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特許7037625心臓バイパスローラポンプの閉塞を調整するための機構および該機構を提供されるローラポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】心臓バイパスローラポンプの閉塞を調整するための機構および該機構を提供されるローラポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/427 20210101AFI20220309BHJP
   A61M 60/113 20210101ALI20220309BHJP
   A61M 60/279 20210101ALI20220309BHJP
   A61M 60/446 20210101ALI20220309BHJP
   F04C 5/00 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
A61M60/427
A61M60/113
A61M60/279
A61M60/446
F04C5/00 341G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020205940
(22)【出願日】2020-12-11
(62)【分割の表示】P 2017558638の分割
【原出願日】2016-05-12
(65)【公開番号】P2021058617
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】62/160,741
(32)【優先日】2015-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508031922
【氏名又は名称】マクエット カルディオプルモナリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジェームズ レプカ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エー. ウォルターズ
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/053858(WO,A1)
【文献】米国特許第5110270(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0127063(US,A1)
【文献】国際公開第2002/066833(WO,A1)
【文献】特表平8-507584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/427
A61M 60/113
A61M 60/279
A61M 60/446
F04C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラポンプの閉塞を調節するためのローラポンプヘッドであって、前記ローラポンプヘッドは、
軌道および前記軌道内に配置される圧縮可能流体導管であって、前記軌道は、前記ローラポンプヘッドのステータの内側円周表面によって画定され、前記流体導管は、管腔を含み、前記管腔を通して流体が流動する、軌道および圧縮可能流体導管と、
前記ローラポンプヘッドの複数のローラブロックを前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させ、前記複数のローラブロック上に搭載される複数のローラ間で前記圧縮可能流体導管を圧縮することによって前記圧縮可能流体導管の前記管腔を部分的に閉塞させるように構成される閉塞調節機構であって、前記閉塞調節機構は、前記複数のローラブロックを不均一様式で前記ステータの前記内側円周表面に向かって移動させる、閉塞調節機構と
を備える、ローラポンプヘッド。
【請求項2】
前記不均一様式における前記ステータの前記内側円周表面に向かう前記複数のローラブロックの移動は、伸長ロッド部材に沿った駆動部材の移動を含み、前記駆動部材の前記移動は、前記複数のローラブロックが前記ローラポンプヘッドの前記ステータの前記内側円周表面により近接して移動するにつれて、減少する増分における前記複数のローラブロックの半径方向移動を引き起こす、請求項1に記載のローラポンプヘッド。
【請求項3】
前記閉塞調節機構は、前記ポンプヘッドの前記中心軸上に配向される伸長ロッド部材と、第1の位置と第2の位置との間で前記伸長ロッド部材に沿って移動するように前記伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材であって、各ローラブロックは、ドラグリンクによって前記駆動部材に接続される、駆動部材とを備える、請求項1に記載のローラポンプヘッド。
【請求項4】
前記閉塞調節機構は、前記ポンプヘッドの前記中心軸上に配向される伸長ロッド部材と、第1の位置と第2の位置との間で前記伸長ロッド部材に沿って移動するように前記伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材であって、各ローラブロックは、前記駆動部材が、各ローラブロックを前記ポンプヘッドの前記中心軸に対して半径方向に移動させるように、前記駆動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際、前記駆動部材に接触するように配置される、駆動部材と、前記伸長ロッド部材に取り付けられる前記駆動部材を前記伸長ロッド部材に沿って移動させるように動作可能に接続されるモータであって、前記モータは、前記伸長ロッド部材に沿った前記駆動部材の移動が、第1の不均一速度であり、前記半径方向における各ローラブロックの移動が、第2の不均一速度であるように、アクチュエータによって制御される、モータとを備える、請求項1に記載のローラポンプヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人工心肺、ECMO機械、他の心肺バイパス機械、および透析のために採用される体外循環機械等の医療デバイスにおいて使用されるローラポンプの分野に広く関連する。より具体的には、本開示の分野は、人工心肺、ECMO機械、他の心肺バイパス機械、および透析のために採用される体外循環機械のためのローラポンプ等の医療デバイスにおいて使用するための閉塞機構を対象とすると解釈され得る。
【背景技術】
【0002】
蠕動ポンプとしても公知であるローラポンプは、透析機械等の体外循環機械、ならびに人工心肺および体外膜型酸素供給(ECMO)機械等の心肺バイパス機械において血液を循環させるために医学および外科手術において使用される。ローラポンプは、可撓性管類を閉塞させる旋回ローラを使用して、容積式で血液等の流体を圧送するように動作する。心肺バイパス機械に関して、複数のローラポンプが、大動脈起始部吸引、通気吸引、血液心筋保護液ポンプ、および全身血液ポンプを提供するために、灌流回路の一部として採用され得る。例えば、Glenn P. Gravlee et al.(eds)「Cardiopulmonary Bypass:Principles and Practices」(2008年)の第5章の図1を参照されたい。しかしながら、ローラポンプは、透析器または患者に静脈注射(IV)流体を静脈内に給送するポンプ等、他の環境においても採用され得る。
【0003】
