(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】パッケージ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220310BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20220310BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/14 C
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 T
(21)【出願番号】P 2020151964
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】202010667146.7
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】洪 業 傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111293098(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109727969(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101789380(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106997870(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103904054(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103367658(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107919334(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0161833(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/15
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板の製造方法であって、
スルーホール及びチップ埋め込みキャビティが設けられるガラスフレームを提供するステップと、
前記チップ埋め込みキャビティの内部に電子部品を固定するステップと、
誘電体層を前記ガラスフレームの上面、前記スルーホール及び前記チップ埋め込みキャビティに塗布して硬化させるステップと、
前記
誘電体層に対してフォトリソグラフィを行い、前記スルーホールに設けられるウィンドウを形成するステップと、
前記ウィンドウを介して金属を堆積させ、前記金属をパターニングすることにより、前記スルーホールを貫通した金属柱と、前記ガラスフレームの上面及び/又は下面に設けられ、前記電子部品及び前記金属柱に接続される配線層とを形成するステップと、
前記配線層の表面にソルダーレジスト層を形成し、前記ソルダーレジスト層をパターニングして、前記配線層に接続されるパッドを形成するステップと、を含む、ことを特徴とするパッケージ基板の製造方法。
【請求項2】
前記ウィンドウは前記電子部品の上方に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項3】
前記スルーホールの側壁及び前記
誘電体層と前記電子部品の表面に貼着される金属シード層を堆積させるステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項4】
前記パッドの表面に保護層を形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項5】
前記保護層
の材料はニッケル・パラジウム・金、ニッケル金、錫、銀、水溶性プリフラックスを含む、請求項4に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項6】
前記スルーホール及び前記チップ埋め込みキャビティの数は少なくとも1個であり、複数の前記チップ埋め込みキャビティの体積は同じ又は異なる、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項7】
前記
誘電体層は流動性を有する感光性樹脂材料である、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体パッケージの技術分野に関し、特にパッケージ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業の活発な発展に伴い、電子製品はますます軽量化・薄型化になり、集積度がますます高まり、埋め込みパッケージ基板を使用したパッケージ方式は盛んに発展している。現在、埋め込みパッケージ基板の応用では、パッケージ方式は通常、電子部品を実装した後、有機誘電体材料を圧着することによってパッケージを実現することである。
【0003】
