(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】電子部品パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20220310BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220310BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
(21)【出願番号】P 2019506178
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 KR2017008427
(87)【国際公開番号】W WO2018026229
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2016-0100081
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ペク,チヒョン
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-039022(JP,A)
【文献】特開2010-027963(JP,A)
【文献】特開2002-046482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/29
23/34 -23/36
23/373-23/427
23/44
23/467-23/473
25/00 -25/07
25/10 -25/11
25/16 -25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に配置された流路を含むハウジング;および
前記ハウジングに配置される流入口および吐出口を含み、
前記流路は、
前記流入口と連結される第1領域、および前記吐出口と連結される第2領域を含み、
前記第1領域はガイドを含み、
前記ガイドは前記流入口から遠くなるほど幅が広くなる領域を含
み、
前記第1領域は前記流入口と連結される第1テーパー部を含み、
前記第1テーパー部の内側壁は、前記流入口から遠くなるほど前記第2領域から遠くなるように曲がる部分を含む、電子部品パッケージ。
【請求項2】
前記第1テーパー部の内側壁は
、前記流入口の中心軸と交差する、請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
前記ガイドは前記第2領域に向かって延びる、請求項
1又は2に記載の電子部品パッケージ。
【請求項4】
前記ガイドは前記流入口と向かい合う第1終端部、および前記第1終端部の反対側に配置された第2終端部を含む、請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項5】
前記第1終端部の幅は、前記第1テーパー部の幅に比例して広くなる、
請求項4に記載の電子部品パッケージ。
【請求項6】
前記ガイドは前記第1終端部と
前記第2終端部を連結する折り曲げ部を含む、請求項
4又は5に記載の電子部品パッケージ。
【請求項7】
前記折り曲げ部の幅は前記第1終端部および第2終端部の幅より大きい、請求項
6に記載の電子部品パッケージ。
【請求項8】
前記第2終端部は前記流入口の中心軸と交差する、請求項
4乃至7のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項9】
前記ハウジングの他面に配置される複数個の電子部品を含む、請求項1
乃至8のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項10】
前記電子部品はスイッチ、変圧器、ダイオードのうち少なくとも一つを含む、請求項
9に記載の電子部品パッケージ。
【請求項11】
前記他面を覆う第1カバー、および前記一面を覆う第2カバーを含む、請求項
9又は10に記載の電子部品パッケージ。
【請求項12】
前記一面に突出して形成された複数個の放熱フィンを含み、
前記放熱フィンは前記電子部品が実装された領域と重なる領域に配置される、請求項
9乃至11のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項13】
前記ガイドは前記第1テーパー部を幅方向に二等分する、請求項1
乃至12のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は電子部品パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
モーターを使用するハイブリッド自動車(例:電気車)はモーターを制御するモーター制御ユニットとDC/DCコンバータを含む。
【0003】
DC/DCコンバータは直流電圧を変圧する装置であって、直流を交流に変換して変圧した後に再び整流して直流を得ることができる。
【0004】
