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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】プロペラ式飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20220310BHJP
   B64D 27/02 20060101ALI20220310BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220310BHJP
   B64D 35/08 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
B64C39/02
B64D27/02
B64D27/24
B64D35/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019513117
(86)(22)【出願日】2017-04-18
(86)【国際出願番号】 JP2017015598
(87)【国際公開番号】W WO2018193522
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2020-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】500293434
【氏名又は名称】インダストリーネットワーク株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】大橋 俊夫
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0029131(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0304195(US,A1)
【文献】特表2016-517821(JP,A)
【文献】国際公開第2016/018486(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0285165(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0140871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0099065(US,A1)
【文献】特開平04-173497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64D 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ピッチ式のプロペラから構成される複数のプロペラと、
回転力を生成可能な内燃機関と、
前記内燃機関を基点として前記複数のプロペラの数に応じて分岐し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力を前記複数のプロペラに伝達する回転力伝達機構と、
前記複数のプロペラと1対1で対応し、かつ、前記回転力伝達機構に接続されている複数の電動モーターとを備え、
前記複数の電動モーターを構成する各電動モーターは、回転力及び制動力のうち少なくとも一方を生成可能に構成され、
前記回転力伝達機構は、前記複数のプロペラを構成する各前記プロペラの間に任意の回転数差を生じさせることを可能とする差動機構を有し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力と前記電動モーターで生成された回転力又は制動力とを合成して前記複数のプロペラに伝達可能に構成され
前記回転力伝達機構は、1つの分岐機構入力軸から入力された回転力を2つ以上の分岐機構出力軸に回転数が同じになるように分配する分岐機構をさらに有し、前記分岐機構のところで分岐するとともに、
前記差動機構として、前記複数のプロペラと1対1で対応する複数の差動機構を有し、
各前記差動機構は、前記分岐機構と各前記プロペラとの間に1つずつ配設され、
前記差動機構は、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、かつ、前記1つの差動機構入力軸から入力された回転力を前記2つの差動機構出力軸に分配しつつ前記2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成され、
各前記プロペラ及び各前記電動モーターは、各前記差動機構における前記2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されていることを特徴とするプロペラ式飛行体。
【請求項2】
前記回転力伝達機構は、前記内燃機関と前記差動機構との間に、回転力の断続が可能な第1クラッチを有することを特徴とする請求項1に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項3】
前記回転力伝達機構は、前記分岐機構と前記差動機構との間に、回転力の断続が可能な第2クラッチを有することを特徴とする請求項に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項4】
前記プロペラ式飛行体は、無尾翼型の空力面を有する主翼と、前記主翼の後縁部左右両側に配設された動翼とをさらに備え、
各前記プロペラは、前記主翼の左右両側に配設されていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のプロペラ式飛行体。
【請求項5】
各前記プロペラは、前記主翼の前縁部左右両側に左右対称に配設されていることを特徴とする請求項に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項6】
前記プロペラを3つ以上備え、前記プロペラは、放射状に離間して配設されていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のプロペラ式飛行体。
【請求項7】
固定ピッチ式のプロペラから構成される複数のプロペラと、
回転力を生成可能な内燃機関と、
前記内燃機関を基点として前記複数のプロペラの数に応じて分岐し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力を前記複数のプロペラに伝達する回転力伝達機構と、
前記複数のプロペラと1対1で対応し、かつ、前記回転力伝達機構に接続されている複数の電動モーターとを備え、
前記複数の電動モーターを構成する各電動モーターは、回転力及び制動力のうち少なくとも一方を生成可能に構成され、
前記回転力伝達機構は、前記複数のプロペラを構成する各前記プロペラの間に任意の回転数差を生じさせることを可能とする差動機構を有し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力と前記電動モーターで生成された回転力又は制動力とを合成して前記複数のプロペラに伝達可能に構成され、
尾翼型の空力面を有する主翼と、前記主翼の後縁部左右両側に配設された動翼とをさらに備え、
各前記プロペラは、前記主翼の左右両側に配設されていることを特徴とするプロペラ式飛行体。
【請求項8】
前記差動機構は、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、かつ、前記1つの差動機構入力軸から入力された回転力を前記2つの差動機構出力軸に分配しつつ前記2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成され、
前記回転力伝達機構は、前記差動機構のところで分岐し、
各前記プロペラは、分岐した前記回転力伝達機構の末端に1つずつ接続され、
