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特許7038103多段連続ミキサーを用いた繊維強化セメント質スラリーの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】多段連続ミキサーを用いた繊維強化セメント質スラリーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28C 5/40 20060101AFI20220310BHJP
   B28C 5/14 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
B28C5/40
B28C5/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019504898
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017045426
(87)【国際公開番号】W WO2018027095
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】62/371,590
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/663,104
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ・デュビー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ビー・グローザ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・アール・ネルソン
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-516880(JP,A)
【文献】特表2010-508179(JP,A)
【文献】特開2014-054583(JP,A)
【文献】特開昭62-062709(JP,A)
【文献】特開昭48-094053(JP,A)
【文献】特開昭50-061418(JP,A)
【文献】特表2014-500228(JP,A)
【文献】特表2019-527638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/52
B28C 5/00 - 5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント複合スラリーを調製するための連続方法であって、
乾燥セメント系粉体を、少なくとも1つの乾燥セメント系粉体入口ポートを通して横型連続ミキサーの中へ送給する工程であって、
前記横型連続ミキサーが、
内部側壁を有する横型筐体によって画定された細長い混合チャンバであって、前記細長い混合チャンバが、上流端送給区分、第1の混合区分、および第2の下流端混合区分を有し、前記第1の混合区分が、前記上流端送給区分と前記第2の下流端混合区分との間にある、細長い混合チャンバと、
前記細長い混合チャンバの上流端から細長い混合チャンバの下流端まで横断し、かつ前記細長い混合チャンバ内で回転する、少なくとも一対の水平配向相互嵌合自己ワイピングインペラと、を備え、
前記細長い混合チャンバの前記上流端送給区分内で各々水平に載置されたインペラが、オーガを備え、前記乾燥セメント系粉体が、前記細長い混合チャンバの前記上流端送給区分の中へ送給され、前記オーガによって前記第1の混合区分に搬送される、送給する工程と、
水を含む液体流を、前記少なくとも1つの乾燥セメント系粉体入口ポートの下流の少なくとも1つの液体流入口ポートを通して前記横型連続ミキサーの前記細長い混合チャンバの中へ送給し、前記乾燥セメント系粉体および前記液体流を、セメント系スラリーを形成するために前記第1の混合区分内で混合する工程であって、
前記第1の混合区分内の各水平に載置されたインペラが、前記インペラの水平配向シャフト上に一定間隔および異なる円周方向の場所に載置されている、第1の複数のパドルを備え、前記パドルが、前記横型筐体内で前記水平配向シャフトを中心に回転し、前記パドルが、前記シャフトから半径方向に延在している、混合する工程と、
強化繊維の流れを、少なくとも1つの強化繊維入口ポートを通して前記第2の下流端混合区分の中へ送給し、前記セメント系スラリーおよび前記強化繊維を、繊維スラリー混合物を形成するために、前記第2の下流端混合区分内で混合する工程であって、
前記細長い混合チャンバの前記第2の下流端混合区分内で各々水平に載置されたインペラの少なくとも一部分が、
一定間隔かつ異なる円周方向の場所で前記ミキサーの前記水平配向シャフト上に載置された第2の複数のパドルであって、前記パドルが、前記横型筐体内で各々、それぞれの水平配向シャフトを中心として回転され、前記パドルが、前記それぞれのシャフトから半径方向に延在している、第2の複数のパドルを備える、混合する工程と、
前記繊維スラリー混合物を、前記横型連続ミキサーの前記第2の下流端混合区分において、横型筐体の側壁の開口を通して前記横型筐体の前記繊維スラリー混合物出口ポートの中へ、かつ該出口ポートを通して、前記横型筐体に対して横方向に、前記ミキサーから排出する工程であって、
前記パドルが、中央回転シャフトが混合中に30~450RPMで回転する剪断力を、前記繊維スラリー混合物に加える間、前記セメント質スラリーおよび繊維が前記横型連続ミキサーの前記混合チャンバ中で5~240秒の平均混合滞留時間にわたって混合されて、均一な繊維スラリー混合物を生産し、
前記ミキサーから排出された前記繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定したときに、4~11インチのスランプと、20RPMの速度で動作するSpindle HA4アタッチメント付きのBrookfield Viscometer,モデルDV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満の粘度とを有する、排出する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記混合チャンバが、10~60秒の平均スラリー滞留時間を提供し、前記中央回転シャフトが、混合中に50~250RPMで回転し、前記ミキサーから排出された前記繊維スラリー混合物が、10000センチポアズ未満の粘度を有し、前記第2の下流端混合区分は前記横型筐体の下流端まで延在し、前記第2の下流端混合区分には、オーガがない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の混合区分および/または第2の下流端混合区分の前記パドルが、平坦パドルおよび螺旋パドルからなる群から選択され、前記平坦パドルおよび螺旋パドルが、前記パドルが前記シャフトの一部を取り囲むように前記シャフトに嵌め込まれた中央開口部を有する一体型パドルであり、前記平坦パドルおよび螺旋パドルが、前記シャフトから反対方向に延在する対向する端を有し、前記平坦パドルまたは螺旋パドルが、前記第2の下流端混合区分のパドル部分内で、前記第2の下流端混合区分において使用され、前記個々のシャフトに載置された前記パドルが、前記ミキサー運転中、前記水平配向シャフトが回転モードにあってパドルの互いに対するスクレーピング動作による自己洗浄動作を行うとき、重なるが干渉しない配向にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の混合区分および第2の下流端混合区分が
平坦または螺旋パドルが前記第1の混合区分において使用され、前記第2の下流端混合区分内のパドルが、(a)ピンおよびヘッドを有するパドル、ならびに/または(b)複数のピンを備える構成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
平坦および/または螺旋パドルが、前記第2の下流端混合区分内の前記シャフト上にあり、前記第2の下流端混合区分内の前記シャフト上の全ての隣接するパドルが、互いに対して0~90度の回転を有し、前記第2の下流端混合区分内のパドルの数が、1~10である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の複数のパドルおよび前記第2の複数のパドルからなる群のうちの少なくとも1つの部材中の前記パドルの少なくともいくつかが、ヘッドのないピンを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の混合区分および/または第2の下流端混合区分の前記パドルが、パドルヘッドに係合するピンを備え、前記ピンが、前記水平配向シャフトおよび/または前記パドルヘッドに旋回可能に係合して前記パドルヘッドの前記水平配向シャフト上のそれぞれの場所に対する旋回的回転を可能にし、前記複数のパドルが、前記強化繊維とセメント質スラリーとを混合し、かつ混合されている前記セメント質スラリーと強化繊維とを前記繊維スラリー混合物出口に移動させるように配置され、前記第1の混合区分および第2の下流端混合区分の前記パドルが、前記パドルヘッドに係合された前記ピンを各々備え、前記第2の下流端混合区分には、オーガがない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の混合区分および/または第2の下流端混合区分の前記パドルが、パドルヘッドに係合するピンを備え、前記ピンが、前記水平配向シャフトおよび/または前記パドルヘッドに旋回可能に係合して前記パドルヘッドの前記水平配向シャフト上のそれぞれの場所に対する旋回的回転を可能にし、前記複数のパドルが、前記強化繊維とセメント質スラリーとを混合し、かつ混合されている前記セメント質スラリーと強化繊維とを前記繊維スラリー混合物出口に移動させるように配置され、前記第1の混合区分および第2の下流端混合区分の前記パドルが、前記パドルヘッドに係合した前記ピンを各々備え、前記第2の下流端混合区分には、オーガがなく、前記水平配向シャフトの長手方向軸に対する前記パドルヘッドの長手方向軸の配向が、10°~80°である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パドルの全体的な寸法が、前記ミキサーの前記細長い混合チャンバの内周と前記水平配向シャフトからの前記パドルの最も遠い点との間のクリアランス(空間)が1/4インチ未満となるような寸法である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記セメント質スラリーと繊維とを前記横型連続ミキサーの前記混合チャンバ内で混合して、前記繊維スラリー混合物を前記横型連続ミキサーから排出させ、繊維強化コンクリートパネルを生産するためにパネル生産ラインの移動表面上に厚さ0.4~1.25インチの層として均一に前記パネル生産ラインの前記移動表面上に連続カーテンとして堆積させるのに好適であることを可能にする粘稠性を有する前記均一な繊維スラリー混合物を生産し、前記横型連続ミキサーの前記混合チャンバが、前記パドルが前記セメント質スラリーと繊維に剪断力を加える間、前記横型連続ミキサーの前記混合チャンバ内で前記セメント質スラリーと繊維とを1~120秒の平均混合滞留時間にわたって混合するように適合され、かつ構成されている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、同時係属中の、
【0002】
2016年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/371,554号、名称「CONTINUOUS METHODS OF MAKING FIBER REINFORCED CONCRETE PANELS」、
【0003】
2016年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/371,569号、名称「HEADBOX AND FORMING STATION FOR FIBER REINFORCED CEMENTITIOUS PANEL PRODUCTION」、
【0004】
2016年8月5日に出願された、米国仮特許出願第62/371,578号、名称「CONTINUOUS MIXER AND METHOD OF MIXING REINFORCING FIBERS WITH CEMENTITIOUS MATERIALS」、に関連し、
【0005】
全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0006】
本発明は、連続プロセスで繊維強化セメント質材料とりわけ(繊維強化コンクリート(FRC)パネル)を生産するための連続ミキサー、およびセメント質材料と強化繊維とを混合する方法を開示する。
【背景技術】
【0007】
Dubeyらの米国特許第6,986,812号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、構造用セメントパネル(SCP)生産ライン、または硬化性スラリーが建築パネルまたはボードの生産に使用される同様の用途での使用のためのスラリー送給装置を特徴とする。この装置は、スラリーの供給が保持されるニップを形成するために互いに近接して略並列の関係で置かれた主計量ロールおよび随伴ロールを含む。どちらのロールも、好ましくは同じ方向に回転し、よって、スラリーは、ニップから計量ロールの上に引き出され、SCPパネル生産ラインの移動ウェブ上に堆積される。スラリーの所望の厚さを維持するために、厚さ制御ロールが、主計量ロールに近接して動作可能に設けられる。
【0008】
George他への米国特許第7,524,386B2号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、セメント質粉体および液体の湿式スラリーを形成するための、縦型混合チャンバを有する湿式ミキサーを用いたプロセスを開示している。縦型混合チャンバは、必要とされる混合量を提供して、混合滞留時間内で、完全に混合された均一の薄いスラリーを提供するように設計され、十分なスラリーの供給が、関連するセメントパネル生産ラインの連続運転を可能にする。また、セメント質粉体および水をチャンバのスラリー混合領域に供給するための重力送給手段も開示されている。SCPパネルの調製において、重要な工程は、セメント質粉体を混合して、スラリーを形成することである。次いで、スラリーをチャンバの底部から引き出し、キャビティポンプを通してスラリー送給装置に圧送する。典型的な従来の連続セメントミキサーは、建設業界においてコンクリートスラリーを混合し、圧送するために使用される、M-TEC、GmbH、Neuenburg、GermanyからのDuo MIX2000連続セメントミキサーである。
【0009】
