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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-08
(45)【発行日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ナノエアロゾル用ノズル
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/30 20060101AFI20220309BHJP
   B05B 7/04 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B05B7/30
B05B7/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021524109
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2019068447
(87)【国際公開番号】W WO2020011803
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】18183510.9
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521018926
【氏名又は名称】エリシオン ファミリー オフィス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ELYSION FAMILY OFFICE GMBH
【住所又は居所原語表記】Voelkendorferstrasse 1/2,9500 Villach(AT)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ツァーフル,ハンス ペーター
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-508670(JP,A)
【文献】特表平08-508671(JP,A)
【文献】特開昭55-054240(JP,A)
【文献】特開昭54-163419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0067656(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00- 3/18,
7/00- 9/08,
12/16-12/36,
14/00-16/80
A61M 11/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の上部ハウジング(3)と、底部フロア(9)を有する円筒状の下部ハウジング(2)とを含む、エアロゾルを放出するための装置(1)であって、
前記上部ハウジング(3)は、
円筒状の頂部突起(30)を含み、前記上部ハウジング(3)の円周方向内側と前記円筒状の頂部突起(30)の外側との間に所定の空間(34)が形成されるように、前記頂部突起(30)は頂部壁(32)から下方に延在しており、
前記頂部突起(30)は、前記頂部突起の底端(36)から下方に突出するボルト(18)を含み、そして、
前記上部ハウジング(3)は、分散されたエアロゾルを放出するための少なくとも1つの開口(7)を含み、
前記下部ハウジング(2)は、
前記下部ハウジング(2)の前記底部フロア(9)内の底部開口(5)と、
円筒状の底部突起(13)であって、前記下部ハウジング(2)の内側と前記円筒状の底部突起(13)の外側との間に所定の空間(11)が設けられるよう、前記底部開口(5)を囲みそして上方に突出し、前記空間(11)がエアロゾルのリザーバを形成し、前記円筒状の底部突起(13)の上部に開口(28)がある、円筒状の底部突起(13)と、
下部ハウジング(2)の前記底部フロア(9)の内側および/または側面に固定された支持フレーム(15)と、そして、
前記円筒状の底部突起(13)を覆うフロート(12)であって、前記フロート(12)の内周形状が前記円筒状の底部突起(13)の外形と一致し、前記フロート(12)の円周方向内側と前記円筒状の底部突起(13)の円周方向外側との間には、第2のチャネル(14)を形成する距離Cが存在し、そして前記フロート(12)が前記支持フレーム(15)によって支持されることにより前記円筒状の底部突起(13)と前記フロート(12)との前記距離Cが全周にわたって実質的に同一となり、前記フロート(12)が上部に開口(16)を含んでおり、前記円筒状の底部突起(13)の上部および前記フロート(12)の上部がテーパ状になっている前記フロート(12)と、をさらに含み、
前記円筒状の底部突起(13)の上部では、前記フロート(12)の内面と前記円筒状の底部突起(13)の外面とが、前記円筒状の底部突起(13)の上端と前記フロート(12)の上端の内側との距離Tそれぞれの円周の距離Cよりも大きくなるように発散しており、その結果、ルーム(31)が形成されており、
前記円筒状の底部突起(13)は、前記頂部突起(30)の前記開口(28)、及び、ノズル(10)として構成されている前記フロート(12)の前記開口(16)に、加圧空気を導くための第1のチャネル(8)として機能するため、中空であり、
前記フロート(12)の前記開口部(16)と前記ボルト(18)との間に、空間(17)に囲まれた装置(1)内部の分散部(19)があり、前記空間(17)内では、前記ノズル(10)の周囲に垂直に回転するサイクロンが生成される、装置(1)。
【請求項2】
