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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】床用構造体
(51)【国際特許分類】
   E01F 1/00 20060101AFI20220310BHJP
   E01D 19/12 20060101ALI20220310BHJP
   E01D 18/00 20060101ALI20220310BHJP
   E04B 5/02 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
E01F1/00
E01D19/12
E01D18/00 B
E04B5/02 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017127850
(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公開番号】P2019011580
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】511080638
【氏名又は名称】株式会社日本コンポジット工業
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】赤水 清
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真也
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0084523(US,A1)
【文献】特開2012-097554(JP,A)
【文献】特開2002-129699(JP,A)
【文献】特開昭59-085008(JP,A)
【文献】特開2009-035908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01D 19/12
E01D 18/00
E04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に離間する一対の支持体に支持される床用構造体であって、
平面視において前記第1方向と交差する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向を第3方向とし、
板状を成し板厚方向が前記第3方向に沿って配置され、前記第1方向に延在して、天部を構成する上板と、
板状を成し板厚方向が前記第3方向に沿って配置され、前記第1方向に延在して、前記第3方向に前記上板と対向し、底部を構成する下板と、
板状を成し板厚方向が前記第2方向に沿って配置され、前記第1方向に延在して、前記第2方向に対向して前記上板及び前記下板を連結し、一対の側部を各々構成する一対の側板と、
前記上板、前記下板及び前記一対の側板によって囲まれた中空部の内部で、前記第1方向に延在して、前記上板及び前記下板に連結された主桁と、
前記中空部の内部で、前記第2方向に延在し前記主桁と交差し、前記下板及び前記一対の側板に連結され、前記第1方向に所定の間隔で配置された複数の横桁と、を備え、
前記上板の前記第1方向の長さ(L)に対する前記上板の前記第2方向の長さ(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であり、
前記側板は、前記第2方向から見て、前記第1方向における両端部と、前記第1方向において前記両端部の間に位置している中央部であって、下方に膨らむ膨出部を有する前記中央部と、前記両端部と前記膨出部とを繋ぐ一対の拡幅部とを有し、
前記下板は、前記第2方向からみて、前記側板が有する前記両端部、前記中央部および前記拡幅部に対応する両端部、中央部および傾斜部を有し、
前記下板の前記中央部は、前記側板が有する前記膨出部に対応しており下方に膨らむ膨出部を有し、
前記主桁は、前記上板の下面に当接し且つ前記下板の上面に当接し、
前記横桁の前記第2方向に直交する断面がハット形状または矩形状であり、
前記横桁は、
板状を成し板厚方向が前記第3方向に沿って配置され前記第2方向に延在する横桁上板と、
板状を成し板厚方向が前記第1方向に沿って配置され前記第2方向に延在し、前記横桁上板の前記第1方向の両側から下方に張り出す一対の横桁側板と、
を有し、
前記第3方向における前記横桁の長さが、前記下板から中立軸までの高さの1/2以上1/1以下であり、
前記横桁側板は、前記横桁側板の前記第2方向における両端部の下端に切欠き部を有し、
上方から見た単位面積当たりの重量が20kg/m以上50kg/m以下である床用構造体。
【請求項2】
前記側板の前記第1方向の前記両端部の高さ(He)に対する前記側板の前記膨出部の高さ(Hc)の比(Hc/He)は、1以上3以下である請求項1に記載の床用構造体。
【請求項3】
前記主桁は、
前記上板の下面に当接する第1フランジと、
前記下板の上面に当接する第2フランジと、
前記第1フランジ及び前記第2フランジを連結するウェブと、を有する請求項1又は2に記載の床用構造体。
【請求項4】
前記横桁は、板状を成し板厚方向が前記第3方向に沿って配置され前記第2方向に延在し、前記一対の横桁側板に各々連結され、前記下板の上面に当接する一対の横桁フランジを有する、
請求項1~3の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項5】
前記下板が有する前記傾斜部は、前記第3方向に直交する平面に対して、30度以上、60度以下の傾斜角で傾斜している、
請求項1~4の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項6】
前記側板の前記両端部それぞれの前記第1方向の長さ(K)は0.2[m]以上0.3[m]以下であり、
前記側板の前記膨出部の前記第1方向の長さ(L121)が、L121=L-2Kである、
請求項1~5の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項7】
前記上板、前記下板、前記一対の側板、前記主桁及び前記横桁は、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂で一体に形成されている請求項1~6の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項8】
前記上板の板厚の10%以上40%以下は、炭素繊維又はガラス繊維からなり前記第1方向に一方向に連続する連続繊維基材を含む材料で構成されている請求項1~7の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項9】
前記下板の板厚の10%以上40%以下は、炭素繊維又はガラス繊維からなる前記第1方向に一方向に連続する連続繊維基材を含む材料で構成されている請求項1~8の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項10】
前記第1方向の両端部には、取付孔を形成する筒状部が設けられ、
前記取付孔は前記上板から前記下板まで前記第3方向に貫通し、
前記筒状部は、
前記上板側に形成された拡径部と、
段差部を介して前記拡径部に接続され前記拡径部の内径よりも小さい内径を有し前記下板側に形成される鞘管部と、を備える請求項1~9の何れか一項に記載の床用構造体。
【請求項11】
前記床用構造体は前記第2方向に並んで配置されるものであり、
前記側板の外面には、前記第1方向に延在する嵌め部として凹凸形状が形成されている請求項1~10の何れか一項に記載の床用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床用構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、所定の剛性を有する床版として特許文献1に記載のものがある。この特許文献1の床版は、金属製の上板及び下板と、これらの下板と上板との間に充填された軽量材料によって形成されたコア部とを備えている。
【0003】
例えば鉄道用のプラットホームに適用される床版として特許文献2に記載のものがある。この特許文献2の床版は、高強度のコンクリート材料で形成されている。そのため、この床版では、鉄筋又はPC鋼線を配置する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-47936号公報
【文献】特開2012-97554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記の特許文献1、2に記載の床版は重量が大きく、敷設、搬送等に重機が必要であり、取り回しが悪く、工事時間を短縮することが困難であった。
【0006】
本発明は、曲げ剛性を保持しつつ軽量で取扱性が向上された床用構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の床用構造体は、第1方向に離間する一対の支持体に支持される床用構造体であって、平面視において第1方向と交差する方向を第2方向とし、第1方向及び第2方向と交差する方向を第3方向とし、板状を成し板厚方向が第3方向に沿って配置され、第1方向に延在して、天部を構成する上板と、板状を成し板厚方向が第3方向に沿って配置され、第1方向に延在して、第3方向に上板と対向し、底部を構成する下板と、板状を成し板厚方向が第2方向に沿って配置され、第1方向に延在して、第2方向に対向して上板及び下板を連結し、一対の側部を各々構成する一対の側板と、上板、下板及び一対の側板によって囲まれた中空部の内部で、第1方向に延在して、上板及び下板に連結された主桁と、中空部の内部で、第2方向に延在し主桁と交差し、下板及び一対の側板に連結され、第1方向に所定の間隔で配置された複数の横桁と、を備え、上板の第1方向の長さ(L)に対する上板の第2方向の長さ(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であり、側板は、第1方向の中央部において下方に膨らむ膨出部を有し、前記下板は、膨出部に沿って下方に湾曲し、上方から見た単位面積当たりの重量が20kg/m以上50kg/m以下である。