George他への米国特許第7,513,963B2号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、湿式ミキサー装置およびその使用方法を開示しており、該ミキサーは、セメント質スラリーおよび水の湿式スラリーを形成するための縦型混合チャンバを有する。縦型混合チャンバは、必要とされる混合量を提供して、混合滞留時間内で、完全に混合された均一の薄いスラリーを提供するように設計され、十分なスラリーの供給が、関連するセメントパネル生産ラインの連続運転を可能にする。また、セメント質粉体および粉体を予め混合することなく、該粉体および水を別々にチャンバのスラリー混合領域に供給するための重力送給も開示されている。
【0010】
Dubeyらの米国特許第8,038,790号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、耐震壁、フローリング、およびルーフィングシステムで使用するための骨組みに締結するときに、合板および配向性ストランドボードによって提供される横方向および剪断負荷に等しい横方向および剪断負荷に抵抗するための構造用セメントパネルを開示している。このパネルは、他の構造用セメントパネルと比較して低減された熱伝達を提供する。このパネルは、硫酸カルシウムアルファ半水化物、水硬性セメント、被覆膨張パーライト粒子充填剤、任意選択の追加的な充填剤、活性ポゾラン、および石灰の水様混合物が硬化することによって生じる連続相のうちの1つ以上の層を用いる。この被覆パーライトは、1~500ミクロンの粒子サイズ、20~150ミクロンの中位径、および0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する。このパネルは、繊維、例えば耐アルカリ性ガラス繊維によって強化される。
【0011】
その全体が参照により本明細書に組み入れられている、Dubeyらへの米国特許出願公開第2005/0064164号は、(a.)移動ウェブを提供することと、(b.)(i)ウェブ上に個別の結ばれていない繊維の第1の層を堆積させ、続いてウェブ上に硬化可能なスラリーの層を堆積させることと、(ii)ウェブ上に硬化可能なスラリーの層を堆積させることと、のうちの1つと、(c.)スラリー上に個別の結ばれていない繊維の第2の層を堆積させることと、(d.)スラリー中に互いに結ばれていない繊維の第2の層を能動的に埋め込んで、スラリー全体に前記繊維を分布させることと、(e.)硬化可能な繊維強化スラリーの所望の数の層が得られ、繊維がパネル全体にわたって分散されるようになるまで、(d.)によりステップ(ii)を反復することと、を含む、構造用セメント質パネルを生産するための多層プロセスを開示している。また、このプロセスによって生産される構造用パネル、このプロセスに従って構造用セメント質パネルを生産するのに好適な装置、および多数の層を有する構造用セメント質パネルも提供され、各層が、硬化性スラリーの層を移動ウェブ上に堆積させ、繊維をスラリー上に堆積させ、そしてスラリーに繊維を埋め込みその結果各層が隣接する層と一体的に形成されることによって作成される。
【0012】
Chen他への米国特許出願公開第2006/0061007号は、セメント質物品を押し出すための方法および装置を開示している。この押し出し機は、ケースを含み、その中には、回転可能に載置された一対の相互嵌合自己ワイピングスクリューを有する。このスクリューは、様々な送給手段を通して提供される繊維セメントの成分を混合し、練り、実質的に均一なペーストを形成し、ダイを通してペーストに力を加えて、鋳造に適した未硬化のセメント質押し出し物を形成する。押し出しのためのセメント質混合物は、非常に粘性があり、また、セメント質パネル生産ライン上のヘッドボックスを介したショットクリートまたは堆積などの使用に好適ではない。
【0013】
繊維強化セメント質スラリーを生産するための現在の最先端の混合技術は、典型的に、業界標準バッチミキサーの使用を含み、該バッチミキサーでは、最初に、強化繊維を含む全ての原材料が加えられ、次いで、数分間混合されて、繊維がランダムに分散したスラリー混合物が得られる。回転ドラムおよび回転パンミキサーは、繊維強化セメント質スラリー混合物を調製するために一般的に使用される、コンクリートミキサーの例である。現在の最先端のコンクリートミキサーおよび繊維強化セメント質スラリー混合物を生産するための混合技術におけるいくつかの主要な制限および欠点には、以下が挙げられる。
【0014】
バッチミキサーにおける混合運転が連続的ではなく、したがって、連続パネル生産ラインの事例にあるようなスラリーの連続供給が必要である場合における適用をさらに困難にしている。
【0015】
十分にブレンドされた均一なスラリー混合物を得るためのバッチミキサーの混合時間が、典型的に、数分程度と非常に長い。
【0016】
バッチミキサーには大量の繊維が一度に加えられるので、混合運転中に繊維が塊状および球状になることをもたらす。
【0017】
バッチ混合プロセスに関係する混合時間がより長いため、強化繊維に損傷を与え、破壊する傾向がある。
【0018】
バッチミキサーは、急速硬化性セメント質材料の取り扱いに関してはあまり有用でなく、実用的でない。
【0019】
高い強化繊維濃度を有するセメント質パネル用のスラリーを生産するための単層プロセスに対する必要性が存在する。したがって、ガラス繊維を含有する十分な混合流体セメント質スラリーへの供給を確実にして連続パネル生産ラインに供給する湿式混合装置に対する必要性が存在する。連続セメント質パネル製造ラインで使用するためのスラリーを提供するために、適切な流動学のスラリーおよび十分な流動性をもたらすように、ミキサーにおけるセメント質反応性粉体、ガラス繊維、および水の混合の程度を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0020】
本発明は、硬化性スラリーが繊維強化建築用パネルまたはボードの製造に使用されるセメン質パネル製造ラインなどの移動ウェブ上にスラリーを堆積させるのに使用するためのスラリー送給装置(典型的には「ヘッドボックス」として知られる)に送給するスラリーを調製するための湿式ミキサー装置を使用する。
【0021】
現在の最先端のコンクリートミキサーの制限および欠点を考慮すると、本発明のいくつかの目的は、以下のようになる。
【0022】
均一に混合された繊維強化セメント質スラリー混合物を生産するために、繊維と残りのセメント質成分とを連続ブレンドすることを可能にするミキサーを提供する。
【0023】
均一にブレンドされた繊維強化セメント質スラリー混合物を生産するために必要とされる混合時間を数分から60秒未満、好ましくは30秒未満に短縮するミキサーを提供する。
【0024】
混合運転中に繊維を球状および塊状にさせないミキサーを提供する。
【0025】
混合動作の結果として、強化繊維に損傷を与えないミキサーを提供する。
【0026】
本発明は、連続的に送給することができるセメント複合スラリーの調製方法であって、
少なくとも1つの乾燥セメント質粉体入口ポートを通して乾燥セメント質粉体を横型連続ミキサーに送給する工程であって、
横型連続ミキサーが、
内部側壁を有する横型(典型的に円筒)筐体によって画定された細長い混合チャンバであって、細長い混合チャンバが、上流端送給区分、第1の混合区分、および第2の下流端混合区分を有し、第1の混合区分が、上流端送給区分と第2の下流端混合区分との間にある、細長い混合チャンバと、
細長い混合チャンバの上流端から細長い混合チャンバの下流端まで横断し、かつ細長い混合チャンバ内で回転する、少なくとも一対の水平配向相互嵌合自己ワイピングインペラと、を備え、
細長い混合チャンバの上流端送給区分内で各々水平に載置されたインペラが、オーガを備え、乾燥セメント系粉体が、細長い混合チャンバの上流端送給区分の中へ送給され、かつオーガによって第1の混合区分に搬送される、送給する工程と、
水を含む液体流を、少なくとも1つの乾燥セメント系粉体入口ポートの下流の少なくとも1つの液体流入口ポートを通して連続スラリーミキサーの細長い混合チャンバの中へ送給し、乾燥セメント系粉体および液体流を、セメント系スラリーを形成するために第1の混合区分内で混合する工程であって、
第1の混合区分内で各々水平に載置されたインペラが、一定間隔かつ異なる円周方向の場所でインペラの水平配向シャフト上に載置された第1の複数の混合パドルを備え、パドルが、横型、好ましくは円筒筐体内で水平配向シャフトを中心として回転され、パドルが、シャフトから半径方向に延在する、混合する工程と、
強化繊維の流れを、少なくとも1つの強化繊維入口ポートを通して第2の混合区分の中へ送給し、セメント系スラリーおよび強化繊維を、繊維スラリー混合物を形成するために、第2の混合区分内で混合する工程であって、
細長い混合チャンバの第2の混合区分内で各々水平に載置されたインペラの少なくとも一部分が、
オーガと、
一定間隔かつ異なる円周方向の場所でミキサーの水平配向シャフト上に載置された第2の複数の混合パドルであって、パドルが、横型(好ましくは円筒形の)筐体内でそれぞれの水平配向シャフトを中心として回転され、パドルが、それぞれのシャフトから半径方向に延在している、第2の複数の混合パドルと、からなる群から選択される少なくとも1つの部材を備える、混合する工程と、
繊維スラリー混合物をミキサーから第2の混合区分の下流端部分の繊維スラリー混合物出口ポートを通して排出する工程であって、
回転パドルが、中央回転シャフトが混合中に、30~450rpm、より好ましくは、40~300rpm、および最も好ましくは50~250rpmで回転する剪断力を繊維スラリー混合物に加える間、セメント質スラリーおよび繊維が横型連続ミキサーの混合チャンバ中で約5秒~約240秒、好ましくは10秒~180秒、より好ましくは10~120秒、最も好ましくは10秒~60秒の平均混合滞留時間にわたって混合されて、均一な繊維スラリー混合物を生産し、横型連続ミキサーから排出された繊維スラリー混合物が、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定したときに、4~11インチのスランプを有する、排出する工程と、を含む、方法を提供する。
【0027】
得られる繊維-スラリー混合物はまた、また20RPM速度で作動するスピンドルHA4を備えたブルックフィールド粘度計、モデルDV-II+Proを使用して、測定した場合、45000センチポアズ未満、好ましくは30000センチポアズ未満、より好ましくは15000センチポアズ未満、最も好ましくは10000センチポアズ未満の粘度を有する。典型的に、結果として生じる繊維スラリー混合物は、少なくとも1500センチポアズの粘度を有する。繊維スラリー混合物はまた、典型的に、可塑剤および超可塑剤も含む。可塑剤は、一般に、製紙業界による副生成物であるリグノスルホン酸塩から製造される。超可塑剤は、一般に、スルホン化ナフタレン縮合物もしくはスルホン化メラミンホルムアルデヒドから、またはポリカルボキシルエーテルに基づいて製造されている。
【0028】
パドルという用語は、シャフトを中心として回転するためにシャフトから半径方向に延在する任意の構造を意味する。パドルは、様々な形状のうちのいずれかを有し得る。例えば、好ましいパドルは、平坦パドル、螺旋パドル、または対向端である、シャフトに取り付けるための一端、および幅広パドルヘッドに取り付けるための他端を有するピンから製造されたパドルである。パドルヘッドなしで使用されるピンもまた、本発明の範囲内のパドルとみなされる。
【0029】
本繊維スラリー混合物は、好ましくは、増粘剤、または材料の粘度を実質的に増加させる他の添加剤を含まない。
【0030】
各水平配向シャフトが、ミキサーが運転中であるときにシャフトの回転を達成するために、例えば、電気、燃料ガス、ガソリン、または他の炭化水素によって給電される駆動機構および駆動モーターに外部接続される。
【0031】
繊維スラリーミキサーから排出された繊維スラリー混合物は、様々な用途、例えば、彫像、ショットクリート、斜面の浮石の固定、土壌の安定化、トンネルおよび鉱山のライニング、プレキャストコンクリート製品、舗道および橋床、土間コンクリート、修理用途、または繊維強化セメント製建築用パネルもしくはボードの作製に好適である。
【0032】
繊維強化セメントパネル(繊維強化コンクリートパネル、略してFRCパネルとしても知られている)を生産するために硬化可能な繊維スラリー混合物を使用する場合、繊維スラリー混合物は、パネル生産ラインの移動表面上に繊維スラリー混合物を堆積するスラリー送給装置(「ヘッドボックス」として知られている)に、0.125~2インチ厚、好ましくは0.25~1インチ厚、典型的には0.40~0.75インチ厚の層として送給して、繊維強化セメントパネルを生産する。本発明の繊維スラリー混合物からセメント質パネルを生産するためのプロセスは、最大で単一層の繊維強化セメント質スラリーを有するパネルを生産する。好ましくは、移動表面は、毎分1~100フィート、より好ましくは毎分5~50フィートの速度で移動する。これは当該技術分野において周知の従来の押出法よりも実質的に速い。好ましくは、スラリーは、幅4~8フィートの範囲のボードに対して毎分0.10~25立方フィートの速度で移動表面に堆積される。本発明の製造方法はまた、極めて高い粘度を有するセメント混合物を利用する従来の押出方法よりも実質的に速い。
【0033】
結果として生じる本発明の繊維スラリー混合物は、押し出しプロセスで使用されるセメント質混合物よりも優れている。そのような押し出し混合物は、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定したときに、0~2インチのスランプを有し、また、50000センチポアズを超える、粘度を有する。押し出し混合物はまた、本発明の繊維-スラリー混合物中に存在する可塑剤および超可塑剤を含まない。上述のように、可塑剤は、一般に製紙工業からの副産物であるリグノスルホネートから製造される。超可塑剤は、一般に、スルホン化ナフタレン縮合物もしくはスルホン化メラミンホルムアルデヒドから、またはポリカルボキシルエーテルに基づいて製造されている。
【0034】
本明細書で開示される本発明のミキサーおよび混合方法の示差的特徴は、添加繊維に過度の損傷を与えることなく、連続運転において強化繊維と残りのセメント質成分とをブレンドする、このミキサーの能力である。さらに、本発明のミキサーおよび混合方法は、望ましい加工粘稠性を有する繊維強化セメント系スラリー混合物の生産を可能にする。このミキサーによって生産される好ましい流動学的性質を有するスラリーは、様々な製造プロセスを使用して製品を生産するために有益に利用することができる。例えば、加工可能なスラリー粘稠性は、高いライン速度で動作している連続形成ライン上のパネル製品のさらなる処理および形成を容易にする。
【0035】
好ましくは、ミキサーのパドルは、
【0036】