前記円筒状の底部突起(13)の上部と前記フロート(12)の上部とのそれぞれのテーパ部分の間の距離は、それぞれの円周方向距離Cより小さい、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記下部または前記上部ハウジング(2、3)は、前記エアロゾルを前記リザーバ内に導入するためのサイドチャネル(22)を含む、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記ボルト(18)の下端と前記フロート(12)の上端との間の距離dは、実質的に3-6mmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記ボルト(18)は、端部が下方に向けて丸くなっているか、または面取りされている、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記リザーバ内の液体が中心に向かって流れるように、前記下部ハウジング(2)のフロア(20)が傾斜している、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記分散されたエアロゾルを放出するための開口(7)は、前記所定の空間(34)の上方である前記上部ハウジング(3)の頂部に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記フロート(12)のノズル開口(16)が下向きにテーパ状に形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ノズル開口(16)の側壁は、前記装置の長手方向軸と30°-34°の角度を形成する、請求項8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記支持フレーム(15)の頂部は、前記フロート(12)の頂部よりも低い、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常に微細な粒子を有するエアロゾルを放出するための、ナノエアロゾルノズルを含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルを放出するための様々な装置が周知である。これらの装置の一般的な問題は、エアロゾルが依然として200nmを超える比較的大きな粒子を多く含み得ることである。図8は、濃度に対する分散したエアロゾルの粒子サイズを描写した図を示している。ベル型の曲線は、200nm以上の粒子が多数存在し、結果として200nm以上の粒子が大量に蓄積していることを示している。すなわち、分散されたエアロゾルの大部分は大きな粒子として存在し、周囲に放出されないため、装置の有効性を低下させる。
【0003】
文献WO2011/082838A1は、ナノエアロゾルを生成するための方法および装置を開示し、少なくとも1つの液体がノズルのノズル開口を介してノズル内で液体粒子の形態で出口方向に沿って噴霧され、噴霧された液体粒子が出口方向から逸らされ、そしてより大きな液体粒子はより小さな液体粒子から少なくとも部分的に分離され、分離されたより大きな液体粒子は噴霧される液体に戻され、そしてより小さな液体粒子が周囲に放出される。ノズルは、フロートと底部突起とを含む。底部突起の側面および頂部は、フロートから均一な距離で離間されている。ノズルおよび噴霧される液体が配置されたカートリッジが使用される。該発明によれば、キャリアガスの流れがノズル内で生成され、そして噴霧される少なくとも1つの液体がキャリアガスと接触する。この実施形態は進歩しているものの、それでも多くの比較的大きな粒子を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、比較的大きな粒子(200nm-300nm以上)の質量が減少するように、分散されたエアロゾルの全体的な粒子サイズを減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の装置によって達成される。さらに好ましい実施形態は、従属請求項に示されている。
【0006】
エアロゾルを放出するための本発明の装置は、円筒状の頂部突起を有する円筒状の上部ハウジングを含み、頂部突起は上部ハウジングの内側と円筒状の頂部突起の外側との間に所定の空間が形成されるように頂部壁(好ましくは頂部壁の中央)から下方に延在しており、そして頂部突起は頂部突起の底端から下方に突出するボルトを含み、そして上部ハウジングは分散されたエアロゾルを放出するための少なくとも1つの開口を含み、底部フロアを有する円筒状の下部ハウジングを含み、下部ハウジングの底部フロア内に底部開口をさらに含み、該開口は好ましくは中央に設けられ、底部開口を囲みそして上方に突出する円筒状の底部突起は、下部ハウジングの内側と円筒状の底部突起の外側との間に所定の空間が設けられてエアロゾルのリザーバを形成するようになっており、下部ハウジングの底面の内側および/または側面に固定的に接続された支持フレームと、そして円筒状の底部突起を覆うフロートであって、その内周形状が円筒状の底部突起の外形と一致するフロートとを含み、そしてフロートが支持フレームによって支持されることにより底部突起とフロートとの間の距離Cが全周にわたって実質的に同一となり、フロートの上端と円筒状の底部突起の上端の内側との距離Tは、それぞれの円周方向距離Cよりも大きい。底部突起の上端の距離が長いほど、その中で分配される液体の表面張力が破壊されて粒子の大きさが大きく影響される、空間またはルームが大きくなる。これにより、平均粒子サイズが減少し、200nm-300nmを超えるより大きな粒子として蓄積される合計の質量が減少する。これは、従来技術と比較して、装置の効率を改善する。円筒状という用語は、正方形、長方形、六角形から円形までの形状などの、不規則または規則的である多角形あるいは円形の形状に使用される。
