(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】中間膜およびそれを含む合わせガラス
(51)【国際特許分類】
C03C 27/12 20060101AFI20220309BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20220309BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20220309BHJP
B32B 27/22 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
C03C27/12 D
B32B17/10
B32B27/30 102
B32B27/22
(21)【出願番号】P 2020024036
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2020-05-27
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591057290
【氏名又は名称】長春石油化學股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100174285
【氏名又は名称】小宮山 聰
(72)【発明者】
【氏名】張 晉諺
(72)【発明者】
【氏名】王 晨帆
【審査官】松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/182032(WO,A1)
【文献】特開昭54-022489(JP,A)
【文献】特表2017-501963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/12
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)は、175,000~201,360ダルトン(dalton)の範囲内であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂と、
(b)含有量が30~50pph(parts per hundred)の範囲である可塑剤と、
を含み、
(c)ナトリウム塩、カリウム塩またはこれらの混合物をさらに含み、その総量は、ナトリウム含有量、カリウム含有量またはこれらの混合物含有量として80ppmまでと
し、
前記ポリビニルブチラール樹脂は、50,000未満の分子量を有する少なくとも10重量%のポリビニルブチラールを含有する、中間膜。
【請求項2】
少なくとも250μmの流動を有する、請求項1に記載の中間膜。
【請求項3】
前記ナトリウム塩は、ナトリウム含有量として40ppmを超えず、前記カリウム塩がカリウム含有量として40ppmを超えない、請求項1に記載の中間膜。
【請求項4】
前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、60~80モル%である、請求項1に記載の中間膜。
【請求項5】
可塑剤は、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル、有機リン酸、有機亜リン酸またはこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の中間膜。
【請求項6】
前記可塑剤は、ジプロピレングリコールジベンゾアート(dipropylene glycol dibenzoate)、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジベンゾエート(2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol dibenzoate)、トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(triethylene glycol di-(2-ethylhexanoate))、テトラエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(tetraethylene glycol di-(2-ethylhexanoate))、トリエチレングリコールジ(2-エチルブチレート)(triethylene glycol di-(2-ethylbutyrate))、トリエチレングリコールジヘプタノエート(triethylene glycol diheptanoate)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(tetraethylene glycol diheptanoate)、ヘキサン二酸ジヘキシル(dihexyladipate)、ジオクチルアジパート(dioctyladipate)、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル(hexyl cyclohexyladipate)、アジピン酸ジイソノニル(diisononyladipate)、アジピン酸ヘプチルノニル(heptylnonyladipate)、セバシン酸ジブチル(dibutylsebacate)、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)(triethylene glycol bis(2-ethylhexanoate),3GO)、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(tetraethylene glycol di-2-ethylbutyrate,4GH)、アジピン酸ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル] (bis[2-(2-butoxyethoxy)ethyl] adipate、D600)またはこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の中間膜。
