(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】自動車用のトラクションバッテリシステム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/249 20210101AFI20220310BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20220310BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20220310BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20220310BHJP
B60L 50/64 20190101ALI20220310BHJP
【FI】
H01M50/249
H01M50/244 A
H01M50/242
B60K1/04 Z
B60L50/64
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020170323
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】10 2019 128 476.7
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ モストフィ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー フォルクマー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ケルナー
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0058043(KR,A)
【文献】特開2019-133867(JP,A)
【文献】特開2018-029418(JP,A)
【文献】特開2019-129143(JP,A)
【文献】特開2014-013687(JP,A)
【文献】特開2012-119131(JP,A)
【文献】特開2018-125192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B60K 1/04
B60L 50/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のトラクションバッテリシステムであって、自動車(2)の車体に動かないように収容することができるように設計されたトラクションバッテリ(3)と、前記トラクションバッテリ(3)と前記自動車(2)の走路(5)との間に配置された保護構造(6)とを備え、前記保護構造(6)が、
面ファスナ(13)によって前記トラクションバッテリ(3)に接続され、
前記
面ファスナ(13)が、解放可能な固定システ
ムであり、前記
面ファスナ(13)が、雌型要素及び雄型要素を有するように設計され、前記雌型要素と前記雄型要素とが、互いに嵌合接続を生成するように設計され、
前記保護構造(6)が、前記トラクションバッテリ(3)に面するように設計されたその支持面(9)に、長手方向に延びる細長部材であって且つ当該長手方向を横切る方向に間隔をあけて並列配置される複数の負荷吸収要素(7)を有し、
前記負荷吸収要素(7)は、U字形又はV字形の断面を有し、前記支持面(9)に対して高さを形成する2つの脚部(15)と当該脚部(15)を相互接続し且つ前記トラクションバッテリ(3)に面する面であるウェブ面(17)を有する要素ウェブ(16)とを備えて形成され、
前記要素ウェブ(16)と前記脚部(15)との間に90度を超える値を有する角度αが形成され、
前記雌型要素又は前記雄型要素が、前記トラクションバッテリ(3)に面するように設計された前記負荷吸収要素(7)の前記ウェブ面(17)に配置されている
ことを特徴とするトラクションバッテリシステム。
【請求項2】
前記保護構造(6)がプレート形状である
ことを特徴とする請求項
1に記載のトラクションバッテリシステム。
【請求項3】
前記保護構造(6)が、その周囲に、前記保護構造(6)を前記車体及び/又は前記トラクションバッテリ(3)
に固定するためのカラー(11)を有する
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載のトラクションバッテリシステム。
【請求項4】
前記
面ファスナ(13)の前記雌型要素及び/又は前記雄型要素が、前記保護構造(6)及び/又は前記トラクションバッテリ(3)に一体結合されて接続される
ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載のトラクションバッテリシステム。
【請求項5】
前記一体結合接続が、接着剤によって生成される
ことを特徴とする請求項
4に記載のトラクションバッテリシステム。
【請求項6】
前記保護構造(6)が、前記トラクションバッテリ(3)のバッテリモジュール(4)に固定されている
