(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】スタビライザブッシュ
(51)【国際特許分類】
B60G 21/055 20060101AFI20220310BHJP
B60G 7/02 20060101ALI20220310BHJP
F16F 1/38 20060101ALI20220310BHJP
F16F 15/08 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
B60G21/055
B60G7/02
F16F1/38 S
F16F1/38 U
F16F15/08 K
(21)【出願番号】P 2018112269
(22)【出願日】2018-06-12
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】特許業務法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】榊原 紫穂
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-182767(JP,A)
【文献】特開2017-056866(JP,A)
【文献】特開2016-205434(JP,A)
【文献】特開2011-148347(JP,A)
【文献】特開2000-193002(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0200767(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016010313(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00-99/00
F16F 1/00- 3/12,15/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタビライザバーが挿通される中心孔を有する筒形状とされており、車体側部材と取付ブラケットとの突き合わせ面によって構成される保持面により外周面を嵌合保持されて車両に装着されるスタビライザブッシュであって、
U字形状を有する前記取付ブラケットの両端部が、前記車体側部材に重ね合わされて固定されることで前記保持面が構成されており、該車体側部材と該取付ブラケットの突き合わせ方向よりも、該突き合わせ方向と直交する軸直角方向において、装着状態で大きな圧縮力が及ぼされるようになっている一方、
前記外周面が該保持面を構成する該車体側部材の突き合わせ面に重ね合わされる車体取付面を備えており、該車体取付面における軸方向の両端部分には、該車体側部材と該取付ブラケットとの突き合わせ方向で該取付ブラケット側に控える第一の控え部が設けられていることを特徴とするスタビライザブッシュ。
【請求項2】
前記車体取付面の前記第一の控え部が、軸方向外側に向けて前記突き合わせ方向で前記取付ブラケット側へ傾斜する傾斜形状とされている請求項1に記載のスタビライザブッシュ。
【請求項3】
前記車体取付面における軸直角方向の両端部分には、前記車体側部材と前記取付ブラケットとの突き合わせ方向で該取付ブラケット側に控える第二の控え部が設けられている請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュ。
【請求項4】
前記各第一の控え部の軸方向寸法が前記車体取付面の軸方向寸法の1/8倍以上とされている請求項1~3の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
【請求項5】
前記車体取付面には前記車体側部材の突き合わせ面に重ね合わされる平坦部が設けられており、前記第一の控え部が該車体取付面における該平坦部よりも軸方向外側に設けられている請求項1~4の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
【請求項6】
前記車体取付面の前記第一の控え部が、装着状態において該車体側部材の突き合わせ面に当接状態で重ね合わされる請求項1~5の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタビライザバーを車体へ防振支持せしめるスタビライザブッシュに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車などの車両では、旋回時などにおける車体の傾きを抑えて走行安定性を向上させるためのスタビライザバーが用いられている。スタビライザバーは、一般に左右のサスペンション部材の間に跨がって配設されていると共に、長さ方向の中間部分がスタビライザブッシュを介して車両ボデーに対して防振支持されている。
【0003】
かかるスタビライザブッシュは、スタビライザバーが挿通される中心孔を有する筒形状とされており、車体側部材とそこに固定される取付ブラケットとの突き合わせ面間に形成される保持面により外周面を嵌合保持されて、車両に装着されるようになっている。
【0004】