【0007】
好ましくは、下部または上部ハウジングは、エアロゾルをリザーバ内に導入するためのサイドチャネルを含む。このようなサイドチャネルは、予め充填された装置と比較して、より無制限に使用され得る。別の選択肢は、装置の底部の開口を通る空気チャネルを介してエアロゾル液体を導入することであり得る。
【0008】
ボルトの下端とフロートの上端との間の距離は、好ましくは3-6mm、より好ましくは4.5-5.5mm、最も好ましくは本質的に5mmの距離を有する。これらの距離は、ノズルから噴出した液体を分散させるのに理想的である。ボルトは、フロートに向かって下方に向けられた端部において、丸くなっているか、または面取りされ得る。この幾何学的形状により、ノズルから噴出されたエアロゾルはより良好に分散され、そして小さな粒子がより容易に放出され得る。
【0009】
下部ハウジングのフロアは、リザーバ内の液体が下部ハウジングの中心に向かって流れるように傾斜している。これにより、空気中に適切に分散せずにリザーバに戻されたエアロゾル液体を非常に効率的に使用することができる。
【0010】
分散されたエアロゾルを放出するための開口は、所定の空間の上方である、上部ハウジングの頂部に配置され得る。これは、小さな粒子のみが装置から出ることを保証する。
【0011】
さらに、フロートのノズル開口は、好ましくは下向きにテーパ状に形成される。すなわち、下方向きに小さくなる。これにより、エアロゾル液体の分散が促進される。底部突起の開口は、通常円形に形成され、そして傾斜はない。好ましくは、フロート内のノズルの開口の側壁は、装置の長手方向軸と30°-34°、好ましくは31°-33°、最も好ましくは32°の角度を形成する。
【0012】
支持フレームは、フロートよりも低く形成され得る。すなわち、フレームが支持壁を含む場合、これらの壁はフロートよりも軸方向に高く突出することはない。装置の上方領域には、分散されたエアロゾルを放出するための開口に対して壁や他の障害物がないので、エアロゾルの放出が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、装置の側面図を示す。
図2図2は、図1の線A-Aに沿った縦断面を示す。
図3図3は、図1の装置の底面図を示す。
図4図4は、図1の装置の上面図を示す。
図5図5は、保護フィルムが除去された図1の装置の底面図を示す。
図6図6は、図2のノズルの拡大部Iを示す。
図7図7は、本発明における、発生量にわたる分散されたエアロゾル粒子のサイズの図を示す。
図8図8は、従来技術の装置における、発生量にわたる分散されたエアロゾル粒子のサイズの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、「軸方向」、「半径方向」および「円周方向」という用語は、図1に示す縦軸を参照して使用され、A-Aのセクションのインジケータとしても使用される。「軸方向」とは軸線に沿う方向であり、「半径方向」は軸線に垂直な方向であり、円周方向は軸線の周りを意味する。「上」、「下」、「左」または「右」の方向が使用される場合、図1または図2を参照して使用される。
【0015】
図1は、上部ハウジング3および下部ハウジング2を含む、エアロゾルを放出するための装置1を示す。図1のA-A部が図2に示されている。上部ハウジング3は、ハウジング2、3の円周上にマッチング金具40、42を備えた下部ハウジングによって支持され、上部ハウジング3と下部ハウジング2との相対位置が固定されている。これにより、ハウジング2、3内の空間を、上部ハウジング3の内側の支持要素を必要とすることなく使用することができる。
【0016】
上部ハウジング3は円筒状であり、そして下部ハウジング2の方向に頂部壁32から下方に突出する円筒状または管状の頂部突起30を含む。頂部突起30は、好ましくは円形である。頂部突起30と上部ハウジング3の内壁との間には、分散されたエアロゾルが浮遊しそして周囲に放出され得る空間がある。エアロゾルを放出するために、装置1は上部ハウジング3の上部、すなわち側面または上面のいずれかの位置、に配置され得る少なくとも1つの開口7を含む。最も好ましくは、図4に示されるように、複数の開口7は空間34の上に配置される。頂部突起30は、突起30の底端36の下側に配置されているボルト18を含む。ボルト18もまた、下部ハウジングの方向に下向きに、より具体的にはフロート12および底部突起13の方向に向かい突出する(後述する)。
【0017】
下部ハウジング2も同様に円筒状であり、そして底部フロア9に開口を備えている。この開口は、エアロゾル液体を分散させるために使用される加圧空気の入口ポートとして機能する。初期状態では下部ハウジング2の下側をシール23で覆って、装置を汚染から保護することができる。装置1を使用する前に、シールは簡単に剥がされ得る。下部ハウジング2の内側では、底部突起13が5を囲み、そして空気のチャネル8として機能する。底部突起13は、加圧空気をノズル10に導くための第1のチャネルとして機能するため、中空である。底部突起13の上部には、空気が流れることができる開口28がある。開口28は、好ましくは、壁の傾斜がない穴である。開口28の幅は、約0.4-0.8mm、より好ましくは0.6mmである。底部突起30と下部ハウジング2の壁の内側との間には、エアロゾル液体のリザーバとして機能する空間11がある。さらに、下部ハウジングは、底部フロア9および/または側壁を介して下部ハウジングに固定される支持フレーム15を含む。支持フレームは、底部突起の上部に配置されたフロート12を支持する。
