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特許7038144列線交換ユニットの識別、位置確認およびステータス検索を実行する方法
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  • 特許-列線交換ユニットの識別、位置確認およびステータス検索を実行する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】列線交換ユニットの識別、位置確認およびステータス検索を実行する方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/54 20220101AFI20220310BHJP
   B64F 5/40 20170101ALI20220310BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220310BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
H04L67/54
B64F5/40
G06K7/10 248
G06K7/14 017
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019564384
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018018139
(87)【国際公開番号】W WO2018152174
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】62/458,928
(32)【優先日】2017-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】2929 East Imperial Highway, Suite 170, Brea, California 92821(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロッハウ、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】キスリング、クリスティアン
【審査官】今川 悟
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/54
B64F 5/40
G06K 7/10
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送機関内の複数の列線交換ユニット(LRU)を登録する方法であって、各列線交換ユニットは、当該列線交換ユニット上またはその近くに配置された固有の機械可読識別子に関連付けられる、前記方法において、
ポータブルコンピューティング・デバイスを使用して、前記複数の列線交換ユニットの第1の列線交換ユニットのディスプレイ画面から第1の機械可読識別子を読み取ることであって、前記第1の機械可読識別子は、前記第1の列線交換ユニットに固有の識別情報を有する、前記第1の機械可読識別子を読み取ること、
前記ポータブルコンピューティング・デバイスへの特定位置を示す第1の位置識別子を受け取ることであって、前記第1の位置識別子は、前記第1の機械可読識別子とは異なる、前記第1の位置識別子を受け取ること、
前記第1の機械可読識別子及び前記第1の位置識別子からの情報の一部又は全てを前記ポータブルコンピューティング・デバイスからサーバに送信することにより、前記第1の列線交換ユニットを前記特定位置とともに前記サーバに登録すること、
前記ポータブルコンピューティング・デバイスを使用して、前記複数の列線交換ユニットのうちの第2の列線交換ユニットのディスプレイ画面から第2の機械可読識別子を読み取ることであって、前記第2の機械可読識別子は、前記第2の列線交換ユニットに固有の識別情報を含む、前記第2の機械可読識別子を読み取ること、
前記ポータブルコンピューティング・デバイスへの第2の特定位置を示す第2の位置識別子を受け取ること、
前記第2の機械可読識別子及び前記第2の位置識別子からの情報の一部又は全てを前記ポータブルコンピューティング・デバイスから前記サーバに送信することにより、前記第2の列線交換ユニットを前記第2の特定位置とともに前記サーバに登録することであって、前記サーバは、前記第1の列線交換ユニット及び前記第2の列線交換ユニットと通信可能に結合される、前記サーバに登録すること、を備える方法。
【請求項2】
前記第1の位置識別子を受け取ることは、
ユーザが前記第1の列線交換ユニットの位置を前記ポータブルコンピューティング・デバイスに手動で入力すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の位置識別子を受け取ることは、
前記ポータブルコンピューティング・デバイスを使用して位置情報を含む第3の機械可読識別子をキャプチャすること、をさらに含み、
前記第3の機械可読識別子は、前記第1の列線交換ユニットの近くに配置されること、および前記第3の機械可読識別子は、各々、前記輸送機関の異なる座席の列に配置された1組の機械可読識別子のうちの1つであることのうちの少なくとも1つを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の機械可読識別子は、バーコードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポータブルコンピューティング・デバイスは、
前記第1の機械可読識別子の画像をキャプチャするように構成されたカメラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポータブルコンピューティング・デバイスは、
スマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットPCを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の列線交換ユニットは、