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載のトラクションバッテリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前段に記載の自動車用のトラクションバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のトラクションバッテリシステムが知られている。このトラクションバッテリシステムは、電気駆動、又はハイブリッド駆動形態での部分駆動用に設計された複数のバッテリセルを有する複数のバッテリモジュールである。複数のバッテリセルが束ねられてバッテリモジュールを形成し、複数のバッテリモジュールがトラクションバッテリのバッテリハウジングに収容される。トラクションバッテリは、キャリア要素、好ましくはバッテリハウジングの横部材及び縦部材にねじ留めによって固定されるプレート形状の保護構造によって、自動車の走路に対して保護される。
【0003】
(特許文献1)、(特許文献2)、及び(特許文献3)はそれぞれ、複数のバッテリセルから構成されたトラクションバッテリを開示しており、個々のバッテリセルは面ファスナ又はベルクロ(登録商標)による固定によって互いに接続されている。さらに、(特許文献2)は、2つのバッテリセルの間に配置され、面ファスナによってバッテリセルに固定される熱伝導プレートを開示している。
【0004】
(特許文献4)及び(特許文献5)はそれぞれ、特に衝突時にバッテリセルを保護する働きをする2つのタイロッドプレートの間にバッテリセルが配置されているトラクションバッテリシステムを開示している。
【0005】
(特許文献6)は、走路との接触による損傷を避けるためにバッテリ保護構造によって走路に対して保護された複数のバッテリセルを備える自動車用のトラクションバッテリシステムを開示する。このバッテリ保護構造は、走路に面するように設計された表面にあるボルトによってトラクションバッテリシステムに固定接続される。トラクションバッテリを保護するために、複数のバッテリ保護構造が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2007/224498A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/301770A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/035370A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/294503A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/144566A1号明細書
【文献】米国特許第9,016,765B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、改良され、特に設置スペースが縮小された自動車用のトラクションバッテリシステムを提供することである。
【0008】
この目的は、本発明によれば、特許請求項1の特徴を有する自動車用のトラクションバッテリシステムによって実現される。本発明の好適であり自明でない発展を伴う有利な実施形態は、それぞれの従属請求項で特定されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
自動車用の本発明によるトラクションバッテリシステムは、自動車の車体に動かないように収容することができるように設計されたトラクションバッテリと、トラクションバッテリと自動車の走路(a roadway)との間に配置された保護構造とを備える。保護構造は、固定システムによってトラクションバッテリに接続される。本発明によれば、固定システムは、解放可能な固定システムであり、固定システムは、雌型要素及び雄型要素を有するように設計され、雌型要素と雄型要素とは、互いに嵌合接続を生成するように設計されている。すなわち、言い換えると、固定システムは、少なくとも2つの部品、すなわち雌型要素及び雄型要素から形成され、これらの2つの部品が、解放可能な、好ましくは繰り返し解放可能な嵌合接続を形成することができる。利点は、設置スペースの面で最適化され、修理の状況で迅速に解放することができる、トラクションバッテリへの保護構造の取付けである。例えばトラクションバッテリのバッテリモジュールを交換しなければならない場合、迅速に解放可能な固定システムにより、保護構造の迅速であり、したがってコストを削減できる取外しを実現することができる。従来の保護構造は、複数のねじ、又は解放するのに非常に時間がかかる操作が必要な繰り返し解放可能でない他の接続手段によって、トラクションバッテリ、又はトラクションバッテリに割り当てられたハウジングに取り付けられている。本願で提案される固定システムは、過負荷により保護構造が外れる可能性がある場合でも、保護構造をトラクションバッテリに繰り返し取り付けることを可能にする。
【0010】
固定システムは、好ましくは、面ファスナ又は圧力ロック(a pressure closure)の形態で設計される。すなわち、言い換えると、保護構造とトラクションバッテリとの接続を繰り返し生成又は解放することが可能であり、それと同時に、接続の解放時と生成時との両方において力の消費をほとんど必要としない。面ファスナ又は圧力ロックの利点により、例えばねじ接続の場合のように破壊開始点となる穴を保護構造に形成する必要がないため、保護構造のいわゆる衝突性能の局所的な低下がなくなる。
【0011】
さらなる実施形態では、保護構造はプレート形状であり、その結果、車体垂直軸の方向での保護構造の広がりを小さくすることができ、したがって自動車の車体の全高の低減を実現することができる。好ましくは、プレート形状の保護構造により、車体のアンダーフロアのできるだけ小さい地上高が考えられる。