【0008】
この床用構造体は、上板、下板及び一対の側板に囲まれた中空部を有し、この中空部にコンクリート材料を充填する必要がなく、軽量化が図られている。また、床用構造体は、第1方向に延在し、上板及び下板に連結された主桁を備えているので、所定の曲げ剛性を有する。また、床用構造体は、主桁に対して交差するように配置され、下板及び一対の側板に連結された複数の横桁を備えているので、曲げ剛性を保持しつつ軽量化を図ることができる。第1方向の長さ(L)に対する第2方向の長さ(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であるので、床用構造体の重量の増加を抑えつつ必要とする捩り剛性を確保できる。また、床用構造体は、単位面積当たりの重量が20kg/m以上50kg/m以下であるので、軽量化が図られており、重機を使用することなく、作業員が敷設、搬送等を行うことができ、取扱性が向上されている。
【0009】
また、側板の第1方向の両端部の高さ(He)に対する膨出部の高さ(Hc)の比(He/Hc)は、1以上3以下である構成でもよい。この構成の床用構造体では、重量の増加を抑えつつ必要とする曲げ剛性を確保できる。
【0010】
また、主桁は、上板の下面に当接する第1フランジと、下板の上面に当接する第2フランジと、第1フランジ及び第2フランジを連結するウェブと、を有する構成でもよい。この構成の床用構造体では、上板及び下板に作用する力を、H形を成す主桁を介して好適に分散させることができる。
【0011】
また、横桁は、板状を成し板厚方向が第3方向に沿って配置され第2方向に延在する横桁上板と、板状を成し板厚方向が第1方向に沿って配置され第2方向に延在し、横桁上板の第1方向の両側から下方に張り出す一対の横桁側板と、板状を成し板厚方向が第3方向に沿って配置され第2方向に延在し、一対の横桁側板に各々連結され、下板の上面に当接する一対の横桁フランジと、を有する構成でもよい。この構成の床用構造体では、主桁、下板及び一対の下板に作用する力を、横桁を介して好適に分散させることができ、剪断変形が抑えられる。
【0012】
また、上板、下板、一対の側板、主桁及び横桁は、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂で一体に形成されていてもよい。これにより、耐候性、耐食性に優れ、高い曲げ剛性を保持しつつ、軽量で取扱性に優れた床用構造体を実現できる。
【0013】
また、上板の板厚の10%以上40%以下は、炭素繊維又はガラス繊維からなり第1方向に一方向に連続する連続繊維基材を含む材料で構成されていてもよい。
【0014】
また、下板の板厚の10%以上40%以下は、炭素繊維又はガラス繊維からなり第1方向に一方向に連続する連続繊維基材を含む材料で構成されていてもよい。
【0015】
また、第1方向の両端部には、取付孔を形成する筒状部が設けられ、取付孔は上板から下板まで第3方向に貫通し、筒状部は、上板側に形成された拡径部と、段差部を介して拡径部に接続され拡径部の内径よりも小さい内径を有し下板側に形成された鞘管部と、を備える構成でもよい。
【0016】
また、床用構造体は第2方向に並んで配置されるものであり、側板の外面には、第1方向に延在する嵌め部として凹凸形状が形成されている構成でもよい。
【0017】
また、本発明の床用構造体は、第1方向に離間する一対の支持体に支持される床用構造体であって、平面視において第1方向と交差する方向を第2方向とし、第1方向及び第2方向と交差する方向を第3方向とし、板状を成し板厚方向が第3方向に沿って配置され第1方向に延在して天部を構成する上板と、第2方向における両端部で上板に連結されて下方に張り出すと共に第1方向に延在する一対の主桁と、一対の主桁間で、第2方向に延在し、一対の主桁の下部側に連結され、第1方向に所定の間隔で配置された複数の横桁と、を備え、上板の第1方向の長さ(L)に対する上板の第2方向(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であり、一対の主桁は、第1方向の中央部において下方に膨らむ膨出部を有し、上方から見た単位面積当たりの重量が20kg/m以上50kg/m以下である。
【0018】
この床用構造体は、上板、下板及び一対の側板に囲まれた空間にコンクリート材料を充填する必要がなく、軽量化が図られている。また、床用構造体は、第1方向に延在し、上板に連結された一対の主桁を備えているので、所定の曲げ剛性を有する。また、床用構造体は、主桁に対して交差するように配置され、一対の側板に連結された複数の横桁を備えているので、第2方向の剛性を増すことができ、主桁及び対向する一対の側板に発生する剪断力を緩和することができる。第1方向の長さ(L)に対する第2方向の長さ(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であるので、床用構造体の重量の増加を抑えつつ必要とする捩り剛性を確保できる。また、床用構造体は、単位面積上がりの重量が20kg/m以上50kg/m以下であるので、軽量化が図られており、重機を使用することなく、作業員が敷設、搬送等を行うことができ、取扱性が向上されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、曲げ剛性を保持しつつ軽量で取扱性が向上された床用構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る床用構造体を示す斜視図である。
図2図1に示す床用構造体の側面図である。
図3図1に示す床用構造体の側板の第1方向の端部を示す側面図である。
図4図1に示す床用構造体の内部構造を示す部分切欠斜視図である。
図5図1に示す床用構造体を第1方向から見た図である。
図6図1に示す床用構造体の中央部を第1方向から見た断面図である。
図7図1に示す床用構造体の内部に配置された主桁及び横桁の交差部を示す斜視図である。
図8図1に示す床用構造体の取付孔の第2方向に直交する断面図である。
図9図1に示す床用構造体の取付孔を示す部分断面図である。
図10】横桁の幅(Y)、高さ(Y)、配置間隔(Y)を示す図である。
図11】FRP板に異なる径の孔を開け、引張試験を実施した結果を示すグラフである。
図12図12(a)は、第1変形例に係る床用構造体の第1方向に直交する断面図である。図12(b)は、第2変形例に係る床用構造体の第1方向に直交する断面図である。
図13図13(a)は、第3変形例に係る床用構造体の第2方向に直交する断面図である。図13(b)は、第4変形例に係る床用構造体の第2方向に直交する断面図である。図13(c)は、第5変形例に係る床用構造体の第2方向に直交する断面図である。
図14図14(a)は、第6変形例に係る床用構造体の第1方向に直交する断面図である。図14(b)は、第7変形例に係る床用構造体の第1方向に直交する断面図である。
図15図15(a)は、第8変形例に係る床用構造体の第1方向の端部を示す側面図である。図15(b)は、第9変形例に係る床用構造体の第1方向の端部を示す側面図である。
図16図16(a)は、第10変形例に係る床用構造体を示す側面図である。図16(b)は、第11変形例に係る床用構造体を示す側面図である。
図17】第2実施形態に係る床用構造体の端部を示す斜視図である。
図18】第3実施形態に係る床用構造体を示す斜視図である。
図19】第4実施形態に係る床用構造体の第1方向の端部の取付構造を示す断面図であり、第2方向に直交する断面図である。
図20】第5実施形態に係る床用構造体の第1方向の端部の取付構造を示す断面図であり、第2方向に直交する断面図である。
図21】第6実施形態に係る床用構造体の第1方向の端部の取付構造を示す断面図であり、第2方向に直交する断面図である。
図22】実施例1に係る床用構造体の製造工程における状態を示す断面図であり、第1方向に直交する断面図である。
図23】力学モデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
(中央たわみ)
まず、一様断面形状の両端支持の床用構造体の中央たわみ(δc)について説明する。一様断面形状の両端支持の床用構造体の中央たわみ(δc)は、下記式(1)で求められる。
【数1】

(δc:中央部のたわみ、(El):曲げ剛性、ω:群集荷重、L:支持スパン)
【0023】
曲げ剛性(El)を大きくすれば、中央部のたわみδcが小さくなる。下部構造物である受桁による支持スパンLが[3m]、[4m]、[5m]と大きくなるにつれて、たわみδcは指数的に増大するため、それに伴って床用構造体の重量も増大する。
【0024】
式(1)により、支持スパンLが大きくなるにつれて、所望するたわみδcを保持するには、必然的に床用構造体100の高さを増して、曲げ剛性を大きくする必要がある。
【0025】
しかしながら、例えば駅のプラットホームに設置される床用構造体の場合、床用構造体の高さをむやみに大きくすることができない事象がある。床用構造体100の上面は、乗客の歩行帯であって平坦であることが好ましい。プラットホームの高さは、列車の乗車口の高さによって決められる。受桁190の高さは、床用構造体100の下部に設けられる待避スペースの高さによって決められる。床用構造体100のたわみ振動の固有振動数が、2[Hz]に近い場合には、たわみ振動の振幅が大きくなり、歩行者に対して不快感を与え、床用構造体100に対しても好ましくない影響を及ぼすおそれがある。
【0026】
床用構造体100では、以下の条件(1)~(4)を満たすことが好ましい。
(1) 「立体横断施設技術基準・同解説」の指針に基づく条件を満たすことが好ましい。
(a)活荷重である群集荷重(5[kN/m])負荷時のたわみが、支持スパンLの1/500以下であることが好ましい。
(b)床用構造体100のたわみ振動の固有振動数(2[Hz])を回避することが好ましい。
(2) 上方から見た場合の投影面積当たりの床用構造体100の重量を20~50[kg/m]とし取扱性を向上させて、人力で床用構造体100を運搬可能とすることが好ましい。
(3) 活荷重である群集荷重(5[kN/m])での疲労に、200万回耐えることが好ましい。