【請求項7】
1種以上の前記ナトリウム塩を含み、前記ナトリウム塩は、過塩素酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、2-エチル酪酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸ナトリウムまたはこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の中間膜。
【請求項8】
1種以上の前記カリウム塩を含み、前記カリウム塩は、過塩素酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、2-エチル酪酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウムまたはこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の中間膜。
【請求項9】
少なくとも250μm~500μmの範囲の流動を有する、請求項2に記載の中間膜。
【請求項10】
0.3mm~1.5mmの範囲の厚みを有する、請求項1に記載の中間膜。
【請求項11】
2枚のガラス板の間に前記中間膜が挟まれて合わせガラスを形成し、前記合わせガラスは温度50℃、相対湿度(RH)95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの周囲部が前記合わせガラスの中央部に対比して、より大きなパンメル接着値(pummel adhesion value)を有し、
前記合わせガラスの周囲部は、前記合わせガラス周辺の外周縁から前記合わせガラスの中心に向かって内側に5mmの距離延びて形成される領域であり、
前記合わせガラスの中央部は、前記合わせガラスの中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域である、請求項1に記載の中間膜。
【請求項12】
2枚のガラス板の間に挟まれて合わせガラスを形成する中間膜であって、前記合わせガラスは温度50℃、相対湿度(RH)95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの周囲部が前記合わせガラスの中央部に対比して、より大きなパンメル接着値を有し、
前記合わせガラスの周囲部は、前記合わせガラス周辺の外周縁から前記合わせガラスの中心に向かって内側に5mmの距離延びて形成される領域であり、
前記合わせガラスの中央部は、前記合わせガラスの中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域であり、
ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が、175,000~201,360ダルトン(dalton)の範囲内であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂を含
み、
前記ポリビニルブチラール樹脂は、50,000未満の分子量を有する少なくとも10重量%のポリビニルブチラールを含有する、中間膜。
【請求項13】
前記合わせガラスは、温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの周囲部のパンメル接着値と前記合わせガラスの中央部のパンメル接着値との差は、少なくとも2である、請求項
12に記載の中間膜。
【請求項14】
前記合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの周囲部は、少なくとも8のパンメル接着値を有する、請求項
12に記載の中間膜。
【請求項15】
前記合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの周囲部は、少なくとも9のパンメル接着値を有する、請求項
12に記載の中間膜。
【請求項16】
前記合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの中央部は、4~7の範囲のパンメル接着値を有し、かつ前記該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値と前記合わせガラスの中央部のパンメル接着値間との差が少なくとも2である、請求項
12に記載の中間膜。
【請求項17】
前記合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前記合わせガラスの中央部のパンメル接着値は、実質的に変わらない、請求項
12に記載の中間膜。
【請求項18】
請求項1に記載の中間膜を含む、合わせガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間膜(interlayer film)およびそれを含む合わせガラスに関する。該中間膜は、合わせガラスに改善された接着性を提供することで、ガラスの層間剥離防止を助ける。
【背景技術】
【0002】
合わせガラスは、万一割れても破片の飛び散りがほぼないため、安全性の高いガラスである。中間層は、通常ポリビニルブチラール(PVB)またはエチレンビニルアセテート(EVA)で作られ、2層以上ガラス間に介設されている。ガラスは、万一破損しても該中間層がガラス層を接着したままで、かつその強度が高く、万一破損しても破片が細粒状になり、鋭い破片が生じない。衝突力が完全にガラスを貫通できない時、蜘蛛の巣状のひび割れが生じる。
【0003】
合わせガラスは、一般的に、建築物の用途だけでなく、人が衝突することやガラスが破損した場合に落下する場所で使用される。例えば屋根窓ガラスおよび自動車のフロントガラスは、通常合わせガラスが使用されている。ハリケーンに耐えられる建物が必要な地域では、合わせガラスが一般的に外部の店構え、カーテンウォール、窓に使用されている。
