(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】表面弾性波デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
H03H9/25 A
(21)【出願番号】P 2021055339
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2022-01-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 博文
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 浩一
(72)【発明者】
【氏名】門川 裕
【審査官】橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/181932(WO,A1)
【文献】特開2008-153957(JP,A)
【文献】特開2011-229043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に櫛形電極を含んだ電極パターンを形成させた圧電基板の前記一面上に合成樹脂製のウォール体を介して合成樹脂製のルーフ体を支持させてこれら三者間に内部空間を形成させてなる表面弾性波デバイスであって、
前記ルーフ体及び前記ウォール体を貫通する前記電極パターンを外部に電気的に接続させるための半田バンプの通過穴を備えており、
前記通過穴は、前記ルーフ体内に位置される拡穴部分と、前記ウォール体内に位置される前記拡穴部分よりも断面積を小さくする縮穴部分と、両部分間に形成される段差とを備えており、
前記拡穴部分は、前記通過穴の中心軸を周回する方向において間隔を開けて前記中心軸からの距離を大きくする二以上の外側壁部を備え、隣り合う前記外側壁部間を前記中心軸からの距離を前記外側壁部より小さくする内側壁部としてなる、表面弾性波デバイス。
【請求項2】
前記拡穴部分内に前記中心軸に沿った溝を形成させており、この溝の溝底側が前記外側壁部となるようにしてなる、請求項1に記載の表面弾性波デバイス。
【請求項3】
前記中心軸を周回する方向において隣り合う前記溝との間を前記内側壁部として複数の前記溝を形成させると共に、前記内側壁部を前記中心軸を中心とする仮想の円の円弧に沿うように形成させてなる、請求項2に記載の表面弾性波デバイス。
【請求項4】
前記中心軸に直交する向きの前記拡穴部分の断面輪郭形状を、前記中心軸を中心とした仮想の四角形の辺に沿うように形成された辺部分と、前記四角形の隅
側に位置する
と共に前記辺部分に実質的に45度の角度で交わる仮想の線分に実質的に沿うように形成された隅部分とを持つように形成し、前記辺部分が前記内側壁部を構成し、前記隅部分が前記外側壁部を構成するようにしてなる、請求項1に記載の表面弾性波デバイス。
【請求項5】
前記ウォール体の厚さよりも前記ルーフ体の厚さを厚くさせてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の表面弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面弾性波デバイスの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
WLP(Wafer Level Package)構造の表面弾性波デバイスがある。その構造を
図9に示す。WLP構造の表面弾性波デバイスでは、一面に櫛形電極を含んだ電極パターンを形成させた圧電基板100の前記一面上に、合成樹脂製のウォール体101を介して合成樹脂製のルーフ体102を支持させてこれら三者間に内部空間103(エアキャビティ)を形成させている。
【0003】
前記ルーフ体102及び前記ウォール体101には、前記電極パターンを外部に電気的に接続させるための半田バンプ104の通過穴105を形成させている。通過穴105は、前記ルーフ体102内に位置される拡穴部分105aと、前記ウォール体101内に位置される前記拡穴部分105aよりも断面積を小さくする縮穴部分105bと、両部分間に形成される段差106とを備えている。