(4) 床用構造体100の線路側先端への偏芯荷重よる捩りによる変形を小さく抑える構造であることが好ましい。
【0027】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態の床用構造体100について説明する。説明の便宜上、直交する3方向を第1方向Y、第2方向X、第3方向Zとする。第1方向Yは、床用構造体100の長手方向であり、線路が延在する方向である。第2方向Xは、床用構造体100の幅方向であり、線路の幅方向に沿う方向である。第3方向Zは床用構造体100の高さ方向であり、上下方向である。
【0028】
図1図10に示されるように、床用構造体100は、中空の箱形を成すように形成されている。床用構造体100は上板110、下板120及び一対の側板130を備え、角筒状を成している。床用構造体100の第1方向Yに直交する断面は矩形状を成している。上板110は床用構造体100の天部を成し、下板120は100の底部を成している。上板110の板厚方向及び下板120の板厚方向は第3方向Zに沿うように配置されている。上板110及び下板120は、第3方向Zに対向して配置されている。
【0029】
一対の側板130は床用構造体100の側部を成している。一対の側板130の板厚方向は第2方向Xに沿うように配置されている。一対の側板130は、第2方向Xに対向して配置されている。
【0030】
床用構造体100の第2方向Xの長さ(W)と、第1方向Yの長さ(L)との比率である細長比(W/L)は、下記式(2)を満たす。
1/10≦W/L≦1/1…(2)
【0031】
上板110の上面は、例えば平坦面を成している。下板120は、図2図4に示されるように、下方に凸に膨らむように形成されている(膨出部)。下板120の第1方向Yの中央部121は、下板120の両端部122よりも下方に配置されている。下板120の中央部121及び両端部122は、第2方向Xから見た場合に、第1方向Yに対して例えば平行に配置されている。
【0032】
下板120は、中央部121及び両端部122に対して傾斜する傾斜部170を有する。傾斜部170は、第2方向Xから見た場合に、中央部121と両端部122との間で、第1方向Yに対して傾斜している(XY面に対して傾斜している)。傾斜部170は、中央部121の第1方向Yの端部から斜め上方に延びている。端部122は、傾斜部170の上端部から折れ曲がり、第1方向Yに沿って延びている。
【0033】
側板130は、中央部131、端部132及び拡幅部133を有する。中央部131は、側板130の第1方向Yの中央部に形成され、下板120の中央部121に対応する部分である。図3に示されるように、中央部131の第3方向Zの長さHcは、第1方向Yにおいて例えば一定である。端部132は、側板130の第1方向Yの両端部にそれぞれ形成され、下板120の端部122に対応する部分である。端部132の第3方向Zの長さHeは、第1方向Yにおいて例えば一定である。また、側板130の膨出部は、端部132より下方に張り出す部分である。
【0034】
拡幅部133は、側板130の第1方向Yにおいて、中央部131と端部132との間に形成され、下板120の傾斜部170に対応する部分である。拡幅部133の下辺は、傾斜部170に沿うように傾斜している。拡幅部133は、中央部131と端部132とを連結している。そして、中央部131及びその両側の拡幅部133は、下方に凸である台形状を成している。
【0035】
また、床用構造体100は、図1及び図4に示されるように、主桁150及び横桁160を有する。主桁150は第1方向Yに沿って延在し、横桁160は第2方向Xに沿って延在し、主桁150に対して交差している。床用構造体100は、複数の横桁160を有する。
【0036】
(主桁150の説明)
図4図7に示されるように、主桁150は、床用構造体100の中空部に配置されている。主桁150の第1方向Yに交差する断面は、例えばH形を成している。主桁150は、一対のフランジ(第1フランジ、第2フランジ)150a及びウェブ150bを有する。フランジ150aの板厚方向は第3方向Zに沿って配置され、ウェブ150bの板厚方向は第2方向Xに沿って配置されている。主桁150は、床用構造体100の第2方向Xの中央に配置されている。
【0037】
第2方向Xから見た場合、主桁150の形状は、側板130の形状に対応している。主桁150のウェブ150bの形状は、中央部131、端部132、拡幅部133に対応している。主桁150の上側のフランジ150aは、第1方向Yの全長にわたって、上板110の下面に当接している。主桁150の下側のフランジ150aは、第1方向Yの全長にわたって、下板120の上面に当接し、中央部121、両端部122、及び一対の傾斜部170に当接している。
【0038】
図7に示されるように、主桁150には横桁160を貫通させる貫通部が設けられている。ウェブ150bにはその板厚方向に貫通する貫通部が設けられている。また、下側のフランジ150aは貫通部を形成すべく第1方向Yに離間して配置されている。主桁150の貫通部の形状は、横桁160の形状に対応している。
【0039】
(横桁160の説明)
横桁160は、第2方向Xに交差する断面において例えばハット形を成している。横桁160は、天板(横桁上板)161、一対の側板(横桁側板)162及び一対のフランジ(横桁フランジ)163を有する。天板161は、横桁160の天部を構成する。天板161の板厚方向は、第3方向Zに沿うように配置されている。
【0040】
一対の側板162は、第1方向Yに対向して配置されている。一対の側板162の板厚方向は、第1方向Yに沿うように配置されている。一対の側板162は、天板161の第1方向Yの端部から下方に張り出すように形成されている。
【0041】
一対のフランジ163は、一対の側板162の下端部から第1方向Yの外側に張り出している。一対のフランジ163の板厚方向は、第3方向Zに沿うように配置されている。一対のフランジ163の下面は、下板120の上面に当接している。
【0042】
また、一対の側板162の第2方向Xの両端部の下端には、切欠き部164が設けられている。切欠き部164の形状は、第1方向Yから見て例えば矩形を成すように形成されている。これにより、横桁160の内部が密閉構造とならないように成っている。また、一対のフランジ163の第2方向Xの長さは、一対の側板162の第2方向Xの長さより短くなっている。例えば、フランジ163の第2方向Xの長さは、第2方向Xに離間する一対の切欠き部164間の長さに対応している。
【0043】
また、図7に示されるように、下板120には板厚方向に貫通する水抜き穴250が形成されている。水抜き穴250は、第2方向Xにおいて、主桁150を挟むように両側に配置されている。また、水抜き穴250は、第1方向Yにおいて横桁160の天板161に覆われる位置に設けられている。
【0044】
この水抜き穴250の内径は、下板120の第2方向Xの長さ(W)の10%未満の大きさとなっている。ただし、穿孔する穴径の合計は、下板120の第2方向Xの長さ(W)の10%未満である。これにより、水抜き穴250の周囲の補強を無くしても下板120の強度低下を抑制できる。また、床用構造体100では、水抜き穴250が形成されているので、床用構造体100の内部で結露した水を床用構造体100の外部に排出することができる。
【0045】
(床用構造体100の設置構造)
床用構造体100は、例えば地上から1[m]の高さに設置される。これにより、床用構造体100の下方に待避空間が形成される。なお、床用構造体100は、地上から1[m]の高さに設置されるものに限定されず、床用構造体100の設置高さは、1[m]以下でもよく、1[m]以上でもよい。また、床用構造体100の下方に待避空間が設けられていてもよく、床用構造体100の下方に待避空間が設けられていないものでもよい。
【0046】
床用構造体100は、例えばプラットホーム本体から、線路側に張り出すように設置されている。床用構造体100は、プラットホーム本体から線路側に張り出す受桁(下部構造物、受桁)190上に掛け渡されている。受桁190は、例えばH形鋼であり、第2方向Xに延在し、第1方向Yに例えば3[m]~5[m]の間隔で配置されている。床用構造体100は、受桁190の上側のフランジ190aに支持され、固定されている。
【0047】
(床用構造体100の取付構造)
図8及び図9に示されるように、床用構造体100は第1方向Yの両端部に取付部(筒状部)200を有する。取付部200は、第3方向Zに貫通する取付孔を形成する。取付部200は、上板110側に形成された拡径部205と、この拡径部205に連通する鞘管部210とを有する。
【0048】
拡径部205は、円筒状を成し、座金240及びナット230が収容される部分である。拡径部205の底部には段差面(段差部)が設けられ、この段差面は拡径部205の内周面と、鞘管部210の内周面とを接続している。
【0049】
鞘管部210は、拡径部205よりも内径が小さい円筒状を成している。鞘管部210は下板120側に形成されている。そして、Lボルト220が下方から挿通されて、Lボルト220の上端部のおねじ部は、拡径部205内に到達している。おねじ部に装着されたナット230を締め付けることで、座金240が拡径部205の底部の段差面に押し当てられる。
【0050】
Lボルト220の下部側の屈曲部分は、第1方向Yに延在し、受桁190の上側のフランジ190aの下面に当接している。フランジ190aは、下板120及びLボルト220の下部側の屈曲部分によって、第3方向Zの両側から挟まれている。そして、ナット230を締め付けることで、フランジ190aに対して、床用構造体100が固定される。
【0051】
なお、下部構造物に対する床用構造体100の固定は、受桁190に対してLボルト220を用いて固定する形態に限定されず、受桁190に設けられたスタットボルトを介して、床用構造体100を固定してもよい。
【0052】
(繊維強化樹脂)
床用構造体100の上板110、下板120、一対の側板130、主桁150及び横桁160は、繊維強化樹脂で一体に形成されている。この繊維強化樹脂は、少なくとも連続強化繊維から成る織物基材を含んでいる。
【0053】
