(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】携帯電話用隠しアンテナを有する広告看板
(51)【国際特許分類】
G09F 19/22 20060101AFI20220310BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20220310BHJP
G09F 7/18 20060101ALI20220310BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20220310BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
G09F19/22 D
G09F23/00 Z
G09F7/18 Z
H01Q1/12 C
H01Q1/22 Z
(21)【出願番号】P 2019532206
(86)(22)【出願日】2017-08-24
(86)【国際出願番号】 ES2017070584
(87)【国際公開番号】W WO2018037145
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-14
(32)【優先日】2016-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519062188
【氏名又は名称】プブリシダー・エクステリオール・ソシエダッド・デ・レスポンサビリダード・リミターダ
(73)【特許権者】
【識別番号】519062199
【氏名又は名称】ハビエル・アンドレス・エグイヤ・テラダス
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ウンベルト,エンリケ・アルベルト
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-004988(JP,A)
【文献】登録実用新案第3185100(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 7/00- 7/22
G09F 13/00-13/46
G09F 19/22
G09F 23/00
H01Q 1/00- 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告看板において、
少なくとも1つのグリッド(5)を画定する複数の相互接続された
フレーム部材(7)を含むフレーム(2)であって、各グリッドは内面(51)および外面(52)を有する、フレーム(2)と、
各グリッド(5)の外面(52)上の金属シートカバー(4)と、
前記金属
シートカバー(4)中に配置された少なくとも1つの窓(8)と、
前記グリッドの前記外面を覆い、前記窓(8)
の位置で、電磁波を透過する非金属材料で作られた薄板状パッチ(12)と、
前記グリッド
の内側かつ前記窓の位置に全体が配置され、少なくとも1つの携帯電話アンテナ(10)と、
前記窓のフレームを形成する代替的
フレーム部材であって、前記代替的
フレーム部材は、電磁波を透過する非金属材料で作られ、前記アンテナは完全に前記フレームで覆われ、前記
フレーム部材(7)は金属製である、代替的
フレーム部材とを備えた、広告看板。
【請求項2】
請求項1に記載の広告看板において、電磁波を透過する前記非金属材料は、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ガラス繊維、ガラス繊維強化ポリエステルからなる群から選択された、広告看板。
【請求項3】
請求項1に記載の広告看板において、電磁波を透過させる非金属材料の薄板状パッチは、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)パネルを含み、前記グリッドの前記外面上の前記金属シート
カバー(4)は、スチールパネルを含む、広告看板。
【請求項4】
請求項3に記載の広告看板において、前記窓および前記薄板状パッチは長方形である、広告看板。
【請求項5】
請求項1に記載の広告看板において
、相互接続された
前記代替的
