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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】電池パック及び電動工具ユニット
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20220310BHJP
   B25F 5/02 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
B25F5/00 H
B25F5/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020513337
(86)(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2019084269
(87)【国際公開番号】W WO2019214447
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-03-04
(31)【優先権主張番号】201810428287.6
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513305146
【氏名又は名称】▲蘇▼州宝▲時▼得▲電▼▲動▼工具有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喬 勇
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-037018(JP,A)
【文献】特表2015-509258(JP,A)
【文献】特開昭53-104886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0236217(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0214520(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0349143(US,A1)
【文献】特開2014-107188(JP,A)
【文献】特開2017-024166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025650(US,A1)
【文献】特開2011-161603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具と、前記電動工具に電気的に接続される電池パックとを備え、
前記電動工具は、
工具本体と、
前記工具本体に設けられ、複数の工具端子を有する工具端子台とを備え、
前記工具本体と取り外し可能に嵌合する前記電池パックは、
上ケースと、
前記上ケースと接続して電池パックケースを構成する下ケースと、
セルユニットと、
前記複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、
前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、
前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にするロック装置と、を備える電動工具ユニットにおいて、
前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から前記挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、
前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されており、
前記工具端子台には、突き合わせ面が設けられ、前記電池パックは、前記突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されており、前記嵌合面は、前記電池パックの前記上ケースの1つの面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面に密着しており、
前記挿入口シールは、ブロック状ガスケットであり、前記ブロック状ガスケットは、前記工具端子が対応して挿通される複数の貫通孔を有し、前記電動工具と前記電池パックとが嵌合したとき、前記ブロック状ガスケットは、水が前記嵌合隙間を介して前記電池パック内部に流入することを抑制するために、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に接続されていることを特徴とする電動工具ユニット。
【請求項2】
前記挿入口シールは、前記突き合わせ面に固定的に密着するように配置され、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記挿入口シールは、前記電池パックの嵌合面に当接して前記挿入口と外部との隔離を実現するように構成されることを特徴とする請求項に記載の電動工具ユニット。
【請求項3】
前記挿入口シールは、前記工具端子台に移動可能に配置され、前記電池パックと前記電動工具との嵌合中、前記挿入口シールと前記工具端子台の突き合わせ面との間の距離が変化可能であり、少なくとも1つの距離において、外部の水流が前記挿入口を介して前記取付キャビティに入ることを防止可能であることを特徴とする請求項に記載の電動工具ユニット。
【請求項4】
前記電池パックには、放熱口が設けられ、前記工具本体には、前記放熱口の上方に位置して前記放熱口を隔離する放熱口シールが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具ユニット。
【請求項5】