DC/DCコンバータは作動する過程で熱が発生する。したがって、DC/DCコンバータから熱を除去するために、冷却システムが一般的に使用される。しかし、高圧の冷却水が循環する過程で渦流または気泡が発生したり、冷却水の流れが一定でないため冷却効率が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例は冷却性能が改善された電子部品パッケージを提供する。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に限定されず、ここで言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例に係る電子部品パッケージは、一面に配置された流路を含むハウジング;および前記ハウジングに配置される流入口および吐出口を含み、前記流路は、前記流入口と連結される第1領域、および前記吐出口と連結される第2領域を含み、前記第1領域はガイドを含み、前記ガイドは前記流入口から遠くなるほど幅が広くなる領域を含む。
【0008】
前記第1領域は前記流入口と連結される第1テーパー部を含むことができる。
【0009】
前記第1テーパー部は前記流入口から遠くなるほど前記第2領域と遠くなるように曲がり得る。
【0010】
前記第1テーパー部の第1側壁は前記流入口の中心軸と交差し得る。
【0011】
前記ガイドは前記第2領域に向かって延びることができる。
【0012】
前記ガイドは前記流入口と向かい合う第1終端部、および前記第1終端部の反対側に配置された第2終端部を含むことができる。
【0013】
前記ガイドは前記第1終端部と第2終端部を連結する折り曲げ部を含むことができる。
【0014】
前記折り曲げ部の幅は前記第1終端部および第2終端部の幅より大きくてもよい。
【0015】
前記第2終端部は前記流入口の中心軸と交差し得る。
【0016】
前記ハウジングの他面に配置される複数個の電子部品を含むことができる。
【0017】
前記電子部品はスイッチ、変圧器、ダイオードのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0018】
前記他面を覆う第1カバー、および前記一面を覆う第2カバーを含むことができる。
【0019】
前記一面に突出して形成された複数個の放熱フィンを含み、前記放熱フィンは前記電子部品が実装された領域と重なる領域に配置され得る。
【0020】
本発明の他の実施例に係る電子部品パッケージは、一面に配置された流路を含むハウジング;および前記ハウジングに配置される流入口および吐出口を含み、前記流路は、前記流入口と連結される第1領域、および前記吐出口と連結される第2領域を含み、前記第1領域は前記流入口と連結される第1テーパー部を含み、前記第1テーパー部は前記流入口から遠くなるほど前記第2領域と遠くなるように曲がり得る。
【発明の効果】
【0021】
実施例によると、冷却水の流れを制御して冷却効率を向上させることができる。
【0022】
また、冷却水の渦流および気泡が発生する問題を改善することができる。
【0023】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例に係る電子部品パッケージの分解斜視図。
【
図4】冷却パネルに流入した冷却水の流れを説明するための図面。
【
図7】第1変形例の冷却性能をシミュレーションした結果。
【
図8】ガイドがない状態の冷却性能をシミュレーションした結果。
【
図9】厚さの変化がないガイドを装着した状態の冷却性能をシミュレーションした結果。
【
図10】厚さが変化するガイドを装着した状態で冷却性能をシミュレーションした結果。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して説明する。しかし、これは本発明の実施例を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、実施例の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0026】
第1、第2等のように序数を含む用語は多様な構成要素の説明に使用され得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されはしない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、実施例の技術的範囲を逸脱することなく第2構成要素は第1構成要素と命名され得、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名され得る。および/またはという用語は複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0027】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」あるとか「接続されて」あると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているかまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。その反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」あるとか「直接接続されて」あると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0028】