フレーム部材の電磁波を透過させる前記非金属材料は、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)で作られた、広告看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厳しい大気条件にさらされ、印刷された宣伝の表示を目的とし、広告看板自体の中に携帯電話用アンテナを隠すという革新的な能力を有するとともに、金属構造の伝統的な看板が与え得る電磁信号に対する遮蔽による悪影響を与えないという利点を有する、通常は屋外に完全に露出され、好ましくは大型平面を有するタイプの大型広告看板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の使用の普及が進むにつれて、携帯電話サービスのユーザ数が増加するだけでなく、より良好な信号品質およびデジタルデータのより大きなトラフィックに対する要求が日々増加している。上記の全ては、それが最も多様な地理および環境において一貫して利用可能である場合、すなわち、地理的に広い範囲で利用可能である場合にのみ、ユーザによって喜ばれる。
【0003】
これらの市場の要求に応えるために、公共の場に携帯電話用アンテナを設置することが長年にわたって行われてきたが、対照的に、ますます多くの電話サービスを求めるのと同じユーザは、アンテナの侵略的で不快な側面に対して苛立ちを隠し得なかった。それは都市でも地方でも、携帯電話用アンテナの視覚的統合性の欠如であり、それは純粋に技術的な必要性のためにこれらのアンテナを高い高さでそして適切な信号範囲を得ることを技術的な目的としてとても良く視認可能な広場に取り付ける必要があるという事実による。この理由のため、携帯電話用のアンテナは粗雑に露出しており、主にこのような携帯電話用のアンテナの外観は純粋に技術的および美的ではない問題に対応している。これらの理由のために、アンテナそれ自体、ならびにそれらの支持構造、それらのケーブル、および補助設備は、それらの周囲に対して侵略的で不快な美的な複合体を形成している。
【0004】
携帯電話用の「侵入型」アンテナの急増に対応し、環境への視覚的影響を最小限に抑えることを目的として、現在、このタイプのアンテナは、環境との良好な統合およびその技術的性能を阻害しないことを獲得していないことを念頭に置かれたい。従来技術では、アンテナの露出を回避するために様々な代替的な設計が提案されてきた。このような様々な設計は、環境を模倣する手法を繰り返し適用することに基づいている。
【0005】
現在、環境の模倣は、例えば、自然界に存在する様々な形態でアンテナを覆い隠すことによって得られており、このようにして電話会社は、偽の木、偽のヤシの木、偽のサボテンなど、現在の植物の多様な要素を模倣した設備を用いた、周囲との巧妙な擬態を得ることが可能であると考えている。この種のカモフラージュの一例は、ヤシの木を模倣したアンテナ構造の提案する、米国特許第5,787,649A号に見られる。実際には、携帯電話のアンテナは偽のヤシの葉と同じ色に塗られ、観察者を視覚的に混乱させるように絡み合っている。これらのカモフラージュは、アンテナを格納したり覆ったりしないので電磁信号を遮蔽しておらず、偽装しているだけであるが、まだ視界に入っている。自然を模倣するという単なる事実だけで、風や雨の構造的負荷などの大気要因に抵抗する自然適応の利点を享受し、それらを保護に有利な場所や方向に配置できることは注目に値する。可能な限り視認可能で明確に露出されるべきである、本発明の目的に係る広告看板に起こることとは対照的に、より隠れてより見え難いほどよい。
【0006】
携帯電話用のアンテナを模倣または隠す他の技術は、偽煙突などの建築部品の模造、または偽の貯水槽、模造の街角の組み込み、または他の模倣の間での特定の建築物の拡張の模倣、すなわち常に、新しいアンテナを組み込む必要がある以外は、本来は存在しなかった新しい構成の追加に基づく。これらの構造は、全体的にまたは部分的にアンテナを覆い、元の環境を変更し、それらのサイズ、位置、および収容または隠すアンテナまたは機器の数によって調整される。偽の貯水槽は、アンテナがその外部の円筒形の形状を含む空間を制限し、そして一度設置されるとそれらの容量を拡大する修正を許さず、そして最終的に環境と統合しないもっと侵略的な要素を導入し続ける。模擬煙突または建物の連続体への組み込みは、構造上の制約で建物の屋根に統合されるように調整され、視覚汚染に対するますます増大する都市規制に直面するため、サイズ、アンテナの量、透過性、および到達範囲において非常に限られている。
【0007】
当業者であれば、携帯電話アンテナを設置するために十分な空間を必要とし、適切な解決策となり得る、高い高さに配置する必要があることを考慮すれば、それらは適切な解決策となり得る、高速道路、大通り、道路などの屋外で使用される大型広告看板に容易に取り付けることができると考えるかもしれない。しかしながら、実際には、今日まで、広告看板製造業者は、広告看板をアンテナと一体化するための適切な方法を見出しておらず、このため、本発明に使用されるタイプの広告看板は、アンテナをその中に一体化または隠していない。これは、これまでの既知の技術を使用している広告看板の製造業者は、電磁波を遮蔽する伝統的な金属材料、及びカバープレートのロールをフレームに使用するようになっており、これはアンテナをそれらの設計に統合することを妨げていることから理解することができる。
