IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クンシャン ゴー−ビシオノクス オプト−エレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7038131駆動回路基板、及びそれを備える表示装置
<>
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図1
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図2
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図3
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図4
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図5
  • 特許-駆動回路基板、及びそれを備える表示装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】駆動回路基板、及びそれを備える表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220310BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 349Z
H05K3/28 A
H05K3/28 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019544611
(86)(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2018084519
(87)【国際公開番号】W WO2018233374
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2019-08-16
(31)【優先権主張番号】201710471810.9
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジンファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ルー
(72)【発明者】
【氏名】ハン チェンチェン
(72)【発明者】
【氏名】フー シミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン キアンキアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ クインガン
(72)【発明者】
【氏名】チュー フイ
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-66113(JP,A)
【文献】特開2006-53338(JP,A)
【文献】特開2000-294896(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0048364(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0379906(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30 - 9/46
G02F 1/133
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置(30)に設置される駆動回路基板であって、
基板(100)と、
前記基板(100)に設置される検測回路(200)と、
前記検測回路(200)を覆うように前記検測回路(200)の上面に設置される保護層(300)と、
を含み
前記保護層(300)の上面は、粗い表面領域と、前記粗い表面領域に囲まれ前記上面の中央領域に位置する平坦領域(301)を含み、
前記粗い表面領域は、密集で排列した溝であることを特徴とする駆動回路基板。
【請求項2】
前記保護層(300)は有機材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路基板。
【請求項3】
前記基板(100)に設置され平坦層を有する表示領域薄膜トランジスタアレイ(410)をさらに含み、前記保護層(300)が当該表示領域薄膜トランジスタアレイ(410)の平坦層、一体的に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動回路基板。
【請求項4】
前記保護層(300)は無機材料で形成され、及び/又は、前記基板(100)に、少なくとも一つの前記検測回路(200)に隣接する接続ユニット(210)が設置されることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路基板。
【請求項5】
前記基板(100)に、前記保護層(300)を挟んで両側に二つの接続ユニット(210)が設置されていることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の駆動回路基板。
【請求項6】
前記二つの前記接続ユニット(210)は前記保護層(300)を挟んで両側に対称的に設置されていることを特徴とする請求項5に記載の駆動回路基板。
【請求項7】
前記基板(100)は、非表示領域(600)及び表示領域(500)を含み、
前記検測回路(200)と接続ユニット(210)は前記非表示領域(600)に配置され、
前記接続ユニット(210)は、前記保護層(300)を挟んで両側に配置されており、
前記二つの接続ユニット(210)から前記保護層(300)の相応する縁までの距離が相等することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の駆動回路基板。