ローラポンプは、一定流量を生産する単純に構築されたデバイスであり、それを通して流体が圧送される流路として使い捨て管類を使用する。ローラポンプは、概して、ポンプ駆動部と、ポンプヘッドとを含み、ポンプ駆動部は、ポンプヘッドの回転を駆動するように接続され、流体を圧送する。ポンプヘッドは、ポンプステータと、ポンプロータとを含み、ポンプステータは、内側円周表面または軌道を画定する筐体を形成し、それに対して、それを通して流体が流動する1つまたはそれを上回る管が、ポンプロータに接続されるローラによって圧縮される。ポンプロータに接続される駆動シャフトの回転によるポンプロータの回転に応じて、ポンプロータに接続されるローラは、ポンプステータの内側円周に対して流体管類を圧縮し、したがって、管類に沿ったローラの転動は、管類内の流体をポンプロータの回転の方向に押動する。流体管類に対してポンプローラによって印加される圧縮(すなわち、閉塞)の量は、例えば、異なるベンダによって提供される、直径に関する流体管類の微妙な製造上の差異を補償するために、または異なるサイズの流体管類の使用を補償するために調節される必要がある。
【0004】
管類内を流動する流体は、血液を含み得るため、ローラポンプが、ローラ回転および圧送中に管類の圧縮の程度に関して調節可能であることが重要である。圧縮中に管類の壁が完全に圧潰するように圧縮が完了する場合、圧送された血液の赤血球は、溶解され、それによって、圧送された血液をあまり使用に好適ではないものにし得る。ポンプロータ回転中に管類の壁が適正に圧縮されないほど圧縮が不適正である場合、不適正な流体流動またはさらには逆流が、もたらされ得る。したがって、異なる直径の流体管類がローラポンプ内で使用され得るという事実に照らして、ポンプロータ回転中にローラおよび軌道が管類に対して付与する圧縮の量を調節することが可能であることが、必要である。
【0005】
ローラによって軌道内の流体管類に対して付与される圧縮の量を調節する能力は、「閉塞」として当分野で公知であり、本用語は、ポンプロータの回転中にローラと軌道面との間で流体管類が圧縮または閉塞される程度を反映する。ローラポンプは、概して、ローラを半径方向外向きに、かつポンプステータの内面により近接して移動させるために、1つの方向にノブを回転させる、またはある他のアセンブリを回旋させ、それによって、閉塞を増加させ、ローラを半径方向内向きに、かつポンプステータの内面から離れて移動させるために、別の方向にノブまたは他のアセンブリを回転させ、それによって、閉塞を減少させることによって閉塞を調節する機構を提供される。したがって、ポンプローラが軌道内の流体管類から完全に係脱されると、軌道内の流体管類に係合するようにポンプローラを迅速に移動させることが可能である必要性がある。ポンプローラが軌道内の流体管類に係合しているとき、閉塞の程度を微調整するために、ローラを微細な増分において移動させる必要性がある。いったん閉塞の程度が微調整されると、増分は、圧送手技の持続時間にわたって定位置に係止される。ポンプローラ増分は、ローラと流体管類経路の対応する部分との間の間隙距離として評価され得る。加えて、ローラポンプのローラは全て、流体管類の同一量の圧縮を維持するように要求される。
【0006】
有意な力が、流体管類を圧縮し、所望の量の閉塞を達成するために要求される。所望の量の流体管類圧縮を得るためにユーザによって要求される力は、典型的には、管圧縮力に直接関連する。ローラポンプのための閉塞調節機構のための、例えば、サムホイール作動機構等の従来技術の作動機構は、機械的利点が乏しい。これは、望ましくない。
【0007】
ローラポンプの閉塞を調節するための従来の機構によって共有される他の不利点は、調節機構の線形性質に関連する。ノブまたはサムホイール等の他の調節機構の各回旋は、ローラがポンプステータ表面に近接するか、またはポンプステータ表面からさらに離れて位置するかにかかわらず、ポンプステータの内面に対してローラの同一の増分移動を生産する。言い換えると、ローラの増分進行は、伝統的に、入力運動の程度に線形に比例する。これは、ユーザによってノブ等のアクチュエータに成される部分調節毎に、ローラの正比例平行移動がローラの中心軸に対して半径方向に起こることを意味する。本正比例は、図1の曲線A等によって図示されるように、入力移動と出力移動との比として表され得る。
【0008】
図2は、ローラポンプのポンプヘッド3に統合され、ポンプローラを図1の曲線A等に示されるような線形様式で移動させる、ローラポンプのための従来技術の閉塞調節機構2を図示する。ポンプヘッド3は、ポンプステータ6内で回転するように配置されるポンプロータ4を含む。ポンプロータ4は、対応する数のローラブロック10に搭載される複数のポンプローラ8を含む。閉塞調節機構2は、伸長ロッド14を回旋させるように手動で回転され得るノブ12を含む。テーパ状駆動ピストン16が、伸長ロッド14に螺合して接続され、したがって、伸長ロッド14の回転は、テーパ状駆動ピストン16を伸長ロッド14に沿って移動させる。伸長ロッド14上のテーパ状駆動ピストン16の移動は、テーパ状駆動ピストン16を複数のローラブロック10に対して押動させ、したがって、テーパ状駆動ピストン16は、線形に、かつ均一様式でローラブロック10をポンプヘッド3の中心軸に対して半径方向に移動させる。したがって、本システムのノブ12は、ローラ8を筐体円周、すなわち、管類軌道を画定するステータ6の内側円周表面に向かって駆動する楔(すなわち、テーパ状駆動ピストン)を前進させるために、伸長ロッド14のねじ山(具体的に図示せず)に接続される。どのように管類がローラポンプの軌道内に配置され得るかを示す描写に関して、米国特許出願公開第US 2014/0127063 A1号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)が、参照され得る。テーパ状駆動ピストン16と関連付けられる不利点は、ローラ8の位置対称性を維持するために、そのような楔が楔側の精密な機械加工と、楔側とインターフェースをとるそれらの構成要素とに依存することである。
【0009】
入力移動、すなわち、ノブ旋回と、出力移動、すなわち、半径方向における線における各ローラの進行との比は、図1の曲線Aにグラフで示されるように、従来の閉塞調節機構に関して直線を構成する。本線形関係は、線形様式の移動として、または線形伝達として特徴付けられ得る。そのような線形様式の移動は、伝達比もまた同様に一定であるため、また、均一様式の移動としても特徴付けられ得る。そのような線形様式の正比例移動の結果、ローラの場所を調節する人物は、ローラがポンプステータの内面から遠く離れて位置するとき、ノブまたは他のアセンブリを繰り返し回旋させなければならない。これは、面倒なプロセスである。一方、ローラがポンプステータの内面に近接するとき、ローラの場所を微調整する人物は、ローラがポンプステータの内面に近接近しているとき、閉塞を調節するための従来の機構が微調整するためのいかなる便宜的な特徴も有していないという事実に苛立ち得る。
【0010】
したがって、ローラがポンプステータの内面から遠い位置に位置するとき、ポンプローラの迅速な調節移動を提供し、ローラがポンプステータの内面に近接近する位置に位置するとき、ポンプローラの微調節移動を提供する、非線形調節機構を有する、人工心肺および同様のデバイスの心臓ポンプとして採用されるローラポンプ等のローラポンプの閉塞を調節するための機構の必要性がある。本開示は、そのような非線形閉塞調節機構を採用する、ローラポンプおよび同様のデバイスの閉塞の調節に関連する装置ならびに方法の実施形態の説明を対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許出願公開第2014/0127063号A1明細書
【非特許文献】
【0012】