【0008】
例として、「Single-column advertising structure including a mobile telephone station」と題する特許出願WO2011104393は、公共看板の製造業者がアンテナを広告看板に統合する困難性を強調している。特許明細書に図示および記載されているように、アンテナが露出するように、アンテナは必然的に第1および第2の金属プラットフォームの上および広告看板の印刷面が取り付けられる金属フレームの上に突き出ていなければならない。アンテナが広告看板の上に突き出ていない場合は、構造的に支えて広告看板自体を横方向に覆うのにとても重要な、金属プロファイル(profile)とプレートとのによる構造が電磁波を遮蔽し得る。この種の標識の簡単で明瞭な表現は、それらを隠すことなく広告看板自体の上にアンテナを支持するために役立つだけであることが添付の
図1に示されており、
図1は従来技術の代表例である。
【0009】
従来技術による
図1は、高利得携帯電話アンテナを含む、様々なタイプのアンテナの典型的な外部分布がはっきりと見ることができ、それは看板自体の金属構造から生じる遮蔽効果により、言及するアンテナを偽装することは不可能である。
図1には、本発明の対象となるタイプの大型標識に関する、最も近い公知の先行技術の代表例が示されており、上側および右側に向けて、読み手に様々なカバー層を見出させるために、広告の視認可能な側を形成する様々な層は、外側の層の最前面において、キャンバスまたは塗料の層が広告デザインを含んでおり、その下には、グリッドまたはメインフレームとして広告看板の内部に最後にあり、全体に必要な構造抵抗を与える、金属グリッドを張り合わせる金属シートで得られた金属コーティングの層がある。
【0010】
当業者であれば、大型広告看板は、自分で支持するだけでない、すなわち、自分の重さを支えるのに十分強いだけでなく、それらがさらされるであろう気象の厳しさの条件、主に風や雨による負荷、さらには地方の気候に依存する雪や他の要因に耐えるのに十分に強くなければならないように構築されていなければならないことをよく知っている。特に、広告看板は、(船の帆などのように)大きな露出面により、風や雨による荷重に対して特に脆弱で、風や雨の圧力によって荷重が過度に蓄積される。
【0011】
製造業者は、ある設置場所における広告看板に作用する風や雨の荷重の条件を事前に知っているが、広告面は商業的に有用な方法で設置される必要があること、つまり、車または単に歩行者として移動する人に見えるように宣伝するために、面の向きを優先することも十分に認識している。したがって、製造業者は、広告面が風または雨の方向を向いている位置が常に最も好ましいとは限らないことを知っており、このため、広告看板は規則に従って機械的な抵抗力を優先して構築されており、フレームおよび広告キャンバス用の支持面による必要な機械的な抵抗力を得るために、メインフレームを形成した後にそれらを対応する金属パネルで覆うように、金属断面、接続ノットにねじ止めまたは溶接を用いることに頼っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この理由のため、電話会社が市場で入手可能なフレームおよび金属コーティングによる現在の大型広告看板を使用しようとし、そして携帯電話用のアンテナを広告看板の内側に偽装しようとすると、広告看板自体の構造は、電磁波の送信およびと受信をほぼ完全に遮蔽するため、それはサービスの電磁信号を得ることができない。このような状況に鑑みて、本発明者らは、携帯電話用のアンテナを完全に隠すことを可能にし、風、雨などの荷重に対する機械的構造的応答を損なうことなく、メンテナンスやアップデートのための完全で簡単なアクセスを備え、この携帯電話用アンテナの電磁波に対する完全で信頼性のある透過性を有する、大型広告看板の新しいタイプの構造を提供することの必要性が依然としてあると理解している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、広告看板内に携帯電話通信用のアンテナなどを完全に隠すことができる広告看板を提供することである。広告看板は、少なくとも1つのグリッドを画定する複数の相互接続プロファイルからなるフレームが設けられ、各グリッドは、外面および内面をもたらし、グリッドの外面上の金属積層コーティングが設けられ、この方法により、提案する新しい広告看板は、電磁波を透過する非金属材料、好ましくはガラス繊維強化プラスチック(FGRP)(英語の頭字語でも知られるFGRP、「ガラス強化繊維」)の薄板状パッチで覆われた、金属積層に少なくとも1つの開口窓を有している。