(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】自動車用ブレーキパッド成形装置
(51)【国際特許分類】
F16D 65/00 20060101AFI20220309BHJP
F16D 69/00 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
F16D65/00 E
F16D69/00 Z
(21)【出願番号】P 2020186377
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0118066
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 相信ENG株式会社が、東▲日/立▼及び金東旭が発明した自動車用ブレーキパッド成形装置の技術を示した資料を添付した次のメールを中国の取引先に送信した。 ・送信日:2020年3月14日、2020年4月24日、2020年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】508026799
【氏名又は名称】相信ブレーキ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511048432
【氏名又は名称】相信ENG株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】金 東▲日/立▼
(72)【発明者】
【氏名】金 東旭
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1784782(KR,B1)
【文献】特開2008-275162(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0059386(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0021171(KR,A)
【文献】特許第6842294(JP,B2)
【文献】特許第4254405(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/00
F16D 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフトユニット、供給ホッパーユニット、ミキシングホッパーユニット、計量ユニット及び移送ユニットからなり、外部から供給された上層材を計量する上層材計量器と、
リフトユニット、供給ホッパーユニット、ミキシングホッパーユニット、計量ユニット及び移送ユニットからなり、外部から供給された下層材を計量する下層材計量器と、
上層材計量器と下層材計量器との間に
複数設けられ、
それらの一つが選択的に用いられる成形機と、
前記成形機の上部で上層材計量器と下層材計量器を連結するように連結され、上層材計量器によって計量された上層材と下層材計量器によって計量された下層材を成形機の成形型に供給してならし作業するガントリーローダーと、
成形機の前方に設けられ、成形機の成形型に供給された上層材の押し固め、バックプレートの供給、成形されたブレーキパッドの排出、成形型の掃除、及び掃除された成形型に離型剤を塗布してコートする作業を担当するガントリーロボットと、を含む、自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項2】
前記上層材計量器及び前記下層材計量器のそれぞれは、
リフトを有するリフトユニットと、
前記リフトユニットの前方フレームに固定される供給ホッパーユニットと、
前記供給ホッパーユニットの下に連結されるミキシングホッパーユニットと、
前記ミキシングホッパーユニットの下に連結される計量ユニットと、
前記計量ユニットの下に連結される移送ユニットと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項3】
前記リフトユニットは、
上下に回転軸を有する垂直フレームと、
前記垂直フレームの上下回転軸のスプロケットの間に連結されるチェーンベルトと、
前記チェーンベルトの両側に連結され、案内部に沿って昇降し、底面が複数の案内棒からなるリフトと、
垂直フレームの上部回転軸に連結されてチェーンベルトに回転力を付与するモーターと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項4】
前記供給ホッパーユニットは、
後方に出入口が形成され、フレームに固定される筒体と、
前記筒体の出入口の下部外側に連結され、リフトユニットのリフトの案内棒を延ばす案内棒と、
筒体の内部に設けられる回転枠と、
前記回転枠の軸棒のピニオンギアとラックギアが噛み合って回転枠を回転させる作動シリンダーと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項5】
前記ミキシングホッパーユニットは、
上部が開放し、下部一側に排出口を有する筒体と、
前記筒体の内側に設けられ、筒体の側面のモーターと連結されるミキシングブレードと、
筒体の内側下部に設けられる移送スクリューと、
ミキシングブレードと移送スクリューの軸棒のスプロケットとの間に連結され、ミキシングブレードの回転力を移送スクリューに伝達するチェーンベルトと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項6】
前記計量ユニットは、
振動速度が互いに異なる2段の振動フィーダーと、
外側振動フィーダーの排出口の下に連結され、開閉板及びロードセルを有する計量コップと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項7】
前記移送ユニットは、
前後に長い案内部と、
前記案内部に沿ってモーターと連結されたタイミングベルト及びLMガイドとともに移動する移動体と、
前記移動体に左右に長く連結される補助案内部と、
前記補助案内部の両側に設けられ、それぞれ補助案内部に沿って水平シリンダーによってLMガイドとともに左右に移動するように連結される補助移動体と、
前記補助移動体に連結され、モーターによって回転するコップと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項8】
前記成形機は、
フレームの内側でメインシリンダーによって昇降作動し、前方に長く延設される昇降枠と、
前記昇降枠上に、昇降枠の案内部に沿って前後に作動するように連結される支持枠と、
昇降枠と支持枠との間に連結され、昇降枠に対して支持枠を作動させる水平シリンダーと、
中金型及び下金型からなり、前記支持枠上に交替可能に連結される成形型と、
昇降枠と成形型との間に連結され、中金型から下金型を作動させる脱型シリンダーと、