各前記電動モーターは、前記差動機構と各前記プロペラとの間に1つずつ接続されていることを特徴とする請求項7に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項9】
前記回転力伝達機構は、前記差動機構から見て前記回転力伝達機構の末端側に配置され、前記回転力伝達機構の回転力伝達方向を屈曲させる屈曲機構をさらに有することを特徴とする請求項8に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項10】
前記回転力伝達機構は、前記内燃機関と前記差動機構との間に、回転力の断続が可能な第1クラッチを有することを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載のプロペラ式飛行体。
【請求項11】
前記回転力伝達機構は、前記差動機構と前記電動モーターが接続されている位置との間に、回転力の断続が可能な第2クラッチを有することを特徴とする請求項8に記載のプロペラ式飛行体。
【請求項12】
各前記プロペラは、前記主翼の前縁部左右両側に左右対称に配設されていることを特徴とする請求項7~11のいずれかに記載のプロペラ式飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラ式飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転するプロペラ(本明細書においては、一般的にローターと呼称されるものも含む。)により推進力及び揚力のうち少なくとも一方を得る無人飛行体(ドローンといわれることもある。以下、プロペラ式飛行体という。)が広く知られている。これらのプロペラ式飛行体としては、空力面を有する翼部を備え、プロペラにより推進力を得るもの(いわゆるプロペラ機。例えば、特許文献1参照。)や、3つ以上のプロペラが放射状に離間して配設され、プロペラにより揚力を得るもの(いわゆるマルチコプター。例えば、特許文献2参照。)を例示することができる。
【0003】
これらのプロペラ式飛行体は、空中を自在に飛行させることが可能であることから、景観等の撮影、空中からの観察・監視、危険箇所の点検、物資輸送、各種競技等、さまざまな分野への活用可能性があると考えられ、近年注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-67398号公報
【文献】特開2014-240242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、引用文献1に記載のプロペラ式飛行体にしても、引用文献2に記載のプロペラ式飛行体にしても、プロペラは、プロペラに対応する電動モーターにより駆動される。電動モーターはプロペラ式飛行体に搭載されたバッテリー(電池)から供給される電力により作動するが、このような方式では十分な稼働時間(飛行時間)が得られない場合があるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明のプロペラ式飛行体は、固定ピッチ式のプロペラから構成される複数のプロペラと、回転力を生成可能な内燃機関と、前記内燃機関を基点として前記複数のプロペラの数に応じて分岐し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力を前記複数のプロペラに伝達する回転力伝達機構と、前記複数のプロペラと1対1で対応し、かつ、前記回転力伝達機構に接続されている複数の電動モーターとを備え、前記複数の電動モーターを構成する各電動モーターは、回転力及び制動力のうち少なくとも一方を生成可能に構成され、前記回転力伝達機構は、前記複数のプロペラを構成する各前記プロペラの間に任意の回転数差を生じさせることを可能とする差動機構を有し、かつ、前記内燃機関で生成された回転力と前記電動モーターで生成された回転力又は制動力とを合成して前記複数のプロペラに伝達可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
ところで、バッテリーよりも燃料(ガソリン等)の方がエネルギー密度が高いため、同規模の装置で比較すると、一般的には、電動モーターを用いる場合よりも、内燃機関を用いる場合の方が稼働時間を長くすることができる。
このため、本発明のプロペラ式飛行体によれば、内燃機関を備え、内燃機関の回転力を回転力伝達機構でプロペラに伝達するため、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0009】
また、本発明のプロペラ式飛行体によれば、内燃機関よりも出力制御の即応性に優れている電動モーターを用いてプロペラの回転数を制御することが可能であるため、内燃機関のみでプロペラの回転数を制御する場合よりも緻密にプロペラの回転数を制御することが可能となり、プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体と比較しても遜色無い制御性能を得ることが可能となる。
【0010】
また、本発明のプロペラ式飛行体によれば、回転力伝達機構は、差動機構を有し、かつ、内燃機関で生成された回転力と複数の電動モーターで生成された回転力又は制動力とを合成して複数のプロペラに伝達可能であるため、軽量であり、製造コストが安く、かつ、メンテナンスが容易な固定ピッチ式のプロペラを用いつつ、プロペラ間に回転数差を生じさせることが可能となる。
【0011】
また、本発明のプロペラ式飛行体によれば、各電動モーターが回転力を生成可能である場合には、飛行中に何らかの原因で内燃機関が停止した場合でも、各電動モーターにより各プロペラを駆動することで、推進力又は揚力が急に失われることに起因する機体の落下を防止又は緩和することが可能となる。
【0012】
また、本発明のプロペラ式飛行体によれば、飛行中に何らかの原因で各電動モーターが停止した場合でも、内燃機関により各プロペラを駆動することで、推進力又は揚力が急に失われることに起因する機体の落下を防止又は緩和することが可能となる。
【0013】
[2]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記差動機構は、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、かつ、前記1つの差動機構入力軸から入力された回転力を前記2つの差動機構出力軸に分配しつつ前記2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成され、前記回転力伝達機構は、前記差動機構のところで分岐し、各前記プロペラは、分岐した前記回転力伝達機構の末端に1つずつ接続され、各前記電動モーターは、前記差動機構と各前記プロペラとの間に1つずつ接続されていることが好ましい。
【0014】
このような構成とすることにより、プロペラの数よりも少ない差動機構を用いてプロペラ間に回転数差を生じさせることが可能となり、その結果、プロペラの数と同数の差動機構を用いる場合と比較して、機体を軽量化することが可能となる。
【0015】
[3]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記回転力伝達機構は、前記差動機構から見て前記回転力伝達機構の末端側に配置され、前記回転力伝達機構の回転力伝達方向を屈曲させる屈曲機構をさらに有することが好ましい。
【0016】
このような構成とすることにより、各プロペラを適切な方向に向けることが可能となる。
【0017】
