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特許7038044肺癌を検出するためのバイオマーカーパネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】肺癌を検出するためのバイオマーカーパネル
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/574 20060101AFI20220310BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
G01N33/574 A
G01N33/68
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018518760
(86)(22)【出願日】2016-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 CA2016050758
(87)【国際公開番号】W WO2016205960
(87)【国際公開日】2016-12-29
【審査請求日】2019-06-24
(31)【優先権主張番号】62/185,213
(32)【優先日】2015-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517452707
【氏名又は名称】バイオマーク キャンサー システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOMARK CANCER SYSTEMS INC.
【住所又は居所原語表記】Suite 165 - 10551 Shellbridge Way,Richmond,British Columbia,Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ブクス、ラシド
(72)【発明者】
【氏名】シター、ダニエル
【審査官】三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-233902(JP,A)
【文献】国際公開第2004/081569(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/127984(WO,A1)
【文献】DUARTE, F. I. et al.,Metabolic profiling of biofluids: potential in lung cancer screening and diagnosis,Expert Review of Molecular Diagnostics,2013年,13, 7,737-748
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺癌を検出するための尿検査のためのバイオマーカーパネルであって、前記バイオマーカーパネルが、DMAを含む第1のバイオマーカー、およびC5:1、C10:1、ADMA、C5-OH、SDMA、およびキヌレニン、またはそれらの組合せからなるバイオマーカーの群から選択される少なくとも第2のバイオマーカーを検出する、バイオマーカーパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミン代謝産物およびその他の代謝産物を測定することにより、癌を検出する方法、特に、肺癌を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミン経路は、癌細胞において有意に上方制御されていることが実証されている。スペルミジン/スペルミンN1-アセチルトランスフェラーゼ(SSAT)は、この経路における重要な酵素として認識されており、すべての哺乳類細胞において高度に制御されている。SSATは、正常組織においては非常に低濃度で存在しているが、癌細胞においてはかなりより高いレベルで存在している。それゆえ、SSATの細胞レベルが上昇すると、その酵素活性の測定値は、癌の存在および重症度と相関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
尿および血清におけるポリアミン代謝産物およびその他の代謝産物を測定することにより、肺癌を検出する方法が提供される。
【0004】
肺癌を検出するための尿検査のためのバイオマーカーパネルもまた提供され、ここで、バイオマーカーパネルは、DMA、C5:1、C10:1、ADMA、C5-OH、SDMA、およびキヌレニン、またはそれらの組合せからなるバイオマーカーの群から選択されるバイオマーカーを検出する。バイオマーカーパネルは、肺癌を診断するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌のステージを決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についてスクリーニングするために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についての治療予後を決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、開発または臨床段階の間の薬物の有効性を決定するために用いることができる。
【0005】
肺癌を検出するための血清検査のためのバイオマーカーパネルがさらに提供され、ここで、バイオマーカーパネルは、バリン、アルギニン、オルニチン、メチオニン、スペルミジン、スペルミン、ジアセチルスペルミン、C10:2、PC aa C32:2、PC ae C36:0、およびPC ae C44:5;ならびにlysoPC a C18:2、またはそれらの組合せからなるバイオマーカーの群から選択されるバイオマーカーを検出する。バイオマーカーパネルは、肺癌を診断するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌のステージを決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についてスクリーニングするために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についての治療予後を決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、開発または臨床段階の間の薬物の有効性を決定するために用いることができる。
【0006】
肺癌を検出するための血清検査のためのバイオマーカーパネルがさらにまた提供され、ここで、バイオマーカーパネルは、バリン、C10:2、PC aa C32:2、PC ae C36:0、PC ae C44:5、またはそれらの組合せからなるバイオマーカーの群から選択されるバイオマーカーを検出する。バイオマーカーパネルは、肺癌を診断するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌のステージを決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についてスクリーニングするために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についての治療予後を決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、開発または臨床段階の間の薬物の有効性を決定するために用いることができる。