プロセッサ、無線通信インタフェース、および前記ディスプレイ画面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の機械可読識別子を読み取ること、および前記位置識別子を受け取ることは、前記ポータブルコンピューティング・デバイスにインストールされたソフトウェアアプリケーションを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記識別情報は、
前記列線交換ユニットのシリアル番号、IPアドレス、MACアドレス、および部品番号のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイ画面に表示される前記識別情報は、
前記列線交換ユニットの組み込み自己診断装置(BITE)のステータスをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、機内エンターテイメント技術である。
【背景技術】
【0002】
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供された情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求されている発明に関連すること、または具体的にもしくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを容認するものではない。
【0003】
ディスプレイおよびコンピューティング技術の価格が低下するにつれて、機内エンターテイメントシステムは、例えば、いくつかの中央位置ではなく、各背もたれまたは他の位置(例えば、オーバーヘッドディスプレイユニット(Overhead Display Units : ODUs)、シートディスプレイユニット(Seat Display Units : SDUs)、モニュメントディスプレイ(monument displays)、ブロードキャストディスプレイまたは同様のもの)に配置された複数のデバイスまたは複数の列線交換ユニット(line-replaceable units : LRUs)を含むようになった。
【0004】
ユニットの数が増加すると、たとえば、各ユニットを検索して機内エンターテイメントシステムに登録することを含む新たな課題が生じる。これは特に、飛行中または輸送機関が地上にいる間に航空会社の乗務員によって交換される可能性があるLRUの場合に当てはまる。
【0005】
したがって、航空機または他の輸送機関内の列線交換ユニットを迅速かつ容易に検索して登録する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主題は、(1)設定のためのLRUの無線識別、(2)メンテナンスまたは管理サーバでのLRUの無線登録、(3)航空機内の位置へのLRUのマッピング/サーバでのLRU位置の登録、(4)ケーブル無しでLRUとの直接的なおよび自動的なメンテナンスのインタラクション、(5)サーバユニットまたはケーブルを必要としないLRUからのBITE(Built-In Test Equipment)情報の直接的な読み出しを有利に可能にする装置、システムおよび方法を提供する。
【0007】
好ましいシステムおよび方法は、サーバおよび航空機に配置された複数の機内エンターテイメントユニット(本明細書では「列線交換ユニット」または「LRU」とも呼ばれる)を利用する。本明細書に含まれる本発明の主題の説明は、航空機に言及していることに留意されたい。しかしながら、システムおよび方法は、電車、バス、または他の複数の乗客の輸送機関などの他の輸送機関、または無線帯域幅が同様に制限される複数の閉鎖環境に適用できることが考えられる。
【0008】
任意選択として、登録は、航空機または他の輸送機関内のユニットの位置をシステムに提供することをさらに含み得る。たとえば、これは、コンテンツが航空機の特定の部分(ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスなど)にのみ表示されるユニットで利用できるコンテンツを区別するために重要になる場合がある。また、ユニットが機内エンターテイメントシステムと無線で通信する位置が用いられて、例えば、ユニットが最も近い無線アクセスポイントに確実に接続することの補償を支援することができる。
【0009】
さらに、メンテナンス担当者が設定、メンテナンス、監視、または制御する必要があるディスプレイユニットを簡単に選択できるように、ユニットは、メンテナンス中にライブで設定および監視する必要がある。
【0010】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同様の参照番号が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の主題の方法を使用してオーバーヘッドディスプレイユニットを識別する例示的な例を提供する。
図2】本発明の主題の方法を使用してオーバーヘッドディスプレイユニットの位置を特定する例示的な例を提供する。
図3】本発明の主題の第2の方法を使用してオーバーヘッドディスプレイユニットを識別する例示的な例を提供する。
図4】本発明の主題の第2の方法を使用してオーバーヘッドディスプレイユニットの位置を特定する例示的な例を提供する。
図5】機内エンターテイメントシステムの複数の列線交換ユニットの状態を登録および監視するシステムの一実施形態を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