フレームの上部に成形型と上下に向き合うように固定される上金型と、を含み、
前記水平シリンダーはピン孔及び固定ピンを用いて昇降枠に分離可能に連結され、昇降枠の後方両側には結合孔を用いて案内部を延ばす補助案内部が分離可能に結合され、必要時に成形型が後方に突出することができるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項9】
前記ガントリーローダーは、
左右に長い水平案内部と、
前記水平案内部の一側に水平案内部に沿って移動するように連結される上層材供給兼用ならし器と、
水平案内部の他側に水平案内部に沿って移動するように連結される下層材供給兼用ならし器と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項10】
前記ガントリーローダーの上層材供給兼用ならし器と下層材供給兼用ならし器のそれぞれは、
水平案内部にLMガイドを介して連結され、モーターのピニオンギアが水平案内部のラックギアと噛み合って水平案内部に沿って移動する水平移動体と、
前記水平移動体にLMガイドを介して連結され、前記LMガイドと並んで形成されたラックギアが水平移動体のモーターのピニオンギアと噛み合って水平移動体から昇降する垂直案内部と、
前記垂直案内部に固定され、内側下部にモーターと連結された排出ローラーを有するコップと、
垂直案内部に垂直シリンダーによって上下に作動するように連結され、モーターによって回転するならし棒を有するならし器と、を含むことを特徴とする、請求項9に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項11】
前記ガントリーロボットは、
左右に長い案内部と、
前記案内部にLMガイドを介して連結され、モーターのピニオンギアが案内部のラックギアと噛み合って案内部に沿って左右に移動する移動体と、
前記移動体に設けられ、制御器によって制御されるロボット本体と、
前記ロボット本体のアーム端部に結合されるグリッパーと、
移動体の装着部に装着され、ロボット本体のグリッパーによって把持されて成形機の成形型に供給された上層材を押し固める押固器と、
案内部の前方に固定されたフレームに設けられ、バックプレートを多段に積載するバックプレート積載器と、
移動体に設けられ、バックプレート積載器に積載されたバックプレートを引出高に上昇させるバックプレート上昇器と、
移動体に設けられ、バックプレート積載器からブレーキパッドを引き出すトランスファーと、
移動体に設けられ、トランスファーからブレーキパッドを受けて整列するバックプレートセンタリング器と、
移動体に設けられ、成形機から脱型されたブレーキパッドを排出する1次排出コンベヤーと、
バックプレート積載器とともにフレームに設けられて1次排出コンベヤーを延ばす2次排出コンベヤーと、
移動体に設けられ、成形機によって成形されたブレーキパッドの脱型の後、成形型を掃除し、掃除された成形型に離型剤を塗布してコートするブラシ兼用離型剤噴射器と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項12】
前記ロボット本体のアーム端部に結合されるグリッパーは、
連結板と、
前記連結板に連結されるエアチャックと、
連結板にエアチャックとの干渉を避けるように連結される複数の電磁石と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項13】
前記ガントリーロボットの押固器は、
グリッパーの把持のための把持部と、
前記把持部に連結される支持部と、
前記支持部の下部両側に連結されるパンチング部と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項14】
前記ガントリーロボットのバックプレート積載器は、
フレーム上に前後に伸びるように並んで形成される一対の案内棒と、
前記案内棒に嵌合される移動体と、
前記移動体に突設される積載棒と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項15】
前記ガントリーロボットのバックプレート上昇器は、
移動体に固定される垂直案内部と、
前記垂直案内部の内側に設けられるボールスクリューと、
前記ボールスクリューに連結され、一部が垂直案内部の外側に突出するフォークと、
垂直案内部の付近に固定され、垂直案内部の内側のボールスクリューと連結されるモーターと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項16】
前記ガントリーロボットのトランスファーは、
フレームと、
前記フレームのモーターと連結されたボールスクリュー及びLMガイドに沿って移動する移動体と、
前記移動体に連結される電磁石と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項17】
前記ガントリーロボットのバックプレートセンタリング器は、
移動体に固定される固定枠と、
前記固定枠上に左右に長く固定され、複数の支持部が並んで形成される支持枠と、
複数の押圧部を介して支持枠の各支持部と向き合うように設けられ、固定枠の作動シリンダーによって作動して支持枠との間に供給されたバックプレートを左右に整列する押圧枠と、
支持枠の前後に設けられ、固定枠との間の作動シリンダーによって作動して、支持枠と押圧枠との間に供給されたバックプレートを前後に整列する押圧部と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項18】
前記ガントリーロボットの1次排出コンベヤーは、
移動体に固定される支持枠と、
前記支持枠上に設けられるコンベヤーベルトと、
前記コンベヤーベルトと連結されるモーターと、を含み、
2次排出コンベヤーは、
フレームに固定される支持枠と、
前記支持枠上に前方に行くほど下方に傾くように設けられる案内ローラーと、
前記案内ローラーの下側に形成される収集板と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【請求項19】
前記ガントリーロボットのブラシ兼用離型剤噴射器は、
グリッパーの把持のための把持部と、
前記把持部の下部に連結される支持部と、
前記支持部から下方に突出するように設けられ、モーターによって回転するブラシと、
離型剤を保存する容器及び噴射ノズルからなり、噴射ノズルが下方に向かうように支持部に固定される離型剤噴射器と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動車用ブレーキパッド成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用ブレーキパッド成形装置に関するもので、より詳しくは補修市場用に供給するための多品種少量生産に対応するようにした自動車用ブレーキパッド成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用ブレーキパッドは、車種別にサイズ及び形態と摩擦材の物性などが異なるので、車種に応じて別に生産して装着している。