【0007】
後期肺癌を検出するための血清検査のためのパネルがさらにまた提供され、バイオマーカーパネルは、バリン、ジアセチルスペルミン、スペルミン、C10:2、およびlysoPC a C18:2、またはそれらの組合せからなるバイオマーカーの群から選択されるバイオマーカーを検出する。バイオマーカーパネルは、肺癌を診断するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌のステージを決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についてスクリーニングするために用いることができる。バイオマーカーパネルは、肺癌についての治療予後を決定するために用いることができる。バイオマーカーパネルは、開発または臨床段階の間の薬物の有効性を決定するために用いることができる。
【0008】
本発明は、以下の、添付の図面を参照して単に例示的にのみ与えられるその実施形態の記載からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、健康患者および癌患者における代謝産物の濃度を示す箱ひげ図である;
図2図2は、尿試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図3図3は、尿代謝産物を識別する重要度が高い順での投影における変数重要性(VIP)分析プロット順位である;
図4図4は、図3に示される尿試料のVIP分析からの7つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析である;
図5図5は、血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図6図6は、血清代謝産物を識別する重要度が高い順での投影における変数重要性(VIP)分析プロット順位である;
図7図7は、図6に示される血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)である;
図8図8は、時間T1における血清試料中の個々の代謝産物の一変量分析を示す表である;
図9図9は、時間T2における血清試料中の個々の代謝産物の一変量分析を示す表である;
図10図10は、時間T1における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す主成分分析(PCA)プロットである;
図11図11は、時間T1における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す3次元主成分分析(PCA)プロットである;
図12図12は、時間T1における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図13図13は、時間T1における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す3次元部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図14図14は、時間T1における血清代謝産物を識別する重要度が高い順での投影における変数重要性(VIP)分析プロット順位である;
図15図15は、図14に示される血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析である;
図16図16は、時間T2における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す主成分分析(PCA)プロットである;
図17図17は、時間T2における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す3次元主成分分析(PCA)プロットである;
図18図18は、時間T2における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図19図19は、時間T2における血清試料の分析に基づく対照患者と肺癌患者との間の分離を示す3次元部分最小二乗判別分析(PLS-DA)プロットである;
図20図20は、時間T2における血清代謝産物を識別する重要度が高い順での投影における変数重要性(VIP)分析プロット順位である;そして
図21図21は、図20に示される血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対照患者、初期癌患者、および後期癌患者からの血清試料を、ダイレクトインジェクション質量分析および逆相LC-MS/MSの組合せを用いて分析した。オーストリア6020、インスブルック、エドゥアルト・ボーデム・ガッセ8(Eduard-Bodem-Gasse 8 6020,Innsbruck,Austria)のBiocrates Life Sciences AGから得たAbsoluteIDQ(登録商標)p180キットを、アメリカ合衆国94404、カリフォルニア州、フォスターシティー、リンカーンセンタードライブ850(850 Lincoln Centre Drive,Foster City,California,94404,United States of America)のApplied Biosystems/MDS Sciexから得たAPI4000 QTrap(登録商標)タンデム質量分析装置と組合せて用いて、アミノ酸、アシルカルニチン、生体アミン、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質および糖を含む180種類もの異なる内因性代謝産物の標的化同定および定量を行った。
【0011】
使用した方法は、分析物の誘導体化および抽出と、多重反応モニタリング(MRM)ペアを用いる選択的質量分析検出とを組み合わせるものである。同位体ラベルされた内部標準およびその他の内部標準は、代謝産物定量のためのAbsoluteIDQ(登録商標)p180キットのプレートフィルターに組み込まれている。AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットは、シーリングテープを備えたフィルタープレートを有する96ディープウェルプレートならびにプレートアッセイの準備に用いられる試薬および溶媒を含む。AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットにおける最初の14のウェルは、1つのブランク、3つのゼロ試料、各AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットに備えられている、7つの標準および3つのクオリティコントロール試料用に使用した。すべての血清試料を、AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットのユーザーマニュアルに記載されているプロトコールを使用して、AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットによって分析した。
【0012】
血清試料を氷上で解凍し、ボルテックスにかけ、2750×gで5分間4℃で遠心分離した。各血清試料の10μLを96ウェルキットプレートの上側のフィルターの中央に載せ、窒素流中で乾燥させた。20μLの5%フェニルイソチオシアナート溶液を次いで誘導体化のために添加した。フィルタースポットを次いで再度エバポレーターを用いて乾燥させた。代謝産物の抽出を次いで5mMの酢酸アンモニウムを含有する300μLのメタノールを添加することによって達成した。抽出液を96ディープウェルプレートの下側へと遠心分離することによって得た。この後、AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットからのMSランニング溶媒による希釈工程を行った。