コンピュータに関する任意の用語は、サーバ、インタフェース、システム、データベース、エージェント、ピア、エンジン、コントローラ、あるいは個別または一体的に動作する他のタイプのコンピューティング・デバイスを含むコンピューティング・デバイスの任意の適切な組み合わせを含むと解釈されるべきである。当業者であれば、コンピューティング・デバイスは、有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハード・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、RAM、フラッシュ、ROMなど)に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成されたプロセッサを含むと理解し得る。好ましくは、ソフトウェア命令は、開示された装置に関して以下に説明するように、役割、責任、または他の機能を提供するようにコンピューティング・デバイスを構成する。特に好ましい実施形態では、種々のサーバ、システム、データベース、インタフェースは、可能な場合には、HTTP、HTTPS、AES、公開鍵と秘密鍵の交換、ウェブサービスAPI、既知の金融取引プロトコル、または他の電子情報交換方法に基づく標準化プロトコルまたはアルゴリズムを用いて、データを交換する。データ交換は、好ましくは、パケット交換ネットワーク、インターネット、LAN、WAN、VPN、または他のタイプのパケット交換ネットワークを介して行われる。
【0013】
開示された技術は、飛行中又は機能しないユニットを交換可能なときにユニットを位置合わせ(location)及び登録する能力を含む、航空機の客室又は他の輸送機関の内部における列線交換ユニットの迅速な登録及び位置合わせを可能にすることを含む多くの有利な技術的効果を提供することを理解すべきである。
【0014】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。それぞれの実施形態は、本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素の可能な全ての組み合わせを含むと見なされる。したがって、一実施形態が要素A、要素Bおよび要素Cを含み、第2の実施形態が要素Bおよび要素Dを含む場合、本発明の主題はまた、明示的に開示されていなくても、A、B、CまたはDの他の残りの組み合わせを含むと見なされる。
【0015】
本明細書で使用する場合、また文脈により他に指示されない限り、用語「に結合される(coupled to)」は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)および間接結合(少なくとも1つの追加要素が2つの要素の間に配置されている)の両方を含むことが意図される。したがって、「に結合されている」および「と結合されている」という用語は、同義語として使用される。
【0016】
図1は、複数の機内エンターテイメントユニット110の登録およびメンテナンスのためのシステム100の使用の一実施形態を示す。図面に示されるように、各ユニット110のディスプレイは、例えば、二次元Quick Response(QR)バーコードまたは他の指標(indicia)、NFCセンサパッド、iBeaconまたは他のマーカーまたは同様の目的に役立つ商業的に適切な指標または技術を含み得る固有の機械可読識別子120を提示することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ユニットまたはLRUは、メモリ、プロセッサ、無線インタフェース(例えば、Wi-Fi、セルラーなど)、およびビデオ再生用のディスプレイ画面を含み得る。企図される複数のLRUは、例えば、複数の背もたれ(seat-backs)(これは、背もたれユニット内の全ての構成要素を有する自己完結型背もたれLRUと、ディスプレイ画面が背もたれ内に組み込まれているが、記憶装置、複数の通信インタフェース及び/又は1つまたは複数のプロセッサのような他の構成要素がシートの下又はシートと別個の部分に配置されたモジュール式LRUシステムの両方を含む)および複数のオーバーヘッドディスプレイユニット(「overhead display units : ODU」)内の航空機の複数の座席に組み込まれたエンターテインメントユニットを含み得る。またいくつかの実施形態では、LRUは、短距離データ交換が可能な短距離無線データ通信インタフェースを含み得る。短距離無線インタフェースの複数の例は、近距離通信インタフェース、Bluetooth、およびIR(赤外線)を含む。いくつかの実施形態では、LRUは、データ交換および/または電源供給のために他のコンピューティング・デバイスに接続可能な有線接続インタフェース(例えば、USB、HDMI、Thunderboltなど)を含み得る。
【0018】
ディスプレイを有していない複数のユニットの場合、ディスプレイのない複数のユニットは、例えば、そのケース上に印刷された2次元バーコード、NFCセンサパッド、iBeacon、または他の商業的に適切な指標または技術を含み得る機械可読識別子を含むことができることが考えられる。
【0019】
ポータブルコンピューティング・デバイス130は、リーダー(reader)/レジストラ(registrar)として機能することができ、例えば、タブレットPC、スマートフォン、または他のポータブルコンピューティング・デバイスであり得る。ポータブルコンピューティング・デバイス130は、機械可読識別子120を読み取るように使用されることが好ましい。たとえば、図1に示すように、デバイス130は、QRコード120をキャプチャまたはスキャンすることができる。QRコードが別の識別子に置き換えられる場合、デバイス130は、たとえば、他の指標、NFCタグ、またはiBeaconを読み取るように使用され得ることができると考えられる。機械可読識別子は、ユニット110の識別を可能にする情報を含む。例示的な情報は、例えば、LRUシリアル番号、LRU IPアドレス、LRU MACアドレス、およびLRU部品番号のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0020】
