(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】ガレクチンのα-D-ガラクトシド阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07H 19/056 20060101AFI20220310BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220310BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220310BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220310BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220310BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20220310BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220310BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220310BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220310BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20220310BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20220310BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20220310BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220310BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220310BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220310BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20220310BHJP
A61K 31/7056 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
C07H19/056 CSP
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P11/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P27/02
A61P17/00
A61P9/00
A61P31/04
A61P35/00
A61P35/04
A61P37/06
A61P29/00 101
A61P17/06
A61P19/02
A61P1/04
A61P19/00
A61P3/00
A61P9/04
A61P9/10
A61P3/10
A61P3/04
A61P11/06
A61K31/7056
(21)【出願番号】P 2019500809
(86)(22)【出願日】2017-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2017067180
(87)【国際公開番号】W WO2018011093
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-04-27
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516369538
【氏名又は名称】ガレクト バイオテック エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼッテルベリ、フレドリク
(72)【発明者】
【氏名】レフレール、ハコン
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン、ウルフ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-522007(JP,A)
【文献】特表2018-503660(JP,A)
【文献】国際公開第2014/078655(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/113569(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0148712(US,A1)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,2011年,19(10),P.3280-3287
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,2010年,18(14),P.5367-5378
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 19/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)のD-ガラクトピラノース化合物であって、
【化1】
式中
ピラノース環はα-D-ガラクトピラノースであり、
R
1は、式2~9からなる群から選択される5員または6員ヘテロ芳香環であり、アスタリスク*は式(1)のトリアゾール基に共有結合しているヘテロ芳香環の炭素原子を示し、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
式中、R
2~R
23およびR
27は、H、ハロゲン、OH、CN、SH、S-C
1-3アルキル、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO-イソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、NR
24R
25(式中、R
24はHおよびC
1-3アルキルから選択され、R
25はH、C
1-3アルキルおよびCOR
26から選択され、R
26はHおよびC
1-3アルキルから選択される)から独立して選択され、
XはS、SO、SO
2から選択され、
B
1は、a
)場合により、CN、ハロゲン、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OH、およびR
27-CONH-(式中、R
27はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で置換された
5員または6員ヘテロ芳香環で置換されたC
1-6アルキルまたは分枝C
3-6アルキル;または
、場合により、CN、ハロゲン、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OHおよびR
28-CONH-(式中、R
28はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で置換された
フェニルで置換されたC
1-6アルキル、b)ハロゲン、CN、-COOH、-CONR
29R
30(式中、R
29およびR
30はH、C
1-3アルキル、シクロプロピルおよびイソプロピルから独立して選択される)、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO‐イソプロピル、NR
31R
32(式中、R
31およびR
32はH、C
1-3アルキルおよびイソプロピルから独立して選択される)、OH、およびR
33-CONH-(式中、R
33はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される基で場合により置換されたフェニルまたはナフチルなどのアリール、c)ハロゲン、CN、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OH、およびR
34-CONH-(式中、R
34はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されたC
5-7シクロアルキル、d)ハロゲン、CN、-COOH、-CONR
35R
36(式中、R
35およびR
36はH、C
1-3アルキル、シクロプロピルおよびイソプロピルから独立して選択される)、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO-イソプロピル、NR
37R
38(式中、R
37およびR
38はH、C
1-3アルキルおよびイソプロピルから独立して選択される)、OH、およびR
39-CONH-(式中、R
39はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環、および、e)C
1-6アルキルまたは分枝C
3-6アルキル、から選択される上記化合物、
ただし、3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-3-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化10】
および3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-クロロ-3-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化11】
を除く、
またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項2】
R
1が式2から選択され、R
2およびR
3が、H、ハロゲン、および場合によりFで置換されたC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1が式3から選択され、R
4およびR
5が、H、ハロゲンおよびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
1が式4から選択され、R
6-R
8が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
1が式5から選択され、R
9-R
11が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
1が式6から選択され、R
12-R
15が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
1が式7から選択され、R
16-R
19が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
1が式8から選択され、R
20‐R
23が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
1が式9から選択され、R
27が、H、ハロゲン、およびC
1-3アルキル、例えばHから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
XがSから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
B
1が、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたフェニルまたはナフチルなどのアリールから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
B
1が、フェニル、またはCl、F、Br、CNおよびCF
3から選択される1,2または3個の置換基で置換されたフェニルから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
B
1が、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
B
1が、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたピリジニルから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
B
1が、Cl、Br、CNおよびCF
3から選択される1個,または2個の置換基で場合により置換されたピリジニルから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-メチル-4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-クロロピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3-ブロモ-4-クロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2,5-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-ブロモ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、および
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1~
16のいずれか一項に記載の化合物と、場合により薬学的に許容される添加物、例えば担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項18】
ヒトなどの哺乳動物におけるリガンドへのガレクチン-1の結合に関連する障害を治療するため
の、請求項
17に記載の
医薬組成物。
【請求項19】
請求項
18に記載の
医薬組成物であって、前記障害が、炎症;線維症、肺線維症、肝線維症、腎線維症、眼科的線維症および皮膚および心臓の線維症;瘢痕;ケロイド形成;異常な瘢痕形成;強皮症;硬化症;外科的癒着;敗血症性ショック;癌、癌腫、肉腫、白血病およびリンパ腫、T細胞リンパ腫;転移性の癌;癌に関連する血管新生;自己免疫疾患、乾癬、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス;移植拒絶反応;代謝障害;心臓病;心不全;病理学的血管新生、眼の血管新生または眼の血管新生に関連する疾患または状態、癌に関連する血管新生;眼疾患、加齢性黄斑変性症および角膜血管新生;アテローム性動脈硬化症;代謝性疾患、糖尿病;肥満;喘息および他の間質性肺疾患、ヘルマンスキー・パドラク症候群、中皮腫;肝臓疾患、非アルコール性脂肪性肝炎からなる群から選択される、上記
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化合物、この化合物の医薬品としての使用、および哺乳動物における癌、線維症、瘢痕、ケロイド形成、異常な瘢痕形成、外科的癒着、病理学的血管新生、眼疾患、HIV-1疾患、炎症または移植拒絶反応の治療用の医薬品製造のための使用に関する。本発明は、この新規化合物を含む医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
ガレクチンは、特有の炭水化物認識ドメイン(CRD)を有するタンパク質である(Leffler et al.2004)。これは、アミノ酸約130個(約15kDa)の密接に折り畳まれたβサンドイッチであり、1)β‐ガラクトース結合部位、および2)アミノ酸約7個の配列モチーフに十分な類似性があり、その大部分(約6残基)がβ‐ガラクトース結合部位を構成するという2つの定義される特徴を有する。しかしながら、天然糖類のしっかりとした結合にはβ‐ガラクトース部位に隣接する部位が必要であり、これらの異なる選択性がガレクチンに天然糖類に対する異なる精密な特異性を与える。
【0003】
最近のヒト、マウスおよびラットのゲノム配列の完成により、1つの哺乳動物ゲノムにおいて約15種のガレクチンおよびガレクチン様タンパク質が種間でわずかに変化していることが明らかになった(Leffler et al.2004)。
【0004】
ガレクチンサブユニットは、単一のペプチド鎖内に1個または2個のCRDのいずれかを含むことができる。第1のカテゴリーであるモノCRDガレクチンは、脊椎動物においてモノマーまたはダイマー(2種)として生じ得る。最もよく研究されたガレクチンは、ダイマーガレクチン-1と、溶液中ではモノマーであるがリガンドと会合すると凝集して多量体になるガレクチン-3である(Lepur et al.2012)。これらは最初に発見されたガレクチンであり、多くの組織に豊富に含まれている。
【0005】
現在、PubMedにはガレクチンについて5700以上の出版物があり、ほとんどが、上述したように、ガレクチン-1(>1400)およびガレクチン-3(>2800)についてである。強い証拠が、例えば炎症および癌、ならびに発達におけるガレクチンの役割を示唆している(Blidner et al.2015、Ebrahim et al.2014)。
【0006】
ガレクチンは、遊離リボソーム上のシグナルペプチドなしで、細胞質ゾルタンパク質として合成される。それらのN末端は、細胞質ゾルタンパク質の典型的な修飾であるアセチル化され、それらは長期間細胞質ゾルに存在する(分泌タンパク質の典型ではない)。そこから、それらは核、特定の細胞質ゾル部位を標的とし得るか、または、まだ知られていないメカニズムだが、おそらく例えばIL-1の搬出(Leffler et al.2004;Arthur et al.2015)と同様に、(ガレクチン-1について最初に示されたように(Cooper and Barondes、1991))非古典的(非ER-ゴルジ)経路によって(誘導されるか、または構成的に)分泌され得る。ガレクチンはまた、これらの全ての区画で機能することができ、ガレクチン-1については、評価の高い機関誌に発表されたしっかりした証拠が、核内のRNAスプライシング、細胞質ゾル内のH-RASの活性化、破壊された小胞周囲の蓄積、細胞シグナル伝達と接着に対する様々な細胞外効果の役割を裏付けている(Elola et al.2015、Aits et al.2015、Blanchard et al.2016)。他のガレクチンはまた、アポトーシスを増強し、ある細胞の細胞周期および分化を調節することによって、細胞質ゾル内で作用し得る。ほとんどのガレクチンは、糖タンパク質(例えば、ラミニン、インテグリンおよびIgE受容体)を架橋することによって細胞外にも作用し、おそらく超分子秩序配列を形成し(Elola et al.2015)、それによって細胞接着を調節し、細胞内シグナルを誘導し得る。これに関連して、近年、細胞内輸送および糖タンパク質受容体の細胞表面提示に影響を及ぼす膜内でのミクロドメイン(格子)の形成を含むこれらのガレクチン機能の分子メカニズムの出現が見られる(Elola et al.2015)。これは、細胞培養、ヌル変異体マウス、およびガレクチンまたはガレクチン阻害剤で処理した動物で証明されている。
【0007】
ガレクチン-1は、最初に発見され、2番目に多く研究されたガレクチンであり、間葉由来様線維芽細胞およびリンパ球の細胞に一定の選択性があるが排他的ではない全ての組織で発現される。ガレクチン-1は、細胞増殖、接着、シグナル伝達、分化、発生、免疫系および宿主病原体相互作用の調節に関与している(Blanchard et al.2016)。癌進行の様々な段階におけるガレクチン-1の発現プロファイル、および腫瘍微小環境におけるその役割が完全に見直されている。
【0008】
ガレクチン-1は多様な現象に関与しており、したがって阻害剤は複数の用途を有する可能性がある。これを特異性の欠如または科学的な焦点の欠如と考えることは容易である。したがって、アスピリンおよびシクロオキシゲナーゼ(COX-IおよびCOX-II)との類推は有用である。COXは、広範囲のプロスタグランジンの前駆体を生成し、したがって、多様な配列の生物学的メカニズムに関与する。それらの阻害剤、アスピリンおよび他のNSAID(非ステロイド系抗炎症薬)も、広範かつ多様な効果を有する。それにもかかわらず、これらの阻害剤は医学的に非常に有用であり、いくつかの異なる特定の有用性を有する。
【0009】
したがって、ガレクチンが、COXのように、基本的な生物学的調節メカニズムの一部である場合(まだ知られていないが)、異なる状況で異なる目的のために「本質的に使用される」可能性が高い。ガレクチン阻害剤は、NSAIDのようにシステム全体を一掃することは期待されないが、バランスを少し傾けることは期待される。
【0010】
免疫および炎症におけるガレクチン-1
ガレクチン-1は、主に免疫抑制性および抗炎症性の役割を有することが見出されているが(Elola et al.2015)、場合によっては炎症誘発性であり得る。ガレクチン-1は、Tヘルパー細胞上の特異的グリコシル化パターンに結合して、活性化されたTh1細胞およびTh17細胞で選択的にアポトーシスを誘導する(Perillo et al.1995)(Toscano、M.A.et al.2007)。ガレクチン-1の免疫抑制効果は、ガレクチン-1自体が自己免疫および他の炎症状態の潜在的治療法である可能性があることを示唆している。逆に、以下に記載するように、例えば癌などにおいて、その免疫抑制効果を阻害することが治療法として提案されている。
【0011】
血管新生におけるガレクチン-1
ガレクチン-3のように、ガレクチン-1は、炭水化物のビニング活性に関わる方法で、特定の状況下で血管新生を促進することが示されている(Hockl et al.2016)。VEGFに並行する経路によって腫瘍血管新生を促進し得るという観察は、特に興味深い。したがって、抗VEGFに基づく阻害が失敗した場合、ガレクチン-1を阻害することは抗血管新生性であり得る。抗血管新生ペプチドAnginex(および関連化合物)がガレクチン-1に結合するという発見は、血管新生におけるガレクチン-1の別のメカニズムを示唆したが、詳細は不明であり、Anginexは、ある報告ではガレクチン-1活性を阻害すると説明されているが、別の報告では炭水化物結合活性を増強すると報告されている。
【0012】
線維症関連疾患におけるガレクチン-1
線維化におけるガレクチン-3の可能性のある役割についての考えは、マクロファージ分化に関する細胞およびex vivo研究(Mackinnon et al.2008)、ならびに
マクロファージ分化および筋線維芽細胞活性化に関するin vivo研究(Mackinnon et al.2012)に由来する。簡単に言えば、この仮説によると、ガレクチン-3は、細胞表面の滞留を延長し、TGF-β受容体の応答性を増強することが示され(Partridge et al.2004)、これにより、代替マクロファージのM2マクロファージへの分化および筋線維芽細胞活性化が調節される。ガレクチン-1も、TGF-β関連のメカニズムによってなど、線維症において役割を果たすことが示唆されているが、その証拠はガレクチン-3に比べて明らかではない。
【0013】
したがって、ガレクチン-1も、TGF-βシグナル伝達および筋線維芽細胞活性化の内因性エンハンサーであるための良好な候補であり(Kathiriya et al)、ガレクチン-1阻害剤は、線維症および有害な組織リモデリングの治療にも有用であり得る。
【0014】
癌におけるガレクチン-1
多数の免疫組織化学的研究が、癌における特定のガレクチンの発現の変化を示し(van den Brule et al.and Bidon et al.in Leffler(editor),2004b)、例えばガレクチン-3は現在甲状腺癌の確立された組織化学マーカーである。癌におけるガレクチン-3の役割についての直接的な証拠は、主にRazらによるマウスモデルに由来するが、他のものもある(Leffler(editor)、2004b)。対になった腫瘍細胞株(ガレクチン-3の発現の減少または増加を伴う)において、ガレクチン-3の誘導はより多くの腫瘍および転移をもたらし、ガレクチン-3の抑制は腫瘍および転移を少なくする。ガレクチン-3は、抗アポトーシス性であることによって腫瘍増殖を増強するか、血管新生を促進するか、または細胞接着に影響を与えることによって転移を促進することが提唱されている。さらに、最近の証拠では、ガレクチン-3が腫瘍の微小環境において重要な役割を果たすことが示されている(Ruvolo、2015参照)。ガレクチン-3はまた、腫瘍細胞とTリンパ球(T細胞)などの免疫細胞との間の相互作用を調節すると考えられており、ガレクチン-3の阻害はT細胞活性を回復させることが示されている(Demotte et al.2010、Kouo et al.2015、Melero et al.2015)。上記から、ガレクチン-3の阻害剤が有益な抗癌効果を有するであろうことは明らかである。実際、ガレクチン-3を阻害すると言われているが証明はされていない糖類は、抗癌効果を有することが報告されている。我々自身の研究では、CRDを含むガレクチン-3の断片は、優性阻害の阻害剤として作用することにより、マウスモデルにおいて乳癌を阻害した(John et al.2003)。より最近では、小分子を用いたガレクチン-3の阻害は、放射線および標準アポトーシス促進剤に対する腫瘍細胞感受性を実際に大きく増強することが細胞アッセイおよびex vivo(Lin et al.2009)、ならびにin vivo(Glinsky et al.2009)で実証されている。
【0015】
また、ガレクチン-1は低分化癌細胞で頻繁に過剰発現され、ガレクチン-9またはその関連化合物ガレクチン-4およびガレクチン-8は特定の癌タイプで誘導され得る(Huflejt and Leffler,2004;Leffler(editor),2004b)。ガレクチン-1は、活性化されたT細胞においてアポトーシスを誘導し、in vivoで自己免疫疾患に対して顕著な免疫抑制効果を有する(Rabinovich et al;and Pace et al.in Leffler(editor),2004b)。したがって、癌におけるこれらのガレクチンの過剰発現は、腫瘍が宿主によって惹起されたT細胞応答に対してそれ自体を防御するのを助ける可能性がある。
【0016】
ガレクチン-1およびガレクチン-3のヌル変異体マウスは、何年か前に確立されている(Poirier、2002)。これらは健康であり、動物飼育条件では明らかに正常に再現される。しかし、最近の研究では、(上記のような)好中球およびマクロファージの機能、およびガレクチン-3ヌル変異体の骨形成、ならびにガレクチン-1ヌル変異体の神経および筋肉細胞の再生/分化における微妙な表現型が明らかになっている(Leffler et al.2004;Poirier、2002;Watt in Leffler(editor)、2004b)。最近、ガレクチン-7およびガレクチン-9ヌル変異体マウスが生成されており、これらも動物飼育条件において非常に健康であるが、まだ詳細に分析されていない。発現部位、特異性および他の特性の相違により、異なるガレクチンが互いに機能的に置き換わることはあり得ない。ヌル変異体マウスにおける観察は、ガレクチンが、正常な動物飼育条件下で観察され得るような基本的な生命維持機能に必須ではないことを示すであろう。その代わりに、ガレクチンは正常な機能のオプティマイザである、および/または動物飼育条件では見られないストレス条件には不可欠である。ヌル変異体マウスに強い影響がないことは、ガレクチン阻害剤を薬物としてより好都合にする可能性がある。ガレクチン活性が上で示唆したような病理学的条件に寄与するが正常条件にはあまり寄与しない場合、それらの阻害は望ましくない副作用をより少なくするであろう。
【0017】
したがって、免疫抑制または血管形成増強などの癌におけるガレクチン-1活性を標的とする薬物は、有用な抗癌治療になり得る。
【0018】
既知の阻害剤
天然リガンド
固相結合アッセイおよび阻害アッセイによって、ガレクチンに結合する能力を有するいくつかの糖類および複合糖質が同定された(Leffler,2001,Leffler et al.2004参照)。全てのガレクチンは約0.1~1mMのKdでラクトースと結合する。D‐ガラクトースの親和性は50~100倍低い。N‐アセチルラクトサミンおよび関連する二糖類はラクトースと同様に結合するが、特定のガレクチンについては、より悪いかまたは最大10倍良好に結合することができる。ガラクトース(10mM)(Tejler et al.2009)およびラクトース(190μM)(van Hattum、2013)はいずれもガレクチン-1に対する親和性が低い。
【0019】
ガレクチン-1リガンドとして同定されている上記天然糖類は、胃での酸加水分解および酵素分解を受け易いため、医薬組成物中の活性成分としての使用に適していない。さらに、天然糖類は本質的に親水性であり、経口投与後に胃腸管から容易に吸収されない。
【0020】
ガレクチン特異性
上記の小さな天然糖による阻害を用いたガレクチン特異性の研究は、全てのガレクチンがラクトース、LacNAcおよび関連する二糖類を結合するが、ガレクチン-3はある種のより長い糖類をはるかによく結合することを示した(Leffler and Barondes、1986)。これらのより長い糖類は、延長された結合溝に結合するガラクトースのC-3位(例えば、ラクトースまたはLacNAc)に追加の糖残基が付加されることによって特徴付けられた。この溝の形状はガレクチン間で異なり、同じ伸長が異なるガレクチンによって等しく結合されないことを示唆している。
【0021】
合成阻害剤
ガレクチン-1阻害剤とその治療法としての可能性についての特許レビューが最近発表された(Blanchard 2016)。このレビューでカバーされた小分子単糖類は、ガレクチン-1親和性を有すると報告されており、これはラクトースと最もよく似ている。一方で二糖類、特にチオジガラクトシド(TDG)は、ガレクチン-1に対して高い親和性を有することが報告されている(T.Delaine、2016、ChemBioChem 10.1002/cbic.201600285)。
【0022】
抗癌活性を有するアミノ酸と結合した糖は、血清中の天然化合物として最初に同定されたが、その後、合成類似体が作られた(Glinsky et al.1996)。それらの中で、アミノ酸に結合したラクトースまたはガラクトースを有するものは、ガレクチンを阻害するが、対応する誘導体化されていない糖とほぼ同じ効力でしかない。クロリン複合ラクトースは、Elisaアッセイで測定して高親和性(0.54μM)を有することが報告されている(Pandey et al.2002、EP1256586(A1))。ガレクチン-3を阻害する化学修飾型のシトラスペクチン(Platt and Raz、1992)は、in vivoで抗腫瘍活性を示す(Pienta et al.1995;Nangia-Makker et al.2002)。4個以下のラクトース部分を有するクラスター分子は、ガレクチン-3に結合すると強い多価作用を示したが、ガレクチン-1およびガレクチン-5では示さなかった(Vrasidas et al.2003)。7個のガラクトース、ラクトース、またはN-アセチルラクトサミン残基を有するシクロデキストリンベースのグリコクラスターも、ガレクチン-3に対して強力な多価作用を示したが、ガレクチン-1およびガレクチン-7に対しては多価作用はそれほど強くなかった(Andre et al.2004)。ラクトース残基で多価にされたスターバーストデンドリマー(Andre et al.1999)およびグリコポリマー(Pohl et al.1999;David et al.2004)は、ガレクチン-3阻害剤として説明されており、ラクトースと比較するとわずかに改善された有効性をもつ。多価ラクトース誘導体は、ガレクチン-1に対して顕著なクラスター効果を有することが示されている(Tejler et al.2006)。さらに、これらの化合物は他のガレクチンよりも選択的であった。Anginexなどのペプチドベースの化合物および非ペプチド性トポミメティクス(Dings et al.2012)は、アロステリックガレクチン-1阻害剤であることが報告されている。ガレクチン-1リガンドとして同定された上述の合成化合物は、それらが本質的に親水性であり、経口投与後に胃腸管から容易に吸収されないため、医薬組成物中の活性成分としての使用に適していない。さらに、上述の化合物は中程度の親和性および選択性を有する。