[4]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記回転力伝達機構は、1つの分岐機構入力軸から入力された回転力を2つ以上の分岐機構出力軸に回転数が同じになるように分配する分岐機構をさらに有し、前記分岐機構のところで分岐するとともに、前記差動機構として、前記複数のプロペラと1対1で対応する複数の差動機構を有し、各前記差動機構は、前記分岐機構と各前記プロペラとの間に1つずつ配設され、前記差動機構は、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、かつ、前記1つの差動機構入力軸から入力された回転力を前記2つの差動機構出力軸に分配しつつ前記2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成され、各前記プロペラ及び各前記電動モーターは、各前記差動機構における前記2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されていることが好ましい。
【0018】
このような構成とすることにより、内燃機関からの回転力をプロペラに伝達しつつ、プロペラごとに独立して回転数を決定することが可能となる。
【0019】
[5]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記回転力伝達機構は、前記内燃機関と前記差動機構との間に、回転力の断続が可能な第1クラッチを有することが好ましい。
【0020】
このような構成とすることにより、内燃機関が適切なトルクを発生する回転数となってから、内燃機関の回転力を回転力伝達機構に伝達することが可能となる。
【0021】
また、上記のような構成とすることにより、第1クラッチで回転力の切断を行うことにより、各電動モーターのみを用いた各プロペラの制御が可能となる。
【0022】
[6]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記回転力伝達機構は、前記差動機構と前記電動モーターが接続されている位置との間に、回転力の断続が可能な第2クラッチを有することが好ましい。
【0023】
このような構成とすることにより、第2クラッチで回転力の切断を行うことにより、内燃機関の存在による抵抗を受けることなく各電動モーターのみを用いた各プロペラの制御が可能となる。
【0024】
[7]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記回転力伝達機構は、前記分岐箇所と前記差動機構との間に、回転力の断続が可能な第2クラッチを有することが好ましい。
【0025】
このような構成とすることにより、第2クラッチで回転力の切断を行うことにより、内燃機関の存在による抵抗を受けることなく各電動モーターのみを用いた各プロペラの制御が可能となる。
【0026】
[8]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記プロペラ式飛行体は、無尾翼型の空力面を有する主翼と、前記主翼の後縁部左右両側に配設された動翼とをさらに備え、各前記プロペラは、前記主翼の左右両側に配設されていることが好ましい。
【0027】
このような構成とすることにより、主翼の空力を利用し、高速かつ長時間の飛行に適したプロペラ式飛行体とすることが可能となる。
【0028】
また、このような構成とすることにより、プロペラ間に回転数差を生じさせることで機首左右方向の回転制御(ヨーイングの制御)が可能であるため、ラダーやラダーを配設するための垂直尾翼を備える必要がなくなり、その結果、機体の空気抵抗を低減することが可能となる。
【0029】
[9]本発明のプロペラ式飛行体においては、各前記プロペラは、前記主翼の前縁部左右両側に左右対称に配設されていることが好ましい。
【0030】
このような構成とすることにより、テールシッター方式の垂直離着陸を実現することが可能となる。
【0031】
[10]本発明のプロペラ式飛行体においては、前記プロペラを3つ以上備え、前記プロペラは、放射状に離間して配設されていることが好ましい。
【0032】
このような構成とすることにより、ホバリングや細かい動作に適したプロペラ式飛行体とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態1に係るプロペラ式飛行体1を説明するために示す図である。
図2】実施形態2に係るプロペラ式飛行体2の上面図である。
図3】実施形態3に係るプロペラ式飛行体3を説明するために示す図である。
図4】実施形態4に係るプロペラ式飛行体4を説明するために示す図である。
図5】実施形態5に係るプロペラ式飛行体5を説明するために示す図である。
図6】実施形態6に係るプロペラ式飛行体6を説明するために示す図である。
図7】実施形態7に係るプロペラ式飛行体7の上面図である。
図8】変形例1に係るプロペラ式飛行体3aの上面図である。
図9】変形例2に係るプロペラ式飛行体5aの上面図である。
図10】変形例3に係るプロペラ式飛行体6aの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明のプロペラ式飛行体を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、図面に示す構造は全て模式的なものであり、寸法や角度等の表示は必ずしも現実に即したものとはなっていない。また、実質的に同一の構成要素については実施形態をまたいで同一の符号を付し、再度の説明は省略する。
【0035】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1を説明するために示す図である。図1(a)はプロペラ式飛行体1の上面図であり、図1(b)はプロペラ式飛行体1の正面図(図1(a)の方向d1に沿って見た図)であり、図1(c)はプロペラ式飛行体1の側面図(図1(b)の方向d2に沿って見た図)である。図1の上面図、正面図及び側面図においては、説明をわかりやすくするために、全部又は一部がプロペラ式飛行体1の内部に配設されている内燃機関20、回転力伝達機構30、電動モーター40a,40bについても表示している。内燃機関、回転力伝達機構及び電動モーターについては、特記しない限り、後述する他の図面においても図1と同様に表示する。
【0036】
実施形態1に係るプロペラ式飛行体1は、図1に示すように、プロペラ10a,10b、内燃機関20、回転力伝達機構30、電動モーター40a,40b、主翼50a,50b、動翼52a,52b及び胴体60を備える。プロペラ式飛行体1は、いわゆるプロペラ機である。
【0037】
なお、本明細書及び図面においては、主に本発明に特徴的な構成要素についての説明及び図示を行う。一般的な構成要素等(各構成要素を制御するための制御装置、操作信号の受信や各種情報を送信するための通信装置、内燃機関に付随する変速機、内燃機関に供給する燃料を貯蔵する燃料タンク、電力を供給するためのバッテリー、動翼を動かすためのアクチュエーター、離着陸時に地面と接触するランディングギア等)については、説明及び図示を省略する。
【0038】
プロペラ式飛行体1は、固定ピッチ式のプロペラから構成される複数のプロペラ(実施形態1においては2つのプロペラ10a,10b)を備える。
各プロペラ10a,10bは、分岐した回転力伝達機構30の末端に1つずつ接続されている。
各プロペラ10a,10bは、主翼50a,50bの左右両側に配設されている。さらにいえば、各プロペラ10a,10bは、主翼50a,50bの前縁部左右両側に、左右対称に配設されている。実施形態1においてはプロペラ10aは主翼50a側に配設され、プロペラ10bは主翼50b側に配設されている。
なお、本明細書において「主翼の左右両側」とは、片方の主翼の左右両側のことではなく、主翼全体(実施形態1においては主翼50a,50b全体)を見たときの左右両側のことをいう。
【0039】
