャフト1152の遠位端部1152bは、従動シャフト1152の回転が、ハウジング1106に対する第1のプーリー1154の回転を達成するように、第1のプーリー1154に回転不可能に接続される。第1のプーリー1154および第2のプーリー1156は、ハウジング1106の異なる場所までハウジング1106内を選択的に移動可能とすることができる。第1のプーリー1154および第2のプーリー1156は、それぞれ、例えばその外周から半径方向に延在する歯1158を有する平歯車等の歯車の形態とすることができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のプーリー1156は、歯のない滑らかな外面を有することができる。
【0227】
駆動アセンブリ1150は、ハウジング1106内で回転可能および/または平行移動可能に受容された、駆動ストラップまたはベルト1160をさらに含む。ベルト1160は、閉ループであり、また、ベルト1160を任意の適切な形状に操作することができるように、柔軟な材料から製造される。特に、ベルト1160は、ハウジング1106での受容に応じて、ハウジング1106の長半円形状をとる。いくつかの実施形態において、ベルト1160は、硬質材料から形成することができ、また、ハウジング1106のエンクロージャ1122の形状に対応する永久的な長半円形状を有することができる。ベルト1160は、その内面から延在する歯1162を有する。ベルト1160は、ベルト1160の歯1162が第1のプーリー1154および第2のプーリー1156の歯1158と動作可能に係合するように、第1のプーリー1154および第2のプーリー1156に巻き付けられる。このようにして、キャリッジ1104のモータ「M」の作動によって生じた第1のプーリー1154の回転は、ベルト1160を第1のプーリー1154および第2のプーリー1156の周囲で回転させる。第2のプーリー1156は、ハウジング1106の側壁1120の内周でベルト1160を案内するためのアイドラプーリーとして作用する。第2のプーリー1156は、複数の位置に選択的に移動して、ベルト1160への/該ベルトのテンションを達成し得ることが企図される。
【0228】
図66Aを参照すると、1つの実施形態において、駆動アセンブリ150は、ベルト1160への/該ベルトのテンションを調整するように構成された、テンション付与アセンブリ1164を含むことができる。特に、テンション付与アセンブリ1164は、ハウジング1106の弓状の壁1136とハウジング1106の側壁1120との間に画定された空間1142内に配置し、また、第1のプーリー1154と第2のプーリー1156との間に延在することができる。テンション付与アセンブリ1164は、第1のシャフトアセンブリ1166と、第2のシャフトアセンブリ1168と、コイルばね1170とを含む。
【0229】
第1のシャフトアセンブリ1166は、ハウジング1106内の定位置にあり、また、第1のプーリー1154に隣接して配置されたブロック1172と、ブロック1172から延在し、かつ第1のプーリー1154および第2のプーリー1156と交差する軸に沿ったシャフト1174とを含む。第2のシャフトアセンブリ1168は、プーリースレッド1180に隣接して配置されたブロック1176と、ブロック1176から延在する管状シャフト1178とを含む。図66Bを参照すると、プーリースレッド1180は、シャフト1181を中心に第2のプーリー1156を回転可能に支持し、また、ブロック1176と接触関係にある係合タブ1180aを含む。第2のシャフトアセンブリ1168の管状シャフト1178は、そこを通って延在する第1のシャフトアセンブリ1166のシャフト1174を有し、また、第1のシャフトアセンブリ1166のシャフト1174に沿って摺動可能である。コイルばね1170は、管状シャフト1178を中心に配置され、また、それぞれの第1のシャフトアセンブリ1166のブロック1172と第2のシャフトアセンブリ1168のブロック1176との間で捕捉されて、第1のシャフトアセンブリ1166のブロック1172から離れるように第2のシャフトアセンブリ1168のブロック1176を弾性的に付勢する。コイルばね1170は、ブロック1176を押し、それがプーリースレッド1180を押して、第1のプーリー1154から離れるように第2のプーリー1156を付勢し、ベルト1160のテンションを調整する(例えば、増加させる)。プーリースレッド1180およびその構成要素は、(例えば、ベルト1160のテンションを調整するための)ブロック1176の長手方向並進運動に応答して、シャフト1174によって画定された軸に沿って摺動可能である。
【0230】
テンション付与アセンブリ1164によって寄与されるテンションの量を調整するために、それぞれが異なるばね力を有する複数のコイルばねをコイルばね1170について交替することができる。代替として、ベルト1160のテンションを調整するために、テンション付与アセンブリ1164を、第2のプーリー1156に対して異なる位置に移動させることができる。