図1に示されるように、ポータブルコンピューティング・デバイス130は、2Dバーコードまたは他の指標を撮影またはスキャンすることにより、またはNFCまたはiBeaconを読み取ることにより、この情報を取得することが好ましい。一旦取得されると、メンテナンス又は他の担当者は、ユニット110の設置場所(例えば、シート15D)を入力し、バーコードから受け取った情報を補足することができる。次に、装置130は、ユニット110をその位置とともにサーバに登録することができる。このプロセスの利点は、ユニット110におけるデータインタフェース、コネクタまたは同様のものへのアクセスが不要であり、複数のユニット(例えば、LRU)が迅速かつ容易に識別され且つ設定されることである。これは、たとえば、機能していないLRUの機内交換中に特に重要である。
【0021】
ユニット110の設置位置を手動で追加する代わりに、図2,4に示されるように、第2の機械可読マーカー140が、ユニット110の取り付けフレームまたは他の近くの位置に配置され得る。この第2の位置マーカー140は、例えば、座席列番号、または輸送機関のサービスクラスを含み得る航空機または他の輸送機関に関する位置情報を含む。次に、読み取り装置130は、機械可読識別子120,140の両方を読み取ることができる。例えば、読み取り装置130は、2Dバーコードの両方、LRUの2Dバーコード、およびLRUが設置されている取り付けフレームの2Dバーコードをスキャンすることができ、あるいはNFCまたはiBeaconの両方、またはそれらの組み合わせを読み取ることができる。読み取り装置は、次いで、フレームからの位置情報を、LRUにおける機械可読マーカーからの装置IDに自動的にマッピングすることができる。
【0022】
いずれの場合でも、情報が取得されると、タブレットPC、スマートフォン、またはその他のポータブルコンピューティング・デバイス130は、ユニット110を制御する航空機内のサーバに、組み合わされた情報を送信できる。サーバは、どのユニットがどの位置に取り付けられているかについての詳細な知識を有する。このプロセスは、ポータブルコンピューティング・デバイス130にインストールされている特有のアプリケーションを使用して自動化できることが考えられる。
【0023】
例えば、ユニット110がメンテナンス中に直接的に設定を必要とする場合、メンテナンス担当者は、機械可読マーカー120をスキャンし(例えば、画面上の2D QRコードをスキャンするか、NFCを読み取り)、ユニット110に関するすべての情報を検索することができる。次いで、この情報は、例えば、実際のIPアドレスを用いて使用され、読み取り装置130は、メンテナンス担当者が検査しているユニット110に自動的に接続することができる。このようにして、メンテナンス担当者は、現在再調査されているユニット110に接続することを確信することができる。
【0024】
同様の原理は、ディスプレイのないLRUにも使用できる。これらの場合、LRUは、例えば、シリアル番号、部品番号、MACアドレスなど、LRUに関する静的情報を含むステッカーラベル(sticker-label)を含み得る。読み取り装置130上のメンテナンスアプリは、例えば、バーコードをスキャンし、LRUから検索された識別情報を送信することにより、サーバからのLRUの現在のIPアドレスを問い合わせることができる。次いで、この情報を用いて、読み取り装置130は、例えば、メンテナンス、制御、または監視タスクを実行するためにLRUに自動的に接続することができる。
【0025】
ディスプレイを有するLRUは、組み込み自己診断装置(Built-In Test Equipment : BITE)のステータスに関する情報を機械可読マーカー、例えば、2D QRコード、またはNFCまたはiBeaconを介して送信された情報に含めることができることがさらに企図される。有利なことに、メンテナンス担当者は、制御される各LRUの機械可読マーカーを読み取ることができる。次いで、メンテナンス装置(例えば、スマートフォンまたはタブレットPC)上のアプリケーションは、LRUステータス、エラーなどを識別するために、メンテナンス担当者にBITEのステータスを表示することができる。
【0026】
図5は、機内エンターテイメントシステムの複数の列線交換ユニットまたは他のユニット210のステータスを登録および監視するシステム200の一実施形態を例示する。図面に示されるように、各LRU210は、例えば、個々の背もたれに配置されるが、1つ以上のLRUが、オーバーヘッドコンパートメント(overhead compartment)、バルクヘッド(bulkhead)、または他の位置に結合されることが考えられる。
【0027】
第1のLRU210は、第1の機械可読識別子220を表示し得る。しかしながら、代替的な実施形態では、識別子220は、例えば、そのケース上またはLRU210近くの背もたれ上など、LRU210に隣接して配置され得る。識別子220がNFCタグまたは他の非バーコードを含む場合、LRU210を読み取る準備ができたことを担当者に知らせるために、識別子220の代わりに画像が表示されることが考えられるが、これは必須ではない。
【0028】
上述したように、ポータブルコンピューティング・デバイス230は、リーダー/レジストラとして機能することができ、例えば、タブレットPC、スマートフォン、または他のポータブルコンピューティング・デバイスであり得る。ポータブルコンピューティング・デバイス230は、例えば、識別子220をスキャンまたは読み取ることにより、機械可読識別子220を読み取るように使用されることが好ましい。機械可読識別子220は、ユニット110の識別を可能にする情報を含み、また好ましくはLRU210のBITEステータスを含む。例示的な情報は、例えば、LRUシリアル番号、LRU IPアドレス、LRU MACアドレス、およびLRU部品番号のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0029】