各々パドルヘッドに係合するピンを備える第1の複数の混合および搬送パドルのパドルであって、ピンは、水平配向シャフトおよび/またはパドルヘッドに旋回可能に係合して、それぞれの場所に対する水平配向シャフト上のパドルヘッドの旋回回転を可能し、複数のパドルが、乾燥セメント質粉体と液体流とを混合してセメント質スラリーを形成し、そのセメント質スラリーを第2の混合区分に移動させるように配置されている、第1の複数の混合および搬送パドルのパドルと、
【0037】
各々パドルヘッドに係合するピンを備える第2の複数の混合および搬送パドルのパドルであって、ピンは、水平配向シャフトおよび/またはパドルヘッドに旋回可能に係合して、それぞれの場所に対する水平配向シャフト上のパドルヘッドの旋回的回転を可能し、複数のパドルが、強化繊維とセメント質スラリーとを混合し、混合されているセメント質スラリーと強化繊維とを繊維スラリーミキサーの出口に移動させるように配置されている、第2の複数の混合および搬送パドルと、からなる群の両方の部材を含む。
【0038】
好ましくは、横型ミキサーの混合チャンバは、回転パドルが剪断力を加える間、横型ミキサーの混合チャンバ中でセメント質スラリーと繊維とを約5~約240秒、好ましくは10~180秒、より好ましくは10秒~120秒、最も好ましくは10~60秒の平均混合滞留時間にわたって混合するように適合かつ構成され、中央回転シャフトは、繊維スラリー混合物に対して、30~450RPM、より好ましくは40~300RPM、そして最も好ましくは50~250RPMで回転して、繊維スラリー混合物を繊維スラリーミキサーから排出させることを可能にする粘稠性を有する上記のような均一性を有する均一な繊維スラリー混合物を生成する。
【0039】
本発明のミキサーは、移動ウェブを支持するコンベア型フレームと、フレームと動作的に関係し、セメント質スラリーを繊維スラリーミキサーの中へ送給するように構成された第1の水およびセメント質材料ミキサーと、フレームと動作的に関係し、硬化可能な繊維含有セメント質スラリーの層を移動ウェブ上に堆積させるように構成された第1のスラリー送給ステーション(ヘッドボックス)と、を含む繊維強化セメント質組成物の最大で単一の層を有するセメント質パネルを生産するための装置の一部として使用することができる。下流は硬化したスラリーをセメントボードに切断するための装置である。
【0040】
本明細書に開示される方法は、バッチ方法とは対照的に、連続方法である。連続方法において、最終製品を製造するために必要とされる原材料は、計量され、最終製品が生産されている速度(マスバランス)に等しい速度、つまり、プロセスにおける原材料送給の流れおよびプロセスの外への最終製品の流れが同時になる速度で連続的に送給される。バッチ方式では、最終製品を製造するために必要とされる原材料を、最初に、大量に組み合わせて、適切な容器に貯蔵するための混合物の大きいバッチを調製し、続いて、この混合物のバッチを、貯蔵容器から引き出して、最終製品の複数の部分を生産する。
【0041】
本明細書において、他に指示がない限り、全ての組成パーセントは、重量パーセントである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の方法のブロックフロー図である。
図2A】本繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施形態の第1の混合区分内の2つのシャフトが載置されたミキサー入口および平坦パドルにおけるオーガ区分を示す。
図2B】本発明の繊維スラリー混合装置の横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施形態におけるミキサー乾燥粉体入口のオーガ区分の一部を示す図である。
図2C】本繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施形態の平坦混合パドルを示す。
図2D】本繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーに使用するのに好適な螺旋混合パドルを示す。
図2E】本繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施形態の第1の混合区分内の2つのシャフトが載置された平坦パドルを示す。
図2F】はシャフト上の平坦パドルと螺旋パドルを示す。
図3A】第1の区分が、混合パドルを有し、第2の混合区分が、両方のシャフト上にオーガのみを有する本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの第1の構成を示す。
図3B】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、両シャフト上にオーガと、それに続いてパドルと、を有する本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの第2の構成を示す。
図3C】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、両シャフト上にオーガと、それに続くパドル(複数可)と、続いてオーガと、を有する本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの第3の構成を示す。
図3D】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、シャフト上にパドルのみまたはピンのみを有する本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの第4の構成を示す。
図4A】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、パドルのみを有する本発明の横型デュアルシャフト(1つのシャフトのみ示す)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Dに概略的に示す)の概略側面図を示す。
図4B図4Aの本繊維スラリー混合デバイスの横型繊維スラリーミキサーの実施形態のパドル(ピンとヘッドを有する)の斜視図を示す。
図4C図4Aの本繊維スラリー混合デバイスの横型繊維スラリーミキサーの実施形態のパドル(ピンとヘッドを有する)およびシャフトの一部の斜視図を示す。
図4D図4Aの本発明の繊維スラリー混合デバイスの混合チャンバへの扉が開いた状態のミキサーの拡大図であり、中央シャフトに関して(ピンとヘッドを有する)パドルの向きを示している(明瞭にするために1つのシャフトを示す)。
図4E】第1の混合区分がパドルを有し、第2の混合区分が両シャフト上にオーガと、それに続くパドルと、を有するデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Bに概略的に示す)を示す。
図4F】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、両シャフト(明瞭化のために1つのシャフトを示す)上にオーガと、それに続くパドル(複数可)と、それ続いてオーガと、を有する本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Cに概略的に示す)を示す。
図4G】第1の混合区分がパドルを有し、第2の混合区分が両シャフト上にオーガと、それに続くピン(複数可)と、す)上にオーガと、それに続くオーガと、を有するデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Bに概略的に示す)を示す。
図4H】第1の混合区分がパドルを有し、第2の混合区分が両方のシャフト上にピンのみを有する、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトが示される)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Dに概略的に示される)を示す。
図4I】第1の混合区分がパドルを有し、第2の混合区分が両方のシャフト上にオーガを有する、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトが示される)多段連続繊維スラリーミキサーの構成(図3Aに概略的に示される)を示し、パドルは、平坦パドルまたは螺旋パドルである。
図4J】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、両方のシャフト(明瞭性のため1つのシャフトが示される)上に、オーガと、それに続くパドルと、を有する、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーを有する構成(図3Bに概略的に示される)を示し、パドルは、平坦パドルまたは螺旋パドルであり、シャフトが見えるパドル間の空き空間は、パドルの存在を伝えることを意図する。
図4K】第1の混合区分が、平坦パドルのおよび/または螺旋パドル(複数可)を有し、第2の混合区分が、両方のシャフト上(明瞭化のため1つのシャフトが示されている)にオーガと、それに続く平坦パドルのおよび/または螺旋パドル(複数可)と、それに続くオーガと、を有する構成(図3Cに概略的に示される)を示し、パドルは、平坦パドルまたは螺旋パドルであり、シャフトが見えるパドル間の空き空間は、パドルの存在を伝えることを意図する。
図4L】第1の混合区分が、パドルを有し、第2の混合区分が、両方のシャフト上(明瞭性のため1つのシャフトが示される)にパドルを有する、本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーを有する構成(図3Dに概略的に示される)を示し、パドルは、平坦パドルまたは螺旋パドルであり、シャフトが見えるパドル間の空き空間は、パドルの存在を伝えることを意図する。
図4M】第1の混合区分が、1つのタイプのパドルを有し得、第2の混合区分が、異なるタイプのパドルを有し得る、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーを有する構成(図3Dに概略的に示される)の変形例の図式的側面図を示し、この構成における好ましい配置は、第1の混合区分内に平坦パドルおよび/または螺旋パドル、第2の混合区分24内にピンおよびヘッドおよび/または複数のピンのみを含むパドルを有することである。
図5】本繊維スラリー混合デバイスとの使用に好適なセメント質パネル生産ラインの図式的正面図である。
図6】ヘッドボックスの上流のセメント質パネル生産ラインの一部分のプロセスフローチャート、およびヘッドボックスの下流のセメント質パネル生産ラインの上面図の複合図として、図5のセメント質パネル生産ラインを示す図である。
図7】ヘッドボックスの上流の本繊維スラリー混合デバイスと共に使用するのに好適なセメント質パネル生産ラインの一部分のプロセスフローチャート、およびヘッドボックスの下流のセメント質パネル生産ラインの上面図の複合図として、図5のセメント質パネル生産ラインの第1の変形例を示す図である。
図8】ヘッドボックスの上流の本繊維スラリー混合デバイスと共に使用するのに好適なセメント質パネル生産ラインの一部分のプロセスフローチャート、およびヘッドボックスの下流のセメント質パネル生産ラインの上面図の複合図として、図5のセメント質パネル生産ラインの第2の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の方法のブロックフロー図である。この方法では、乾燥粉体送給機2からの乾燥セメント粉体の流れ5は、乾燥セメント質粉体入口導管5aを通過して、繊維スラリーミキサー32の第1の送給区分20に送給する。1つ以上のポンプ3からの水性媒体流7が、少なくとも1つの水性媒体流導管7a(2つ示す)を通過して、繊維スラリーミキサー32の第1の混合区分22および任意選択で第1の送給区分20に送給される。強化繊維の流れ34は、繊維送給機33から強化繊維流導管34aを通過して、繊維スラリーミキサー32の第2の混合区分24に送給される。乾燥セメント質粉体の流れ5、水性媒体流7、および強化繊維の流れ34は、繊維スラリーミキサー32内で合流して、繊維セメント混合物36の流れを作り出し、それはミキサー32の下流端で排出導管36aを通して排出する。
【0044】
結果として生じる繊維スラリー混合物は、様々な用途に適している。例えば、結果として生じるスラリーは、彫像、ショットクリート、浮石の固定、土壌の安定化、プレキャストコンクリート製品、舗道、修理用途として、または、繊維強化コンクリートパネルを生産するための、パネル生産ラインの移動表面上で厚さ0.125~2インチ、好ましくは厚さ0.25~1インチ、より好ましくは厚さ0.4~0.8インチ、典型的には厚さ0.5~0.75インチの層としての均一なパネル生産ラインの移動表面上の層として堆積させ、使用することに好適である。結果として生じる繊維スラリー混合物は、45000センチポアズ未満、より好ましくは30000センチポアズ未満、および最も好ましくは15000センチポアズ未満の粘度を有する。典型的に、結果として生じる繊維スラリー混合物は、少なくとも1500センチポアズの粘度を有する。結果として生じる繊維スラリー混合物はまた、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って、4~11インチのスランプも有する。結果として生じる繊維スラリー混合物は、典型的にスラリー混合物の組成物が極めて高い粘度を有することに依存する押し出し製造プロセスには好適ではない。
【0045】
スランプ試験は、本発明の方法および装置によって生産されるセメント質組成物のスランプおよび流動挙動を特徴付ける。本明細書において使用されるスランプ試験は、平滑プラスチック表面上に静置する一開端によって垂直に保持された、直径約5.08cm(2インチ)および長さ約10.16cm(4インチ)の中空円筒を利用する。円筒は、セメント質混合物を頂部まで充填し、続いて、上面を叩いて、余分なスラリー混合物を除去する。次いで、円筒を緩やかに縦方向に持ち上げて、スラリーが底部から出て、プラスチック表面に広がり、円形のパテを形成させる。次いで、パテの直径を測定し、材料のスランプとして記録する。本明細書で使用される場合、良好な流動挙動を有する組成物は、より大きいスランプ値をもたらす。
【0046】
図3A~3Dおよび図4A~4Mに見られるように、本発明は、以下の一次ミキサーの変形を使用する。
【0047】
ミキサー乾燥粉体入口
オーガ(パドルで乾燥粉体を第1の混合区分に移動する)
第1の混合区分-パドル(いずれかのタイプ)
第2の混合区分-可能な様々なシナリオ-オーガのみ、パドルのみ、またはオーガとパドルの組み合わせ。
【0048】
横型繊維スラリー連続ミキサー
本発明の繊維スラリー連続ミキサーは、好ましくは以下の結果を達成する。
【0049】