本出願で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明の実施例を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたのが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0029】
実施例の説明において、いずれか一つのelementが他のelementの「上(うえ)または下(した)(on or under)」に形成されるものとして記載される場合において、上(うえ)または下(した)(on or under)は二つのelementが互いに直接(directly)接触するか、一個以上の他のelementが前記両element間に配置されて(indirectly)形成されるものをすべて含む。また「上(うえ)または下(した)(on or under)」と表現される場合、一つのelementを基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含み得る。
【0030】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず、同一であるか対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0031】
図1は本発明の一実施例に係る電子部品パッケージの分解斜視図であり、
図2は
図1の平面図である。
【0032】
図1を参照すると、電子部品パッケージは他面111に複数個の電子部品11、12、13が配置され、一面112には流路が形成されたハウジング100と、ハウジング100の他面111をカバーする第1カバー210、およびハウジング100の一面112をカバーする第2カバー220を含む。
【0033】
ハウジング100は、複数個の電子部品11、12、13で発生した熱を放出するために、一面112には冷却水が流入する流路が形成され得る。ハウジング100の他面111には複数の部品11、12、13が配置される空間部が形成され得る。
【0034】
第1カバー210はハウジング100の他面111に結合して複数個の電子部品11、12、13を覆うことができる。第2カバー220は一面112に結合して流路を密閉することができる。第2カバー220は流路の形状と対応する形状を有することができる。したがって、第2カバー220の面積は第1カバー210の面積より小さくてもよい。結合方法はねじ結合を例示したが必ずしもこれに限定されない。
【0035】
電子部品パッケージは、多様な電子部品が実装されるパッケージをすべて含む概念であり得る。例えば、電子部品パッケージは、DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータなどの多様な電子部品が集約されたパッケージであり得る。
【0036】
電子部品パッケージがDC/DCコンバータである場合、電子部品は複数個のMOSFETで構成されたスイッチング部12、トランスフォーマー13、および整流ダイオードなどを含むことができる。このような電子部品は他の部品に比べて相対的に熱が多く発生し得る。
図2を参照すると、図面を基準として相対的に上部側が高温領域R1であり得る。
【0037】
このような電子部品は動作可能な温度範囲があるため、部品で発生した熱を迅速に放出することが重要である。すなわち、パッケージの温度制御が製品の信頼性に大きな影響を及ぼし得る。
【0038】
特に、電気車の場合、バッテリの電圧レベルを変換して多様な電圧レベルで動作する部品の電源として使用しなければならないため、コンバータの信頼性が非常に重要である。
【0039】
ハウジング100は4個の側面101、102、103、104を有することができる。第1側面101と第2側面102は互いに向かい合うように配置され、第3側面103と第4側面104は互いに向かい合うように配置され得る。この時、第1側面101は第3側面103より長くてもよい。
【0040】
第1側面101には冷却水流入口150および吐出口140が配置され得る。第1コネクター161は流入口150と吐出口140の間に配置され得、第2コネクター162は第1側面101と第4側面104が会う角付近に配置され得る。また、各側面101、102、103、104が会う角には突出部163が配置されており、電子部品パッケージを車両などに固定することができる。第3側面103にはハウジングの内部に空気を循環させることができるエアーダクト164が配置され得る。
【0041】
図3は
図1の底面図、
図4は冷却パネルに流入した冷却水の流れを説明するための図面である。
図5は
図4の第1変形例であり、
図6は
図4の第2変形例である。
【0042】