【0003】
また、ブレーキパッドの生産の際、完成車生産業界では車種別に大量生産が要求されるが、補修市場では車種別に少量生産が要求される。
【0004】
特に、自動車用ブレーキパッドの生産の際には、適用車種に応じて成形機から成形型を交替しなければならなく、また上層材、下層材及びバックプレートの供給からブレーキパッドを押圧成形して排出するまで複雑でややこしい作業工程が要求されるので、このような要求条件に応じて、完成車生産業界のための単品種大量生産用ブレーキパッド成形装置と、補修市場のための多品種少量生産用ブレーキパッド成形装置とを区分製作して運用している。
【0005】
すなわち、完成車生産業界のための単品種大量生産用ブレーキパッド成形装置の場合、韓国登録特許第10-1784782号の‘摩擦材仮成形手段を含む自動車用ブレーキパッド成形装置’及び韓国登録特許第10-1784782号の‘バックプレート予熱手段を有する自動車ブレーキパッド仮成形装置’などのいろいろな成形型を有するターンテーブルによって成形作業を連続的で反復的に行うように構成され、また補修市場のための多品種少量生産用ブレーキパッド成形装置の場合、韓国公開特許第10-2008-0097002号の‘自動車ディスクブレーキ用パッド成形装置’及び韓国公開特許第10-2019-0059386号の‘自動車用ブレーキパッド成形装置’などの中金型と下金型からなる成形型を昇降枠に交替可能に連結し、メインシリンダーによる昇降作動の際、成形型と向き合う上金型によって押圧成形するように構成される。
【0006】
したがって、完成車生産業界のための単品種大量生産用ブレーキパッド成形装置の場合、成形型の交替周期が長く、かつ自動化が可能であるので、生産性向上を期待することができるが、補修市場のための多品種少量生産用ブレーキパッド成形装置の場合、成形型の交替周期が非常に短いのみならず交替作業が難しくてややこしいため、著しい生産性低下をもたらし、特に成形作業の際、フレームの内部に位置する成形型に上層材、下層材及びバックプレートを供給し、かつ成形後にブレーキパッドを引き出すことの難しさのため自動化ができないから、著しい生産性の低下をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2008-0097002号公報
【文献】韓国公開特許第10-2019-0059386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、補修市場用に供給するための多品種少量生産に対応するとともに、成形型が異なる多数の成形機から選択されたいずれか一成形機を用いる成形作業中に残りの成形機の成形型の交替作業を行うことができ、またブレーキパッドの成形時に要求されるほぼ全ての作業を自動化することができる自動車用ブレーキパッド成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的達成のための本発明による自動車用ブレーキパッド成形装置は、上層材計量器と下層材計量器との間に、それぞれ成形型が水平シリンダーによって昇降枠に沿って前方に出沒する多数の成形機を設け、成形機の上側には上層材計量器と下層材計量器を連結するガントリーローダーを設け、成形機の前方には、案内部、移動体、ロボット本体、グリッパー、押固器、バックプレート積載器、バックプレート上昇器、トランスファー、バックプレートセンタリング器、1次排出コンベヤー、2次排出コンベヤー及びブラシ兼用離型剤噴射器からなるガントリーロボットを設けることにより、ブレーキパッドの成形のためのほぼ全ての作業を自動化し、さらに選択された成形機を用いる成形作業の間、残りの成形機は、昇降枠の後方両側の結合孔に補助案内部を結合固定し、昇降枠に水平シリンダーを連結固定する固定ピンを分離した状態で成形型を後方に突出させて他の成形型に簡単に交替することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は補修市場のための多品種少量生産に対応するとともに、ブレーキパッドの成形時に要求されるほぼ全ての作業を自動化して著しい生産性の向上を期待することができ、成形型が互いに異なる多数の成形機の選択的な利用及び成形型の交替によってもっと多様な製品を生産することができ、選択された成形機を用いる成形作業中に残りの成形機の成形型の交替作業を行うことができるので、もっと著しい生産性の向上を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】本発明による上層材計量器の背面斜視図である。
【
図5】本発明による上層材計量器のリフトユニットの斜視図である。
【
図6】本発明による上層材計量器のリフトユニットの背面斜視図である。
【
図7】本発明による上層材計量器の供給ホッパーユニットの斜視図である。
【
図8】本発明による上層材計量器の供給ホッパーユニットの背面斜視図である。
【
図9】本発明による上層材計量器のミキシングホッパーユニットの斜視図である。
【
図10】本発明による上層材計量器のミキシングホッパーユニットの底面斜視図である。
【
図11】本発明による上層材計量器の計量ユニットの斜視図である。
【
図12】本発明による上層材計量器の計量ユニットの底面斜視図である。
【
図13】本発明による上層材計量器の移送ユニットの斜視図である。
【
図14】本発明による上層材計量器の移送ユニットの背面斜視図である。
【
図16】本発明によるいずれか一成形機の斜視図である。
【
図17】本発明によるいずれか一成形機の要部背面斜視図である。
【
図18】本発明によるいずれか一成形機の要部背面分解斜視図である。
【
図19】本発明によるガントリーローダーの斜視図である。
【
図20】本発明によるガントリーローダーの要部斜視図である。
【
図21】本発明によるガントリーローダーの要部背面斜視図である。
【
図22】本発明によるガントリーローダーのコップの一部を破断した斜視図である。
【
図23】本発明によるガントリーローダーのならし部の斜視図である。
【
図24】本発明によるガントリーロボットの斜視図である。
【
図25】本発明によるガントリーロボットの要部斜視図である。
【
図26】本発明によるガントリーロボットの背面斜視図である。
【
図27】本発明によるガントリーロボットの要部背面斜視図である。
【
図28】本発明によるガントリーロボットのロボット本体の斜視図である。
【