【0023】
上記の天然オリゴ糖、グリコクラスター、グリコデンドリマー、ペプチド、非ペプチド性トポミメティクスおよびグリコポリマーは、極性が高すぎ、大きすぎて吸収されず、場合によっては患者に免疫応答を生じるのに十分な大きさである。さらに、それらは、胃での酸加水分解および酵素加水分解の影響を受け易い。したがって、小さな合成分子が必要である。
【0024】
チオジガラクトシドは、合成かつ加水分解的に安定であるが極性の阻害剤であり、N-アセチルラクトサミン(Leffler and Barondes、1986)とほぼ同様に効率的であることが知られている。C-3’に芳香族アミドまたは置換ベンジルエーテルを有するN-アセチルラクトサミン誘導体は、ガレクチン-3の非常に効率的な阻害剤であることが実証されており、4.8μMというかつてないほど低いIC50値を有し、この値は天然のN-アセチルラクトサミンジサッカライドと比較して20倍の改善である(Sorme et al.2002;Sorme et al.2003b、2005)。これらの誘導体は、芳香族アミド部分の存在によって全体的に極性が低く、したがってin vivoでのガレクチンの阻害剤としてより適している。さらに、C3-トリアゾリルガラクトシドは、いくつかのガレクチンの対応するC3-アミドと同じように強力な阻害剤であることが実証されている。したがって、適切に構造化された任意のガラクトースC3置換基は、増強されたガレクチン親和性を付与し得る。
【0025】
しかし、C3アミドおよびC3トリアゾリル誘導体化化合物は、ガラクトースおよびN-アセチルラクトサミン糖部分にグリコシド結合が存在するためにin vivoで加水分解を受け易く、ガレクチン-3の強力な小分子阻害剤であるがさらに改善された親和性および安定性が望ましい。したがって、O-グリコシド加水分解的および酵素的に不安定な結合がない、チオジガラクトシドの3,3’-ジアミド-または3,3’-ジトリアゾリル誘導体化に基づく阻害剤が開発されている(Cumpstey et al.2005b、Cumpstey et al.2008、Salameh et al.2010、WO/2005/113569およびUS2007185041、WO/2005/113568、US7,638,623B2、T.Delaine、2016、ChemBioChem 10.1002/cbic.201600285)。これらの阻害剤はまた、いくつかのガレクチンに対して(低いnM範囲のKdに至るまで)優れた親和性を示した。それにもかかわらず、ガレクチンに対して高い親和性を示すが、3,3’-誘導体化チオジガラクトシドは、3-N-誘導体化ガラクトース構成要素に到達するための二重反転反応を含むそれらの多段階合成において、依然として不利益を含む。さらに、チオジガラクトシド中の1個のガラクトース環のシクロヘキサン置換は、ガラクトース環を模倣し、したがって、ジアミド-およびジトリアゾリル-チオジガラクトシド誘導体の効率に近いガレクチン-1およびガレクチン-3阻害剤を提供することが証明されている(WO/2010/126435)。D-ガラクトピラノース単位を置換シクロヘキサンと置換することにより、極性が低下し、代謝感受性も低下する可能性が高く、したがって、薬物様特性が改善される。
【0026】
先に記載したいくつかの化合物は、WO/2005/113568に記載されている以下の一般式
【化1】
およびWO/2005/113569に記載されている
【化2】
を有し、R
IはD-ガラクトースであり得る。
【0027】
最近公開された(T.Delaine、2016、ChemBioChem 10.1002/cbic.201600285)には、
【化3】
が開示されており、TDGはガレクチン-1に対して高親和性(<10nM)のC3およびC3’位においてチオフェントリアゾール置換基で置換されている。
【0028】
最近公開されたUS20140099319、WO2014067986およびT.Delaine、2016、ChemBioChem 10.1002/cbic.201600285には、化合物
【化4】
が開示されており、トリアゾール環に関連して両方のフェニル環上のメタ位にフッ素(F)を有する。この化合物は、肺線維症の有望な薬剤候補であることが示されており、特に高親和性のガレクチン-3に対して非常に選択的である。
【0029】
一連の小さなC1またはC1およびC3-置換ガラクトピラノシドが、ガレクチン-3およびガレクチン-1に対する親和性を示すことが開示されている。β‐D-ガラクトピラノシドは、ガレクチン-3に対して約91μM、ガレクチン‐1に対して190μMのKdを有するラクトースと同じ範囲またはそれ以下の親和性を有すると報告されている(Giguere、D et.al.2011、2008、2006)。
【化5】
【0030】
ガレクチン-1またはガレクチン-3に対する親和性を有する対応するα-アノマーが、ラクトースよりも優れていることは示されておらず、開示もされていない。
【発明の概要】
【0031】
本発明の化合物は、予期せぬことにガレクチン-1に対する高い親和性および選択性を示し、新規で有力な候補薬物と考えられている新規なα-D-ガラクトピラノース化合物である。これらの化合物のいくつかは、低クリアランスおよび高い生物学的利用能など、例えば経口投与のための非常に良好なPK特性を有する。
【0032】
広範な態様において、本発明は、式(1)のD-ガラクトピラノース化合物であって、
【化6】
式中、
ピラノース環はα-D-ガラクトピラノースであり、
R
1は、式2~式9からなる群から選択される5員または6員ヘテロ芳香環であり、アスタリスク*は式(1)のトリアゾール基に共有結合しているヘテロ芳香環の炭素原子を示し、
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
および
【化14】
式中、R
2~R
23およびR
27は、H、ハロゲン、OH、CN、SH、S-C
1-3アルキル、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO-イソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、NR
24R
25(式中、R
24はHおよびC
1-3アルキルから選択され、R
25はH、C
1-3アルキルおよびCOR
26から選択され、R
26はHおよびC
1-3アルキルから選択される)から独立して選択され、
XはS、SO、SO
2から選択され、
B
1は、a
)場合により、CN、ハロゲン、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OH、およびR
27-CONH-(式中、R
27はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で置換された
5員または6員ヘテロ芳香環で置換されたC
1-6アルキルまたは分枝C
3-6アルキル;または
、場合により、CN、ハロゲン、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OHおよびR
28-CONH-(式中、R
28はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で置換された
フェニルで置換されたC
1-6アルキル、b)ハロゲン、CN、-COOH、-CONR
29R
30(式中、R
29およびR
30はH、C
1-3アルキル、シクロプロピルおよびイソプロピルから独立して選択される)、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO‐イソプロピル、NR
31R
32(式中、R
31およびR
32はH、C
1-3アルキルおよびイソプロピルから独立して選択される)、OH、およびR
33-CONH-(式中、R
33はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される基で場合により置換されたフェニルまたはナフチルなどのアリール、c)ハロゲン、CN、場合によりFで置換されたメチル、場合によりFで置換されたOCH
3、場合によりFで置換されたOCH
2CH
3、OH、およびR
34-CONH-(式中、R
34はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される置換基で場合により置換されたC
5-7シクロアルキル、d)ハロゲン、CN、-COOH、-CONR
35R
36(式中、R
35およびR
36はH、C
1-3アルキル、シクロプロピルおよびイソプロピルから独立して選択される)、場合によりFで置換されたC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたシクロプロピル、場合によりFで置換されたイソプロピル、場合によりFで置換されたOC
1-3アルキル、場合によりFで置換されたO-シクロプロピル、場合によりFで置換されたO-イソプロピル、NR
37R
38(式中、R
37およびR
38はH、C
1-3アルキルおよびイソプロピルから独立して選択される)、OH、およびR
39-CONH-(式中、R
39はC
1-3アルキルおよびシクロプロピルから選択される)から選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環、および、e)C
1-6アルキルまたは分枝C
3-6アルキル、から選択される上記化合物、または
その薬学的に許容される塩または溶媒和物に関する。
【0033】
一実施形態では、R1は、式2,3,4,5および9からなる群から選択される5員または6員のヘテロ芳香環から選択され、残りの置換基は上で定義した通りである。さらなる実施形態では、R1は、式2,3,4および5からなる群から選択される5員または6員のヘテロ芳香環から選択され、残りの置換基は上で定義した通りである。
【0034】
一実施形態では、R1は、式2から選択され、式中、R2およびR3は、H、ハロゲン、および場合によりFで置換されたC1-3アルキルから独立して選択され、典型的には両方がHである。別の実施形態では、R1は式2から選択され、式中、R2およびR3は、H、ハロゲン、およびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R1は式3から選択され、式中、R4およびR5はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択され、典型的には両方がHまたはメチルであり、またはR4はメチルであり、R5はHである。さらなる実施形態では、R1は式4から選択され、式中、R6-R8はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択され、典型的にはR6-R8が全てHであるか、またはR8がFなどのハロゲンであり、R6およびR7が両方ともHである。さらなる実施形態では、R1は式5から選択され、式中、R9-R11はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択され、典型的にはR9-R11は全てHである。さらなる実施形態では、R1は式6から選択され、式中、R12-R15はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから選択され、典型的にはR12-R15は全てHであるか、またはR14はFなどのハロゲンであり、R12、R13およびR15は全てHである。さらなる実施形態では、R1は式7から選択され、式中、R16-R19はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R1は式8から選択され、式中、R20-R23はH、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R1は式9から選択され、式中、R27はH、ハロゲン、およびC1-3アルキル、例えばHから選択される。
【0035】
さらなる実施形態では、XはSから選択される。
【0036】
さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたフェニルまたはナフチルなどのアリールから選択される。さらなる実施形態では、B1は、フェニル、またはCl、F、Br、CNおよびCF3から選択される1,2または3個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環から選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環から選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、Cl、Br、CN、およびCF3から選択される1個または2個の置換基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、BrおよびCF3から選択される1個または2個の置換基で場合により置換されたピリジニルから選択される。
【0037】
さらなる実施形態では、本発明の化合物は、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D‐ガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-メチル-4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシドおよび
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
から選択される。
【0038】
さらなる実施形態では、本発明の化合物は、
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-クロロピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3,5-ジクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3-ブロモ-4-クロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド、
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
2,5-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-ブロモ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
から選択される。
【0039】
さらなる態様において、本発明は医薬として使用するための式(1)の化合物に関する。
【0040】
さらなる態様において、本発明は、先の請求項のいずれか一項に記載の化合物、および場合により担体および/または賦形剤などの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物に関する。
【0041】
さらなる態様において、本発明は、ヒトなどの哺乳動物におけるリガンドへのガレクチン-1の結合に関連する障害を治療するための方法における使用のための本発明の式(1)の化合物に関する。さらなる実施形態では、障害は、炎症;線維症、例えば肺線維症、肝線維症、腎線維症、眼科的線維症および皮膚および心臓の線維症;瘢痕;ケロイド形成;異常な瘢痕形成;強皮症;硬化症;外科的癒着;敗血症性ショック;癌、例えば癌腫、肉腫、白血病およびリンパ腫、例えばT細胞リンパ腫;転移性の癌;癌に関連する血管新生;自己免疫疾患、例えば乾癬、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス;移植拒絶反応;代謝障害;心臓病;心不全;病理学的血管新生、例えば眼の血管新生または眼の血管新生に関連する疾患または状態、例えば癌に関連する血管新生;眼疾患、例えば加齢性黄斑変性症および角膜血管新生;アテローム性動脈硬化症;代謝性疾患、例えば糖尿病;肥満;喘息および他の間質性肺疾患、例えばヘルマンスキー・パドラク症候群、中皮腫;肝臓疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝炎からなる群から選択される。
【0042】
さらなる態様において、本発明は、ヒトなどの哺乳動物におけるリガンドへのガレクチン-1の結合に関連する障害の治療方法に関し、治療有効量の本発明の式(1)の少なくとも1つの化合物が、その治療を必要とする哺乳動物に投与される。さらなる実施形態では、障害は、炎症;線維症、例えば肺線維症、肝線維症、腎線維症、眼科的線維症および皮膚および心臓の線維症;瘢痕;ケロイド形成;異常な瘢痕形成;強皮症;硬化症;外科的癒着;敗血症性ショック;癌、例えば癌腫、肉腫、白血病およびリンパ腫、例えばT細胞リンパ腫;転移性の癌;癌に関連する血管新生;自己免疫疾患、例えば乾癬、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス;移植拒絶反応;代謝障害;心臓病;心不全;病理学的血管新生、例えば眼の血管新生または眼の血管新生に関連する疾患または状態、例えば癌に関連する血管新生;眼疾患、例えば加齢性黄斑変性症および角膜血管新生;アテローム性動脈硬化症;代謝性疾患、例えば糖尿病;肥満;喘息および他の間質性肺疾患、例えばヘルマンスキー・パドラク症候群、中皮腫;肝臓疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝炎からなる群から選択される。
【0043】
上述のように、本発明の化合物のいくつかは、ガレクチン-1親和性が高く、PK特性が非常に良好であり、高い経口生物学的利用能を示し、経口投与に適しており、本明細書に提示するデータは、少なくとも本発明の式(1)の化合物が、これらの非常に良好なPK特性および高いガレクチン-1親和性を有することを裏付けている。
【0044】
本発明の別の態様は、本発明の式(1)の化合物を、式(1)の化合物とは異なる治療活性化合物(「異なる治療活性化合物」と交換可能)と共に投与することを含む併用療法に関する。一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物と、哺乳動物のリガンドへのガレクチン-1の結合に関連する障害の治療に使用するための異なる治療活性化合物との組み合わせに関する。そのような障害は以下に開示される。
【0045】
本発明の一実施形態では、治療有効量の本発明の式(1)の少なくとも1つの化合物を、それを必要とする哺乳動物に異なる治療活性化合物と組み合わせて投与する。さらなる実施形態では、式(1)の化合物と異なる治療活性化合物との組み合わせを、炎症;線維症、例えば肺線維症、肝線維症、腎線維症、眼科的線維症および皮膚および心臓の線維症;瘢痕;ケロイド形成;異常な瘢痕形成;強皮症;硬化症;外科的癒着;敗血症性ショック;癌、例えば癌腫、肉腫、白血病およびリンパ腫、例えばT細胞リンパ腫;転移性の癌;癌に関連する血管新生;自己免疫疾患、例えば乾癬、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス;移植拒絶反応;代謝障害;心臓病;心不全;病理学的血管新生、例えば眼の血管新生または眼の血管新生に関連する疾患または状態、例えば癌に関連する血管新生;眼疾患、例えば加齢性黄斑変性症および角膜血管新生;アテローム性動脈硬化症;代謝性疾患、例えば糖尿病;肥満;喘息および他の間質性肺疾患、例えばヘルマンスキー・パドラク症候群、中皮腫;肝臓疾患、例えば非アルコール性脂肪性肝炎からなる群から選択される障害に罹患している哺乳動物に投与する。
【0046】
式(1)の化合物を異なる治療活性化合物と組み合わせて投与することによって治療、管理および/または予防し得る癌の例として挙げられる癌の非限定的な群は、結腸癌腫、乳癌、膵癌、卵巣癌、前立腺癌、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌(bile duct carcinoma)、胆管癌(cholangiocarcinoma)、絨毛癌、セミノーム、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、膠芽腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫(craniopharingiomas)、神経線維腫、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫(craniopharyngioma)、脳室上衣腫、松果体腫瘍、血管芽細胞腫、聴神経鞘腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、白血病およびリンパ腫、急性リンパ球性白血病および急性骨髄性真性赤血球増加症、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、H鎖病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、直腸癌、泌尿器癌、子宮癌、口腔癌、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、脳腫瘍、肝臓癌、喉頭癌、食道癌、乳癌、小児急性リンパ性白血病(ALL)、胸腺ALL、B細胞ALL、急性骨髄性白血病、骨髄単球性白血病、急性巨核球様白血病、バーキットリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、およびT細胞白血病、小細胞肺癌および大細胞非小細胞肺癌、急性顆粒球性白血病、胚細胞腫瘍、子宮体癌、胃癌(gastric cancer)、頭頸部癌、慢性リンパ性白血病、毛様細胞性白血病および甲状腺癌から選択される。
【0047】
本発明のいくつかの態様において、本発明の式(1)の少なくとも1つの化合物および少なくとも1つのさらなる治療剤の投与は、治療上の相乗作用を示す。本発明の方法のいくつかの態様において、本発明の式(1)の少なくとも1つの化合物およびさらなる治療剤の両方を投与した後に観察される治療に対する応答の測定値は、本発明の式(1)の少なくとも1つの化合物または追加の治療剤単独のいずれかを投与した後に観察される治療に対する同じ応答の測定値よりも改善される。
【0048】
本発明のさらなる態様は、本発明の式(1)の化合物を、式(1)の化合物とは異なる抗線維化化合物と共に、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む併用療法に関する。さらなる実施形態では、このような抗線維化化合物は、ピルフェニドン、ニンテダニブ、シムツズマブ(GS-6624、AB0024)、BG00011(STX100)、PRM-151、PRM-167、PEG-FGF21、BMS-986020、FG-3019、MN-001、IW001、SAR156597、GSK2126458、およびPBI-4050の抗線維化化合物の非限定的な群から選択されてもよい。
【0049】
本発明のさらなる態様は、式(1)の化合物を、化学療法または放射線療法などのさらなる従来の癌治療、または免疫刺激物質による治療、遺伝子治療、抗体、ワクチンによる治療、および例えば、樹状細胞、造血幹細胞および養子T細胞移入を含む細胞治療と組み合わせて、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む併用療法に関する。
【0050】
一実施形態では、式(1)の化合物は、抗新生物化学療法剤から選択される少なくとも1つのさらなる治療剤と共に投与される。さらなる実施形態では、抗新生物化学療法剤は、全トランス型レチノイン酸、アクチミド、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イリノテカン、レナリドマイド、ロイコボリン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、レブリミド、テモゾロミド、テニポシド、チオグアニン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから選択される。一実施形態では、本薬剤の組み合わせで使用するための化学療法剤は、それ自体、異なる化学療法剤の組み合わせであり得る。適切な組み合わせには、FOLFOXおよびIFLが含まれる。FOLFOXは、5-フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン、およびオキサリプラチンを含む組み合わせである。IFL治療には、イリノテカン、5-FU、およびロイコボリンが含まれる。
【0051】
本発明のさらなる実施形態では、さらなる従来の癌治療には放射線療法が含まれる。いくつかの実施形態では、放射線療法には腫瘍に送達される局在化放射線療法が含まれる。いくつかの実施形態では、放射線療法には全身照射が含まれる。
【0052】
本発明の他の実施形態では、さらなる癌治療は、例えばサイトカインおよび抗体などの免疫刺激物質の群から選択される。そのようなサイトカインは、GM-CSF、I型IFN、インターロイキン21、インターロイキン2、インターロイキン12およびインターロイキン15からなる群から選択され得るが、これらに限定されない。抗体は、好ましくは、抗CD40抗体または抗CTLA-4抗体などの免疫刺激抗体である。免疫賦活物質は、免疫抑制細胞(例えば制御性T細胞)または因子を枯渇させることができる物質であってもよく、この物質は、例えばE3ユビキチンリガーゼであってもよい。E3ユビキチンリガーゼ(HECT、RINGおよびU-boxタンパク質)は免疫細胞機能の重要な分子調節物質として出現しており、各々がタンパク質分解破壊のための特異的阻害分子を標的とすることによって感染中の免疫応答の調節に関与している可能性がある。いくつかのHECTおよびRING E3タンパク質は、免疫自己寛容の誘導および維持にも関連しており、c-Cbl、Cbl-b、GRAIL、ItchおよびNedd4は各々T細胞増殖因子の産生および増殖を負に調節する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、式(1)の化合物は、免疫チェックポイント阻害剤のクラスから選択される少なくとも1つのさらなる治療剤と共に投与される。本発明のいくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CEACAM1、ガレクチン-9、TIM3、CD80、CTLA4、PD-1、PD-L1、HVEM、BTLA、CD160、VISTA、B7-H4、B7-2、CD155、CD226、TIGIT、CD96、LAG3、GITF、OX40、CD137、CD40、IDOおよびTDOの非限定的な標的群の1つ以上で作用している。これらは既知の標的であり、これらの標的のいくつかはMelero et al.Nature Reviews Cancer(2015)に記載されている。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、式(1)の化合物は、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤から選択される少なくとも1つのさらなる治療剤と共に投与される。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、式(1)の化合物は、CTLA4経路の1つ以上の阻害剤から選択される少なくとも1つのさらなる治療剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、CTLA4経路の阻害剤は、CTLA4に対する1つ以上の抗体から選択される。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、式(1)の化合物は、PD-1/PD-L経路の1つ以上の阻害剤から選択される少なくとも1つのさらなる治療剤と共に投与される。いくつかの実施形態では、PD-1/PD-L経路の1つ以上の阻害剤は、PD-1、PD-L1および/またはPD-L2に対する1つ以上の抗体から選択される。
【0057】
さらなる態様において、本発明は、X、BおよびR
1が式1で上記のように定義される工程a1を含む式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の調製プロセスに関し、
【化15】
工程a1では、CuIにより触媒されるジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いて、DMFまたはアセトニトリルなどの不活性溶媒中で式Iの化合物を式IIの化合物と反応させて、式IIIの化合物を得る。
【0058】
さらなる態様において、本発明は、X、B
1、R
4およびR
5が式1で上記のように定義される工程a1を含む式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の調製プロセスに関し、
【化16】
工程a2では、Zがハロゲン化物またはスルホン酸エステルなどの脱離基である式IVの化合物を、酢酸エチルなどの不活性溶媒中で、トリフルオロメタンスルホン酸銀の存在下で、式R
5-C(=S)NH
2の化合物と反応させて、式Vの化合物を得る。
【0059】
さらなる態様において、本発明は、BおよびR
1が式1で上記のように定義される工程a3を含む式VIIおよび/または式VIIIの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の調製プロセスに関し、
【化17】
工程a3では、式VIの化合物を、酢酸などの溶媒中の過酸化水素などの酸化剤、あるいはジクロロメタンなどの不活性溶媒中で3-クロロペルオキシ安息香酸と反応させて、式VIIおよび/または式VIIIの化合物を得る。
【0060】
さらなる態様において、本発明は、工程a4および工程a5を含む式XIIの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の調製プロセスに関し、
【化18】
工程a4では、化合物IXを、ジクロロメタンまたはクロロホルムなどの不活性溶媒中でBF
3Et
2Oなどのルイス酸の存在下で、ジクロロメチルメチルエーテルまたはPCl
5などの塩素化試薬と反応させて、式Xの化合物を得る。
【0061】
工程a5では、式Xの化合物を、DMFなどの不活性溶媒中で水素化ナトリウムなどの塩基の存在下でXIのような求核試薬と反応させて、式XIIの化合物を得る。
【0062】
さらなる態様において、本発明は、工程a6-a7を含む式XIの化合物の調製プロセスに関し、B
1は式(1)の下で上記のように定義され、
【化19】
工程a6では、式XIIIの化合物は、亜硝酸ナトリウムで処理して対応するジアゾ化合物を形成することができた。この化合物を、エチルキサントゲン酸カリウムなどの硫黄源とさらに反応させて、式XIVの化合物を形成することができた。
【0063】
工程a7では、式XIVの化合物を水酸化カリウムなどの塩基と反応させて、式XIの化合物を得る。
【0064】
さらなる態様において、本発明は、工程a8を含む式XIの化合物の調製プロセスに関し、B
1は式(1)の下で上記のように定義され、
【化20】
工程a8では、式XVの化合物を、DMFなどの不活性溶媒中でNaOHなどの塩基の存在下でNa
2S・10H
2Oと反応させて、式XIの化合物を得る。
【0065】
さらなる態様において、本発明は、工程a9-a11を含む式XIの化合物の調製プロセスに関し、B
1は式(1)の下で上記のように定義され、
【化21】
工程a9では、式XVIの化合物を、DMFなどの不活性溶媒中で水素化ナトリウムなどの塩基を使用してジメチルカルバモイルクロライドなどの活性化チオアミドと反応させて、式XVIIの化合物を得る。
【0066】