【0004】
ここで、前記半田バンプは、通過穴105を通じて前記圧電基板100の前記一面上に印刷によってクリーム半田を付着させた後のリフロー処理によって球状化する。すなわち、合成樹脂とクリーム半田は親和しないため前記リフロー処理によって溶融したクリーム半田は合成樹脂製のウォール体102の前記拡穴部分105aの穴口に接した状態でその表面張力により球状に凝集する。
【0005】
しかるに、従来のWLP構造の表面弾性波デバイスでは、前記拡穴部分105aは、前記通過穴105の中心軸に直交する向きの前記拡穴部分105aの断面輪郭形状を、単純な円形状としたものであった。このため、従来のWLP構造の表面弾性波デバイスは、前記半田バンプ104と前記拡穴部分105aの穴口とが接した箇所と前記段差106との間に閉鎖された空隙107(ボイド)を形成させてしまうものであった。
【0006】
前記クリーム半田に含まれるフラックスは、前記リフロー処理後に洗浄処理により取り除かれるべきものであるが、従来のWLP構造の表面弾性波デバイスでは前記空隙107は閉鎖されてしまうため、この空隙107中のフラックス残渣の除去ができないという問題を有するものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の表面弾性波デバイスに備えられる前記半田バンプの周囲にフラックスを残存させる要因となる閉鎖された空隙を形成させないようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、表面弾性波デバイスを、 一面に櫛形電極を含んだ電極パターンを形成させた圧電基板の前記一面上に合成樹脂製のウォール体を介して合成樹脂製のルーフ体を支持させてこれら三者間に内部空間を形成させてなる表面弾性波デバイスであって、
前記ルーフ体及び前記ウォール体を貫通する前記電極パターンを外部に電気的に接続させるための半田バンプの通過穴を備えており、
前記通過穴は、前記ルーフ体内に位置される拡穴部分と、前記ウォール体内に位置される前記拡穴部分よりも断面積を小さくする縮穴部分と、両部分間に形成される段差とを備えており、
前記拡穴部分は、前記通過穴の中心軸を周回する方向において間隔を開けて前記中心軸からの距離を大きくする二以上の外側壁部を備え、隣り合う前記外側壁部間を前記中心軸からの距離を前記外側壁部より小さくする内側壁部としてなる、ものとした。
【0009】
前記拡穴部分内に前記中心軸に沿った溝を形成させ、この溝の溝底側が前記外側壁部となるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0010】
また、前記中心軸を周回する方向において隣り合う前記溝との間を前記内側壁部として複数の前記溝を形成させると共に、前記内側壁部を前記中心軸を中心とする仮想の円の円弧に沿うように形成させることが、この発明の態様の一つとされる。
【0011】
また、前記中心軸に直交する向きの前記拡穴部分の断面輪郭形状を、前記中心軸を中心とした仮想の四角形の辺に沿うように形成された辺部分と、前記四角形の隅側に位置すると共に前記辺部分に実質的に45度の角度で交わる仮想の線分に実質的に沿うように形成された隅部分とを持つように形成し、前記辺部分が前記内側壁部を構成し、前記隅部分が前記外側壁部を構成するようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0012】
また、前記ウォール体の厚さよりも前記ルーフ体の厚さを厚くさせるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、この種の表面弾性波デバイスに備えられる前記半田バンプの周囲に形成される空隙を開放されたものとすることができ、この空隙内に残存したフラックスをリフロー処理後の洗浄処理によって適切に除去することが可能となる。
【0014】
また、この発明にかかる表面弾性波デバイスが実装される配線基板と、この配線基板の実装側を被覆するモールド樹脂とを備えるモジュールを構成するにあたり、前記空隙内にモールド樹脂を入り込ませることができ、したがって、この発明は、このように構成されるモジュールの機械的安定性を向上させる特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる表面弾性波デバイス(第一例)の断面構成図である。