図29】本発明によるガントリーロボットのグリッパーの斜視図である。
【
図30】本発明によるガントリーロボットのグリッパーの底面斜視図である。
【
図31】本発明によるガントリーロボットのいずれか一押固器の斜視図である。
【
図32】本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器と2次排出コンベヤーの斜視図である。
【
図33】本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器と2次排出コンベヤーを他の方向から見た斜視図である。
【
図34】本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器と2次排出コンベヤーを他の方向から見た要部斜視図である。
【
図35】本発明によるガントリーロボットのトランスファーの斜視図である。
【
図36】本発明によるガントリーロボットのトランスファーを他の方向から見た斜視図である。
【
図37】本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の斜視図である。
【
図38】本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の作動前の斜視図である。
【
図39】本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の作動中の斜視図である。
【
図40】本発明によるガントリーロボットの1次排出コンベヤーの斜視図である。
【
図41】本発明によるガントリーロボットのブラシ兼用離型剤噴射器の斜視図である。
【
図42】本発明によるガントリーロボットのブラシ兼用離型剤噴射器の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただ、図面において同じ構成要素はできるだけ同じ符号で示し、関連した公知の技術や機能についての具体的な説明は本発明の要旨があいまいになることを避けるために省略する。
【0013】
図1は本発明の斜視図、
図2は本発明の背面斜視図である。本発明による自動車用ブレーキパッド成形装置100は、上層材を計量する一対の上層材計量器200と、下層材を計量する一対の下層材計量器300と、上層材計量器200と下層材計量器300との間に並んで設けられ、選択的に用いられる多数の成形機400と、多数の成形機400の上側に上層材計量器200と下層材計量器300を連結するように設けられ、上層材計量器200によって計量された上層材と下層材計量器300によって計量された下層材を成形機400に供給するガントリーローダー500と、多数の成形機400の前方に設けられ、成形機400に供給された上層材の押し固め、バックプレートの供給、成形後に脱型されたブレーキパッドの排出、脱型後の成形型の掃除、及び離型剤塗布などを担当するガントリーロボット600とを含んでなる。
【0014】
図3は本発明による上層材計量器の斜視図、
図4は本発明による上層材計量器の背面斜視図である。上層材を計量する一対の上層材計量器200は、左右にリフトを有するリフトユニット210と、前記リフトユニット210の前方のフレームの上部両側に固定される供給ホッパーユニット220と、前記供給ホッパーユニット220の下に連結されるミキシングホッパーユニット230と、前記ミキシングホッパーユニット230の下に連結される計量ユニット240と、前記計量ユニット240の間に連結される移送ユニット250とを含んでなり、外部から供給された上層材を計量してガントリーローダー500に供給するように構成される。
【0015】
図5は本発明による上層材計量器のリフトユニットの斜視図、
図6は本発明による上層材計量器のリフトユニットの背面斜視図である。上層材計量器200のリフトユニット210は、垂直フレーム211と、前記垂直フレーム211の上下回転軸212のスプロケットの間に連結されるチェーンベルトと、前記チェーンベルトの両側に連結され、案内部に沿って昇降し、また底面が複数の案内棒213からなるリフト214と、垂直フレーム211の上部回転軸212に連結され、チェーンベルトに回転力を付与するモーター215とを含んでなり、前記モーター215の正逆回転によるリフト214の昇降作動によって上層材を収容した上層材供給筒を上昇させて供給ホッパーユニット220内に進入させるように構成される。
【0016】
図7は本発明による上層材計量器の供給ホッパーユニットの斜視図、
図8は本発明による上層材計量器の供給ホッパーユニットの背面斜視図である。リフトユニット210の前方のフレームの上部両側に固定される供給ホッパーユニット220のそれぞれは、後方に出入口が形成され、フレーム221の上部両側に固定される筒体222と、前記筒体222の出入口の下部外側に連結され、リフトユニット210のリフト214の案内棒213を延ばす案内棒223と、筒体222の内部に設けられる回転枠224と、前記回転枠224の軸棒のピニオンギア225とラックギア226が噛み合って回転枠224を回転させる作動シリンダー227とを含んでなり、リフトユニット210によって上昇した上層材供給筒を筒体222の内部に進入させて回転枠224によって回転させれば、上層材供給筒内の上層材がその下のミキシングホッパーユニット230に落下するように構成される。
【0017】
図9は本発明による上層材計量器のミキシングホッパーユニットの斜視図、
図10は本発明による上層材計量器のミキシングホッパーユニットの底面斜視図である。供給ホッパーユニット220の下に連結されるミキシングホッパーユニット230のそれぞれは、上部が開放し、下部一側に排出口を有する筒体232と、前記筒体232の内側中央部に設けられ、筒体232の側面のモーター234と連結されるミキシングブレード236と、筒体232の内側下部に設けられる移送スクリュー238と、ミキシングブレード236と移送スクリュー238を連結するチェーンベルトとを含んでなり、ミキシングブレード236と移送スクリュー238がモーター234によって一緒に回転しながら、供給ホッパーユニット220から供給された上層材をミキシングしてその下側の計量ユニット240に供給するように構成される。
【0018】
図11は本発明による上層材計量器の計量ユニットの斜視図、
図12は本発明による上層材計量器の計量ユニットの底面斜視図である。ミキシングホッパーユニット230の下に連結される計量ユニット240は、振動速度が互いに異なる2段の振動フィーダー242、244と、外側振動フィーダー244の排出路の下に連結され、開閉板及びロードセルを有する計量コップ246とを含んでなり、ミキシングホッパーユニット230から供給された上層材を計量してその下側の移送ユニット250に供給するように構成される。
【0019】