このような繊維強化樹脂で形成された床用構造体100は、「塩害」および「凍結・融解」によって生じるひび割れ(クラック)の進展を抑制できるので、耐久性が向上され、各々の板状の構造部位の面内剛性を高くすることができる。これにより、床用構造体100の軽量化を図りつつ曲げ剛性を確保することができる。
【0054】
また、上板110において、第1方向Yに一方向に連続すると共に板厚方向に積層される炭素繊維またはガラス繊維からなる連続繊維基材の占める繊維体積含有率は、10%以上40%以下であることが好ましく、20%以下30%以下で構成されていることがより好ましい。これにより、上板110の第1方向Yの曲げ剛性を向上させることができるので、一層の軽量化を図ることができる。
【0055】
同様に、下板120において、第1方向Yに一方向に連続すると共に板厚方向に積層される炭素繊維またはガラス繊維からなる連続繊維基材の占める繊維体積含有率は、10%以上40%以下であることが好ましく、20%以下30%以下で構成されていることがより好ましい。これにより、下板120の第1方向Yの曲げ剛性を向上させることができるので、一層の軽量化を図ることができる。
【0056】
(繊維強化樹脂の強化繊維について)
繊維強化樹脂の強化繊維として、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などを単独で又は組み合わせて用いることができる。炭素繊維が含まれることによって、比強度・比剛性が向上し、これによって成形体の軽量化を一層図ることができる。
【0057】
なお、強化繊維の形態としては、例えば、「繊維長が1~3mmである短繊維やマット」、「連続繊維からなるクロス」、「ストランド」などを適宜組み合わせた基材が例示される。
また、繊維強化樹脂とするためのマトリックス樹脂は特に限定しないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0058】
(繊維強化樹脂の成形方法)
繊維強化樹脂を形成する成形方法としては、マトリックス樹脂を用いることができる。あるいは、繊維強化樹脂を形成する成形方法としては、強化繊維の形態によっては真空、ブロー、スタンピング、BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)、トランスファー成形、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)、ハンドレイアップ成形などの様々な方法を用いて容易に形成することができる。
【0059】
さらに、充填材に、粘性を増すための粉体(例えば、炭酸カルシウムや砂等)の他、層状化合物(例えば、マイカ、二硫化モリブデン、窒化硼素など)、針状化合物(例えば、ゾノトライト、チタン酸カリ、炭素繊維など)、粒状、又はシート状化合物(例えば、フェライト、タルク、クレーなど)を添加してもよい。これにより、無機物結晶同士又は無機物とマトリックスとの相互運動による摩擦熱への変換がなされる。マトリックス樹脂に対して充填材(フィラー)を充填することによって弾性率と密度が増大され、振動に対する抵抗が増し、制振特性が向上する。このような床用構造体100をプラットホームの床材として用いることで、振動が低減される。
【0060】
(充填剤に添加される添加剤について)
また、充填材に、例えば、水酸化アルミニウム、臭素、無機質粉などを添加してもよい。これにより、床用構造体100の難燃性を向上させることができる。その結果、鉄道難燃性によりプラットホームを構築することができる。
【0061】
(床用構造体100の単位面積当たりの重量について)
床用構造体100の単位面積当たりの重量は、20kg/m以上50kg/m以下となっている。この単位面積は、上方から床用構造体100を見た場合の単位面積である。
【0062】
(中央部のたわみについて説明)
図23に示されるような両端単純支持梁のモーメントは、下記式(3)によって示される。
【数2】
【0063】
たわみ方程式は、下記式(4)によって表される。
【数3】
【0064】
下記式(5)の条件の下、各部位(端部410、拡幅部420、中央部430)におけるたわみ角及びたまみはそれぞれ、下記の表1のように表現できる。
【数4】

【表1】
【0065】
A点及びF点は、床用構造体100において、第1方向Yの端部である。B点及びE点は、第1方向Yにおいて、端部132と拡幅部133との境界に対応する位置である。C点及びD点は、第1方向Yにおいて、拡幅部133と中央部131との境界に対応する位置である。
【0066】
A点、B点、C点、および中央(A点とF点との中央)の境界条件は下記の表2の通りである。
【表2】
【0067】
これより、各点(A点、B点、C点、中央)の積分定数を求めると、下記の表3のように表現できる。
【表3】
【0068】
従って、中央のたわみはC-D間のたわみ式に下記式(11)を代入すると下記式(12)が得られる。
【数5】
【0069】
よって支持スパンLに対するたわみ比δを求めると、下記式(13)が成り立つ。
床用構造体100は、下記式(13)を満たしている。
【数6】

(δc:中央部のたわみ、(El):曲げ剛性、ω:群集荷重、L:支持スパン)
【0070】
式(13)における積分定数Cは、上記式(10)を式(8)に代入し、各々の曲げ剛性を代入し、定数Cを求める。以下定数C3を式(6)に代入して、定数Cを求め、この定数Cと定数Cを式(7)に代入してCを求め、定数C、定数C、定数Cを式(9)に代入して求める。
【0071】
従って、取付部(端部410)、傾斜部(拡幅部420)、中央部430の曲げ剛性比の相関関係によって、床用構造体100の中央のたわみが決まることになる。
【0072】
(側板の中央部の長さ)
次に、図2を参照して、側板130の中央部131の第1方向Yの長さ(L121)について説明する。中央部131の長さ(L121)は、下記式(14)を満たすことが好ましい。
121=L-2K…(14)
【0073】
ここで、「K」は側板130の端部132の第1方向Yの長さである。端部132の長さ(K)は、第1方向Yにおいて、傾斜部170よりも外側の部分の長さであり、例えば0.2[m]以上0.3[m]以下であり、構造上、受桁190に支持固定可能な最小長さである。端部132の長さ(K)が、0.3[m]以上になると、要求される許容たわみを確保するために、床用構造体100の重量の増加が必要となる。上記のように、取付部、傾斜部、中央部の曲げ剛性比の相関関係によって、たわみに影響するので、傾斜部170は、L121に含まない。
【0074】
(横桁の寸法)
次に、図10を参照して、横桁160の寸法の一例について説明する。横桁160の幅(Y)は、天板161の第1方向Yの長さである。横桁160の幅(Y)は、床用構造体100の上板110の第2方向Xの長さ(W)に対して1/3以上1/2以下であることが好ましい。
【0075】
横桁160の第1方向Yにおける配置間隔(Y)は、下板120の中央部121の第1方向Yの長さL121の(n+1)等分であることが好ましい。ここで、「n」は、中央部121の第1方向Yの長さL121の小数点以下を切り上げた自然数である。例えば、L121が3.4mであれば、n=4となる。このように、横桁160の配置間隔(Y)を設定することで、床用構造体100の重量の増加を最小限に抑えつつ、捩り荷重に対する必要な断面性能を確保することができる。
【0076】
横桁160がないとした場合の床用構造体100の横断面構成において、曲げ荷重による一対の側板130及び主桁150のウェブ150bに発生する剪断応力の最大値は、第1方向Yの中立軸N上にある。床用構造体100の軽量化を考慮した場合、横桁160の第3方向Zにおける長さ(Y)は、下板120から中立軸Nまでの高さ(Y)の1/2以上1/1以下であることが好ましい。これにより、横桁160と主桁150のウェブ150bとの当接部分の繊維補強、及び横桁160と一対の側板130との当接部分の繊維補強による相互作用によって、床用構造体100に作用する剪断応力を緩和することができる。
【0077】
このような床用構造体100では、上板110、下板120及び一対の側板130に囲まれた中空部を有し、この中空部にコンクリート材料を充填する必要がなく、軽量化を図ることができる。また、床用構造体100は、第1方向Yに延在し上板110及び下板120に連結された主桁150を備えているので、所定の曲げ剛性を有する。また、床用構造体100は、主桁150に対して交差するように配置され、下板120及び一対の側板130に連結された複数の横桁160を備えているので、曲げ剛性を保持しつつ軽量化を図ることができる。第1方向の長さ(L)に対する第2方向の長さ(W)の比である細長比(W/L)は、1/10以上1/1以下であるので、床用構造体の重量の増加を抑えつつ必要とする捩り剛性を確保できる。また、床用構造体100は、単位面積当たりの重量が20[kg/m]以上50[kg/m]以下であるので、軽量化を図ることができ、重機を使用することなく、作業員が敷設、搬送等を行うことができ、取扱性を向上されることができる。
【0078】
側板130の第1方向Yの両端部132の高さ(He)に対する膨出部の高さ(Hc)の比(Hc/He)は、1以上3以下であるので、重量の増加を抑えつつ必要とする曲げ剛性を確保できる。
【0079】
また、主桁150は、上板110の下面に当接するフランジ150aと、下板120の上面に当接するフランジ150aと、上下のフランジ150aを連結するウェブ150bと、を有する構成であるので、上板110及び下板120に作用する力を、H形を成す主桁150を介して好適に分散させることができる。
【0080】
また、上板110、下板120、一対の側板130、主桁150及び横桁160は、連続強化繊維から成る織物基材を含む繊維強化樹脂で一体に形成されているので、耐候性、耐食性に優れ、高い曲げ剛性を保持しつつ、軽量で取扱性に優れた床用構造体を実現することができる。
【0081】
(傾斜部170の効果)
また、床用構造体100は傾斜部170を有するので、形状変化を緩くすることで、断面形状の急激な変化を防止して、コーナ部(形状不連続部)における応力集中が緩和される。例えば、直角のコーナ部を有する構成であると、このコーナ部での応力集中が増大し、繊維基材の剥離などが生じてしまい破壊基点となるおそれがある。
【0082】