【0231】
図62図64B、および図65Bの参照を続けると、駆動アセンブリ1150は、駆動アセンブリ1150の第1のベアリング1153aと第2のベアリング1153bとの間でハウジング106のチャネル1118内に回転可能に配置された茶碗形の環状部材1182を含む。環状部材1182は、リング1184と、リング1184内に配置された環状ベースプレートまたは円板1186とを含む。リング184は、その外面から半径方向に延在する複数の歯1188を有する。環状部材1182を駆動アセンブリ1150の第1のベアリング1153aと第2のベアリング1153bとの間に回転可能に着座させた状態で、環状部材1182の歯1188がベルト1160の歯1162と動作可能に係合する。これに関して、第1のプーリー154の回転によるハウジング106の側壁120の内周に沿ったベルト1160の運動は、環状部材1182をハウジング1106のチャネル1118内で回転させる。
【0232】
いくつかの実施形態において、第1のプーリー1154およびベルト1160は、互いの間で回転運動を伝達するための歯を有しない。代わりに、回転は、ベルト1160の滑らかな内面と第1のプーリー1154の滑らかな外面との摩擦係合を介して、第1のプーリー1154とベルト1160との間で伝達される。駆動アセンブリ1150の構成要素の各々が、駆動アセンブリ1150の組み立て、修理、および調整を容易にするために、ハウジング1106から取り外し可能であり得ることが企図される。
【0233】
図64B図65B図67、および図68を参照すると、環状部材1182の環状ベースプレート1186および環状部材1182のリング1184の内面1190は、器具駆動ユニット1110を受容するように構成された円筒空洞1192を協働的に画定する。環状ベースプレート1186は、器具駆動ユニット1110の種々の駆動シャフト(図示せず)を受容するように構成された、そこを通る複数の孔1194を画定する。下で詳細に説明するように、器具駆動ユニット1110の駆動シャフトが環状ベースプレート1186の孔1194を通って延在する状態で、ベルト1160を介した環状部材1182の回転は、外科手術器具ホルダ1102のハウジング1106に対する器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114の回転をもたらす。
【0234】
駆動アセンブリ1150を組み立てるには、ベルト1160をハウジング1106の中へ下げて、ハウジング1106の側壁1120の内周に整列させ、そして、ハウジング106の上部レッジ1128aと下部レッジ1128bとの間に画定された溝1134を通して延在させる。第1のベアリング1153aは、環状部材1182の上部分へ押圧され、第2のベアリング1153bは、環状部材1182の下部分へ押圧される。第1のベアリング1153aおよび第2のベアリング1153bを有する環状部材1182は、ハウジング1106のチャネル1118の中へ下げられ、ハウジング1106の上部レッジ1128aと下部レッジ1128bとの間で支持される。第1のプーリー1154および第2のプーリー1156は、ベルト1160が第1のプーリー1154および第2のプーリー1156および環状部材1182に巻き付くように、ハウジング1106の対向する隅部1144a、1144bに設置される。この組み立て段階で、ベルト1160にテンションを付与することができる。次いで、カバープレート1124が、ハウジング1106の頂部分に固定される。
【0235】
図67および図68を参照すると、外科手術アセンブリ1100の器具駆動ユニット1110は、外側ハウジング1112と、外側ハウジング1112内に回転可能に配置された内側ハウジングまたはモータアセンブリ1114とを含む。外側ハウジング1112は、外科手術器具ホルダ1102のキャリッジ1104の第2の側部1108bに係合され、また、器具駆動ユニット1110の種々の構成要素を収容する。器具駆動ユニット1110の外側ハウジング1112は、略円筒状構成を有するが、いくつかの実施形態において、外側ハウジング1112は、例えば正方形、長方形、管状、または同類のもの等の様々な構成をとることができる。
【0236】
器具駆動ユニット1110の外側ハウジング1112は、モータアセンブリ、モータパック、または同類のもの1114をその中で摺動可能に受容するように構成され、寸法決定される。モータアセンブリ1114は、4つのモータ「M1~M4」、例えばキャニスタモータまたは同類のものを含むことができ、それぞれが、非円形横断面プロファイル(例えば、略D字形状、または同類のもの)を有する駆動シャフト(明示せず)を有する。4つのモータは、そのそれぞれの駆動シャフトが全て互いに並列し、また、全て共通の方向に延在するように、長方形の形態で配設される。モータアセンブリ1114のモータが作動すると、モータの駆動シャフトの回転が、それぞれの駆動伝達シャフト(図示せず)を介して、外科手術器具1200の駆動アセンブリ(図示せず)の歯車(図示せず)に伝達されて、外科手術器具1200の種々の機能を作動させる。加えて、上で述べたように、器具駆動ユニット1110が外科手術器具ホルダ1102の駆動アセンブリ1150の環状部材1182内に配置されたときに、モータアセンブリ1114の各モータの駆動シャフトが、環状部材1182の環状ベースプレート1186の孔1194を通って延在する。