これは、電磁波を透過する非金属材料の薄板状パッチの後ろ、すなわちグリッドの内側(グリッドの裏側)に完全に隠された少なくとも1つの携帯電話アンテナを設けることが可能である。上記と組み合わせて、相互接続プロファイルが、元々金属製プロファイルとリプレイスされる代替的なプロファイルを除いて、金属製であることが提案されており、記載したプロファイルのグリッドのカバー上の窓または開口の領域内に入る相互接続代替プロファイルも、窓のパッチのような電磁波を透過する非金属材料から生じ、これは広告看板の内側アンテナが電磁信号を遮蔽することなくサービスを提供できるようにするためである。
【0014】
したがって、本発明の目的はまた、パッチおよび代替プロファイルに適しかつ適用可能な電磁透過性非金属材料が、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびポリプロピレン(PP)からなる群から選択される広告看板を提供することでもあり、必ずしも電磁波に対する所望の透過性を提供するパッチおよび代替プロファイルに対して同時に同じ種類の材料を制限として使用する必要はない。
【0015】
したがって、本発明の目的は、電磁波を透過させる非金属材料の薄板状パッチが、好ましくは長方形のガラス繊維強化プラスチック(FGRP)パネルとして製造され、長方形の鋼板パネルをも含む、グリッドの外面上がコーティングされた金属シートの窓の輪郭を効果的に覆うことができる広告看板を提供することである。
【0016】
したがって、本発明の別の目的は、言及した窓の領域から金属材料を除去して電磁波を透過させる離散量の窓を設けることにより、発生する電磁波(無線周波数、マイクロ波など)の出力および入力を遮蔽することなく、携帯電話、または無線周波数、電磁波などの送信および受信の他の種類の装置用の1つまたは複数のアンテナをその内部に完全に収容する能力を有する広告看板を提供することである。電磁波を透過する窓の数は、看板の内側の全ての機能アンテナの使用を可能にするのに十分であるが、広告の観点およびアンテナとしての使用の観点から見た完全に機能的な寸法の広告看板を得るために、看板の構造の必要な機械的抵抗を妨げないように適合された数量である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術によるアンテナの正面斜視図を示す。
【
図2】本発明の好ましい実施例による携帯電話用アンテナの隠蔽能力を備えた広告看板の正面斜視図を示す。
【
図3】広告キャンバスのない本発明の例示的な好ましい実施形態による広告看板の正面斜視図示す。
【
図4】アンテナのフレームへの統合を説明するための、
図3に示す2つのアンテナの詳細な拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上述のように、本発明の主な目的は、広告看板(1)の内側に携帯電話用アンテナ(10)を完全に隠し、同時に金属が有する電磁波を遮蔽する効果を回避することである。好ましく例示されているタイプの広告看板は、単一の支柱(13)上に掲げられて支持されている2つの目に見える広告面を有するシングルポストタイプ(1ポスト)であるが、本発明の原理および教示は、以下で展開される教えに基づく多種多様の広告看板フォーマットに適用されることができる。
【0019】
図1は、高速道路広告、電話アンテナ、ならびに他の種類の電磁波の放送および受信アンテナが、広告看板自体の金属構造を遮蔽することを防止するために看板上にぼんやりと見えている一本の柱の上に取り付けられた大型屋外広告看板を示す一般的な従来技術の描写である。
【0020】
本発明の目的のため、特定の広告看板フォーマットにかかわらず、本発明の教示を適用するために、広告看板(1)は、互いに対して(伝統的形式で)相互接続されて少なくとも1つのグリッド(5)を画定する複数のプロファイル(7)からなるフレーム(2)を含み、グリッドは内面(51)と外面(52)とを有し、(伝統的形式で)グリッド(5)の外面(52)上に金属シートカバー(4)も含む。一般に、金属シートカバー(4)は、長方形または帯状の金属パネル、またはグリッド(5)に、すなわち対応するグリッド(5A、5Bなど)に接着された金属シート(4)である。本発明の基礎として使用されるタイプの広告看板のフレームは、「グリッド」として以下に定義するように相互接続された、バー、ビーム、コラムなどのような複数の金属プロファイル(7)によって形成され、各グリッド(5)は一般に平らであり、そして構造的強度の必要性のためにそれは金属材料で構成され、そして溶接、ねじ、または他の取付手段によって金属プロファイルを相互接続することによってグリッド、グリッドまたは格子型の態様に形成され、この理由によりそれらは「相互接続された」ように表示される。