内燃機関20は、回転力を生成可能な機関(エンジン)である。内燃機関20としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のレシプロエンジンを好適に用いることができる。内燃機関20は、図1においては全体が胴体60の中に配設されているように表示されているが、本体の一部や内燃機関20に付随する吸気機構、排気機構、冷却機構(いずれも図示せず。)等が胴体60の外部に露出していてもよい。
本明細書において「回転力」とは、ある物体を回転させようとする力のことをいう。
【0040】
回転力伝達機構30は、内燃機関20を基点として複数のプロペラの数(実施形態1においては2つ)に応じて分岐する。また、回転力伝達機構30は、内燃機関20で生成された回転力を複数のプロペラ10a,10bに伝達する。回転力伝達機構30は、内燃機関20で生成された回転力と電動モーター40a,40bで生成された回転力又は制動力(後述)とを合成して複数のプロペラ10a,10bに伝達可能である。
なお、回転力伝達機構30は、各プロペラ10a,10bと接続する位置を末端とする。
【0041】
回転力伝達機構30は、複数のプロペラ10a,10bを構成する各プロペラ10a,10bの間に任意の回転数差を生じさせることを可能とする差動機構(差動装置ともいう。)32を有する。差動機構32は、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、かつ、1つの差動機構入力軸から入力された回転力を2つの差動機構出力軸に分配しつつ2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成されている。
差動機構32としては、各種ディファレンシャルギア(例えば、ベベルギアや遊星歯車を用いたもの)を好適に用いることができる。
【0042】
本明細書においては、「複数のプロペラを構成する各プロペラの間に任意の回転数差を生じさせる」とは、複数のプロペラのうち任意の1のプロペラと、任意の1のプロペラとは異なる他のプロペラとの間に任意の回転数差を生じさせることをいう。
【0043】
回転力伝達機構30は、差動機構32のところで分岐する。差動機構32の入力軸は、内燃機関20側に接続されている。
回転力伝達機構30は、差動機構32から見て回転力伝達機構30の末端側に配置され、回転力伝達機構30の回転力伝達方向を屈曲させる屈曲機構33a,33bをさらに有する。屈曲機構33a,33bとしては、例えば、ベベルギア(傘歯車)を組み合わせたものを好適に用いることができる。
回転力伝達機構30は、差動機構32以外の構成要素として、回転力を伝達するための回転シャフト、各種ギア、自在継手等を有する。これらは動力伝達の手段として一般的なものであるため、詳細な説明及び具体的な図示は省略する。
【0044】
また、回転力伝達機構30は、内燃機関20と差動機構32との間に、回転力の断続が可能な第1クラッチ34を有する。
第1クラッチ34としては、種々のクラッチを用いることができる。第1クラッチ34を単に内燃機関20始動時にのみ活用するのであれば、機械式の遠心クラッチを好適に用いることができる。また、第1クラッチ34としては、回転数差があっても回転力の接続が可能であるもの(電磁クラッチ、摩擦クラッチ、流体クラッチ等)も好適に用いることができる。
本明細書において「クラッチ」とは、特定の条件又は特定の操作により動力(本明細書においては回転力)の断続(切断及び接続)が可能な機械装置のことをいう。
【0045】
複数の電動モーター40a,40bは、複数のプロペラ10a,10bと1対1で対応する。複数の電動モーターについて「複数のプロペラと1対1で対応する」とは、プロペラの数と電動モーターの数とが同数であり、かつ、特定のプロペラと特定の電動モーターとが対応する関係にあることをいう。
【0046】
また、複数の電動モーター40a,40bは、回転力伝達機構30に接続されている。複数の電動モーター40a,40bを構成する各電動モーター40a,40bは、回転力及び制動力のうち少なくとも一方を生成可能に構成されている。
【0047】
本明細書においては、電動モーターについて「回転力伝達機構に接続されている」とは、回転力伝達機構の少なくとも一部に回転力及び制動力の少なくとも一方を付加することができるように配設されていることをいう。電動モーターは、後述するように回転力伝達機構を構成する回転シャフトの一部を回転軸として配設されていてもよいし、ギアやワンウェイクラッチ等により回転力伝達機構に回転力及び制動力の少なくとも一方を付加可能なように配設されていてもよい。
本明細書における「制動力」とは、回転を止めようとする力のことをいう。
【0048】
電動モーター40a,40bとしては、種々のモーター(同期モーター、誘導モーター、直流整流子モーター等)を用いることができる。
各電動モーター40a,40bは、差動機構32と各プロペラ10a,10bとの間に1つずつ接続されている。実施形態1における電動モーター40a,40bは、回転力伝達機構30を構成する回転シャフトの一部を回転軸としている。
【0049】
水平飛行中(主翼50a,50bの揚力を用いた飛行動作中)及び垂直飛行中(テールシッター式の垂直離着陸動作中)において、電動モーター40a,40bにより制動力(ショートブレーキ、発電ブレーキ、回生ブレーキ)や回転力(バッテリーによる駆動)を回転力伝達機構30に付加することで、プロペラ10a,10bの回転数を制御することが可能となる。なお、実施形態1においては、差動機構32の存在により、内燃機関20からの回転力及び電動モーター40a,40bからの回転力が一定であるとき、プロペラ10a,10b間に回転数差がある場合でも、プロペラ10a,10bの回転数の和は一定となる。
【0050】
なお、プロペラ10a,10bの回転数を制御する際には、内燃機関20については効率のよい条件(レシプロエンジンの場合には主に回転数)を保持しながら運転させ、内燃機関20が生成する回転力は積極的に増減させないことが好ましい。つまり、プロペラ10a,10bの回転数は、主に電動モーター40a,40bを用いて制御を行うことが好ましい。例えば、機械的な調速機(ガバナー)や電子的な制御システムを用いることで、内燃機関20について特定の条件を保持しながら運転させることができる。
【0051】
プロペラ式飛行体1は、水平飛行中は、プロペラ10a,10b全体の回転数を増減することで加速や減速が可能となり、プロペラ10a,10b個別の回転数を増減することで機首左右方向の回転制御(ヨーイングの制御)が可能となる。
【0052】
プロペラ式飛行体1は、垂直飛行中は、プロペラ10a,10b全体の回転数を増減することで上昇や下降が可能となり、プロペラ10a,10b個別の回転数を増減することで機体を傾ける(バランスを崩す)ことによる少なくとも左右への移動が可能となる。
【0053】
なお、電動モーター40a,40bを制動力を発生させる装置としてのみ用いる場合には、電動モーター40a,40bを積極的に回転駆動するための電力が不要となるため、大容量のバッテリーが必要とならず、機体を軽量化することが可能となる。
また、電動モーター40a,40bを回転力を発生させる装置としても用いる場合には、内燃機関20の回転力に電動モーター40a,40bの回転力を足し合わせることで、高速での飛行が可能となる。
【0054】
プロペラ式飛行体1が充電可能なバッテリーを備えている場合には、電動モーター40a,40bにより制動力を回転力伝達機構30に付加する際(プロペラ10a,10bの回転数を下げる際)に、電動モーター40a,40bにより発電を行い、バッテリーを充電することが可能となる。
【0055】
主翼50a,50bは、無尾翼型の空力面を有する。実施形態1に係るプロペラ式飛行体1は、水平尾翼だけでなく、垂直尾翼も備えていない。