工程a10では、式XVIIの化合物を高温で加熱して、化合物XVIIIを形成する。
【0067】
工程a11では、式XVIIIの化合物を水酸化カリウムなどの塩基と反応させて、式XIの化合物を得る。
【0068】
さらなる態様において、本発明は、工程a12を含む式XXの化合物の調製プロセスに関し、R
1は式(1)の下で上記のように定義され、
【化22】
工程a12では、Lが臭素などの脱離基として定義される式XIXの化合物を、テトラヒドロフラン(THF)などの不活性溶媒中で、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム-(II)-クロライド、ヨウ化銅、およびジイソプロピルエチルアミンのような塩基などのパラジウム触媒を用いて、トリメチルシラン-アセチレンと反応させて、式IIの化合物を得る。
【0069】
さらなる態様において、本発明は、工程a13-a15を含む式IVの化合物の調製プロセスに関し、B
1、XおよびR
4は式(1)の下で上記のように定義され、
【化23】
工程a13では、式Iの化合物を、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いて、DMFまたはアセトニトリルなどの不活性溶媒中でCuIを使用して式R
4-CH
2CHOH-CC-Hの化合物と反応させて、式XXの化合物を得る。
【0070】
工程a14では、式XXの化合物を、DCMなどの不活性溶媒中でDess-Martinペルヨージナンなどの酸化剤と反応させて、式XXIの化合物を得る。
【0071】
工程a15では、式XXIの化合物を、DCMなどの不活性溶媒中でTEAなどの塩基の存在下で、最初にTBSOTfと反応させることによって臭素を導入して中間体を得、それをTHFなどの不活性溶媒中でNBSとさらに反応させて、式IVの化合物を得る。
【0072】
さらなる態様において、本発明は、工程a16を含む式XXIIIの化合物の調製プロセスに関し、
【化24】
工程a16では、B
1が上記のように定義され、Lが臭素などの脱離基である式XXIIの化合物を、場合により高温で、ジメチルホルムアミド(DMF)などの不活性溶媒中でCuCNと反応させて、式XXIIIの化合物を得る。
【0073】
さらなる態様において、本発明は、工程a17を含む式XXVの化合物の調製プロセスに関し、
【化25】
工程a17では、B
1が上記のように定義され、Lがヨウ素などの脱離基である式XXIVの化合物を、場合により高温でKFおよびCuIと反応させて中間体を得、それをトリメチル(トリフルオロメチル)シランとさらに反応させて中間体を得、それを1-メチル-2-ピロリジノン(NMP)などの不活性溶媒に溶解し、3,5-ジクロロ-2-ヨードピリジンを加えて、式XXVの化合物を得る。
【0074】
さらなる態様において、本発明は、工程a18-a19を含む式XXVIIIの化合物の調製プロセスに関し、
【化26】
工程a18は、式XXVIの化合物を、不活性溶媒中でリチウムジイソプロピルアミン(LDA)と場合により低温で反応させて、化合物XXVIIを得る。
【0075】
工程a19では、式XXVIIの化合物をn-ブチルリチウムと反応させて中間体を得、これを場合により低温で不活性溶媒中でN-フルオロベンゼンスルホンイミドとさらに反応させて、式XXVIIIの化合物を得る。
【0076】
さらなる態様において、本発明は、工程a20を含む式XXXの化合物の調製プロセスに関し、
【化27】
工程a20では、R
1が上記のように定義される式XXIXの化合物をイソアミルニトライトと反応させた後、Lが塩素または臭素などのハロゲンとして定義されるCuLと反応させて、式XXXの化合物を得る。
【0077】
さらなる態様において、本発明は、工程a21を含む式XXXIIの化合物の調製プロセスに関し、
【化28】
工程a21では、式XXXIの化合物をブチルリチウムなどのアルキルリチウムと反応させた後、N-フルオロベンゼン-スルホニルイミドなどのフッ素化試薬と反応させて、式XXXIIの化合物を得る。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の式(1)の化合物は、特に、ピラノース環がα-D-ガラクトピラノースである点で、先行技術の化合物とは異なる。αおよびβのアノマーは非常に異なる異性体であることを強調することが重要であり、両方のアノマーの同一または類似の活性を期待することが当業者に明らかであるとは決して考えられない。したがって、αおよびβのアノマーは一般に同じ活性を有さず、これは当業者には一般的な知識である。本発明の化合物は、予期せぬことにガレクチン-1に対する非常に高い親和性を示した新規のα-D-ガラクトピラノース化合物であり、新規な有力な候補薬物と考えられる。これらの化合物のいくつかは、低クリアランスおよび高い生物学的利用能など、例えば経口投与のための非常に良好なPK特性を有する。
【0079】
広範な態様において、本発明は、R1、XおよびB1が定義された通りである上記の式(1)の化合物に関する。以下、さらなる実施形態について説明する。
【0080】
一実施形態において、R1は式2から選択され、式中、R2およびR3は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R2およびR3はHである。さらなる実施形態では、R1は式2から選択され、R2はHであり、R3は、Fなどのハロゲンから選択される。さらなる実施形態では、R1は式2から選択され、R2はハロゲンおよび場合によりFで置換されたC1-3アルキルから選択され、R3はHから選択される。典型的には、R1は式2から選択され、R2はCl、F、BrおよびCF3から選択され、R3はHから選択される。
【0081】
別の実施形態では、R1は式3から選択され、R4およびR5は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R4およびR5はHである。さらなる実施形態では、R4はC1-3アルキルであり、R5はHである。特定の実施形態では、R4はメチルであり、R5はHである。
【0082】
さらなる実施形態では、R1は式4から選択され、R6-R8は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R6-R8は全てHである。さらなる実施形態では、R8はハロゲンであり、R6およびR7は両方ともHである。特定の実施形態では、R8はFであり、R6およびR7は両方ともHである。
【0083】
さらなる実施形態では、R1は式5から選択され、R9-R11は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R9-R11は全てHである。
【0084】
さらなる実施形態では、R1は式6から選択され、R12-R15は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから独立して選択される。さらなる実施形態では、R14はハロゲンであり、R12、R13およびR15は全てHである。特定の実施形態において、R14はFであり、R12、R13およびR15は全てHである。
【0085】
さらなる実施形態では、R1は式9から選択され、R27は、H、ハロゲンおよびC1-3アルキルから選択される。特定の実施形態において、R27は、Hから選択される。
【0086】
さらなる実施形態では、XはSから選択される。
【0087】
さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたフェニルまたはナフチルなどのアリールから選択される。
【0088】
さらなる実施形態では、B1は、フェニル、またはCl、F、Br、CNおよびCF3から選択される1,2または3個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ClおよびCNから選択される2個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、Cl、BrおよびFから選択される2個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、Clから選択される2個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、一方がClであり、他方がBrである2個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、一方はFであり、他方はBrである2個の置換基で置換されたフェニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、Cl、FおよびCNから選択される3個の置換基で置換されたフェニルから選択される。典型的には、B1は、Cl3個、Cl2個とCN1個、Cl2個とF1個、Cl1個、F1個とCN1個からなる群から選択される3個の置換基で置換されたフェニルから選択される。
【0089】
さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環から選択される。
【0090】
さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環から選択される。
【0091】
さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、CN、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される1個または2個の置換基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、BrおよびCF3から選択される1個または2個の置換基で場合により置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、Brなどのハロゲンから選択される1個の置換基で置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、1個のClで置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲン、および場合によりFで置換されたメチルから選択される2個の置換基で置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、ハロゲンおよびCNから選択される2個の置換基、例えば1個のBrおよび1個のCN、または1個のClおよび1個のCNで置換されたピリジニルから選択される。さらなる実施形態では、B1は、BrおよびCF3から選択される2個の置換基、例えば1個のBrおよび1個のCF3で置換されたピリジニルから選択される。
【0092】
当業者であれば、プロセス1~21の工程の順序を調整または変更することが必要であり得ること、また、そのような順序の変更は、反応スキームおよびプロセス工程の添付の説明において上に記載したようなプロセスの態様に包含されることを理解するであろう。
【0093】
さらに、当業者であれば、上記および以下に記載されるプロセスおよび中間体化合物の官能基は、保護基によって保護される必要があり得ることを理解するであろう。
【0094】
保護することが望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシの適切な保護基には、場合により置換されたおよび/または不飽和のアルキル基(例えば、メチル、アリル、ベンジルまたはtert-ブチル)、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル基(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、AcO(アセトキシ)TBS(t-ブチルジメチルシリル)、TMS(トリメチルシリル)、PMB(p-メトキシベンジル)およびテトラヒドロピラニルが含まれる。カルボン酸の適切な保護基には、(C1-6)-アルキルまたはベンジルエステルが含まれる。アミノの適切な保護基には、t-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)-エトキシ-メチルまたは2-トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)が含まれる。Sの適切な保護基には、S-C(=N)NH2、TIPSが含まれる。
【0095】
官能基の保護および脱保護は、上述のプロセスにおける任意の反応の前または後に行うことができる。
【0096】
さらに、当業者であれば、本発明の化合物を別の方法で、場合によってはより好都合な方法で得るために、前述の個々のプロセス工程を異なる順序で実施することができ、および/または個々の反応を全体の経路の異なる段階で行うことができる(すなわち、特定の反応に関連して先に言及したものとは異なる中間体に、置換基を加えるおよび/または化学変換を行うことができる)ことを理解されるであろう。これにより、保護基の必要性が否定されたり、必要になったりすることがある。
【0097】
さらなる実施形態では、化合物(1)は遊離形態である。本明細書で使用される「遊離形態で」は、置換基に応じて、酸形態または塩基形態のいずれかの式(1)の化合物、または中性化合物としての化合物を意味する。遊離形態は、さらなる酸塩または塩基塩をもたない。一実施形態では、遊離形態は無水物である。別の実施形態では、遊離形態は溶媒和物(例えば、水和物)である。
【0098】
さらなる実施形態では、式(1)の化合物は結晶形態である。当業者は、多形体を見出すために試験を実施することができ、そのような多形体は、本明細書で使用される「結晶形態」という用語に包含されることが意図される。
【0099】
本明細書中に開示される化合物および医薬組成物が上記治療に使用される場合、少なくとも1つの化合物の治療有効量がその治療を必要とする哺乳動物に投与される。
【0100】
本明細書で使用される用語「C1-xアルキル」は、1-x炭素原子を含むアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1-5またはC1-6である。
【0101】
本明細書で使用される用語「分枝C3-6アルキル」は、3~6個の炭素原子を含む分枝アルキル基を意味し、例えば、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチルが挙げられる。
【0102】
本明細書で使用される用語「C3-7シクロアルキル」は、3~7個の炭素原子を含む環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよび1-メチルシクロプロピルが挙げられる。
【0103】
本明細書で使用される用語「C5-7シクロアルキル」は、5~7個の炭素原子を含む環状アルキル基を意味し、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが挙げられる。
【0104】
本明細書で使用される用語「オキソ」は、二重結合を有する酸素原子を意味し、O=としても示される。
【0105】
本明細書で使用される用語「CN」は、ニトリルを意味する。
【0106】
本明細書で使用される用語「5員または6員ヘテロ芳香環」は、1個の5員ヘテロ芳香環または1個の6員ヘテロ芳香環を意味する。5員ヘテロ芳香環は5個の環原子を含み、そのうち1~4個はN、OおよびSから選択されるヘテロ原子である。6員ヘテロ芳香環は6個の環原子を含み、そのうち1~5個はN、OおよびSから選択されるヘテロ原子である。例としては、チオフェン、フラン、ピラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジンおよびピリダジンが含まれる。そのようなヘテロ芳香環が置換基である場合、それらはチオフェニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルと呼ばれる。また、オキサゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、オキサジアゾイルおよびピリドニルも含まれる。
【0107】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルなどのヘテロ環」は、1つ以上のヘテロ原子を含む1つ以上の3~7員環系からなるヘテロ環を意味し、そのような環系は場合により芳香族であってもよい。本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、単環式または二環式の芳香環系を意味し、1~10個など、例えばO、SおよびNから選択される1~6個の1つ以上のヘテロ原子を含有し、限定されるものではないが、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリドニル、ピリミドニル、キノリニル、アザキノリル、イソキノリニル、アザイソキノリル、キナゾリニル、アザキナゾリニル、ベンゾアゾイル、アザベンゾキサゾイル、ベンゾチアゾイル、またはアザベンゾチアゾイルを含む。本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、単環式または二環式の3~7員脂肪族ヘテロ環を意味し、1~7個、例えばO、SおよびNから選択される1~5個の1個以上のヘテロ原子を含有し、限定されるものではないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、またはピペリジニルを含む。
【0108】
本明細書で使用される用語「治療」および「治療する」は、疾患または障害などの状態に対抗する目的での患者の管理およびケアを意味する。この用語は、患者が罹患している所与の状態に対する治療の全範囲を含むことを意図し、例えば、活性化合物を投与して、症状または合併症を緩和すること、疾患、障害または状態の進行を遅延させること、症状または合併症を緩和または軽減すること、および/または疾患、障害もしくは状態を治癒または排除すること、ならびに状態を予防することが挙げられ、ここで、予防は疾患、状態または障害に対抗する目的で患者を管理およびケアすることと理解すべきであり、症状または合併症の発症を予防するために活性化合物を投与することを含む。治療は、急性または慢性のいずれかの方法で行うことができる。治療されるべき患者は、好ましくは哺乳動物であり、特にヒトであるが、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタなどの動物も含むことができる。
【0109】
本明細書で使用する本発明の式(1)の化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患およびその合併症の臨床症状を治癒、緩和または部分的に阻止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに十分な量を「治療有効量」と定義する。各目的のための有効量は、疾患または傷害の重篤度ならびに対象の体重および全身状態に依存する。適切な投薬量の決定は、慣例的な実験を用いて、値のマトリクスを構築し、マトリクス中の異なる点を試験することによって達成することができ、これは全て訓練された医師または獣医師の通常の技能の範囲内であることが理解されよう。
【0110】
さらなる態様において、本発明は、式(1)の化合物、および場合により薬学的に許容される添加剤、例えば担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0111】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される添加剤」は、限定されるものではないが、当業者が医薬組成物を作るために本発明の化合物を製剤化するときに使用すると考えるであろう担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、着色剤、香料、防腐剤などを含む。
【0112】
本発明の組成物に使用され得るアジュバント、希釈剤、賦形剤および/または担体は、式(1)の化合物および医薬組成物の他の成分と適合性があるという意味で薬学的に許容されなければならず、そのレシピエントに対して有害であってはならない。好ましくは、組成物は、アレルギー反応などの有害反応を引き起こす可能性のある物質を含有してはならない。本発明の医薬組成物に使用され得るアジュバント、希釈剤、賦形剤および担体は、当業者に周知である。
【0113】
上記のように、本明細書に開示される組成物、特に医薬組成物は、本明細書に開示される化合物に加えて、少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、賦形剤および/または担体をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、賦形剤および/または担体を1~99重量%含み、本明細書に開示される化合物を1~99重量%含む。活性成分と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、賦形剤および/または担体との合計量は、組成物、特に医薬組成物の100重量%を超えてはならない。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つの化合物のみが、上記の目的のために使用される。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている2つ以上の化合物を上記の目的のために組み合わせて使用する。
【0116】
組成物、特に本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物は、経口、静脈内、局所、腹腔内、経鼻、バッカル、舌下または皮下投与に適合させることができ、または、例えばエアロゾルあるいは空気中に浮遊した微粉末の形態で、気道を介して投与するために適合させることができる。したがって、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、ナノ粒子、結晶、非晶質物質、溶液、経皮パッチまたは坐剤の形態であり得る。
【0117】
プロセスのさらなる実施形態は、本明細書の実験の項に記載されており、各個々のプロセスおよび各出発物質は、実施形態の一部を形成することができる実施形態を構成する。
【0118】
上記の実施形態は、本明細書に記載される態様のいずれか1つ(例えば、「治療方法」、「医薬組成物」、「医薬品として使用するための化合物」、または「方法における使用のための化合物」など)、ならびに本明細書に記載される実施形態のいずれか1つを参照していると見なされるべきであるが、ある実施形態が本発明の特定の態様または複数の態様に関するものであることが特定されている場合を除く。
【0119】
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参照により組み入れられることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
【0120】
全ての見出しおよび小見出しは、便宜のためにのみここで使用されており、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0121】
本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形における上記要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
【0122】
本発明を説明する文脈において使用される用語「a」および「an」および「the」および同様の指示対象は、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0123】
本明細書における値の範囲の列挙は、範囲内の各別個の値を個別に指す簡略な方法として使用することのみを意図するが、本明細書中に異なるように示され、各別個の値が本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれている場合を除く。別段の記載がない限り、本明細書で提供される全ての正確な値は、対応する近似値を表す(例えば、特定の因子または測定に関して提供される全ての正確な例示的な値は、適宜、「約」によって修飾される対応する近似測定値も提供すると考えることができる。
【0124】
本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。
【0125】
本明細書で提供される任意のおよび全ての例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく示すことを意図しており、他に指示されない限り本発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる言語も、明示的に述べられていない限り、要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
【0126】
本明細書における特許書類の引用および組み込みは、便宜上のみであり、そのような特許書類の有効性、特許性および/または実施可能性についてのいかなる見解も反映していない。
【0127】
要素を参照して「含む」、「有する」、「含む」(包含する)または「含む」(含有する)などの用語を使用する本発明の任意の態様または実施形態の本明細書の記載は、別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、その特定の要素「からなる」、「から本質的になる」、または「を実質的に含む」本発明の同様の態様または実施形態の支持を提供することを意図する(例えば、特定の要素を含むと本明細書に記載される組成物は、別段の記載がないか、または文脈によって明らかに矛盾する場合を除き、その要素からなる組成物についても説明していると理解されるべきである)。本発明は、適用法によって許容される最大範囲において、本明細書に提示された態様または請求項に列挙される主題の全ての改変および均等物を含む。
【0128】
以下の例によって本発明をさらに説明するが、これらの例は保護の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。前述の説明および以下の例に開示された特徴は、別々に、およびそれらの任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するための材料となり得る。
【0129】
実験手順
Kd値の評価
ガレクチンに対する例1-32の親和性は、蛍光異方性アッセイによって決定し、組成物は、ガレクチンとフルオレセン標識サッカライドプローブとの間の相互作用の阻害剤として用いた(Sorme、P.、Kahl-Knutsson、B.、Huflejt、M.、Nilsson、U.J.、Leffler H.(2004)「ガレクチン-リガンド相互作用を評価するための分析ツールとしての蛍光偏光(Fluorescence polarization as an analytical tool to evaluate galectin-ligand interactions)」、Anal.Biochem.334:36-47(Sorme et al.2004)、「ガレクチン-1の一価相互作用(Monovalent interactions of Galectin-1)」、Salomonsson、Emma;Larumbe、Amaia;Tejler,Johan;Tullberg、Erik;Rydberg、Hanna;Sundin、Anders;Khabut、Areej;Frejd、Torbjorn;Lobsanov、Yuri D.;Rini、James M.;et al.From Biochemistry(2010)、49(44)、9518-9532(Salomonsson et al.2010)参照)。
【0130】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0131】
In vitro ADME特性
ヒト結腸由来の腺癌細胞の頂端(A)から側底(B)方向への透過性(Papp)(Caco-2 A>B)を測定した。ヒト肝細胞におけるヒト肝安定性(CLint)を測定した。
【0132】
【0133】
例および中間体の合成
実験の概要
核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、25℃で400MHzのBruker AVANCEШ500機器で記録した。化学シフトは、残留溶媒を内部標準として用いてppm単位で報告される。多重性ピークは、s,一重項;d,二重項;dd,二重項の二重項;t,三重項;dt,三重項の二重項;q,四重項;m,多重項;br s,広域一重項のように示す。
【0134】
LC-MSスペクトルは、ES(+)イオン化モードで操作するAgilent MSD質量分析計と連結したAgilent 1200 HPLCで取得した。カラムは、XBridge C18(4.6×50mm、3.5μm)またはSunFire C18(4.6×50mm、3.5μm)を用いた。溶媒A(水中0.1%TFA)および溶媒B(アセトニトリル+0.1%TFA)、または溶媒A(水中10mM炭酸水素アンモニウム)および溶媒B(アセトニトリル)を用いた。波長は254nMであった。
【0135】
分取HPLCはGilson 215で行った。フローは、25mL/分カラム:XBrige prep C18 10μmOBD(19×250mm)カラムであった。波長は254nMであった。溶媒A(水中10mM炭酸水素アンモニウム)および溶媒B(アセトニトリル)を用いた。
【0136】
次の略語を使用する。
Calcd:計算値
CH3CN:アセトニトリル
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N、N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N、N-ジメチルホルムアミド
ESI-MS:エレクトロスプレーイオン化質量分析法
EtOAcまたはEA:酢酸エチル
GC:ガスクロマトグラフィー
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
MeOH:メタノール
MeOD-d4:重水素化メタノール
MS:質量分析
MTBE:tert-ブチルメチルエーテル
NaOMe:ナトリウムメトキシド
NMR:核磁気共鳴
PE:石油エーテル
Prep:分取
rt:室温
TBSOTf:tert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
TBME:tert-ブチルメチルエーテル
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル
UV:紫外線
【0137】
例1
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化29】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(130mg、0.22mmol)のMeOH(10mL)溶液にNaOMe(11.7mg、0.22mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水素型樹脂で酸性化し、続いて濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCで精製して、45mg(44%)の標題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.47(s,1H),7.95-7.77(m,2H),7.71-7.40(m,4H),5.89(dd,J=14.3,4.0Hz,2H),5.49(d,J=6.4Hz,1H),4.84-4.63(m,3H),4.25(t,J=6.4Hz,1H),4.03(d,J=6.6Hz,1H),3.62-3.49(m,1H),3.46-3.38(m,1H)..