前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、前記取付キャビティの外部に隔離されていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具ユニット。
【請求項6】
前記上ケースは、一体成形され、その外面に、前記ロック装置を少なくとも部分的に取り囲むロックキャビティが下方へ凹んで形成され、前記ロックキャビティは、ロック装置が上下動するための移動空間を形成することを特徴とする請求項に記載の電動工具ユニット。
【請求項7】
前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの接続部に設けられ、かつ前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具ユニット。
【請求項8】
前記電動工具は、手持ち式圧力洗浄装置であり、前記工具本体は、把持用の操作ハンドルと、前記操作ハンドルと角度をなすように設けられる本体部と、水流を外部に吐出する吐水部とを有し、
前記手持ち式圧力洗浄装置は、前記本体部内に設けられるモータと、水流を外部に搬送するポンプとを有する機能部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電動工具ユニット。
【請求項9】
前記手持ち式圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.2Mpa~10Mpaであり、外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min~8L/Minであることを特徴とする請求項に記載の電動工具ユニット。
【請求項10】
前記電池パックの数は、1つであり、前記電池パックの公称出力電圧は、18~60Vであるか、又は前記電池パックの数は、2つであり、そのうちの1つの電池パックの公称出力電圧は、18~42.4Vであることを特徴とする請求項1に記載の電動工具ユニット。
【請求項11】
ケースと、
前記上ケースと接続することにより電池パックケースを構成する下ケースと、
セルユニットと、
電動工具の複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、
前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、を備える電池パックにおいて、
前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にするロック装置と
前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されており、
前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から前記挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、
前記電池パックは、前記電動工具の工具端子台に設けられた突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されており、前記嵌合面は、前記電池パックの前記上ケースの1つの面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面に密着しており、
前記挿入口シールは、ブロック状ガスケットであり、前記ブロック状ガスケットは、前記工具端子が対応して挿通される複数の貫通孔を有し、前記電動工具と前記電池パックとが嵌合したとき、前記ブロック状ガスケットは、水が前記嵌合隙間を介して前記電池パック内部に流入することを抑制するために、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に接続されていることを特徴とする電池パック。
【請求項12】
前記ロック装置は、前記取付キャビティの外部で上ケースの外面に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、外部の水流が前記移動空間に入ったときに前記取付キャビティにさらに流入することを防止するために、前記取付キャビティの外部に隔離されていることを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
【請求項14】
前記ロック装置は、係止部と、前記電池パックが操作によって前記電動工具から離脱できるように前記係止部を前記上ケースに対して前記移動空間内で移動させる操作部とを備えることを特徴とする請求項13に記載の電池パック。
【請求項15】
前記ロック装置の底面と前記上ケースの外面との間には、前記操作部が前記係止部を前記上ケースに対して移動させるように、前記ロック装置に押圧される弾性手段が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の電池パック。
【請求項16】
前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの接続部に設けられ、かつ前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成されることを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
【請求項17】
電動工具と、前記電動工具に電気的に接続される電池パックとを備え、
前記電動工具は、
工具本体と、
前記工具本体に設けられ、複数の工具端子を有する工具端子台と、を備え、
前記工具本体と取り外し可能に嵌合する前記電池パックは、
上ケースと、
前記上ケースと接続して電池パックケースを構成する下ケースと、
セルユニットと、