しかしながら、現在、有機誘電体材料は主にポリイミド、エポキシ樹脂又はビスマレイミド-トリアジン樹脂又はそれらとガラス繊維とのブレンドであり、このような材料は誘電率(Dk)、誘電損失(Df)が比較的大きく、製品の電気信号伝達中、遅延時間が長く、電気信号損失が大きい等の欠点を引き起こし、高周波製品の応用が大幅に制限されてしまい、それに加えて、有機誘電体と埋め込まれた電子部品又はチップとの熱膨張係数(CTE)の差が大きく、極端な条件では、膨張・収縮の不一致による信頼性の課題が生じやすい。また、パッケージプロセスで従来の圧着方式を使用すると、チップが圧着中に割れるリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術の技術的課題の一つを少なくともある程度解決することを目的とする。このために、本願はパッケージ基板及びその製造方法を提案し、以下、本明細書に詳細説明されるテーマの概要を説明する。本概要は特許請求の範囲を限定するものではない。前記技術案は以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は、
スルーホール及びチップ埋め込みキャビティが設けられるガラスフレームを提供するステップと、
前記チップ埋め込みキャビティの内部に電子部品を固定するステップと、
誘電体層を前記ガラスフレームの上面、前記スルーホール及び前記チップ埋め込みキャビティに塗布して硬化させるステップと、
前記誘電体層に対してフォトリソグラフィを行い、前記スルーホール及び前記電子部品の上方に設けられるウィンドウを形成するステップと、
前記ウィンドウを介して金属を堆積させ、前記金属をパターニングすることにより、前記スルーホールを貫通した金属柱と、前記ガラスフレームの上面及び下面に設けられ、前記電子部品及び前記金属柱に接続される配線層とを形成するステップと、
前記配線層の表面にソルダーレジスト層を形成し、前記ソルダーレジスト層をパターニングして、前記配線層に接続されるパッドを形成するステップと、を含むパッケージ基板の製造方法を提供する。
【0006】
本願の第1態様の実施例のパッケージ基板の製造方法によれば、少なくとも以下の有益な効果を有する。第1に、本願に提案されたパッケージ基板は有機マトリックスフレームの代わりにガラスフレームを使用し、ガラスの低誘電率及び低誘電損失の材料特性によって電子部品の電気信号伝送損失を低減させ、電気信号伝送速度を高め、それによって電気信号伝送性能を向上させる。第2に、ガラスフレームは広い熱膨張係数(CTE)を有し、埋め込まれた電子部品基材にマッチングする時に選択範囲が広く、極端な条件でも製品の設計ニーズ及び信頼性を満たすことができる。第3に、圧着パッケージの代わりにパッケージ誘電体材料を塗布することで、電子部品がパッケージ中に受ける圧着力を低減させ、埋め込み製品の製造中、電子部品が割れるリスクを低減させる。第4に、ガラス基板の加工コストが低く、製品の製造コストを効果的に削減させることができる。
【0007】
任意選択で、本願の一実施例では、前記ウィンドウは前記電子部品の上方に設けられてもよい。
【0008】
任意選択で、本願の一実施例では、金属シード層を堆積させるステップをさらに含み、前記金属シード層は前記スルーホールの側壁及び前記誘電体層と前記電子部品の表面に貼着される。
【0009】
任意選択で、本願の一実施例では、前記金属シード層材料は金属チタン及び金属銅を含む。
【0010】
任意選択で、本願の一実施例では、前記パッドの表面に保護層を形成するステップをさ
らに含む。
【0011】
任意選択で、本願の一実施例では、前記保護層の材料はニッケル・パラジウム・金、ニッケル金、錫、銀、水溶性プリフラックスを含む。
【0012】
任意選択で、本願の一実施例では、前記スルーホール及び前記チップ埋め込みキャビティの数は少なくとも1個であり、複数の前記チップ埋め込みキャビティの体積は同じであってもよく、異なってもよい。
【0013】
任意選択で、本願の一実施例では、前記誘電体層は流動性を有する感光性樹脂材料である。
【0014】
第2態様によれば、本願の実施例は、
スルーホール及びチップ埋め込みキャビティが設けられるガラスフレームと、
前記チップ埋め込みキャビティの内部に設けられる電子部品と、
前記ガラスフレームの上面及び前記チップ埋め込みキャビティ内に充填される誘電体層と、
前記スルーホールを貫通する金属柱と、
前記ガラスフレームの上面及び/又は下面に設けられ、前記電子部品及び前記金属柱に接続される配線層と、
前記配線層に接続されるパッドを露出させるように、前記配線層の表面に設けられるソルダーレジスト層と、を備えるパッケージ基板を提供する。
【0015】
本願の第2態様の実施例のパッケージ基板によれば、少なくとも以下の有益な効果を有する。第1に、本願に提案されたパッケージ基板は有機マトリックスフレームの代わりにガラスフレームを使用し、ガラスの低誘電率及び低誘電損失の材料特性によって電子部品の電気信号伝送損失を低減させ、電気信号伝送速度を高め、それによって電気信号伝送性能を向上させる。第2に、ガラスフレームは広い熱膨張係数(CTE)を有し、埋め込まれた電子部品基材にマッチングする時に選択範囲が広く、極端な条件でも製品の設計ニーズ及び信頼性を満たすことができる。第3に、圧着パッケージの代わりにパッケージ誘電体材料を塗布することで、電子部品がパッケージ中に受ける圧着力を低減させ、埋め込み製品の製造中、電子部品が割れるリスクを低減させる。第4に、ガラス基板の加工コストが低く、製品の製造コストを効果的に削減させることができる。
【0016】