【文献】Glenn P. Gravlee et al.(eds)「Cardiopulmonary Bypass:Principles and Practices」(2008年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示によって説明される装置および方法は、心臓バイパス手技の環境ならびに同様の環境において起こるような、ローラポンプにおいて使用される管類に関する閉塞の所望の程度を満たすために要求されるような、閉塞の微調節を実施するローラポンプのユーザの必要性を満たす。閉塞の調節は、手動の回旋容易なノブ等の適切なアクチュエータの使用を通して、より容易にもたらされる。さらに、本明細書に説明される装置の構造および方法の性質は、ローラ間の所望の対称性を満たすために、ローラポンプの製造者が組立中に閉塞調節機構の調節を成すことを可能にする。ある実施形態では、調節可能ドラグリンクが、ローラ間の対称性の容易な調節を成す能力を提供するが、本開示の装置および方法は、調節可能ドラグリンクの使用に限定されない。
【0014】
閉塞調節機構の一部としての調節可能ドラグリンクの使用はまた、これが、手動ノブの各特定の回旋および/または手動ノブに動作可能に接続される伸長ロッドの回旋によって、ローラの線形進行を漸次的に減少させる利点を有する。しかしながら、本開示の装置および方法は、手動ノブとポンプローラの非線形移動との間の動作接続が、調節可能ドラグリンクを採用する機械的接続を採用することの代替として、モータ制御デバイスに接続される電子アクチュエータを採用する電気機械的接続としてもたらされ得るため、閉塞調節目的のためのポンプローラの非線形移動を達成するために、調節可能ドラグリンクの使用に限定されない。したがって、本開示によると、クイックリターン機構が、閉塞調節機構の一体型構成要素として説明され、これは、ノブの各回旋によってポンプローラの線形進行の漸次的な増分減少をもたらし、それによって、ローラがポンプ軌道を画定するポンプステータの内側円周表面に接近するにつれて、本システムの各係止可能増分の精度(微調整)を増加させる。
【0015】
本開示の第1の非限定的例証的実施形態によると、ローラポンプの閉塞を調節するための機構が、説明され、本機構は、ローラポンプのポンプヘッドの中心軸上に配向される、伸長ロッド部材と、第1の位置と第2の位置との間で伸長ロッド部材に沿って移動するように伸長ロッド部材に取り付けられる、駆動部材とを含み、駆動部材は、リンク部材によってポンプヘッドのポンプロータの各ローラブロックに接続され、したがって、伸長ロッド部材に沿った一定の増分だけの駆動部材の移動は、ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向における各ローラブロックの不均一および/または非線形増分移動を引き起こす。本開示のある実施形態によると、第1の非限定的実施形態は、リンク部材がドラグリンクを含むように修正され得る。本開示の第2の非限定的実施形態によると、ローラポンプが、説明され、ローラポンプは、ポンプ駆動部によって駆動されるように動作可能に接続されるポンプヘッドを含み、ポンプヘッドは、軌道を画定する内側円周表面を備える、ポンプステータと、ポンプステータ内で回転するように配置される、ポンプロータであって、該ポンプロータは、1つまたはそれを上回るローラを含み、各ローラは、ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動可能である個別のローラブロックに接続される、ポンプロータと、各ローラのローラブロックに接続される、閉塞調節機構であって、該閉塞調節機構は、各ローラブロックを不均一および/または非線形様式でポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させるように動作する、閉塞調節機構とを含む。
【0016】
本開示の第3の非限定的例証的実施形態によると、第1および第2の非限定的実施形態は、1つまたはそれを上回るローラが、ポンプロータを二分する線上に配置される2つのローラを含むように修正される。本開示の第4の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、および第3の非限定的実施形態はさらに、閉塞調節機構が、ポンプヘッドの中心軸上に配向される、伸長ロッド部材と、第1の位置と第2の位置との間で伸長ロッド部材に沿って移動するように伸長ロッド部材に取り付けられる、駆動部材であって、各ローラブロックは、ドラグリンクによって駆動部材に接続される、駆動部材とを備えるように修正される。本開示の第5の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、および第4の非限定的実施形態はさらに、駆動部材が、駆動板または駆動ピストンであるように修正される。
【0017】
本開示の第6の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、および第5の非限定的実施形態はさらに、駆動部材が、伸長ロッド部材に螺合して取り付けられ、したがって、伸長ロッド部材の回転は、駆動部材を第1の位置と第2の位置との間でポンプヘッドの中心軸に沿って移動させ、したがって、各ドラグリンクは、個別のローラブロックを不均一様式でポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させるように修正される。本開示の第7の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の非限定的実施形態は、伸長ロッド部材の時計回り回転が、駆動部材を伸長ロッド部材の上に移動させ、ポンプステータの内側円周表面に向かう各ローラブロックの半径方向移動を引き起こし、伸長ロッド部材の反時計回り回転が、駆動部材を伸長ロッド部材の下に移動させ、ポンプステータの内側円周表面から離れる各ローラブロックの半径方向移動を引き起こすように修正される。本開示の第8の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、および第7の非限定的実施形態はさらに、伸長ロッド部材の各時計回り回転が、伸長ロッド部材の上への駆動部材の一定の増分移動およびポンプステータの内側円周表面に向かって半径方向の各ローラブロックの非線形に変化する増分移動を引き起こすように修正される。本開示の第9の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、および第7の非限定的実施形態はさらに、各ローラブロックの非線形に変化する増分移動が、伸長ロッドの各時計回り回転とともに減少するように修正される。
【0018】
本開示の第10の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の非限定的実施形態はさらに、伸長ロッド部材の反時計回り回転が、駆動部材を伸長ロッド部材の上に移動させ、ポンプステータの内側円周表面に向かう各ローラブロックの半径方向移動を引き起こし、伸長ロッド部材の時計回り回転が、駆動部材を伸長ロッド部材の下に移動させ、ポンプステータの内側円周表面から離れる各ローラブロックの半径方向移動を引き起こすように修正される。本開示の第11の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、および第10の非限定的実施形態はさらに、伸長ロッド部材の各反時計回り回転が、伸長ロッド部材の上への駆動部材の一定の増分移動およびポンプステータの内側円周表面に向かって半径方向の各ローラブロックの非線形に変化する増分移動を引き起こすように修正される。本開示の第12の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第10、および第11の非限定的実施形態はさらに、各ローラブロックの非線形に変化する増分移動が、伸長ロッドの各反時計回り回転とともに減少するように修正される。