図13は本発明による上層材計量器の移送ユニットの斜視図、
図14は本発明による上層材計量器の移送ユニットの背面斜視図である。左右計量ユニット240の間に連結される移送ユニット250は、前後に長い案内部251と、前記案内部251に沿ってモーター252に連結されたタイミングベルト及びLMガイドとともに作動する移動体253と、前記移動体253に左右に長く連結される補助案内部254と、前記補助案内部254の両側にそれぞれ補助案内部254に沿って水平シリンダー255によってLMガイド256とともに作動するように連結される補助移動体257と、前記補助移動体257にそれぞれいずれか一成形機400の成形室と同数がモーター258によって回転するように連結されるコップ259とを含んでなり、計量ユニット240によって計量された上層材を受けてガントリーローダー500に供給するように構成される。
【0020】
そして、下層材を計量する一対の下層材計量器300は、上層材計量器200と同様に、左右側にリフトを有するリフトユニットと、前記リフトユニットの前方フレームの上部両側に固定される供給ホッパーユニットと、前記供給ホッパーユニットの下に連結されるミキシングホッパーユニットと、前記ミキシングホッパーユニットの下に連結される計量ユニットと、前記計量ユニットの間に連結される移送ユニットとを含んでなり、外部から供給された下層材を計量してガントリーローダー500に供給するように構成されるものであり、それ以上の詳細な説明は省略する。
【0021】
ただ、本発明で、上層材計量器200と下層材計量器300をそれぞれ一対で構成した理由は、作業の連続性や異種材料の円滑な交互供給などのためのものであるだけ、必ずしも一対で構成しなければならないものではない。
【0022】
図15は本発明による成形機の斜視図、
図16は本発明によるいずれか一成形機の斜視図である。上層材計量器200と下層材計量器300との間に設けられる多数の成形機400のそれぞれは、フレーム402の内側でメインシリンダーによって昇降作動し、前方に長く延設される昇降枠404と、前記昇降枠404上に昇降枠404の案内部406に沿って前後に作動するように連結される支持枠408と、昇降枠404と支持枠408との間に連結され、昇降枠404から支持枠408を前方に突出させる水平シリンダー410と、1個以上の成形室を有する中金型及び下金型からなり、前記支持枠408上に交替可能に連結され、成形機400別に成形室の形態が異なる成形型412と、昇降枠404と成形型412の下金型との間に連結される脱型シリンダー414と、フレーム402の上部に成形型412と上下に向き合うように固定される上金型416とを含んでなる。
【0023】
図17は本発明によるいずれか一成形機の要部背面斜視図、
図18は本発明によるいずれか一成形機の要部背面分解斜視図である。昇降枠404と支持枠408との間に連結される水平シリンダー410は、昇降枠404との間にあるピン孔418、420と固定ピン422を介して昇降枠404に分離可能に連結し、昇降枠404の後方両側に形成される結合孔424には案内部406を延ばす一対の補助案内部426を分離可能に結合し、成形型412の交替が必要なとき、昇降枠404の後方に一対の補助案内部426を結合し、固定ピン422を分離した状態で成形型412を支持枠408とともに補助案内部426に沿ってフレーム402の後方に突出させることにより、他の成形型412に交替することができるように構成される。
【0024】
図19は本発明によるガントリーローダーの斜視図である。多数の成形機400の上部で上層材計量器200と下層材計量器300を連結するように設けられるガントリーローダー500は、左右に長い水平案内部502に上層材供給兼用ならし器504と下層材供給兼用ならし器506を左右に作動するように連結し、上層材供給兼用ならし器504が上層材計量器200から上層材を受けて成形機400の成形型412に供給してからならし作業するようにし、下層材供給兼用ならし器506が下層材計量器300から下層材を受けて成形機400の成形型412に供給してからならし作業するように構成される。
【0025】
図20は本発明によるガントリーローダーの要部斜視図、
図21は本発明によるガントリーローダーの要部背面斜視図、
図22は本発明によるガントリーローダーのコップの一部を破断した斜視図、
図23は本発明によるガントリーローダーのならし部の斜視図である。ガントリーローダー500の上層材供給兼用ならし器504と下層材供給兼用ならし器506のそれぞれは、水平案内部502にLMガイドによって連結され、モーター508のピニオンギアが水平案内部502のラックギアと噛み合って水平案内部502に沿って移動する水平移動体510と、前記水平移動体510にLMガイドによって連結され、前記LMガイドに並んで形成されたラックギアが水平移動体510のモーター512のピニオンギアと噛み合って水平移動体510に対して昇降する垂直案内部514と、前記垂直案内部514の内側下部に固定され、内側下部にモーター516と連結されたギア型排出ローラー518を有する複数のコップ520と、垂直案内部514の外側下部に垂直シリンダー522によって上下に作動するように連結され、それぞれモーター524によって回転するならし棒526を有する複数のならし器528とを含んでなる。
【0026】
ここで、上層材供給兼用ならし器504と下層材供給兼用ならし器506のコップ520及びならし器528のそれぞれは、できるだけいずれか一成形機400の成形型412の成形室と同数で提供して、選択された成形機400に対する上層材の供給及び下層材の供給と供給された上層材及び下層材に対するならし作業を同時多発的に行うようにすることが好ましい。
【0027】
図24は本発明によるガントリーロボットの斜視図、
図25は本発明によるガントリーロボットの要部斜視図、
図26は本発明によるガントリーロボットの背面斜視図、
図27は本発明によるガントリーロボットの要部背面斜視図である。多数の成形機400の前方に設けられるガントリーロボット600は、左右に長い案内部602と、前記案内部602にLMガイドによって連結され、モーター604と連結されたピニオンギアが案内部602にLMガイドと並んで形成されるラックギアと噛み合って案内部602に沿って左右に移動する移動体610と、前記移動体610に設けられ、制御器によって制御されるロボット本体612と、前記ロボット本体612のアーム端部に結合されるグリッパー614と、移動体610の装着部に成形機400と同数が装着される複数の押固器616と、案内部602の前方に左右に長く固定されたフレーム618に成形機400と同数が設けられるバックプレート積載器620と、移動体610に設けられ、バックプレート積載器620に積載されたバックプレートを引出高に上昇させるバックプレート上昇器622と、移動体610に設けられ、バックプレート積載器620に積載されたバックプレートを引き出すトランスファー624と、移動体610のトランスファー624の付近に設けられ、トランスファー624から複数のブレーキパッドを受けて整列するバックプレートセンタリング器626と、移動体610に設けられ、成形機400によって成形されたブレーキパッドを排出する1次排出コンベヤー628と、バックプレート積載器620が設けられるフレーム618に成形機400と同数が並んで設けられる2次排出コンベヤー630と、移動体610の支持部に装着されるブラシ兼用離型剤噴射器632とを含んでなり、成形機400の成形型412に供給された上層材の押し固め、バックプレートの供給、成形されたブレーキパッドの排出、成形型412の掃除、及び離型剤のコーティング作業を担当するように構成される。