均一に混合された繊維強化セメント質スラリー混合物を生産するために、繊維および残りのセメント質成分を連続ブレンドすることを可能にする。
【0050】
均一にブレンドされた繊維強化セメント質スラリー混合物を生産するために必要とされる混合時間を数分~60秒未満、好ましくは30秒未満に短縮する。一般に、チャンバは、約5秒~約240秒、好ましくは10秒~180秒、より好ましくは10秒~120秒、最も好ましくは10秒~60秒の平均スラリー滞留時間を提供する。
【0051】
混合運転中に繊維を球状および塊状にさせない。
【0052】
混合動作の結果として、強化繊維への損傷を生じさせない。
【0053】
製造および構築用途において有用な急速硬化性セメント質材料の使用を可能にする。
【0054】
本発明の一部として開示される横型繊維スラリー連続ミキサーを使用する方法は、
乾燥セメント系粉体を、少なくとも1つの乾燥セメント系粉体入口ポートを通して横型連続ミキサーの中へ送給する工程であって、
横型連続ミキサーが、
細長い混合チャンバであって、細長い混合チャンバが、内部側壁を有する横型(典型的に円筒)筐体によって画定され、細長い混合チャンバが、上流端送給区分、第1の混合区分、および第2の下流端混合区分を有し、第1の混合区分が、上流端送給区分と第2の下流端混合区分との間である、細長い混合チャンバと、
細長い混合チャンバの上流端から細長い混合チャンバの下流端まで横断し、かつ細長い混合チャンバ内で回転する、少なくとも一対の水平配向相互嵌合自己ワイピングインペラと、を備え、
細長い混合チャンバの上流端送給区分内で各々水平に載置されたインペラが、オーガを備え、乾燥セメント系粉体が、細長い混合チャンバの上流端送給区分の中へ送給され、かつオーガによって第1の混合区分に搬送される、送給する工程と、
水を含む液体流を、少なくとも1つの乾燥セメント系粉体入口ポートの下流の少なくとも1つの液体流入口ポートを通して連続スラリーミキサーの細長い混合チャンバの中へ送給し、乾燥セメント系粉体および液体流を、セメント系スラリーを形成するために第1の混合区分内で混合する工程であって、
第1の混合区分内で各々水平に載置されたインペラが、一定間隔かつ異なる円周方向の場所でインペラの水平配向シャフトに載置された第1の複数の混合および搬送パドルを備え、パドルが、横型、好ましくは円筒筐体内で水平配向シャフトを中心として回転され、パドルが、シャフトから半径方向に延在する、混合する工程と、
強化繊維の流れを、少なくとも1つの強化繊維入口ポートを通して第2の混合区分の中へ送給し、セメント系スラリーおよび強化繊維を、繊維スラリー混合物を形成するために、第2の混合区分内で混合する工程であって、
細長い混合チャンバの第2の混合区分内で各々水平に載置されたインペラの少なくとも一部分が、
オーガと、
一定間隔かつ異なる円周方向の場所でミキサーの水平配向シャフト上に載置された第2の複数の混合および搬送パドルであって、パドルが、横型筐体内で各々、それぞれの水平配向シャフトを中心として回転され、パドルが、それぞれのシャフトから半径方向に延在している、第2の複数の混合パドルと、からなる群から選択される少なくとも1つの部材を備える、混合する工程と、
繊維スラリー混合物をミキサーから第2の混合区分の下流端部分の繊維スラリー混合物出口ポートを通して排出する工程であって、
セメント質スラリーおよび繊維は、回転パドルが剪断力を加える間、約5秒~約240秒、好ましくは10秒~180秒、より好ましくは10~120秒、最も好ましくは10秒~60秒の平均混合滞留時間にわたって横型繊維スラリーミキサーの混合チャンバ中で混合され、中央回転シャフトは、繊維スラリー混合物に対して、混合中に、30~450rpm、より好ましくは、40~300rpm、および最も好ましくは50~250rpmで回転し、ミキサーから排出された繊維スラリー混合物は、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定したときに、4~11インチ、好ましくは6~10インチのスランプ、および45000センチポアズ未満、好ましくは30000センチポアズ未満、より好ましくは15000センチポアズ未満の粘度を有する、排出することと、を含む、方法。
【0055】
結果として生じる繊維スラリー混合物はまた、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って、4~11インチのスランプも有する。結果として生じる繊維スラリー混合物は、典型的にスラリー混合物の組成物が極めて高い粘度を有することに依存する押し出し製造プロセスには好適ではない。
【0056】
各水平配向シャフトが、ミキサーが運転中であるときにシャフトの回転を達成するために、例えば、電気、燃料ガス、ガソリン、または他の炭化水素によって給電される駆動機構および駆動モーターに外部接続される。
【0057】
第1および/または第2の混合区分のパドルは、平坦パドルまたは螺旋パドルであり得る。平坦パドルおよび螺旋パドルは、パドルがシャフトの一部分を取り囲むようにシャフトに嵌め込まれる中央開口部を有する一体型パドルである。また、平坦パドルおよび螺旋パドルは、シャフトから反対方向に延在する対向端を有する。好ましくは、平坦パドルまたは螺旋パドルが第2の混合区分内で用いられる場合、それらは、第2の混合区分のパドル区分内で用いられ、オーガもまた、パドル区分の前および/または後に第2の混合区分内で用いられる。
【0058】
しかしながら、代替において、第1および/または第2の混合区分のパドルが、ボードパドルヘッドに係合されたピンを備え、ピンが、水平配向シャフト上のそれぞれの場所に対するパドルヘッドの旋回的回転を許容するように、水平配向シャフトおよび/またはパドルヘッドに旋回可能に係合され、パドルが、強化繊維およびセメント系スラリーを混合し、かつ混合されているセメント系スラリーおよび強化繊維を繊維スラリー混合物出口に移動するように配置されている。好ましくは、第1および第2の混合区分のパドルが各々、パドルヘッドに係合されたピンを備える場合、第2の混合区分は、オーガを有していない。第2の混合区分は、繊維をスラリーと混合するためにピンのみ(パドルヘッドなし)を任意に有し得る。ピンの断面形状は、円形、平坦(すなわち、正方形または長方形)、三角形、楕円形、または任意の他の形状のいずれかであり得る。細長い断面を有するピン(例えば、長方形または楕円形の断面)が用いられる場合、ピンは、好ましくは、それらが材料を混合することを助けるのみならず、材料をミキサー出口に向かって前方に移動させる機能も提供するように配向される。
【0059】
中央シャフトは、ミキサーが運転中であるときにシャフトの回転を達成するために、例えば電気、燃料ガス、ガソリン、または他の炭化水素によって給電される駆動機構および駆動モーターに外部接続される。典型的に、電気モーターおよび駆動機構は、混合チャンバ内の中央シャフトを駆動することになる。
【0060】
本明細書で開示されるミキサーおよび混合方法の顕著な特徴は、添加繊維に過度の損傷を与えることなく、連続運転中に強化繊維および残りのセメント質成分をブレンドする、このミキサーの能力である。さらに、本発明のミキサーおよび混合方法は、望ましい加工粘稠性を有する繊維強化セメント質スラリー混合物の生産を可能にする。多段繊維スラリーミキサーから排出された繊維スラリー混合物は、様々な用途、例えば、彫像、ショットクリート、斜面の浮石の固定、土壌の安定化、トンネルおよび鉱山のライニング、プレキャストコンクリート製品、舗道および橋床、土間コンクリート、修理用途、または繊維強化コンクリート建築パネルもしくはボードの作製に好適である。例えば、加工可能なスラリー粘稠性は、高いライン速度で動作している連続形成ライン上のパネル製品のさらなる処理および形成を容易にする。
【0061】
生産された均一な繊維スラリー混合物は、繊維スラリー混合物を横型繊維スラリーミキサーから排出することを可能にし、また、パネル生産ラインの移動表面上で厚さ0.25インチ~2.00インチ、好ましくは厚さ0.25インチ~1インチ、典型的には厚さ0.5インチ~0.75インチの層として均一にパネル生産ラインの移動表面上に連続層として堆積させて、繊維強化コンクリートパネルを生産することに好適な粘稠性を有する。
【0062】
本発明の多段連続ミキサーは、デュアルシャフトミキサーまたはマルチシャフトミキサーのいずれかであり得る。好ましくは、本発明の多段連続ミキサーは、デュアルシャフトミキサーである。
【0063】
本発明の多段連続ミキサーは、初期オーガ区分および少なくとも2つの混合区分を有する。乾燥粉体は、ミキサーの一端に位置する入口ポートを通ってミキサーの中へ導入される。オーガ区分内に位置するオーガは、乾燥粉体を第1の混合区分の中へ前進させる。第1の混合区分は、セメント系スラリー混合物の均一なブレンドを生産するために、水を含む液体添加物と乾燥粉体を混合することを意図されている。ミキサーの第1の区分内でそのように生産されたセメント系スラリー混合物は、第2のミキサー区分に搬送される。第2の混合区分は、繊維が、第1の混合区分から生産および搬送されたセメント系スラリーとブレンドされる場所である。結果として生じる繊維強化スラリー混合物は、第2のミキサー区分の一端に位置する出口ポートを通ってミキサーを出る。
【0064】
本発明の一部として開示された多段デュアルシャフト(またはマルチシャフト)連続ミキサーの様々な重要な構成要素および特徴は、以下のように強調され得る。
【0065】
細長い混合チャンバ
細長い二重バレル混合チャンバが、連続ミキサーのデュアル回転シャフト(またはマルチ回転シャフト)を収容する。
【0066】
混合チャンバの長さは、典型的に、約2フィート~8フィートのいずれかの範囲である。混合チャンバの好ましい長さは、約3フィート~6フィートである。
【0067】
混合チャンバの直径は、典型的に、約3インチ~24インチのいずれかの範囲である。混合チャンバの直径は、好ましくは、約5インチ~12インチの範囲である。
【0068】
ミキサーの一端から他端まで横断する細長い混合チャンバ内に載置されたデュアル回転シャフト(またはマルチ回転シャフト)。シャフトは、ミキサーが運転しているときにシャフトの回転を達成するために駆動機構および電気モーターに外部接続される。シャフトは、30RPM~450RPM、より好ましくは40RPM~300RPM、最も好ましくは50RPM~250RPMの範囲の速度で回転する。ミキサーの開発および最適化作業の一部として、比較的低いミキサー速度が好ましく、セメント系スラリー混合物中に優れた繊維の分散を提供することが発見された。さらに、本発明の目的のためにより低い混合速度を使用する別の重要な利点は、繊維の破損の低減、および繊維強化セメント系スラリー混合物のさらなる処理において有用な優れた材料の作業特性を結果としてもたらすことである。ギア、チェーンまたはベルト配置と共に可変周波数駆動が、ミキサーが運転しているときに回転シャフトを旋回させるためにミキサーと共に典型的に使用される。可変周波数駆動は、生産プロセスに関係する原材料の所与の組み合わせのために、ミキサーの速度を調整および微調整するために有用である。
【0069】
オーガ区分が、乾燥粉体をミキサー入口ポートから連続ミキサーの第1の混合区分に搬送するために使用される。ミキサーシャフトの初期長さは、乾燥粉体の前進を達成するオーガの形態である。デュアルシャフト(またはマルチシャフト)がミキサー内で使用されるとき、個々のシャフトは、1つのオーガ区分からのフライトが第2のオーガ区分からのフライトに対して重なる位置にあるようにミキサー内に位置付けされる。ミキサー内の2つのオーガ区分のこの重なる配置は、ミキサーのオーガ区分に自己洗浄動作を提供する。デュアルシャフトミキサー構成内の初期オーガ区分(乾燥粉体ミキサー入口付近に位置する)が、図2Aおよび2Bに示される。
【0070】
図2Aは、本繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施態様を示す。特に、図2Aは、ミキサー入口にオーガ26を有する第1の送給区分20(オーガ区分としても知られている)を示す。図2Aはまた、2つのシャフト上に載置された平坦パドル25を有する第1の混合区分22を示す。
【0071】
図2Bは、本繊維スラリーミキサー32の第1の送給区分20(オーガ区分としても知られている)内のオーガ26の別の図を示す。第1の送給区分20の長さは、典型的に約1フィート~3フィートである。オーガのフライトピッチは、使用される原材料、所望される原材料送給速度、およびミキサーの2つの混合区分の設計構成に応じて変更され得る。
【0072】
第1の混合区分20は、ミキサーの個々の回転シャフト上に載置された混合パドル25を備える。第1の混合区分内で典型的に使用される、平坦または螺旋の2つのタイプのパドルが存在する。図2Cは、図2Aに使用される平坦混合パドル25を示す。図2Dは、このミキサーの第1の混合区分に使用され得る螺旋混合パドル27を示す。平坦パドル25は、ミキサー内の材料に対する無視できる搬送動作と共に、高剪断混合動作を提供する。一方で、螺旋パドル27は、混合および(限定された)搬送動作の両方をミキサー内の材料に対して提供する。
【0073】
平坦パドル25および螺旋パドル27は、パドルがシャフトの一部分を取り囲むようにシャフトに嵌め込まれる中央開口部を有する一体型(一片の)パドルである。また、平坦パドルおよび螺旋パドルは、シャフトから反対方向に延在する対向端を有する。平坦パドル25および螺旋パドル27は、それらに切り込まれたキースロットを有する中央孔を有して、パドルを摺動させてキー付きシャフト上に載置することを可能にする。パドルは、シャフト上に同心に載置されキー固定される。デュアルシャフトミキサーの2つのシャフト上に載置された隣接パドルの配向は、それらがいかなる回転干渉もなく、ワイピング動作を提供するようなものである、
【0074】
図2Fは、シャフト29上の平坦パドル25および螺旋パドル27を示す。空間25Aは、平坦パドル25および/または螺旋27パドルによって満たされていることを表す。
【0075】
他のパドル形状および幾何学的形状もまた、ミキサーの第1の混合区分内で使用され得る。例えば、各々がパドルヘッドに係合されたピンを備える混合および搬送パドルが、図4Aに関して以下により詳細に説明されるように、第1および/または第2の混合区分内で使用され得る。
【0076】
個々のシャフト上に載置されたパドルは、ミキサーシャフトがミキサー運転中に回転モードにあるとき、重なるが干渉しない配向にある。図2Aおよび2Eは、デュアルシャフトミキサーの2つのシャフト上に(第1の混合区分内で)載置された平坦パドル25を示す。特に、図2Eは、本発明の繊維スラリー混合デバイスの横型デュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサーの実施態様の第1の混合区分の2つのシャフト上に載置された平坦パドル25を示す。しかしながら、螺旋パドル27を平坦パドル25のいくつかまたは全てに置き換えることができる。