【0004】
合わせガラスは、窓の遮音性を高めるためにも使用できる。例えば合わせガラスは、同厚の単板ガラスに比較して音響減衰を大幅に改善する。この目的のために、中間層内に特殊な「遮音PVB(acoustic PVB)」化合物を使用できる。EVA材料を使用する場合、EVAには遮音性があるため、追加の遮音材料を必要としない。窓に合わせガラスを使用するもう1つの利点は、PVBおよびEVA中間層によって紫外線放射を遮蔽できる。
【0005】
合わせガラスの問題は、高温多湿の条件下で、ガラス層と中間層の間の開口部に水分が浸透する傾向があり、それにより中間層(例:PVBシート)とガラス層の間の水素結合が切断され、合わせガラスの層間剥離が生じてしまうことにあった。したがって、層間剥離を防ぐために、中間層の接着性を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、中間層の接着性を改善できる中間膜、並びに該中間膜を含む合わせガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、合わせガラスに使用される中間膜(interlayer film)(または中間層膜/層間膜/互層膜とも呼ばれ;また中間層(interlayer)と略称される)およびそれを含む合わせガラスに関する。該中間膜は、改善された接着性を示し、中間膜を含む合わせガラスの品質および耐久性が改善され、例えば、合わせガラスの層間剥離の防止である。該中間膜により、合わせガラスに高温多湿の条件下でも長期間にわたって優れた高湿高温耐性を持たせる。前述の性能改善は、該中間層に特定の重量平均分子量を有するポリビニルブチラール(polyvinyl butyral、PVB)を含有させることおよび金属塩、可塑剤等の使用などの該中間層の流動特性を少なくとも部分的に制御することによって達成できる。
【0008】
一実施形態では、本発明に係る中間膜は、
(a)ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が175,000~210,000ダルトンの範囲内であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂と、
(b)含有量が約30~約50pph(parts per hundred)の範囲である可塑剤と、
を含み、
ここで、2枚のガラス板の間に該中間膜が挟まれて合わせガラスを形成し、該合わせガラスは温度50℃、相対湿度(RH)95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部が該合わせガラスの中央部に対比して、より大きなパンメル接着値(pummel adhesion value)を有する。該合わせガラスの周囲部は、該合わせガラス周辺の外周縁から該合わせガラスの中心に向かって内側に5mmの距離延びて形成される領域であり;該合わせガラスの中央部は、該合わせガラスの中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域である。
【0009】
幾つかの実施形態では、2枚のガラス板の間に該中間膜が挟まれて形成された合わせガラスは、温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後でも、該合わせガラスが有するパンメル接着値は、該合わせガラスの中央部において実質的に変わらない。
【0010】
上記のように、本発明の実施形態のPVB樹脂は、典型的には約175,000~約210,000ダルトンの重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、該PVB樹脂が50,000未満の重量平均分子量を有する少なくとも10重量%のPVBも有する場合には有益である。
【0011】
該可塑剤の非限定的な例としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル、有機リン酸、有機亜リン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
【0012】
該中間膜の様々な実施形態は、ナトリウム塩、カリウム塩またはこれらの混合物などの金属塩を含むことができる。ナトリウム塩、カリウム塩またはこれらの混合物の総量は、例えばナトリウム含有量、カリウム含有量またはこれらの混合物含有量として約80ppmの総量であってもよい。幾つかの実施形態では、該ナトリウム塩は、40ppmのナトリウム含有量を超えず、該カリウム塩が40ppmのカリウム含有量を超えない。
【0013】
最後に、本発明は、本発明に係る中間膜を含む合わせガラスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例に係る合わせガラスを示す模式図である。
【
図2a】中間層膜に流動性不良があるため、層間剥離が生じた合わせガラスを示す模式図である。
【
図2b】中間層膜に良好な流動性があるため、層間剥離を防止できる合わせガラスを示す模式図である。
【
図3】本発明に係るPVB樹脂の調製方法を説明するフローチャートである。
【
図4】本発明に係る中間膜の調製方法を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明に係る合わせガラスの調製方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ実施例を挙げることにより本発明の技術的手段の達成を明らかにする。
【0016】
様々な実施形態は、図面に示す配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【0017】
一実施形態では、本発明に係る中間膜は、