ところで、従来のスタビライザブッシュの外周面形状は、例えば特開2001-182767号公報(特許文献1)に示されているように、一般に、円形外周上の一部が弦方向に平坦面とされた小鉤形状乃至はトンネル形状とされていた。このようなスタビライザブッシュは、平坦な車体側部材とU字状の取付ブラケットとの突き合わせ面によって構成される保持面によって外周面を嵌合保持されて車両に装着されることとなる。
【0005】
また、スタビライザブッシュは、特許文献1にも示されているように、車体側部材と取付ブラケットを固定する際に、車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向であるU字状の取付ブラケットの深さ方向において圧縮された状態で車両に装着される場合がある。これによれば、スタビライザバーの支持ばね特性を圧縮変形量によってチューニングできると共に、スタビライザブッシュの経時的なへたりに起因する異音の発生などを防ぐことができる。
【0006】
しかしながら、スタビライザブッシュを車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向に圧縮するだけでは、スタビライザブッシュに及ぼされる圧縮力の大きさや作用態様に制限があり、スタビライザブッシュの支持ばね特性を十分に大きな自由度でチューニングすることは、未だ難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、支持ばね特性を大きな自由度でチューニングすることが可能とされた、新規な構造のスタビライザブッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
先ず、本発明者は、スタビライザブッシュの特性のチューニング自由度を大きく得るために、スタビライザブッシュを車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向とは異なる径方向で圧縮するという着想を得て、U字状とされた取付ブラケットの開口部分における両側壁部の対向間でスタビライザブッシュを圧縮することを考えた。
【0010】
ところが、本発明者が試作と検討を重ねた結果、スタビライザブッシュを取付ブラケットの開口部分における両側壁部の対向間で圧縮すると、装着状態においてスタビライザブッシュが取付ブラケットの開口側において大きく膨らむように変形して、車体側部材と取付ブラケットの重ね合わせ面間へのゴムの噛み込みや、支持ばね特性への悪影響などの新たな問題を生じることが明らかとなった。
【0011】
このようなゴムの噛み込みや支持ばね特性への影響が生じる理由は、スタビライザブッシュを車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向で圧縮する従来構造では取付ブラケットの底部側でスタビライザブッシュへ大きく作用していた圧縮力が、取付ブラケットの開口部付近に集中するためであると推定される。例えば、スタビライザブッシュが開口幅の狭い取付ブラケットの外嵌装着によって圧縮される場合には、取付ブラケットの開口部からスタビライザブッシュを嵌め入れるようにして装着する際に、スタビライザブッシュのゴムが、取付ブラケットの開口側へ逃げるように変形し、取付ブラケットの開口側に集められるようにして圧縮されることで、スタビライザブッシュが車体側部材に近い側で大きく膨らみ易いと考えられる。また一方、スタビライザブッシュの外周に配した取付ブラケットを、開口部分の両側壁部を相互に接近変形させることで、スタビライザブッシュが圧縮される場合には、取付ブラケットの開口付近でスタビライザブッシュの圧縮量が大きくなって外方への膨出変形が大きくなり易いと考えられる。
【0012】
このような状況下、本発明は、車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向で圧縮する従来構造のスタビライザブッシュとは異なり、U字状とされた取付ブラケットの開口部分における両側壁部の対向間でスタビライザブッシュを圧縮することに伴って惹起された新規な課題を解決することで、チューニング自由度の大きなスタビライザブッシュを実現することを目的とするものである。
【0013】
なお、上記特許文献1のスタビライザブッシュは、車体側部材への着座面の幅方向(周方向)両端部にテーパ面が形成されており、このテーパ面の傾斜角度を更に大きくすることで、スタビライザブッシュの圧縮による膨出変形量を低減することも考えられる。しかしながら、幅方向両端部に設けられたテーパ面の傾斜角度を大きくし過ぎると、スタビライザブッシュの車体側部材への着座面における当接力が周方向(幅方向)の中央だけに集中し過ぎて、スタビライザブッシュの周方向での装着安定性が低下するおそれがある。そのために、スタビライザブッシュの車体側部材への着座面の幅方向両端部のテーパ面の傾斜角度を充分に大きく設定することは困難であった。
【0014】
以下、本発明者が新たに得た知見に基づいて為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0015】