前記複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、
前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、を備える電動工具ユニットにおいて、
前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から前記挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、
前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記電動工具ユニットは、前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にし、前記取付キャビティの外部に隔離されているロック装置をさらに備え
前記工具端子台には、突き合わせ面が設けられ、前記電池パックは、前記突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されており、前記嵌合面は、前記電池パックの前記上ケースの1つの面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面に密着しており、
前記挿入口シールは、ブロック状ガスケットであり、前記ブロック状ガスケットは、前記工具端子が対応して挿通される複数の貫通孔を有し、前記電動工具と前記電池パックとが嵌合したとき、前記ブロック状ガスケットは、水が前記嵌合隙間を介して前記電池パック内部に流入することを抑制するために、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に接続されていることを特徴とする電動工具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック、及び当該電池パックを用いた電動工具に関し、特に電動工具と嵌合する電池パックの防水シールに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭生活や戸外活動では、洗浄のニーズがずっと広く存在している。家庭の庭を中心とする家庭生活では、人々は常に、ベランダ、廊下、屋外のテーブル・椅子、グリル、自動車、自転車、ガレージ、ペット、ガーデンツール、窓、プール、屋外階段などを洗浄する必要がある。これらの物品は、使用場面が屋外にあるため、泥汚れ、油汚れ、木の葉、埃などの汚れが不可避的に付着してしまい、雑巾で洗浄するのは非常に不便であり、水流ひいては高圧水流を用いてスプレー洗浄する必要がある。上記ニーズを満たすために、市場では、家庭用の圧力洗浄装置が提供されている。
【0003】
また、ユーザの使用時の携帯性のために、現在、直流電池パックによって圧力洗浄装置に給電することは、トレンドになっている。しかしながら、関連製品では、テスト中または使用中に水が電池パックの内部に浸入することが多く、電池パックは十分なシール性を得られないため、製品は、短絡、漏電、ひいては電池パックのセルの爆発などの安全上の問題を引き起こすおそれがある。
【0004】
したがって、機器のシール性を確保するために、上記課題を解決する改良発明を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠点を克服するために、本発明が解決しようとする課題は、外部の水流が電池パックの取付キャビティ内に入らない電動工具ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の課題を解決するために、本発明は、技術的手段として、電動工具と、前記電動工具に電気的に接続される電池パックとを備え、前記電動工具は、工具本体と、前記工具本体に設けられ、複数の工具端子を有する工具端子台とを備え、前記工具本体と取り外し可能に嵌合する前記電池パックは、上ケースと、前記上ケースと接続して電池パックケースを構成する下ケースと、セルユニットと、前記複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にするロック装置とを、備える電動工具ユニットにおいて、
前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から前記挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、
前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されている電動工具ユニットを採用する。
【0007】
一実施形態では、前記工具端子台には、突き合わせ面が設けられ、前記工具端子は、少なくとも一部が突き合わせ面から外側に突出し、前記電池パックは、前記突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されている。
【0008】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に設けられている。
【0009】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面に固定的に密着するように配置され、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記挿入口シールは、前記電池パックの嵌合面に当接して前記挿入口と外部との隔離を実現するように構成される。
【0010】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記工具端子台に移動可能に配置され、前記電池パックと前記電動工具との嵌合中、前記挿入口シールと前記工具端子台の突き合わせ面との間の距離が変化可能であり、少なくとも1つの距離において、外部の水流が前記挿入口を介して前記取付キャビティに入ることを防止可能である。