【請求項8】
非表示領域(600)及び表示領域(500)を含む基板(100)と、
前記基板(100)の前記非表示領域(600)に設置される検測回路(200)と、
前記検測回路(200)を覆うように前記検測回路(200)の上面に設置される保護層(300)と、
前記表示領域(500)に設置される表示領域薄膜トランジスタアレイ(410)と、を備える駆動回路基板を含み、
前記保護層(300)の上面は、粗い表面領域と、前記粗い表面領域に囲まれ前記上面の中央領域に位置する平坦領域(301)を含み、
前記粗い表面領域は、密集で排列した溝であり、
前記検測回路(200)が前記表示領域薄膜トランジスタアレイ(410)に電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示分野に関し、特に駆動回路基板、及び当該駆動回路基板を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置のスクリーン本体において基板の非表示領域に、取付用回路が設置される。取付用回路には、一般的に装置に対する入力パッドと出力パッドを設置され、入力パッドと出力パッドとの間に、外に露出された検測回路が設置される。集積回路チップの入力ピンと出力ピンがそれぞれに前記入力パッドと前記出力パッドに接続されることにより、当該集積回路チップが基板に電気的に接続されるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術における検測回路は簡単に損傷されることがよくあり、特に静電破壊されやすい。上記検測回路が損傷されると、スクリーン本体についての判断が間違える可能性がある。これは、スクリーン本体の製造に不利な影響をかかる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに鑑みて、回路基板に設置された検測回路が簡単に損傷されることを控えるために、駆動回路基板及び表示装置を提供する必要がある。
【0005】
本発明の第一の態様に係る駆動回路基板は、基板と、前記基板に設置される検測回路と、前記検測回路を覆うように前記検測回路の上面に設置される保護層とを含む。
【0006】
本発明の前記態様に係る駆動回路基板によれば、検測回路は保護層で覆われているため、駆動回路の静電気蓄積を回避することができ、検測回路における薄膜トランジスタが損傷されることを回避できる。これで、検測回路が正常状態になることを確保でき、検測回路の損傷によるディスプレー本体の検測結果への影響を回避できるため、ディスプレー本体の製造に寄与する。
【0007】
一実施例において、前記保護層は有機材料により形成される。
【0008】
有機材料により形成された保護層が備えられた粘着性は、保護層が前記検測回路を覆って検測回路の表面に固定することに寄与する。また、当該有機材料の強度特性も検測回路の外部応力による損傷を回避することに寄与する。
【0009】
一実施例において、前記保護層の上面は粗い表面領域を含む。
【0010】
前記粗い表面領域によれば、集積回路チップと前記保護層との間の接着面積を増大できるとともに、前記集積回路チップと前記保護層の間の接着性も向上させることができる。
【0011】
一実施例において、前記粗い表面領域の形状は、波紋、複数の窪み、複数の突起、溝或はグリッドのいずれか一種または複種の組み合わせである。
【0012】
複種構造の配合によれば、保護層の接着面積を適応に増加され接着の安定性が向上できる。前記窪みと、前記突起と、前記波紋は、いずれも前記集積回路チップと前記保護層の間の貼付性を向上できる。
【0013】
一実施例において、前記保護層の上面は、さらに前記粗い表面領域に囲まれ前記上面の中央領域に位置する平坦領域を備える。
【0014】
前記集積回路チップを前記保護層の表面に接着する際に、保護層の周縁に多めに導電性接着剤を塗布し、保護層の中央領域に少なめに導電性接着剤を塗布すると、集積回路チップが適当に固定されるとともに、保護層のゲート極と対向する中央領域が必要以上に押下されることを回避することができる。
【0015】
一実施例において、前記駆動回路基板は、前記基板に設置され平坦層を有する表示領域薄膜トランジスタアレイをさらに含み、前記保護層が当該表示領域薄膜トランジスタアレイと、を一体的に形成される。
【0016】
保護層と前記表示領域薄膜トランジスタアレイの平坦層とを一体的に形成されることにより、工程が減らせることができ、効率も向上させる。
【0017】
一実施例において、前記保護層は無機材料で形成される。
【0018】
無機材料は、一定の強度と、一定の耐摩耗性及び耐圧性を有する。
【0019】
一実施例において、前記基板には、少なくとも一つの前記検測回路に隣接する接続ユニットが設置される。前記検測回路は、前記接続ユニットを介してディスプレー本体に検測信号を送信することができる。
【0020】
一実施例において、前記基板には、前記保護層の両側に二つの接続ユニットが設置される。好ましくは、前記二つの接続ユニットは、前記保護層の両側に対称的に設置される。
【0021】
一実施例において、前記接続ユニット(210)は、前記保護層(300)を挟んで両側に配置されており、前記二つの接続ユニット(210)から前記保護層(300)の相応する縁までの距離が相等する
【0022】
前記接続ユニット、及び前記保護層が等間隔に配置されることによれば、前記基板に受けられた力の均一性を保持することができ、集積回路チップが圧着される際に受けられた力のばらつきという問題を解決する。
【0023】
本発明のもう一つの態様に係る表示装置は、非表示領域及び表示領域を含む基板と、前記基板の非表示領域に設置される検測回路と、前記検測回路を覆うように前記検測回路の上面に設置される保護層と、前記基板の表示領域に設置される表示領域薄膜トランジスタアレイとを含む、駆動回路基板を備え、前記検測回路が前記表示領域薄膜トランジスタアレイに電気的に接続される。