(a)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が175,000~210,000ダルトン(dalton)の範囲内であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂と、
(b)含有量が約30~約50pph(parts per hundred)の範囲である可塑剤と、
を含み、
ここで、2枚のガラス板の間に該中間膜が挟まれて合わせガラスを形成し、該合わせガラスは温度50℃、相対湿度(RH)95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部が該合わせガラスの中央部に対比して、より大きなパンメル接着値(pummel adhesion value)を有する。該合わせガラスの周囲部は、該合わせガラス周辺の外周縁から該合わせガラスの中心に向かって内側に5mmの距離延びて形成される領域であり;該合わせガラスの中央部は、該合わせガラスの中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域である。
【0018】
該中間膜(interlayer film)(または中間層膜/層間膜/互層膜とも呼ばれ;また中間層(interlayer)と略称される)は、一般に少なくとも250μmの流動を有する。本明細書で使用する「流動」という用語は、初期温度から最終温度まで加熱されたときに、該中間膜の表面に厚み方向に負荷圧力を加えることによって生じる変形(厚み減少)を熱機械分析装置で測定したものを指す。該流動とは、直径6mmの中間膜サンプルの厚み方向における減少量を指す。前述の厚み減少量の計算はサンプルを直径2.8mmの拡張プローブを備える熱機械分析装置内に入れかつ負荷圧力を1.0Nにし、45℃時のサンプル厚みから135℃時のサンプルの厚みを引いて得られる。
【0019】
該中間膜の流動は、一般には少なくとも250μmであり、かつ幾つかの実施形態では500μm以上に達することもできる。幾つかの実施形態では、該中間膜の流動は、250μm~450μm、250μm~400μm、250μm~350μm、250μm~300μm、255μm~500μm、255μm~450μm、255μm~400μm、255μm~350μm、255μm~300μm、260μm~500μm、260μm~450μm、260μm~400μm、260μm~350μmまたは260μm~300μmとしてもよい。
【0020】
本発明に係る中間膜に含まれるPVB樹脂は一般に、約175,000~約210,000ダルトンの重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、PVB樹脂の重量平均分子量は、一般に、約175,000~約205,000ダルトン、約175,000~約200,000ダルトン、約180,000~約210,000ダルトン、約180,000~約205,000ダルトンまたは約180,000~約200,000ダルトンである。
【0021】
幾つかの実施形態では、該PVB樹脂が50,000未満の重量平均分子量を有する少なくとも10重量%のPVBも含有する場合には有益である。さらに、幾つかの実施形態では、該PVB樹脂は、50,000未満の重量平均分子量を有する少なくとも11重量%、少なくとも12重量%または少なくとも13重量%のPVBを含有する。例えば該PVB樹脂は、50,000未満の重量平均分子量を有する約10~約25重量%のPVBを含有することができる。幾つかの実施形態では、該PVB樹脂は、50,000未満の重量平均分子量を有する約11~約25重量%、約11~約20重量%、約12~約25重量%、約12~約20重量%、約13~約25重量%または約13~約20重量%のPVBを含有してもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、該PVB樹脂は、約60~約80モル%のブチラール化度を有することには有益である。幾つかの実施形態では、該PVB樹脂のブチラール化度は、約60~約75モル%、約60~約70モル%、約65~約80モル%、約65~約75モル%または約65~約70モル%であり得る。
【0023】
上記のように、本発明に係る中間膜は、1種以上の可塑剤を含むことができる。有用な可塑剤の非限定的な例としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル、有機リン酸、有機亜リン酸およびこれらの混合物が挙げられる。さらに非限定的な具体例としては、ジプロピレングリコールジベンゾアート(dipropylene glycol dibenzoate)、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジベンゾアート(2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol dibenzoate)、トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(triethylene glycol di-(2-ethylhexanoate))、テトラエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(tetraethylene glycol di-(2-ethylhexanoate))、トリエチレングリコールジ(2-エチルブチレート)(triethylene glycol di-(2-ethylbutyrate))、トリエチレングリコールジヘプタノエート(triethylene glycol diheptanoate)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(tetraethylene glycol diheptanoate)、ヘキサン二酸ジヘキシル(dihexyl