【0077】
ミキサー32の第1の混合区分22内に置かれるパドルの主な目的は、乾燥粉体を水および他の液体添加剤(もしあれば)とブレンドして均一なセメント質スラリー混合物を生産することである。重なるが干渉しないパドルの配向によって、個々のシャフト上に載置されたパドル25の回転は、ミキサー32の第1の混合区分22に自己洗浄動作を提供する。2つのシャフト上に載置された平坦25または螺旋27混合パドルは、この点に関して特に有用である。これは、パドルの互いに対する、かつミキサーのバレル(シェル)に対するスクレーピング動作による優れた自己洗浄動作を提供する。平坦パドルは、本発明の目的のために第1の混合区分22での使用のために、螺旋パドルとは対照的に、最も好ましいパドルである。第1の混合区分22の長さは、典型的に、約1フィート~4フィートである。より典型的には、第1の混合区分の長さは、約3フィート以下である。個々の平坦または螺旋混合パドルの幅は、約0.25インチ~4インチの範囲である。より典型的には、混合平坦または螺旋パドルの幅は、0.50インチ~3インチである。より典型的には、混合平坦または螺旋パドルの幅は、1インチ~2インチである。平坦、または螺旋もしくは別の形状にかかわらず、混合シェル内壁からの混合パドルのクリアランスは、好ましくは1/4インチ未満、より好ましくは1/8インチ未満、最も好ましくは1/16インチ未満である。
【0078】
ミキサー32の第2の混合区分24は、強化繊維がミキサーの中へ典型的に導入され、セメント質スラリーとブレンドされる場所である。第2の混合区分24は、本質的に、第1の混合区分22の続きであり、1つ以上の手段を利用して繊維をセメント質スラリー中に混合する。導管34を通る強化繊維は、第2の混合区分24の始まりに連続ミキサー32の中へ導入される。強化繊維は、混合パドルもしくはオーガまたはそれらの組み合わせのいずれかを使用して、第1の混合区分22内で生産されたセメント質スラリーとブレンドされる。混合パドルおよび/またはオーガは、ミキサーのデュアル回転シャフト上に載置され、強化繊維を第1の混合区分から搬送されたセメント系スラリー混合物とブレンドすることを助ける。説明され、第1の混合区分22内で使用される混合パドル(平坦パドル25および/または螺旋パドル27)は、第2の混合区分24内で同様に使用され得る。しかしながら、かかるパドルの使用は、これらのパドルによって提供される高剪断動作による著しい繊維損傷を引き起こすことがわかっている。それゆえに、第2の混合区分内でかかるパドル単独での使用は、特に多数のかかるパドルが使用されるとき、好ましいものではない。螺旋パドルは、本発明の目的を達成するために、第2の混合区分内で平坦パドルよりも適している。
【0079】
オーガはまた、第2の混合区分24内で繊維をセメント質スラリーとブレンドするために使用され得る。単独で使用されるオーガは、急速搬送動作、およびパドル単独で提供されるものよりも比較的小さい混合動作を提供する。重なる構成で2つの平行なシャフト上に載置されたオーガは、ミキサーの自己洗浄態様をさらに助ける。
【0080】
好ましくは、平坦パドル25または螺旋パドル27が第2の混合区分24内で使用される場合、それらは、第2の混合区分24のパドル区分内で用いられ、オーガもまた、パドル区分の前および/または後に第2の混合区分24内で使用される。オーガの組み合わせおよび螺旋パドルの制限された数(またはあまり好ましいものではない平坦パドル)もまた、第2の混合区分24内で使用されてもよい。かかる組み合わせは、繊維のセメント系スラリーとの混合に関して最良の混合結果を達成するために実際に好ましくかつ推奨される。第2の混合区分24内のオーガの後の制限された数の螺旋(または平坦)パドルの使用は、ミキサーを通る材料流に対する抵抗を生じさせる。材料流に対するこの抵抗は、ミキサーの第2の混合区分内のセメント系スラリーとの繊維のより良好な混合および浸潤を提供する。
【0081】
要約すると、第2の混合区分24は、繊維のセメント質スラリー混合物との混合を容易にするために、以下に強調される1つ以上の方式で構成され得る。
【0082】
図3Aは、方向「X」のミキサー内の材料の流れを伴う、本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサー32の第1の構成を示す。第1の構成では、オーガ26は、第1の送給区分20の両方のインペラシャフト29に載置され、混合パドルは、第1の混合区分22内の両方のインペラシャフト29に載置され、オーガ29Aのみが、第2の混合区分24内の両方のインペラシャフト29に載置される。オーガパラメータ(例えば、オーガピッチ、オーガ長さ)は、材料保持を最大にし、かつミキサー32内の繊維とセメント質スラリーとの間のより密接な接触を促進するように選択される。第2の混合区分およびオーガの全長は、約1フィート~5フィート、より好ましくは約2フィート~4フィートの範囲である。本明細書のこれおよび他の図面において、図面中の同様の参照番号は、特に示さない限り、同様の要素を識別することを意図している。
【0083】
図3Bは、方向「X」のミキサー内の材料の流れを伴う、本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサー32の第2の構成を示す。第2の構成では、オーガ29Aの後に、第2の混合区分内の両方のシャフト29に載置された混合/搬送パドル29Bが続く。平坦パドル25および/または螺旋のパドル27の両方を混合/搬送パドル29Bとして使用することができる。螺旋パドル7の使用は、第2の混合区分内であることが好ましい。第2の混合区分内の単一のシャフト上に載置された隣接する平坦または螺旋パドルは、互いに関して同一配向を有し得るか、またはこれに代えて、それらは、互いに関して回転され得る。シャフト上の隣接パドルが互いに関して回転されたとき、隣接パドルの回転角度は、0°~90°、典型的には20°~90°の範囲であり得る。より多数のパドルが、隣接シャフトが互いに関してゼロ度の回転を有するとき、第2の混合区分内で使用され得る。使用される螺旋パドル27のいくつかはまた、必要ならば逆方向に置かれて、オーガ29A内で起こる材料の流れおよび繊維スラリー混合作用に対する抵抗を増大させることができる。平坦または螺旋パドルが使用されるとき、第2の混合区分24内のパドルセットの数(シャフト当たりのパドル)は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10の範囲である。パドルパラメータ(タイプ、寸法、配向、数、および構成)は、材料がミキサー32内で受ける剪断動作を最小にするように選択される。パドルは、金属、セラミック、プラスチック、ゴム、またはこれらの組み合わせを含む、様々な材料で作製することができる。材料および繊維の損傷を最小にする傾向があるため、第2の混合区分内での使用のために、より軟質のライニング材を伴うパドルも想定される。ピンおよびヘッドまたはピンのみを有するパドルが、これに代えて、オーガの後の第2の混合区分内で使用されてもよい。
【0084】
オーガパラメータ(例えば、オーガピッチ、オーガ長さ)は、材料保持を最大にし、かつミキサー32内の繊維とセメント質スラリーとの間のより密接な接触を促進するように選択される。第2の混合区分の全長は、約1フィート~5フィート、より好ましくは約2フィート~4フィートの範囲である。この長さのごく一部だけがパドル29Bによって占められ、第2の混合区分24の大部分はオーガ29Aによって覆われる。
【0085】
図3Cは、方向「X」のミキサー内の材料の流れを伴う、本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサー32の第3の構成を示す。第3の構成は、オーガ29Aとそれに続く混合/搬送パドル29Bとそれに続くオーガ29Cを第2の混合区分内の両方のシャフト29に載置したものである。平坦パドル25および/または螺旋パドル27を混合/搬送パドル29Bとして使用することができるが、螺旋パドル27の使用が好ましい。使用される螺旋パドル27のうちのいくつかはまた、滞留時間を増加させ、かつ前のオーガ区分内の繊維スラリー混合を改善するために、所望される場合、逆方向に位置させ得る。第2の混合区分内の単一のシャフト上に載置された隣接する平坦または螺旋パドルは、互いに関して同一配向を有し得るか、またはこれに代えて、それらは、互いに関して回転され得る。シャフト上の隣接パドルが互いに関して回転されたとき、隣接パドルの回転角度は、0°~90°、典型的には20°~90°の範囲であり得る。平坦または螺旋のパドルが使用されるとき、第2の混合区分24内のパドルセットの数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10の範囲である。より多数のパドルが、隣接シャフトが互いに関してゼロ度の回転を有するとき、第2の混合区分内で使用され得る。パドルパラメータ(タイプ、寸法、配向、数、および構成)は、材料がミキサー32内で受ける剪断動作を最小にするように選択される。ピンおよびヘッドまたはピンのみを有するパドルが、これに代えて、オーガの後の第2の混合区分内で使用されてもよい。オーガパラメータ(例えば、オーガピッチ、オーガ長さ)は、材料保持を最大にし、かつミキサー内の繊維とセメント系スラリーとの間のより密接な接触を促進するように選択される。第2の混合区分の全長は、約1フィート~5フィート、より好ましくは約2フィート~4フィートの範囲である。この長さの小さい部分のみがパドルにとられ、第2の混合区分の大部分は、オーガによって網羅される。
【0086】
図3Dは、方向「X」のミキサー内の材料の流れを伴う、本発明のデュアルシャフト多段連続繊維スラリーミキサー32の第4の構成を示す。第4の構成は、ミキサーの第2の混合区分において両方のシャフト29にのみ載置された混合/搬送パドル29Dを有する。第2の混合区分内での平坦および螺旋パドルの使用は、それらの使用が非常に高い剪断力を結果としてもたらし、著しい繊維損傷を引き起こすため、本構成では好ましいものではない。本ミキサー構成が第2の混合区分内で利用されるとき、低い混合剪断力を生じる混合および搬送パドルが好ましい。ピンおよびヘッドまたはピンのみを有するパドルの使用が、本ミキサー構成の第2の混合区分内で好ましい。しかしながら、この実施形態において、第1の混合区分内で任意のタイプのパドル、例えば、平坦および/または螺旋パドルを使用することが許容される。
【0087】
図4Aは、第1の混合区分22および第2の混合区分24の両方において低い混合剪断力を生じさせるそのようなパドル100を使用したデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)繊維スラリーミキサー32の構成(図3Dに概略的に示す)の実施形態の図を示す。図4Aは、オーガ26、シャフト29、およびパドル100を有する第1の送給区分20を示す。ピン114と、ピン114に対して横方向に延在する幅広パドルヘッド116とを有するパドル100。好ましくは、繊維スラリーミキサー2は、単一シャフトミキサーである。
【0088】
図4Aは、例えばポルトランドセメント、石膏、骨材、充填剤などの粉体混合物が、通常はオーバーヘッドホッパービン160Aである乾燥粉体送給機からベローズ161である乾燥粉体導管5Aを通してミキサー32の細長い横型混合チャンバ163へ送給されることを示す。インペラシャフト29は、速度コントローラ(図示せず)によって調節される、側部に載置されたインペラモーター172によって駆動される。粉体混合物固体は、容量計量送給機または重量計量送給機(図示せず)によってホッパー容器160Aからオーガ26を含む横型チャンバ163に送給することができる。
【0089】
容量送給システムは、一定速度(単位時間当たりの体積、例えば毎分立方フィート)で貯蔵ホッパービン160Aから粉体を排出するために一定速度で動作するオーガスクリューコンベア(図示せず)を使用するであろう。重量計量送給システムは、一般に、秤量システムと関連付けられた容積計量送給機を使用して、単位時間あたり一定の重量、例えば、ポンド/分で、貯蔵ホッパービン160Aからの粉体の排出を制御する。オーガスクリュー送給装置のオーガ速度の速度(RPM)を調整することによって、常に実際の送給速度を監視し、かさ密度、多孔率等の変動を補償するために、フィードバック制御システムを介して重量信号が使用される。このような容量計量送給システムはまた、ミキサー32の任意の他の実施形態にも使用され得る。
【0090】
液体ポンプ(図示せず)からの水などの水性媒体は、少なくとも1つの水性媒体流導管7Aのノズルを通して横型チャンバ163に送給する。
【0091】
図4Aは、細長い横型混合チャンバ163が、円筒形横型側壁102、第1の端壁104、および第2の端壁106を備えていることを示す。材料流は、第1の端壁104から第2の端壁106への方向Xにおけるものである。シャフト29は、第1の端壁104から第2の端壁106まで延在する。横型繊維セメント質スラリーミキサー32はまた、少なくとも1つの回転シャフト29(好ましくは2つの回転シャフト。明瞭にするために第2のシャフトは示されていない)と、チャンバ163に水を含む液体を送給するための水性液体媒体導管7Aと、チャンバ163内に強化繊維を送給するための強化繊維導管34Aと、繊維スラリー混合物を排出するための繊維スラリー混合物排出口36Aと、を備える。混合および搬送パドル100は、中央回転可能シャフト29から延在する。横型繊維セメント質スラリーミキサー32はまた、ミキサー32の中へ他の原材料および性能向上添加剤を送給するための他の入口ポート167も備え、1つのみ図示される。横型繊維セメント質スラリーミキサー32はまた、原材料送給から混合チャンバ163の中へ導入された任意の空気を除去するための通気ポート70も備える。横型繊維セメント質スラリーミキサー32はまた、混合チャンバ163内の中央シャフト29を駆動するための電気モーターおよび駆動機構172も備える。
【0092】
回転可能シャフト29は、その長手方向軸「A」を中心として回転して、送給された成分を混合し、それらを繊維スラリー混合物として排出出口168に搬送する。回転シャフトは、チャンバの第1の送給区分20内にオーガ26と、第1の混合区分22と第2の混合区分24の両方にパドル100と、を有する。
【0093】
強化繊維およびセメント系スラリーならびに他の成分は、混合および搬送を容易にするために、結果として生じる混合物の上に開空間を残して、それぞれの速度でミキサー32に送給されることになる。所望であれば、ミキサーの横型チャンバ内のスラリーのレベルを測定するために、液面制御センサを使用する。
【0094】