【0011】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記軟質ガスケットは、前記工具端子が対応して挿通される複数の貫通孔を有する。
【0012】
一実施形態では、前記電池パックの嵌合面は、電池パックの上ケースの1つの面又は複数の面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面又は複数の面に密着している。
【0013】
一実施形態では、前記電池パックには、放熱口が設けられ、前記工具本体には、前記放熱口の上方に位置して前記放熱口を隔離する放熱口シールが設けられている。
【0014】
一実施形態では、前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、前記取付キャビティの外部に隔離されている。
【0015】
一実施形態では、前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの接続部に設けられ、かつ前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成される。
【0016】
一実施形態では、前記電動工具は、手持ち式圧力洗浄装置であり、前記工具本体は、把持用の操作ハンドルと、前記操作ハンドルと角度をなすように設けられる本体部と、水流を外部に吐出する吐水部とを有し、
前記手持ち式圧力洗浄装置は、前記本体部内に設けられるモータと、水流を外部に搬送するポンプとを有する機能部材をさらに備える。
【0017】
一実施形態では、前記手持ち式圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.2Mpa~10Mpaであり、外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min~8L/Minである。
【0018】
一実施形態では、前記電池パックの数は、1つであり、前記電池パックの公称出力電圧は、18~42Vである。
【0019】
一実施形態では、前記電池パックの数は、2つであり、そのうちの1つの電池パックの公称出力電圧は、18~20Vである。
【0020】
従来技術の欠点を克服するために、本発明が解決しようとする課題は、電池パックに取り外し可能に接続され、外部の水流が電池パックの取付キャビティ内に入らない電動工具を提供することである。
【0021】
従来技術の課題を解決するために、本発明は、技術的手段として、電池パックに取り外し可能に接続されるように配置される電動工具であって、工具本体と、前記工具本体に設けられ、複数の工具端子を有する工具端子台と、を備え、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、
前記電池パックは、前記上ケースと前記下ケースとの接続部に設けられる上下ケースシールをさらに備え、前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上下ケースシールは、外部と前記取付キャビティとの連通を遮断し、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されている電動工具を採用する。
【0022】
一実施形態では、前記工具端子台には、突き合わせ面が設けられ、前記工具端子は、少なくとも一部が突き合わせ面から外側に突出し、前記電池パックは、前記突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されている。
【0023】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に設けられている。
【0024】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面の少なくとも一部に固定的に密着するように配置され、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記挿入口シールは、前記電池パックの嵌合面に当接して前記挿入口と外部との隔離を実現するように構成される。
【0025】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記軟質ガスケットは、前記工具端子が対応して挿通される複数の貫通孔を有する。
【0026】
一実施形態では、前記電池パックの嵌合面は、電池パックの上ケースの1つの面又は複数の面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面又は複数の面に密着している。
【0027】
一実施形態では、前記電動工具は、手持ち式圧力洗浄装置であり、前記工具本体は、把持用の操作ハンドルと、前記操作ハンドルと角度をなすように設けられる本体部と、水流を外部に吐出する吐水部とを有し、前記手持ち式圧力洗浄装置は、前記本体部内に設けられるモータと、水流を外部に搬送するポンプとを有する機能部材を備える。
【0028】
一実施形態では、前記手持ち式圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.2Mpa~10Mpaであり、外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min~8L/Minである。
【0029】
一実施形態では、前記電池パックの数は、1つであり、前記電池パックの公称出力電圧は、18~60Vであるか、又は前記電池パックの数は、2つであり、そのうちの1つの電池パックの公称出力電圧は、18~42.4Vである。
【0030】