【0021】
当業者が知っているように、単一のグリッドがフレームを形成するために提供されるとき、単一の前面を有する広告看板が得られ、ここでフレームはグリッドと一致し、その場合(グリッドの裏側)の部分は、例えば、壁に面しているか、他の構造物に埋め込まれているため、視認者には見えない。一方、広告看板のフレームを形成する2つのラックが設けられている場合、面が平行でも角度があっても両面看板が得られ(後者の配置は非常に頻繁に使用される)、広告看板のフレームを形成するために3つのグリッドを提供するときの理由付けに従って、必要に応じて、3つの視認可能な面を有する、およびそれ以上の広告看板などが得られる。
【0022】
図2は斜視図であり、上記説明からわかるように、本発明の好ましい実施例による携帯電話用のアンテナ隠蔽能力を有する広告看板は、電磁波に対して透過性を有するパッチを観察するために印刷された広告キャンバスを部分的に切り取られている。電磁波を透過するパッチの背後に隠れているアンテナは、参考ためおよび説明を明瞭にするために細い線で示されており、電磁波を透過する窓は主線の枠で強調されている。
【0023】
図2には、フレーム(2)を支持する支柱(13)を有する広告看板(1)が示されている。フレーム(2)は、遠くから看板を見ている人がフレームの内部を見ることができない閉鎖構造を形成する。フレーム(2)の本発明のバリエーションでは、それは他の構成も可能であるが、大きな寸法を有する一対の主グリッド(5A)と、より小さな寸法を有することにより通常の平行パイプ形状を有する一対の二次側部グリッド(5B)とを有する。主グリッド(5A)は主広告面を支持するためのものであり、二次側部グリッド(5B)は隠蔽面または側方閉鎖面である。主グリッド(5A)および二次側部グリッド(5B)の数は、ユーザが望むフレーム(2)の形状に依存する。
【0024】
高利得携帯電話用のフレーム(2)内に複数の高利得携帯電話アンテナ(10)が設けられるが、これは限定されるものではない。アンテナ(10)は、対をなしてグループ化され、主グリッド(5A)の内部に沿って分布している。アンテナ(10)は、フレーム(2)の内部で完全に覆われている。
【0025】
図3は、上方から見た斜視図であり、広告キャンバスが取り除かれ、フレームの一部を部分的に切り取って視覚的干渉なしに観察できるようにした、本発明の例示的な好ましい実施形態による広告看板を示しており、2つのアンテナの位置が看板内に一体化されて(破線の円で印を付けられている)、
図4に詳細に示されている。ここでも、電磁波を透過する窓は、参照を容易にするために主線の枠を付けて目立つようにしている。
【0026】
図3では、フレーム(2)の内側が図の右側により良く示されており、携帯電話アンテナ(10)の配置がはっきりと見えるようになっている。明確にするために、内側支持構造は、省略されており、アンテナ(10)の後方、すなわちアンテナの放射方向の後方に配置されている。予想されるように、フレーム(2)の右上部分は、例として、
図4を拡大詳細図として参照するために線で描いた円内で強調表示されている2つの携帯電話アンテナ(10)の位置決めを観察できるように切り取られている。
【0027】
フレーム(2)は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の目に見える面の広告看板の形で多かれ少なかれ複雑であり得るが、当業者であれば理解するであろうし、広告看板の内側または裏側にある物体が、広告看板の通常の視認位置から広告看板を見ている視聴者の視界から完全に隠される、「内側」または「裏」の存在を解釈することを躊躇しないであろう。「外側」または「前側」もあり、フレーム(2)の外側または前側の全てがフレーム(2)の外側にあると考えられ、したがって必ずしも隠されているわけではない。したがって、広告看板が広告付きの単一の可視側、すなわち前グリッド上に支持された単一前面を有する特定の場合であっても、フレーム2は単一グリッド(5)によって形成されていてもよい。すなわち、それは内側(後ろ)および外側(前)も有しており、より具体的には、広告看板のフレーム(2)を形成する各グリッド(5)は、上記の基準に従って、内面(51)および外面(52)を有している。
【0028】