回転可能シャフト29は、第1の端アセンブリ160と、第2の端アセンブリ162とを含み得る。第1の端アセンブリ160および第2の端アセンブリ162は、当業者にとって既知の多様な形態のうちのいずれかをとり得る。例えば、第1の端アセンブリ160は、回転可能シャフト29の第1の端を動作的に係合する第1の端係合部分と、第1の端係合部分から延在する第1の円筒部分164と、第1の円筒部分164から延在する中間円筒部分166と、中間円筒部分166から延在し、スロット170を含む端円筒部分168と、を含むことができる。第2の端アセンブリ162は、回転可能シャフト29の第2の端を動作可能に係合する第2の端係合部分と、第2の端係合部分から延在する第1の円筒部分165と、第1の円筒部分から延在する端円筒部分169とを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、第1の端アセンブリ160の第1の端係合部分は、第1の円筒部分164に近接して、回転可能シャフト29に係合され得る。1つ以上の実施形態において、端円筒部分168は、回転可能シャフト29に回転(例えば、高速回転)を付与することができるモーター172またはエンジンに動作可能に係合され得、1つ以上のパドルアセンブリ100は、それらと係合されて、強化繊維およびセメント質スラリーを混合する。少なくとも1つの実施形態において、第2の端アセンブリ162の第2の端係合部分は、第1の円筒部分165に近接して、回転可能シャフト29の第2端(例えば、第1端の反対側の端)に係合され得る。1つ以上の実施形態において、第2の端アセンブリ162の端円筒部分169は、好ましくは、ベアリングアセンブリに係合され得、ベアリングアセンブリは、回転可能シャフト29の回転を許容するように、横型繊維セメント質スラリーミキサー32の外壁に一体化され得る。
【0095】
図4Aに示すように、複数のパドルアセンブリ100は、恒久的および/または取り外し可能に回転可能シャフト29に係合(例えば、固定、接着、接続、その他)させ、例えば、整列した行および/または列(例えば、回転可能シャフト29の長さに沿った行、回転可能シャフト29の外周周辺の列に構成することができる。1つ以上の実施形態において、パドルアセンブリ100は、所望される際、オフセットされた行または列で、回転可能シャフト29に恒久的または取り外し可能に係合され得る。加えて、回転シャフト29は、所望されれば、パドルアセンブリ100の任意の配置または構成、好ましくは、限定されるものではないが、渦巻および/または螺旋構成に適合し得る。
【0096】
回転可能シャフト29は、1つ以上の実施形態において、混合中に、30RPM~450RPM、より好ましくは40RPM~300RPM、最も好ましくは50RPM~250RPMの所定の速度で回転するように構築され得る。
【0097】
パドルピン114は、パドルヘッド116の幅W2未満である、幅W1を有する(図4Bを参照されたい)。混合および搬送パドル100のピン114は、回転可能シャフト29のねじ付き開口部に係合するように適応したねじ付き端部分115(図4Bを参照されたい)を含むことができ、よって、混合および搬送パドル100は、回転可能シャフト29に対して所望の、または選択したピッチ(例えば、角度)を達成するように回転することができる。1つ以上の実施形態において、各混合および搬送パドル100は、回転可能シャフト29の中へ所望の距離、回転され得、距離は、回転可能シャフト29に係合されたとき、1つ以上の他のパドルアセンブリまたはパドルアセンブリの区分と同一であってもよく、異なってもよい。パドルは、ねじ取り付け(図示のもの)および/または溶接取り付け(図示せず)を含む異なる手段を使用して、中央シャフトに取り付けられ得る。
【0098】
図4Eは、第1の混合区分22がパドル100および第2の混合区分24がオーガ29Aとそれに続く両シャフト29上のパドル100を有するデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサー32の構成(図3Bに概略的に示す)を示す。
【0099】
図4Fは、第1の混合区分22が、パドル100を有し、第2の混合区分24が、両方のシャフト29上オーガ29Aと、それに続くパドル100と、それに続くオーガ29Cと、を有する、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29上に載置されているデュアルシャフト(1つのシャフトで示されている)多段連続繊維スラリーミキサー32の構成(図3Cに概略的に示されている)を示す。
【0100】
図4Gは、第1の混合区分22が、パドル100を有し、第2の混合区分24が、両方のシャフト29上にオーガ29Aと、それに続くピン(複数可)114と、それに続くオーガ29Cと、を有する、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29上に載置されているデュアルシャフト(1つのシャフトで示されている)多段連続繊維スラリーミキサー32の構成(図3Cに概略的に示されている)を示す。
【0101】
図4Hは、第1の混合区分22が、パドル100を有し、第2の混合区分24が、両方のシャフト29にピン114のみを有する、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29上に載置されている横型デュアルシャフト(1つのシャフトで示されている)多段連続繊維スラリーミキサー32の構成(図3Dに概略的に示されている)を示す。
【0102】
図4Iは、第1の混合区分22が、パドル25、27を有し、第2の混合区分24が、両シャフト)上にオーガ29Aと、を有する、オーガ26が送給区分内の両方のインペラシャフト29に載置されている、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサー32を有する構成(図3Aに概略的に示す)を示し、パドルは平坦パドル25および/または螺旋パドル27である。
【0103】
図4Jは、送給区分20においてオーガ26が両方のインペラシャフト29に載置され、第1の混合区分22が、パドル25、27を有し、第2の混合区分24が、両シャフト上にオーガ29Aと、それに続くパドル25、27と、を有する、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサーを有する構成(図3Bに概略的に示す)の概略側面図を示し、パドルは平坦パドル25および/または螺旋パドル27である。シャフト29が見えるパドル間の空き空間25Aは、パドルの存在を伝えるためのものである。このミキサー構成では、シャフト上の第2の混合区分の隣接するパドルは、互いに対して回転してもよく、または互いに対してゼロ度の回転を有してもよく、すなわちパドルは、互いに対して一様に整列している。
【0104】
図4Kは、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29に載置されている構成(図3Cに概略的に示す)を示し、第1の混合区分22が平坦パドル25および/または螺旋パドル27を有し、第2の混合区分が、両シャフト上にオーガ29Aとそれに続く平坦パドル25および/または螺旋のパドル27とそれに続くオーガ29C(明瞭にするために1つのシャフトが示されている)。シャフト29が見えるパドル間の空き空間25Aは、パドルの存在を伝えるためのものである。
【0105】
図4Lは、第1の混合区分22が、パドルを有し、第2の混合区分24が、両シャフト29上にパドルを有する、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29に載置されている、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサー32を有する構成(図3Dに概略的に示す)を示し、パドルは、平坦パドル25および/または螺旋パドル27である。シャフト29が見える空き空間25Aは、パドルの存在を伝えるためのものである。このミキサー構成では、シャフト上の第2の混合区分の隣接するパドルは、互いに対してゼロ度の回転を有してもよく、すなわちパドルは互いに対して一様に整列していることが好ましい。
【0106】
図4Mは、オーガ26が送給区分20内の両方のインペラシャフト29に載置されている、本発明のデュアルシャフト(1つのシャフトを示す)多段連続繊維スラリーミキサー32を有する構成(図3Aに概略的に示す)の変形を示し、第1の混合区分22は、1タイプのパドルを有し得、第2の混合区分24は、異なるタイプのパドルを有し得る。この構成における好ましい配置は、第1の混合区分22内に平坦パドル25および/または螺旋27パドル、および第2の混合区分24内にピン114およびヘッド116および/またはピン114のみを有するパドル100を有することである。最も好ましくは、第1の混合区分内のパドルは平坦または螺旋であり、第2の混合区分内のパドルはピンおよびヘッドおよび/または複数のピンを有するパドルを備える。
【0107】
第2の混合区分に平坦および/または螺旋パドルを使用する本発明のミキサー構造では、例えば、図4I、4J、4K、4L、および4Mのミキサーでは、平坦パドル25および/または螺旋パドル27がシャフト29上にあり、第2の混合区分24内のシャフト29上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルは、互いに対して0~90度の回転を有する。
【0108】
所望であれば、平坦および/または螺旋パドルが、第2の混合区分内のシャフト上にあり、第2の混合区分内のシャフト上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルが、互いに関してゼロ度の回転を有する。
【0109】
所望であれば、平坦および/または螺旋パドルが、第2の混合区分内のシャフト上にあり、第2の混合区分内のシャフト上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルが、互いに関して30度の回転を有する。
【0110】
所望であれば、平坦および/または螺旋パドルが、第2の混合区分内のシャフト上にあり、第2の混合区分内のシャフト上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルが、互いに関して45度の回転を有する。
【0111】
所望であれば、平坦および/または螺旋パドルが、第2の混合区分内のシャフト上にあり、第2の混合区分内のシャフト上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルが、互いに関して60度の回転を有する。
【0112】
所望であれば、平坦および/または螺旋パドルが、第2の混合区分内のシャフト上にあり、第2の混合区分内のシャフト上の全ての隣接する平坦および/または螺旋パドルが、互いに関して90度の回転を有する。
【0113】
本発明の繊維スラリー連続ミキサーの上で述べた特徴およびパラメータは、以下のようにさらに説明される。これは、別途示されない限り、図面の実施形態のみならず、本発明全般に適用する。
【0114】
細長い混合チャンバ
細長い混合チャンバは、典型的に、円筒形状である。混合チャンバの長さは、典型的に、約2フィート~8フィートのいずれかの範囲である。混合チャンバの好ましい長さは、約3フィート~5フィートである。混合チャンバの直径は、典型的に、約4インチ~24インチのいずれかの範囲である。混合チャンバの好ましい直径は、約6インチ~12インチの範囲である。
【0115】
回転シャフト
デュアルまたは多回転シャフトの各々の直径は、典型的には約1~4インチである。中央シャフトの好ましい直径は、約1インチ~3インチの範囲である。
【0116】
中央回転シャフトは、好ましくは30RPM~450RPM、より好ましくは40RPM~300RPM、最も好ましくは50RPM~250RPMの範囲の速度で回転する。本発明の目的を満たすためには、比較的低いミキサー速度が好ましいことが発見された。驚くべきことに、セメント系スラリー混合物における優れたファイバ分散が、比較的低いミキサー速度であっても得られ得ることを見出した。さらに、より低い混合速度を使用する別の重要な利点は、繊維の破損の低減、および繊維強化セメント質スラリー混合物のさらなる処理において有用な優れた材料の作業特性および流動特性をもたらすことである。
【0117】
ミキサーが運転モードであるときに、中央回転シャフトを反転させるために、好ましくは、可変周波数駆動がミキサーと共に使用される。可変周波数駆動は、生産プロセスに関係する原材料の所与の組み合わせのために、ミキサーの速度を調整および微調整するために有用である。
【0118】
本発明の連続ミキサーは、シングルシャフトミキサー、デュアルシャフトミキサー、またはマルチシャフトミキサーのいずれかとすることができる。本開示は、本発明のデュアルシャフトミキサーをさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明に従うシングルシャフトまたはマルチシャフトミキサーもまた、連続生産プロセスを含む様々な用途に有用である所要の特性を有する繊維強化セメント質スラリー混合物を生産することに有益に使用できることが想定される。
【0119】
混合パドル
中央シャフトに装着された混合パドルは、ミキサーにおける追加された成分の混合および搬送を容易にするために、異なる形状および寸法を有することができる。
【0120】
上記で説明したように、本発明は平坦パドルおよび螺旋パドルを使用することができる。
【0121】
本発明での使用に好適な混合パドルは、材料を前方に移動させるのを助けるためにピンと比較的広いヘッドとを有するパドル、例えばパドル100も含む。1つの種類のピンおよびヘッドを有するパドルに加えて、繊維スラリーミキサーは、材料のさらなる処理に対して必要な好ましい特性を達成するために、ピンおよび比較的広いヘッド、またはピンだけを有する2つ以上の種類のパドルを含むことができる。しかしながら、図4Bに見られるように、本発明は、第1の混合区分22および第2の混合区分24の両方において単一のスタイルのパドルを使用し得る。しかしながら、第1の混合区分22と第2の混合区分24の両方にパドルを有する第4のミキサー構成の第1の混合区分では、平坦または螺旋パドルの使用が最も好ましい。さらに、ピン114とヘッド116またはピン114のみを有するパドル100を使用することが、第4のミキサー構成の第2の混合区分24において最も好ましい。両方の混合区分において同じ種類のパドルを使用することは、第4のミキサー構成において可能であるが、好ましくない。
【0122】
パドルの全体的な寸法は、ミキサーチャンバの内周と中央シャフトからのパドルの最も遠い点との間のクリアランス(空間)が、好ましくは1/4インチ未満、より好ましくは1/8インチ未満、および最も好ましくは1/16インチ未満となる寸法である。パドル先端部とチャンバの内壁との間の距離が長過ぎると、スラリーの蓄積をもたらす。ピン114は、少なくともいくつかのパドル100の代わりに使用することができる。例えば、ピンは、幅広パドルヘッド116を有さないパドル100のピン114であり得る。