adipate)、ジオクチルアジパート(dioctyl adipate)、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル(hexyl cyclohexyladipate)、アジピン酸ジイソノニル(diisononyladipate)、アジピン酸ヘプチルノニル(heptylnonyladipate)、セバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate)、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)(triethylene glycol bis(2-ethylhexanoate),3GO)、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(tetraethylene glycol di-2-ethylbutyrate,4GH)、アジピン酸ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル] (bis[2-(2-butoxyethoxy)ethyl] adipate、D600)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
本発明に係る中間膜は、約30~約50pphの可塑剤を含むことができる。幾つかの実施形態では、該可塑剤の総量は、約35~約50pphまたは約35~約45pphである。
【0025】
本発明に係る中間膜は、代替的にナトリウム塩、カリウム塩またはこれらの混合物などの塩類を含んでもよい。該ナトリウム塩の非限定的な例としては、過塩素酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、2-エチル酪酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸ナトリウムおよびこれらの混合物が挙げられる。該カリウム塩の非限定的な例としては、過塩素酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、2-エチル酪酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウムおよびこれらの混合物が挙げられる。該中間膜は、ナトリウム塩のみ、カリウム塩のみを含み、またはこれらを組み合わせたものを含んでもよい。
【0026】
該ナトリウム塩および/または該カリウム塩の総量は、ナトリウム含有量、カリウム含有量またはこれらの混合物含有量の約10~約80ppm(parts per million)の範囲であり得る。幾つかの実施形態では、該ナトリウム塩および/または該カリウム塩の総量は、ナトリウム含有量、カリウム含有量またはこれらの混合物含有量の約15~約80ppm、約20~約80ppm、約30~約80ppm、約40~約80ppm、約45~約80ppm、約10~約75ppm、約20~約75ppm、約30~約75ppm、約40~約75ppmまたは約50~約75ppmの範囲であり得る。
【0027】
該ナトリウム塩の総量は、ナトリウム含有量の約10~約80ppm、約10~約70ppm、約10~約60ppm、約10~約50ppmまたは約10~約40ppmの範囲であり得る。同様に、該カリウム塩総量は、カリウム含有量の約10~約80ppm、約10~約70ppm、約10~約60ppm、約10~約50ppmまたは約10~約40ppmの範囲であり得る。これにより、幾つかの実施形態では、該ナトリウム塩の総量は、ナトリウム含有量の40ppmを超えず、および/または該カリウム塩の総量がカリウム含有量の40ppmを超えない。
【0028】
2枚のガラス板の間に本発明に係る中間膜が挟まれて合わせガラスを形成し、該合わせガラスはパンメル接着値を有し、かつ該合わせガラスが温度50℃、相対湿度(RH)95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部が該合わせガラスの中央部に対比して、より大きなパンメル接着値を有する。該合わせガラスの周囲部は、該合わせガラス周辺の外周縁から該合わせガラスの中心に向かって内側に5mmの距離延びて形成される領域である。該合わせガラスの中央部は、該合わせガラスの中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域である。
【0029】
該中間膜の総面積および厚みは、変更できる。該中間膜の面積は、一般に、該中間膜を使用する合わせガラスの寸法によって決まる。厚みに関して、該中間膜は、約0.3mm~約1.5mmの範囲の厚みを有することができる。幾つかの実施形態では、該中間膜の厚みは、約0.4~約1.5mm、約0.5~約1.5mm、約0.6~約1.5mm、約0.7~約1.5mm、約0.8~約1.5mm、約0.9~約1.5mm、約1~約1.5mm、約0.3~約1.4mm、約0.3~約1.3mm、約0.3~約1.2mm、約0.3~約1.1mm、約0.3~約1mmまたは約0.5~約1mmの範囲とすることができる。
【0030】