[C1
8H
18Cl
2N
3O
4S
2]
+(M+H)
+のESI-MS m/z計算値は474.0、実測値は474.0であった。
【0138】
例2
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化30】
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(150mg、0.25mmol)のMeOH/TEA/H
2O(2.5/1.5/0.5)(4.5mL)溶液を室温で4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をHPLCで精製して、標題化合物を白色固体(75mg、63%)として得た。
[C
19H
16ClFN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は484.0、実測値は484.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.38(s,1H),8.03(d,J=6.4Hz,1H),7.79(dd,J=2.4,1.7Hz,1H),7.68(d,J=9.0Hz,1H),7.56-7.51(m,2H),6.21(d,J=5.2Hz,1H),5.08(dd,J=11.4,2.7Hz,1H),5.00(dd,J=11.3,5.3Hz,1H),4.32(t,J=6.1Hz,1H),4.21(d,J=1.9Hz,1H),3.66(qd,J=11.5,6.1Hz,2H).
【0139】
例3
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化31】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(80mg、0.13mmol)をMeOH(4mL)に溶解した。ナトリウムメトキシド(7.07mg、0.13mmol)を添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を減圧濃縮し、残留物をCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配(0~42%)を用いてC-18カラムで精製して、30mg(47.2%)の標題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.67(d,J=1.9Hz,1H),8.61(d,J=2.1Hz,1H),8.47(s,1H),8.30(t,J=2.0Hz,1H),7.87(dd,J=2.9,1.2Hz,1H),7.65(dd,J=5.0,3.0Hz,1H),7.56(dd,J=5.0,1.2Hz,1H),5.95(dd,J=12.9,4.8Hz,2H),5.51(d,J=6.4Hz,1H),4.85-4.69(m,3H),4.25(t,J=6.2Hz,1H),4.08-3.96(m,1H),3.60-3.47(m,1H),3.43-3.36(m,1H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
18BrN
4O
4S
2]
+(M+H)
+:485.0;found:485.0
【0140】
例4
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化32】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(70mg、0.12mmol)および3-エチニルチオフェン(39.8mg、0.37mmol)をCH
3CN(10mL)に溶解した。その後、ヨウ化銅(I)(23.3mg、0.12mmol)およびTEA(37.19mg、0.37mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、混合物を濾過し、濃縮した。残留物をMeOH(4mL)に溶解した。NaOMe(4.8mg、0.09mmol)を添加した。混合物を室温でさらに16時間攪拌した。次いで、混合物を濃縮し、残留物をCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配(0~29%)を用いてC-18カラムで精製した。8mg(16.4%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.77(d,J=1.5Hz,1H),8.53(s,1H),8.39(s,1H),7.84-7.77(m,1H),7.58-7.50(m,2H),6.15(d,J=5.0Hz,1H),5.08-4.96(m,2H),4.43(t,J=6.0Hz,1H),4.21(s,1H),3.82-3.64(m,2H).
[C
18H
17BrF
3N
4O
4S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は553.0、実測値は553.0であった。
【0141】
例5
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化33】
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で20時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、標題化合物を白色固体(10mg、41%)として得た。
[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は493.0、実測値は493.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.60(s,1H),7.91(d,J=3.2Hz,1H),7.76(d,J=6.3Hz,2H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),5.85(d,J=5.3Hz,1H),5.05(dd,J=11.4,2.7Hz,1H),4.93(dd,J=11.4,5.2Hz,1H),4.51(t,J=6.0Hz,1H),4.22(d,J=2.3Hz,1H),3.79-3.68(m,2H).
【0142】
例6
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化34】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.33mmol)のメタノール(10mL)溶液にナトリウムメトキシド(1.76mg、0.03mmol)を添加した。次に、混合物を攪拌しながら室温で2時間保持した。完了後、DOWEX 50wx8-200イオン交換樹脂を添加し(pH=7)、混合物を濾過した。濾液を濃縮し、分取HPLCで精製した。適切な画分を合わせ、凍結乾燥させて、標題化合物50mg(32%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,MeOD-d4)δ 8.58(s,1H),8.52(d,J=2.4Hz,1H),8.15(dd,J=8.7,4.3Hz,1H),7.83(d,J=2.1Hz,1H),7.74(td,J=8.6,2.8Hz,1H),7.54(dt,J=27.6,5.2Hz,2H),5.87(d,J=5.3Hz,1H),5.03(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),5.01-4.97(m,1H),4.52(t,J=6.0Hz,1H),4.23(d,J=2.1Hz,1H),3.74(qd,J=11.5,6.1Hz,2H).
[C
19H
17Cl
2FN
4O
4S]
+[M+H]
+のm/z計算値は487.0、実測値は487.0であった。
【0143】
例7
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化35】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(5/3/1)(1mL)溶液を、室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をHPLC(H
2O/CH
3CN=40%)で精製して、標題化合物を白色固体(21mg、87%)として得た。
[C
17H
17BrN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は485.0、実測値は485.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.70(d,J=1.8Hz,1H),8.58(d,J=2.0Hz,1H),8.35(dd,J=6.0,4.0Hz,2H),7.45(dd,J=9.1,4.2Hz,2H),7.13(dd,J=5.0,3.7Hz,1H),5.93(d,J=5.2Hz,1H),5.02(dd,J=11.5,2.7Hz,1H),4.98-4.92(dd,J=11.5,5.2Hz,1H),4.50(t,J=5.9Hz,1H),4.22(d,J=1.9Hz,1H),3.78-3.67(m,2H).
【0144】
例8
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化36】
1,3-ジデオキシ-2,4,6-トリ-O-アセチル-1-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニルチオ)-3-[4-(チオフェン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、標題化合物を白色固体(10mg、41%)として得た。
[C
17H
16Cl
2FN
3O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は492.0、実測値は492.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.35(s,1H),7.75(d,J=6.3Hz,2H),7.45(ddd,J=6.1,4.3,1.1Hz,2H),7.13(dd,J=5.1,3.6Hz,1H),5.84(d,J=5.0Hz,1H),4.98(dd,J=11.4,2.6Hz,1H),4.93(dd,J=11.4,5.0Hz,1H),4.50(t,J=6.0Hz,1H),4.21(d,J=1.6Hz,1H),3.79-3.62(m,2H).
【0145】
例9
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化37】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(8mg、0.013mmol)を水(1ml)、メタノール(2ml)に溶解し、続いてTEA(0.5ml)を添加した。反応混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、CH
3CN/水(5:95~10:90~50:50)で溶出するC-18シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物3.4mg、50%を得た。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.35(s,1H),7.81(d,J=2.0Hz,1H),7.60-7.53(m,1H),7.53-7.46(m,1H),7.09(t,J=3.8Hz,1H),6.60(dd,J=4.1,2.1Hz,1H),5.85(d,J=5.1Hz,1H),5.01-4.94(m,2H),4.50(t,J=6.1Hz,1H),4.20(d,J=1.7Hz,1H),3.80-3.64(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
18H
16Cl
2FN
3O
4S
2]
+(M+H)
+:492.0;found:492.0.
【0146】
例10
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化38】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-(4-(チアゾール-4-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-(5-ブロモピリジン-3-イルチオ)-1,3-ジデオキシ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.08mmol)をMeOH(4mL)に溶解した。NaOMe(4.4mg、0.08mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。混合物をCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の0-28%の勾配を用いてC-18カラムで精製して、標題化合物15mg(38%)を得た。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.12(d,J=2.0Hz,1H),8.70(d,J=1.8Hz,1H),8.58(d,J=2.1Hz,1H),8.48(s,1H),8.35(t,J=2.0Hz,1H),8.01(d,J=2.0Hz,1H),5.93(d,J=5.3Hz,1H),5.09-5.03(m,1H),5.00-4.90(m,1H),4.51(t,J=6.1Hz,1H),4.24(d,J=2.6Hz,1H),3.79-3.66(m,2H).
[C
16H
17BrN
5O
4S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は486.0、実測値は486.0であった。
【0147】
例11
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化39】
NaOMe(0.4mg、0.007mmol)を、5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド(50mg、0.07mmol)の粗混合物のMeOH(5mL)溶液に添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物をdowex50w×8水素形態でpH=5~6に酸性化した。溶液を濾過し、MeOH(20mL)で洗浄し、減圧濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLCで精製して、標題化合物(20.7mg、収率53%)を得た。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.13(s,1H),8.77(d,J=1.8Hz,1H),8.51(d,J=18.8Hz,2H),8.02(s,1H),6.15(d,J=5.2Hz,1H),5.09(dd,J=11.3,2.7Hz,1H),4.99(dd,J=11.5,5.3Hz,1H),4.43(t,J=6.0Hz,1H),4.23(s,1H),3.72(d,J=5.3Hz,2H).
[C
17H
15BrF
3N
5O
4S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は553.0、実測値は554.0であった。
【0148】
例12
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化40】
1,3-ジデオキシ-2,4,6-トリ-O-アセチル-1-(3,4-ジクロロフェニルチオ)-3-[4-(チアゾール-4-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-α-D-ガラクトピラノシド(70mg、0.12mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(3mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、生成物を白色固体(20mg、68.6%)として得た。
[C
17H
16C
l2N
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は475.0、実測値は475.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.12(d,J=2.0Hz,1H),8.47(s,1H),8.01(d,J=2.0Hz,1H),7.82(d,J=2.0Hz,1H),7.56(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.50(d,J=8.4Hz,1H),5.87(d,J=5.3Hz,1H),5.03(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.95(dd,J=11.4,5.3Hz,1H),4.51(t,J=6.1Hz,1H),4.23(d,J=2.1Hz,1H),3.79-3.68(m,1H).
【0149】
例13
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化41】
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.08mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(3mL)溶液を室温で20時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、標題化合物を白色固体(15mg、40%)として得た。
[C
18H
16ClN
5O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は466.0、実測値は466.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.12(d,J=2.0Hz,1H),8.48(s,1H),8.01(d,J=2.0Hz,1H),7.88(d,J=1.5Hz,1H),7.70(dt,J=8.3,4.9Hz,2H),6.13(d,J=5.2Hz,1H),5.06(dd,J=11.4,2.7Hz,1H),4.98(dd,J=11.4,5.3Hz,1H),4.40(t,J=6.0Hz,1H),4.23(d,J=1.9Hz,1H),3.81-3.66(m,2H).
【0150】
例14
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化42】
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、生成物を白色固体(10mg、40.65%)として得た。
[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は493.0、実測値は493.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.12(d,J=1.5Hz,1H),8.47(s,1H),8.01(d,J=1.6Hz,1H),7.76(d,J=6.3Hz,2H),5.85(d,J=5.3Hz,1H),5.02(dd,J=11.5,2.6Hz,1H),4.94(dd,J=11.5,5.6Hz,1H),4.51(t,J=6.0Hz,1H),4.22(d,J=1.8Hz,1H),3.79-3.66(m,2H).
【0151】
例15
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-メチル-4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化43】
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-メチル-4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(5/3/1)(1mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をHPLC(H
2O/CH
3CN=40%)で精製して、標題化合物を白色固体(10mg、40%)として得た。
[C
17H
18BrN
5O
4S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は500.0、実測値は500.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.58(d,J=2.1Hz,1H),8.42(s,1H),8.35(t,J=2.0Hz,1H),7.77(s,1H),5.93(d,J=5.3Hz,1H),5.05(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.96-4.91(dd,J=11.4,5.3Hz,1H),4.51(t,J=5.9Hz,1H),4.23(d,J=2.0Hz,1H),3.78-3.67(m,2H),2.78(s,3H).
【0152】
例16
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化44】
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(4mg、0.01mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で攪拌しながら20分間保持した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、標題化合物を白色固体(0.8mg、16%)として得た。
[C
18H
15Cl
2N
5O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は500.0、実測値は500.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.49(s,1H),7.79(d,J=3.3Hz,1H),7.72(s,2H),7.54(d,J=3.3Hz,1H),6.08(d,J=5.3Hz,1H),4.97(dd,J=11.5,2.9Hz,2H),4.87(dd,J=11.4,5.3Hz,3H),4.25(t,J=5.7Hz,1H),4.10(d,J=2.4Hz,1H),3.63-3.59(m,2H).
【0153】
例17
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化45】
1,3-ジデオキシ-2,4,6-トリ-O-アセチル-1-(3,4,5-トリクロロベンゼンチオ)-3-[4-(チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-D-ガラクトピラノシド(30mg,0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を、室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、生成物を白色固体(2mg、21%)として得た。
[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+ESI-MSm/z計算値は509.0、実測値は509.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ,8.60(s,1H),7.90(d,J=3.2Hz,1H),7.79(s,2H),7.65(d,J=3.2Hz,1H),5.94(d,J=5.2Hz,1H),5.04(dd,J=11.4,2.7Hz,1H),4.94(dd,J=11.4,5.2Hz,1H),4.47(t,J=6.1Hz,1H),4.22(d,J=2.0Hz,1H),3.74-3.70(m,2H).
【0154】
例18
3,4-ジクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化46】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、生成物を白色固体(10mg、41%)として得た。
[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は475.0、実測値は475.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 8.48(s,1H),7.79(d,J=3.3Hz,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.54(d,J=3.3Hz,1H),7.44(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.38(d,J=8.4Hz,1H),5.75(d,J=5.3Hz,1H),4.94(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.79(dd,J=11.4,5.2Hz,1H),4.39(t,J=6.1Hz,1H),4.12(d,J=1.7Hz,1H),3.68-3.54(m,2H).
【0155】
例19
3,4,5-トリクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化47】
3,4,5-トリクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(30mg、0.05mmol)のMeOH/TEA/H
2O(10/3/1)(2mL)溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を分取HPLCで精製して、標題化合物を白色固体(6mg、21%)として得た。
[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は510.0、実測値は510.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ 9.37(s,1H),8.67(s,1H),7.68(s,2H),5.83(d,J=5.2Hz,1H),4.99(dd,J=11.4,2.7Hz,1H),4.95(dd,J=11.4,5.2Hz,1H),4.36(t,J=6.1Hz,1H),4.12(d,J=2.0Hz,1H),3.70-3.63(m,2H).
【0156】
例20
5-ブロモピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化48】
NaOMe(12.3mg、0.23mmol)を、5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(140mg、0.229mmol)のメタノール(6.00mL)溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮して少量とした。残留物を、0~37%のCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配を用いるC-18カラムクロマトグラフィーで精製して、40.0mg(36.0%収率)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.70(d,J=1.9Hz,1H),8.61(s,1H),8.58(d,J=2.1Hz,1H),8.35(t,J=2.0Hz,1H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),5.94(d,J=5.3Hz,1H),5.09(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.95(m,1H),4.51(t,J=5.9Hz,1H),4.24(d,J=1.9Hz,1H),3.79-3.56(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
16H
17BrN
5O
4S
2]
+[M+H]
+:485.0;found:485.0.
【0157】
例21
5-クロロピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化49】
5-クロロピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(80.0mg、0.141mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(10/3/1)(5mL)に溶解し、室温で4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をエーテルで粉砕し、濾過して53.0mg(85%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.54(d,J=1.9Hz,1H),8.49(s,1H),8.37(d,J=2.2Hz,1H),8.10(t,J=2.1Hz,1H),7.79(d,J=3.3Hz,1H),7.54(d,J=3.3Hz,1H),5.83(d,J=5.3Hz,1H),4.97(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.83(dd,J=11.4,5.4Hz,2H),4.39(t,J=6.2Hz,1H),4.12(d,J=2.1Hz,1H),3.66-3.55(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
19H
16ClF
3N
4O
4S]
+[M+H]
+:442.0;found:442.0
【0158】
例22
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化50】
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド(60.0mg,0.0941mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(10/3/1)(2mL)に溶解し、この溶液を室温で4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を分取HPLCで精製して、20.0mg(42%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.69(d,J=2.0Hz,1H),8.62(d,J=1.3Hz,2H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),6.24(d,J=5.3Hz,1H),5.15(dd,J=11.3,2.8Hz,1H),5.01(dd,J=11.3,5.3Hz,1H),4.39(t,J=6.1Hz,1H),4.25(d,J=2.1Hz,1H),3.72-3.67(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15BrN
6O
4S
2]
+[M+H]
+:511.0;found:511.0.
【0159】
例23
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化51】
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド(120mg、0.202mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(10/3/1)(3mL)に溶解し、室温で4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を分取HPLCによって精製して、40.0mg(42%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.74(d,J=1.9Hz,1H),8.61(s,1H),8.36(d,J=1.9Hz,1H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),6.23(d,J=5.3Hz,1H),5.12(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.99(dd,J=11.4,5.3Hz,2H),4.37(t,J=6.1Hz,1H),4.22(d,J=2.1Hz,1H),3.71(d,J=6.0Hz,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15ClN
6O
4S
2]
+[M+H]
+:467.0;found:467.0.
【0160】
例24
3,5-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化52】
NaOMe(13.5mg、0.249mmol)を、3,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(150mg、0.249mmol)のメタノール(10.0mL)溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮して少量とした。残留物を、0~37%のCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配を用いるC-18カラムクロマトグラフィーで精製して、70.0mg(59.0%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.60(s,1H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),7.62(d,J=1.8Hz,2H),7.39(t,J=1.8Hz,1H),5.93(d,J=5.3Hz,1H),5.05(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.95(m,1H),4.49(t,J=6.2Hz,1H),4.23(d,J=1.7Hz,1H),3.73(m,J=11.4,6.1Hz,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
17Cl
2N
4O
4S
2]
+[M+H]
+:475.0;found:475.0.