【0123】
ミキサーにおける成分の混合および搬送の質はまた、ミキサーのパドルの配向によっても左右される。中央シャフトの断面に対して平行または垂直なパドルの配向は、パドルの搬送動作を少なくし、したがって、ミキサーにおける材料の滞留時間を増加させる。ミキサーにおける材料の滞留時間の増加は、繊維にかなりの損傷を与え、望ましくない特性を有する繊維強化セメント質スラリー混合物の生産につながり得る。ピンおよびヘッドを有するパドル、例えばパドル100を使用する場合、中央シャフト118の長手方向軸「A」に対するパドルヘッド116の長手方向軸「LH」の配向は、好ましくは、約10°~80°、より好ましくは約15°~70°、最も好ましくは約20°~60°の角度「B」(図4C)である。好ましいパドル配向の使用は、より効果的なスラリー混合物の混合および搬送動作につながり、さらには、ミキサーにおいて生じる強化繊維への損傷を最小にする。
【0124】
図4Dは、混合チャンバ163への扉37が開いているミキサー32の拡大図であり、中央シャフト29(一方のシャフトが示されている)に対するパドル100の配向を示している。また、中央シャフト118上の螺旋状の形態のパドル100の配置も見ることができる。
【0125】
ピンおよびヘッドを有するパドル、例えばパドル100を使用する場合、ミキサー内の一組のパドルは、典型的に、ミキサーの一方の端からもう一方まで中央シャフト上に螺旋状の形態で構成される。このパドルの配置は、ミキサー内部の材料の搬送動作をさらに容易にする。ミキサー内のパドル配置の他の構成が可能であり、本発明の一部として想定される。
【0126】
パドルは、金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、またはこれらの組み合わせを含む、様々な材料で作製することができる。材料および繊維の損傷を最小にする傾向があるので、より軟質のライニング(コーティング)材料を有するパドルも想定される。
【0127】
細長い混合チャンバのパドルおよび/または内壁は、パドルおよび/またはシェル(ミキサーバレル)上のセメント質スラリーの蓄積を最小にするために、離型材料でコーティングすることができる。
【0128】
その他の構成
本発明の目的を達成するためのオーガおよび混合/搬送パドルの他の組み合わせも可能であり、本発明の一部として考えられる。ピンおよびヘッドを有するパドル、例えばパドル100を使用する場合、これらのタイプのパドルは、上述したように、また図4Bに示すように、第1の混合区分22および第2の混合区分24において単独で使用してもよく、オーガと組み合わせて使用してもよい。例えば、図3B~3Cのパドル29Bの代わりに、ピンおよびヘッドを有するパドル、例えばパドル100を代用することによってそれらを使用することができる。
【0129】
入口ポート
乾燥セメント質粉体、水性液体媒体、および繊維などの原材料のための入口導管5A、7A、34Aは、混合チャンバの入口ポートでミキサーに入る。繊維スラリーミキサーの原材料入口ポートのサイズ、場所、および配向は、原材料のミキサーの中への導入を容易にし、ミキサーにおいてスラリー混合物がポートをブロックする可能性を最小にするように構成される。
【0130】
連続繊維スラリーミキサーは、乾燥粉体を混合チャンバに導入するための少なくとも1つの入口ポートを有する。この入口ポートは、ミキサーの第1の送給区分(オーガ区分)の始めに位置する。
【0131】
連続繊維スラリーミキサーは、水を含む水性媒体を混合チャンバに導入するための少なくとも1つの入口ポートを有する。水入口ポートは、典型的には連続繊維スラリーの第1の送給区分(オーガ区分)の端に位置する。繊維スラリーミキサーは、他の性能向上添加剤を混合チャンバの中へ導入するための、追加的な入口ポートを有することができる。これらの入口ポートは、典型的には、オーガ区分の端または共連続繊維スラリーの第1の混合区分の始めに位置する。
【0132】
連続繊維スラリーミキサーは、強化繊維を混合チャンバに導入するための少なくとも1つの入口ポートを有する。繊維入口ポートは、典型的には、連続繊維スラリーミキサーの第2の混合区分の始めに位置する。繊維は、スクリュー供給機または振動供給機等の様々な計量装置を使用して、重量計量的または容積計量的に連続繊維スラリーミキサーの中へ導入することができる。繊維は、様々な搬送デバイスによって繊維供給機から繊維スラリーミキサーまで搬送することができる。例えば、繊維は、スクリュー(オーガ)、空気搬送、単純な重力堆積を使用して移送することができる。離散繊維または細断された繊維は、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの高分子材料、炭素、黒鉛、アラミドセラミック、鋼、ジュートやサイザルなどのセルロース系または天然繊維、またはそれらの組み合わせを含む異なる強化繊維材料から作製することができる。好ましくは、繊維はガラス繊維である。繊維の長さは、約2インチ以下、より好ましくは1.5インチ以下、最も好ましくは0.75インチ以下である。
【0133】
連続繊維スラリーミキサーは、連続繊維スラリーミキサーによって生産された繊維強化セメント質スラリー混合物を排出するための出口ポートを有する。出口ポートは、連続繊維スラリーミキサーの第2の混合区分の端に位置する。
【0134】
ミキサーは、原材料送給物から混合チャンバの中へ導入された任意の空気を除去するための通気ポートを有する。
【0135】
シャフトを駆動するための電気モーターおよび駆動機構は、混合チャンバと関連付けられる。
【0136】
パネル製造
このミキサーを使用して作製された繊維強化セメント質スラリーは、様々な他の用途に使用することができる。繊維スラリー混合物の用途の1つは、パネル生産である。特に、繊維強化構造コンクリートパネルの生産は、1つの好ましい用途である。
【0137】
図5および6を参照すると、繊維強化コンクリート(FRC)パネルを生産するためのセメント質パネル生産ラインが概略的に示されており、全体として10で示されている。生産ライン10は、複数の脚部13または他の支持体を有する支持フレームまたは形成テーブル12を含む。支持フレーム12上に含められるものは、滑らかで水を通さない表面を有する無端ゴム様コンベアベルト等であるが、多孔質表面も想定される、移動キャリア14である。当技術分野でよく知られているように、支持フレーム12は、指定された脚部13または他の支持構造を含むことができる、少なくとも1つのテーブル様のセグメントから作製することができる。支持フレーム12はまた、フレームの遠位端18の主駆動ロール16、およびフレームの近位端19のアイドラロール17も含む。また、ロール16、17に対するキャリア14の所望の張力および位置決めを維持するために、典型的に、少なくとも1つのベルト追従および/または張力調整デバイス15が提供される。この実施形態では、移動キャリアが近位端19から遠位端18まで方向「T」に前進するにつれて、セメント質パネル(FRCパネル)が連続的に生産される。
【0138】
この実施形態では、硬化前のスラリーを支持するための剥離紙、ポリマーフィルム、プラスチックキャリアのウェブ61を提供し、キャリア14の上に置いてそれを保護し、および/または清潔に保つことができる。しかしながら、連続ウェブ61ではなく、ポリマープラスチックのシート等の比較的剛性がある材料の個々のシート(図示せず)をキャリア14の上に置くことができることも想定される。これらのキャリアフィルムまたはシートは、ラインの端で、生産されたパネルから取り除かれ得るか、またはそれらは、全体的な複合設計の一部としてのパネル内の恒久的な特徴として組み込まれ得る。これらのフィルムまたはシートが恒久的な機能としてパネルに組み込まれたときには、向上した美しさ、強化された引張強度および曲げ強度、強化された耐衝撃性および耐爆風性、水および水蒸気の透過に対する耐性等の強化された環境耐久性、耐凍結融解性、耐塩化性、ならびに耐薬品性を含む、強化した属性を提供することができる。
【0139】
任意選択的で、離散強化繊維の層(図示せず)を、ヘッドボックス40の上流で、搬送ベルト(キャリア)、剥離紙、または形成シート上に直接堆積させることができる。
【0140】
硬化する前にスラリー内に埋め込み、結果として生じるセメント質パネル強化するために、不織布ガラス繊維マットまたは不織布ポリプロピレンマットのようなガラス繊維スクリムまたは不織布繊維マット等の強化スクリムのロービングまたはウェブ等の連続強化剤44を提供することができる。連続ロービングおよび/または強化スクリムロール42は、キャリア14上に置かれるヘッドボックス40を通して送給される。しかしながら、連続強化剤44を使用しないことも考えられる。連続スクリムまたはロービングは、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの高分子材料、炭素、黒鉛、アラミド、セラミック、鋼、ジュートやサイザルなどのセルロース系または天然繊維、またはそれらの組み合わせを含む異なる強化繊維材料から作製することができる。ロービングは、連続強化モノフィラメントのアセンブリッジである。スクリムは、機械方向および横断方向に延びる連続繊維のウェブである。強化材はまた、別個の強化繊維で作られた不織ウェブとして提供されてもよい。
【0141】
また、本ライン10によって生産されるセメント系パネルを直接キャリア14上で形成することも想定される。この状態においては、少なくとも1つのベルト洗いユニット28が提供される。キャリア14は、当技術分野で周知であるように、主駆動ロール16を駆動するモーター、プーリ、ベルトまたはチェーンの組み合わせによって支持フレーム12に沿って移動する。キャリア14の速度を、作製される製品に合うように変動させることが想定される。
【0142】
本生産ライン10は、上述の連続多段繊維スラリーミキサー32を含む。繊維スラリーミキサー32は、デュアルまたは多多重シャフトミキサーであり得る。乾燥粉体送給機2は、強化繊維を除いて、セメント質組成物の乾燥成分5を多段連続繊維スラリーミキサー32の送給区分20に送給する。液体ポンプ3は、水などの水性媒体7を液体または水溶性添加剤と共にミキサー32の第1の混合区分22に送給する。多段連続ミキサー32の第1の混合区分22は、乾燥成分と水性媒体とを混合してセメント質スラリーを形成する。セメント質スラリーは、ミキサー32の第2の混合区分24に送給する。また、繊維送給機33は、繊維34を繊維スラリーミキサー32に送給する。したがって、ミキサー32の第2の混合区分24において、繊維とセメント質スラリーは、混合されて繊維スラリー混合物36を形成する。繊維スラリー混合物36は、ヘッドボックス40に送給する。
【0143】
ヘッドボックス40(または他のタイプのスラリー分配器)は、移動キャリア14上を移動する剥離紙(存在する場合)のウェブ26上に繊維スラリー混合物を堆積させる。ロービングまたはスクリムまたは不織布繊維の形態の連続強化材は、パネルの一方または両方の表面に堆積させることができる。所望であれば、繊維ロービングまたはスプールおよび/またはスクリムロール42によって提供される連続強化材44もまた、図6に示されるようにヘッドボックス40を通過させて、堆積した繊維スラリー混合物46の上に堆積させる。繊維スラリー混合物46を平準化するのを支援するために、形成振動プレート50を、ヘッドボックス40が繊維スラリー混合物46を堆積させる場所の下に、または僅かに下流に提供することができる。
【0144】
繊維スラリー混合物46は、移動キャリア14に沿って進行するときに硬化する。繊維スラリー混合物46が硬化しているときに繊維スラリー混合物46を平準化するのを支援するために、1つまたは複数の振動スクリードプレート52の下を通過させる。支持フレーム12の遠位端18において、カッター54が硬化した繊維スラリー混合物をボード55に切断する。次いで、ボード(パネル)55を、アンロードおよび硬化ラック57(図6を参照)上に置いて、硬化させる。
【0145】
任意選択で、ロール42からのスクリムまたはロービングまたは不織布44を堆積した繊維スラリー混合物46の上部に適用するのではなく、ヘッドボックス40と第1スクリードプレート52との間の繊維スラリー混合物46の表面に別個の強化繊維(図示せず)を堆積してもよい。堆積した繊維は次にスクリードプレート52によって埋め込まれる。所望であれば、そのような底部連続強化剤をヘッドボックス40の後に送給し、それを直接搬送/形成ベルトの上に載せる。底部連続強化剤は、ヘッドボックスの下を通過し、ヘッドボックス40内のスラリーは、連続強化剤が前方に移動するにときに、その上部に直接注入される。例えば、連続強化剤は、ウェブ26を提供するロールに加えて、ウェブ26またはロール(図示せず)によってヘッドボックスの上流に提供して、ウェブ26の上に連続強化剤を置くことができる。
【0146】
図6は、エッジ形成および漏出防止デバイス80をさらに示す。これらは、エッジベルト、エッジレールである(単独または組み合わせて使用される)。
【0147】
本発明よって生産される繊維-セメント混合物は、セメント、水、および他のセメント添加剤を含有する。しかしながら、所望の粘度を達成するために、セメント質組成物は、好ましくは、繊維セメント押し出しによって通常使用されているような、高い注入割合の増粘剤または他の高粘度加工助剤を避ける。例えば、本スラリーは、好ましくは、高い注入割合での高粘度セルロースエーテルを避ける。本スラリーが避ける高粘度セルロースエーテルの例は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシエチルメチルセルロースである。
【0148】
本発明により生産される繊維セメント混合物は、水性スラリーであり、これは繊維を様々な硬化可能なセメント質スラリーに添加することにより作製することができる。例えば、水硬セメントまたは石膏に基づく組成物。ASTMは、「水硬性セメント」を、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなり、また、水中でそうなり得るセメントである、と定義している。好適な水硬性セメントの例は、ポルトランドセメント、アルミン酸カルシウムセメント(CAC)、スルホアルミン酸カルシウムセメント(CSA)、ジオポリマー、マグネシウムオキシクロライドセメント(ソーレルセメント)、およびリン酸マグネシウムセメントである。好ましいジオポリマーは、クラスCフライアッシュの化学活性化に基づく。
【0149】