【0028】
図28は本発明によるガントリーロボットのロボット本体の斜視図である。移動体610に設けられ、制御器によって制御されるロボット本体612は、移動体610に固定されるベースと、前記ベースに連結される旋回フレームと、前記旋回フレームに連結される下部アームと、前記下部アームに連結される上部アームとからなり、制御器によって制御されるように構成される一般的なものであるので、それ以上の詳細な説明は省略する。
【0029】
図29は本発明によるガントリーロボットのグリッパーの斜視図、
図30は本発明によるガントリーロボットのグリッパーの底面斜視図である。ロボット本体612のアーム端部に結合されるグリッパー614は、連結板634と、前記連結板634の底面中央部に連結されるエアチャック636と、連結板634の底面にエアチャック636を避けてそれぞれ垂直シリンダーによって上下に作動するように連結される複数の電磁石638とを含んでなり、エアチャック636は押固器616やブラシ兼用離型剤噴射器632を把持して作業するように構成され、電磁石638はバックプレートや成形されたブレーキパッドを吸着して所望の地点に移送するように構成される。
【0030】
図31は本発明によるガントリーロボットのいずれか一押固器の斜視図である。移動体610の装着部に成形機400と同数が装着される押固器616のそれぞれは、グリッパー614のエアチャック636が把持するための把持部640と、前記把持部640に連結される支持部642と、前記支持部642の下部両側に連結され、指定された成形機400の成形型412の成形室に少しの余裕を持って進入することができる形態を有する一対のパンチング部644とを含んでなり、成形機400別に専用に使うように構成される。
【0031】
図32は本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器及び2次排出コンベヤーの斜視図、
図33は本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器及び2次排出コンベヤーを他の方向から見た斜視図、
図34は本発明によるガントリーロボットのバックプレート積載器及び2次排出コンベヤーを他の方向から見た要部斜視図である。案内部602の前方に左右に長く固定されたフレーム618に成形機400と同数が設けられるバックプレート積載器620のそれぞれは、フレーム618上に前後に並んで形成された一対の案内棒646と、前記案内棒646に嵌合された移動体648と、前記移動体648に上方に突設され、多数のバックプレートが積載される一対の積載棒650とからなり、成形機400別に専用バックプレート積載器620によってバックプレートが供給されるように構成される。
【0032】
また、移動体610に設けられ、バックプレート積載器620に積載されたバックプレートを引出高に上昇させるバックプレート上昇器622は、
図25のように、移動体610に固定された垂直案内部652と、前記垂直案内部652の内側のボールスクリューと連結され、一部が垂直案内部652から突設されるフォーク654と、垂直案内部652の付近に設けられ、ボールスクリューと連結されるモーター656とを含んでなり、フォーク654がバックプレート積載器620に積載されたバックプレートを上昇させて常に引出高を維持するように構成される。
【0033】
図35は本発明によるガントリーロボットのトランスファーの斜視図、
図36は本発明によるガントリーロボットのトランスファーを他の方向から見た斜視図である。移動体610に設けられ、バックプレート積載器620に積載されたバックプレートを引き出すトランスファー624は、フレーム658と、前記フレーム658のモーター659と連結されたボールスクリュー660及びLMガイド662に沿って作動する移動体664と、前記移動体664に連結される一つ以上の電磁石666とを含んでなり、バックプレート積載器620に積載されたバックプレートを吸着してバックプレートセンタリング器626に供給するように構成される。
【0034】
図37は本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の斜視図、
図38は本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の作動前の斜視図、
図39は本発明によるガントリーロボットのバックプレートセンタリング器の作動中の斜視図である。移動体610のトランスファー624の付近に設けられ、トランスファー624から複数のブレーキパッドを受けて整列するバックプレートセンタリング器626は、移動体610に固定される固定枠668と、前記固定枠668上に左右に長く固定され、いずれか一成形機400の成形型412の成形室と同数の支持部が並んで形成される支持枠670と、複数の押圧部を介して支持枠670の各支持部と所定の間隔で向き合うように設けられ、固定枠668の作動シリンダー672によって作動して支持枠670との間に供給されたバックプレートを左右に整列する押圧枠674と、支持枠670の前後に設けられ、固定枠668との間にある作動シリンダー676による作動によって支持枠670と押圧枠674との間に供給されたバックプレートを前後に整列する一対の押圧部678とを含んでなり、トランスファー624によって供給されたバックプレートを前後左右に整列して成形機400の成形型412の成形室に供給するように構成される。
【0035】
図40は本発明によるガントリーロボットの1次排出コンベヤーの斜視図である。移動体610に設けられ、成形機400によって成形されたブレーキパッドを排出する1次排出コンベヤー628は、移動体610に前後に長く固定される支持枠680と、前記支持枠680上に設けられるコンベヤーベルト682と、前記コンベヤーベルト682と連結されたモーター684とからなり、成形機400によって成形されたブレーキパッドを2次排出コンベヤー630に移送させるように構成される。