【0161】
例25
3-ブロモ-4-クロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化53】
3-ブロモ-4-クロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(150mg、0.232mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(0.5/0.3/0.1)(5mL)に溶解した。混合物を室温で一晩4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を分取HPLCによって精製して、52.3mg(43.3%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.60(s,1H),7.97(d,J=2.1Hz,1H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.66(d,J=3.3Hz,1H),7.60(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.50(d,J=8.4Hz,1H),5.86(d,J=5.3Hz,1H),5.05(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.95-4.91(m,1H),4.51(t,J=6.1Hz,1H),4.24(d,J=1.9Hz,1H),3.73(qd,J=11.5,6.1Hz,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
16BrClN
4O
4S
2]
+[M+H]
+:517.9;found:519.0
【0162】
例26
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化54】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド(66.0mg、0.0970mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(0.5/0.3/0.1)(5mL)に溶解し、室温で4時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、粗生成物を分取HPLCで精製して、18.6mg(34.6%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.65(d,J=1.8Hz,1H),8.49(s,1H),8.41(d,J=1.3Hz,1H),7.79(d,J=3.3Hz,1H),7.54(d,J=3.3Hz,1H),6.03(d,J=5.3Hz,1H),5.00(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.87(dd,J=11.4,5.3Hz,1H),4.31(t,J=6.0Hz,1H),4.12(d,J=2.0Hz,1H),3.62-3.59(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15BrF
3N
5O
4S
2]
+[M+H]
+:553.0;found:554.0
【0163】
例27
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化55】
NaOMe(7.04mg、0.130mmol)を、3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(82.0mg、0.130mmol)のメタノール(10.00mL)溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮して少量とした。残留物を、0~44%のCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配を用いるC-18カラムクロマトグラフィーで精製して、43.0mg(65.6%)の標題化合物を白色固体として得た。
[C
17H
16BrFN
4O
4S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は502.0、実測値は503.0であった。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.59(s,1H),7.93(dd,J=6.6,2.2Hz,1H),7.91(d,J=3.3Hz,1H),7.68-7.61(m,2H),7.22(t,J=8.7Hz,1H),5.77(d,J=5.3Hz,1H),5.04(dd,J=11.3,2.8Hz,1H),4.94-4.97(m,1H),4.55(t,J=5.9Hz,1H),4.23(s,1H),3.80-3.64(m,2H).
【0164】
例28
2,5-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化56】
NaOMe(15.3mg、0.283mmol)を、2,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(170mg、0.283mmol)のメタノール(6.00mL)溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮して少量とした。残留物を、0~42%のCH
3CN/10mM NH
4HCO
3の勾配を使用するC-18カラムでのクロマトグラフィーで精製して、53.0mg(39.4%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.50(s,1H),7.79(d,J=3.3Hz,1H),7.72(d,J=2.4Hz,1H),7.54(d,J=3.3Hz,1H),7.33(d,J=8.6Hz,1H),7.16(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),5.93(d,J=5.4Hz,1H),5.01(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.87(dd,J=11.4,5.4Hz,1H),4.33(t,J=6.2Hz,1H),4.14(d,J=2.0Hz,1H),3.62(dd,J=11.3,6.1Hz,1H),3.52(dd,J=11.3,6.4Hz,1H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
17Cl
2N
4O
4S
2]
+[M+H]
+:475.0;found:475.0.
【0165】
例29
3,4-ジクロロフェニル3-デオキシ-3-[4-(4-ブロモ-2-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-Dガラクトピラノシド
【化57】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(120mg、0.176mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(0.5/0.3/0.1)(3mL)に溶解し、次いで混合物を室温で4時間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、粗生成物を分取HPLCで精製して、50.0mg(51.1%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.62(s,1H),7.82(d,J=2.0Hz,1H),7.61(s,1H),7.56-7.52(m,1H),7.50(d,J=8.4Hz,1H),5.86(d,J=5.3Hz,1H),5.05(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),4.92(dd,J=11.5,5.4Hz,6H),4.51(t,J=6.2Hz,1H),4.23(d,J=2.0Hz,1H),3.73(qd,J=11.5,6.1Hz,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15BrCl
2N
4O
4S
2]
-[M-H]
-:551.9;found:553.0
【0166】
例30
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化58】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(100mg、0.161mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(0.5/0.3/0.1)(5mL)に溶解した。混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これを分取HPLCで精製して、18.29mg(23.0%)の標題化合物を灰色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.54(s,1H),7.80(d,J=2.0Hz,1H),7.53(dd,J=7.9,2.6Hz,2H),7.48(d,J=8.4Hz,1H),5.84(d,J=5.3Hz,1H),5.02(dd,J=11.5,2.9Hz,2H),4.90(d,J=5.4Hz,1H),4.48(t,J=6.2Hz,1H),4.20(d,J=2.0Hz,1H),3.71(qd,J=11.4,6.1Hz,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15Cl
2FN
4O
4S
2]
+[M+H]
+:493.0;found:493.0
【0167】
例31
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化59】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(70.0mg,0.110mmol)のMeOH/Et
3N/H
2O(1/0.6/0.2)(1.8mL)溶液を室温で4時間攪拌した。溶媒を真空で除去して粗生成物を得、これを分取HPLCで精製して、10.4mg(18.6%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.49(s,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.46-7.35(m,3H),5.75(d,J=5.3Hz,1H),4.93(dd,J=11.5,2.8Hz,1H),4.81(dd,J=10.7,4.7Hz,2H),4.39(t,J=6.2Hz,1H),4.11(d,J=2.1Hz,1H),3.64-3.57(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
15Cl
3N
4O
4S
2]
+[M+H]
+:509.0;found:509.0
【0168】
例32
3,4-ジクロロフェニル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化60】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(110mg、0.164mmol)をMeOH/Et
3N/H
2O(0.5/0.3/0.1)(1.8mL)に溶解した。混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これを分取HPLCで精製して、標題化合物18.6mg(20.9%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.58(s,1H),8.10(s,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.42(dt,J=21.4,5.2Hz,2H),5.75(d,J=5.3Hz,1H),4.95(dd,J=11.4,2.9Hz,2H),4.85-4.81(m,1H),4.40(t,J=5.9Hz,1H),4.12(d,J=2.1Hz,1H),3.64-3.58(m,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
18H
15Cl
2F
3N
4O
4S
2]
+[M+H]
+:543.0;found:543.0.
【0169】
中間体i1~i19の合成
i1)3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化61】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.41mmol)および3-エチニルチオフェン(43.9mg、0.41mmol)をCH
3CN(20mL)に溶解した。次いで、ヨウ化銅(I)(23.2mg、0.12mmol)およびTEA(205.5mg、2.03mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOAc/PEの勾配(0~30%)を用いてシリカゲルで精製して、100mg(41%)の標題化合物を得た。
[C
24H
24Cl
2N
3O
7S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は600.0、実測値は600.0であった。
【0170】
i2)
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
2-クロロ-5-フルオロ-4-メルカプトベンゾニトリル
【化62】
2-クロロ-4,5-ジフルオロベンゾニトリル(500mg、2.88mmol)のDMF(10mL)溶液に、Na
2S・9H
2O(1.03g、4.32mmol)を添加した。反応物を室温で20時間攪拌した。混合物にNaHSO
4(水溶液)を添加してpH4~5に調整し、続いてMTBE(20mL)を添加した。有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して粗生成物を得、これを次の工程で直ちに使用した。
[C
7H
3ClFNS]
-[M-H]
-のm/z計算値は186.0、実測値は186.0であった。
【0171】
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化63】
2-クロロ-5-フルオロ-4-メルカプトベンゾニトリル(450mg、2.41mmol)のDMF(10mL)溶液に0℃でNaH(92mg、2.30mmol)を添加した。10分後、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(500mg、1.44mmol)を添加した。混合物を室温で4時間攪拌した。水(30mL)およびDCM(30mL)を添加した。水相をDCM(30mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)で精製して標記生成物(230mg、32%)を得た。
[C
19H
18ClFN
4O
7S]
-[M+H]
+のm/z計算値は501.0、実測値は501.0であった。
【0172】
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化64】
2-クロロ-5-フルオロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(230mg、0.46mmol)のDMF(5mL)溶液に、DIPEA(0.4mL)、ヨウ化銅(I)(26mg、0.14mmol)、3-エチニルチオフェン(75mg、0.69mmol)を添加した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(20mL)およびDCM(20mL)を添加した。水相をDCM(20mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(150mg、54%)を得た。
[C
25H
22ClFN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は609.0、実測値は609.0であった。
【0173】
i3)5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
O-[(5-ブロモ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化65】
5-ブロモピリジン-3-オール(17.4g、0.10mol)のDMF(0.15L)溶液に、水素化ナトリウム(2.64g、0.11mol、鉱油中96%)を0℃で添加し、続いて0℃で30分間攪拌した。ジメチルチオカルバモイルクロライド(14.83g、0.12mol)を反応混合物に加え、続いて室温で一晩攪拌した。LC-MS分析は、標的化合物の形成を示した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、続いてEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PE=5%~40%、ISCO(登録商標)120g、50mL/分、順相シリカゲル、uv254)で精製して、標的化合物(9.93g、収率36.5%)を黄色油状物として得た。
[C
8H
9BrN
2OS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は261.0、実測値は261.0であった。
【0174】
S-[(5-ブロモ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化66】
O-[(5-ブロモ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(9.93g、0.04mol)をフェノキシベンゼン(100mL)に溶解した。混合物を還流下で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、Biotageのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PE=5%~50%、ISCO120g、50mL/分、順相シリカゲル、UV254)により直接精製して、標的化合物(4.63g、収率44%)を黄色固体として得た。
[C
8H
9BrN
2OS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は261.0、実測値は261.0であった。
【0175】
3-ブロモ-5-メトキシ-ベンゼンチオール
【化67】
エタノール/水(40mL、3/1)中にS-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)N、N-ジメチルカルバモチオアート(1.044g、4mmol)およびKOH(897.21mg、16mmol)を溶解した。反応混合物を還流下で2時間加熱した。LC-MS分析は、出発材料の総消費量を示した。混合物を濃縮し、続いて10%NaOH水溶液(30mL)を添加した。反応混合物をエーテル(15mL×3)で洗浄した。水層を水性KHSO
4で酸性化してpH約2に調整し、続いてEtOAc(20mL×5)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
[C
5H
4BrNS]
-[M-H]
-のESI-MSm/z計算値は188.9、実測値は188.0であった。
【0176】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化68】
0℃で5-ブロモピリジン-3-チオール(658.67mg、3.47mmol)のDMF(10mL)溶液にNaH(82.99mg、3.47mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(1.01g、2.89mmol)を添加した。反応混合物を50℃で2時間攪拌した後、室温に冷却した。水(50mL)を加え、反応混合物をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PE=5%~40%、ISCO(登録商標)40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標題化合物(650mg、収率44.7%)を白色固体として得た。
[C
17H
19BrN
4O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は503.0、実測値は503.0であった。
【0177】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化69】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.4mmol)、TEA(120.63mg、1.19mmol)および3-エチニルチオフェン(85.96mg、0.79mmol)をCH
3CN(5mL)に溶解した。ヨウ化銅(I)(22.7mg、0.12mmol)を添加した。混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、混合物を濃縮し、残留物を0~40%のEA/PEの勾配を使用してシリカゲルカラムで精製して、標題化合物150mg(62%)を得た。
[C
23H
24BrN
4O
7S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は611.0、実測値は611.0であった。
【0178】
i5)
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール
【化70】
2-ブロモチアゾール(500mg、3.07mmol)のCH
3CN(10mL)溶液にCuI(175mg、0.92mmol)、DIPEA(2.5mL)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(214mg、0.31mmol)を添加した。混合物をN
2下、50℃で20時間加熱した。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1)で精製し、標題化合物(400mg、36%)を得た。
【0179】
S-3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニルO-エチルカルボジチオエート
【化71】
3,5-ジクロロ-4-フルオロアニリン(1.0g、5.59mmol)を0℃で10mlのHClに溶解し、水に溶解したNaNO
2(386mg、5.59mmol)をゆっくり加え、溶液を0℃で溶液が透明になるまで攪拌した。反応混合物に、水15ml中のエチルキサントゲン酸カリウム(1.34g、8.38mmol)の攪拌溶液を50℃でゆっくり加えた。反応混合物を70℃で2時間攪拌し、続いてEtOAc(100mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して1gの粗生成物を得、これを次の工程で直ちに使用した。
【0180】
3,5-ジクロロ-4-フルオロベンゼンチオール
【化72】
S-3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニルO-エチルカルボジチオエート(1g、3.52mmol)を20mlのエタノールに溶解し、85℃に加熱した。KOH(0.98g、20mmol)をゆっくり加え、85℃で2時間攪拌した。HClを用いてpHを4~5に調整し、続いて反応混合物を酢酸エチル(20mL×2)を用いて抽出した。これにより、溶媒を除去した後、標題化合物(400mg、58%)を得た。
[C
6H
3Cl
2FS]
-[M+H]
-のESI-MSm/z計算値は195.0、実測値は195.0であった。
【0181】
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化73】
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-ベンゼンチオール(400mg、2.04mmol)のDMF(10mL)溶液に0℃でNaH(90mg、2.24mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(570mg、1.63mmol)を混合物に添加した。反応液を50℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)を添加し、続いてEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(EA/PE=5%~40%、ISCO40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標的化合物(150mg、18%収率)を白色固体として得た。
[C
18H
18C
l2FN
3O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は510.0、実測値は510.0であった。
【0182】
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(3-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化74】
DMF(3mL)中の3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、48.5%)を得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は619.0、実測値は619.0であった。
【0183】
i6)
2-(5-フルオロ-2-ピリジル)エチニル-トリメチル-シラン
【化75】
2-ブロモ-5-フルオロ-ピリジン(1000mg、5.68mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、エチニル(トリメチル)シラン(1.12g、11.36mmol)、[(C
6H
5)
3P]
2PdCl
2(398.8mg、0.57mmol)およびヨウ化銅(I)(216.4mg、1.14mmol)を添加した。反応容器を窒素で3回パージした。次いで、DIPEA(1.470g、11.4mmol)を混合物に添加した。反応混合物を60℃で20時間攪拌した。反応を水(20mL)でクエンチした。反応混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、合わせた有機物をブライン(20mL×1)で洗浄した。物質をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をコンビフラッシュでのフラッシュクロマトグラフィー(PE、ISCO40g、40ml/分、順相シリカ、UV254)で精製して、標題化合物920mg(84%)を褐色油状物として得た。
[C
10H
12FNSi]
+[M+H]
+のm/z計算値は194.0、実測値は194.0であった。
【0184】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド
【化76】
1,2,4,6-テトラ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(5.0g、13.39mmol)、五塩化リン(3.07g、14.7mmol)の攪拌懸濁液に、乾燥塩化メチレン(50mL)、三フッ化ホウ素ジメチルエーテラート(76.3mg、0.67mmol)を添加した。30分間攪拌した後、反応混合物をDCM(120mL×2)で希釈し、次いで氷冷水(60mL×3)、飽和氷冷NaHCO
3溶液(2×50mL)で洗浄し、氷冷水(30mL×2)で再度洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をトルエンと共蒸発させて、標題化合物4510mg(96%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 5.48(d,J=2.5Hz,1H),5.38-5.28(m,1H),5.24(d,J=8.7Hz,1H),4.18(dd,J=11.6,6.0Hz,1H),4.10(dd,J=11.6,6.8Hz,1H),4.02-3.94(m,1H),3.61(dd,J=10.3,3.3Hz,1H),2.20(s,3H),2.17(s,3H),2.08(s,3H).
【0185】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化77】
3,4-ジクロロベンゼンチオール(4.61g、0.03mol)のN、N-ジメチルホルムアミド(0.05L)溶液に、NaH(0.53g、0.02mol)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌した。DMF(10mL)中の2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(4.5g、0.01mol)を加え、反応混合物を50℃で20時間攪拌した。混合物をDCM(100mL)、0.5Mクエン酸(50mL)および水(50mL)で希釈した。有機相を単離し、水(100mL×2)で洗浄し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2/PE:EA=3:1)で精製して、標題化合物5.1g(80.5%)を白色固体として得た。
[C
18H
19Cl
2N
3O
7S]
+[M+NH
4]
+のm/z計算値は509.0、実測値は509.0であった。
【0186】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-ピリジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化78】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(600mg、1,22mmol)のN、N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、5-フルオロ-2-((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン(2当量)、トリエチルアミン(246.6mg、2.44mmol)、ヨウ化銅(I)(69.63mg、0.37mmol)を添加した。混合物をN
2で3回パージした。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。反応を水(20ml)でクエンチした。反応混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×1)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をコンビフラッシュ(EA:PE=1:3、ISCO40g、40ml/分標準、相シリカ、uv254)を用いて精製して、標題化合物550mg(73%)を黄色固体として得た。
25H
23Cl
2FN
4O
7S]
+[M+H]
+のm/z計算値は618.0、実測値は618.0であった。
【0187】
i7)
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化79】
CH
3CN(3mL)中の5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.1mmol)に、TEA(0.1ml)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、2-エチニルチオフェン(22mg、0.2mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で2時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)で精製して、所望の生成物(30mg、49%)を得た。
[C
23H
23BrN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は611.0、実測値は611.0であった。
【0188】
i8)
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化80】
DMF(3mL)中の3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-エチニルチオフェン(16mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。相を分離させ、水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、49%)を得た。
[C
23H
22Cl
2FN
3O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は618.0、実測値は618.0であった。
【0189】
i9)
((5-ブロモチオフェン-2-イル)エチニル)トリメチルシラン
【化81】
100mlのジイソプロピルアミン中の2,5-ジブロモチオフェン(3.66g、0.015mol)、CuI(0.07g、0.37mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(0.26g、0.37mmol)の溶液に、(トリメチルシリル)アセチレン(1.47g、0.015mol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を除去した後、残留物をヘキサンを移動相として用いたカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物1.63g(収率42%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.78(dd,J=4.0Hz,5.2Hz,1H),0.01(s,9H).
【0190】
((4-ブロモチオフェン-2-イル)エチニル)トリメチルシラン
【化82】
N
2雰囲気下、-78℃のTHF(0.2mL)中の2-(5-ブロモ-2-チエニル)エチニル-トリメチル-シラン(100mg、0.39mmol)の攪拌溶液に、LDA(41.3mg、0.39mmol)をシリンジで5分間かけて添加した。反応混合物を-78℃で0.5時間攪拌した。反応混合物を水(0.5ml)でクエンチし、EtOAc(10mL)と水(50mL)に分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。粗生成物をシリカゲル(n-ヘキサン)のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(70mg、70%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.14(d,J=1.2Hz,1H),6.91(d,J=1.2Hz,1H),0.01(s,9H).
【0191】
((5-チオフェン-2-イル)エチニル)トリメチルシラン
【化83】
THF(0.8mL)中のn-ブチルリチウム(109mg、1.7mmol)溶液を、THF(5mL)中の2-(4-ブロモ-2-チエニル)エチニル-トリメチル-シラン(200mg、0.77mmol)溶液に、N
2雰囲気下、-78℃で、内部温度を-70℃~-78℃に保ちながら滴加した。反応混合物を-78℃で1時間攪拌した。N-フルオロベンゼンスルホンイミド(608.2mg、1.93mmol)のTHF(5mL)溶液を滴加し、反応混合物を-78℃で2時間攪拌した。反応物を水(10ml)でクエンチした後、反応混合物を分液漏斗に注ぎ、相を分離させた。水層を酢酸エチル(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。有機層を濾過し、減圧下で濃縮して粗物質を油状物として得た。粗製物をそのまま次の工程で使用した。
【0192】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-2-チオフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化84】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(0.23g)および2-(4,5-ジフルオロ-2-チエニル)エチニル-トリメチルシラン(0.1g)をCH
3CN(6mL)に溶解した。その後、ヨード銅(0.03g)およびDIPEA(0.22g)を添加した。混合物を室温で5分間攪拌し、続いてCsF(0.09g)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、濃縮し、分取TLC(PE:EA=5:2)で精製して8mg(2.5%)の標題化合物を得、これを次の工程で直ちに使用した。
【0193】
i10)
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
トリメチル(2-チアゾール-4-イルエチニル)シラン
【化85】
TEA(4mL)中の4-ブロモチアゾール(1g、6.1mmol)、CuI(58.1mg、0.3mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(128.4mg、0.18mmol)およびエチニル(トリメチル)シラン(898.2mg、9.15mmol)を脱気し、N
2下に置き、75℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、DCMと水との間で分配した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濃縮し、0-25%EtOAc/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより、標題生成物800mg(72.4%)を褐色油状物として得た。
[C
8H
12NSSi]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は182.0、実測値は182.1であった。
【0194】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化86】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(100mg、0.2mmol)、TEA(60.31mg、0.6mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-4-イルエチニル)シラン(72.05mg、0.4mmol)をCH
3CN(5mL)に溶解した。CuI(18.92mg、0.1mmol)およびCsF(45.27mg、0.3mmol)を添加した。混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、混合物を濃縮し、残留物を0-40%のEA/PEの勾配を用いてシリカゲルカラムで精製して、標題化合物50mg(41.1%)を得た。
[C
22H
23BrN
5O
7S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は612.0、実測値は612.0であった。
【0195】
i11)
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
3,5-ジクロロ-2-ヨードピリジン
【化87】
MeCN(50mL)中の2-ブロモ-3,5-ジクロロピリジン(5.672g、25mmol)、ヨウ化ナトリウム(11241.7mg、75mmol)およびクロロトリメチルシラン(2716mg、25mmol)の混合物を45分間加熱還流した。次いで、反応混合物を2.0M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、蒸発させて粗生成物を得、これをBiotage(EtOAc/PE=1%~10%、ISCO40g、25mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して標的化合物(3800mg、収率55.5%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.35(t,J=4.5Hz,1H),8.01(d,J=2.3Hz,1H).