硫酸カルシウム半水和物は、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなるが、本発明の文脈において、水硬性セメントの広範な定義に含まれない。しかしながら、硫酸カルシウム半水和物は、本発明によって生産された繊維セメント混合物中に含まれてもよい。したがって、そのような水性スラリーはまた、石膏セメントまたは焼き石膏等の硫酸カルシウムセメントにも基づくことができる。石膏セメントは、主に、か焼石膏(硫酸カルシウム半水和物)である。この業界では、か焼石膏を石膏セメントと称することが慣例である。
【0150】
繊維セメント混合物は、繊維セメント混合物の他の成分との組み合わせで、所望のスランプ試験値および粘度を達成するために十分な水を含有する。所望であれば、組成物は、0.20/1~0.90/1、好ましくは0.20/1~0.70/1の、水と反応性粉体との重量比を有することができる。
【0151】
繊維セメント混合物は、シリカフューム等のポゾラン材料、シリコン金属の産生物である微粉化した非晶質シリカ、およびフェロシリコン合金製造品を含有することができる。これは、特徴的に、非常に高いシリカ含有量および低いアルミナ含有量を有する。軽石、パーライト、珪藻土、凝灰岩、火山土、メタカオリン、マイクロシリカ、および研削された粒状の高炉スラグを含む、様々な他の天然材料および人工材料が、ポゾラン特性を有すると言われている。フライアッシュもまた、ポゾラン特性を有する。繊維セメント混合物は、セラミック微小球体および/またはポリマー微小球体を含有し得る。
【0152】
しかしながら、本方法によって作製される繊維セメントスラリーの1つの好ましい使用は、ガラス繊維、特に耐アルカリ性ガラス繊維等の強化繊維を有する構造用セメントパネル(SCPパネル)のような好適なFRCパネルを生産することである。このように、セメント質スラリーは、好ましくは、ポルトランドセメント、石膏、凝集体、水、促進剤、可塑剤、超可塑剤、発泡剤、充填材、および/または当技術分野でよく知られている、または参照により組み込まれた、本特許で説明され、下に列記される他の成分の量を変動させることで構成される。これらの成分の相対的な量は、上記の一部の除去または他の追加を含む、最終製品の意図される使用に適するように変更され得る。
【0153】
水硬性スラリーの流動性を改善するために、例えば超可塑剤などの減水混和剤添加剤を任意選択的で繊維セメント混合物に含めることができる。かかる添加剤は、分子を溶液中に分散させるため、分子が互いに対してより移動し易くなり、それによって、スラリー全体の流動性を向上させる。スルホン化メラミンおよびスルホン化ナフタレン、ならびにポリカルボキシレート系超可塑剤が、超可塑剤として使用され得る。減水添加剤は、湿潤最終繊維スラリー混合物の0重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%の量で存在し得る。
【0154】
Tonyan他への米国特許第6,620,487号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、硫酸カルシウムアルファ半水化物、水硬性セメント、活性ポゾラン、および石灰の水性混合物の硬化によって生じる連続相のコアを使用する、強化された軽量の寸法安定性構造用セメントパネル(SCP)を開示している。連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維によって強化され、セラミック微小球体またはセラミックおよびポリマー微小球体のブレンド物を含有しているか、または0.6/1~0.7/1の水と反応性粉体との重量比を有する水性混合物から形成されているか、またはこれらの組み合わせである。SCPパネルの少なくとも1つの外面は、釘打ち性を向上させるためにガラス繊維によって強化し、かつ十分なポリマー球体を含有するか、もしくはポリマー球体に類似する効果を提供する水と反応性粉体との比率によって作製される、またはこれらの組み合わせである、硬化した連続相を含み得る。
【0155】
所望であれば、組成物は、0.2/1~0.7/1の水対反応性粉体の重量比を有してもよい。
【0156】
本プロセスで使用される複合スラリーのための様々な配合物は、米国特許出願公開第US2006/0185267号、同第US2006/0174572号、同第US2006/016890号、および同第US2006/0144005号にも示され、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。典型的な配合物は、反応性粉体として、乾燥基準で、35~75重量%(典型的に45~65または55~65重量%)の硫酸カルシウムアルファ半水化物、20~55重量%(典型的に25~40重量%)のポルトランドセメント等の水硬性セメント、0.2~3.5重量%の石灰、および5~25重量%(典型的に10~15重量%)の活性ポゾランを含む。パネルの連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維で均一に強化され、セラミックミクロスフェア、ガラスミクロスフェア、フライアッシュセノスフェア、およびパーライトからなる群から選択される20~50重量%の均一に分布した軽量フィラー粒子を含有するであろう。複合スラリーのための配合物の一例は、全乾燥成分に基づいて、42~68重量%の反応性粉体、23~43重量%のセラミック微小球体、0.2~1.0重量%のポリマー微小球体、および5~15重量%の耐アルカリ性ガラス繊維を含む。
【0157】
Dubey他への米国特許第8,038,790号は、乾燥基準で、50~95重量%の反応性粉体と、軽量充填材としてその中で均一に分散される1~20重量%の被覆された疎水性膨張パーライト粒子と、約1~500ミクロン(マイクロメートル)の範囲の直径、20~150ミクロン(マイクロメートル)の中位径、および約0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する被覆された疎水性パーライト粒子と、0~25重量%の中空セラミック微小球体と、強化用に均一に分布している3~16重量の耐アルカリ性ガラス繊維と、を含むセメント質組成物の水性混合物を含む複合スラリーの好ましい配合物の別の例を提供しており、反応性粉体は、25~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物、10~75重量%のポルトランドセメントを含む水硬性セメント、0~3.5重量%の石灰、および5~30重量%の活性ポゾランを含み、パネルは、50~100ポンド/立方フィートの密度を有する。
【0158】
複合繊維スラリー混合物には上記の組成物が好ましいが、これらの成分の相対的な量は、上記の一部の除去または他の追加を含む、最終製品の意図される使用に適するように変更され得る。
【0159】
スラリー送給装置(ヘッドボックス)
ここで、図5を参照すると、繊維スラリー送給機(繊維スラリーヘッドボックス40としても知られている)は、繊維スラリーミキサー32から繊維スラリー混合物36の供給を受け取る。
【0160】
ヘッドボックス40は、キャリア14の進行方向「T」に対して横方向に配置される。繊維スラリー混合物36は、ヘッドボックス40のキャビティにおいて堆積され、ヘッドボックス40の排出開口部を通して移動キャリアウェブ14(コンベアベルト)上に繊維スラリー混合物の流れ46として排出される。
【0161】
繊維強化セメント質スラリーは、ホースおよびホース振動子システムを通してヘッドボックス40の中へ圧送することができ、または繊維スラリーミキサー32から直接ヘッドボックス40の中へ落とすことができる。振動子システムは、いずれの場合においても、スラリーを攪拌するために使用される。ヘッドボックス40を使用して形成される製品の厚さは、ヘッドボックス40内のスラリーの流量、ヘッドボックス40内のスラリーヘッドの上昇量、および所与のライン速度に対するヘッドボックス排出開口部の間隙によって制御される。ヘッドボックス40の排出開口部の間隙は、繊維スラリー混合物をヘッドボックス40から移動キャリアウェブ14上に排出する、横方向開口部である。ヘッドボックス堆積物からの繊維スラリー混合物は、最終パネル55の所望の厚さおよび仕上げの近くの1つの工程において移動キャリア14の上へ堆積される。形成を改善するために振動を加えることができる。形成された製品の曲げ強度を改善するために、スクリムおよびロービングなどの異なる形態の連続強化材を加えてもよい。例えば、振動ユニット50は、コンベアベルト14の下のヘッドボックス40の下側に位置付けることができる。
【0162】
振動ユニット50は、典型的に、テーブル、ばね、および繊維セメントスラリーの堆積させたマットの中へ直接力を方向付け、かつ他方向では相殺する2つのモーターの、単一質点系である。このユニット50は、ヘッドボックス40に載置され、また、ヘッドボックスを超えて3~6インチ延在する。
【0163】
ヘッドボックス40は、相対的に制御された厚さの繊維スラリー混合物46の均一な層を移動キャリアウェブ14上に堆積させる。好適な層厚は、約0.25インチ~2インチ、好ましくは0.4~0.8インチの範囲である。
【0164】
繊維スラリー混合物46は、キャリアウェブ14の約1.0~約1.5インチ(2.54~3.81cm)の距離の範囲内で下へ均一に方向付けられるスラリーの連続シートとして完全に堆積される。
【0165】
繊維スラリー混合物46が移動キャリアウェブ14に向かって移動するときに、全てのスラリーをウェブ14に堆積させることが重要である。
【0166】
形成および平滑化および切断
上述のように繊維が埋め込まれた凝結可能スラリーの層を配設すると、フレーム12は、ベルト14上を走行する凝結スラリー-繊維混合物46の上側表面を成形するために設けられた形成デバイスを有してもよい。
【0167】
ヘッドボックス40によって堆積されているスラリーを平滑化するのを支援する、上で述べた振動テーブル(形成および振動プレート)50に加えて、生産ライン10は、パネルの上側表面を緩やかに平滑化するための、振動スクリードプレート52とも称される、平滑化デバイスを含むことができる(図5および6を参照)。
【0168】
スラリー46に振動を加えることによって、平滑化装置144は、パネル55全体にわたる繊維34の分布を容易にし、より均一な上側表面を提供する。平滑化デバイス144は、形成ラインフレームアセンブリに対して旋回されるか、または強固に装着することができる。
【0169】
平滑化の後に、スラリーの層が硬化し始めており、それぞれのパネル55は、典型的な実施形態においてウォータージェットカッターである切断デバイス54によって互いに分離される。切断デバイス54は、パネルが所望の長さを有するように生産されるように、ライン10およびフレーム12に対して配設される。キャリアウェブ14の速度が比較的遅いときには、ウェブ14の進行方向に対して垂直に切断するように切断デバイス54を装着することができる。より速い生産速度の場合、そのような切断デバイスは、ウェブの進行方向に対してある角度で生産ライン10に取り付けられることが知られている。切断に応じて、分離されたパネル55は、当技術分野でよく知られているようなさらなる取り扱い、包装、貯蔵、および/または出荷のために積み重ねられる。
【0170】
本発明の他の特徴は、得られるセメント質パネル(FRCパネル)55が、繊維34がパネル全体に均一に分布するように構築されていることである。これは、繊維の使用が比較的少なく、より効率的である、比較的強いパネルの生産を可能にすることがわかっている。繊維スラリー混合物の層中のスラリーの体積に対する繊維の体積分率は、好ましくは、繊維スラリー混合物46のおよそ1体積%~5体積%、好ましくは1.5体積%~3体積%の範囲を構成する。また、パネル55の製造を容易にするために、パネルの全最終厚さが繊維スラリー混合物の形態の単層として適用される。
【0171】
生産ラインの変形例
図7は、ヘッドボックスの上流の本繊維スラリー混合デバイスと共に使用するのに好適なセメント質パネル生産ラインの一部分のプロセスフローチャートの第1の変形である生産ライン110と、ヘッドボックスの下流の生産ラインの上面図と、の複合図を示す。これは、スラリーアキュムレータおよび容積式ポンプ30を加えている。
【0172】
図8は、ヘッドボックスの上流の本繊維スラリー混合デバイスと共に使用するのに好適なセメント質パネル生産ラインの一部分のプロセスフローチャートの第2の変形である生産ライン210と、ヘッドボックスの下流の生産ラインの上面図と、の複合図を示す。これにより、繊維ロービングチョッパ40Aが追加される。
【0173】
これらの生産ラインの変形例における繊維スラリーミキサー32および繊維スラリー混合物36、ならびに示される他の同様の番号が付された要素は、図5および図6の生産ライン10において使用されるものと同じであることが想定される。
【0174】
であるが、図5~8は、繊維強化セメント質パネルを生産するために本発明の繊維スラリーミキサーを利用する製造プロセスのためのプロセスフロー図を示す。しかしながら、本発明の繊維スラリーミキサーの他の使用および応用が可能であり、本開示の一部として想定される。
【0175】
本発明の多段連続ミキサーを使用して生産された繊維強化セメント質スラリー混合物は、様々な土木工学および建設用途において特に有用である。より具体的には、本発明の多段連続ミキサーを使用して生産された繊維強化セメント質スラリー混合物は、連続製造方法を使用して様々な繊維強化セメント質製品を生産するのに特に有用である。本発明の多段連続ミキサーからの材料を利用して生産することができる繊維強化セメント製品の選択された例は、以下のように強調される。
【0176】
構造用サブフロアパネル
【0177】
構造用屋根外装パネル
【0178】
構造用壁外装パネル
【0179】
構造用基礎壁パネル
【0180】
恒久型枠パネル
【0181】
ルーフカバーボード
【0182】
耐衝撃かつ耐爆パネル
【0183】
外部サイディングパネルおよびトリム
【0184】
外部ファサードおよび建築用パネル
【0185】
建築用天井パネル
【0186】
屋根瓦
【0187】
タイルバックボード
【0188】
合成石、レンガおよびタイル
【0189】
カウンタートップ
【0190】
家具
【0191】
プレハブ壁アセンブリ、床および床天井アセンブリ、ならびに屋根アセンブリ
【0192】
合板、配向性ストランドボード、ならびに様々な用途における低、中、および高密度繊維ボードの代替製品
【0193】
アクセスフロアパネル
【0194】
他の用途
【0195】
繊維強化構造用セメント質パネルを生産するための本スラリー送給部の特定の実施形態を示し、説明してきたが、当業者は、より幅広い態様において、また、以下の特許請求の範囲に記載されるように本発明を逸脱することなく、変更および修正が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図5
図6
図7
図8