また、図3及び図8に示されるように、下板120の傾斜部170は、第2方向X及び第1方向Yに沿うXY面に対して、傾斜角θで傾斜している。傾斜角θは、例えば30度以上、60度以下であることが好ましい。また、傾斜部170の端部であるコーナ部のRを大きくすることにより、応力集中を小さくすることができる。
【0083】
(開口部180の効果)
また、床用構造体100は、両端部に開口部180が形成され、第1方向Yに連続する中空構造体であるので、信号線や照明用電力線を配置することができる。これらの信号線及び照明用電力線を床用構造体100の第1方向Yに沿って配置することができる。これにより、信号線及び照明用電力線が外部に露出されることが防止されるので、プラットホーム上における景観を良好にすることができる。なお、床用構造体100は、開口部180が形成されていない構成でもよい。
【0084】
(横桁160による効果)
また、床用構造体100では、複数の横桁160が設けられているので、重量の軽減を図りつつ捩れによる変形を抑えることができる。
【0085】
また、床用構造体100では、主桁150と横桁160と直交して連結されていると共に、横桁160が一対の側板130に連結されているので、曲げ荷重が作用しても、側板130が第2方向Xの外側に膨らむ変形を抑制することができる。また、乗客の乗降時に、床用構造体100の線路側先端に、群集荷重が作用する偏芯荷重による捩り力が発生しても、一対の側板130変形が抑制される。具体的には第2方向Xの内側に凹むような変形が抑制される。
【0086】
また、床用構造体100では、横桁160に切欠き部164が設けられているので、横桁160の内部が閉空間とならない。そのため、例えば気温の上昇により横桁160の内部の空気が膨張しても、床用構造体100の変形が抑制される。具体的には、下板120の下方への膨らみが抑制される。
【0087】
また、床用構造体100では、下板120に水抜き穴250が設けられているので、中空構造の内部で生じた結露水を外部に排出することができる。また、この水抜き穴250の穴径が第2方向Xの長さ(W)の10%以下となっているので、水抜き穴250の穴廻りの補強をしない場合であっても、強度低下が抑制されている。
【0088】
図11は、FRP板に異なる径の孔を開け、引張試験を実施した結果を示すグラフである。横軸に試験片幅(w)[m]に対する孔の径(d)[m]の比(d/w)を示し、縦軸に最小断面の平均強度[MPa]を示している。この結果では、比(d/w)が0.1[10%]以下であれば、最小断面の平均強度の低下を抑制できることが分かった。
【0089】
(実施例1)
次に、実施例1に係る床用構造体100について説明する。図1及び図2に示されるように、実施例1の床用構造体100では、第1方向Yの長さ(L)を5[m]、第2方向Xの長さである幅Wを0.5[m]とした。また、実施例1では、端部132の第1方向Yの長さLeを0.2[m]、端部132の第3方向Zの長さHeを0.15[m]とした。
【0090】
実施例1では傾斜部170の第1方向Yに沿った長さL170を0.1[m]とした。実施例1では、傾斜部170の下板120の中央部121に対する傾斜角θを45度とした。
【0091】
実施例1では、下板120の中央部121の第1方向Yの長さ(L121)を4.4[m]とし、側板130の中央部131の第3方向Zの長さ(Hc)を0.25[m]とした。この中央部131を第2方向Xから見た場合には、下方に凸である逆台形状となっている。
【0092】
(実施例1の製造方法)
次に実施例1の床用構造体100の製造方法について説明する。まず、第1工程(ステップS1)では、上板110を成形するための第1成形型を準備する。具体的には、床用構造体100の両端部の取付部200の拡径部205を成形するための凸形を有する第1成形型を準備する。この第1成形型には、上板110の上面を成形するための平坦面が形成されている。
【0093】
次に、下板120及び一対の側板130を成形するための第2成形型320(図22参照)を準備する。第2成形型320の第1方向Yに交差する断面形状は、下板120及び一対の側板130に対応して、例えばU字形を成している。また、第2方向Xから第2成形型320を見た場合には、側板130の形状に対応して、中央部が下方に凸である逆台形状を成している。
【0094】
次に、主桁150を成形するための第3成形型を準備する。第2方向Xから第3成形型を見た場合には、主桁150の形状に対応して、中央部が下方に凸である逆台形状を成している。第3成形型は、主桁150のフランジ150a及びウェブを一体成形するために、第1方向Yから見て第2方向Xに対向する一対の雄型となっている。
【0095】
次に、横桁160を成形するための第4成形型を準備する。第4成形型は横桁160の形状に対応した凸状の雄型となっている。
【0096】
次に、第2工程(ステップS2)では、第1成形型、第2成形型320、第3成形型、第4成形型に離型材を塗布した。その後、第1成形型及び第2成形型320には、約500[g/m]~800[g/m]のゲルコートを塗布した。
【0097】
ここで、成形方法の説明上、図22に示されるように、床用構造体100を上部成形体10、内部成形体20、下部成形体30に区分けする。上部成形体10は、上板110である。内部成形体20は、内装される部品であり、主桁150、横桁160及びLアングル140を有する。下部成形体30は、下板120及び側板130を有す。
【0098】
床用構造体100に使用される強化繊維基材は、チョップドストランドマット、ガラスロービングクロス、炭素繊維一方向クロスを含む。
【0099】
チョップドストランドマット(以下マットと称す)は、ガラス繊維を所定の長さに切断し、ランダムに分散させシート状の基材である。床用構造体100に使用されたマットは、繊維目付が300[g/m]のマットMC300(商品名、日東紡株式会社製)と、繊維目付が450[g/m]のマットMC450(商品名、日東紡株式会社製)である。
【0100】
ガラスロービングクロスは、ガラスロービングを縦糸・横糸に用いた織物である。床用構造体100に使用された織物は、平織織物であり、繊維目付が800[g/m]のロービングクロスWR800(商品名、日東紡株式会社製)である。
【0101】
炭素繊維一方向クロスは、炭素繊維を縦糸(本構造体の長手方向配向)に用い、ガラス繊維フィラメントをバラけ止めとして横糸に用いた織物である。炭素繊維一方向クロスは、繊維目付が200[g/m]の一方向クロスUT70-20G(商品名、東レ株式会社製)である。
【0102】
床用構造体100の成形に使用される樹脂は、難燃性を付与するために、水酸化アルミニウムが30部加えられた不飽和ポリエステル樹脂である。(以下「難燃樹脂」と称す。)
【0103】
上部成形体10、内部成形体20及び下部成形体30の接合に使用される樹脂は、難燃樹脂に、3[mm]の長さにカットされたガラス繊維であるフィラーを10部加えると共に、増粘材としてタルクを20部加えたパテ状の樹脂である(以下「接合樹脂」と称す)。床用構造体100の成形方法において、ハンドレイアップ成形法を用いた。
【0104】
次に、第3工程(ステップS3)では、上部成形体10を成形した。ここでは、上板110の第1方向Yの両端部の拡径部205を形成しながら、第1成形型上に、第1層~第5層を順に積層した。
第1層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第2層の積層では、ロービングクロスWR800に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第3層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第4層の積層では、一方向クロスUT70-20Gに難燃樹脂を含浸しつつ、これを3枚積層した。
第5層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
【0105】
第5層の積層を行い、樹脂が硬化した後、第1成形型から脱型して、上部成形体10を得た。
【0106】
次に、第4工程(ステップS4)では、下部成形体30の下板120及び側板130を成形した。ここでは、U字形を成す雌型である第2成形型320の内面に、第1層~第3層を順に積層した。
第1層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第2層の積層では、ロービングクロスWR800に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第3層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
【0107】
次に、第4工程において、下板120に対応する部分に、第4層及び第5層を順に積層した。
第4層の積層では、一方向クロスUT70-20Gに難燃樹脂を含浸しつつ、これを3枚積層した。
第5層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第5層の積層を行い、第2成形型320上で樹脂を硬化させ、下部成形体30を得た。
【0108】
次に、第5工程(ステップS5)では、内部成形体20の主桁150、横桁160及びLアングル140を成形した。主桁150の成形では、一対の雄型の第3成形型のそれぞれに、第1層~第3層を順に積層した。
第1層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第2層の積層では、ロービングクロスWR800に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第3層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
【0109】
第1層~第3層を積層した後、難燃樹脂を含浸したマットMC450を介して、第3成形型とともに、ウェブ部(150b)を貼り合わせてクランプし、樹脂が硬化した後、第3成形型から脱型して、主桁150を得た。
【0110】
次に、第5工程において、主桁150の下部のフランジ150a側に、後述する横桁160を挿通させるための切り欠きを、第1方向Yに所定の間隔で、所定の本数分加工した。