図3を参照すると、ハウジング100の一面112には流路120が形成され得る。流路120は冷却水が流入する第1領域121と、冷却水が排出される第2領域122を含むことができる。
【0043】
第1領域121は流入口150と連結されて冷却水が流入し、第2領域122は吐出口140と連結されて冷却水が排出され得る。流入口150と吐出口140はハウジング100の一側面に並んで配置され得る。したがって、流路120はU字状を有し得る。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、流入口150と吐出口140はハウジング100の他側面にそれぞれ配置され得る。
【0044】
流路120は
図2の高温領域とマッチングされる領域R2に設けられ得る。
【0045】
動作温度が高い部品が配置された領域には、複数個の放熱フィン141が配置され得る。放熱フィン141の位置および個数は特に限定しない。例示的に、相対的に発熱が大きいMOSFETや変圧器が位置した領域には放熱フィン141の個数が増加し得る。放熱フィン141のうち一部は部品の温度を下げる役割をするだけでなく、部品を締結するための溝としても機能し得る。
【0046】
第1領域121は流入口150と連結された第1テーパー部121aを含む。第1テーパー部121aは流入口150から遠くなるほど幅が広くなり得る。第1テーパー部121aは流入した冷却水の流速およびまたは流量を制御することができる。第1テーパー部121aを通じて流入した冷却水は第1領域121と第2領域122を冷却させることができる。第1領域121と第2領域122を通過した冷却水は吐出口140を通じて外部に排出され得る。
【0047】
図4を参照すると、第1テーパー部121aは流入口から遠くなるほど第2領域122と遠くなるように曲がり得る。この時、第1テーパー部121aを形成する両側壁のうち第1側壁124aは、流入口150の中心軸L3と交差し得る。ここで、第1側壁124は流路120の閉ループを形成する内側壁であり得、第2側壁123は流路120の閉ループを形成する外側壁であり得る。したがって、第2側壁123の長さは第1側壁124より長い。実施例によると、第1側壁124と第2側壁123が流入口150から遠くなるほど第2領域122と遠くなるように曲がるため、流路の幅が過度に大きくなることなく流速を制御することができる。
【0048】
流入口150を通じて流入した高圧の冷却水は第1テーパー部121aの第1側壁124aによって方向が変化され得る。流入口150を通じて流入した冷却水の最初の経路は中心軸L3と実質的に平行であり得る。しかし、第1テーパー部121aの第1側壁124aが曲がった分だけ冷却水の経路も曲がるようになる。
【0049】
ガイド130は第1領域121に配置され得る。ガイド130は互いに反対側に配置される第1終端部131と第2終端部133、および第1終端部131と第2終端部133を連結する折り曲げ部132を含むことができる。
【0050】
第1終端部131は流入口150と向かい合うように配置され得る。したがって、流入口150を通じて流入した冷却水は、ガイド130の第1終端部131により分岐され得る。すなわち、ガイド130は第1テーパー部121aを二等分して冷却水の移動経路を二つに分離することができる。したがって、流速が低くなり、流量が一定となって渦流現象が減少され得る。
【0051】
第1テーパー部121aの幅は流入口150から遠くなるほど広くなるように形成されて、流量および流速を制御することができる。第1終端部131の幅も第1テーパー部121aの幅に比例して広くなり得る。このような構成によると、第1テーパー部121aの幅を均一に二等分することができる。したがって、流量および流速を一定に制御して渦流現象を抑制し、冷却性能を向上させることができる。
【0052】
折り曲げ部132は第1終端部131から第2領域122に向かって曲がり得る。折り曲げ部132は第2側壁のラウンド領域123aに対応してラウンドが形成され得る。折り曲げ部132は流入した冷却水のうち、内側壁によってガイドされた冷却水を第2領域122に流れるように制御することができる。このような構成は、流入口150と吐出口140の間隔を変更させずに、冷却水の移動経路を広げ、流速および流量を制御できる長所がある。
【0053】
第2終端部133は流入口150の中心軸L3と交差し得る。すなわち、第2終端部133は流入口150の中心軸L3を基準として第2領域122に向かって突出し得る。もし、第2終端部133が流入口150の中心軸L3と交差しない場合、第1テーパー部121aの第1側壁124aにぶつかった冷却水の一部は側壁にぶつかるようになり渦流が発生し得る。
【0054】
折り曲げ部132は第1終端部131および第2終端部133と比べて幅が大きくてもよい。したがって、ガイド130は延長方向に幅が大きくなってから再び小さくなり得る。折り曲げ部132の幅が大きくなる場合、冷却水の強い油圧に耐えることができ、折り曲げ部132の滞留する冷却水の量を減らすことができる。
【0055】