【発明の効果】
【0024】
前記検測回路の上面にある保護層によれば、前記検測回路は安定された作動性能を有し、表示装置が正常作動の際に検測回路の損傷によって表示装置の使用への影響を回避でき、表示装置の使用期限を延ばせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例に係る表示装置の構造概略図である。
図2】本発明の一実施例に係る駆動回路基板の断面概略図である。
図3】本発明の一実施例に係る駆動回路基板において保護層と接続ユニットとの位置関係の概略図である。
図4】本発明の一実施例に係る保護層の表面構造の概略図である。
図5】本発明のその他の実施例に係る保護層の表面構造の概略図である。
図6】本発明の一実施例に係る保護層の波紋状表面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術案、及び技術的効果をより明白になるために、以下は図面を参照して本発明の具体的な実施例を記述する。以下に記載された本発明の具体的な実施例は、本発明について説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではないことが、当業者にとって明らかである。
【0027】
図1において、本発明の一実施例においての表示装置30が示されている。図1に示すように、表示装置30は、駆動回路基板10と、駆動回路基板10に設置されるデータ駆動回路20、走査駆動回路40及び表示領域薄膜トランジスタアレイ410を含む。表示領域薄膜トランジスタアレイ410は、データ駆動回路20及び走査駆動回路40にそれぞれで電気的に接続される。データ駆動回路20と走査駆動回路40は、表示領域薄膜トランジスタアレイ410の作動を制御することができる。駆動回路基板10に、表示領域500と、非表示領域600がある。表示領域薄膜トランジスタアレイ410が表示領域500に位置させる。非表示領域600には、検測回路(未図示)を覆うように設置される保護層300と、保護層300の両側に設置される接続ユニット210を含む。
【0028】
図2において、本発明の一実施例においての駆動回路基板10が示されている。駆動回路基板10は、基板100と、基板100に設置される検測回路200と、検測回路200を覆うように検測回路200の上面に設置される保護層300とを含む。図1を見ればわかるように、検測回路200は非表示領域600に設置される。
【0029】
基板100は、ガラス基板であってもよく、可撓性プラスチック基板であってもよい、あるいは一定強度の有機材料で形成されてもよい。
【0030】
一実施例において、駆動回路基板10は、さらに基板100の上面に設置され、非表示領域600に位置される二つの接続ユニット210を含む。前記二つの接続ユニット210それぞれが、検測回路200に隣接して当該検測回路200の両側に設置される。二つの接続ユニット210は作動する際に、集積回路チップの入力パッドと出力パッドとして機能する。
【0031】
一実施例において、集積回路チップ(未図示)が入力ピンと出力ピンを介して入力パッドと出力パッドにそれぞれ電気的に接続され、検測回路200の上方に位置されてもよい。このように、集積回路チップは、入力パッド、出力パッド、入力ピン、及び出力ピンを介して駆動回路基板10と通信し、さらに表示装置30を制御する。一実施例において、接続を補強するとともに集積回路チップを上から検測回路200に安定的に固定するため、入力パッド、出力パッド、入力ピン、及び出力ピンのそれぞれの間に導電性接着剤が塗布される。上記集積回路チップの具体的な作動手順は当業者にとって周知なことであるため、ここでは説明しない。
【0032】
一実施例において、前記二つの接続ユニット210は、検測回路200の両側に対称的に設置される。前記二つの接続ユニット210が検測回路200両側に対称的に設置されることによれば、圧着する際に集積回路チップに受けられた力の均一性を保持することができ、チップの圧着効果を確保でき、よって基板100の使用期限を延ばせることができる。さらに好ましい実施例において、図3に示すように、非表示領域600の縁601、602から接続ユニット210の相応する側までの距離a、d、及び前記二つの接続ユニット210から前記保護層300の相応する縁までの距離b、cが互いに相等する。即ちa=b=c=dである。非表示領域600の縁601、602が有機接着層の縁であってもよく、好ましくは、保護層300と共に形成される。前記接続ユニット210及び前記保護層300が等間隔に配置されることによれば、前記基板100に受けられた力の均一性を保持し、受けられた力のばらつきにより基板100の損傷をより効果的に回避することができる。
【0033】
前記検測回路200は、ディスプレー本体が正常に表示しているか否かを検測することに用いられる。検測回路200は、ディスプレー本体の通信回線及び/またはディスプレー本体のピクセルが損傷されたかどうかを検測することができる。図2に示すように、検測回路200は、ソース231と、ドレイン232と、ゲート233を含む薄膜トランジスタ230と、関連回路とを含まれてもよい。前記検測回路200を経由してディスプレー本体に検測信号を入力することができる。検測回路200は、検測ユニットを含まれてもよい。前記検測ユニットは、複数の信号チャネルを経由して薄膜トランジスタ230に接続されてもよい。検測回路200は、前記検測ユニットがゲート233にゲートターンオン電圧を供給してソース231とドレイン232をターンオンされると、薄膜トランジスタ230が作動する。そして、前記検測ユニットは、薄膜トランジスタ230に介してディスプレー本体に検測信号を入力し、ディスプレー本体の通信回線とピクセルが損傷されたかどうかを検測する。
【0034】