【0111】
横桁160の成形では、雄型の第4成形型上に第1層~第3層を順に積層した。
第1層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第2層の積層では、ロービングクロスWR800に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第3層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
【0112】
第1層~第3層を積層した後、樹脂を硬化させ、第4成形型から脱型して、横桁160を得た。
【0113】
Lアングル140の成形では、L形の成形型に第1層~第3層を順に積層した。
第1層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第2層の積層では、ロービングクロスWR800に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
第3層の積層では、マットMC300に難燃樹脂を含浸しつつ積層した。
【0114】
第1層~第3層を積層した後、樹脂を硬化させ脱型して、Lアングル140を得た。
【0115】
次に、図1及び図22(a)を参照して、第6工程(ステップS6)について説明する。第6工程では、下部成形体30に対して内部成形体20を配置した。ここでは、接合樹脂を用いて接着しながら、横桁160、主桁150及びLアングル140の順で配置した。
【0116】
横桁160の配置では、横桁160の天板161を上にして、横桁160の長手方向を第2方向Xに沿うようにして、第1方向Yに所定の間隔で下板120上に複数本配置した。
【0117】
主桁150の配置では、第2方向Xの中央で、第1方向Yに複数の横桁160を跨ぐように下板120上に主桁150を配置した。
【0118】
Lアングル140の配置では、第1片を側板130の上部内面に当接し、第2片が第2方向Xの内側に張り出すように配置する。第2片の上面を、主桁150の上部のフランジ150aと面一とする。
【0119】
次に、第7工程(ステップS7)では、主桁150と横桁160との当接部及び交差部のコーナを補強するために、マットMC450に難燃樹脂を含浸しつつ、このマットMC450でオーバレイアップする。同様に、Lアングル140の内側のコーナを上記同様に、補強するために、マットMC450に難燃樹脂を含浸しつつ、このマットMC450でオーバレイアップする。なお、「オーバレイアップする」とは、補強、部材などの接合のために、繊維基材を積層することをいう。このように、オーバレイアップし、樹脂を硬化させて、図22(a)に示されるように、内部成形体20と下部成形体30との接合体を得た。
【0120】
次に、第8工程(ステップS8)では、図22(b)に示されるように、下部の接合体(内部成形体20+下部成形体30)に上部成形体10を接合するための接着層145を形成した。以下の3つの工程(ステップS81~ステップS83)を実施し、一対のLアングル140の上面及び主桁150のフランジ150aの上面に、接着層145を形成した。
【0121】
具体的には、マットMC450に難燃樹脂を含浸したガラスマット145aを置く(ステップS81)。次に、ガラスマット145aに対して、接合樹脂145bを塗布する(ステップS82)。さらにその上に、マットMC450に難燃樹脂を含浸したガラスマット145cを置く(ステップS83)。
【0122】
次に、第9工程(ステップS9)では、図22(c)で示されるように、第8工程で形成された接着層145の上に、上部成形体10を、そのゲルコート面を上にして、その上に重しを置いて、圧着しつつ樹脂を硬化させた。樹脂を硬化させた後、第2成形型320から脱型して、床用構造体100を得た。
【0123】
次に、第10工程(ステップS10)では、図9に示されるように、取付部200を形成した。具体的には、以下の5つの工程(ステップS101~ステップS105)を実施した。まず、シートワィンディング成形、フィラメントワィンディング成形等で予め成形したガラス繊維強化樹脂からなる鞘管部210を準備した(ステップS101)。
【0124】
次に、上板110と共に形成した拡径部205の底部(の段差面)に、鞘管部210の外径に相当する穴を穿孔した(ステップS102)。次に、この穴に円筒体を挿通させて鞘管部210とした(ステップS103)。次に、床用構造体100の内側において、拡径部205の底部と鞘管部210の上端部との当接部、及び鞘管部210の下端部と下板120との当接部を、補強するために、マットMC450に難燃樹脂を含浸しつつオーバレイアップした(ステップS104)。
【0125】
次に、難燃樹脂を硬化させて、脱型した後、鞘管部210の内径に相当する穴を貫通させて、取付部200を完成させた(ステップS105)。
【0126】
次に、第11工程(ステップS11)では、横桁160に覆われた下板120の部分に水抜き穴250を穿孔した。なお、水抜き穴250は、下板120に対して1箇所設けられていてもよく、複数箇所設けられていてもよい。以上により、実施例1の床用構造体100を得た。
【0127】
このようにして得られた実施例1の床用構造体100の全重量は、75[kg]であった。上方から見た投影面積当たりの床用構造体100の重量は、30[kg/m]あった。実施例1の床用構造体100の重量は、20[kg/m]以上50[kg/m]以下の範囲であった。
【0128】
次に、5[m]の間隔で床に設けた金属製の架台(下部構造体)の上に、床用構造体100の下板120を下にして、上板110の上に、群集荷重(5kN/m)相当の重しとなるフレコンを載せ、床用構造体100の第1方向Yの中央部のたわみ(δc)測定したところ、9.85[mm]であった。たわみ(δc)が1/500以下であることを確認した。実際の施工では、取付部200を下部構造体である受桁190に固定するので、実際の使用時において、たわみ(δc)が更に小さくなることは明らかである。
【0129】
また、JISZ8735:1981(振動レベル測定方法)を参照して、固有振動数を測定した。具体的には、上述のように5[m]の間隔で床に設けた金属製の架台の上に、床用構造体100を載せた状態で、床用構造体100の上板110の中央部に、圧電式加速度ピックアップを両面テープで貼り付け、これに、JISC1510:1955記載の振動レベル計VA-12(リオン製)を接続し、床用構造体100をプラスチックハンマーで叩いて固有振動数を測定した。
【0130】
この測定結果は、25[Hz]であり、固有振動数が2[Hz]近傍ではないことが確認できた。勿論、固有振動数は弾性率に比例し密度(=重量)に反比例するため、繊維強化樹脂製で本構造体を形成すれば、構造体自体の重量が軽くなり、不適当な2[Hz]である固有振動数を回避する構造体とすることが容易である。
【0131】
また、同様に、JISA1414-4:2010(建築用パネルの性能試験方法-第4部:長期特性に関する試験)を参照し、対向するベースフレーム(例えばH型鋼)上に、5mの間隔で床に設けた金属製の架台の上に、床用構造体100を載せた状態で、床用構造体100の第1方向Yの中央に、上部に設けたサーボ制御の油圧シリンダーにより、第3方向Z(下方)に、群集荷重(5[kN/m])相当の曲げ荷重を、片方向に繰り返し与えた。荷重の繰返し速度は、毎分120回である。10万回毎に、変形、表面材のはく離などの劣化程度を観察した。この曲げ繰り返し疲労試験を200万回まで実施したが、破壊することなく外観には何ら異常は認められなかった。
【0132】
(変形例)
次に床用構造体100の変形例について説明する。主に床用構造体100と異なる点について説明する。
【0133】
(第1変形例)
まず、次に図12(a)を参照して第1変形例に係る床用構造体100Bについて説明する。床用構造体100Bが床用構造体100と異なる点は、H形の主桁150に代えて、第1方向Yに直交する断面が矩形状である主桁150Bを備える点である。
【0134】
断面が矩形状である主桁150Bは、主桁上板150cと、主桁下板150dと、一対の主桁側板150eとを有する。主桁上板150cと主桁下板150dとは、第3方向Zに対向して配置されている。一対の主桁側板150eは、第2方向Xに対向して配置されている。主桁上板150cの第2方向Xの両端部は、一対の主桁側板150eの上端部に連結されている。一対の主桁側板150eの下端部は、主桁下板150dの第2方向Xの両端部に連結されている。
【0135】
また、主桁上板150cの上面は、上板110の下面に当接している。主桁下板150dの下面は、下板120の上面に当接している。このような第1変形例に係る床用構造体100Bも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0136】
(第2変形例)
次に図12(b)を参照して第2変形例に係る床用構造体100Cについて説明する。床用構造体100Cが床用構造体100と異なる点は、H形の主桁150に代えて、第1方向Yに直交する断面がハット形を成す主桁150Cを備える点である。
【0137】
断面形状がハット形を成す主桁150Cは、主桁上板150cと、一対の主桁側板150eと、一対のフランジ150fとを有する。一対のフランジ150fは、板状を成し、一対の主桁側板150eの下端部から第2方向Xの外側に向かって張り出している。一対のフランジ150fの下面は、下板120の上面に当接している。このような第2変形例に係る床用構造体100Cも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0138】
(第3変形例)
次に図13(a)を参照して第3変形例に係る床用構造体100Dについて説明する。床用構造体100Dが床用構造体100と異なる点は、ハット形の横桁160に代えて、H形の横桁160Bを備える点である。
【0139】
H形の横桁160Bは、一対のフランジ165と、ウェブ166とを有する。一対のフランジ165は、第3方向Zに対向して配置されている。ウェブ166は一対のフランジ165同士を連結している。そして、下側のフランジ165の下面は、下板120の上面に当接している。このような第3変形例に係る床用構造体100Dも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0140】