すなわち、本発明の第一の態様は、スタビライザバーが挿通される中心孔を有する筒形状とされており、車体側部材と取付ブラケットとの突き合わせ面によって構成される保持面により外周面を嵌合保持されて車両に装着されるスタビライザブッシュであって、U字形状を有する前記取付ブラケットの両端部が、前記車体側部材に重ね合わされて固定されることで前記保持面が構成されて、該車体側部材と該取付ブラケットの突き合わせ方向よりも、該突き合わせ方向と直交する軸直角方向において、装着状態で大きな圧縮力が及ぼされるようになっている一方、前記外周面が該保持面を構成する該車体側部材の突き合わせ面に重ね合わされる車体取付面を備えており、該車体取付面における軸方向の両端部分には、該車体側部材と該取付ブラケットとの突き合わせ方向で該取付ブラケット側に控える第一の控え部が設けられていることを、特徴とする。
【0016】
このような第一の態様に従う構造とされたスタビライザブッシュによれば、U字形状を有する取付ブラケットの両端部間において、車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向に対して直交する軸直角方向で圧縮されることから、圧縮による支持ばね特性のチューニング自由度が向上される。特に、車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向に対して直交する軸直角方向において、突き合わせ方向よりも大きな圧縮力が及ぼされるようにすることで、従来の突き合わせ方向だけで圧縮されるスタビライザブッシュに比して、例えば車体側部材における取付ブラケットの装着面の傾斜などへの対応も容易になる。
【0017】
さらに、車体側部材に重ね合わされる車体取付面の軸方向両端部分に第一の控え部が設けられていることにより、装着状態における取付ブラケットの開口側でのスタビライザブッシュの外方への膨らみ変形量が抑えられることとなり、その結果、車体側部材と取付ブラケットの重ね合わせ面間へのゴムの噛み込みや、支持ばね特性への悪影響などの問題が軽減乃至は回避され得る。
【0018】
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載されたスタビライザブッシュにおいて、前記車体取付面の前記第一の控え部が、軸方向外側に向けて前記突き合わせ方向で前記取付ブラケット側へ傾斜する傾斜形状とされているものである。
【0019】
第二の態様によれば、第一の控え部が取付ブラケット側へ控える量を軸方向外側に向けて大きく設定して、特に膨らみが問題となる軸方向端面付近では第一の控え部によってゴムを十分に逃すことができることから、車体取付面側での膨らみを有効に抑制することができる。
【0020】
さらに、スタビライザブッシュの装着時には、スタビライザブッシュが軸直角方向に圧縮されて変形することで、傾斜形状とされた第一の控え部が軸方向内側から車体側に当接する。これにより、装着状態における車体取付面の車体側部材に対する当接面積が確保されて、スタビライザブッシュの装着状態の安定性が向上せしめられ得る。
【0021】
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載されたスタビライザブッシュにおいて、前記車体取付面における軸直角方向の両端部分には、前記車体側部材と前記取付ブラケットとの突き合わせ方向で該取付ブラケット側に控える第二の控え部が設けられているものである。
【0022】
第三の態様によれば、U字形状を有する取付ブラケットの両側壁部が車体側部材に重ね合わされて固定される際に、圧縮されたスタビライザブッシュのゴムが車体側部材と取付ブラケットとの重ね合わせ面間に噛み込み難くなって、スタビライザブッシュの耐久性の低下や、噛み込んだゴムのへたりによる車体側部材と取付ブラケットの固定の緩みなどを防ぐことができる。
【0023】
本発明の第四の態様は、第一~第三の何れか1つの態様に記載されたスタビライザブッシュにおいて、前記各第一の控え部の軸方向寸法が前記車体取付面の軸方向寸法の1/8倍以上とされているものである。
【0024】
第四の態様によれば、第一の控え部によるスタビライザブッシュの膨出変形の低減効果を、有効に得ることができる。
【0025】
本発明の第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載されたスタビライザブッシュにおいて、前記車体取付面には前記車体側部材の突き合わせ面に重ね合わされる平坦部が設けられており、前記第一の控え部が該車体取付面における該平坦部よりも軸方向外側に設けられているものである。
【0026】
第五の態様によれば、平坦部によって車体取付面の車体側部材への当接面積を大きく得ることができて、スタビライザブッシュの装着状態の安定化や目的とする支持ばね特性の安定した発揮などが図られる。
【0027】
本発明の第六の態様は、第一~第五の何れか1つの態様に記載されたスタビライザブッシュにおいて、前記車体取付面の前記第一の控え部が、装着状態において該車体側部材の突き合わせ面に当接状態で重ね合わされるものである。