任意選択で、本願の一実施例では、前記スルーホールの側壁及び前記誘電体層と前記電子部品の表面に貼着される金属シード層をさらに備える。
【0017】
任意選択で、本願の一実施例では、前記パッドの上面に設けられる保護層をさらに備える。
【0018】
本願のほかの構成要素及び利点について、後述する明細書では説明され、且つ、その一部は明細書から明らかになり、又は本願を実施することで把握される。本願の目的及びほかの利点は明細書、特許請求の範囲及び図面に特に示される構造によって実現及び達成できる。
【0019】
図面は本願の技術案をさらに理解するためのものであり、明細書の一部として組み込まれており、本願の実施例とともに本願の技術案を説明するが、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は本願の一実施例に係るパッケージ基板の製造方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図3】
図3は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図4】
図4は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図5】
図5は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図6】
図6は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図7】
図7は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図8】
図8は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の製造方法のステップに対応する断面図である。
【
図9】
図9は本願の別の実施例に係るパッケージ基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら本願をさらに詳細説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は単に本願を説明するためのものであり、本願を限定するわけではないため、技術的な実質的意味がなく、構造の修飾、比例関係の変更又はサイズの調整は、本願で達成可能な効果及び達成可能な目的に影響しない限り、本願に開示されている技術的な内容の範囲に属すべきである。
【0022】
本部分は本願の具体的な実施例を詳細説明し、本願の好適実施例は図面に示され、図面は本願の各構成要素及び技術案全体を直感的かつ鮮明に理解できるように、図を用いて明細書のテキスト部分の説明を補足するためのものであるが、本願の保護範囲を限定するものではないと理解すべきである。
【0023】
明細書において、若干の意味は1個又は複数であり、複数の意味は2つ以上であり、「より大きい」、「未満」、「超え」等はその数を含まないと理解すべき、「以上」、「以下」、「以内」等はその数を含むと理解すべきである。第1、第2について、構成要素を区別するためのものであり、相対的な重要性を指示もしくは示唆する、又は、示された構成要素の数もしくは示された構成要素の順番を暗黙的に示すものではないと理解すべきである。
【0024】
図1に示すように、本願の一実施例に係るパッケージ基板の製造方法はステップS100~S600を含む。
【0025】
S100では、スルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120が設けられるガラスフレーム100を提供した。具体的には、
図2に示すように、まずガラス基板を準備し、通常、透明なガラスであり、ガラス基板の厚さは埋め込み構造のニーズに応じて設定でき、ガラス基板にレーザーを照射し、レーザー経路のガラス性質の変更にはエッチングを行ってもよく、エッチング液によってレーザー経路をエッチングし、スルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120の構造を有するガラスフレーム100を形成した。エッチング液は主にフッ化水素酸溶液であり、濃度がエッチング速度及びエッチング厚さの要件に応じて調整可能である。なお、レーザー加工は、laser加工とも呼び、高エネルギー密度のビームを材料の表面に照射して、材料を気化させ又は色を変化させる加工プロセスであり、レーザー加工は、レーザービームのエネルギー密度が高く、加工速度が速く、且つ局所加工であり、非レーザー照射部位への影響がなく又は極めて小さく、マイクロエレクトロニクス産業では半導体素子及びチップの加工にも使用でき、精密光学素子の加工にも使用できる。レーザーによるチップ埋め込みキャビティ120及びスルーホール110はそれぞれ少なくとも1個であり、電子部品200の埋め込み及び電子部品200の電極の引出及び放熱に用いられる。本願の一実施例では、チップ埋め込みキャビティ120は2個であり、2個のチップ埋め込みキャビティ120は体積が異なり、異なる型番やサイズの電子部品200を同時に実装でき、スルーホール110は2個であり、それぞれ2個のチップ埋め込みキャビティ120の一側に対応して設けられた。
【0026】
S200では、チップ埋め込みキャビティ120の内部に電子部品200を固定した。具体的には、