(第4変形例)
次に図13(b)を参照して第4変形例に係る床用構造体100Eについて説明する。床用構造体100Eが床用構造体100と異なる点は、ハット形の横桁160に代えて、第2方向Xに直交する断面が矩形状である横桁160Cを備える点である。
【0141】
断面が矩形状である横桁160は、天板161と、一対の側板162と、下板167とを有する。天板161と下板167とは、第3方向Zに対向している。天板161の第1方向Yの両端部は、一対の側板162の上端部に連結されている。一対の側板162の下端部は、下板167の第1方向Yの両端部に連結されている。そして、横桁160の下板167の下面は、下板120の上面に当接している。このような第4変形例に係る床用構造体100Eも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0142】
(第5変形例)
次に図13(c)を参照して第5変形例に係る床用構造体100Fについて説明する。床用構造体100Fが床用構造体100と異なる点は、ハット形の横桁160に代えて、C形の横桁160Dを備える点である。
【0143】
C形の横桁160Dは、一対のフランジ165と、ウェブ168とを有する。一対のフランジ165は、第3方向Zに対向して配置されている。ウェブ168は一対のフランジ165の第1方向Yの一方の端部同士を連結している。そして、下側のフランジ165の下面は、下板120の上面に当接している。このような第5変形例に係る床用構造体100Fも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0144】
(第6変形例)
次に図14(a)を参照して第6変形例に係る床用構造体100Gについて説明する。床用構造体100Gが床用構造体100と異なる点は、中央部121Bの幅(W121B)が端部122の幅(W)よりも狭い下板120Bを備える点である。
【0145】
下板120Bは、中央部121Bと、一対の傾斜部170Bと、一対の端部122とを備える。傾斜部170Bは、第1方向Yから見て台形状を成している。傾斜部170Bは、中央部121Bと端部122とを連結している。
【0146】
また、床用構造体100Gの一対の側板130は、下部側130aが第2方向Xの内側に向かって傾斜している。具体的には、傾斜部170Bの斜辺に沿うように傾斜している。このような第6変形例に係る床用構造体100Gも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0147】
(第7変形例)
次に図14(b)を参照して第7変形例に係る床用構造体100Hについて説明する。床用構造体100Hが床用構造体100と異なる点は、下板120に代えて、第2方向Xに複数の膨出部を有する下板120Cを備える点である。
【0148】
下板120Cは、中央部121C、121D、121Eと、一対の傾斜部170Cと、一対の端部122とを備える。傾斜部170Cは、第2方向Xに複数設けられている。傾斜部170Cは、第1方向Yから見て例えば矩形状を成している。傾斜部170Cは、第2方向Xに離間して配置されている。第2方向Xに離間する一組の傾斜部170Cは、第1方向Yにおいて、中央部121Cを挟んで両側に配置されている。傾斜部170Cは、中央部121Cと端部122とを連結している。
【0149】
中央部121Cは、第2方向Xに離間して複数設けられている。中央部121Cの板厚方向は、第3方向Zに沿うように配置されている。中央部121Dは、中央部121Cの第2方向Xの内側の端部から上方に延びている。中央部121Dの板厚方向は、第2方向に沿うように配置されている。中央部121Dは、第3方向Zにおいて、例えば端部122の位置まで延びている。
【0150】
中央部121Eは、第2方向Xにおいて、一対の中央部121D間に配置されている。中央部121Eの板厚方向は、第3方向Zに沿うように配置されている。中央部121Eは、第3方向Zにおいて、端部122と同じ位置に配置されている。中央部121Eは、第1方向Yにおいて、両側の端部122と連続するように形成されている。そして、中央部121Eの第2方向Xにおける両端部は、中央部121Dの上端部に連結されている。
【0151】
下板120Cにおいて下方に膨らむ複数の膨出部は、中央部121Eを挟んで両側に配置されている。このような第7変形例に係る床用構造体100Hも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0152】
(第8変形例)
次に図15(a)を参照して第8変形例に係る床用構造体100Iについて説明する。床用構造体100Iが床用構造体100と異なる点は、側板130に代えて、下方に膨らむ膨出部の形状が異なる側板130Bを備える点である。
【0153】
側板130Bは、中央部131と、両端部132と、一対の拡幅部133Bとを備える。拡幅部133Bの下辺は、第1方向Yに対して異なる角度で傾斜する複数の直線部を有する。拡幅部133Bの下辺は、同一の傾斜角で傾斜するものに限定されない。
【0154】
同様に、下板120の傾斜部170は、第2方向Xから見て、拡幅部133Bの下辺に対応に対応して、第1方向Yに対して異なる角度で傾斜する複数の直線部を有する。このような第8変形例に係る床用構造体100Iも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0155】
(第9変形例)
次に図15(b)を参照して第9変形例に係る床用構造体100Jについて説明する。床用構造体100Jが床用構造体100と異なる点は、側板130に代えて、下方に膨らむ膨出部の形状が異なる側板130Cを備える点である。
【0156】
側板130Cは、中央部131と、両端部132と、一対の拡幅部133Cとを備える。拡幅部133Cの下辺の形状は、外側に膨らむように湾曲している。拡幅部133Cの下辺は、第2方向Xから見て直線状のものに限定されない。
【0157】
同様に、下板120の傾斜部170は、第2方向Xから見て、拡幅部133Cの下辺に対応して、外側に膨らむように湾曲している。このような第9変形例に係る床用構造体100Iも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0158】
(第10変形例)
次に図16(a)を参照して第10変形例に係る床用構造体100Kについて説明する。床用構造体100Jが床用構造体100と異なる点は、下方に膨らむ膨出部の形状が側板130とは異なる点である。
【0159】
床用構造体100Kの側板130Dの下辺の形状は、第2方向Xから見て、下方に膨らむように湾曲している。側板130Dの下辺は、第2方向Xから見て直線状のものに限定されない。このような第10変形例に係る床用構造体100Kも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0160】
(第11変形例)
次に図16(b)を参照して第10変形例に係る床用構造体100Lについて説明する。床用構造体100Lが床用構造体100と異なる点は、下方に膨らむ膨出部の形状が側板130とは異なる点である。
【0161】
床用構造体100Lの側板130Eの下辺の形状は、第1方向Yの中心から外側に向かって端部132に到達するまで傾斜し、直線状を成している。このような第11変形例に係る床用構造体100Lも床用構造体100と同様な作用効果を奏する。
【0162】
(第2実施形態)
次に図17を参照して第2実施形態に係る床用構造体100Mについて説明する。第2実施形態の床用構造体100Mが、第1実施形態の床用構造体100と異なる点は、側板130に凹凸形状が設けられている点である。なお、第1実施形態の床用構造体100と同様の説明は省略する。
【0163】
一方の側板130には、第2方向Xにおいて内側に凹む凹部(凹凸形状)280aが設けられている。凹部280aは、第1方向Yにおいて側板130の全長にわたって形成されている。凹部280aは、第1方向Yから見て例えば半円形を成すように形成されている。凹部280aは、第2方向Xから見て直線的に配置されている。
【0164】
他方の側板130には、第2方向Xにおいて外側に凸である凸部(凹凸形状)280bが設けられている。凸部280bは、第1方向Yにおいて側板130の全長にわたって形成されている。凸部280bは、第1方向Yから見て例えば半円形を成すように形成されている。凸部280bは、第2方向Xから見て直線的に配置されている。凸部28bは、第2方向Xに対向する他の床用構造体100Mの凹部280aに嵌る形状となっている。
【0165】
第2実施形態の床用構造体100Mでは、一対の側板130に凹部280a、凸部280bがそれぞれ設けられているので、複数の床用構造体100を第2方向Xに並べて配置する際に、床用構造体100M同士の位置合わせが容易となる。これにより、上板110同士の上面の高さ位置を精度良く合せることができる。
【0166】
このように床用構造体100Mを第2方向Xに並べて使用することができるので、床用構造体100Mの第2方向Xにおける長さ(W)を小さくして、1枚当たりの重量を軽減し、取扱性を向上させることができる。なお、凹凸形状は半円形のものに限定されず、例えば矩形状、三角形でもよく、その他の形状でもよい。
【0167】
(第3実施形態)
次に図18を参照して第3実施形態に係る床用構造体100Nについて説明する。第3実施形態の床用構造体100Nが、第1実施形態の床用構造体100と異なる点は、一対の側板130に代えて一対の主桁150を備える点、下板120を備えていない点である。なお、第1実施形態の床用構造体100と同様の説明は省略する。
【0168】
一対の主桁150は、第2方向Xにおいて離間して配置されている。一対の主桁150は、上板110の第2方向Xの両端部から下方に張り出すように配置されている。一対の主桁150間には空間が形成されている。
【0169】
横桁160は、第2方向Xに延在し、一対の主桁150に掛け渡されている。横桁160の第2方向Xの両端部は、主桁150の下側のフランジ150aの上面に当接している。