【0028】
第六の態様によれば、第一の控え部が少なくとも一部において車体側部材に当接状態で重ね合わされることで、スタビライザブッシュの装着状態の安定化や目的とする支持ばね特性の安定した発揮などが、より有利に実現される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、車体側部材と取付ブラケットの突き合わせ方向だけで圧縮される従来のスタビライザブッシュに比して、支持ばね特性をより大きな自由度でチューニングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第一の実施形態としてのスタビライザブッシュを車両への装着状態で示す正面図。
【
図3】
図1の取付ブラケットを単体状態で示す斜視図。
【
図4】
図1のスタビライザブッシュを単体状態で示す斜視図。
【
図6】
図4に示すスタビライザブッシュの右側面図。
【
図7】
図4に示すスタビライザブッシュの左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1,2には、本発明の一実施形態としてのスタビライザブッシュ10が、車両(自動車)への装着状態で示されている。スタビライザブッシュ10は、車両装着状態において、自動車のボデー(車体)側に設けられる車体側部材12と、車体側部材12に固定される取付ブラケット14との突き合わせ面間に配されていると共に、スタビライザバー18が挿通されており、スタビライザバー18を自動車のボデーに対して防振支持するようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、装着状態において車両の上下方向となる
図1中の上下方向を言う。
【0033】
車体側部材12は、平板状の取付板部20を備えていると共に、取付板部20における長さ方向(
図1中の上下方向)の両端部分には、それぞれボルト孔22が貫通形成されている。さらに、取付板部20における幅方向(
図2中の上下方向)の両側には、取付板部20の厚さ方向で取付ブラケット14への突き合わせ面42(後述)と反対側(
図1中の左側)へ突出する補強片24がそれぞれ一体形成されており、車体側部材12の変形剛性の向上が図られている。本実施形態の車体側部材12は、取付板部20と補強片24,24を一体で備えるプレス金具とされている。さらに、車体側部材12は、図示しない車体に固定されるようになっている。
【0034】
取付ブラケット14は、
図1~3に示すように、全体としてU字形状を有しており、U字溝状の嵌合部26を備えていると共に、嵌合部26の両端部分から嵌合部26の幅方向(
図1中の上下方向)で外側へ向けて突出する板状の一対の取付片28,28を備えている。嵌合部26は、略円弧状に湾曲する底板部30と、底板部30から周方向両側へ直線的に延び出す一対の側板部32,32とを、一体で備えている。さらに、嵌合部26は、軸方向(
図2中の上下方向)の両側部分で内周面に開口する嵌合凹溝34,34を備えている。この嵌合凹溝34は、
図2,3に示すように、開口側へ向けて軸方向に拡開する溝形状とされて、嵌合部26における周方向の略全長に亘って連続的に形成されている。
【0035】
また、取付ブラケット14の一対の取付片28,28には、それぞれボルト孔36が貫通形成されている。なお、取付片28,28のボルト孔36,36は、取付片28,28が取付板部20と重ね合わされた状態において、取付板部20のボルト孔22,22と対応する位置に形成されている。
【0036】
そして、取付ブラケット14の両端部に設けられた一対の取付片28,28が、車体側部材12の取付板部20に重ね合わされており、取付板部20のボルト孔22,22と取付片28,28のボルト孔36,36に挿通されるボルト38,38と、それらに螺着されるナット40,40とによって、車体側部材12と取付ブラケット14が相互に固定されている。なお、車体側部材12の突き合わせ面42は、取付板部20の一方の表面によって構成されている。さらに、取付ブラケット14の突き合わせ面44は、嵌合部26の内周面と、それに連続する取付片28,28の表面とによって、構成されている。
【0037】
かかる車体側部材12と取付ブラケット14の固定状態において、それら車体側部材12の取付板部20と取付ブラケット14の嵌合部26との間には、軸方向視(
図1中の紙面直交方向視)で小鉤形乃至はトンネル形の収容空所46が形成されている。この収容空所46の周壁内面は、平坦な取付板部20の表面と嵌合部26の内周面とによって構成されており、かかる周壁内面が本実施形態の保持面48とされている。保持面48は、上述のような小鉤形乃至はトンネル形の軸方向視形状を有しており、車体側部材12の突き合わせ面42の一部と、取付ブラケット14の突き合わせ面44の一部とによって構成されている。
【0038】
なお、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向は、車両の上下方向に対して略直交する方向とされており、取付ブラケット14の側板部32,32が車両の略上下方向で相互に対向している。