図3に示すように、ガラスフレーム100の底部にテープ900を貼り付けて、スルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120の底部を一時的に閉鎖し、テープ900は後続で実装される電子部品200を仮固定することができる。それぞれ体積が異なる2個のチップ埋め込みキャビティ120内に電子部品200を実装し、電子部品200の一端をテープ900に接触固定した。なお、電子部品200は配線端子の有無に応じて表面及び裏面に分けられ、電子部品200は素子、チップを含むが、これらに限定されず、アクティブ素子であってもよくパッシブ素子であってもよく、独立したチップ又は素子であってもよく、複数のチップ又は素子の組合せであってもよく、用途に応じて分類すると、異なる電力素子であってもよく、RF又はロジックチップであってもよく、チップ又は素子の種類及び数は実際のニーズに応じて、3D背中合わせに積層されたチップの組合せであってもよく、上下左右の単層アレイ組合せ設計であってもよい。電子部品200は表面が下向きとなるようにチップ埋め込みキャビティ120内に取り付けられてもよく、裏面がチップ埋め込みキャビティ120内に取り付けられてもよく、電子部品200の具体的な取り付け方向、取り付け数量及び取り付け種類は設計ニーズに応じて設定でき、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0027】
S300では
、誘電体層300をガラスフレーム100の上面、スルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120に塗布して仮硬化させた。具体的には、
図4に示すように、電子部品200を実装した後、ガラスフレーム100の上面に
誘電体層300を塗布し
、誘電体層300の材料は流動性を有する感光性樹脂材料であり、樹脂材料の流動性によって、スルーホール110及び電子部品200を実装したチップ埋め込みキャビティ120の隙間を充填し、樹脂材料を塗布した後、仮ベークして樹脂
誘電体を仮硬化状態にした。なお、感光性樹脂材料は熱硬化性樹脂材料であり、JSR WPR(水溶性フェノール樹脂)系、Hitachi AR-5100(アクリレート類)系、Asahi LV(ポリオキシメチレン)系等を含み、塗布時、粘度範囲が10Pa.s~10000Pa.sである。
【0028】
S400では
、誘電体層300に対してフォトリソグラフィを行い、スルーホール110及び電子部品200の上端に設けられるウィンドウ310を形成した。具体的には、
図5に示すように、感光性樹脂材料に対して露光、現像を行い、パターニングを行ってスルーホール110の上方位置にウィンドウ310構造を形成し、ガラスフレーム100のスルーホール110を露出させた。また、電子部品200を放熱する必要があるか否かに応じて、フォトリソグラフィを行って電子部品200の裏面にウィンドウ310を形成し、後続では、電子部品200の裏面に金属を電気メッキして放熱を行うようにしてもよい。露光現像後、本ベークして樹脂材料を完全に硬化させた。なお、電子部品200のサイズ及び放熱要求に応じて裏面に対してウィンドウを選択的に形成してもよい。面積が大きく、放熱要求が高い電子部品200の場合、ウィンドウ310を形成した後、裏面に金属を堆積させることで放熱を行うようにしてもよい。面積が小さく、放熱要求が低い電子部品200の場合、ウィンドウ310を形成せずに
、誘電体層300によって直接放熱を行うだけでよい。
【0029】
S500では、ウィンドウ310を介して金属を堆積させ、金属をパターニングして、スルーホール110を貫通した金属柱410、及びガラスフレーム100の上面及び下面に設けられ、電子部品200に接続される配線層420を形成した。具体的には、
図6に示すように、ガラスフレーム100の下面に貼り付けられたテープ900を除去し、ガラスフレーム100の上下面に、スルーホール110の側壁、電子部品200のウィンドウ露出面及びガラスフレーム100全体の周囲を被覆するように金属シード層600を製造した。金属シード層600を製造するには、無電解銅メッキ、及び金属チタン/金属銅(Ti/Cu)の物理的スパッタリング等の方式を選択できる。本願の実施例では、好ましくは、Ti/Cuの物理的スパッタリングの方式を採用した。Ti/Cuの厚さはプロセス能力に応じて総合的に調整でき、Tiの厚さは通常50~150nm、Cuの厚さは通常0.5~1.5umである。
図7に示すように、シード層を製造した後、シード層の表面に感光バリア層800を貼着し、感光バリア層800をパターニングし、配線層420及びスルーホール110の位置を露出させ、金属を電気メッキし、具体的には、金属銅を電気メッキし、銅金属でスルーホール110及び特定位置の金属シード層600の上面を被覆し、金属柱410及び配線層420を形成し、配線層420の一部が金属シード層600によって電子部品200に接続され、放熱及び電極引出の作用を実現した。
図8に示すように、有機又は無機剥離液により剥離を行い、感光バリア層800を除去し、金属シード層600をエッチングし、金属シード層600と配線層420を一致させた。なお、配線層420及び金属柱410の形成は、さらに別のプロセスによって製造されてもよい。具体的には、ガラスフレーム100全体の周囲に金属銅を電気メッキし、金属柱410を形成し、表面の金属銅をパターニングし、エッチングして配線層420を形成し、さらに剥離して金属シード層600のエッチングを行った。また、本願のいくつかの実施例では、多層のガラスフレーム100のパッケージを行ってもよく、2層であってもよく、多層であってもよく、実際の製品の配線ニーズに応じて設計パッケージを行う。