【0170】
このような第3実施形態の床用構造体100Nにおいても、第1実施形態の床用構造体100と同様の作用効果を奏する。
【0171】
(第4実施形態)
次に図19を参照して第4実施形態に係る床用構造体100について説明する。第4実施形態が、第1実施形態と異なる点は、床用構造体100の固定方法が異なる点である。図8に示す第1実施形態の場合には、H型の受桁190に対して床用構造体100を固定しているが、図19に示す第4実施形態では、コンクリート製の受桁(下部躯体)195に対して床用構造体100を固定している。この受桁195は、例えば板状を成し、厚み方向が第1方向Yに沿って配置され、第2方向Xに延在している。
【0172】
コンクリート製の受桁195の上部には、上方に張り出すアンカーボルト225が設けられている。このアンカーボルト225を鞘管部210に挿通させて、ナット230を締め付けて、床用構造体100を受桁195に対して固定する。このようにコンクリート製の構造物に対してアンカーボルト225を敷設して、床用構造体100を固定してもよい。
【0173】
(第5実施形態)
次に図20を参照して第5実施形態に係る床用構造体100について説明する。第5実施形態が、第1実施形態と異なる点は、第1方向Yに隣接する床用構造体100間にT形の塞ぎ板155を設置した点と、この塞ぎ板155を配置するための凹部156を有する点である。
【0174】
凹部156は、上板110の第1方向Yの端部に設けられ、第2方向Xに延在している。T形の塞ぎ板155の水平部は、凹部156内に収容され、水平部に直交する垂下部は、第1方向Yに隣接する床用構造体100間の隙間dY100に配置されている。これにより、床用構造体100間の隙間dY100を塞ぎ板155によって上方から覆うことができるので、歩行者が歩き易くなる。
【0175】
また、塞ぎ板155の水平部は、第1方向Yに所定の幅を有する。これにより、気温の変化により、床用構造体100が伸び縮みして、隙間dY100の大きさが変化しても、塞ぎ板155によって、隙間dY100を覆うことができる。同様に、第2方向Xに隣接する床用構造体100間に、塞ぎ板155を配置するようにしてもよい。
【0176】
(第6実施形態)
図21に示されるように、床用構造体100は、上板110の第1方向Yの端部から、隣接する相手側の床用構造体100に向かって伸びる塞ぎ板157を備える構成でもよい。塞ぎ板157は、隣接する床用構造体100の上板110の端部の下面に当接している。この塞ぎ板157によって、隣接する床用構造体100間の隙間dY100が、上方に露出することが防止される。これにより、第5実施形態と同様に歩行者が歩き易くなる。
【0177】
(第7実施形態)
床用構造体100の上板110の上面は、平坦面でもよいが、例えば凹凸が形成されていてもよい。第7実施形態の床用構造体100の上板110の上面には、無数の突起部が設けられている。この突起部は、例えば、縞鋼板模様でもよく、エンボス加工でもよく、その他の加工でもよい。この突起部は、上板110に直接形成されているものでもよい。これにより、摩擦力を高めることで、例えば、雨天時において、歩行者が歩き易いようにすることができる。
【0178】
また、例えば、鉄砂、珪石等を混ぜた塗膜を上板110の上面に形成することで、突起部を形成してもよい。
【0179】
また、例えば、微細な凹凸形状を有するシート状、板状の物を上板110の上面に貼り付けることで、突起部を形成してもよい。
【0180】
(従来技術)
次に、従来の床用構造体について説明する。
【0181】
従来、工場で製作されたコンクリート製の床用構造体(商品名:スパンクリート)は、プレストレス筋の働きにより、薄くて長大スパンに耐えられるため、また、耐摩耗性、耐火性能に優れるので、一旦、ホームに敷設すれば、床用構造体として実用上十分であった。
【0182】
しかしながら、母材がコンクリートである床用構造体は、強度・剛性の点では、「中性化」「塩害」「凍害」等によるコンクリートの劣化が懸念される。また、施工性の点では、例えば厚さが150[mm]で重量が240[kg/m]であり、非常に重く、敷設・搬送等に重機が必要となる。このような床用構造体は、重いうえ取り回しが悪く、夜間工事での設置距離が短いという問題がある。つまり、鉄道用のホームに敷設される床用構造体の場合、敷設工事に許される工事時間は、準備工および撤去工を除くと、最終列車通過後と始発列車運行開始の間の約2~3時間の短時間で工事を行わなくてはならない。したがって、施工費が必然と高価になる。
【0183】
また、近年、落下防止のためにホームドアの設置が成されているが、ドア開閉装置の設置・固定のための取り付け用の貫通ボルトの穿孔によって、プレストレス筋を切断するので、強度・剛性が低下するという新たな問題がある。
【0184】
特許文献1(特開2010-47936号公報)の床用構造体は、下方に凸の形状となる下板の上方に上板が配置され、上板の下面に座屈防止手段とするT型リブが奥行き幅方向(受桁と平行)に設けられ、下板と上板との間に、軽量材料U(軽量気泡コンクリート)によってコア部が形成されたサンドイッチ構造体が開示されている。スパン3,000[mm]~6,000[mm]、厚さ150[mm]~250[mm]程度の大きさで、単位面積[m]当たりの重量が130[kg/m]で同寸法の在来スラブの1/3~1/2程度の重量に抑えることが記載されている。
【0185】
特許文献1では、床用構造体の製造は、工場や現場内のヤードで行っても良く、現場打ちでも良いことが記載されているが、上述の短時間の夜間工事での設置となると、現場内のヤードで行う製造、現場打ちでの製造は不可能である。また、非特許文献1(岡 日出夫、五十嵐 信哉、山田 聖志、北東 宏郎著 第8回複合合成構造の活用に関するシンポジウム「ALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)の上下両面に鋼板を接着した軽量サンドイッチ構造床版」)によれば、サンドイッチ構造床用構造体の剛性,耐力に関する優位性を含む、基本構造特性について精査した結果、特に、鋼板接着により曲げ耐力を向上させると、ALC(軽量気泡コンクリート)のせん断破壊が先行することが明らかとなったため,設計上の配慮が必要であるとしていることから、前記工場製作のコンクリート製の床用構造体の代替え構造体の開発が進まないと考えられる。
【0186】
さらには、コア材が上面板および下面板に十分密着(接着)していないと、上面板と下面板がコア部を介した圧縮部材および引張部材の機能を成さないことは周知の事実である。したがって、金属製の上板の下面と前記コア部の上面との間に接着層を設けており、接着の品質管理および製造工程が複雑で製造費が高価となる問題を内在している。
【0187】
特許文献2(特開2012-97554号公報)には、そのプレストレス筋を切断することのない金属繊維強化コンクリート、レジンコンクリートが提案されている。しかしながら、特許文献3(特許第5168691号公報)によれば、金属繊維(鋼繊維)は繊維長が短いが為、コンクリートの中で、主にコンクリート構造の粘り強さの向上、コンクリートの壁面における耐荷力の増加、断面の縮小といった性質を提供することができるが、上述の金属コンクリートの特性は、金属繊維が均等に分布されているという条件の下でしか得ることができないことが記載されている。
【0188】
また、レジンコンクリートは従来のセメントコンクリートと比重がほぼ同じで、曲げ強度もFRPに比べ1/5以下と小さいため同じ強度を得るためにはFRP製の構造体の板厚より厚くする必要があり、軽量化には限界がある。
【0189】
特許文献4(特許第4275448号公報)には、特許文献2の図5と同じ構成の取付構造が記載されているが、何れの文献も、コンクリートパネルまたは軽量気泡コンクリートパネルである中実の構造体であるため、締結部の構造に格別な注意を払うことなく、穿孔のみの加工又は成形形成で製作することが可能である。
【0190】
軽量化を進めるに当たっては、構造体の内部が中空体であることが好ましい。しかしながら、固定時の締め付けトルクに対応できる取付構造が求められる。
【0191】
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記のような種々の変形が可能である。
【0192】
上記実施形態では、床用構造体を鉄道用のプラットホームに適用する場合について説明しているが、床用構造体は、プラットホームに適用される場合に限定されない。例えば、歩行者が通行可能な橋梁(歩道橋)、住宅などの床材、建設現場などの足場板などに適用可能である。
【符号の説明】
【0193】
10…上部成形体、20…内部成形体、30…下部成形体、100、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L、100M…床用構造体、110…上板、120…下板、121、121B、121C、121D、121E…下板の中央部、122…下板の端部、130、130B、130C、130D、130E…側板、130a…下部側、131…側板の中央部、132…側板の端部、133、133B、133C…側板の拡幅部、150…主桁、140…Lアングル、145…接着層、145a、145c…ガラスマット、145b…接着樹脂、150a、150f…フランジ、150b…ウェブ、150c…主桁上板、150d…主桁下板、150e…主桁側板、155…T形繋ぎ板、156…凹部、157…繋ぎ板、160、160B、160C、160D…横桁、161…横桁の天板、162…横桁の側板、163…横桁のフランジ、164…切欠き部、165…フランジ、166、168…ウェブ、167…下板、170、170B…傾斜部、180…開口部、190…受桁、190a…フランジ、195…コンクリート製の受桁、200…取付部、205…拡径部、210…鞘管部、220…Lボルト、225…アンカーボルト、230…ナット、240…座金、250…水抜き穴、320…第2成形型、dY100…隙間、N…中立軸、X…第2方向、Y…第1方向、Z…第3方向。
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