【0019】
本開示の第13の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、および第12の非限定的実施形態はさらに、各ドラグリンクが、駆動部材内に形成されるソケットに接続される、一方の端部上に形成されるボールを備えるように修正される。本開示の第14の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、および第13の非限定的実施形態はさらに、各ドラグリンクが、ボール部材に調節可能に接続される、別の端部上に形成されるねじ山付き部分を備え、各ボール部材は、個別のローラブロック内に形成されるソケットに接続されるように修正される。本開示の第15の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、および第14の非限定的実施形態はさらに、ノブが、伸長ロッド部材の一方の端部に接続され、ノブは、手動で把持され、伸長ロッド部材とともに回転されるように構成されるように修正される。
【0020】
本開示の第16の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、および第15の非限定的実施形態はさらに、駆動部材が、含油金属合金およびポリエーテルエーテルケトン樹脂組成物から成る群から選択される材料から作製されるように修正される。本開示の第17の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、および第16の非限定的実施形態はさらに、駆動部材が、本体と、本体に取り付けられるスタビライザとを備え、スタビライザが、駆動部材が伸長ロッド部材上で回転することを防止するように修正される。
【0021】
本開示の第18の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、および第16の非限定的実施形態はさらに、各ドラグリンクが、1つの部分によって駆動部材に接続され、別の部分によって個別のローラブロックに接続されるカムを備え、したがって、伸長ロッド部材に沿った駆動部材の均一移動が、各ドラグリンクによって、個別のローラブロックの不均一移動に伝達および変換されるように修正される。本開示の第19の非限定的例証的実施形態によると、第1、第2、および第3の非限定的実施形態はさらに、閉塞調節機構が、ポンプヘッドの中心軸上に配向される、伸長ロッド部材と、第1の位置と第2の位置との間で伸長ロッド部材に沿って移動するように伸長ロッド部材に取り付けられる、駆動部材であって、駆動部材が第1の位置から第2の位置に移動する際、各ローラブロックは、駆動部材に接触するように配置され、したがって、駆動部材は、各ローラブロックをポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させる、駆動部材と、伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材を伸長ロッド部材に沿って移動させるように動作可能に接続される、モータであって、アクチュエータによって制御され、したがって、伸長ロッド部材に沿った駆動部材の移動は、第1の不均一速度であり、したがって、半径方向における各ローラブロックの移動は、第2の不均一速度である、モータとを備えるように修正される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ポンプ駆動部によって駆動されるように動作可能に接続されるポンプヘッドを備えるローラポンプであって、前記ポンプヘッドは、
軌道を画定する内側円周表面を備えるポンプステータと、
前記ポンプステータ内で回転するように配置されるポンプロータであって、前記ポンプロータは、
1つまたはそれを上回るローラであって、各ローラは、前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動可能である個別のローラブロックに接続される、1つまたはそれを上回るローラ
を含む、ポンプロータと、
各ローラのローラブロックに接続される閉塞調節機構であって、前記閉塞調節機構は、各ローラブロックを不均一様式で前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させるように動作する、閉塞調節機構と、
を含む、ローラポンプ。
(項目2)
前記1つまたはそれを上回るローラは、前記ポンプロータを二分する線上に配置される2つのローラを含む、項目1に記載のローラポンプ。
(項目3)
前記閉塞調節機構は、
前記ポンプヘッドの中心軸上に配向される伸長ロッド部材と、
第1の位置と第2の位置との間で前記伸長ロッド部材に沿って移動するように前記伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材であって、各ローラブロックは、ドラグリンクによって前記駆動部材に接続される、駆動部材と、
を備える、項目1に記載のローラポンプ。
(項目4)
前記駆動部材は、駆動板または駆動ピストンである、項目3に記載のローラポンプ。
(項目5)
前記駆動部材は、前記伸長ロッド部材の回転が、前記駆動部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記ポンプヘッドの中心軸に沿って移動させ、各ドラグリンクが、前記個別のローラブロックを不均一様式で前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させるように、前記伸長ロッド部材に螺合して取り付けられる、項目3に記載のローラポンプ。
(項目6)
前記伸長ロッド部材の時計回り回転は、前記駆動部材を前記伸長ロッド部材の上に移動させ、前記ポンプステータの内側円周表面に向かう各ローラブロックの半径方向移動を引き起こし、前記伸長ロッド部材の反時計回り回転は、前記駆動部材を前記伸長ロッド部材の下に移動させ、前記ポンプステータの内側円周表面から離れる各ローラブロックの半径方向移動を引き起こす、項目5に記載のローラポンプ。
(項目7)
前記伸長ロッド部材の各時計回り回転は、前記伸長ロッド部材の上への前記駆動部材の一定の増分移動および前記ポンプステータの内側円周表面に向かって半径方向の各ローラブロックの非線形に変化する増分移動を引き起こす、項目6に記載のローラポンプ。
(項目8)
各ローラブロックの前記非線形に変化する増分移動は、前記伸長ロッドの各時計回り回転とともに減少する、項目7に記載のローラポンプ。
(項目9)
前記伸長ロッド部材の反時計回り回転は、前記駆動部材を前記伸長ロッド部材の上に移動させ、前記ポンプステータの内側円周表面に向かう各ローラブロックの半径方向移動を引き起こし、前記伸長ロッド部材の時計回り回転は、前記駆動部材を前記伸長ロッド部材の下に移動させ、前記ポンプステータの内側円周表面から離れる各ローラブロックの半径方向移動を引き起こす、項目5に記載のローラポンプ。
(項目10)
前記伸長ロッド部材の各反時計回り回転は、前記伸長ロッド部材の上への前記駆動部材の一定の増分移動および前記ポンプステータの内側円周表面に向かって半径方向の各ローラブロックの非線形に変化する増分移動を引き起こす、項目9に記載のローラポンプ。
(項目11)