広告看板の製造の慣習的な実施において、視認可能な広告パネル(3)を支持するために、フレーム(2)、より具体的にはグリッド(5)は、様々な選択肢の内、グリッド(5A、5B)の外側を覆う、好ましくは金属シートまたは金属パネルでできた、好ましくは長方形の、金属シートカバー(4)で覆われており、広告看板はフレーム(2)の内部、主にアンテナ(10)およびそれらの動作のための補助機器である様々な機器を完全に隠しているため、本発明の目的にも関わらず、グリッド(5)の外部を覆う金属シートである、金属シートを設けることは広告看板内を隠すための基本である。しかしながら、従来の看板の金属板は電磁波の通過を遮蔽する(すなわち、妨害し、減衰させ、さらには防止する)ので、適切な場所で電磁波を透過する材料の複数の薄板状パッチ(12)、すなわち対応する電話アンテナ(10)の電磁波の「放射/受信の輪郭」領域に特に組み込まれた複数のパッチ、の巧妙な組み込みがなければ、携帯電話サービスをこの従来の構造で提供することは不可能であった。
【0029】
したがって、本発明の構造上の目的のために、携帯電話アンテナ(10)は、電磁波を透過する非金属材料の薄板状パッチ(12)によって覆われている。したがって、アンテナ(10)は人から見えないように完全に隠されることになるが、電磁波は原則として電磁波が透過することのできる薄板状パッチ(12)を通過することができるので、電磁波を放射および受信する能力を有してそれらのサービスを提供する。
【0030】
ここで提案されている電磁波透過性材料の薄板状パッチ(12)は、それらを入手し、それらを看板の一般的な形状(他の任意の複合形状も可能であり、限定される訳ではないが通常は長方形)に適合させ、したがってそれらを長方形の金属シートカバー(4)と組み合わせるのが最も簡単な工業的態様であるので、
図2乃至4に長方形形状で示されており、しかしながら、これは、携帯電話用アンテナ(10)の電磁波の放射および受信の大きな輪郭流れが生じるグリッド(5)の開口領域または窓(8)をパッチ(12)が覆っていることは本発明の目的を限定するものではない。
【0031】
特に、本発明の目的のための電磁波透過性材料のこのような薄板状パッチ(12)は、優れた機械的強度と電磁波のピッチに対する高い透過性とを兼ね備えたガラス繊維強化プラスチック(FGRP)でできていることが好ましい。また、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)に加えて他の材料を電磁波が透過するようなパッチ(12)に使用することができるが、これらとしては以下のものが見つかったが、これらに限定されるものではない。
【0032】
ポリカーボネート
PVC布(ポリ塩化ビニル)
ガラス繊維シート
ガラス繊維で補強されたポリエステル
ゴムのデジタルプリントのインク、広告グラフィックのUVおよび溶剤。
【0033】
敷地の都市環境との模倣および統合のための無鉛塗料。
要約すると、本発明による広告看板用の電磁波を透過する非金属材料は、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリプロピレン(PP)、および繊維ガラスおよびグラスファイバー強化ポリエステルからなる群から選択される。当業者は理解できるように、他の材料が電磁波を透過させる非金属材料としてうまく機能することができるので、本発明者らはこれが限定されるものではないと考えている。
【0034】
特に、例えば上述のFGRPのような材料による金属シートの完全な置き換えを実施しようとすると、組立体の強度が過度に弱くなることを本発明者らは見出し、そのため、普通の考えとは逆に、驚くべきことに、電磁波の透過率を最大にすることが厳密に必要とされる領域に特別に設置された透過性ラメラの限定された数の「即興」でパッチの適用が本発明によりもたらされることが発見された。この意味では、パッチが広告構造の電磁波の放射/受信面に分配されることが提案され、それによって、介入が目に見えないまたは都市環境から知覚できないので、広告構造の機械的抵抗を弱めずに最適な特性の商業的性能を可能にするという利点を提供しながら、電話信号の放射および受信の最適性能を提供し、言及するパッチ(有効な有用なサービスのシグナル)によって出入りするもの以外の他のタイプの放射をフィルタリングする。
【0035】
図4は、
図3に示す2つのアンテナをより詳細に示し、グリッドカバーパッチの裏側のフレーム内および金属プロファイルが非金属プロファイルに置き換えられている統合された窓内のアンテナを示すために、両方とも電磁波に対して透過性を有する。印刷された広告を有するキャンバスもまた、参照の目的のためだけに破線で示されている。
【0036】
図2および
図3、ならびに