[C5H2Cl2IN]のGC-MSm/z計算値は272.9、実測値は273.0であった。
【0196】
3,5-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
【化88】
KF(87.18mg、1.5mmol)およびCuI(285.80mg、1.5mmol)を完全に混合した後、均質な緑色が得られるまで穏やかに振とうしながらブンゼンバーナーの炎を用いて真空(1mmHg)下で加熱した。NMP(25mL)、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(213.88mg、1.5mmol)を添加した。混合物を50℃で45分間攪拌した。3,5-ジクロロ-2-ヨードピリジン(2250mg、7.45mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩攪拌した。反応をGC-MSで追跡したところ、生成物が示された。水(50mL)を混合物に加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、蒸発させて粗生成物を得、これをBiotage(EtOAc/PE=1%~50%、ISCO12g、10mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して標的化合物(198mg、収率92%)を褐色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.66(d,J=2.0Hz,1H),8.34-8.24(m,1H).
[C
6H
2Cl
2F
3N]のGC-MSm/z計算値は215.0、実測値は215.0であった。
【0197】
2.3 5-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-チオール
【化89】
3,5-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(1080mg、5.0mmol)およびNaSH(336.4mg、6.0mmol)をDMF(15mL)に溶解した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、続いて10%NaOH水溶液を添加してpHを約9に調整した。反応混合物をEt
2O(10mL×3)で抽出し、水層を2M NaHSO
4で酸性化してpHを約3にした。混合物を酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、蒸発させて粗生成物を得、これをBiotage(EtOAc/PE=1%~50%、ISCO20g、15mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、5-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-チオール(650mg、収率61%)の褐色油状物を得、これをさらに精製することなく次に使用した。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.48(d,J=1.4Hz,1H),8.02(d,J=17.1Hz,2H).
[C
6H
3ClF
3NS]
+(M-H)
-のESI-MSm/z計算値は213.0、実測値は211.9であった。
【0198】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化90】
5-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-チオール(578mg、2.24mmol)の0℃のDMF(10mL)溶液に、NaH(90mg、鉱油中60%、2.25mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(525mg、1.50mmol)を混合物に添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(50mL)を添加した。次いでそれをEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(EA/PE=5%~40%、ISCO12g、10mL/分、順相シリカゲル、uv254)で精製して、標題化合物(120mg、14.0%収率)を灰色固体として得た。
[C
18H
18BrF
3N
4O
7S]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は570.0、実測値は571.0であった。
【0199】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化91】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.09mmol)のDMF(15mL)溶液に、トリメチル-[2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エチニル]シラン(32mg、0.14mmol)、ヨード銅(6mg、0.03mmol)、CsF(21mg、0.14mmol)およびトリエチルアミン(27mg、0.27mmol)を添加した。反応容器を窒素で3回パージした。次いで、混合物を室温で5時間攪拌した。混合物を濾過し、EtOAc(30mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮して粗生成物(50mg)を得、これをさらに精製することなく次の工程に直接用いた。
[C
23H
21BrF
3N
5O
7S
2]
+(M+H)
+のESI-MSm/z計算値は679.0、実測値は680.0であった。
【0200】
i12)
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
4-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール
【化92】
4-ブロモチアゾール(1g、6.13mmol)のCH
3CN(50mL)溶液にCuI(348mg、1.83mmol)、DIPEA(5mL)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(428mg、0.61mmol)を添加した。混合物をN
2下、50℃で20時間加熱した。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1)で精製して標題化合物(400mg、36%)を得た。
【0201】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化93】
0℃で3,4-ジクロロベンゼンチオール(200mg、1.12mmol)のDMF(10mL)溶液にNaH(54mg、1.34mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(313mg、0.90mmol)を混合物に添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(20mL)を添加した。反応混合物をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(EA/PE=5%~40%、ISCO40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標的化合物(100mg、22.6%収率)を白色固体として得た。
[C
18H
19C
l2N
3O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は492.0、実測値は492.0であった。
【0202】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化94】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(100mg、0.20mmol)のDMF(3mL)溶液に、TEA(0.20mL)、ヨウ化銅(I)(11mg、0.06mmol)、CsF(46mg、0.30mmol)、4-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(55mg、0.30mmol)を添加した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(70mg、58.3%)を得た。
[C
23H
22C
l2N
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は601.0、実測値は601.0であった。
【0203】
i13)
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
2-クロロ-4-メルカプトベンゾニトリル
【化95】
2-クロロ-4-フルオロベンゾニトリル(4g、25.81mmol)のDMF(10mL)溶液に、Na
2S9H
2O(10.8g、38.70mmol)を添加した。反応物を室温で攪拌しながら20時間保持した。混合物にNaHSO
4水溶液を加えてpH4~5に調整し、MTBE(20ml)を添加した。有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して、粗生成物(3.7g、粗製物)を得た。
[C
7H
3ClNS]
-[M-H]
-のm/z計算値は168.0、実測値は168.0であった。
【0204】
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化96】
2-クロロ-4-メルカプトベンゾニトリル(3.7g、21.9mmol)のDMF(50mL)溶液に0℃でNaH(882.7mg、22.1mmol)を添加した。10分後、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(3.5g、10.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌した。水(50mL)およびDCM(50mL)を添加した。水相をDCM(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)で精製して、所望の生成物(2g、41%)を得た。
[C
19H
18ClN
4O
7S]
-[M+H]
+のm/z計算値は483.0、実測値は483.0であった。
【0205】
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化97】
2-クロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)のDMF(3mL)溶液に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、4-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物を室温で攪拌しながらN
2下で20時間保持した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(50mg、64%)を得た。
[C
24H
22ClN
5O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は592.0、実測値は592.0であった。
【0206】
i14)
3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化98】
DMF(3mL)中の3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、48.5%)を得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は619.0、実測値は619.0であった。
【0207】
i15)
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(1-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化99】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(250mg、0.50mmol)のDMF(5mL)溶液に、DIPEA(0.4mL)、ヨウ化銅(I)(29mg、0.15mmol)、3-ブチン-2-オール(52mg、0.75mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を加え、相を分離させた。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)で精製し、所望の生成物(170mg、59.4%)を得た。
[C
21H
25BrN
4O
8S]
+[M+H]
+のm/z計算値は573.0、実測値は573.0であった。
【0208】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(アセチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化100】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(1-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(170mg、0.30mmol)のDCM(4mL)溶液に、Dess-Martinペルヨージナン(252mg、0.60mmol)を添加した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。溶媒を除去すると残留物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)で精製して標題化合物(165mg、97%)を得た。
[C
21H
23BrN
4O
8S]
+[M+H]
+のm/z計算値は571.0、実測値は571.0であった。
【0209】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-ブロモアセチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化101】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(アセチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(165mg、0.29mmol)のDCM(5mL)溶液に氷浴中のTEA(0.2mL)を添加した。10分後、TBSOTf(0.2mL)を混合物に添加した。N
2下で2時間攪拌しながら反応物を0℃に保った。水(10mL)およびDCM(10mL)を加え、相を分離させた。有機相を飽和NaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をTHF(5ml)に溶解し、水(0.05ml)を氷浴中に添加した。10分後、NBS(52mg、0.29mmol)を添加した。反応物を、0℃で、N
2下で10分間攪拌しながら保持した。水(10mL)およびTBME(10mL)を添加した。有機相を飽和NaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製し、標題化合物(150mg、80%)を得た。
[C
21H
22Br
2N
4O
8S]
+[M+H]
+のm/z計算値は649.0、実測値は649.0であった。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.63(d,J=2.0Hz,1H),8.60(d,J=1.9Hz,1H),8.20(s,1H),8.00(t,J=2.0Hz,1H),6.14(d,J=5.5Hz,1H),6.00(dd,J=11.7,5.5Hz,1H),5.60(d,J=2.1Hz,1H),5.27(dd,J=11.7,3.0Hz,1H),4.88-4.82(m,1H),4.67(s,2H),4.11(ddd,J=19.3,11.7,6.3Hz,2H),2.08(s,3H),2.04(s,3H),2.00(s,3H).
【0210】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-メチル-4-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化102】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-ブロモアセチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.08mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に、チオアセトアミド(18mg、0.23mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(40mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、50℃で20時間攪拌した。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)で精製し、標題化合物(30mg、60%)を得た。
[C
23H
24BrN
5O
7S
2]
+[M+H]
+のm/z計算値は626.0、実測値は626.0であった。
【0211】
i16)
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
N-(4-ブロモ-3,5-ジクロロフェニル)アセトアミド
【化103】
4-ブロモ-3,5-ジクロロアニリン(1.00g、4.18mmol)のAc
2O(5mL)溶液にピリジン(0.1mL)を添加した。反応物を室温で2時間攪拌した。混合物を50mLの氷水に注ぎ、EA(20mL×3)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して生成物(1g、85%)を得た。
[C
8H
6BrCl
2NO]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は2820、実測値は282.0であった。
【0212】
N-(3,5-ジクロロ-4-シアノフェニル)アセトアミド
【化104】
N-(4-ブロモ-3,5-ジクロロフェニル)アセトアミド(700mg、2.49mmol)のDMF(10mL)溶液にCuCN(439mg、3.73mmol)を添加した。反応物を140℃でN
2下で20時間攪拌した。混合物を室温に冷却した。混合物に水(50mL)およびEA(30mL)を添加した。混合物を濾過し、EA(20mL×2)で洗浄した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EA/PE=5%~40%、ISCO40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標的化合物(500mg、88%)を得た。
[C
9H
6Cl
2N
2O]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は229.0、実測値は229.0であった。
【0213】
4-アミノ-2,6-ジクロロベンゾニトリル
【化105】
N-(3,5-ジクロロ-4-シアノフェニル)アセトアミド(500mg、2.19mmol)のEtOH(10mL)溶液に濃縮HCl(0.2mL)を添加した。反応物をN
2下で80℃で2時間攪拌し、次いで減圧濃縮した。残留物をEA(10mL)に溶解し、飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、生成物(300mg、74%)を得た。
[C
7H
4Cl
2N
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は187.0、実測値は187.0であった。
【0214】
S-3,5-ジクロロ-4-シアノフェニルO-エチルカルボジチオエート
【化106】
4-アミノ-2,6-ジクロロベンゾニトリル(300mg、1.61mmol)を10mlのHClに溶解し、0℃に冷却した。NaNO
2(111mg、1.61mmol)の水溶液をゆっくり加え、反応混合物を透明になるまで0℃で攪拌した。反応混合物を50℃に加熱し、続いて15mlの水に溶解したエチルキサントゲン酸カリウム(388mg、2.42mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して150mgの粗生成物を得、これを次の工程で直ちに使用した。
【0215】
2,6-ジクロロ-4-メルカプトベンゾニトリル
【化107】
S-3,5-ジクロロ-4-シアノフェニルO-エチルカルボジチオエート(150mg、0.52mmol)を5mLのエタノールに溶解した。反応混合物を85℃で攪拌し、続いてKOH(98mg、2mmol)をゆっくりと添加した。反応物を85℃で2時間攪拌した。HClの添加によりpHをpH4~5に調整した。反応混合物をEA(5mL×2)で抽出し、相を分離させ、合わせた有機物から溶媒を除去して、生成物(70mg、60%)を得た。
[C
7H
3Cl
2NS]
-[M+H]
-のESI-MSm/z計算値は202.0、実測値は202.0であった。
【0216】
2,6-ジクロロ-ベンズアニリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化108】
2,6-ジクロロ-4-メルカプトベンゾニトリル(70mg、0.35mmol)のDMF(5mL)溶液に0℃でNaH(17mg、0.42mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(98mg、0.28mmol)を混合物に添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(10mL)を添加し、続いてEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(EA/PE=5%~40%、ISCO40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標的化合物(10mg、収率18.1%)を白色固体として得た。
[C
19H
18Cl
2N
4O
7S]
+[M+18]
+のESI-MSm/z計算値は534.0、実測値は534.0であった。
【0217】
2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化109】
DMF(3mL)中の2,6-ジクロロ-ベンゾニトリル-4-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(10mg、0.02mmol)に、TEA(0.05mL)、ヨウ化銅(I)(2mg、0.006mmol)、CsF(5mg、0.03mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(6mg、0.03mmol)を添加した。反応物を室温で攪拌しながらN
2下で20時間保持した。水(5mL)およびDCM(5mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(4mg、32%)を得た。
[C
24H
21Cl
2N
5O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は626.0、実測値は626.0であった。
【0218】
i17)
3,4,5-トリクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化110】
DMF(3mL)中の3,4,5-トリクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、49%)を得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は636.0、実測値は636.0であった。
【0219】
i18)
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化111】
DMF(3mL)中の3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、49%)を得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は635.0、実測値は635.0であった。
【0220】
i19)
O-エチルS-3,4,5-トリクロロフェニルカルボジチオエート
【化112】
3,4,5-トリクロロアニリン(2.0g、10mmol)を10mlのHClに溶解し、0℃に冷却した。NaNO
2(111mg、1.61mmol)の水溶液をゆっくり加え、反応混合物を透明になるまで0℃で攪拌した。反応混合物を50℃に加熱し、続いて15mlの水に溶解したエチルキサントゲン酸カリウム(2.7g、15mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して2gの粗生成物を得、これを次の工程で直ちに使用した。
【0221】
3,4,5-トリクロロベンゼンチオール
【化113】
O-エチルS-3,4,5-トリクロロフェニルカルボジチオエート(2g、7mmol)をエタノール20mLに溶解し、85℃で攪拌し、KOH(0.98g、20mmol)をゆっくりと加え、次いで85℃で2時間攪拌し、HClpHを4~5にし、EA(20mL×2)で抽出して、標題化合物(850mg、58%)を得た。
[C
6H
3Cl
2FS]
-[M+H]
-のESI-MSm/z計算値は211.0、実測値は211.0であった。
【0222】
3-アジド-1,3-ジデオキシ-2,4,6-トリ-O-アセチル-1-(3,4,5-トリクロロベンゼンチオ)-α-D-ガラクトピラノシド
【化114】
NaH(90mg、2.24mmol)を、3,4,5-トリクロロベンゼンチオール(400mg、2.04mmol)のDMF(10mL)溶液に0℃で添加した。この溶液を室温で30分間攪拌し、続いて2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(570mg、1.63mmol)を添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(20mL)を添加した。反応混合物をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(EA/PE=5%~40%、ISCO40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標的化合物(150mg、収率18%)を白色固体として得た。
[C
18H
18C
l2FN
3O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は526.0、実測値は526.0であった。
【0223】
3,4,5-トリクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化115】
DMF(3mL)中の3-アジド-1,3-ジデオキシ-2,4,6-トリ-O-アセチル-1-(3,4,5-トリクロロベンゼンチオ)-α-D-ガラクトピラノシド(50mg、0.10mmol)に、TEA(0.10mL)、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)、CsF(24mg、0.15mmol)、2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(28mg、0.15mmol)を添加した。反応物をN
2雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびDCM(10mL)を添加した。水相をDCM(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、所望の生成物(30mg、49%)を得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は636.0、実測値は636.0であった。
【0224】
i20)5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
トリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン
【化116】
2-ブロモチアゾール(5g、30.5mmol)、エチニル(トリメチル)シラン(8.982g、91.5mmol)、ヨード銅(1740mg、9.15mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1113mg、1.52mmol)およびDIPEA(11.82g、91.5mmol)をTHF(200mL)に溶解した。混合物をN
2下で60℃で一晩攪拌した。混合物をEtOAc(30mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりEtOAc/PE(13%)の勾配で溶離して、標題化合物800mg(14.5%収率)を褐色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.81(d,J=3.3Hz,1H),7.34(d,J=3.3Hz,1H),0.28(s,9H).ESI-MS m/z calcd for[C
8H
12NSSi]
+[M+H]
+:182.0;found:182.0.
【0225】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化117】
5-ブロモピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(144mg、0.286mmol)、トリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(104mg,0.572mmol)、ヨウ化銅(I)(16.3mg、0.0858mmol)、TEA(0.12mL)0.858mmol)およびCsF(43.5mg、0.286mmol)をアセトニトリル(8.00mL)に溶解した。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をEtOAc(10mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりEtOAc/PE(27%)の勾配で溶離して、標題化合物140mg(79.9%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.62(dd,J=5.8,1.9Hz,2H),8.13(s,1H),8.02(t,J=1.9Hz,1H),7.86(d,J=3.2Hz,1H),7.40(d,J=3.2Hz,1H),6.17(d,J=5.6Hz,1H),6.01(dd,J=11.7,5.6Hz,1H),5.64(d,J=2.3Hz,1H),5.28(dd,J=11.8,3.0Hz,1H),4.93-4.81(m,1H),4.26-3.99(m,2H),3.83-3.66(m,1H),2.10(s,3H),2.05(s,3H),1.99(s,3H).ESI-MS m/z calcd for[C
22H
23BrN
5O
7S
2]
+[M+H]
+:612.0;found:612.0.
【0226】
i21)5-クロロピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
O-[(5-クロロ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化118】
0℃で、5-クロロピリジン-3-オール(3.0g、23.2mmol)のN、N-ジメチルホルムアミド(40mL)溶液にNaH(1.5g、鉱物中40%、25.5mmol)を加え、次いで混合物を0℃で30分間攪拌した。ジメチルチオカルバモイルクロライド(3.15g、25.5mmol)を混合物に添加し、次いでそれを室温で20時間攪拌した。反応をTLCで追跡した。反応物を水(150mL)でクエンチした。混合物をCH
2Cl
2(80mL×3)で抽出し、水相を捨てた。合わせた有機層をブライン(80mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(EA:PE=1:5~1:2、ISCO(登録商標)40g、40mL/分、順相シリカ、uv254)で精製した。標題化合物4g(79.7%)が褐色油状物として得られた。
[C
8H
9ClN
2OS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は217.0、実測値は217.0であった。
【0227】
S-[(5-クロロ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化119】
O-[(5-クロロ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(4g、18.5mmol)をフェノキシベンゼン(20mL)に溶解したものを2mLの還流フェノキシベンゼンに添加した。2時間後、TLC分析により出発物質の総消費量が示された。反応混合物を冷却し、200gのSiO
2に通してフェノキシベンゼンを除去し、引き続いてPE:EA=1:2で溶離して、標的化合物である3.9g(98%)のS-[(5-クロロ-3-ピリジル))]N、N-ジメチルカルバモチオアートを黄色固体として得た。
[C
8H
9ClN
2OS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は217.0、実測値は217.0であった。
【0228】
5-クロロピリジン-3-チオール
【化120】
S-[(5-クロロ-3-ピリジル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(800mg、3.69mmol)のメタノール(5mL)溶液に2N NaOH(5mL)を添加した。反応物を70℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、NaHSO
4水溶液を加えてpH6~7に調整した。次いで、CH
2Cl
2/MeOH(10/1)(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2/MeOH(10/1)(30mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、350mg(65%)の5-クロロピリジン-3-チオールを黄色固体として得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
[C
5H
4ClNS]
-[M-H]
-のESI-MS m/z計算値は144.0、実測値は144.0であった。
【0229】
5-クロロピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化121】
5-クロロピリジン-3-チオール(350mg、2.40mmol)のDMF(10mL)溶液に、Cs
2CO
3(783mg、2.40mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(420mg、1.20mmol)を溶液に添加した。反応混合物を室温で20時間攪拌した。水(40mL)およびCH
2Cl
2(40mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(40mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、400mg(73%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.52(d,J=8.4Hz,1H),7.44(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),6.02(d,J=5.5Hz,1H),5.53(d,J=3.1Hz,1H),5.24(dd,J=11.1,5.5Hz,1H),4.70(dd,J=7.5,4.7Hz,1H),4.23(dd,J=11.1,3.3Hz,1H),4.07(ddd,J=19.5,11.6,6.2Hz,3H),3.62(q,J=7.0Hz,1H),2.17(s,3H),2.16(s,3H),1.96(s,3H).ESI-MS m/z calcd for[C
17H
19ClN
4O
7S]
+[M+H]
+:459.0;found:459.0.