【0237】
動作に際して、外科手術器具ホルダ1102のキャリッジ1104は、ロボットアーム2のレール40に取り付けられる。器具駆動ユニット1110は、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114の駆動シャフト(図示せず)が環状部材1182の環状ベースプレート1186内に画定されたそれぞれの孔1194を通って延在するように、駆動アセンブリ1150の環状部材1182内に位置付けられ、また、外科手術器具ホルダ1102のキャリッジ1104の側部1108b上で支持される。外科手術器具1200の近位端部1202(図59)の従動シャフト(図示せず)は、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114の駆動シャフトに回転不可能に接続される。
【0238】
臨床医は、外科手術システムの手動の入力デバイス7、8(図1)を動作させることで、外科手術器具ホルダ1102のモータ「M」を作動させて、最終的には、外科手術器具1200の回転を達成して、外科手術器具1200を外科手術部位内の特定位置に配向することができる。特に、外科手術器具ホルダ1102のモータ「M」の作動は、外科手術器具ホルダ1102のモータの回転シャフト1109を駆動し、これが、その回転運動を、シャフトカップリング1116を介して、駆動アセンブリ150の従動シャフト1152に伝達する。駆動アセンブリ1150の従動シャフト1152の回転は、第1のプーリー1154が従動シャフト1152に回転不可能に接続されているため、第1のプーリー1154の回転を達成する。駆動アセンブリ1150のベルト160が、駆動アセンブリ1150の第1のプーリー1154と動作可能に係合し、かつ駆動アセンブリ1150の環状部材1182がベルト1160と動作可能に係合するので、第1のプーリー1154の回転が、駆動アセンブリ1150のベルト1160を回転させ、次に、駆動アセンブリ150の環状部材1182を回転させる。
【0239】
器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114の駆動シャフトが駆動アセンブリ1150の環状部材1182の環状ベースプレート1186の孔1194内に捕捉された状態で、外科手術器具ホルダ1102のハウジング1106内の駆動アセンブリ1150の環状部材1182の回転は、器具駆動ユニット1110の外側シェル1112に対する器具駆動ユニット1110のモータアセンブリの回転1114を駆動する。いくつかの実施形態において、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114は、任意の適切な方法、例えば摩擦嵌め、非円形称賛噛合面、または任意の適切な締着具を介して、駆動アセンブリ1150の環状部材1182内で回転不可能に受容することができる。特定の実施形態において、モータアセンブリ1114は、環状部材1182にボルト固定される。外科手術器具200の近位端部1202が器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114に回転不可能に連結された状態で、器具駆動ユニット1110のモータアセンブリ1114の回転は、その長手方向軸「X」を中心に外科手術器具200の回転をもたらす。
【0240】
当業者は、本明細書で具体的に説明され、添付図面に示される構造および方法が、非限定的で例示的な実施形態であること、ならびに説明、開示、および図が、単に特定の実施形態を例示するものとみなされるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明される厳密な実施形態に限定されないこと、ならびに種々の他の変更および修正を、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、当業者によって達成することができることを理解されたい。加えて、特定の実施形態に関連して示される、または説明される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の他の実施形態の要素および特徴と組み合わせることができ、また、そのようなその修正物および変形物もまた、本開示の範囲内に含まれる。故に、本開示の主題は、特に示され、説明されているものによって限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60A
図60B
図61
図62
図63
図64A
図64B
図65A
図65B
図66A
図66B
図67
図68