【0036】
また、バックプレート積載器620が設けられるフレーム618にやはり成形機400と同数が設けられる2次排出コンベヤー630のそれぞれは、
図32~
図34のように、フレーム618に固定される支持枠686と、前記支持枠686上に前方に行くほど下方に傾くように設けられる案内ローラー688と、前記案内ローラー688の下部に形成される収集板690とを含んでなり、1次排出コンベヤー628によって供給されたブレーキパッドが傾斜案内ローラー688に沿って滑り移動して収集板690に収集されるように構成される。
【0037】
図41は本発明によるガントリーロボットのブラシ兼用離型剤噴射器の斜視図、
図42は本発明によるガントリーロボットのブラシ兼用離型剤噴射器の底面斜視図である。移動体610の支持部に装着されるブラシ兼用離型剤噴射器632は、グリッパー614の把持のための把持部692と、前記把持部692の下部に連結される支持部694と、前記支持部694に下方に露出されるように設けられ、モーター695によって回転するブラシ696と、離型剤を保存する容器に噴射ノズルが連結され、支持部694の両側に一対が固定され、ブラシ696によって掃除された成形型412に離型剤を噴射してコートする離型剤噴射器698とを含んでなる。
【0038】
本発明は、成形作業に先立ち、各成形機400に成形室の形態が互いに異なる成形型412を連結し、製造しようとするブレーキパッドの種類によって選択された成形機400によって成形作業を行う。
【0039】
すなわち、ブレーキパッドの成形のための準備作業が完了すれば、上層材を収容した上層材供給筒を上層材計量器200のリフトユニット210のリフト214に進入させ、前記リフト214とともに上昇させ、リフト214とともに上昇した上層材供給筒を供給ホッパーユニット220の筒体222内に設けられた回転枠224に進入させ、回転枠224に進入した上層材供給筒を作動シリンダー227によって回転する回転枠224によって回転させることにより、上層材供給筒内の上層材がミキシングホッパーユニット230に落下して供給されるようにする。
【0040】
また、ミキシングホッパーユニット230に供給された上層材はミキシングブレード236及び移送スクリュー238によってミキシングされた後、排出口を通して排出されて計量ユニット240に落下して供給され、計量ユニット240に供給された上層材は振動速度が互いに異なる2段の振動フィーダー242、244とロードセルを有する計量コップ246によって定量が計量されて移送ユニット250のコップ259に落下して供給される。
【0041】
ここで、移送ユニット250のコップ259は補助案内部254の両側に設けられた補助移動体257のそれぞれにいずれか一成形機400の成形室と同数が連結され、補助案内部254と補助移動体257との間に設けられた水平シリンダー255とLMガイドによって左右に作動し、案内部251に沿ってモーターと連結されたタイミングベルトとLMガイドによって作動する移動体253によって前後に作動し、左右側のそれぞれの計量ユニット240から計量された上層材を受けるようになる。
【0042】
また、計量ユニット240から計量された上層材を受けた移送ユニット250のコップ259は左右側のそれぞれの案内部251に沿って移動体253によって前方に移動した後、モーター258による回転により、コップ259内の上層材がガントリーローダー500の上層材供給兼用ならし器504のコップ520に落下して供給される。
【0043】
また、移送ユニット250から上層材を受けたガントリーローダー500の上層材供給兼用ならし器504はモーター508と連結されたピニオンギア及びラックギアによって水平案内部502に沿って移動して選択された成形機400の成形型412の上側に至り、モーター516による排出ローラー518の回転作動により、各コップ520内の上層材が成形型412の各成形室に落下して供給され、次いでならし器528が水平案内部502に沿って水平移動体510による左右作動、垂直シリンダー522による上下作動及びモーター524によるならし棒526の回転作動によって成形型412の各成形室に供給された上層材のならし作業を行う。
【0044】
ここで、成形機400の成形型412は、ガントリーローダー500による上層材の供給に先立ち、水平シリンダー410によって昇降枠404に沿って支持枠408とともに前方に突出し、成形型412が突出した状態で上層材供給兼用ならし器504による上層材の供給及びならし作業を行う。
【0045】
また、成形機400の成形型412に上層材を供給してならし作業を行った後、ガントリーロボット600のロボット本体612が案内部602に沿ってモーター604と連結されたピニオンギア606及びラックギア608によって作動する移動体610とともに選択された成形機400の前方に移動し、グリッパー614のエアチャック636が移動体610の装着部に装着された押固器616を把持した後、成形型412の各成形室に供給された上層材を押し固めるようになる。
【0046】
また、選択された成形機400の成形型412に上層材を供給し、ガントリーロボット600が押固器616で押し固めた後には、前述した上層材計量器200による上層材の計量作動と同様に、下層材計量器300のリフトユニットと、左右側供給ホッパーユニットと、左右側ミキシングホッパーユニットと、左右側計量ユニットと、移送ユニットとが外部から供給された下層材を計量し、ガントリーローダー500の下層材供給兼用ならし器506のコップ520に供給し、ついで下層材供給兼用ならし器506は水平案内部502に沿って水平移動体510とともに移動して成形機400の成形型412の上側に至り、各成形室の上層材上に下層材を供給した後、ならし器506によってならし作業を行う。
【0047】
また、選択された成形機400の成形型412に上層材と下層材を供給するとき、ガントリーロボット600のバックプレート積載器620に多段に積載されたバックプレートをトランスファー624の移動体664の電磁石666が吸着してバックプレートセンタリング器626の支持枠670と押圧枠674との間に供給し、ついでバックプレートセンタリング器626は作動シリンダー672によって押圧枠674が作動して支持枠670と押圧枠674との間に供給されたバックプレートを左右に整列させるとともに、作動シリンダー676によって押圧部678が作動してバックプレートを前後にも整列させ、バックプレートセンタリング器626によって前後左右に整列されたブレーキパッドは、下層材の供給の後、ロボット本体612のグリッパー614の電磁石638が吸着して各成形室の下層材上に供給する。
【0048】