本発明に係る中間膜を含む合わせガラスは、温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値は、該合わせガラスの中央部のパンメル接着値に対比してより大きい。例えば前述の該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値と該合わせガラスの中央部のパンメル接着値との差は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4または少なくとも5であってもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部は、少なくとも7のパンメル接着値を有する。同様に、該合わせガラスが温度50、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの周囲部は、少なくとも8または少なくとも9のパンメル接着値を有することができる。さらに、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、合わせガラスの周囲部のパンメル接着力レベル(pummel adhesion level)は、少なくとも7、8または9パンメル単位とすることができ、かつ該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値は、該合わせガラスの中央部のパンメル接着値に対比してより大きく、両者の差が少なくとも1、2、3、4または5である。
【0032】
温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの中央部は、2~8のパンメル接着値を有することができる。幾つかの実施形態では、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの中央部は2~7、3~8、3~7、4~8または4~7の範囲のパンメル接着値を有する。さらに、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスの中央部は2~8、2~7、3~8、3~7、4~8または4~7の範囲のパンメル接着値を有することができ;かつ該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値は、該合わせガラスの中央部のパンメル接着値に対比してより大きく、両者の差が少なくとも1、2、3、4または5である。
【0033】
さらに、一般に、該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値は、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存される前に比べ更に高い。換言すれば、該合わせガラスを温度50℃、相対湿度95%で28日間保存することで、該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値が増加する。前述のパンメル接着値は1、2、3、4または5増加できる。例えば該合わせガラスの周囲部の初期のパンメル接着値は4(すなわち、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存される前、該合わせガラスの周囲部のパンメル接着値が4)であり、該合わせガラスが温度50℃、相対湿度95%で28日間保存された後、前述のパンメル接着値を1、2、3、4または5増加させることができ、該パンメル接着値を5、6、7、8または9に増加させることもできる。同様に、例えば初期が6のパンメル接着値を7、8または9に増加することができ;初期が7のパンメル接着値の場合、8または9に増加することができ;初期が8のパンメル接着値を9に増加することができる。
【0034】
本発明は、合わせガラス板に改善されたパンメル接着値を提供する中間膜に関するだけではなく、該中間膜を含む合わせガラス板にも関する。一般に、合わせガラス板の寸法(面積)は、用途または運用によって変化する。幾つかの用途または運用は、例:大きな窓、壁、建物の外部など、大寸法の合わせガラス板(面積の大きい合わせガラス)が必要である。一方、携帯電話、コンピュータのスクリーン、腕時計などの幾つかの用途または運用は、小寸法の合わせガラスが必要である。
【0035】
厚みに関し、該合わせガラス板は、約2mm~約8mmの厚みを有することができる。換言すれば、2枚のガラスに該2枚のガラス間に挟まれた中間膜を足した厚みは、約2mm~約6mm、約3mm~約6mm、約4mm~約6mm、約2mm~約5mm、約3mm~約5mmまたは約4mm~約5mmであってもよい。該合わせガラス板の個々のガラス板は、同一厚みまたは異なる厚みを有することができる。例えば1枚のガラス板の厚みは、約0.5mm~約3mm、約1mm~約3mmまたは約1mm~約2mmであってもよい。
【0036】
図1は、本発明の一態様に係る合わせガラスの例示的な構造を示す図である。
図1に示すように、合わせガラス100は、3層を含む。第1の層は、ガラス板である下部層102である。第2層は、中間層104であり、中間膜104とも呼ばれる。第3層は、ガラス板でもある上部層106である。下部層102および上部層106は、各々第1の層102および第3の層106とも呼ばれる。該合わせガラス100は、周囲部110と中央部112とを有し、該周囲部110が該合わせガラス100の周辺108の外周縁によって形成されたもので、該中央部112が該合わせガラス100の中央に位置し、寸法50mm×50mmを有する領域である。
【0037】
図2aは、中間層に「流動性不良」がある合わせガラスを示している。例示的な構造の合わせガラス200では、上部層106と中間層104との間に隙間がある。
図2bは、中間層に「良好な流動性」がある合わせガラスを示している。例示的な構造の合わせガラス202では、良好な流動性により上部層106と中間層104との間に隙間がなくなる。増加した流動により該中間層が隙間をより簡単に埋めることができる。この特徴は、水分が下部層102、中間層104および上部層106の間を浸透するのを防ぐことで、該合わせガラスの層間剥離を防ぐ。
【0038】