【0039】
また、車体側部材12と取付ブラケット14の間に形成された収容空所46には、スタビライザブッシュ10が配されている。スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体で形成されて、
図4~9に示すように、スタビライザバー18が挿通される中心孔50を有する筒形状とされている。
【0040】
より詳細には、スタビライザブッシュ10は、厚肉筒状の周壁部52を備えている。周壁部52は、内周面(中心孔50の壁面)が軸方向視で略円形とされていると共に、外周面54が円形外周上の一部が弦方向に平坦とされた小鉤形乃至はトンネル形状とされており、外周面54が、軸方向視で略U字形状とされたブラケット取付面56と、ブラケット取付面56の両端部をつなぐ車体取付面58とを備えている。
【0041】
ブラケット取付面56は、軸方向視で円弧状の湾曲部60と、湾曲部60から周方向両側へ延び出す一対のストレート部62,62とを備えている。
【0042】
さらに、周壁部52は、外周面54の湾曲部60および一対のストレート部62,62において外周へ突出する大径部64を備えている。大径部64は、突出先端に向けて軸方向で狭幅となる先細形状を有しており、軸方向の両端部分に軸方向で相互に離れた一対が設けられている。なお、外周面54の湾曲部60および一対のストレート部62,62は、一対の大径部64,64の間に位置する中間部分が、軸方向に略一定の断面形状とされている。
【0043】
車体取付面58は、
図4,5や
図7~9に示すように、装着状態で車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向に対して略直交して広がる平坦部66と、平坦部66の軸方向両側に設けられた第一の控え部68,68と、平坦部66の軸直角方向(幅方向)両側に設けられた第二の控え部70,70とを、備えている。
【0044】
平坦部66は、
図7に示すように、軸方向に長手の略長方形とされており、車体取付面58の中央部分に設けられている。本実施形態では、
図5,9に示すように、平坦部66の幅方向寸法が、中心孔50の直径よりも小さくされている。
【0045】
第一の控え部68は、車体取付面58の軸方向の両端部分を構成する面であって、
図8に二点鎖線で示す平坦部66の延長面に対して、湾曲部60側(
図8中の右側)に控えて位置している。本実施形態の第一の控え部68は、平坦部66から軸方向外側へ離れるに従って湾曲部60側へ傾斜する傾斜形状の平面とされており、軸方向外側に向けて平坦部66の延長面からの距離が大きくなっている。さらに、本実施形態では、第一の控え部68が軸方向外側に向けて幅方向に拡開しており、軸方向外側の端縁における幅寸法が最大幅寸法とされている。なお、第一の控え部68の最小幅寸法は、軸方向内側の端縁における幅寸法であって、平坦部66の幅寸法と同じとされている。
【0046】
さらに、第一の控え部68の軸方向寸法l1 は、車体取付面58の軸方向寸法l2 に対して、1/8倍以上とされることが望ましく、より好適には、1/6倍以上とされる。また、平坦部66を備える車体取付面58において、第一の控え部68の軸方向寸法l1 は、好適には、車体取付面58の軸方向寸法l2 に対して、1/4倍以下とされる。これにより、第一の控え部68,68の軸方向寸法を大きく確保しながら、平坦部66の軸方向寸法も十分に確保することができる。
【0047】
第二の控え部70は、車体取付面58の軸直角方向(幅方向)の両端部分を構成する面であって、
図9に二点鎖線で示す平坦部66の延長面に対して、湾曲部60側(
図9中の右側)に控えて位置している。本実施形態の第二の控え部70は、平坦部66から幅方向外側へ離れるに従って湾曲部60側へ傾斜する傾斜形状の平面とされており、幅方向外側に向けて平坦部66の延長面からの距離が大きくなっている。さらに、本実施形態では、第二の控え部70が幅方向外側に向けて軸方向に拡開しており、幅方向外側の端縁における軸方向の長さ寸法が最大長さ寸法とされている。なお、第二の控え部70の最小長さ寸法は、幅方向内側の端縁における長さ寸法であって、平坦部66の長さ寸法と同じとされている。また、
図8に示す第一の控え部68の平坦部66に対する傾斜角度θ
1 と、
図9に示す第二の控え部70の平坦部66に対する傾斜角度θ
2 は、互いに略同じとされている。好適には、|θ
1 -θ
2 |≦5°とされる。
【0048】
さらに、後述する大径部64,64を外れた軸方向中央部分において、第二の控え部70の幅方向寸法w
1 (
図7参照)は、車体取付面58の幅方向寸法w
2 に対して、1/5倍以上とされることが望ましく、より好適には、1/3倍以上とされる。また、平坦部66を備える車体取付面58において、第二の控え部70の幅方向寸法w
1 は、好適には、車体取付面58の幅方向寸法w
2 に対して、2/5倍以下とされる。これにより、第二の控え部70,70の幅方向寸法を大きく確保しながら、平坦部66の幅方向寸法も十分に確保することができる。