一実施形態では、前記挿入口シールが前記嵌合隙間から挿入口までの通路を遮断する構造と、前記上下ケースシールが前記嵌合隙間から取付キャビティへの通路を遮断する構造と、前記ロック装置が前記取付キャビティの外部に隔離されている構造との3つの構造は、同一の前記電動工具ユニットに共存しなければならない。
【0031】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記軟質ガスケットは、前記挿入口シールが前記挿入口を塞ぐことを妨げない構造で前記工具端子が対応して挿通されるように配置される複数の貫通孔を有する。
【0032】
一実施形態では、前記挿入口は、略角形状であり、前記軟質ガスケットは、平板状であり、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記軟質ガスケットは、前記角形状の挿入口を外部から隔離可能である。
【0033】
一実施形態では、前記挿入口は、略L字状であり、前記軟質ガスケットは、L字状であり、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記軟質ガスケットは、前記L字状の挿入口を外部から隔離可能である。
【0034】
一実施形態では、前記工具端子台は、L字状の突き合わせ面を有し、L字状の軟質ガスケットは、前記L字状の挿入口を外部から隔離するように前記L字状の突き合わせ面に接続可能である。
【0035】
一実施形態では、前記L字状の軟質ガスケットは、前記突き合わせ面に接続される第1の部分と、前記工具本体に接続される第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分との協働により、前記L字状の挿入口を外部から隔離する。
【0036】
一実施形態では、前記ロック装置は、前記取付キャビティの外部で上ケースの外面に取り外し可能に取り付けられている。
【0037】
一実施形態では、前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、外部の水流が前記移動空間に入ったときに前記取付キャビティにさらに流入することを防止するために、前記取付キャビティの外部に隔離されている。
【0038】
一実施形態では、前記上ケースは、一体成形され、その外面に、前記ロック装置を少なくとも部分的に取り囲むロックキャビティが下方へ凹んで形成され、前記ロックキャビティは、ロック装置が上下動するための移動空間を形成し、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとは互いに連通していない。
【0039】
一実施形態では、前記電池パックは、前記電池パックケースに取り外し可能に取り付けられて前記ロック装置を収容するロックキャビティが形成されるスペーサを備え、前記スペーサは、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとを隔離する。
【0040】
一実施形態では、前記電池パックは、前記スペーサと前記電池パックケースとの間に位置し、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとを非連通とするシール構造をさらに備える。
【0041】
一実施形態では、前記シール構造は、前記スペーサと前記電池パックケースとの間に挟持されるシールリングとして配置される。
【0042】
一実施形態では、前記電池パックの数は、1つであり、前記電池パックの公称出力電圧は、18~42Vである。
【0043】
一実施形態では、前記電池パックの数は、2つであり、そのうちの1つの電池パックの公称出力電圧は、18~20Vである。
【0044】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記電池パックと前記電動工具との相対変位によって前記電動工具ユニットを形成する過程で、特定の変形量に達するまで前記軟質ガスケットが前記電池パックに押圧される所定の厚さを有し、当該特定の変形量は、前記電動工具ユニットが水中1メートル以上に浸されたとき、水圧が前記軟質ガスケットに対する前記電池パックの押圧力よりも小さくなるように設定される。
【0045】
上記のことに鑑みて、本発明の目的の1つは、防水電池パックを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、技術的手段として、電動工具に取り外し可能に取り付けられる電池パックであって、上ケースと、前記上ケースと接続して電池パックケースを構成する下ケースと、セルユニットと、前記複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にするロック装置と、を備え、前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されている電池パックを採用する。
【0046】
一実施形態では、前記ロック装置は、前記取付キャビティの外部で上ケースの外面に取り外し可能に取り付けられている。
【0047】
一実施形態では、前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、外部の水流が前記移動空間に入ったときに前記取付キャビティにさらに流入することを防止するために、前記取付キャビティの外部に隔離されている。
【0048】
一実施形態では、前記ロック装置は、係止部と、前記電池パックが操作によって前記電動工具から離脱できるように前記係止部を前記上ケースに対して前記移動空間内で移動させる操作部とを備える。
【0049】
一実施形態では、前記ロック装置の底面と前記上ケースの外面との間には、前記操作部が前記係止部を前記上ケースに対して移動させるように、前記ロック装置に押圧される弾性手段が設けられている。
【0050】