図3は、本発明の好ましい実施形態におけるPVBの調製方法を示している。ステップS300において、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂を水に溶解させて加熱することで、PVA水溶液を得た。ステップS302において、ステップS300のPVA水溶液を約10℃以下に冷却する。ステップS304において、ステップS302のPVA水溶液に対し塩酸(HCl)を添加して撹拌する。ステップS306において、ステップS304の溶液に対しブチルアルデヒド(n-butyraldehyde)を添加して撹拌し、PVB樹脂を得た。ステップS308において、ステップS306のPVB樹脂を約53℃(すなわち、約44℃~約60℃)に加熱し、この温度で約4時間保持する。ステップS310において、該PVB樹脂を少なくとも35℃まで冷却し、重炭酸ナトリウムで中和する。ステップS312において、該PVB樹脂を分離し、水で洗浄して乾燥させる。
【0039】
図4は、本発明に係る中間膜の調製方法を示している。ステップS400において、可塑剤、PVB樹脂および金属塩を混合する。ステップS402において、該可塑剤、PVB樹脂および金属塩の混合物を混練し、室温まで冷却し、プラスチックブロックを得た。ステップS404において、熱プレス機によりステップS402のプラスチックブロックを熱プレスして中間膜を得た。
【0040】
図5は、本発明に係る合わせガラスの製造方法を示している。ステップS500において、中間膜を一対の透明なフロートガラスの間に挟む。ステップS502において、熱プレス機で合わせガラスサンプルを予備圧着する。ステップS504において、オートクレーブ(auto clave)に入れて熱圧着し、冷却して合わせガラスを得た。
【0041】
[重量平均分子量の測定]
PVB樹脂の重量平均分子量は、以下の手順に従って測定できる。中間膜サンプル(0.08g)を15mLのテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)に溶解させ、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)で分析し、次にポリスチレン標準品(Waters PS STD)面積に対応する比率でその分子量を計算する。次のGPCパラメータを使用する。
装置:Waters 1515 PUMP system
検出器:Waters 2414 RI
溶出条件:1.0mL/min、THF
カラム:Waters Styragel HR5 THF、Waters Styragel HR4 THF、Waters Styragel HR3 THF、Waters Styragel HR1 THF
【0042】
[流動の測定]
流動は、初期温度から最終温度まで加熱されたときに、サンプルの表面に厚み方向に負荷圧力を加えることによって生じる変形(サンプル厚み減少)を熱機械分析装置で測定したものである。乾燥機に保管されている中間膜サンプルを直径6mmのディスクに切断する。該ディスクを2枚の平板の間に配置すると共に熱機械分析装置内に入れる(該熱機械分析装置がTMA Q400 Texas Instrumentで、その拡張プローブ(expansion probe)の直径が2.8mm、加えた力(Force)が1.0Nである)。該ディスクを1分間当たり10℃の加熱速度で25℃から145℃に加熱する。45℃と135℃との間の変形(サンプル厚み減少)を測定し、45℃下での該ディスクの厚みから135℃下での該ディスクの厚みを差し引いて流動を計算した。
【0043】
[パンメル接着値の測定]
中間膜のガラスへの接着力は、合わせガラス産業での品質管理に一般的に使用されるパンメル接着力試験(pummel adhesion test)によって測定される。合わせガラスのサンプル(ガラス/中間膜/ガラス)を作製して、-18°Cの温度に2時間放置して調整し、そして20~25°Cの温度で自動タッピングマシンで3分間打撃する。打たれた合わせガラスのサンプルの中間膜の露出度を評価し、標準見本と比較した。各パンメルレベル(pummel level)に1個の標準見本がある。打たれた試験用サンプルと各パンメルレベルの標準見本を比較して該試験用サンプルのパンメルレベルを決定する。
【0044】
合わせガラスのサンプル(幅150mm×長さ300mm)を用意し、寸法32mm、重量が1lb程度のハンマーを備える自動タッピングマシン(例:台湾GOTECH社製)で打撃する。該サンプルは、9mmの水平間隔および10mmの垂直間隔で打撃され、打撃力を94lb-cm/secとした。その後、下記表1に示すように露出度を確認し、10段階評価尺度に従って分類した。
【0045】
【0046】
[層間剥離の測定]
合わせガラスのサンプル(幅150mm×長さ300mm)を用意し、温度50℃、相対湿度95%で28日保存する。室温下で合わせガラスのサンプル縁端の層間剥離を肉眼で判定した。20枚の合わせガラスのサンプルの膨れおよび/または層間剥離状況を目視検査し、グレード分けを次の表2に示す。
【0047】
【0048】
[長期高温高湿試験]
合わせガラスの接着性に対する長期高温高湿の影響を確認するため、合わせガラスを製造し、直ちに温度50℃、相対湿度95%で28日保存される。温度50℃、相対湿度95%で28日保存された後、上記方法で合わせガラスに対しパンメル接着力の試験を行った。
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例1】
【0050】
(ポリビニルブチラール樹脂の調製)
重合度が1,700~約1,800のポリビニルアルコール(PVA)100gを水807gに溶解し、95℃に加熱してPVA水溶液を得た。該PVA水溶液を10℃に冷却し、塩酸64gを加えた。10分間混合した後、ブチルアルデヒド54gを加え、混合物を15分間撹拌してポリビニルブチラール(PVB)を形成した。PVBを含有する該混合物を53℃に加熱し、この温度に約4時間保持する。約4時間経った後、該混合物を35℃に冷却し、重炭酸ナトリウムで中和した。該PVBを分離、洗浄並びに乾燥した。
【実施例2】
【0051】
(中間膜の調製)