動翼52a,52bは、主翼50a,50bの後縁部左右両側に配設されている。動翼52a,52bは、いわゆるエレボンである。
胴体60は、主翼50a,50bの基部である。また、胴体60は、内燃機関20等を収納している。
【0056】
以下、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1の効果を説明する。
【0057】
実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、内燃機関20を備え、内燃機関20の回転力を回転力伝達機構30でプロペラ10a,10bに伝達するため、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0058】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、内燃機関20よりも出力制御の即応性に優れている電動モーター40a,40bを用いてプロペラ10a,10bの回転数を制御することが可能であるため、内燃機関20のみでプロペラ10a,10bの回転数を制御する場合よりも緻密にプロペラ10a,10bの回転数を制御することが可能となり、プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体と比較しても遜色無い制御性能を得ることが可能となる。
【0059】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、回転力伝達機構30は、差動機構32を有し、かつ、内燃機関20で生成された回転力と複数の電動モーター40a,40bで生成された回転力又は制動力とを合成して複数のプロペラ10a,10bに伝達可能であるため、軽量であり、製造コストが安く、かつ、メンテナンスが容易な固定ピッチ式のプロペラを用いつつ、プロペラ10a,10b間に任意の回転数差を生じさせることが可能となる。
【0060】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、各電動モーター40a,40bが回転力を生成可能である場合には、飛行中に何らかの原因で内燃機関が停止した場合でも、各電動モーター40a,40bにより各プロペラ10a,10bを駆動することで、推進力又は揚力が急に失われることに起因する機体の落下を防止又は緩和することが可能となる。
【0061】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、飛行中に何らかの原因で各電動モーター40a,40bが停止した場合でも、内燃機関20により各プロペラ10a,10bを駆動することで、推進力又は揚力が急に失われることに起因する機体の落下を防止又は緩和することが可能となる。
【0062】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、回転力伝達機構30は、差動機構32のところで分岐し、各プロペラ10a,10bは、分岐した回転力伝達機構30の末端に1つずつ接続され、各電動モーター40a,40bは、差動機構32と各プロペラ10a,10bとの間に1つずつ接続されているため、プロペラ10a,10bの数よりも少ない差動機構32を用いてプロペラ10a,10b間に任意の回転数差を生じさせることが可能となり、その結果、プロペラの数と同数の差動機構を用いる場合と比較して、機体を軽量化することが可能となる。
【0063】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、回転力伝達機構30は、差動機構32から見て回転力伝達機構30の末端側に配置され、回転力伝達機構30の回転力伝達方向を屈曲させる屈曲機構33a,33bをさらに有するため、各プロペラ10a,10bを適切な方向に向けることが可能となる。
【0064】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、回転力伝達機構30は、内燃機関20と差動機構32との間に、回転力の断続が可能な第1クラッチ34を有するため、内燃機関20が適切なトルクを発生する回転数となってから、内燃機関20の回転力を回転力伝達機構30に伝達することが可能となる。
【0065】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、第1クラッチ34を有するため、第1クラッチ34で回転力の切断を行うことにより、各電動モーター40a,40bのみを用いた各プロペラの制御が可能となる。
【0066】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、無尾翼型の空力面を有する主翼50a,50bと、主翼50a,50bの後縁部左右両側に配設された動翼52a,52bとを備え、プロペラ10a,10bは、主翼50a,50bの左右両側に配設されているため、主翼50a,50bの空力を利用し、高速かつ長時間の飛行に適したプロペラ式飛行体とすることが可能となる。
【0067】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、プロペラ10a,10b間に任意の回転数差を生じさせることで機首左右方向の回転制御(ヨーイングの制御)が可能であるため、ラダーを備える必要がなくなり、その結果、機体の空気抵抗を低減することが可能となる。
【0068】
また、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1によれば、プロペラ10a,10bは、主翼50a,50bの前縁部左右両側に、左右対称に配設されているため、テールシッター方式の垂直離着陸を実現することが可能となる。
【0069】
[実施形態2]
図2は、実施形態2に係るプロペラ式飛行体2の上面図である。
実施形態2に係るプロペラ式飛行体2は、基本的には実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するが、回転力伝達機構の構成が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なる。すなわち実施形態2における回転力伝達機構31は、図2に示すように、差動機構32と電動モーター40a,40bが接続されている位置との間に、回転力の断続が可能な第2クラッチ38a,38bを有する。
【0070】
実施形態2においては、第2クラッチ38a,38bは差動機構32と屈曲機構33a,33bとの間に配設されている。なお、第2クラッチ38a,38bは、屈曲機構33a,33bと電動モーター40a,40bとの間に配設されていてもよい。
【0071】
第2クラッチ38a,38bとしては、回転数差があっても回転力の接続が可能であるもの(電磁クラッチ、摩擦クラッチ、流体クラッチ等)を好適に用いることができる。また、第2クラッチ38a,38bはワンウェイクラッチやワンウェイクラッチとその他のクラッチとを組み合わせたものであってもよい。
【0072】
このように、実施形態2に係るプロペラ式飛行体2は、回転力伝達機構の構成が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なるが、内燃機関20を備え、内燃機関20の回転力を回転力伝達機構31でプロペラ10a,10bに伝達するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0073】
また、実施形態2に係るプロペラ式飛行体2によれば、第2クラッチ38a,38bで回転力の切断を行うことにより、内燃機関20の存在による抵抗を受けることなく各電動モーター40a,40bのみを用いた各プロペラ10a,10bの制御が可能となる。
【0074】