【
図2】
図2は、前記第一例の半田バンプの通過穴の形成箇所を、半田バンプの記載を省略して表した、平面構成図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるA-A線位置での断面構成図である。
【
図4】
図4は、
図2におけるB-B線位置での断面構成図である。
【
図5】
図5は、前記第一例に半田バンプを備えさせる工程を示した断面構成図であり、同図(a)、(b)、(c)の順で進行する。
【
図6】
図6は、前記第一例を含んで構成されるモジュールを生成する工程を示した断面構成図であり、同図(a)、(b)、(c)、(d)の順で進行する。
【
図7】
図7は、この発明の一実施の形態にかかる表面弾性波デバイス(第二例)の半田バンプの通過穴の形成箇所を、半田バンプの記載を省略して表した、平面構成図である。
【
図8】
図8は、この発明の一実施の形態にかかる表面弾性波デバイス(第三例)の半田バンプの通過穴の形成箇所を、半田バンプの記載を省略して表した、平面構成図である。
【
図9】
図9は、従来の WLP構造の表面弾性波デバイスの断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図8に基づいて、この発明の一実施の形態にかかる表面弾性波デバイス1について、説明する。この実施の形態にかかる表面弾性波デバイス1は、WLP(Wafer Level Package)構造のものとなっている。
【0017】
その断面構造を
図1に示す。WLP構造の表面弾性波デバイス1では、一面2aに櫛形電極を含んだ電極パターン3を形成させた圧電基板2の前記一面2a上に、合成樹脂製のウォール体4を介して合成樹脂製のルーフ体5を支持させてこれら三者間に内部空間6(エアキャビティ)を形成させている。
【0018】
圧電基板2は、典型的には、四角形の板状をなす。WLP構造では、電極パターン3上の内部空間6を、電極パターン3を囲繞するように圧電基板2の一面2a上に前記ウォール体4を形成させた後、このウォール体4の上にこのルーフ体5を形成させることで、形成させている。図示の例では、ルーフ体5は、外周部をウォール体4の圧電基板2からの突き出し端に一体化させた板状をなすように成形されている。表面弾性波デバイス1は、圧電基板2の厚さ方向に沿った端面2bを含む仮想の平面上に、ウォール体4の端面4a、および、ルーフ体5の端面5aが位置されるように、成形されている。
【0019】
前記ルーフ体5及び前記ウォール体4には、前記電極パターン3を外部に電気的に接続させるための半田バンプ7の通過穴8が形成されている。通過穴8は、前記電極パターン3の端子部3aを穴底に位置させて、前記ルーフ体5及び前記ウォール体4を圧電基板2の一面2aに直交する向きに貫通している。通過穴8は、典型的には、前記内部空間6を周回する方向において、隣り合う通過穴8との間に間隔を開けて、複数個形成される。
【0020】
各通過穴8はそれぞれ、前記ルーフ体5内に位置される拡穴部分8aと、前記ウォール体4内に位置される前記拡穴部分8aよりも通過穴8の中心軸x(通過穴8の中心を通る通過穴8の連続方向に沿った直線)に直交する向きの穴内の空間断面積を小さくする縮穴部分8bと、両部分8a、8b間に形成される段差8cとを備えている。段差8cは、通過穴8の中心軸xを周回するように形成されている。拡穴部分8aの前記中心軸xに直交する向きの断面輪郭形状はこの拡穴部分8aのいずれの位置でも一様であり、縮穴部分8bの前記中心軸xに直交する向きの断面輪郭形状もこの縮穴部分8bのいずれの位置でも一様となっている。
【0021】
各通過穴8にはそれぞれ、半田バンプ7が形成される。各半田バンプ7はそれぞれ、縮穴部分8b内に位置される基部7aと、段差8c上に形成されて拡穴部分8a内に位置される下部7baと通過穴8の穴口8dより外側に突き出す上部7bbとを備えた球状部7bとを備えている。半田バンプ7の形成工程の要部を