【0049】
更にまた、本実施形態では、
図7に示すように、第一の控え部68の軸方向寸法l
1 が、第二の控え部70の幅方向寸法w
1 よりも小さくされている。さらに、第一の控え部68の軸方向外端における幅方向寸法w
3 は、第二の控え部70の幅方向寸法w
1 よりも大きくされている。
【0050】
このように、平坦部66の外周側に第一の控え部68,68と第二の控え部70,70が設けられていることにより、周壁部52の車体取付面58側の端部が、平坦部66に向けて断面積が小さくなる先細形状とされている。なお、第一の控え部68,68と第二の控え部70,70の交線は、平坦部66の角から幅方向外側へ傾斜しながら軸方向外側へ延びており、当該交線の軸方向端が、車体取付面58の幅方向端縁よりも幅方向内側で、車体取付面58の軸方向端縁上に位置している。これにより、車体取付面58の軸方向端縁は、幅方向の中央部分が平坦部66と略平行に延びていると共に、幅方向の両端部分が幅方向外側へ向けて湾曲部60側へ傾斜して延びている(
図5参照)。
【0051】
また、スタビライザブッシュ10は、周壁部52から軸方向片側へ突出する緩衝筒部72を備えている。緩衝筒部72は、
図4~8に示すように、周壁部52に比して薄肉の略円筒形状とされており、周壁部52と略同じ内周形状を有していると共に、外周面が軸方向視において周壁部52の外周面54よりも小径の円形とされている。そして、緩衝筒部72は、周壁部52の内周端部から軸方向一方へ突出するように、周壁部52と一体形成されている。
【0052】
さらに、スタビライザブッシュ10には、周方向の一部に切り割り74が形成されている。切り割り74は、
図4~6や
図9などに示すように、スタビライザブッシュ10を周方向の一部で径方向に切断することで、スタビライザブッシュ10の軸方向全長に亘って延びるように形成されている。要するに、スタビライザブッシュ10を周方向の一部において分断する切断部分であって、スタビライザブッシュ10は、切り割り74において拡開するように弾性変形可能とされている。本実施形態の切り割り74は、外周側の端部が外周面54の湾曲部60上に位置するように形成されているが、切り割り74の形成位置は、特に限定されない。さらに、切り割り74は、必ずしも径方向に延びていなくてもよく、例えば、軸方向視において中心孔50の中心を通らない方向に延びていてもよい。
【0053】
このような構造とされたスタビライザブッシュ10は、
図1,2に示すように、中心孔50にスタビライザバー18が挿通されて、スタビライザバー18に外挿状態で取り付けられると共に、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ面42,44間に形成された収容空所46に配される。
【0054】
すなわち、スタビライザブッシュ10は、切り割り74において拡開せしめられることで、スタビライザバー18が切り割り74を通じて中心孔50に差し入れられて、スタビライザバー18に対して外挿状態で装着される。さらに、スタビライザバー18に外装されたスタビライザブッシュ10は、車体取付面58が車体側部材12の取付板部20に重ね合わされると共に、湾曲部60およびストレート部62,62が取付ブラケット14の嵌合部26の内周面に重ね合わされて、それら車体側部材12と取付ブラケット14が相互に固定されることにより、外周面54が保持面48によって嵌合保持されて、車両側へ装着される。これにより、スタビライザバー18が、スタビライザブッシュ10を介して、車体側に防振支持されている。
【0055】
本実施形態のスタビライザブッシュ10は、車体取付面58が平坦部66を備えていることから、スタビライザブッシュ10の車体側部材12への取付けに際して、平坦部66が車体側部材12の突き合わせ面42に重ね合わされることで、スタビライザブッシュ10が車体側部材12に対して適切な向きで配されて、車体側部材12への装着が容易になる。しかも、車体側部材12への当接面積が平坦部66によって確保されることから、スタビライザブッシュ10の装着状態の安定化も図られる。
【0056】
さらに、周壁部52の軸方向の両側部分には、軸方向の中間部分よりも大径とされた大径部64,64が、一定の高さ寸法で周方向の全周に亘って連続して設けられており、大径部64,64が、取付ブラケット14に形成された嵌合凹溝34,34に嵌め入れられることで、スタビライザブッシュ10が、車体側部材12および取付ブラケット14に対して、軸方向に位置決めされるようになっている。
【0057】
加えて、
図2に示すように、スタビライザバー18にリング76が外嵌固定されており、リング76の装着によってスタビライザバー18が部分的に大径とされている。そして、スタビライザバー18のリング76に対して、スタビライザブッシュ10の緩衝筒部72が当接することで、スタビライザブッシュ10がスタビライザバー18に対して軸方向で位置決めされていると共に、車体側部材12および取付ブラケット14とリング76の接触が回避されている。なお、本実施形態では、スタビライザブッシュ10を軸方向で位置決めするためのスタビライザバー18の大径部分が、別体のリング76をスタビライザバー18に取り付けることで設けられているが、例えば、スタビライザバー18自体を部分的に大径化することで、位置決めのための大径部分をスタビライザバー18に一体的に設けることもできる。