各ローラブロックの前記非線形に変化する増分移動は、前記伸長ロッドの各反時計回り回転とともに減少する、項目10に記載のローラポンプ。
(項目12)
各ドラグリンクは、前記駆動部材内に形成されるソケットに接続される一方の端部上に形成されるボールを備える、項目3に記載のローラポンプ。
(項目13)
各ドラグリンクは、ボール部材に調節可能に接続される別の端部上に形成されるねじ山付き部分を備え、各ボール部材は、個別のローラブロック内に形成されるソケットに接続される、項目12に記載のローラポンプ。
(項目14)
ノブが、前記伸長ロッド部材の一方の端部に接続され、前記ノブは、手動で把持され、前記伸長ロッド部材とともに回転させられるように構成される、項目3に記載のローラポンプ。
(項目15)
前記駆動部材は、含油金属合金およびポリエーテルエーテルケトン樹脂組成物から成る群から選択される材料から作製される、項目3に記載のローラポンプ。
(項目16)
前記駆動部材は、本体と、前記本体に取り付けられるスタビライザとを備え、前記スタビライザは、前記駆動部材が前記伸長ロッド部材上で回転することを防止する、項目3に記載のローラポンプ。
(項目17)
各ドラグリンクは、前記伸長ロッド部材に沿った前記駆動部材の均一移動が、各ドラグリンクによって、前記個別のローラブロックの不均一移動に伝達および変換されるように、1つの部分によって前記駆動部材に接続され、別の部分によって前記個別のローラブロックに接続されるカムを備える、項目3に記載のローラポンプ。
(項目18)
前記閉塞調節機構は、
前記ポンプヘッドの中心軸上に配向される伸長ロッド部材と、
第1の位置と第2の位置との間で前記伸長ロッド部材に沿って移動するように前記伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材であって、各ローラブロックは、前記駆動部材が、各ローラブロックを前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させるように、前記駆動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際、前記駆動部材に接触するように配置される、駆動部材と、
前記伸長ロッド部材に取り付けられる前記駆動部材を前記伸長ロッド部材に沿って移動させるように動作可能に接続されるモータであって、前記モータは、前記伸長ロッド部材に沿った前記駆動部材の移動が、第1の不均一速度であり、前記半径方向における各ローラブロックの移動が、第2の不均一速度であるように、アクチュエータによって制御される、モータと、
を備える、項目1に記載のローラポンプ。
(項目19)
ローラポンプの閉塞を調節するための機構であって、前記機構は、
前記ローラポンプのポンプヘッドの中心軸上に配向される伸長ロッド部材と、
第1の位置と第2の位置との間で前記伸長ロッド部材に沿って移動するように前記伸長ロッド部材に取り付けられる駆動部材であって、前記駆動部材は、前記伸長ロッド部材に沿った一定の増分だけの前記駆動部材の移動が、前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向における各ローラブロックの不均一増分移動を引き起こすように、リンク部材によって前記ポンプヘッドのポンプロータの各ローラブロックに接続される、駆動部材と、
を備える、機構。
(項目20)
前記リンク部材は、ドラグリンクを含む、項目19に記載の機構。
(項目21)
ローラポンプの閉塞を調節する方法であって、前記方法は、
ローラポンプヘッドの軌道内に圧縮可能流体導管を配置するステップであって、前記軌道は、前記ローラポンプヘッドのステータの内側円周表面によって画定され、前記流体導管は、それを通して流体が流動する管腔を含む、ステップと、
前記ローラポンプヘッドの複数のローラブロックを前記ポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させ、前記複数のローラブロック上に搭載される複数のローラ間の前記圧縮可能流体導管を圧縮することによって、前記圧縮可能流体導管の管腔を部分的に閉塞させるように、前記ローラポンプヘッドの閉塞調節機構を動作させるステップであって、前記閉塞調節機構は、前記複数のローラブロックを不均一様式で前記ステータの内側円周表面に向かって移動させる、ステップと、
を含む、方法。
(項目22)
前記不均一様式における前記ステータの内側円周表面に向かう前記複数のローラブロックの移動は、駆動部材を伸長ロッド部材に沿って移動させるステップを含み、前記駆動部材を移動させるステップは、前記複数のローラブロックが前記ローラポンプヘッドのステータの内側円周表面により近接して移動するにつれて、減少する増分における前記複数のローラブロックの半径方向移動を引き起こす、項目21に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、ローラポンプのための異なる閉塞調節機構に関連するローラ変位対ノブ旋回のグラフである。
【0023】
図2図2は、線形様式でローラ閉塞を調節する従来技術の閉塞調節機構の断面図である。
【0024】
図3図3は、本明細書に説明されるような閉塞調節機構を提供されるローラポンプの実施形態の断面図である。
【0025】
図4図4は、ローラポンプが完全に後退された状態にあり、それによって、流体管Tのいかなる閉塞ももたらさない位置にある、図3の実施形態の断面図である。
【0026】
図5図5は、ローラポンプが完全に延在された状態にあり、それによって、最大閉塞容量をもたらす位置にある、図3の実施形態の断面図である。
【0027】
図6A図6aは、本開示のある実施形態による、駆動部材の平面図であり、図6bは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリの駆動シャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図であり、図6cは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリのドラフトシャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図である。
図6B図6aは、本開示のある実施形態による、駆動部材の平面図であり、図6bは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリの駆動シャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図であり、図6cは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリのドラフトシャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図である。
図6C図6aは、本開示のある実施形態による、駆動部材の平面図であり、図6bは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリの駆動シャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図であり、図6cは、本開示の別の実施形態による、ポンプ駆動アセンブリのドラフトシャフトのチャンバ内に配置される駆動部材の部分的平面断面図である。
【0028】
図7図7は、カムを採用する本開示の実施形態による、伝達アセンブリの概略断面図である。
【0029】
図8図8は、モータ制御を採用する閉塞調節機構の実施形態の概略断面図である。
【0030】