【0012】
保護構造が自動車に確実に収容されるように、保護構造は、その周囲に、保護構造を車体及び/又はトラクションバッテリにしっかりと固定するためのカラーを有する。すなわち、言い換えると、保護構造は、その周囲で、特に一種のフランジを構成するカラーによって車体に接続することができる。確実な接続のために、ここでは例えばねじなどの接続要素を使用することができる。しかし、固定システムにより、その数を減少することができる。
【0013】
本発明によるトラクションバッテリシステムのさらなる実施形態では、保護構造は、トラクションバッテリに面するように設計されたその支持面に、少なくとも1つの負荷吸収要素を有する。好ましくは、複数の負荷吸収要素が形成される。これらの負荷吸収要素は、トラクションバッテリに対する力が少なくとも低減される、好ましくは防止されるように、走路の方向から保護構造に作用する力を吸収する働きをする。
【0014】
雌型要素と雄型要素との確実な接続を形成するために、保護構造に取り付けられた要素、すなわち雌型要素又は雄型要素が、トラクションバッテリに面するように設計された負荷吸収要素のウェブ面に配置される。
【0015】
固定システムの雌型要素及び/又は雄型要素と保護構造及び/又はトラクションバッテリとの一体結合接続は、費用対効果が高く、迅速に形成することができる構成要素と固定システムとの接続を構成する。接着剤による一体結合接続で、特に費用対効果の高いトラクションバッテリシステムを実現することができる。
【0016】
本発明によるトラクションバッテリシステムのさらなる実施形態では、保護構造は、トラクションバッテリのバッテリモジュールに固定される。これは、保護構造を直接取り付けることにより、バッテリモジュールと保護構造との間の中間要素を省くことができるた
め、好ましくはトラクションバッテリシステムの高さを低く抑えられることを意味する。慣例では、バッテリモジュールが、トラクションバッテリのバッテリハウジングに収容され、バッテリハウジングは、その側面に加えて、ハウジングを上方で閉じるカバープレートと、ハウジングを下方で閉じる底部プレートとを有する。バッテリモジュールへの損傷を避けるために、ボルト、ねじ、又はリベットの形態での接続要素が保護要素とトラクションバッテリとの確実な接続を形成することができるように、底部プレートは特定の厚さを有するように構成される。特に面ファスナの場合には底部プレートに貫入しないように構成された固定システムにより、本願で提案される実施形態で実現されるように、底部プレートの厚さを大幅に減らすか、又は底部プレートを省くことができる。保護構造が少なくとも1つの負荷吸収要素を有する場合、トラクションバッテリシステムの全高、したがって設置スペースが減少した状態で、いわゆる衝突性能は、少なくとも維持され、さらには負荷吸収要素の設計によっては増加される。
【0017】
本発明によるトラクションバッテリシステムのさらなる実施形態では、固定システムの固定点は、保護構造及びトラクションバッテリの広い領域にわたって形成される。すなわち、言い換えると、固定システムの固定点は、保護構造の広い領域にわたって、好ましくは均一に分散されるように設計される。1つの利点は、固定システムによってトラクションバッテリに保護構造を広い領域に分散させて取り付けたことによる音響の改善であり、その結果、振動傾向、したがって保護構造の外れも回避される。
【0018】
これにより、費用対効果が高く、設置スペースが最適化された自動車用のトラクションバッテリシステムを実現することが可能であり、ここで、特にバッテリモジュールが耐負荷性であってバッテリケースが省かれた車両構成の場合、保護構造を、その縁部領域でのみ車体に取り付けることができ、自動車の動作負荷に応じた保護構造の変形が固定システムによって防止される。
【0019】
本発明のさらなる利点、特徴、及び詳細は、好ましい例示的実施形態の以下の説明から、及び図面を参照して明らかになろう。本明細書で上述した特徴及び特徴の組合せ、並びに図面の説明で以下に述べる及び/又は単に図面に示す特徴及び特徴の組合せは、それぞれ明記した組合せだけでなく、他の組合せでも、又は単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。同一又は機能的に同一の要素には、同一の参照符号が割り当てられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】トラクションバッテリシステムの詳細を示す断面図である。
【
図2】トラクションバッテリシステムのバッテリ保護構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、自動車2用の本発明によるトラクションバッテリシステム1の断面を詳細に示す。自動車2は、トラクションバッテリシステム1を収容するように設計された車体(詳細には図示せず)を有する。トラクションバッテリシステム1のトラクションバッテリ3は複数のバッテリモジュール4を備え、複数のバッテリモジュール4は、それぞれが複数のバッテリセル(さらに詳細には図示せず)を有し、複数のバッテリセルは、それぞれ、バッテリモジュール4のモジュールハウジング13に収容されている。
【0022】
トラクションバッテリ3は、直方体形状に設計されており、少なくともその側面、及び車体に面するように設計されたその上面で、車体によって境界を画されて、車体の空洞部に収容される。さらなる例示的実施形態(さらに詳細には図示せず)では、トラクションバッテリ3は、バッテリモジュール4を収容するように設計されたバッテリハウジングを有する。