また、選択された成形機400の成形型412の各成形室に上層材、下層材及びバックプレートを順に供給した後には、成形型412を水平シリンダー410によって支持枠408に沿って内部に進入させた状態で、メインシリンダーによって昇降枠404に沿って昇降作動せることにより、上金型416との接触による押圧成形を行い、ブレーキパッドの押圧成形の後には、成形型412が水平シリンダー410によって前方に突出した状態で脱型シリンダー414によってブレーキパッドを成形型412から脱型させ、脱型されたブレーキパッドをロボット本体612のグリッパー614の電磁石638が吸着して1次排出コンベヤー628に供給すれば、ブレーキパッドは1次排出コンベヤー628と2次排出コンベヤー630に沿って移送されて外部に排出される。
【0049】
そして、選択された成形機400によって成形されたブレーキパッドの脱型後には、ロボット本体612のグリッパー614のエアチャック636がブラシ兼用離型剤噴射器632を把持し、モーター695によって回転するブラシ696が成形型412の各成形室をブラシングして掃除し、掃除後には離型剤噴射器698が各成形室に離型剤を噴射してコーティングすることにより、選択された成形機400を用いてブレーキパッドを連続的に繰り返し成形することができる。
【0050】
このようなブレーキパッドの成形時に用いた成形機400は多数の成形機400から選択されたものである。成形しようとするブレーキパッドの種類に応じて成形機400を替える場合、成形型412の交替なしにも全体成形機400の数だけの多様な種類のブレーキパッドを生産することができる。
【0051】
特に、相異なる成形型412を有する多数の成形機400のみでは得られない異種のブレーキパッドを成形しようとするときには、選択された成形機400による成形作業の間、残りの成形機400は、
図17及び
図18のように、昇降枠404の後方両側の結合孔424に案内部406を延ばす補助案内部426を結合固定し、ついで昇降枠404に水平シリンダー410を連結固定する固定ピン422をピン孔418、420から分離した状態で、成形型412を支持枠408とともに補助案内部426に沿って後方に突出させ、成形室の異なる他の成形型412に交替し、交替された成形型412を支持枠408とともに補助案内部426に沿って内部に進入させた後、ピン孔418、420に固定ピン422を結合して水平シリンダー410を昇降枠404に固定することにより、交替された成形型412を用いる成形作業を行うことができる。
【0052】
したがって、本発明は補修市場のための多品種少量生産に対応するとともに、ブレーキパッドの成形時に要求されるほぼ全ての作業を自動化することができ、成形型412が互いに異なる多数の成形機400の選択的な利用及び成形型412の交替によってより多様な製品を生産することができ、多様な製品生産のためのいずれか一成形機400の成形型412の交替作業中にも残りの成形機400を用いて成形作業を行い続けることができるので、成形型412の交替による生産性低下までも防止することができる。
【0053】
上述したように、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野で熟練した当業者は下記の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範疇内で本発明を多様に修正及び変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
100 自動車用ブレーキパッド成形装置
200 上層材計量器
210 リフトユニット
211 垂直フレーム
212 回転軸
213 案内棒
214 リフト
215 モーター
220 供給ホッパーユニット
221 フレーム
222 筒体
223 案内棒
224 回転枠
225 ピニオンギア
226 ラックギア
227 作動シリンダー
230 ミキシングホッパーユニット
232 筒体
234 モーター
236 ミキシングブレード
238 移送スクリュー
240 計量ユニット
242、244 振動フィーダー
246 計量コップ
250 移送ユニット
251 案内部
252 モーター
253 移動体
254 補助案内部
255 水平シリンダー
256 LMガイド
257 補助移動体
258 モーター
259 コップ
300 下層材計量器
400 成形機
402 フレーム
404 昇降枠
406 案内部
408 支持枠
410 水平シリンダー
412 成形型
414 脱型シリンダー
416 上金型
418、420 ピン孔
422 固定ピン
424 結合孔
426 補助案内部
500 ガントリーローダー
502 水平案内部
504 上層材供給兼用ならし器
506 下層材供給兼用ならし器
508 モーター
510 水平移動体
512 モーター
514 垂直案内部
516 モーター
518 排出ローラー
520 コップ
522 垂直シリンダー
524 モーター
526 ならし棒
528 ならし器
600 ガントリーロボット
602 案内部
604 モーター
606 ピニオンギア
608 ラックギア
610 移動体
612 ロボット本体
614 グリッパー
616 押固器
618 フレーム
620 バックプレート積載器
622 バックプレート上昇器
624 トランスファー
626 バックプレートセンタリング器
628 1次排出コンベヤー
630 2次排出コンベヤー
632 ブラシ兼用離型剤噴射器
634 連結板
636 エアチャック
638 電磁石
640 把持部
642 支持部
644 パンチング部
646 案内棒
648 移動体
650 積載棒
652 垂直案内部
654 フォーク
656、659 モーター
658 フレーム
660 ボールスクリュー
662 LMガイド
664 移動体
666 電磁石
668 固定枠
670 支持枠
672 作動シリンダー
674 押圧枠
676 作動シリンダー
678 押圧部
680 支持枠
682 コンベヤーベルト
684 モーター
686 支持枠
688 案内ローラー
690 収集板
692 把持部
694 支持部
695 モーター
696 ブラシ
698 離型剤噴射器
【要約】 (修正有)
【課題】多品種少量生産に対応するとともに、ほぼ全ての作業を自動化することができる自動車用ブレーキパッド成形装置を提供する。
【解決手段】上層材計量器200と下層材計量器300との間に、それぞれ成形型400が水平シリンダーによって昇降枠に沿って前方に出沒する多数の成形機を設け、成形機の上側には上層材計量器と下層材計量器を連結するガントリーローダー500を設け、成形機の前方には、案内部、移動体、ロボット本体、グリッパー、押固器、バックプレート積載器、バックプレート上昇器、トランスファー、バックプレートセンタリング器、1次排出コンベヤー、2次排出コンベヤー及びブラシ兼用離型剤噴射器からなるガントリーロボット600を設ける。
【選択図】
図1