検測回路200における薄膜トランジスタ230及び導電線が正常していることを確保するために、検測回路200が形成された後、上方から検測回路200を覆うように保護層300を形成する。前記保護層300は、検測回路200を保護することに用いられる。例えば、保護層300は、検測回路200を外部環境から電気的に絶縁するようにすることによって、検測回路200における薄膜トランジスタ230に静電気蓄積を回避できる。よって薄膜トランジスタ230が静電破壊されることを回避する。静電破壊が検測回路200を損傷して、その後の工程が問題になる。例えば、検測回路200が静電破壊されると、ディスプレー本体の検測結果に影響して、ディスプレー本体が正常しているかどうかを正確に判断できないこともある。したがって、その後の工程には、さらに複雑な複験工程による欠陥品と誤って判断された良品を見つけることが必要になる。また、保護層300は、検測回路200を予想外の腐食から回避することもでき、検測期間に検測回路200が正常に作動していることを確保することができる。
【0035】
一実施例において、前記保護層300は有機材料または無機材料で形成されてもよい。さらに好ましい実施例において、保護層300は、前記表示領域500の平坦層と同じ材料で形成されてもよい。さらにその他の実施例において、保護層300はSiO膜またはSiN膜であってもよい。保護層300が有機材料で形成される場合、保護層300は緩衝性能を有する。よって、前記検測回路200の表面や保護層300で保護された集積回路チップが過大な圧力を受けるより検測回路200が損傷されたことを回避する。一実施例において、保護層300の厚さは1.5mm~2mmである。厚さが1.5mm~2mmである保護層300は、検測回路200を静電損傷から回避するとともに、十分な緩衝性も有する。
【0036】
好ましくは、集積回路チップをさらに堅固に固定するために、保護層300と集積回路チップとの間に導電性接着剤は設置される。図4に示された好ましい実施例において、保護層300に基板100から離れる表面は粗い表面領域を有する。例えば前記保護層300が有機物で形成された場合、リソグラフィーによって粗い表面領域またはグリッドを形成されてもよい。一方、保護層300が無機物で形成された場合、保護層300をエッチングすることにより粗い表面領域を形成されてもよい。もう一つの実施例において、前記粗い表面領域は、密集で排列した窪み、突起、溝、波紋のいずれか一種、または複種の組み合わせであってもよい。さらに前記粗い表面領域は任意的に適切な形状に形成されてもよい。このような構造によれば、集積回路チップの取り付け工程において、集積回路チップの下面と保護層300の粗い表面領域とが互いに貼付または接着することができる。このように、前記粗い表面領域によって、集積回路チップと保護層300との間の接着力が増大し、集積回路チップと保護層300が堅固に接着することができる。
【0037】
前記粗い表面領域の位置は、検測回路200における異なる位置での異なる負荷能力によって調整されることができる。例えば、前記粗い表面領域は、保護層300の外面全体であってもよく、保護層300の外面の一部の領域であってもよい。好ましくは、前記粗い表面領域は、保護層300の周縁に配置される。図5に示すように、一実施例において、保護層300の中央領域は平坦領域301であり、周縁部は前記粗い表面領域である。集積回路チップを保護層300の表面に接着する際に、保護層300の周縁に導電性接着剤を多めに塗布し、保護層300の平坦領域301に導電性接着剤を少なめに塗布する場合、集積回路チップが適当に固定されるとともに、保護層300のゲート233と対向する中央領域を必要以上に押下されることを回避することができる。このように、薄膜トランジスタ230を保護できるとともに、導電性接着剤の使用量も減少できる。
【0038】
図6に示す実施例において、保護層300の外面における前記粗い表面領域は波紋状になっている。保護層300が有機材料で形成される場合、波紋で形成された粗い表面領域は好ましい。これは、波紋の構造は比較的になだらかなので、導電性接着剤の使用量を減らしても集積回路チップと保護層300とが堅固に接着することができるためである。
【0039】
一実施例において、検測回路200は、表示領域500の回路と電気的に接続されている。検測回路200の表面を覆う保護層300は、検測回路200の腐食や破壊を防ぐことができる。駆動回路基板10の製造プロセスにおいて、検測回路200が形成された後に他のプロセスも残っている。保護層300は、これらの後続プロセスにおいて検測回路200が擦ったり化学薬品によって腐食されたりすることを回避することができる。これにより、検測回路200が開路状態にならなく、さらにディスプレー本体の検測プロセスにおいて検測回路の損傷による誤った判断を回避することができる。
【0040】
保護層300は、以下のように形成されてもよい。
【0041】
保護層300が表示領域500の平坦層と同じ材料で形成される場合、まず表示領域500と非表示領域600上に平坦層を敷設し、その後に平坦層において二つの接続ユニット210に対応する部分をエッチングによって除去するという手順で保護層300を形成することができる。このように、検測回路200の上方における平坦層は保護層300になる。保護層300における粗い表面領域も、エッチングによって形成されることができる。
【0042】
保護層300を無機材料で形成する場合、検測回路200上に無機材料膜層を蒸着することにより保護層300を形成することができる。
【0043】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形及び改良を行うことができ、これらもすべて本発明の保護範囲内にある。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6