第2の機械可読マーカー240は、ユニット210の取り付けフレーム、または図示のようにオーバーヘッドコンパートメントなどの他の近くの位置に配置され得る。この第2の位置マーカー240は、好ましくは、航空機または他の輸送機関に関する位置情報を含み、特定のLRUに固有ではなく、むしろ1組のLRUに固有であってもよい。次いで、読み取り装置230は、機械可読識別子220,240の両方を読み取ることができる。例えば、読み取り装置130は、2Dバーコードの両方、LRUの2Dバーコード、およびLRUが設置されている取り付けフレームの2Dバーコードをスキャンすることができ、あるいはNFCまたはiBeaconの両方、またはそれらの組み合わせを読み取ることができる。読み取り装置は、次いで、フレームからの位置情報を、LRUにおける機械可読マーカーからの装置IDに自動的にマッピングすることができる。
【0030】
デバイス230は、サーバ250と通信するように構成される。例えば、LRU210に関して識別および位置情報が検索されると、第一のLRU210は、第一の機械可読識別子および位置識別子からの情報の一部または全てをポータブルコンピューティング・デバイス230からサーバ250に送信することによって、サーバ250に登録され得る。
【0031】
またサーバ250は、第1のLRU210と通信可能に結合され、例えば、メンテナンス中に第1のLRUに識別子を表示させることができる。他の実施形態では、LRUがサーバ250に登録されていることを示す信号がサーバ250から受信されるまで、LRUの起動ルーチンが識別子を表示することを含み得ることが考えられる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を説明および特許請求するために使用される成分の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数は、場合より、「約」という用語によって修飾されると理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、明細書と添付の特許請求の範囲とに記載の数値パラメータは、特定の実施形態によって得られるように求められる所望の特性に応じて変化する可能性のある近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数を考慮して、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を説明する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に記載された数値は、実施可能な限り正確に報告されている。本発明のいくつかの実施形態に示した数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じるある一定の誤差を含んでもよい。
【0033】
本明細書の説明において、また特許請求の範囲を通して使用される場合、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、「a」、「an」および「the」の意味は、複数への言及を含む。また、本明細書の説明において使用される場合、「中に(in)」の意味は、文脈により明らかにそうでないことが示されない限り、「中に(in)」および「上に(on)」を含む。
【0034】
本明細書における値の範囲の列挙は、その範囲内に含まれるそれぞれの別々の値を個々に指す簡潔な方法として役立つことを単に意図している。本明細書において特に指定がない限り、それぞれの個別の値は、あたかも本明細書で個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中において指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書の特定の実施形態に関して提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを単に意図したものであり、特許請求の範囲に記載されていない場合には、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須の、特許請求の範囲に記載されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0035】
本明細書に開示された本発明の代替要素または実施形態の群分類は、限定として解釈されるべきではない。それぞれの群構成要素は、個別に、またはその群の他の構成要素もしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで、参照および特許請求することができる。利便性および特許性の理由または利便性もしくは特許性の理由から、群の1つまたは複数の構成要素は、群に含めることも、群から削除することもできる。あらゆるそのような包含または削除が生じたとき、ここで、本明細書は、変更されたとおりの群を含み、したがって添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による説明を満たすものと見なされる。
【0036】
本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に記載されたもの以外にもさらに多くの修正が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除き、制限されるべきではない。さらに、明細書と特許請求の範囲との両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と矛盾しない最も広い方法で解釈されるべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、参照される要素、構成要素もしくは工程が存在してもよいか、または利用されてもよいか、または明示的に参照されていない他の要素、構成要素もしくは工程と組み合わされてもよいことを示す非排他的な様式で、要素、構成要素もしくは工程を指すものとして解釈されるべきである。明細書の特許請求の範囲が、A,B,C,…,Nからなる群から選択される少なくとも1つのものを指す場合、テキストは、その群から1つの要素のみを必要とし、AおよびNまたはBおよびNなどではないと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5