実施例によると、流入した冷却水はガイド130の第1終端部131により二つに分岐され得る。このうち、外側に分岐した第1流れS11は第2側壁123に形成された曲率123aに沿って第2領域122に移動するようになる。したがって、渦流の発生が抑制され得る。
【0056】
また、内側に分岐した第2流れS12は第1側壁124aによりガイド130の内側面に誘導され、ガイド130により第2領域122に向かって方向が転換され得る。したがって、流速が均一となって渦流の発生を抑制することができる。
【0057】
流路120を包囲する最小大きさの四角形400を仮定する場合、四角形400は第1側面401と第3側面403を二等分する第1仮想線L1と第2側面402と第4側面404を二等分した第2仮想線L2により定義される、4個の分割領域を含むことができる。
【0058】
4個の分割領域は、第1側面401と第2側面402がなす第1分割領域301と、第1側面401と第4側面404がなす第2分割領域302と、第4側面404と第3側面403がなす第3分割領域303と、第3側面403と第2側面402がなす第4分割領域304を含むことができる。
【0059】
この時、流路120の第1領域121は第1分割領域301と第3分割領域303上に配置される領域と定義することができ、流路120の第2領域122は第2分割領域302と第4分割領域304が配置される領域と定義することができる。また、第1仮想線L1は流入口と排出口との間の中間地点であり得る。
【0060】
流路120の第1領域121の第1テーパー部121aは第1分割領域301に位置する領域と定義することができる。第2分割領域302に位置した第2テーパー部122aは冷却水が吐出される領域と定義することができる。第2テーパー部122aは吐出口と近くなるほど幅が狭くなるように形成され得る。
【0061】
第3分割領域303と第4分割領域304に対応する領域121b、122bはメイン冷却領域と定義することができる。メイン冷却領域121b、122bは殆どの電子部品が配置された領域と重なる領域であり得る。前述した通り、第1テーパー部121aを通過した冷却水は渦流の発生が抑制されるため、メイン冷却領域121b、122bでの冷却効率が向上され得る。
【0062】
第1分割領域301は流入口150の中心軸L3により第1-1分割領域と第1-2分割領域に区分され得る。また、第4分割領域304も流入口の中心軸L3により第4-1分割領域および第4-2分割領域に区分され得る。第1-1分割領域は第1側面401と第2側面402を含むことができ、第1-2分割領域は第1側面401のみを含むことができる。また、第4-1分割領域は第2側面402と第3側面403を含むことができ、第4-2分割領域は第3側面403のみを含むことができる。
【0063】
この時、ガイド130の第1終端部131は第1-1分割領域に配置され得る。折り曲げ部132は第4-1分割領域に配置され得、第2終端部133は第4-2分割領域に配置され得る。また、第1側壁124aが第3側面403と最も近くなる地点124bは第4-2分割領域に配置され得る。
【0064】
しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、流路120の形状は多様に変形され得る。例示的に、
図5のようにガイド130が省略されたり、
図6のように流路120の外側面にラウンド形状が省略されてもよい。
【0065】
図7は第1変形例の冷却性能をシミュレーションした結果であり、
図8はガイドがない状態の冷却性能をシミュレーションした結果であり、
図9は厚さの変化がないガイドを装着した状態の冷却性能をシミュレーションした結果であり、
図10は厚さが変化するガイドを装着した状態で冷却性能をシミュレーションした結果である。
【0066】
図7を参照すると、第1テーパー部が曲がらずガイドもない場合、流入した冷却水は強い圧力によって流路120の外側壁S2にぶつかるようになる。したがって、渦流が発生するようになるため、冷却性能が低下する。
【0067】
図8を参照すると、第1テーパー部を曲がるように配置し、流路の外側をラウンド状に形成すると、
図7に比べて冷却水の圧力が緩和することが分かる。これは冷却水の移動経路が変更されたことによって圧力が緩和し、ラウンド状の外側に沿ってガイドされたためと考えられる。
【0068】
しかし、
図8で薄緑色領域S4は直接的な渦流は発生していないものの、相対的に流速が低くなり、多様な因子によって気泡が発生する確率が高い。このような気泡が多くなると、冷却性能が低下され得る。
【0069】
図9を参照すると、
図8に比べて薄緑色領域の面積S6が減ったことを確認することができる。したがって、渦流および気泡の形成を抑制して冷却効率を向上させることができることを確認することができる。
【0070】
図10を参照すると、ガイド130内に滞留水が減ったことを確認することができる。
図9の場合、ガイド130の幅が同じであるため、折り曲げ部132の凹部領域S5に多量の冷却水が滞留している。しかし、
図10のようにガイド130の幅が延長方向に大きくなる場合、折り曲げ部132の凹部領域が小さくなって滞留水の面積S7が小さくなったことを確認することができる。