実施形態2に係るプロペラ式飛行体2は、回転力伝達機構の構成以外については実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0075】
[実施形態3]
図3は、実施形態3に係るプロペラ式飛行体3を説明するために示す図である。図3(a)はプロペラ式飛行体3の上面図であり、図3(b)はプロペラ110a,110b,110c,110d、内燃機関120、第1クラッチ134及び電動モーター140a,140b,140c,140dを図示しないプロペラ式飛行体3の上面図であり、図3(c)はプロペラ式飛行体3の正面図(図3(a)の方向d3に沿って見た図)である。
実施形態3に係るプロペラ式飛行体3は、固定ピッチ式のプロペラと、内燃機関と、差動機構を有する回転力伝達機構と、電動モーターとを備える点においては実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するが、全体的な形状が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なる。以下、実施形態3に係るプロペラ式飛行体の構成について説明する。
【0076】
実施形態3に係るプロペラ式飛行体3は、図3に示すように、プロペラ110a,110b,110c,110d、内燃機関120、回転力伝達機構130、電動モーター140a,140b、筐体150を備える。プロペラ式飛行体3は、いわゆるマルチコプターである。
【0077】
プロペラ式飛行体3は、固定ピッチ式のプロペラから構成される複数のプロペラ(実施形態3においては4つのプロペラ110a,110b,110c,110d)を備える。
各プロペラ110a,110b,110c,110dは、分岐した回転力伝達機構130の末端に1つずつ接続されている。
プロペラ110a,110b,110c,110dは、放射状に離間して配設されている。プロペラ110a,110b,110c,110dは、いわゆる垂直プロペラである。
【0078】
内燃機関120は、実施形態1における内燃機関20に相当する。内燃機関120は、図3において全体が筐体150の中に配設されているように表示されているが、本体の一部や内燃機関120に付随する吸気機構、排気機構、冷却機構(いずれも図示せず。)等が筐体150の外部に露出していてもよい。
【0079】
回転力伝達機構130は、内燃機関120を基点として複数のプロペラの数(実施形態1においては4つ)に応じて分岐する。また、回転力伝達機構130は、内燃機関120で生成された回転力を複数のプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達する。回転力伝達機構130は、内燃機関120で生成された回転力と電動モーター140a,140b,140c,140dで生成された回転力又は制動力とを合成して複数のプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達可能である。
【0080】
回転力伝達機構130は、複数のプロペラ110a,110b,110c,110dを構成する各プロペラ110a,110b,110c,110dの間に任意の回転数差を生じさせることを可能とする差動機構132,136a,136bを有する。差動機構132,136a,136bは、1つの差動機構入力軸と2つの差動機構出力軸とを有し、1つの差動機構入力軸から入力された回転力を2つの差動機構出力軸に分配しつつ2つの差動機構出力軸の間に任意の回転数差を生じさせることが可能に構成されている。
差動機構132,136a,136bとしては、各種ディファレンシャルギア(例えば、ベベルギアや遊星歯車を用いたもの)を好適に用いることができる。
【0081】
回転力伝達機構130は、差動機構132,136a,136bのところで分岐する。さらに詳しく説明すると、回転力伝達機構130は、内燃機関20の後段の差動機構132のところで2方向に分岐し、分岐したそれぞれが差動機構136a,136bのところでさらに2方向に分岐する。このため、実施形態3においては、回転力伝達機構130は、上面視したときにアルファベットの「H」の字状に見える。
【0082】
差動機構132の入力軸は、内燃機関120側に接続されている。差動機構136a,136bの入力軸は、差動機構132側に接続されている。
回転力伝達機構130は、差動機構136a,136bから見て回転力伝達機構130の末端側に配置され、回転力伝達機構130の回転力伝達方向を屈曲させる屈曲機構133a,133b,133c,133dをさらに有する。屈曲機構133a,133b,133c,133dとしては、例えば、ベベルギア(傘歯車)を組み合わせたものを好適に用いることができる。
【0083】
回転力伝達機構130は、回転シャフト、各種ギア、自在継手等を有する。これらは動力伝達の手段として一般的なものであるため、詳細な説明及び具体的な図示は省略する。
回転力伝達機構130は、第1クラッチ134を有する。第1クラッチ134は、実施形態1における第1クラッチ34に相当する。
【0084】
複数の電動モーター140a,140b,140c,140dは、複数のプロペラ110a,110b,110c,110dと1対1で対応する。
また、複数の電動モーター140a,140b,140c,140dは、回転力伝達機構130に接続されている。
複数の電動モーター140a,140b,140c,140dを構成する各電動モーター140a,140b,140c,140dは、回転力及び制動力のうち少なくとも一方を生成可能に構成されている。
電動モーター140a,140b,140c,140dとしては、種々のモーターを用いることができる。
【0085】
各電動モーター140a,140b,140c,140dは、差動機構136a,136bとプロペラ110a,110b,110c,110dとの間に1つずつ接続されている。実施形態1における電動モーター140a,140b,140c,140dは、回転力伝達機構130を構成する回転シャフトの一部を回転軸としている。
【0086】
飛行中、電動モーター140a,140b,140c,140dにより制動力や回転力を回転力伝達機構130に付加することで、プロペラ110a,110b,110c,110dの回転数を個別に制御することが可能となる。
なお、プロペラ式飛行体3は、プロペラ110a,110b,110c,110d全体の回転数を増減することで上昇や下降が可能となり、プロペラ110a,110b,110c,110d個別の回転数を増減することで機体を傾ける(バランスを崩す)ことによる前後左右への移動や旋回が可能となる。
【0087】
筐体150は、内燃機関120や回転力伝達機構130等を収納している。
【0088】
このように、実施形態3に係るプロペラ式飛行体3は、全体的な形状が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なるが、内燃機関120を備え、内燃機関120の回転力を回転力伝達機構130でプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0089】
また、実施形態3に係るプロペラ式飛行体3によれば、プロペラを3つ以上備え、プロペラ110a,110b,110c,110dは、放射状に離間して配設されているため、ホバリングや細かい動作に適したプロペラ式飛行体とすることが可能となる。
【0090】
実施形態3に係るプロペラ式飛行体3は、全体的な形状以外については実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0091】
[実施形態4]
図4は、実施形態4に係るプロペラ式飛行体4を説明するために示す図である。図4(a)はプロペラ式飛行体4の上面図であり、図4(b)はプロペラ式飛行体4の正面図(図4(a)の方向d4に沿って見た図。)である。