【0030】
S600では、配線層420の表面に
配線層420に接続されるパッド510を露出させるようにソルダーレジスト層500を形成
した。具体的には、
図9に示すように、
図8に示される構造の上下面にソルダーレジスト層500を製造し、ソルダーレジスト層500の厚さは実際のニーズに応じて定義され、電極位置のニーズに応じてパターニングしてパッド510を形成した。具体的には、金属柱410の上下面、電子部品200の表面にパッド510をそれぞれ形成した。本願の一実施例では、配線層420の一部が電子部品200のリード端子に接続され、配線層420を介して金属柱410及び金属柱410の表面のパッド510に接続され、電極引出及び電子部品200の放熱を行い、配線層420の一部が電子部品200の表面を直接被覆し、配線層420及びパッド510によって放熱を行い、さらにパッド510の表面に保護層を形成し、保護層を被覆することでパッド510の酸化を防止し、基板の信頼性を向上させることができる。保護層はニッケル・パラジウム・金、ニッケル金、錫、銀など化学的に安定した金属を堆積させることによって形成されてもよく、水溶性プリフラックスを被覆して表面処理を行うことをさらに含む。
【0031】
図9に示すように、本願は、スルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120が設けられるガラスフレーム100と、チップ埋め込みキャビティ120の内部に設けられる電子部品200と、ガラスフレーム100の上面及びチップ埋め込みキャビティ120内に充填される
誘電体層300と、スルーホール110を貫通する金属柱410と、ガラスフレーム100の上面及び下面に設けられ、電子部品200及び金属柱410に接続される配線層420と、配線層420の表面に設けられ、パッド510が設けられ、パッド510が配線層420に接続されるソルダーレジスト層500と、を備えるパッケージ基板構造を提供する。
【0032】
一実施例では、ガラスフレーム100は透明材質であり、ガラスフレーム100内に1個又は複数個のスルーホール110及びチップ埋め込みキャビティ120が設けられ、チップ埋め込みキャビティ120は電子部品200を実装し、チップ埋め込みキャビティ120の体積及び数は基板の内部に予め埋め込まれた電子部品200の種類及び数に応じて適宜設定できる。ガラスフレーム100の上面に誘電体層300が設けられ、誘電体層300がチップ埋め込みキャビティ120内に充填され、電子部品200を包んで固定し且つガラスフレーム100の上面に敷設した。誘電体層300によって、一方では、電子部品200とガラスフレーム100を固定することができ、他方では、ガラス基板を保護し、ガラス基板の割れを防止することができる。ガラス基板の内部に金属柱410がさらに設けられ、金属柱410がスルーホール110構造を貫通してガラスフレーム100の上下面から延出して配線層420に接続され、配線層420が同時に電子部品200に接続された。電子部品200は、一方では、生じる熱を配線層420を介して金属柱410に伝達して放熱を行い、他方では、配線層420によって電極を引き出し、ほかの素子又は基板と接続し易くなる。配線層420の最外層に基板絶縁用のソルダーレジスト層500が設けられ、ソルダーレジスト層500の金属柱410及び配線層420に対応する位置に、電気的接続又はテスト用のパッド510が設けられた。
【0033】
図9に示すように、本願の一実施例は、スルーホール110の側壁及び
誘電体層300と電子部品200の表面に貼着される金属シード層600をさらに備えるパッケージ基板構造を提供する。
【0034】
一実施例では、ガラスフレーム100の上下面に、スルーホール110の側壁を被覆する金属シード層600がさらに設けられた。電子素子の金属シード層600の厚さはプロセス能力に応じて総合的に調整可能であり、本願の実施例では、好ましくは、金属チタンの厚さは通常50~150nm、金属銅の厚さは通常0.5~1.5umである。
【0035】
図9に示すように、本願の一実施例は、パッド510の上面(図示せず)に設けられる保護層をさらに備えるパッケージ基板構造を提供する。一実施例では、保護層は、パッド510の酸化を防止し、基板の信頼性を向上させることができる。保護層
の材料はニッケル・パラジウム・金、ニッケル金、錫、銀など化学的に安定した金属又は水溶性プリフラックスを含む。
【0036】
以上、本願の好適実施例を詳細説明したが、本願は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者が本願の精神を逸脱せずに種々の同等変形や置換を行うことができ、これらの同等変形や置換はすべて本願の特許請求の範囲により限定される範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
ガラスフレーム100、スルーホール110、チップ埋め込みキャビティ120、電子部品200、誘電体層300、ウィンドウ310、金属柱410、配線層420、ソルダーレジスト層500、パッド510、金属シード層600、感光バリア層800、テープ900。