図9図9は、本開示による、閉塞調節機構を採用する心肺バイパス機械のためのローラポンプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示による種々の実施形態が、同様の部分が同様の参照番号によって指定される、図を参照して説明される。本明細書に説明される図面は、非限定的図示を構成する。
【0032】
図3、4、5、および9に示されるように、ローラポンプのポンプヘッド20は、ローラポンプのポンプ駆動アセンブリ22によって駆動されるように動作可能に接続される。ポンプヘッド20は、流体管類T(図4参照)のための軌道28を画定する内側円周表面26を提供されるポンプステータ24と、ポンプステータ24内で回転するように配置されるポンプロータ30とを含む。ポンプロータ30は、心肺バイパス機械において使用されるローラポンプのために複数のローラ32、最も典型的には、2つのローラを含むが、3、6、または8つ等のローラを有するポンプヘッドもまた、使用され得る。各ローラ32は、これが回転することを可能にするために、ローラ軸受33を含む。ポンプロータ30は、複数のローラブロック34を含み、したがって、各ローラ32は、ポンプヘッド20の中心軸36に対して半径方向に移動可能である個別のローラブロック34に接続される。ポンプヘッド20はまた、各ローラ32のローラブロック24に接続される閉塞調節機構38を含む。閉塞調節機構38は、ポンプヘッド20の一体型構成要素として解釈され得、各ローラブロック34を非線形不均一様式でポンプヘッドの中心軸36に対して半径方向に移動させるように動作する。ローラブロック34のそれぞれに取り付けられる端部を伴う複数のばね(図示せず)が、ローラ32を後退させる力を提供し、ローラブロック34がドラグリンク46との強力な接触を維持することを確実にする。
【0033】
閉塞調節機構38は、ポンプヘッド20の中心軸36上に配向される、伸長ロッド部材40と、複数の位置間で伸長ロッド部材に沿って移動するように伸長ロッド部材40に取り付けられる、駆動部材42とを含む。図3は、伸長ロッド部材40上の中間位置に位置する、駆動部材42を図示する。伸長ロッド部材40上の駆動部材42の移動の範囲は、図4に示されるように、軌道28の間隙が最大である完全に後退された位置に位置付けられるローラ32に対応する、伸長ロッド部材40の一方の端部における位置と、図5に示されるように、軌道38の間隙が最小であるステータ24の内側円周表面26に向かって完全に延在された位置に位置付けられるローラ32に対応する、伸長ロッド部材40の他方の端部により近接して位置する位置とを含む。伸長ロッド部材40は、図4および5に示される移動の範囲に対応する、その少なくとも一部上に外部ねじ山を提供されるため、駆動部材42は、本範囲の全てまたは一部を網羅する、伸長ロッド部材40上の第1の位置と第2の位置との間の移動が可能である。駆動部材42は、それを通して形成される中心孔44を含み、中心孔44は、伸長ロッド部材40の外部ねじ山と一致および噛合する内部ねじ山を提供され、したがって、駆動部材は、伸長ロッド部材40に螺合して接続され、伸長ロッド部材が回転されると、伸長ロッド部材40に沿って移動する。本開示のある実施形態では、伸長ロッド部材40は、回転ねじである。
【0034】
駆動部材42は、駆動板または駆動ピストンであり得る。駆動板は、その長さがその直径を下回る部材である。駆動ピストンは、その長さがその直径に等しい、またはそれを上回る部材である。本開示のある実施形態では、駆動部材42は、含油金属合金(例えば、商業的に利用可能かつOilite(R)合金として公知である、含油ブロンズ合金または含油鉄ベース合金)等の自己潤滑材料、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、黒鉛、および炭素繊維を含む軸受等級PEEK樹脂組成物である、Ketron(R)PEEK-HPV等のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂組成物から作製される。駆動部材42を作製するために使用され得る他の材料は、PTFE、ポリイミド充填熱可塑性ポリウレタン材料であるAvalon75(R)と、軸受等級溶融処理可能ポリアミドイミドプラスチックであるTorlon(R)4301およびTorlon(R)4501と、炭素繊維で補強され、内部潤滑される軸受等級硫化ポリフェニレンを構成するRyton(R)硫化ポリフェニレン(PPS)とを含む。駆動部材42を構築するために自己潤滑材料を採用することの利点は、グリース等の潤滑材料が省略され得ることである。より具体的には、多くの蠕動ポンプ機構は、潤滑のためにグリースを採用し、グリースは、最終的に、使用とともに変位した状態になるであろうため、これは、不利である。また、グリースの厚さは、所望の公差の有意な部分を構成するため、グリースを採用するそのような機構の精度を維持することは、困難である。したがって、グリースの必要性の排除は、グリース変位によって引き起こされる公差に影響を及ぼす寸法変化を排除するため、上記に列挙されるもの等の自己潤滑または摩擦低減耐摩耗性材料の採用は、有利である。
【0035】
図3、4、および5に示されるように、各ローラブロック34は、ドラグリンク46によって駆動部材42に接続される。伸長ロッド部材の回転が、駆動部材をポンプヘッドの中心軸に沿って移動させるように、伸長ロッド部材に螺合して取り付けられる駆動部材42が移動すると、各ドラグリンク46は、個別のローラブロック34を不均一様式でポンプヘッドの中心軸36に対して半径方向に移動させるようにされる。これは、ドラグリンク46が、非線形不均一様式で駆動部材42の移動の増分を伝達および変換するように構成され、したがって、駆動部材42が、図4のその位置から図5のその位置に移動し、駆動部材42による移動の増分が、ドラグリンク46によって、ローラブロック34の移動の漸次的により小さい増分に伝達されるためである。入力移動(すなわち、駆動部材42の移動)と出力移動(すなわち、ローラブロック34の移動)との本非線形不均一移動比が、図1の曲線B、C、およびDによってグラフで表される。曲線B、C、およびDは、駆動部材移動とローラブロック移動との進行比における実質的な差異をもたらすドラグリンク46に対する異なる調節に対応し、駆動部材移動は、アクチュエータ旋回(すなわち、手動ノブ旋回)の数によって表され、ローラブロック移動は、ローラブロック進行のミリメートルによって表される。図1の「p」値は、メートルねじピッチに関連し、これは、ローラが前進および後退し得る基本速度に影響を及ぼす。
【0036】
ある実施形態では、駆動部材42および伸長ロッド部材40のねじ山は、伸長ロッド部材の時計回り回転が駆動部材を伸長ロッド部材の上に移動させる(すなわち、ノブ48に向かって移動させる)ように配向され、これは、ポンプステータ24の内側円周表面26に向かう各ローラブロック34の半径方向移動を引き起こす。その結果、伸長ロッド部材40の反時計回り回転は、駆動部材42を伸長ロッド部材の下に移動させ(すなわち、ノブ48から離れて移動させ)、これは、ポンプステータ24の内側円周表面26から離れた、かつポンプヘッド20の中心軸36に向かう各ローラブロック34の半径方向移動を引き起こす。図3、4、および5に示されるように、伸長ロッド部材40は、ノブ48に固着され、したがって、ユーザがノブ48を把持し、これを手動で回転させると、伸長ロッド部材40は、ノブ48と同程度に回転する(すなわち、両方が、同一の回旋数または部分的回旋だけ、同一の角速度において回転し、したがって、いかなる滑動も存在しない)。したがって、ノブ48を用いた伸長ロッド部材40の各時計回り回転は、伸長ロッド部材の上への駆動部材42の一定の増分移動と、それと同時のポンプステータの内側円周表面に向かって半径方向の各ローラブロック34の非線形に変化する増分移動とを引き起こす。ある実施形態では、各ローラブロック34の非線形に変化する増分移動は、図1の曲線B、C、およびDによってグラフで表されるような様式で、伸長ロッド部材40の各時計回り回転とともに漸次的に減少する。