実施形態4に係るプロペラ式飛行体4は、基本的には実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するが、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なる。
【0092】
実施形態4における回転力伝達機構70は、1つの分岐機構入力軸から入力された回転力を2つ以上(実施形態4においては2つ)の分岐機構出力軸に回転数が同じになるように分配する分岐機構73をさらに有し、分岐機構73のところで分岐する。実施形態4においては、回転力伝達機構70は、内燃機関20の後段の分岐機構73のところで2方向に分岐する。分岐機構73としては、例えば、ベベルギアを組み合わせたものを好適に用いることができる。
【0093】
また、回転力伝達機構70は、差動機構として複数のプロペラ10a,10bと1対1で対応する複数の差動機構72a,72bを有する。
複数の差動機構について「複数のプロペラと1対1で対応する」とは、プロペラの数と差動機構の数とが同数であり、かつ、特定のプロペラと特定の差動機構とが対応する関係にあることをいう。
【0094】
各差動機構72a,72bは、分岐機構73と各プロペラ10a,10bとの間に1つずつ配設されている。差動機構72a,72bの入力軸は、内燃機関20側に接続されている。
各プロペラ10a,10b及び各電動モーター40a,40bは、各差動機構72a,72bにおける2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されている。
【0095】
このように、実施形態4に係るプロペラ式飛行体4は、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置が実施形態1に係るプロペラ式飛行体1とは異なるが、内燃機関20を備え、内燃機関20の回転力を回転力伝達機構70でプロペラ10a,10bに伝達するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0096】
また、実施形態4に係るプロペラ式飛行体4によれば、回転力伝達機構70は、分岐機構73をさらに有し、分岐機構73のところで分岐するとともに、差動機構として、複数のプロペラ10a,10bと1対1で対応する複数の差動機構72a,72bを有し、各差動機構72a,72bは、分岐機構73と各プロペラ10a,10bとの間に1つずつ配設され、各プロペラ10a,10b及び各電動モーター40a,40bは、各差動機構72a,72bにおける2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されているため、内燃機関20からの回転力をプロペラ10a,10bに伝達しつつ、プロペラ10a,10bごとに独立して回転数を決定することが可能となる。
【0097】
実施形態4に係るプロペラ式飛行体4は、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置以外については実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0098】
[実施形態5]
図5は、実施形態5に係るプロペラ式飛行体5を説明するために示す図である。図5(a)はプロペラ式飛行体5の上面図であり、図5(b)はプロペラ110a,110b,110c,110d、内燃機関120及び第1クラッチ134を図示しないプロペラ式飛行体5の上面図であり、図5(c)はプロペラ式飛行体5の正面図(図5(a)の方向d5に沿って見た図)である。
実施形態5に係るプロペラ式飛行体5は、基本的には実施形態3に係るプロペラ式飛行体3と同様の構成を有するが、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置が実施形態3に係るプロペラ式飛行体3とは異なる。
【0099】
実施形態5における回転力伝達機構170は、1つの分岐機構入力軸から入力された回転力を2つ以上(実施形態5においては2つ)の分岐機構出力軸に回転数が同じになるように分配する分岐機構173a,173b,173cをさらに有し、分岐機構173a,173b,173cのところで分岐する。実施形態5においては、回転力伝達機構170は、内燃機関120の後段の分岐機構173aのところで2方向に分岐し、分岐したそれぞれがさらに分岐機構173b,173cのところで2方向に分岐する。このため、実施形態5においては、回転力伝達機構170は、上面視したときにアルファベットの「H」の字状に見える。分岐機構173a,173b,173cとしては、例えば、ベベルギアを組み合わせたものを好適に用いることができる。
【0100】
また、回転力伝達機構170は、差動機構として複数のプロペラ110a,110b,110c,110dと1対1で対応する複数の差動機構172a,172b,172c,172dを有する。
各差動機構172a,172b,172c,172dは、分岐機構173b,173cと各プロペラ110a,110b,110c,110dとの間に1つずつ配設されている。差動機構172a,172b,172c,172dの入力軸は、内燃機関120側に接続されている。
【0101】
各プロペラ110a,110b,110c,110d及び各電動モーター140a,140b,140c,140dは、各差動機構172a,172b,172c,172dにおける2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されている。
【0102】
このように、実施形態5に係るプロペラ式飛行体5は、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置が実施形態3に係るプロペラ式飛行体3とは異なるが、内燃機関120を備え、内燃機関120の回転力を回転力伝達機構170でプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達するため、実施形態3に係るプロペラ式飛行体3と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0103】
また、実施形態5に係るプロペラ式飛行体5によれば、回転力伝達機構170は、分岐機構173a,173b,173cをさらに有し、分岐機構173a,173b,173cのところで分岐するとともに、差動機構として、複数のプロペラ110a,110b,110c,110dと1対1で対応する複数の差動機構172a,172b,172c,172dを有し、各差動機構172a,172b,172c,172dは、分岐機構173a,173b,173cと各プロペラ110a,110b,110c,110dとの間に1つずつ配設され、各プロペラ110a,110b,110c,110d及び各電動モーター140a,140b,140c,140dは、各差動機構172a,172b,172c,172dにおける2つの差動機構出力軸のうち、それぞれ異なる差動機構出力軸に1つずつ接続されているため、内燃機関120からの回転力をプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達しつつ、プロペラ110a,110b,110c,110dごとに独立して回転数を決定することが可能となる。
【0104】
実施形態5に係るプロペラ式飛行体5は、回転力伝達機構の構成及び電動モーターの位置以外については実施形態3に係るプロペラ式飛行体3と同様の構成を有するため、実施形態3に係るプロペラ式飛行体3が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0105】
[実施形態6]