【0058】
また、スタビライザブッシュ10は、周壁部52の内周面(スタビライザブッシュ10の中心孔50)が、スタビライザバー18の外周面に押し付けられていると共に、周壁部52の外周面54が、収容空所46の内周壁面である保持面48に押し付けられており、周壁部52がスタビライザバー18の外周面と保持面48との間で圧縮された状態で収容空所46に配されている。
【0059】
本実施形態において、車両装着状態のスタビライザブッシュ10は、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向と略直交する軸直角方向である取付ブラケット14の一対の側板部32,32の対向方向(
図1中の上下方向)において、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向(
図1中の左右方向)よりも大きな圧縮力が及ぼされるようになっている。換言すれば、装着状態での圧縮によるスタビライザブッシュ10の径方向のひずみが、一対の側板部32,32の対向方向において、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向よりも大きくされる。これにより、スタビライザブッシュ10が一対の側板部32,32の対向方向において特に大きく予圧縮されており、スタビライザブッシュ10の支持ばね特性がチューニングされている。本実施形態のスタビライザブッシュ10は、装着状態において、車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向においても圧縮されていることで、より大きく圧縮することも可能とされており、スタビライザブッシュ10の支持ばね特性のチューニング自由度をより大きく得ることができる。なお、スタビライザブッシュ10の内周面は、スタビライザバー18の外周面に対して、非接着で重ね合わされていてもよいし、予め塗布された接着剤によって接着されていてもよい。
【0060】
また、スタビライザブッシュ10の外周面54に取付ブラケット14を嵌合させる際に、取付ブラケット14の一対の側板部32,32の対向間の距離が、スタビライザブッシュ10の幅寸法よりも小さくされていることから、スタビライザブッシュ10が取付ブラケット14の開口側へ押し出されるように変形する。そして、スタビライザブッシュ10の外周面54に嵌合された取付ブラケット14が、車体側部材12に対して開口部を覆われるように固定されることで、取付ブラケット14の開口側へ押し出されたスタビライザブッシュ10のゴムが、車体側部材12と取付ブラケット14の間で圧縮される。
【0061】
ここにおいて、車体側部材12に重ね合わされる車体取付面58が、平坦部66に対して車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向で取付ブラケット14側(
図2中の右側)に控える形状とされた第一の控え部68,68を、軸方向の両端部に備えている。これにより、取付ブラケット14の開口側へ押し出されたゴムの圧縮によって一対の側板部32,32の対向方向や軸方向における外側への膨らみが大きくなりやすい車体側部材12に近い部分において、スタビライザブッシュ10の膨出変形が第一の控え部68,68において許容されることから、スタビライザブッシュ10の膨出変形量が低減される。その結果、スタビライザブッシュ10の軸方向端面における初期変形量のばらつきが低減されて、スタビライザバー18の支持ばね特性の安定化や耐久性の向上などが実現されると共に、車体側部材12と取付ブラケット14の取付片28,28との重ね合わせ面間に対するゴムの噛み込みが防止される。
【0062】
本実施形態では、第一の控え部68,68が、軸方向外側に向けて取付ブラケット14の底板部30側へ傾斜する傾斜平面とされていることから、第一の控え部68,68の平坦部66に対する控え量が、軸方向端面に近付くに従って大きくなっており、車体取付面58側における軸方向端面の膨出変形量が有効に低減される。
【0063】
さらに、第一の控え部68の軸方向寸法l1 が、車体取付面58の軸方向寸法l2 の1/8倍以上とされており、第一の控え部68の軸方向長さが十分に確保されている。それ故、スタビライザブッシュ10の軸方向端部における車体取付面58側の変形が、第一の控え部68への膨出によって十分に許容されることで、スタビライザブッシュ10の軸方向端面における膨出変形などが有効に低減される。
【0064】
また、車体側部材12に重ね合わされる車体取付面58が、平坦部66に対して車体側部材12と取付ブラケット14の突き合わせ方向で取付ブラケット14側(