図5に示す。
【0022】
先ず、圧電基板2上に、所定の位置に通過穴8を備えたウォール体4及びルーフ体5を形成させる(ステップ1/
図5(a))。
次いで、通過穴8を通じて前記圧電基板2の前記一面2a上に印刷によってクリーム半田9を付着させる(ステップ2/
図5(b))。
この後、リフロー処理によって溶融したクリーム半田9により半田バンプ7を形成させる(ステップ3/
図5(c))。溶融したクリーム半田9は合成樹脂製のウォール体4の通過穴8の穴口8d、すなわち、拡穴部分8aの穴口に接した状態で球状に凝集して前記球状部7bを形成する。
【0023】
この実施の形態にあっては、
図2、
図7、
図8に示されるように、前記拡穴部分8aは、前記通過穴8の中心軸x(
図5(a)参照)を周回する方向において間隔を開けて前記中心軸xからの距離を大きくする二以上の外側壁部8aaを備え、隣り合う前記外側壁部8aa間を前記中心軸xからの距離を前記外側壁部8aaより小さくする内側壁部8abとした構成となっている。
【0024】
このようにすると、内側壁部8abに接した状態で半田バンプ7を形成させると共に、前記段差8c上において形成された半田バンプ7と外側壁部8aaとの間に開放された空隙10を形成させることができる。
これにより、前記空隙10内に残存したフラックスをリフロー処理後の洗浄処理によって適切に除去することが可能となる。
また、通過穴8を通じて前記圧電基板2の前記一面2a上に印刷によってクリーム半田9を付着させるときに、前記空隙10からエアを抜けさせることができ、適切且つスムースなクリーム半田9の印刷が可能となる。
また、かかる表面弾性波デバイス1が実装される配線基板11bと、この配線基板11bの実装側を被覆するモールド樹脂11aとを備えるモジュール11(複合部品)を構成するにあたり、前記空隙10内にモールド樹脂11aを入り込ませることができ、したがって、このように構成されるモジュール11の機械的安定性を向上させる特長を有する。
【0025】
かかるモジュール11の製造工程の要部を
図6に示す。
先ず、配線基板11bの端子部11c(
図6(a)参照)上に印刷によってクリーム半田9を付着させる(ステップ1/
図6(b))。
次いで、ステップ1の端子部11c上に対応する表面弾性波デバイス1の半田バンプ7が位置されるようにした状態で、リフロー処理をし、半田バンプ7と端子部11cとを電気的に接続させる(ステップ2/
図6(b)から
図6(c))。
最後に、配線基板11bの実装側を、モールド樹脂11a内に表面弾性波デバイス1が埋め込まれるようにして、モールド樹脂11aで被覆する(ステップ3/
図6(d))。
【0026】
拡穴部分8aの断面輪郭形状を単純な円形状としてしまうと、半田バンプ7と拡穴部分8aの穴口とが接した箇所と前記段差8cとの間に閉鎖された空隙10(ボイド)を形成させてしまう。これに対し、この実施の形態にかかる表面弾性波デバイス1では、リフロー処理によって溶融したクリーム半田9は合成樹脂製のウォール体4の通過穴8の穴口8d、すなわち、拡穴部分8aの穴口のうち内側壁部8abによって形成される箇所に接した状態で球状に凝集して前記球状部7bを形成するようになることから、球状部7bと拡穴部分8aの外側壁部8aaとの間を開放させた状態で、前記空隙10を形成させることができる。
【0027】
図1~
図6は、拡穴部分8a内に、すなわち、拡穴部分8aにおける通過穴8の穴壁に、中心軸xに沿った溝12を形成させて、この溝12の溝12底側が外側壁部8aaとなるようにした第一例を示している。この第一例では、前記中心軸xを周回する方向において隣り合う前記溝12との間を前記内側壁部8abとして複数の前記溝12を形成させると共に、前記内側壁部8abを前記中心軸xを中心とする仮想の円の円弧に沿うように形成させている。前記中心軸xに直交する向きの前記溝12の断面輪郭形状は半円弧状となっている。前記中心軸xを周回する方向において隣り合う前記溝12間には、いずれの位置においても実質的に等しい間隔が形成されている。また、この第一例では、前記中心軸xを周回する方向においていずれの位置においても、前記中心軸xを挟んだ対向位置にはそれぞれ前記溝12が位置するようになっている。