【0018】
支持フレーム15は、フロートを所定の位置に保持する機能を果たす任意の方法で形成され得る。図2に示す好ましい実施形態では、支持フレームは、底部突起13周囲に対し円周方向に配置された複数の壁として形成されている。これらの壁は上部に小さな支持凹部29を有し、これもまたフロート12を軸方向に安定化させるためにフロート12の支持ノブ27に接続されている。フロート12の開口16は、約3-6mm、好ましくは4.5-5.5mm、最も好ましくは本質的に5mmの距離を有する。
【0019】
フロート12は、中空円筒状に形成される。フロート12の外側は、フロート12の位置が下部ハウジング2内に画定されるように、支持フレーム15と組み合わせ可能でなければならない。フロート12は、底部突起13上に配置され、そして底部突起13を収容する。フロート12の円周方向内側と底部突起の円周方向外側との間には、第2のチャネル14を形成する距離Cが存在する。この第2のチャネル14は、本実施形態ではリング状であり、好ましくは0.2mm-0.6mm、より好ましくは0.35-0.45mm、最も好ましくは0.4mmである。底部突起の上部およびフロート12の上部は、それぞれテーパ状になっている。好ましくは、底部突起13とフロート12のそれそれのテーパ部分の間の距離は距離Cよりも小さく、そしてより正確には距離Cよりも約0.1mm短い距離、特に0.3mmの距離を有する。これは、液体の分散をさらに高める。底部突起13の上部では、フロートの内面と底部突起の外面との間の距離Tが距離Cよりも長くなるように発散しており、その結果、ルーム31または空間31が形成されている。このルーム31では、急激な空間の増加と底部突起の内側溝を通って導かれた圧縮空気により、液体が初めて分散される。フロート12は上部に開口16を有し、この開口を通して流体が装置の内部に噴射される。
【0020】
開口16は、好ましくは開口の上端が下端よりも広くなるようにテーパ状になっている。これは、一種のベンチュリ効果を実現する。最小の部分では、開口16の幅は約0.7-1.1mmであり、好ましくは実質的に0.9mmである。フロート12は下部ハウジング2の底部には接触せず、そのため下部ハウジングの底部とフロート12との間にはギャップ25が存在し、エアロゾル流体が第2のチャネル14に導入され得る。
【0021】
下部ハウジング3の側面には、リザーバにエアロゾル流体を充填するためのサイドチャネル22が設けられ得る。サイドチャネル22は、蓋24によって覆われ得る。本質的には、エアロゾル流体をリザーバに充填する3つの方法がある。第1に、装置が本質的に一度使用可能であるように、エアロゾル流体は事前に充填され得る。第2に、エアロゾル流体は、底部開口5および第1のチャネル8を介して導入され得る。そのためには、装置内に圧縮空気を供給するための空気ホースが、エアロゾル流体を供給するためのホースに接続されなければならない。これは、エアロゾル流体が最初に圧縮空気のチャネルを介して導入され、後述するように、より大きな粒子のみがリザーバ内に逆流することを意味する。そして第3に、装置はサイドチャネル22によって充填され得る。これにより、第1のチャネルのような他の部分を汚染することなく、装置を再使用することができる。
【0022】
以下、図に示される装置10の使用が説明される。最初にシール23が剥がされれ、開口5がチャネル8内に圧縮空気を供給する空気供給部に接続される。圧力は、例えば2バールとされ得るが、装置1の特定の使用のために調整され得る。サイドチャネル22は、エアロゾル流体供給源に接続される。次いで、エアロゾル流体がリザーバ11に導入され、そして空気がチャネル8、ノズル10(すなわち、開口28および16)を通って装置1の内部に流れ込む。空気の流れにより第2のチャネル内で低圧(負圧)が発生され、そしてリザーバ11内のエアロゾルが第2のチャネル14内に吸い込まれ、そしてルーム31内に移送される。このルーム内では、流体の表面張力が破壊され、そして流体が初めて分散する。次に、流体は開口16を通して装置内部の分散部19に排出され、ボルト18によって横方向に向けられる。空間17内では、ノズルの周囲に垂直に回転するサイクロンが生成される。次に、200-300nmより小さい分散された粒子が空気流によって運ばれ、そして周囲に放出される。より大きな粒子は、さらなる分散のためにリザーバ11内に沈み込む。
【0023】
図7に示されるように、本発明は、図8の先行技術のダイアグラムのようなベル形曲線とは異なる分布をもたらす。このことは、質量の大部分が200nm未満のサイズの粒子で構成されることを意味し、そのため粒子の分散が大幅に改善される。
【符号の説明】
【0024】
1 装置、2 下部ハウジング、3 上部ハウジング、5 底部開口、7 開口、8 第1のチャネル、9 底部フロア、10 ノズル、11 リザーバを形成する空間、12 フロート、13 円筒状の底部突起、14 第2のチャネル、15 支持フレーム、16 ノズル開口、17 サイクロン空間、18 ボルト、19 分散部、20 下部ハウジングのフロア、22 サイドチャネル、23 取り外し可能なシール、24 蓋、25 底部ギャップ、27 支持ノブ、28 底部突起の開口、29 支持凹部、30 円筒状の頂部突起、31 ルーム、32 頂部壁、34 上部ハウジングの空間、36 頂部突起の底端、40 マッチング取付具、42 マッチング取付具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8