図2中の右側)に控える形状とされた第二の控え部70,70を、幅方向の両端部に備えている。これにより、取付ブラケット14の開口側へ押し出されたゴムの圧縮によって幅方向外側への膨らみが大きくなりやすい車体側部材12に近い部分において、スタビライザブッシュ10の膨出変形が第二の控え部70,70において許容されることから、取付ブラケット14の開口側にゴムが押し出されるように変形しても、変形量が低減されて、車体側部材12と取付ブラケット14の取付片28,28との重ね合わせ面間に噛み込まれ難い。それ故、スタビライザブッシュ10のゴムの噛み込みに起因するスタビライザブッシュ10の耐久性の低下や、噛み込んだゴムのへたりによる車体側部材12と取付ブラケット14の固定の緩みなどを防ぐことができる。
【0065】
本実施形態では、第二の控え部70の幅方向寸法w1 が、車体取付面58の幅方向寸法w2 の1/5倍以上とされて、第二の控え部70の幅が十分に確保されている。それ故、スタビライザブッシュ10における車体取付面58側の端部が幅方向外側に膨らむように変形しようとしても、変形が第二の控え部70への膨出によって十分に許容されることで、スタビライザブッシュ10が車体側部材12と取付ブラケット14との間に噛み込まれるのを防ぐことができる。
【0066】
また、
図1,2に示すように、圧縮されたスタビライザブッシュ10の第一の控え部68,68は、装着状態において、車体側部材12の取付板部20に略全面に亘って当接状態で重ね合わされている。これにより、スタビライザブッシュ10の装着状態の安定化が図られて、所期の支持ばね特性をより安定して実現することができる。同様に、第二の控え部70,70も、装着状態において、車体側部材12の取付板部20に対して略全面に亘って当接状態で重ね合わされており、スタビライザブッシュ10の装着状態の安定化や支持ばね特性の安定した発揮を、より効果的に実現することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態の車体取付面58は、平坦部66の外周に第一の控え部68,68と第二の控え部70,70が設けられた構造とされているが、平坦部66はなくてもよく、その場合には、軸方向両側の第一の控え部68,68が、平坦部66を介することなく直接隣り合うように配され得る。
【0068】
さらに、車体取付面58において、第二の控え部70,70はなくてもよく、平坦部66が幅方向の全長に亘って設けられて、その平坦部66の軸方向両側に第一の控え部68,68が設けられていてもよいし、軸方向両側の第一の控え部68,68だけで車体取付面58の全体を構成することもできる。
【0069】
また、前記実施形態では、第一の控え部68,68が幅方向の中間部分に設けられており、幅方向両端部分には第二の控え部70,70が設けられた構造について説明したが、第一の控え部68,68が幅方向の全体に設けられた構造も採用され得る。
【0070】
さらに、第一の控え部68,68は、前記実施形態のような略一定の角度で傾斜する傾斜形状に限定されず、例えば、平坦部66に対して略平行に広がる平面を、平坦部66の軸方向両側に段差をなすように配することによって、平坦部66に対して控えて位置する第一の控え部を構成することもできる。また、第一の控え部は、中間部分において傾斜角度が変化していたり、平坦部66に対する取付ブラケット14側への偏倚量が段階的に変化していてもよい。なお、第二の控え部70,70についても、同様に傾斜形状以外の形状を採用することができる。
【0071】
更にまた、第一の控え部68,68には、前記実施形態に示した平面状の他、部分的な凹凸を有する形状や、全体が湾曲している形状なども採用され得る。なお、第二の控え部70,70にも平面状以外の形状を適用することが可能である。
【0072】
また、取付ブラケット14の嵌合部26は、U字形状を有しているが、U字形状は、例えば、底板部と一対の側板部が何れも平板形状とされて、それら底板部と側板部が互いに角をなすようにつながった角張った形状も含む。
【0073】
さらに、前記実施形態では、取付ブラケット14における一対の側板部32,32の対向間距離が、スタビライザブッシュ10の幅寸法よりも小さくされており、取付ブラケット14がスタビライザブッシュ10のブラケット取付面56に嵌合されることで、スタビライザブッシュ10が一対の側板部32,32の対向方向で圧縮されるようになっていたが、例えば、取付ブラケット14における一対の側板部32,32の対向間距離は、スタビライザブッシュ10の幅寸法よりも大きくされ得る。この場合には、例えば、ブラケット取付面56の外側に配された一対の側板部32,32が、対向方向で相互に接近するように変形せしめられて、ブラケット取付面56に押し付けられることにより、スタビライザブッシュ10に圧縮力が及ぼされる。
【符号の説明】
【0074】
10:スタビライザブッシュ、12:車体側部材、14:取付ブラケット、18:スタビライザバー、42:突き合わせ面、44:突き合わせ面、48:保持面、50:中心孔、54:外周面、58:車体取付面、66:平坦部、68:第一の控え部、70:第二の控え部