【0037】
曲線B、C、およびDは、ポンプ内の使用に関して評価された異なるメートルねじピッチに対応する。p値として報告されるこれらのねじピッチは、ローラが前進および後退し得る基本速度に影響を及ぼす。
【0038】
一方、本開示のある実施形態によると、伸長ロッド部材40および駆動部材42のねじ山を配向することが可能であり、該配向の結果、伸長ロッド部材40の反時計回り回転が、駆動部材42を伸長ロッド部材40の上に(すなわち、ノブ48に向かって)移動させ、これは、ポンプステータ24の内側円周表面26に向かう各ローラブロック34の半径方向移動を引き起こし、また、該配向の結果、伸長ロッド部材40の時計回り回転が、駆動部材42を伸長ロッド部材40の下に(すなわち、ノブ48から離れて)移動させ、これは、ポンプステータ24の内側円周表面26から離れる各ローラブロック34の半径方向移動を引き起こす。言い換えると、本開示によると、伸長ロッド部材40および駆動部材42のねじ山配向を逆転させることが、可能である。本場合では、ノブ48を用いた伸長ロッド部材40の各反時計回り回転は、伸長ロッド部材40の上への駆動部材42の一定の増分移動と、それと同時のポンプステータ24の内側円周表面26に向かって半径方向の各ローラブロック34の非線形に変化する増分移動とを引き起こす。本実施形態では、各ローラブロック34の非線形に変化する増分移動は、図1の曲線B、C、およびDによってグラフで表されるような様式で、伸長ロッド40の各反時計回り回転とともに漸次的に減少する。
【0039】
本開示のある実施形態では、各ドラグリンク46は、移動可能ボールジョイントを形成するために、駆動部材42内に形成されるソケット52に接続される、一方の端部上に形成されるボール50を含み得る。本移動可能ジョイントは、ボール50とソケット52との間に緊密な隙間嵌めを用いて構築され得、ピン54が、ボール50をソケット52の中に係止するために採用され得る。さらに、各ドラグリンク46は、ボール部材58のメス型ねじ山に調節可能に接続される、別の端部上に形成されるねじ山付き部分56を含み得、各ボール部材58は、個別のローラブロック34内に形成されるソケット60に接続される。したがって、ソケット60およびボール部材58は、移動可能ボールジョイントを形成する。本構造の利点は、ソケット60およびボール部材58によって形成されるボールジョイントによって提供される、そのローラブロック34への接続に対する各ドラグリンク46の調節が、ドラグリンク46のねじ山付き端部56とボール部材58のメス型ねじ山との間の調節可能ねじ山付き接続に照らして可能であることである。その結果、組立中、各ドラグリンク46の配向は、ねじ山付き端部56とボール部材58のメス型ねじ山との間のねじ山付き接続を成すように採用される回旋数の調節に基づいて微調整され得る。
【0040】
本開示のある実施形態では、ノブ48が、伸長ロッド部材40の一方の端部に接続され、ロッド部材40の他方の端部は、ポンプ駆動アセンブリ22の駆動シャフトに接続される。ノブ48は、手動で把持され、伸長ロッド部材40とともに手動で回転されるように構成され、したがって、伸長ロッド部材40の回転は、伸長ロッド部材40に沿った駆動部材42の移動を作動し、これは、ドラグリンク46の移動を作動し、これは、駆動部材42の移動をローラブロック34およびこれらのローラブロック34に搭載されるポンプローラ32の半径方向移動に伝達する。上記に説明されるように、駆動部材42とローラブロック34との間に接続されるようなドラグリンク46の構成は、ノブ48および伸長ロッド部材40の回転運動の伝達に関与し、これは、半径方向におけるローラブロック34の漸次的に変化する移動に対応する駆動部材42の線形移動をもたらす。特に、本ローラブロック34の漸次的に変化する移動は、本開示のある実施形態では、ステータ24の内側円周表面26に向かって半径方向におけるローラブロック34の漸次的に減少する増分移動を構成する。その結果、ノブ48および伸長ロッド部材40の回転の固定された速度に関して、ローラブロック34およびそのローラ32の移動の速度は、ローラブロック34およびローラ32が図4のその位置から図5のその位置に移動するにつれて漸次的に減少するであろう。
【0041】
本開示のある実施形態では、駆動部材42は、図6a等に示されるように、本体62と、本体62に取り付けられるスタビライザ64とを含む。スタビライザ64は、本体62内に形成される溝66内に着座される長方形バーを構成し得、長方形バーは、ボルト、ねじ、ピン、または他の好適なデバイス等の締結具68によって溝66内に固着される。溝66は、3つの側およびU形断面を有し得る、またはこれは、2つのみの側およびL形断面を有し得る。スタビライザ64は、駆動部材42が伸長ロッド部材40上で回転することを防止する。駆動部材42が、伸長ロッド部材40の回転の方向に応じて、伸長ロッド部材40の上下に効率的に移動することが望ましく、したがって、駆動部材42が、伸長ロッド部材40の周囲で急回転しないことが重要である。言い換えると、伸長ロッド部材40は、駆動部材42のねじ山付き孔内で回転するように構築されるが、伸長ロッド部材40は、伸長ロッド部材40の周囲で回転しないことが望ましい。駆動部材42は、非円形形状を有し、ポンプ駆動アセンブリ22の駆動シャフト内に形成されるチャンバ70内で移動するように位置付けられる。ポンプ駆動アセンブリ22は、駆動シャフトがポンプヘッド20に対して回転することを可能にする1つまたはそれを上回る軸受23を含む。チャンバ70は、伸長ロッド部材40に沿った駆動部材42の平行移動を可能にするように構成されるが、チャンバの幾何学形状は、スタビライザ64との干渉に起因して、駆動部材42がチャンバ内で回転することを可能にしない。本開示のある実施形態では、スタビライザ64は、図6bに示されるように、別個の長方形バーを構成し、これは、ポンプ駆動アセンブリの駆動シャフト内に形成されるチャンバ71内に配置される本体63とは実質的に異なる材料から作製され得る。一方、本開示の別の実施形態によると、図6cに示されるように、1つを上回るスタビライザ67が、本体65と一体的に形成され得、したがって、これらのスタビライザ67は、したがって、本体65と同一の材料から作製され、ポンプ駆動アセンブリの駆動シャフト内に形成されるチャンバ73内の駆動部材42の本体65の回転を防止する。
【0042】
本開示のある実施形態によると、各ドラグリンクは、図7に示されるような幾何学形状で構築されるカム146として構築される。しかしながら、カム146のための他の幾何学形状が、図1の曲線B、C、およびD等に示されるように、伸長ロッド部材40に沿った駆動部材42の一定の増分における線形移動を、漸次的に変化する増分におけるローラブロック34の半径方向移動に伝達および変換するために使用され得る。例えば、各カム146は、本開示のある実施形態によると、駆動部材42の対向する側上に位置付けられる別の偏心回転カムの位置とは無関係に調節され得る、偏心回転カムによって置換され得る。各回転カムの回転位置は、駆動部材42の対向する側上の他のカムの位置とは無関係に調節され得るため、これらの偏心回転カムは、図2の線形楔16とは実質的に異なる。したがって、偏心回転カムは、駆動部材の平行移動に応答して、非線形ローラ変位を比例的に提供し、偏心回転カムは、組立中にローラブロック位置のある程度の調節を可能にし、それによって、蠕動ローラポンプの初期組立および構成中にローラ閉塞対称性に対する調節を可能にする。