【0230】
5-クロロピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化122】
5-クロロピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(100mg、0.218mmol)、TEA(0.152mL)1.09mmol)、ヨウ化銅(I)(12.5mg、0.0654mmol)、CsF(49.7mg、0.327mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(59.3mg、0.327mmol))をCH
3CN(10mL)中に溶解した。反応物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製した。標題化合物80.0mg(65%)を白色固体として得た。
[C
25H
22ClF
3N
4O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は615.0、実測値は615.0であった。
【0231】
i22)5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
および
i23)5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
アセチル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化123】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(1.00g、2.86mmol)のDMF(20mL)溶液に、チオ酢酸カリウム(653mg、5.72mmol)を室温で20時間加えた。水(50mL)およびCH
2Cl
2(50mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)で精製した。400mg(36%)の標題化合物がシロップとして得られた。
[C
14H
19N
3O
8S]
+[M+18]
-のESI-MSm/z計算値は407.0、実測値は407.0であった。
【0232】
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化124】
および
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化125】
アセチル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(400mg、1.03mmol)、5-ブロモ-3-クロロ-ピリジン-2-カルボニトリル(447mg、0.205mmol)およびN-エチルエタンアミン(0.213mL、2.05mmol)をDMF(16mL)に溶解した。反応物を室温で20時間攪拌した。水(50mL)およびCH
2Cl
2(50mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)で精製して、生成物の標題混合物(200mg、38%)を得た。
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
[C
18H
18ClN
5O
7S]
-[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は484.0、実測値は484.0であった。
5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
[C
18H
18BrN
5O
7S]
-[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は528.0、実測値は528.0であった。
【0233】
i22)5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化126】
および
i23)5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化127】
5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg)、TEA(0.0528mL)0.379mmol)、ヨウ化銅(I)(72.1mg、0.379mmol)、CsF(57.5mg、0.379mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(103mg、0.568mmol)の混合物をCH
3CN(5mL)に溶解した。混合物をN
2下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製して、
i22)5-ブロモ-2-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、
収量60.0mg(24.9%)、
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.63(d,J=2.0Hz,1H),8.15(d,J=2.0Hz,1H),8.08(s,1H),7.80(d,J=3.2Hz,1H),7.33(d,J=3.2Hz,1H),6.23(d,J=5.5Hz,1H),6.02(dd,J=11.7,5.6Hz,1H),5.60(d,J=2.2Hz,1H),5.19(dd,J=11.7,3.0Hz,1H),4.79-4.75(m,1H),4.15-3.98(m,3H),2.03(s,3H),1.96(d,J=1.2Hz,6H).ESI-MS m/z calcd for[C
23H
21BrN
6O
7S
2]
+[M+H]
+:637.0;found:637.0.
および
i23)5-クロロ-6-シアノ-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
120mg(53.5%)
を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.63(d,J=1.9Hz,1H),8.14(s,1H),8.01(d,J=2.0Hz,1H),7.86(d,J=3.2Hz,1H),7.40(d,J=3.2Hz,1H),6.36(d,J=5.5Hz,1H),6.07(dd,J=11.7,5.6Hz,1H),5.65(d,J=2.3Hz,1H),5.26(dd,J=11.7,3.0Hz,1H),4.76(dd,J=7.3,4.9Hz,1H),4.11(ddd,J=22.1,13.0,6.2Hz,2H),2.11(s,3H),1.99(d,J=7.3Hz,6H).ESI-MS m/z calcd for[C
23H
21ClN
6O
7S
2]
+[M+H]
+:593.0;found:593.0.
【0234】
i24)2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
3,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化128】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(300mg、0.858mmol)、3,5-ジクロロベンゼンチオール(307mg、1.72mmol)およびCs
2CO
3(559mg、1.72mmol)をN、N-ジメチルホルムアミド(10.0mL)に溶解した。混合物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(100mL)を添加した。混合物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc/PE(40%)の勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、280mg(66%)の標題化合物を白色固体として得た。
[C
18H
23Cl
2N
4O
7S]
+[M+NH
4]
+のESI-MSm/z計算値は509.0、実測値は509.0であった。
【0235】
3,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化129】
3,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(250mg、0.508mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(184mg、1.02mmol)を、アセトニトリル(12.00mL)に溶解した。ヨウ化銅(I)(29.0mg、0.152mmol)、TEA(0.212mL、1.52mmol)およびCsF(77.1mg、0.508mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(100mL)を添加した。この溶液を水(100mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc/PE(40%)の勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、150mg(49%)の標題化合物を白色固体として得た。
[C
23H
23Cl
2N
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は601.0、実測値は601.0であった。
【0236】
i25)3-ブロモ-4-クロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
O-[(3-ブロモ-4-クロロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化130】
3-ブロモ-4-クロロフェノール(2g、9.64mmol)のN、N-ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、NaH(244mg、10.6mmol)を0℃で添加し、次いでその混合物を攪拌しながら30分間同じ温度に保ち、ジメチルチオカルバモイルクロライド(1.311g、10.6mmol)を混合物に添加し、次いでそれを室温で20時間攪拌した。反応物を水(50mL)でクエンチした。混合物をCH
2Cl
2(50mL×3)で抽出し、水相を捨てた。合わせた有機層をブライン(40mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(EA:PE=0~20%、ISCO(登録商標)40g、40mL/分、順相シリカ、uv254)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製した。褐色の標題化合物2.5g(88.0%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.45(d,J=8.7Hz,1H),7.36(d,J=2.7Hz,1H),7.00(dd,J=8.7,2.7Hz,1H),3.44(s,3H),3.33(s,3H).
【0237】
S-[(3-ブロモ-4-クロロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化131】
O-[(3-ブロモ-4-クロロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(2.5g、8.49mmol)をフェノキシベンゼン(20mL)に溶解し、2時間還流した。TLC分析は出発物質の総消費量を示した。反応混合物を冷却し、0~35%のEA/PEの勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。2.4g(96.0%)の標題化合物が黄色固体として得られた。
[C
9H
9BrClNOS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は292.9、実測値は294.0であった。
【0238】
3-ブロモ-4-クロロベンゼンチオール
【化132】
S-[(3-ブロモ-4-クロロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(1.00g、3.39mmol)のEtOH/H
2O(25.0mL,3/1)溶液に、NaOH(679mg、17.0mmol)を添加した。反応物を16時間還流した。この混合物を約10mLに濃縮し、2mol/L塩酸を添加した30mLのEtOAcに溶解し、pHを約6に調整した。混合物をEtOAc(10mL×3)で抽出し、水相を捨てた。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、500mg(65.9%)の粗生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
[C
6H
4BrClS]
-[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は221.9、実測値は223.0であった。
【0239】
3-ブロモ-4-クロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化133】
0℃のDMF(10mL)中の3-ブロモ-4-クロロベンゼンチオール(192mg、0.858mmol)の溶液に、Cs
2CO
3(279mg、0.858mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(200mg、0.572mmol)を混合物に添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(50mL)を添加した。次いでそれをEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(登録商標)(EA/PE=5%~40%、ISCO(登録商標)40g、30mL/分、順相シリカゲル、uv254)で精製した。標題化合物200mg(65.2%)を灰色固体として得た。
[C
18H
19BrClN
3O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は535.0、実測値は536.0であった。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.65(d,J=2.0Hz,1H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),7.26(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),5.90(d,J=5.5Hz,1H),5.42(s,1H),5.40(d,J=2.7Hz,1H),5.20(dd,J=10.9,5.5Hz,1H),4.59-4.41(m,1H),4.05(dd,J=11.6,5.0Hz,1H),3.94(dd,J=11.6,7.7Hz,1H),3.87(dd,J=11.0,3.3Hz,1H),3.42(d,J=4.8Hz,1H),2.12(s,3H),2.10(s,3H),1.93(s,3H).
【0240】
3-ブロモ-4-クロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化134】
3-ブロモ-4-クロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.373mmol)、TEA(0.260mL)、ヨウ化銅(I)(21.3mg、0.112mmol)、CsF(84.9mg、0.559mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(101mg、0.559mmol)をCH
3CN(10mL)に溶解した。反応物をN
2下、室温で一晩攪拌した。混合物をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して標題化合物150mg(62.3%)を得た。
[C
23H
22BrClN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は644.0、実測値は645.0であった。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.12(s,1H),7.86(d,J=3.2Hz,1H),7.77(d,J=2.0Hz,1H),7.46-7.33(m,3H),6.16(d,J=5.5Hz,1H),5.99(dd,J=11.7,5.6Hz,1H),5.62(d,J=2.5Hz,1H),5.34-5.17(m,1H),4.88-4.74(m,1H),4.26-3.96(m,4H),2.09(s,3H),2.01(s,3H),1.98(s,3H).
【0241】
i26)5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
3-ブロモ-5-フルオロ-2-ヨード-ピリジン
【化135】
MeCN(50mL)中の2,3-ジブロモ-5-フルオロ-ピリジン(5.00g、19.6mmol)、NaI(8821mg、58.9mmol)およびクロロ(トリメチル)シラン(2131mg、19.6mmol)の混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、反応混合物を2.0M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、減圧濃縮して、粗生成物を得、これをBiotage(登録商標)(EA/PE=1%~10%、ISCO(登録商標)40g、25mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標題化合物3.8g(64.2%)を灰色固体として得た。
[C
5H
2BrFIN][M]のESI-MSm/z計算値は301、実測値は301であった。
【0242】
3-ブロモ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
【化136】
KF(212mg、3.64mmol)およびヨード銅(631mg、3.31mmol)を完全に混合した後、均質な緑色が得られるまで穏やかに振とうしながらブンゼンバーナーの炎を用いて真空(1mmHg)下で加熱した。NMP(10mL)および(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(471mg、3.31mmol)を混合物に添加した。混合物を50℃で45分間攪拌した。3-ブロモ-5-フルオロ-2-ヨード-ピリジン(1000mg、3.31mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩攪拌した。反応物をGC-MSによりモニターしたところ、生成物が形成されたことを示した。水(20mL)を混合物に加え、EtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、減圧濃縮して、粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーBiotage(EA/PE=1%~50%、ISCO(登録商標)40g、25mL/分、順相シリカゲル、uv254)で精製した。標題化合物575mg(71.1%)が白色固体として得られた。[C
6H
2BrF
4N][M]のESI-MSm/z計算値は242.9、実測値は243.0であった。
【0243】
5-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-チオール
【化137】
3-ブロモ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(575mg、2.36mmol)および硫化二ナトリウム(623mg、2.59mmol)をDMF(10mL)に溶解した。反応混合物を室温で3時間攪拌した。10%NaOH水溶液を混合物中に加えてpHを約9にした。混合物をEt
2O(30mL×3)で抽出し、水層を2MNaHSO
4で約pH3に酸性化した。混合物をEA(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、減圧濃縮して、粗生成物を得、これをBiotage(登録商標)(EA/PE=1%~50%、ISCO(登録商標)20g、15mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、300mg(49.3%)の標題化合物を褐色油状物として得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0244】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化138】
0℃のDMF(10mL)中の5-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-チオール(295mg、1.14mmol)の溶液に、Cs
2CO
3(186mg、0.572mmol)を添加した。溶液を室温で30分間攪拌した。次いで、2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(200mg、0.572mmol)を混合物に添加した。反応物を50℃で2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(30mL)を加え、続いてEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをBiotage(登録商標)(EA/PE=5%~40%、ISCO(登録商標)40g、30mL/分、順相シリカゲル、UV254)で精製して、標題化合物91.0mg(27.9%)を白色固体として得た。
:[C
18H
18BrF
3N
4O
7S]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は570.0、実測値は571.1であった。
【0245】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール‐1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化139】
5-ブロモ-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(91.0mg、0.159mmol)のCH
3CN(5mL)溶液に、TEA(0.111mL、0.796mmol)、ヨウ化銅(I)(9.10mg、0.0478mmol)、CsF(36.3mg、0.239mmol)、トリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(43.3mg、0.239mmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去すると残留物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して、標題化合物66.0mg(60.9%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.59(d,J=1.8Hz,1H),8.13(d,J=1.5Hz,1H),8.07(s,1H),7.79(d,J=3.2Hz,1H),7.33(d,J=3.2Hz,1H),6.26(d,J=5.5Hz,1H),6.00(dd,J=11.7,5.5Hz,1H),5.58(d,J=2.5Hz,1H),5.22(dd,J=11.7,3.0Hz,1H),4.72(dd,J=7.4,4.8Hz,1H),4.10-3.99(m,3H),3.42(s,1H),1.98(s,2H),1.92(d,J=1.0Hz,6H).
[C
23H
21BrF
3N
5O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は679.0、実測値は680.0であった。
【0246】
i27)3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
O-[(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化140】
3-ブロモ-4-フルオロ-フェノール(2.00g、10.5mmol)のN、N-ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に、0℃でNaH(0.481g、鉱物中60%、12.5mmol)を加え、次いでこの混合物を0℃で30分間攪拌し、ジメチルチオカルバモイルクロリド(1.55g、12.6mmol)を混合物に添加し、次いでこれを室温で20時間攪拌した。TLC分析は生成物の形成を示した。反応混合物を水(150mL)でクエンチし、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、Mg
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=0~40%、ISCO(登録商標)40g、40mL/分、順相シリカ、uv254)で精製した。2.2g(75.5%)の標題化合物が灰色固体として得られた。
[C
9H
9BrFNOS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は277.0、実測値は278.0であった。
【0247】
S-[(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート
【化141】
O-[(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(2.4g、8.63mmol)をフェノキシベンゼン(20mL)に溶解し、260℃で2時間攪拌した。TLC分析は出発物質の総消費量を示した。反応混合物を冷却し、0~40%のEA/PEの勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。これにより標題化合物2.0g(83.3%)を黄色固体として得た。[C
8H
9ClN
2OS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は277.0、実測値278.0であった。
【0248】
3-ブロモ-4-フルオロベンゼンチオール
【化142】
S-[(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)]N、N-ジメチルカルバモチオアート(834mg、3.00mmol)のEtOH(15.0mL)溶液に水(5mL)およびKOH(337mg、6.00mmol)を添加した。反応物を70℃で16時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
[C
6H
4BrFS]
-[M-H]
-のESI-MSm/z計算値は205.9、実測値は205.0であった。
【0249】
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化143】
3-ブロモ-4-フルオロベンゼンチオール(518mg、2.50mmol)のDMF(10mL)溶液に、Cs
2CO
3(326mg、1.00mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(350mg、1.00mmol)を溶液に添加した。反応混合物を室温で20時間攪拌した。水(40mL)およびEtOAc(100mL)を加え、相を分離させた。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル、70%)で精製して、140mg(26.9%)の標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.61(dd,J=6.4,2.2Hz,1H),7.31(ddd,J=8.5,4.5,2.2Hz,1H),7.01(t,J=8.4Hz,1H),5.83(d,J=5.5Hz,1H),5.41(d,J=2.7Hz,1H),5.19(dd,J=11.0,5.5Hz,1H),4.67-4.46(m,1H),4.05(dd,J=11.6,5.0Hz,1H),3.95(dd,J=11.6,7.6Hz,1H),3.87(dd,J=10.9,3.3Hz,1H),2.13(s,3H),2.09(s,3H),1.96(s,3H).ESI-MS m/z calcd for[C
18H
19BrFN
3O
7S]
+[M+NH
4]
+:519.0;found:537.0.
【0250】
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化144】
3-ブロモ-4-フルオロ-フェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(140mg、0.269mmol)、TEA(0.113mL)0.807mmol)、ヨウ化銅(I)(15.4mg、0.0807mmol)、CsF(40.9mg、0.269mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(97.6mg、0.538mmol)をCH
3CN(10mL)に溶解した。反応物をN
2下、室温で一晩攪拌した。混合物をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)で精製して80.0mg(64.6%)の標題化合物を得た。:[C
23H
22BrFN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は628.0、実測値は629.0であった。
【0251】
i28)2,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
2,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化145】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-1-クロロ-3-デオキシ-β‐D-ガラクトピラノシド(350mg、1.00mmol)および2,5-ジクロロベンゼンチオール(358mg、2.00mmol)をN、N-ジメチルホルムアミド(10.0mL)に溶解した。Cs
2CO
3(652mg、2.00mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(100mL)を添加した。反応混合物を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc/PE(40%)の勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、200mg(40.6%)の標題化合物を白色固体として得た。
[C
18H
23Cl
2N
4O
7S]
+[M+NH
4]
+のESI-MSm/z計算値は509.0、実測値は509.0であった。
【0252】
2,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(2-チアゾリル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化146】
2,5-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.406mmol)およびトリメチル(2-チアゾール-2-イルエチニル)シラン(147mg、0.812mmol)をアセトニトリル(6.00mL)に溶解した。ヨウ化銅(I)(23.2mg、0.122mmol)、TEA(0.170mL、1.22mmol)およびCsF(61.7mg、0.406mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(100mL)を添加し、反応混合物を水(100mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc/PE(40%)の勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、170mg(69.6%)の標題化合物を白色固体として得た。
[C
23H
23Cl
2N
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は601.0、実測値は601.0であった。
【0253】
i29)3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-ブロモ-(チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
2-(4-ブロモチアゾール-2-イル)エチニル-トリメチル-シラン
【化147】
2,4-ジブロモチアゾール(2.00g、8.23mmol)のCH
3CN(30mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(78.4mg、0.412mmol)、TEA(5.74mL)、PdCl
2(PPh
3)
2(289mg、0.412mmol)、エチニル(トリメチル)シラン(1.21g、12.3mmol)を添加した。混合物をN
2下、50℃で20時間加熱した。溶媒を除去すると残留物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1)で精製して、標題化合物300mg(14%)を得た。
[C
8H
10BrNSSi]
+[M+H]
-のESI-MSm/z計算値は259、実測値は259であった。
【0254】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-ブロモ-(チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化148】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(200mg、0.406mmol)のCH
3CN(5mL)溶液に、TEA(0.283mL)、ヨウ化銅(I)(23.2mg、0.122mmol)、CsF(92.6mg、0.609mmol)、2-(4-ブロモチアゾール-2-イル)エチニル-トリメチル-シラン(159mg、0.609mmol)を添加した。反応物を窒素ガス雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製して、標題化合物120mg(43.4%)を白色固体として得た。
[C
23H
21BrCl
2N
4O
7S
2]
+[M+H]
-のESI-MSm/z計算値は677.9、実測値は679.0であった。
【0255】
i30)3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
tert-ブチルチアゾール-2-イルカルバメート
【化149】
(Boc)
2O(52.305g、240mmol)を、テトラヒドロフラン(150mL)溶液中のチアゾール-2-アミン(20.0g、200mmol)の溶液に滴加し、続いて室温で16時間攪拌した。溶媒を真空中で除去して粗生成物を得、これをEtOAc中で粉砕し、濾過した。19.0g(47.5%)の標題化合物が白色固体として得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 12.20(s,1H),7.38(d,J=3.6Hz,1H),6.88(d,J=3.6Hz,1H),1.59(s,9H).