【0023】
トラクションバッテリ3は、上面とは反対側を向くように設計されたその下面で、自動車2の走路に対して保護構造6によって覆われている。すなわち、言い換えると、少なくとも保護構造6は、走路とトラクションバッテリ3との間に配置されている。図示される例示的実施形態では、保護構造6は、モジュールハウジング14に直接配置されている。しかし、トラクションバッテリ3がバッテリハウジングを有する場合、上記保護構造は、そのバッテリハウジングに配置することもできる。同様に、バッテリハウジングの有無にかかわらず、トラクションバッテリ3をその周囲にわたって完全に包囲する車体の収容デバイスにトラクションバッテリ3を配置することも可能であり得て、保護構造6は、走路5に面する収容デバイスの表面に配置される。
【0024】
保護構造6はプレート形状の構成であり、U字形又はV字形の断面8を有する複数の負荷吸収要素7を有する。負荷吸収を改善するために、負荷吸収要素7の脚部15は、好ましくは、トラクションバッテリ3に面するように設計されて脚部15を相互接続する負荷吸収要素7の要素ウェブ16に対して角度を成すように構成され、要素ウェブ16と脚部15との間に90°を超える値を有する角度αが形成される。
【0025】
保護構造6は収容プレート9を有し、収容プレート9は、負荷吸収要素7を支え、その外周でカラー11によって縁を取られ、カラー11は、負荷吸収要素7を有する支持面10に対してトラクションバッテリ3の方向に立ち上げられている。カラー11は、固定手段(詳細には図示せず)、好ましくは解放可能な固定手段、特にねじを収容するための複数の収容開口12を有する。
【0026】
図1及び
図2に示すこの例示的実施形態では、保護構造6は、固定手段によって自動車2の車体に固定される。好ましくは、この固定モードは、バッテリモジュール4が耐負荷性を有するように設計されて、バッテリモジュール4を収容するように設計されたバッテリハウジングが省かれている車両構成で使用することができる。同様に、保護構造6をバッテリモジュール4に、又はさらに車体にしっかりと固定することも可能であり得る。
【0027】
例えば自動車2の比較的高い動作負荷の下で保護構造6が走路5の方向に湾曲するのを避けるために、保護構造6は固定システム13によってバッテリモジュール4に取り付けられ、固定システム13は解放可能な接続を生成し、この例示的な実施形態では、固定システム13は面ファスナの形態で設計されている。バッテリモジュール4への保護構造6の取付けは、トラクションバッテリ3と保護構造6とから構成されるトラクションバッテリシステム1の車体垂直軸の方向への広がりを減少させる。さらなる例示的実施形態(さらに詳細には図示せず)では、固定システム13は、圧力ロックの形態で実現される。
【0028】
例示的な固定システム13は、接続すべき要素、すなわち保護構造6と、例としてバッテリモジュール4との一方が、固定システム13の雌型要素を有し、他方の要素が、固定システム13の雄型要素を有することによって基本的には特色付けられる。すなわち、言い換えると、バッテリモジュール4は、雌型要素又は雄型要素のいずれかを有することができ、それに従って、接続を成すために、保護構造6は、雄型要素又は雌型要素を有することができる。
【0029】
固定システム13は、雌型要素が雄型要素に繰り返し解放可能に接続されるように設計されることによってさらに特色付けられ、それにより、雌型要素と雄型要素との嵌合接続をもたらす。嵌合接続は、特定の力が導入されると分離され、この場合、2つの要素に、したがって固定システム13に欠陥がない場合、接続を再確立することが可能である。
【0030】
この例示的実施形態で使用される面ファスナ13は、テープの形態で設計され、固定システム13の要素、すなわち雌型要素及び雄型要素が、対応する構成要素、すなわちバッテリモジュール4及び保護構造6に、一体結合接続、好ましくは接着剤を用いて接続される。
【0031】
保護構造6に取り付けられた固定システム13の要素は、例えば支持面9又は負荷吸収要素7に一体結合して固定することができる。当然、その要素は、支持面9と負荷吸収要素7とに固定することもできる。保護構造6に取り付けられた固定システム13の要素は、有利には、バッテリモジュール4に向かい合わせに位置する要素ウェブ16のウェブ面17に位置決めされる。
【0032】
保護構造6の湾曲を避けるために、固定システム13の要素は、収容プレート9の中央領域に設けられることが好ましい。固定システム13の固定点18の数は、保護構造6のサイズ、及び固定システム13の雌型要素と雄型要素との結合力に依存する。固定システム18の固定点18は、保護構造6及びトラクションバッテリ3の広い領域にわたって形成される。
【0033】
保護構造6に向かい合わせに位置し、本例示的実施形態でもテープの形態で構成された固定システム13の要素は、同様に接着剤でバッテリモジュール4に固定されている。同様に、その要素は、バッテリケース、バッテリ底部、バッテリハウジング、又はバッテリモジュールハウジングに接続することもできる。したがって、その要素は、バッテリ側に、好ましくは保護構造6に向かい合わせに取り付けられる。
【符号の説明】
【0034】
2 自動車
3 トラクションバッテリ
5 走路
6 保護構造
13 固定システム