一実施形態では、前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの接続部に設けられ、かつ前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成される。
【0051】
一実施形態では、前記電池パックは、前記電池パックケースに取り外し可能に取り付けられて前記ロック装置を収容するロックキャビティが形成されるスペーサを備え、前記スペーサは、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとを隔離する。
【0052】
一実施形態では、前記電池パックは、前記スペーサと前記電池パックケースとの間に位置し、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとを非連通とするシール構造をさらに備える。
【0053】
一実施形態では、前記シール構造は、前記スペーサと前記電池パックケースとの間に挟持されるシールリングとして配置される。
【0054】
一実施形態では、前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成される。
【0055】
一実施形態では、前記電池パックは、電池パックの動作特性を示す表示装置と、前記表示装置を収容する表示装置収容室とをさらに備え、前記表示装置収容室は、前記取付キャビティの一方側に規定され、かつ前記シールリングによって密閉された空間として規定される。
【0056】
一実施形態では、前記表示装置は、制御基板と、前記制御基板に電気的に接続される電力量表示ランプ及び電力量表示ボタンとを備え、前記電力量表示ボタンは、前記電力量表示ランプを点灯させるよう操作によってトリガーすることができる。
【0057】
一実施形態では、前記電池パックには、放熱口が設けられ、前記工具本体には、前記放熱口の上方に位置して前記放熱口を隔離する放熱口シールが設けられている。
【0058】
従来技術の欠点を克服するために、本発明が解決しようとする課題は、外部の水流が電池パックの取付キャビティ内に入らない電動工具を提供することである。
【0059】
従来技術の課題を解決するために、本発明は、技術的手段として、
電動工具であって、工具本体と、前記工具本体に設けられ、複数の工具端子を有する工具端子台とを備え、前記工具本体と取り外し可能に嵌合する前記電池パックは、上ケースと、前記上ケースと接続して電池パックケースを構成する下ケースと、セルユニットと、前記複数の工具端子に接続される複数の電池パック端子を有する電池パック端子台と、前記電池パックケース内に規定されて前記セルユニット及び前記電池パック端子台を収容する取付キャビティであって、前記電池パック端子に電気的に接続されるように前記工具端子が挿入される挿入口が設けられた取付キャビティと、前記電池パックと前記電動工具とを接続又は分離可能にするロック装置とを備え、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記電動工具と前記電池パックとの間には嵌合隙間があり、前記電動工具及び前記電池パックの少なくとも一方には、前記嵌合隙間から挿入口までの通路を遮断する挿入口シールが配置され、前記上ケースが前記下ケースと嵌合したとき、前記上ケースと前記下ケースとの間には嵌合隙間があり、前記電池パックは、前記嵌合隙間から前記取付キャビティへの通路を遮断する上下ケースシールをさらに備え、
前記ロック装置は、前記電池パックケースに取り付けられ、前記取付キャビティの外部に隔離されている電動工具を採用する。
【0060】
一実施形態では、前記工具端子台には、突き合わせ面が設けられ、前記工具端子は、少なくとも一部が突き合わせ面から外側に突出し、前記電池パックは、前記突き合わせ面と嵌合可能な嵌合面を有し、前記挿入口は、前記嵌合面に形成されている。
【0061】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面と前記嵌合面との間に設けられている。
【0062】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記突き合わせ面の少なくとも一部に固定的に密着するように配置され、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記挿入口シールは、前記電池パックの嵌合面に当接して前記挿入口と外部との隔離を実現するように構成される。
【0063】
一実施形態では、前記挿入口シールは、前記工具端子台に移動可能に配置され、前記電池パックと前記電動工具との嵌合中、前記挿入口シールと前記工具端子台の突き合わせ面との間の距離が変化可能であり、少なくとも1つの距離において、外部の水流が前記挿入口を介して前記取付キャビティに入ることを防止可能である。
【0064】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記軟質ガスケットは、前記挿入口シールが前記挿入口を隔離することを妨げない構造で前記工具端子が対応して挿通されるように配置される複数の貫通孔を有する。
【0065】
一実施形態では、前記挿入口は、略角形状であり、前記軟質ガスケットは、平板状であり、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記軟質ガスケットは、前記角形状の挿入口を外部から隔離可能である。
【0066】
一実施形態では、前記挿入口は、略L字状であり、前記軟質ガスケットは、L字状であり、前記電池パックが前記電動工具と嵌合したとき、前記軟質ガスケットは、前記L字状の挿入口を外部から隔離可能である。
【0067】