図6は、実施形態6に係るプロペラ式飛行体6を説明するために示す図である。図6(a)はプロペラ式飛行体6の上面図であり、図6(b)はプロペラ110a,110b,110c,110d、内燃機関120及び第1クラッチ134を図示しないプロペラ式飛行体6の上面図であり、図6(c)はプロペラ式飛行体6の正面図(図6(a)の方向d6に沿って見た図)である。
実施形態6に係るプロペラ式飛行体6は、基本的には実施形態5に係るプロペラ式飛行体5と同様の構成を有するが、回転力伝達機構の構成が実施形態5に係るプロペラ式飛行体5とは異なる。
【0106】
実施形態6における回転力伝達機構180は、1つの分岐機構入力軸から入力された回転力を2つ以上(実施形態6においては4つ)の分岐機構出力軸に回転数が同じになるように分配する分岐機構183をさらに有し、分岐機構183のところで分岐する。
実施形態6においては、回転力伝達機構180は、内燃機関120の後段の分岐機構183のところで4方向に分岐する。このため、実施形態6においては、回転力伝達機構180は、上面視したときにアルファベットの「X」の字状に見える。
【0107】
このように、実施形態6に係るプロペラ式飛行体6は、回転力伝達機構の構成が実施形態5に係るプロペラ式飛行体5とは異なるが、内燃機関120を備え、内燃機関120の回転力を回転力伝達機構180でプロペラ110a,110b,110c,110dに伝達するため、実施形態5に係るプロペラ式飛行体5と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0108】
実施形態6に係るプロペラ式飛行体6は、回転力伝達機構の構成以外については実施形態5に係るプロペラ式飛行体5と同様の構成を有するため、実施形態5に係るプロペラ式飛行体5が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0109】
[実施形態7]
図7は、実施形態7に係るプロペラ式飛行体7の上面図である。
実施形態7に係るプロペラ式飛行体7は、基本的には実施形態4に係るプロペラ式飛行体4と同様の構成を有するが、回転力伝達機構の構成が実施形態4に係るプロペラ式飛行体4とは異なる。すなわち実施形態7における回転力伝達機構71は、図7に示すように、分岐機構73と差動機構72a,72bとの間に、回転力の断続が可能な第2クラッチ78a,78bを有する。
【0110】
第2クラッチ78a,78bとしては、回転数差があっても回転力の接続が可能であるもの(電磁クラッチ、摩擦クラッチ、流体クラッチ等)を好適に用いることができる。また、第2クラッチ78a,78bはワンウェイクラッチやワンウェイクラッチとその他のクラッチとを組み合わせたものであってもよい。
【0111】
このように、実施形態7に係るプロペラ式飛行体7は、回転力伝達機構の構成が実施形態4に係るプロペラ式飛行体4とは異なるが、内燃機関20を備え、内燃機関20の回転力を回転力伝達機構71でプロペラ10a,10bに伝達するため、実施形態1に係るプロペラ式飛行体1と同様に、従来のプロペラ式飛行体(プロペラを電動モーターのみで駆動するプロペラ式飛行体)と比較して長い稼働時間を得ることが可能なプロペラ式飛行体となる。
【0112】
また、実施形態7に係るプロペラ式飛行体7によれば、第2クラッチ78a,78bで回転力の切断を行うことにより、内燃機関20の存在による抵抗を受けることなく各電動モーター40a,40bのみを用いた各プロペラ10a,10bの制御が可能となる。
【0113】
実施形態7に係るプロペラ式飛行体7は、回転力伝達機構の構成以外については実施形態4に係るプロペラ式飛行体4と同様の構成を有するため、実施形態4に係るプロペラ式飛行体4が有する効果のうち該当する効果も有する。
【0114】
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0115】
(1)上記各実施形態において記載した構成要素の数、形状、位置、大きさ、角度等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0116】
(2)上記実施形態1,2,4,7においては、プロペラ及びモーターの数は2つであったが、本発明はこれに限定されるものではない。プロペラ及びモーターの数は2つより多くてもよいが、左右対称に配置する関係上、偶数個であることが好ましい。
【0117】
(3)上記実施形態3,5,6においては、プロペラ及びモーターの数は4つであったが、本発明はこれに限定されるものではない。プロペラ及びモーターの数は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0118】
(4)上記実施形態1,2,4,7においては、プロペラ式飛行体は主翼と胴体とを備えるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のプロペラ式飛行体は、胴体に相当する部分も主翼である、いわゆる全翼機であってもよい。
【0119】
(5)本発明のプロペラ式飛行体は、上記各実施形態で記載した構成要素の他にも、用途に応じた追加の構成要素(カメラ、各種センサー、衛星測位システム、作業用又は検査用のアーム、貨物保持用のラック等)をさらに備えていてもよい。
【0120】
(6)上記実施形態3に係るプロペラ式飛行体3における回転力伝達機構130は、差動機構136a,136bと電動モーター140a,140b、140c,140dが接続されている位置との間に第2クラッチを有していないが、本発明はこれに限定されるものではない。図8は、変形例1に係るプロペラ式飛行体3aの上面図である。プロペラ式飛行体3aにおける回転力伝達機構131は、第2クラッチ138a,138b,138c,138dを有する。例えば、図8に示すように、いわゆるマルチコプターであるプロペラ式飛行体も、差動機構と電動モーターが接続されている位置との間に第2クラッチを有していてもよい。
【0121】
(7)上記実施形態5,6に係るプロペラ式飛行体5,6における回転力伝達機構170,180は、分岐機構173b,173c,183と差動機構172a,172b,172c,172dとの間に第2クラッチを有していないが、本発明はこれに限定されるものではない。図9は、変形例2に係るプロペラ式飛行体5aの上面図である。プロペラ式飛行体5aにおける回転力伝達機構171は、第2クラッチ178a,178b,178c,178dを有する。図10は、変形例3に係るプロペラ式飛行体6aの上面図である。プロペラ式飛行体6aにおける回転力伝達機構181は、第2クラッチ188a,188b,188c,188dを有する。例えば、図9,10に示すように、いわゆるマルチコプターであるプロペラ式飛行体も、分岐機構と差動機構との間に第2クラッチを有していてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1,2,3,3a,4,5,5a,6,6a,7…プロペラ式飛行体,10a,10b,110a,110b,110c,110d…プロペラ、20,120…内燃機関、30,31,70,71,130,131,170,171,180,181…回転力伝達機構、32,72a,72b,132,136a,136b,172a,172b,172c,172d…差動機構、33a,33b,133a,133b,133c,133d…屈曲機構、34,134…第1クラッチ、38a,38b,78a,78b,138a,138b,138c,138d,178a,178b,178c,178d,188a,188b,188c,188d…第2クラッチ、40a,40b,140a,140b,140c,140d…電動モーター、50a,50b…主翼、52a,52b…動翼、60…胴体、73,173a,173b,173c,183…分岐機構、150…筐体
図1
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