36~42重量部(parts by weight)の可塑剤(トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)),3GO)、約100重量部のPVB樹脂(実施例1)および金属塩を混合(最終的に中間膜には10~200ppmのナトリウムイオンまたはカリウムイオンが含まれる)して混合物を調製する。該混合物をミキサー(ドイツのブラベンダー製ミキサー50 EHT)を用い、35rpmで120℃、15分間混練し、周囲温度まで冷却してプラスチックブロックを得た。熱プレス機(台湾GOTECH社製GT-7014-A)を用い、150℃で該プラスチックブロックを3分間熱プレスして厚み0.76mmのフィルムを得た。
【実施例3】
【0052】
(合わせガラスの製造)
実施例2の厚み0.76mmのフィルムを一対のフロートガラス板の間に挟むことで、合わせガラスサンプルを得た。使用したガラス板は、クリーンフロートガラス(clean float glass)(厚み2mm、台湾台玻グループ製)であり、あるいはSYPフランスF-緑色着色ガラス(F Green Tinted Glass、厚み2mm、上海耀皮玻璃集團股▲分▼有限公司製)を使用した。各ガラス板の幅が150mm、長さが300mmとする。熱プレス機(台湾GOTECH社製GT-7014-A)を用い、150℃で該合わせガラスサンプルを3分間予備圧着した。予備圧着ステップの後に、該合わせガラスサンプルを135℃のオートクレーブで13barの圧力で120分間熱圧着し、次いで周囲温度まで冷却してラミネート手順を完了することで、合わせガラスのサンプル1~8および比較サンプルC-1、C-2およびC-3を得た。その結果を表3に示す。
【0053】
【0054】
層間剥離試験の結果は、サンプル2、3および6が膨れたり層間剥離したりせず、サンプル1、4、5、7および8に層間剥離がないが膨れがあったことを示した。比較サンプルC-1、C-2およびC-3の層間剥離試験において、合わせガラスには膨れ、層間剥離の現象が現れた。
【0055】
さらに、合わせガラスのサンプル1~8の周囲部の温度50℃、相対湿度95%で28日保存した後のパンメル接着値は、温度50℃、相対湿度95%で28日保存する前に対比してより大きくなる。換言すれば、合わせガラスのサンプル1~8を温度50℃、相対湿度95%で28日保存すると、その周囲部のパンメル接着値が増加する。ただし、比較サンプル(すなわち、C-1、C-2およびC-3)において、このような結果は観察されなかった。結果から、合わせガラスのサンプル1~8のパンメル接着値は、2~5増加し、特に合わせガラスのサンプル3においてそのパンメル接着値(周囲部)が初期値4から9に増加したことが分かる。
【0056】
上述のように、本発明は、中間膜およびそれを含む合わせガラスを提供し、該中間膜が改善された接着性を持つことにより、該中間膜を含む合わせガラスの品質および耐久性が改善され、例えば、合わせガラス層間剥離を防止する。また、本発明に係る中間膜は、合わせガラスに長時間経過後でも優れた高湿高温耐性を持たせることができる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「含む」、「有する」および「含んでいる」という用語は、非排他的な包含を網羅するものとすること。
【0058】
本明細書で使用される場合、「一」および「該/前記」という用語は、複数形の指示対象および単数形の指示対象を含む。使用される「少なくとも1個」は、1個以上を意味するため、個々の成分および混合物/組み合わせを含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「直接(directly)」という用語は、「直接接する(directly on)」および「に直接(directly to)」というフレーズとして「~に(to)」または「~に接する(on)」と連用できる。特に、構成要素または層、および構成要素または層の相互関連時に連用してから成るフレーズにとって役に立つ。前述の用語(すなわち、「直接」修飾語のフレーズ)は、構成要素または層が互に物理的に接触し、すなわち、構成要素または層が別の構成要素または層の上「に直接ある」あるいは構成要素または層「へ直接」加えることで、間に仲介する要素もしくは層が存在しない。例えば、層Aは層Bの上に直接ある場合、層Aと層Bが互に物理的に接触し、かつ層Aと層Bとの間に中間層(例えば層C)が存在しない。
【0060】
本明細書に開示されているすべての範囲および数値は、包括的かつ組み合わせ可能である。例えば、本明細書に記載された範囲内にある任意の数値または点は、サブ範囲を導出する最小値または最大値として使用できる。
【0061】
本明細書で引用されるすべての刊行物および特許出願は、参照として本明細書に組み込まれ、かつそして、あらゆる個々の出版物または特許出願が明示的かつ個別に示されているかのように、あらゆる目的のために、引用方式により本明細書に組み込まれる。本明細書と引用により本明細書に組み込まれる出版物と特許出願との間に矛盾がある場合、本明細書を基準とする。
【0062】
特に他に定義がない限り、本明細書で使用される科学的用語及び技術的用語は、当該技術分野において通常の知識を有する者によって理解されるものと同一の意味を有する。また、文脈が明らかに別のことを示さない限り、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語が単数を含む。
【0063】
本発明は、本明細書に記載される特定の方法、技術的手段および試薬に限定されず、したがって修正されてもよいことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を描写するためのものであり、本発明の範囲は限定されることを意図するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0064】
100 合わせガラス
102 ガラス板
104 中間膜
106 ガラス板
108 周辺
110 周囲部
112 中央部
200 合わせガラス
202 合わせガラス