【0013】
質量分析を、溶媒送達系を装備したAPI4000 QTrap(登録商標)タンデム質量分析装置にて行った。血清試料を質量分析装置へとダイレクトインジェクション(DI)方法または液体クロマトグラフィー方法のいずれかによって送達した。AbsoluteIDQ(登録商標)p180キットに同梱のBiocrates MetIQ(商標)ソフトウェアを用いて、試料登録から代謝産物濃度の自動化計算までのアッセーワークフロー全体を管理し、他のデータ分析プログラムへとデータをエクスポートした。標的化プロファイリングスキームを用いて、多重反応モニタリング、ニュートラルロス、およびプレカーサーイオンスキャンを使用して、定量的に既知の低分子代謝産物についてスクリーニングした。
【0014】
第1研究
代謝産物を、10名の対照患者および化学療法治療を受けている12名の肺癌患者から採取した尿試料においてLC-MS/MSベースのアッセイを用いて検出し、定量した。特に、以下の尿試料中のポリアミン経路代謝産物を検出し、定量した:スペルミジン、スペルミン、メチオニン、プトレシン、メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシル-L-メチオニン(SAMe)、オルニチン、アルギニン、N-アセチルスペルミン、およびN-アセチルスペルミジン。
【0015】
図1に示されるこの研究の結果は、4つの代謝産物、即ち、スペルミジン、オルニチン、アルギニンおよびメチオニンが、癌についての推定バイオマーカーとして同定されたことを示す。この研究からの結果は、癌患者および健康対象におけるポリアミンメタボロームの予備像を明らかにした。
【0016】
第2研究
代謝産物を、15名の対照患者および31名の肺癌患者(7名の初期癌患者を含む)から採取した尿および血清試料において検出した。試料を、上記のようにダイレクトインジェクション質量分析(MS)および逆相LC-MS/MSを組み合わせて用いて分析した。統計分析を、MetaboAnalyst(www.metaboanalyst.com)およびROCCET(www.roccet.ca)を用いて行った。
【0017】
以下の代謝産物を、Biocrates Absolute pl80IDQ(商標)キットを用いて同定し、定量した:
【0018】
【表1】
【0019】
PLS判別分析(PLS-DA)の結果、図2に示されるように尿においては7つの代謝産物、図5に示されるように血清においては5つの代謝産物に基づいた、肺癌患者と対照患者との検出可能な分離がもたらされた。
【0020】
非対称性および対称性形態における全ジメチルアルギニン(DMA)、チグリルカルニチン(C5:1)、デセノイルカルニチン(C10:1)、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)、ヒドロキシバレリルカルニチン(C5-OH)、対称性ジメチルアルギニン(SDMA)、およびキヌレニンが、図3に示されるように、投影における変数重要性(VIP)分析に基づいて肺癌を識別するための7つの最も重要な尿中代謝産物であるようである。尿試料のVIP分析からの7つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析を、図4に示す。
【0021】
バリン、デカジエニルカルニチン(C10:2)、グリセロリン脂質(PC aa C32:2;PC ae C36:0、およびPC ae C44:5)が、図6に示されるように、投影における変数重要性(VIP)分析に基づいて肺癌を識別するための5つの最も重要な血清代謝産物であるようである。血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析を、図7に示す。
【0022】
したがって、7つの推定尿中バイオマーカーおよび5つの推定血清バイオマーカーが肺癌の診断のために同定され、肺癌を検出するための尿検査または血清検査のためのバイオマーカーパネルにおいて使用され得る。
【0023】
第3研究
代謝産物を、時間T1およびT2において26名の後期肺癌患者および15名の対照患者から採取した血清試料において検出した。特に、以下のポリアミン経路代謝産物を、時間T1およびT2における血清試料において検出し、定量した:バリン、アルギニン、オルニチン、メチオニン、スペルミジン、スペルミン、ジアセチルスペルミン、デカジエニルカルニチン(C10:2)、グリセロリン脂質(PC aa C32:2およびPC ae C36:0)、lysoPC a C18:2、メチルチオアデノシン、およびプトレシン。
【0024】
試料を、上記のようにダイレクトインジェクション質量分析(MS)および逆相LC-MS/MSを組み合わせて用いて分析した。統計分析を、MetaboAnalyst(www.metaboanalyst.com)およびROCCET(www.roccet.ca)を用いて行った。しかし、メチルチオアデノシンおよびプトレシンは、欠測率が50%より高かったために分析から除外した。図8および図9は、残りの個々の代謝産物の時間(T1)および(T2)における一変量分析の結果をそれぞれ示す。
【0025】
時間T1における主成分分析(PCA)および部分最小二乗判別分析(PLS-DA)の結果、図10から図13に示されるように、血清における11の代謝産物に基づいた、肺癌患者と対照患者との検出可能な分離がもたらされた。
【0026】
全バリン、ジアセチルスペルミン、スペルミン、lysoPC a C18:2、およびデカジエニルカルニチン(C10:2)が、図14に示されるように、投影における変数重要性(VIP)分析に基づいて後期肺癌を識別するための5つの最も重要な血清代謝産物であるようである。血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析を図15に示す。
【0027】
時間T2における主成分分析(PCA)および部分最小二乗判別分析(PLS-DA)の結果、図16から図19に示されるように、血清における11の代謝産物に基づいた、肺癌患者と対照患者との検出可能な分離がもたらされた。
【0028】
全バリン、ジアセチルスペルミン、スペルミン、lysoPC a C18:2、およびデカジエニルカルニチン(C10:2)がまた、図20に示されるように、投影における変数重要性(VIP)分析に基づいて後期肺癌を識別するための5つの最も重要な血清代謝産物であるようである。血清試料のVIP分析からの5つの最も重要な代謝産物を含む受信者操作特性(ROC)分析を図21に示す。
【0029】
したがって11の推定血清バイオマーカーが、後期肺癌の診断のために同定され、肺癌を検出するための血清検査のためのバイオマーカーパネルにおいて用いられ得る。
【0030】
上記に提供された詳細の多くは単に例示的なものであり、以下の特許請求の範囲を参照して決定されるべき本発明の範囲を限定する意図のものではないことが、当業者により理解されるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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