図4の拡大詳細図に示すように、アンテナ(10)は、フレーム(2)の内側、すなわち対応するグリッド(5)の裏側に向けて配置され、グリッド(5)の外面(52)を覆う金属シートカバー(4)の窓(8)を覆い、電磁波を透過する非金属材料の薄板状パッチ(12)の後ろに完全に隠れている。本発明の目的のために、窓(8)は事実上、例えば金属板から格子(5)の表面の不連続な領域をねじにより、切断により、または単に外すことによって言及した金属板カバー(4)に作られた開口、好ましくは長方形の開口である。
【0037】
また、フレーム(2)が考慮されたことを忘れることなく、広告看板は、電磁信号を遮蔽し減少させる相互接続された金属プロファイル(7)によって形成されたグリッド(5)も有している。したがって、電磁波を透過させる非金属材料の薄板状パッチ(12)と組み合わせて、窓(8)の領域内に含まれる相互接続された代替プロファイル(11)が提供され、代替プロファイル(11)も電磁波を透過させる非金属材料からなり、これにより、窓(8)の部分はアンテナの放射および受信に対して完全に透過性を有する。本発明の目的のために、代替プロファイル(11)は、伝統的な金属プロファイル(7)を置き換えるものであり、フレーム支持構造を継続する代替プロファイルは、一致して、元の構造をほぼエミュレートまたは継続し、または元の構造を変更し得、設計、観察されると予想されるプロファイルの数の増減、その断面は金属のものとは異なり、より薄く、より厚く、他の形状を有するなどであり得る。これら全ては、代替プロファイル(11)の材料が金属プロファイル(7)の材料とは異なることを考慮している。
【0038】
より具体的には、本発明者らは、本発明の好ましい実施形態は、限定することなく、十分な厚さ、剛性を有し、(4)窓(8)の領域内には無い、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)パネルの形態のパッチ(12)を設け、窓(8)の領域内に含まれていてもともと金属製のプロファイルであったものに代わる相互接続された代替プロファイル(11)も、金属プロファイル(7)の物理的欠如を克服するのに十分な厚さ、剛性および質感を有するガラス繊維強化プラスチック(FGRP)の代替プロファイル(11)として設けることであると考える。
【0039】
後者に関して、すなわち、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)の電磁波を透過する代替プロファイル(11)による金属プロファイル(7)の置換は、あたかも対応するパッチ(12)の後ろに隠されたアンテナによって送受信される電磁波との干渉を回避するように窓のクロスビームまたはバーが扱われるように、金属プロファイル(7)をレール、ビーム、コラムなどと置き換えることによって実施される。
【0040】
したがって、本発明による広告看板(1)は、少なくとも1つのグリッド(5)を画定する複数の相互接続プロファイル(7)からなるフレーム(2)を含み、このグリッドは内面(51)を有する。外面(52)、およびグリッド(5)の外面(52)上の金属シートカバー(4)は、それが既存の広告看板に介入して改良された広告看板にそれを変換することさえも可能であり、(1)本発明の教示によれば、電磁波を透過する非金属材料の薄板状パッチ(12)で覆われた少なくとも1つの窓(8)を有することができ、電磁波を透過する非金属材料からなる薄板状パッチ(12)の後ろに隠れ、相互接続されたプロファイル(7)は、電磁波を透過する非金属材料の窓(8)の領域の中に入る可能性のあるあらゆる種類の金属プロファイルを置き換える、相互接続されたプロファイル(7)以外は金属である。
【0041】
ガイダンスの目的のために、そして当業者に実用的な参照情報を提供するために、グリッド(5)の金属材料と接続されるように、非金属製で電磁波を透過する、薄板状パッチ(12)と代替プロファイル(11)との統合を得るための最良の方法を以下に要約する。すなわち、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)、ポリカーボネート、または類似の非金属材料は、金属構造部品と同じ物理的および接着特性を有さず、したがって、両方の材料が機械的に、この種の広告構造に最も使用されている態様である、溶接により接合されていないため、一体化することは容易ではない。この意味で、材料の抵抗力およびその機械的挙動を失うことがないように、ボルト締めまたはボルト締め接続(ねじ、ナット、ねじ付きロッドなど)を得るために使用されるもののような固定システムによって鉄材料を非鉄材料に接着することが提案される。しかしながら、もちろん電気通信会社にとって非常に興味深いであろう従来技術の看板のような既存の広告看板の再変換を実行することもまた可能であるので、そしてそれらに本発明の利益を提供するために、以下の手順と推奨事項が提案されている。