【0043】
本開示のある実施形態によると、閉塞調節機構が、図1の曲線B、C、およびDを模倣する非線形様式で伸長ロッド部材82を回転させるように動作可能に接続されるモータのモータ制御を採用し得る。そのような実施形態では、ドラグリンクは、省略され得る。例えば、図8に示されるように、ノブ48は、アクチュエータ74に動作可能に接続される、アクチュエータロッド72を回転させるように接続される。アクチュエータ74は、アクチュエータロッド72の位置を感知するように構築され、有線または無線接続等の電子リンク76によって、モータ80のモータ制御78に動作可能に接続される。モータ80は、ノブ48および/またはアクチュエータロッド72とともに回転するために、任意の物理的リンクによって接続されていない伸長ロッド部材82を回転させるように動作可能に接続される。対照的に、アクチュエータロッド72の回転と伸長ロッド部材82の回転との間の「リンク」は、アクチュエータ74によって生成される信号がモータ制御78によって受信される、電気機械的結合であり、モータ制御78は、モータ80の動作を制御するモータ制御信号を生成するためにその信号を使用する。伸長ロッド部材82は、外部ねじ山を提供され、これは、駆動部材84の内部ねじ山(メス型ねじ山)と係合し、したがって、駆動部材84は、駆動部材42が伸長ロッド部材40の上下に移動する方法と類似する様式で、伸長ロッド部材82に沿って上下に移動する。駆動部材84は、テーパ状駆動ピストンであるため、伸長ロッド部材82上の駆動部材84の移動は、ローラブロック34およびそのローラ32を図2の閉塞調節機構2の伝達アセンブリと類似する様式で半径方向に移動させる。その結果、伸長ロッド部材82の回転は、図1の曲線Aと類似する様式で、ローラ変位をロッド旋回に結合する様式で、伸長ロッド部材82の上下への駆動部材84の移動を引き起こす。しかしながら、適切なモータ制御を通して、ノブ48の旋回は、図1の曲線B、C、およびDに従って非線形伝達を模倣する様式で、不均一ローラ変位に伝達されることができる。
【0044】
言い換えると、図8に図示される実施形態によると、モータ80は、伸長ロッド部材82に取り付けられる駆動部材84を伸長ロッド部材82に沿って移動させるように動作可能に接続され、モータ80は、アクチュエータ74によって制御され、これは、ノブ48の移動に基づいて、伸長ロッド部材82の回転速度の回転を制御するためにモータコントローラ78によって使用される信号を生成する。このように、伸長ロッド部材82に沿った駆動部材84の移動は、第1の不均一速度において制御され得、したがって、半径方向における各ローラブロック34の移動は、第2の不均一速度において制御される。例えば、ローラブロック34がその完全に後退された位置により近接して位置するとき、モータコントローラ78は、ローラブロック34がステータ24の内側円周表面26により近接する位置に位置するときよりも速い速度において伸長ロッド部材82を回転させるようにモータ80を制御する。その結果、駆動部材84は、ローラブロック34がステータ24の内側円周表面26からさらに離れているとき、ローラブロック34が内側円周表面26により近接しているときよりも速い速度において伸長ロッド部材82の上に移動する。その結果、ローラブロック34が内側円周表面26に向かって半径方向に移動する速度は、適切にプログラムされたモータ制御に起因して、漸次的に減速し、図1の曲線B、C、およびD等によって表されるように、ドラグリンクを利用する機械的伝達アセンブリによってもたらされるローラ変位対ノブ48の回転間の関係を模倣する。
【0045】
本開示のある方法実施形態によると、ローラポンプの閉塞を調節する方法が、(a)ローラポンプヘッドの軌道内に圧縮可能流体導管を配置するステップであって、軌道は、ローラポンプヘッドのステータの内側円周表面によって画定され、流体導管は、それを通して流体が流動する管腔を含む、ステップと、(b)ローラポンプヘッドの複数のローラブロックをポンプヘッドの中心軸に対して半径方向に移動させ、複数のローラブロック上に搭載される複数のローラ間の圧縮可能流体導管を圧縮することによって、圧縮可能流体導管の管腔を部分的に閉塞させるように、ローラポンプヘッドの閉塞調節機構を動作させるステップであって、閉塞調節機構は、図1の曲線B、C、およびD等に示されるように、複数のローラブロックを非線形および/または不均一様式でステータの内側円周表面に向かって移動させる、ステップとを含み得る。本方法はさらに、不均一様式における複数のローラブロックのステータの内側円周表面に向かう移動が、駆動部材を伸長ロッド部材に沿って移動させるステップを含み、駆動部材を移動させるステップは、複数のローラブロックがローラポンプヘッドのステータの内側円周表面により近接して移動するにつれて、減少する増分における複数のローラブロックの半径方向移動を引き起こすように修正され得る。上記に説明されるように、減少する増分における複数のローラブロックの本移動は、ドラグリンクを採用する図3に従う伝達アセンブリを使用することによって、または図3に従う伝達アセンブリによって達成されるローラブロック34の移動を模倣するための適切なモータ制御を用いて、図8に従って伝達アセンブリを使用することによってもたらされ得る。
【0046】
とりわけ、上記に説明される閉塞調節機構のため、具体的には、リンク46の移動が垂直に移動する駆動部材42に応答するそれらの機構の幾何学形状のため、ローラ32の半径方向外向きおよび内向き移動は、ノブ48の回転量に対して比例的に非線形である。これは、これが管類の部分的閉塞を引き起こす、したがって、流率を設定するために要求される移動の範囲内でのローラ位置のより微細な調節を可能にするため、望ましい特徴である。上記に説明されるように、本望ましい特徴は、モータ80の適切な制御を採用する、図8に示されるような閉塞調節機構を使用して達成され得る。各リンク46が、バーと、リンク46を調節可能にすることが可能であるボール50とから成る、リンク46を採用する閉塞調節機構の実施形態では、リンク46に対する代替構造が、使用され得る。例えば、各リンク46は、リンクの他の部分にリンクねじ山の付加的部分を有すること等によって、リンクが長さ調節可能であることを可能にするいくつかの部分から成り得る。長さ調節可能リンクを有することは、製造プロセス中、これがローラ位置対称性の初期設定を促進し、これが、閉塞対称性の初期設定を促進するため、非常に望ましい。
【0047】
本開示のある実施形態によると、二重リンク構成が、採用され得る。本実施形態では、各リンクは、各側上の2つの隣接するリンクとともに構築される。したがって、各リンクは、三角形を形成する2つの隣接するリンクのセットとして構築され、三角形の頂点は、ローラブロック34に接続され、三角形の底辺は、駆動部材に接続される。駆動部材が伸長ロッド部材40の上下を垂直に移動するにつれて、三角形の高さは、変化し、それによって、ローラブロック34の位置を変化させる。本二重リンク構成は、古典的遠心調速機リンケージとして具現化され得る。
【0048】
装置および方法が、本開示内のある実施形態を参照して説明されたが、当業者は、追加、削除、代用、および改良が、添付される請求項によって定義されるような本発明の範囲ならびに精神内に留まりながら成され得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9