[C
8H
12N
2O
2S]
+[M+Na]
+のESI-MSm/z計算値は223.1、実測値は223.0であった。
【0256】
tert-ブチルN-(5-フルオロチアゾール-2-イル)カルバメート
【化150】
tert-ブチルチアゾール-2-イルカルバメート(17.0g、484.9mmol)のTHF(100mL)溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(74.7mL、187mmol、2.5mol/L)を、78℃で30分かけて滴加し、混合物を1時間かけて-10℃に加温した。混合物を再び-78℃に冷却し、次いでN-フルオロベンゼン-スルホニルイミド(2.362g、7.49mmol)を添加した。アセトン-ドライアイス浴を除去し、混合物を30分間攪拌した。次いで、反応混合物を冷水(100mL)に注ぎ、反応混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を2NHCl、水およびブラインで洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=15%)で精製して、標題化合物10.5g(56.7%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 12.20(s,1H),6.88(d,J=3.6Hz,1H),1.59(s,9H).ESI-MS m/z calcd for[C
8H
11FN
2O
2S]
+[M+H-56]
+:163.0;found:163.0
【0257】
5-フルオロチアゾール-2-アミン
【化151】
TFA(27.43g、241.00mmol)を、CH
2Cl
2(100mL)中のtert-ブチルN-(5-フルオロチアゾール-2-イル)カルバメート(10.50g、48.1mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、溶媒を真空中で除去した。残留物をNaHCO
3水溶液で中和し、続いてCH
2Cl
2(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、濾過し、減圧濃縮して、標題化合物5.2g(91.5%)を灰色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.65(d,J=2.6Hz,1H),4.69(brs,2H).ESI-MS m/z calcd for[C
3H
3FN
2S]
+[M+H]
+:119.0;found:119.0
【0258】
2-ブロモ-5-フルオロチアゾール
【化152】
5-フルオロチアゾール-2-アミン(3.425g、29.0mmol)のMeCN(50mL)溶液に、0℃でイソアミル亜硝酸塩(5.095g、43.5mmol)、次いで臭化銅(5.407g、37.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/ペンタン、0%~10%)で精製して、1.760g(33.4%)の標題化合物を黄色油状物として得た。[C
3HBrFNS]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は181.9、実測値は181.9であった。
【0259】
5-フルオロ-2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール
【化153】
2-ブロモ-5-フルオロチアゾール(1.76g、9.67mmol)、ヨウ化銅(I)(92.1mg、0.483mmol)、Et
3N(4.892g、48.3mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(340mg、0.483mmol)およびエチニル(トリメチル)シラン(1.425g、14.5mmol)をTHF(50mL)に溶解した。混合物を窒素雰囲気下、50℃で20時間攪拌した。混合物をEtOAc(10mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物を得、これを石油エーテル/ペンタン(0%~10%)の勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物350mg(18.2%)を褐色油状物として得た。[C
8H
10FNSSi]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は200.0、実測値は200.0であった。
【0260】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(5-フルオロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化154】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(259mg、0.527mmol)のMeCN(15mL)溶液に、Et
3N(302mg,2.99mmol)、ヨウ化銅(I)(33.4mg、0.176mmol)、CsF(133mg、0.878mmol)、5-フルオロ-2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(350mg、0.502mmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。混合物をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/2)で精製して、標題化合物100mg(9.19%)を灰色固体として得た。
[C
23H
21Cl
2FN
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は619.0、実測値は619.0であった。
【0261】
i31)3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
4-クロロ-2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール
【化155】
2-ブロモ-4-クロロチアゾール(500mg、2.52mmol)のTHF(10mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(205mg、0.108mmol)、TEA(0.300mL、2.15mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(75.6mg、0.108mmol)、エチニル(トリメチル)シラン(212mg、2.15mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。溶媒を真空で除去して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/10)で精製して、標題化合物150mg(27.6%)を灰色油状物として得た。
[C
8H
10ClNSSi][M]のGC-MS、ESI-MSm/z計算値は216.0、実測値は216.0であった。
【0262】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-クロロ-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化156】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(150mg,0.305mmol)のMeCN(5mL)溶液に、Et
3N(0.212mL、1.52mmol)、ヨウ化銅(I)(17.4mg、0.0914mmol)、CsF(69.4mg、0.457mmol)、4-クロロ-2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール(98.6mg、0.457mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/2)で精製して、標題化合物70.0mg(36.1%)を灰色固体として得た。
[C
23H
21Cl
3N
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は635.0、実測値は635.0であった。
【0263】
i32)3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
4-(トリフルオロメチル)-2-((トリメチルシリル)エチニル)チアゾール
【化157】
2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール(500mg、2.15mmol)のTHF(10mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(205mg、0.108mmol)、Et
3N(0.300mL、2.15mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(75.6mg、0.108mmol)、エチニル(トリメチル)シラン(212mg、2.15mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。溶媒を真空で除去して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/10)で精製して、標題化合物250mg(46.5%)を灰色油状物として得た。[C
9H
10F
3NSSi][M]のGC-MS、ESI-MSm/z計算値は249.0、実測値は249.0であった。
【0264】
3,4-ジクロロフェニル2,4,6-トリ-O-アセチル-3-デオキシ-3-[4-(4-トリフルオロメチル-チアゾール-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド
【化158】
2,4,6-トリ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド(150mg、0.305mmol)のMeCN(5mL)溶液に、Et
3N
(0.212mL、1.52mmol),ヨウ化銅(I)(17.4mg,0.0914mmol),CsF(69.4mg,0.457mmol),トリメチル-[2-[4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル]エチニル]シラン(119mg、0.477mmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。水(10mL)およびCH
2Cl
2(10mL)を添加した。水相をCH
2Cl
2(5mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1/2)で精製して、標題化合物110mg(53.9%)を得た。[C
24H
21Cl
2F
3N
4O
7S
2]
+[M+H]
+のESI-MSm/z計算値は669.0、実測値は669.0であった。
【0265】
参考文献
Aits S、Kricker J、Liu B、Ellegaard AM、HamalistoS、Tvingsholm S、Corcelle-Termeau E、HoghS、Farkas T、Holm Jonassen A、Gromova I、Mortensen M、
JaattelaM.(2015)「リソソームガレクチンpunctaアッセイオートファジーによるリソソーム膜透過性の敏感な検出(Sensitive detection of lysosomal membrane
permeabilization by lysosomal galectin puncta assay Autophagy)」、2015;11(8):1408-24。
Almkvist、J.、Faldt、J.、Dahlgren、C.、Leffler、H.、Karlsson、A.(2001)「ガレクチン-3およびf-Met-Leu-Pheによる活性化のためのリポポリサッカライド誘発ゼラチナーゼ顆粒動員プライム好中球(Lipopolysaccharide- induced gelatinase granule mobilization primes neutrophils for activation by galectin-3 and f-Met-Leu-Phe)」、Infect.Immun.Vol.69:832-837。
Arthur CM、Baruffi MD、Cummings RD、Stowell SR.(2015)「ガレクチン機能への進化的なメカニズムの解明(Evolving mechanistic insights into galectin functions)」、Methods Mol Biol.1207:1-35。
Helen Blanchard、Khuchtumur Bum-Erdene、Mohammad Hussaini Bohari&Xing Yu(2016)「ガレクチン-1阻害剤とそれらの潜在的治療用途:特許審査、治療法に関する専門家意見(Galectin-1 inhibitors and their potential therapeutic applications:a patent review,Expert Opinion on Therapeutic Patents)」、26:5,537-554、DOI:10.1517/13543776.2016.1163338。
Blidner AG、Mendez-Huergo SP、Cagnoni AJ、Rabinovich GA.(2015)「ガレクチン-グリカン相互作用による免疫における調節細胞ネットワークの再配線(Re-wiring regulatory cell networks in immunity by galectin-glycan interactions)」、FEBS Lett.2015 Sep 6、pii:S0014-5793(15)00807-8。
Chen、W.-S.、Leffler H.、Nilsson、U.J.、Panjwani、N.(2012)「ガレクチン-1およびガレクチン-3を標的とすることによるVEGF-A誘発血管新生の減弱(Targeting Galectin-1 and Galectin-3 Attenuates VEGF-A-induced Angiogenesis)」、Mol.Biol.Cell(suppl)、Abstract No.2695。
Cooper、D.N.Massa、S.M.Barondes、S.H.(1991)「内因性筋肉レクチンは、ラミニンへの筋芽細胞接着を阻害する(Endogenous muscle lectin inhibits myoblast adhesion to laminin)」、The Journal of Cell Biology 115、1437-1448。
Cumpstey,I.,Carlsson,S.,Leffler,H.and Nilsson,U.J.(2005)「1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンからのフェニルチオ-β‐D-ガラクトピラノシドライブラリーの合成:ガレクチン-7の効率的かつ選択的モノサッカライド阻害剤の発見(Synthesis of a phenyl thio-β-D-galactopyranoside library from 1,5-difluoro-2,4-dinitrobenzene:discovery of efficient and selective monosaccharide inhibitors of galectin-7)」、Org.Biomol.Chem.3:1922-1932。
Cumpstey,I.,Sundin,A.,Leffler,H.and Nilsson,U.J.(2005)「ガレクチン-3の高親和性阻害剤としてのC2-対称チオジガラクトシドビス-ベンズアミド誘導体:二重アルギニン-アレーン相互作用による効率的なレクチン阻害(C2-Symmetrical thiodigalactoside bis-benzamido derivatives as high-affinity inhibitors of galectin-3:Efficient lectin inhibition through double arginine-arene interactions)」、Angew.Chem.Int.Ed.44:5110-5112。
Cumpstey,I.,Salomonsson,E.,Sundin,A.,Leffler,H.and Nilsson,U.J.(2008)「アルギニン-アレーン相互作用を介したガレクチン-リガンド相互作用の二重親和性増幅:芳香族ジアミド-チオジガラクトシドを用いた合成、熱力学および計算的研究(Double affinity amplification of galectin-ligand interactions through arginine-arene interactions:Synthetic,thermodynamic,and computational studies with aromatic diamido-thiodigalactosides)」、Chem.Eur.J.14:4233-4245。
Delaine,T.,Cumpstey,I.,Ingrassia,L.,Le Mercier,M.,Okechukwu,P.,Leffler,H.,Kiss,R.,and Nilsson,U.J.(2008)「ガレクチン阻害チオジガラクトシドエステル誘導体は、培養肺および前立腺癌細胞において抗遊走効果を有する(Galectin-Inhibitory Thiodigalactoside Ester Derivatives Have Anti-Migratory Effects in Cultured Lung and Prostate Cancer Cells)」、J Med Chem 51; 8109-8114。
Demotte、N.、Wieers、G.、van der Smissen、P.、Moser、M.、Schmidt、C.、Thielemans、K.et al.(2010)、Cancer Res.70;7476-7488。
Dings、R.P.M.;Miller、M.C.;Nesmelova,I.;Astorgues-Xerri,L.;Kumar,N.;Serova,M.;Chen,X.;Raymond,E.;Hoye,T.R.;Mayo,K.H.Journal of medicinal…2012,55,5121-5129。
Ebrahim AH、Alalawi Z、Mirandola L、Rakhshanda R、Dahlbeck S、Nguyen D、Jenkins M1、Grizzi F、Cobos E、Figueroa JA、Chiriva-Internati M(2014「癌におけるガレクチン:発癌性、診断および治療(Galectins in cancer:carcinogenesis,diagnosis and therapy)」、Ann Transl Med.2014 Sep;2(9):88。
Elola MT,Blidner AG,Ferragut F,Bracalente C,Rabinovich GA.(2015)
「レクチン-グリカン複合体による細胞表面受容体の構築、構成および調節(Assembly,organization and regulation of cell-surface receptors by lectin-glycan complexes)」、Biochem J.2015 Jul 1;469(1):1-16。
Farkas,I.;Szabo,I.F.;Bognar,R.;Anderle,D.Carbohydr.Res.1976,48,136-138。
Giguere,D.;Bonin,M.-A.;Cloutier,P.;Patnam,R.;St-Pierre,C.;Sato,S.;Roy,R.Bioorganic&Medicinal Chemistry 2008,16,7811-7823。
Giguere,D.;Andre,S.;Bonin,M.-A.;Bellefleur,M.-A.;Provencal,A.;Cloutier,P.;Pucci,B.;Roy,R.;Gabius,H.-J.Bioorganic&Medicinal Chemistry 2011,19,3280-3287。
Giguere,D.,Patnam,R.,Bellefleur,M.-A.,St.-Pierre,C.,Sato,S.,and Roy,R.(2006)「ガレクチン-1およびガレクチン-3の阻害剤としての炭水化物トリアゾールおよびイソオキサゾール(Carbohydrate triazoles and isoxazoles as inhibitors of galectins-1 and -3)」、Chem Commun:2379-2381。
Glinsky、V.V.、Mossine、V.V.、Kiriakova、G.、 and Metcalf,J.B.(1996)、Cancer Res 56:5319-5324。
Glinsky,V.V.,Kiriakova,G.,Glinskii,O.V.,Mossine,V.V.,Mawhinney,T.P.,Turk,J.R.,Glinskii,A.B.,Huxley,V.H.,Price,J.E.,and Glinsky,G.V.(2009)、「合成ガレクチン-3阻害剤は、in vitroおよびin vivoでのタキソール誘発アポトーシスに対する転移性癌細胞感受性を増加させる(Synthetic Galectin-3 Inhibitor Increases Metastatic Cancer Cell Sensitivity to Taxol-Induced Apoptosis In Vitro and In Vivo)」、Neoplasia 11;901-909。
van Hattum,H.;Branderhorst,H.M.;Moret,E.E.;Nilsson,U.J.;Leffler,H.;Pieters,R.J.J.Med.Chem.2013,56,1350-1354.Huflejt,M.E.and Leffler,H.(2004)「正常組織および癌におけるガレクチン-4(Galectin-4 in normal tissues and cancer)」、Glycoconj.J.20:247-255。
Hockl PF、Wolosiuk A、Perez-Saez JM1、Bordoni AV2、Croci DO3、Toum-Terrones Y2、Soler-Illia GJ4、Rabinovich GA5「グリコナノ腫瘍学:小さくて甘いものを組み合わせることによる新しい治療の機会(Glyco-nano-oncology:Novel therapeutic opportunities by combining small and sweet)」、Treatment of cancer Pharmacol Res.2016 Feb 4.pii:S1043-6618(16)00042-6.doi:10.1016/j.phrs.2016.02.005.[Epub ahead of print]。
Ingrassia et al.(2006)「ラクトシル化ステロイドは、マウスリンパ腫およびヒト膠芽細胞腫の実験モデルにおけるin vivo治療上の利益に寄与する(A Lactosylated Steroid Contributes in Vivo Therapeutic Benefits in Experimental Models of Mouse Lymphoma and Human Glioblastoma)」、J.Med.CHem.49:1800-1807。
John,C.M.,Leffler,H.,Kahl-Knutsson,B.,Svensson,I.,and Jarvis,G.A.(2003)「切除ガレクチン-3は、ヒト乳癌の正孔性ヌードマウスモデルにおける腫瘍成長および転移を阻害する(Truncated Galectin-3 Inhibits Tumor Growth and Metastasis in Orthotopic Nude Mouse Model of Human Breast Cancer)」、Clin.Cancer Res.9:2374-2383。
Kathiriya、J.J.et al、「ガレクチン-1阻害は、低酸素誘発肺線維症における線維化促進シグナル伝達を弱める(Galectin-1 inhibition attenuates profibrotic signaling in hypoxia-induced pulmonary fibrosis)」、Cell Death Discovery 3、17010-13(2017)。
Kouo、T.、Huang、L.、Pucsek、A.B.、Cao、M.、Solt、S.、Armstrong、T.、Jaffee、E.(2015)Cancer Immonol.Res.3:412-23。
Leffler,H.and Barondes,S.H.(1986)「3つの可溶性ラット肺レクチンの置換型および非置換型哺乳動物β-ガラクトシドへの結合の特異性(Specificity of binding of three soluble rat lung lectins to substituted and unsubstituted mammalian beta-galactosides)」、J.Biol.Chem.261:10119-10126。
Leffler、H.「ガレクチンの構造と機能-哺乳類の炭水化物認識システムにおける概要(Galectins Structure and Function -- A Synopsis in Mammalian Carbohydrate Recognition Systems)」、(Crocker、P.ed.)Springer Verlag、Heidelberg、2001 pp.57-83。
Leffler、H.、Carlsson、S.、Hedlund、M.、Qian、Y.and Poirier、F.(2004)「ガレクチンの紹介(Introduction to galectins)」、Glycoconj.J.19:433-440。
Leffler、H.、editor、(2004b)「ガレクチン特集(Special Issue on Galectins)」、Glycoconj.J.19:433-638。
Lepur A、Salomonsson E、Nilsson UJ、Leffler H.(2012)「リガンドはガレクチン-3タンパク質自己会合を誘導した(Ligand induced galectin-3 protein self-association.)」、J Biol Chem.2012 Jun 22;287(26):21751-6。
Lin、C.I.、Whang、E.E.、Donner、D.B.、Jiang、X.、Price、B.D.、Carothers、A.M.、Delaine、T.、Leffler、H.、Nilsson、U.J.、Nose、V.,et al.(2009)「小分子阻害剤を用いたガレクチン-3標的治療は、アポトーシスを活性化し、乳頭状甲状腺癌における化学感受性および放射線感受性の両方を増強する(Galectin-3 Targeted Therapy with a Small Molecule Inhibitor Activates Apoptosis and Enhances Both Chemosensitivity and Radiosensitivity in Papillary Thyroid Cancer)」、Mol Cancer Res 7:1655-1662。
MacKinnon,A.C.,Farnworth,S.L.,Henderson,N.C.,Hodkinson,P.S.、Kipari、T.、Leffler、H.、Nilsson、U.J.、Haslett、C.、Hughes、J.、and Sethi T.(2008)「ガレクチン-3による代替マクロファージ活性化の調節(Regulation of alternative macrophage activation by Galectin-3)」、J.Immun.180;2650-2658。
Mackinnon、A.、Gibbons、M.、Farnworth、S.、Leffler、H.、Nilsson、U.J.、Delaine、T.、Simpson、A.、Forbes、S.、Hirani、N.、Gauldie、J.Sethi T.(2012)「ガレクチン-3によるTGF-β1に駆動される肺線維症の調節(Regulation of TGF-β1 driven lung fibrosis by Galectin-3)」、Am.J.Resp.Crit.Care Med.,in press。
Massa,S.M.,Cooper,D.N.W.,Leffler,H.,Barondes,S.H.(1993)「内在性レクチンであるL-29は、正の協同作用で複合糖質リガンドに結合する(L-29,an endogenous lectin, binds to glycoconjugate ligands with positive cooperativity)」、Biochemistry 32:260-267。
Melero,I.,Berman,D.M.,Aznar,M.A.,Korman,A.J.,Gracia,J.L.P.,Haanen,J.(2015)、Nature Reviews Cancer,15:457-472。
Partridge,E.A.,Le Roy,C.,Di Guglielmo,G.M.,Pawling,J.,Cheung,P.,Granovsky,M.,Nabi,I.R.,Wrana,J.L.,and Dennis,J.W.(2004)「ゴルジ体N-グリカンプロセッシングおよびエンドサイトーシスによるサイトカイン受容体の調節(Regulation of cytokine receptors by Golgi N-glycan processing and endocytosis)」、Science 306:120-124。
Perillo,N.L.;Pace,K.E.;Seilhamer,J.J.;Baum,L.G.Nature 1995,378,736-739。
Pienta,K.J.,Naik,H.,Akhtar,A.,Yamazaki,K.,Reploge,T.S.,Lehr,J.,Donat,T.L.,Tait,L.,Hogan,V.,and Raz,A.(1995)「変性シトラスペクチンの経口投与によるラット前立腺癌モデルにおける自発的転移の阻害(Inhibition of spontaneous metastasis in a rat prostate cancer model by oral administration of modified citrus pectin)」、J Natl Cancer Inst 87、348-353。
Poirier、F.「in vivoでのガレクチンの役割(Roles of galectins in vivo)」、Biochem.Soc.Symp.2002:95-103。
Ramos-Soriano,J.;Niss,U.;Angulo,J.;Angulo,M.;Moreno-Vargas,A.J.;Carmona,A.T.;Ohlson,S.;Robina,I.Chem.Eur.J.2013,19,17989-18003。
Ruvolo、P.P.Biochim.Biophys Acta.Molecular cell research(2015)E-pub ahead of print、タイトル:「腫瘍微小環境の保護者としてのガレクチン-3(Galectin-3 as a guardian of the tumor microenvironment)」、published on-line 8 April 2015:(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167488915002700),
Salameh,B.A.,Leffler,H.and Nilsson,U.J.(2005)Bioorg.Med.Chem.Lett.15:3344-3346。
Salameh、B.A.、Cumpstey、I.、Sundin、A.、Leffler、H.and Nilsson,U.J.(2010)、「高親和性ガレクチン-3阻害剤としての1H-1,2,3-トリアゾール-1-イルチオジガラクトシド誘導体(1H-1,2,3-Triazol-1-yl thiodigalactoside derivatives as high affinity galectin-3 inhibitors)」、Bioorg Med Chem 18:5367-5378。
Salomonsson,E.,Larumbe,A.,Tejler,J.,Tullberg,E.,Rydberg,H.,Sundin,A.,Khabut,A.,Frejd,T.,Lobsanov,Y.D.,Rini,J.M.,Nilsson,U.J.,and Leffler,H(2010)、「ガレクチン-1の一価相互作用(Monovalent interactions of galectin-1)」、Biochemistry 49:9518-9532。
Sorme,P.,Qian,Y.,Nyholm,P.-G.,Leffler,H.,Nilsson,U.J.(2002)「N-アセチルラクトサミンの3’-誘導体化に基づくガレクチン-3の低マイクロモーラー阻害剤(Low micromolar inhibitors of galectin-3 based on 3’-derivatization of N-acetyllactosamine)」、ChemBioChem 3:183-189。
Sorme,P.,Kahl-Knutsson,B.,Wellmar,U.,Nilsson,U.J.,and Leffler H.(2003a)「ガレクチン-リガンド相互作用を研究するための蛍光偏光(Fluorescence polarization to study galectin-ligand interactions)」、Meth.Enzymol.362:504-512。
Sorme,P.,Kahl-Knutsson,B.,Wellmar,U.,Magnusson,B.-G.,Leffler H.,and Nilsson,U.J.(2003b)、「ガレクチン阻害剤の設計と合成(Design and synthesis of galectin inhibitors)」、Meth.Enzymol.363:157-169。
Sorme,P.,Kahl-Knutsson,B.,Huflejt,M.,Nilsson,U.J.,and Leffler H.(2004)、「ガレクチン-リガンド相互作用を評価するための分析ツールとしての蛍光偏光(Fluorescence polarization as an analytical tool to evaluate galectin-ligand interactions)」、Anal.Biochem.334:36-47。
Tejler,J.;Tullberg,E.;Frejd,T.;Leffler,H.;Nilsson,U.J.Carbohydrate Research 2006,341,1353-1362。
Tejler,J.;Salameh,B.;Leffler,H.;Nilsson,U.J.Org.Biomol.Chem.2009,7,3982.Thijssen,V.L.,Poirer,F.,Baum,L.G.,and Griffioen,A.W.(2007)、「腫瘍内皮におけるガレクチン:組み合わせた癌治療の機会(Galectins in the tumor endothelium:opportunities for combined cancer therapy)」、Blood 110:2819-2827。
Toscano、M.A.、Bianco、G.A.、Ilarregui、J.M.、Croci、D.O.、Correale、J.、Hernandez、J.D.、Zwirner、N.W.、Poirier、F.、Riley、E.M.、Baum、L.G.、et al.(2007)、「TH1、TH2、およびTH-17エフェクター細胞の異なるグリコシル化は、細胞死に対する感受性を選択的に調節する(Differential glycosylation of TH1, TH2 and TH-17 effector cells selectively regulates susceptibility to cell death)」、Nat Immunol 8:825-834。