【0042】
その受信地域のネットワークに統合させるために電気通信会社の必要性に応じて、利用できるようにするために携帯電話会社の要件の下で割り当てられたそして具体的なサイトの調査の既存の広告構造を選択する。
【0043】
電気通信会社の具体的な必要性と広告構造の最適な使用方法に従って、アンテナの電磁波が向けられるべき位置に位置を固定する「方位角」アンテナの向きを決定する。これらの方向は、送信アンテナがネットワークの他の部分と接続し、選択された領域内で可能な限り高い効率で最大の有効範囲に到達する必要がある方向である。
【0044】
既存の広告看板の元々の広告対象や構造セットに影響を与えずに広告アンテナに変換するために、既存の看板の互換性と妥当性に関するエンジニアリングの詳細を構造的に検証および設計する。このために、構造的計算を検証するために、電話設備、歩道、ケーブル配線、はしご、アンテナ幹などの要素を考慮に入れて、介入の実行可能性を分析するために構造的に再度検証する。
【0045】
アンテナの向き(方位)に従って、電磁波を透過する非金属材料の薄板状パッチ(12)の位置を決める。薄板状パッチ(12)は「即興」で取り付けられる。非金属材料でありかつ既存の看板内の電磁波を透過することができる薄板状パッチ(12)および代替プロファイル(11)を配置することができるようにするために、干渉を発生させることなく広告を介してアンテナの電磁波を特に伝える必要のある、金属部分を交換する必要がある。このために、上記のFGRPまたは「透過性材料」パネルは、構造の元の形態およびその広告対象に影響を与えることなく配置されている。
【0046】
要するに、宣伝目的を変えることなく、電気通信会社の必要な技術的運用(設置される機器へのアクセスのし易さのための特別な入口、特定のアクセス、階段、ガードレール、伝送機器、配線)に関する全てが統合および/または隠されている。このため、携帯電話会社の接続性の全ての要素および透過性のパネルまたはパッチは隠されており、それは本発明を実施しようと思う製造業者または製造者の仕事を容易にするように広告グラフィックの下から視認できない。
【0047】
梯子、アンテナの支柱および支持バー、アクセス用歩道、出入口、手すり、ならびに様々な光保持具などのような、高い高さで広告看板にアクセスするために一般的に提供される様々な構成要素が、ここで得られた放射窓および受信窓の部分を遮蔽せず、本発明に対していかなる欠点を構成することなく得られる、最終構造の一部を形成しなくていても形成していなくてもよいことに留意されたい。したがって、本発明を明確にするため、および当業者にとって不要な説明を避ける簡潔な文書を得る目的で、図示されているが、その説明は不要である。
(項目1)
広告看板において、
少なくとも1つのグリッド(5)を画定する複数の相互接続されたプロファイル(7)を含むフレーム(2)であって、各グリッドは内面(51)および外面(52)を有する、フレーム(2)と、
各グリッド(5)の外面(52)上の金属シートカバー(4)と、
前記金属積層コーティング中に配置された少なくとも1つの窓(8)と、
前記グリッドの前記外面を覆い、前記窓(8)の前記位置で、電磁波を透過する非金属材料で作られた薄板状パッチ(12)と、
前記グリッドの前記内側かつ前記窓の前記位置に全体が配置され、少なくとも1つの携帯電話アンテナ(10)と、
前記窓のフレームを形成する代替的なプロファイルであって、前記代替的なプロファイルは、電磁波を透過する非金属材料で作られ、前記アンテナは完全に前記フレームで覆われ、前記プロファイル(7)は金属製である、代替的なプロファイルとを備えた、広告看板。
(項目2)
項目1に記載の広告看板において、電磁波を透過する前記非金属材料は、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ガラス繊維、ガラス繊維強化ポリエステルからなる群から選択された、広告看板。
(項目3)
項目1に記載の広告看板において、電磁波を透過させる非金属材料の薄板状パッチは、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)パネルを含み、前記グリッドの前記外面上の前記金属シートコーティングは、スチールパネルを含む、広告看板。
(項目4)
項目3に記載の広告看板において、前記窓および前記薄板状パッチは長方形である、広告看板。
(項目5)
項目1に記載の広告看板において、前記相互接続された代替的なプロファイルの電磁波を透過させる前記非金属材料は、ガラス繊維強化プラスチック(FGRP)で作られた、広告看板。