これにより、この第一例では、半田バンプ7の球状部7bに内側壁部8abを線的に接しさせた状態で、前記中心軸xを周回する方向において、隣り合う内側壁部8ab間を開放させた空隙10を形成させることができる。
例えば、前記半田バンプ7の球状部7bの最大径L1(
図4参照)を100μm、縮径部分を円形穴としてその穴径L2(
図2参照)を80μm、拡穴部分8aの前記中心軸xを挟んだ対向位置にある内側壁部8ab間の距離L3(
図3参照)を90μm、拡穴部分8aの前記中心軸xを挟んだ対向位置にある外側壁部8aa間の距離L4(
図4参照)を110μmとすると、球状部7bと拡穴部分8aの外側壁部8aaとの間に10μmの空隙10の開放箇所を形成させることができる。
【0028】
図7は、前記溝12を、一対の溝側壁12bとこの溝側壁12bに交叉する溝底壁12aとを備えるように形成させた第二例を示している。この第二例のその余の構成は前記第一例と実質的に同一であるので、その説明は省略する。
【0029】
図8は、前記中心軸xに直交する向きの前記拡穴部分8aの断面輪郭形状を、前記中心軸xを中心とした仮想の四角形y(
図8参照)の辺に沿うように形成された辺部分13と、前記四角形yの隅に位置する隅部分14とを持つように形成し、前記辺部分13が前記内側壁部8abを構成し、前記隅部分14が前記外側壁部8aaを構成するようにした第三例を示している。図示の例では、仮想の四角形yの二つの対角線の交点が前記中心軸xの中心となるようにしてある。また、隅部分14は、前記辺部分13に実質的に45度の角度で交わる仮想の線分z(
図8参照)に実質的に沿うように形成されており、前記中心軸xに直交する向きの前記拡穴部分8aの断面輪郭形状は実質的に八角形となっている。
これにより、この第三例では、半田バンプ7の球状部7bに四箇所の内側壁部8abを点的に接しさせた状態で、前記中心軸xを周回する方向において、隣り合う前記接触箇所間にそれぞれ開放された空隙10を形成させることができる。
【0030】
また、以上に説明した実施の形態では、前記ウォール体4の厚さ(圧電素子の一面2aに直交する向きのウォール体4の寸法)よりも前記ルーフ体5(圧電素子の一面2aに直交する向きのルーフ体5の寸法)の厚さが厚くなるようにしている。このようにした場合、前述のように、通過穴8を通じて前記圧電基板2の前記一面2a上に印刷によってクリーム半田9を付着(ステップ2/
図5(b))させたときに、拡穴部分8a内のクリーム半田9の量を増加させ易くなる。
【0031】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0032】
1 表面弾性波デバイス
2 圧電基板
2a 一面
2b 端面
3 電極パターン
3a 端子部
4 ウォール体
4a 端面
5 ルーフ体
5a 端面
6 内部空間
7 半田バンプ
7a 基部
7b 球状部
7ba 下部
7bb 上部
8 通過穴
8a 拡穴部分
8aa 外側壁部
8ab 内側壁部
8b 縮穴部分
8c 段差
8d 穴口
9 クリーム半田
10 空隙
11 モジュール
11a モールド樹脂
11b 配線基板
11c 端子部
12 溝
12a 溝底壁
12b 溝側壁
13 辺部分
14 隅部分
x 中心軸
y 仮想の四角形
z 仮想の線分
【要約】 (修正有)
【課題】半田バンプの周囲にフラックスを残存させる要因となる閉鎖された空隙を形成させないようにする。
【解決手段】表面弾性波デバイス1は、圧電基板2と、電極パターン3と、ウォール体4と、ルーフ体5と、を有する。ルーフ体5及びウォール体4は、電極パターン3を外部に電気的に接続させるための半田バンプ7の通過穴8を備えている。通過穴8は、ルーフ体5内に位置される拡穴部分8aと、ウォール体4内に位置される拡穴部分8aよりも断面積を小さくする縮穴部分8bと、両部分間に形成される段差8cと、を備えている。拡穴部分8aは、通過穴8の中心軸を周回する方向において間隔を開けて中心軸からの距離を大きくする複数の外側壁部8aaと、隣り合う外側壁部8aa間を中心軸からの距離を外側壁部8aaより小さい内側壁部と、を有する。
【選択図】
図1