一実施形態では、前記工具端子台は、L字状の突き合わせ面を有し、L字状の軟質ガスケットは、前記L字状の挿入口を外部から隔離するように前記L字状の突き合わせ面に接続可能である。
【0068】
一実施形態では、前記L字状の軟質ガスケットは、前記突き合わせ面に接続される第1の部分と、前記工具本体に接続される第2の部分とを有し、前記第1の部分と前記第2の部分との協働により、前記L字状の挿入口を外部から隔離する。
【0069】
一実施形態では、前記電池パックの嵌合面は、電池パックの上ケースの1つの面又は複数の面で形成され、前記挿入口シールは、前記1つの面又は複数の面に密着している。
【0070】
一実施形態では、前記ロック装置は、前記取付キャビティの外部で上ケースの外面に取り外し可能に取り付けられている。
【0071】
一実施形態では、前記電池パックケースには、前記ロック装置が移動するための移動空間が形成され、前記移動空間は、外部の水流が前記移動空間に入ったときに前記取付キャビティにさらに流入することを防止するために、前記取付キャビティの外部に隔離されている。
【0072】
一実施形態では、前記上ケースは、一体成形され、その外面に、前記ロック装置を少なくとも部分的に取り囲むロックキャビティが下方へ凹んで形成され、前記ロックキャビティは、ロック装置が上下動するための移動空間を形成し、前記ロックキャビティと前記取付キャビティとは互いに連通していない。
【0073】
一実施形態では、前記上下ケースシールは、前記上ケースと前記下ケースとの間に設けられるシールリングとして構成される。
【0074】
一実施形態では、前記電動工具は、圧力洗浄装置であり、前記工具本体は、把持用の操作ハンドルと、前記操作ハンドルと角度をなすように設けられる本体部と、水流を外部に吐出する吐水部とを有する。
【0075】
一実施形態では、前記圧力洗浄装置は、前記本体部内に設けられるモータと、水流を外部に搬送するポンプとを有する機能部材を備える。
【0076】
一実施形態では、前記圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.2Mpa~10Mpaであり、外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min~8L/Minである。
【0077】
一実施形態では、前記電池パックの数は、1つであり、前記電池パックの公称出力電圧は、18~42Vである。
【0078】
一実施形態では、前記電池パックの数は、2つであり、そのうちの1つの電池パックの公称出力電圧は、18~20Vである。
【0079】
一実施形態では、前記挿入口シールは、軟質ガスケットであり、前記電池パックと前記電動工具との相対変位によって前記電動工具ユニットを形成する過程で、前記電動工具ユニットが水中1メートル以上に浸されたとき、水圧が前記軟質ガスケットに対する前記電池パックの押圧力よりも小さくなるように設定される特定の変形量に達するまで前記軟質ガスケットが前記電池パックに押圧される所定の厚さを有し、当該特定の変形量は、前記電動工具ユニットが水中1メートル以上に浸されたとき、水圧が前記軟質ガスケットに対する前記電池パックの押圧力よりも小さくなるように設定される。
【0080】
従来の技術と比べて、本発明は少なくとも、以下の有利な効果を有する。
1、電池パックの取付キャビティ内の構造を変更することなく、電池パックと圧力洗浄装置との突き合わせ部を防水シールし、電池パックの上下ケースの間を防水シールし、ロック装置の収容キャビティを防水シールすることによって、電池パックに必然的に存在する隙間を全面的にシールし、最も簡単でコストが最も低い構造設計により、外部の水流が取付キャビティ内に入らないことが実現される。
【0081】
2、電池パックの汎用性が高く、圧力洗浄装置に給電する電池パックは、他の電動工具にも給電できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1図1は、本発明の電動工具ユニットの斜視模式図である。
図2図2は、図1に示す電動工具ユニットの第1のハーフハウジングが取り除かれたときの内部構造を示す模式図である。
図3図3は、図1に示す電動工具ユニットの部分的な分解図である。
図4図4は、L字状の工具端子台にL字状の挿入口シール及び電池パックが接続されている模式図である。
図5図5は、図4を別の角度からみた部分的な分解図である。
図6図6は、工具端子台にL字状の挿入口シールが接続されている一実施形態の模式図である。
図7図7は、工具端子台に挿入口シールが接続されている別の実施形態の模式図である。
図8図8は、電池パックの斜視模式図である。
図9図9は、電池パックの外面に挿入口シールが接続されている一実施形態の斜視図である。
図10図10は、電池パックの外面に挿入口シールが接続されている別の実施形態の斜視図である。
図11図11は、電池パックの別の方向の斜視模式図である。
図12図12は、図11に示す電池パックの部分的な分解図である。
図13図13は、図12に示す電池パックの爆発図である。
図14図14は、図11に示す電池パックの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本開示の実施例の利点及び特徴を当業者により容易に理解してもらい、本開示の実施例の技術的範囲をより明確にするために、以下は、図面を参照しながら、本開示の実施例の好ましい実施形態を詳しく説明する。図面及び明細書の異なる実施例における同一の番号及び符号は、同一又は同等の部材を示す。
【0084】
図1図2に示す電動工具は、電池パック5に取り外し可能に接続されるように配置される。電池パック5は電動工具と嵌合して電動工具ユニットを形成する。本実施形態では、前記電動工具は、圧力洗浄装置1である。この圧力洗浄装置1は、工具本体10と、機能部材20と、液体注入継手30と、トリガー機構40とを備える。
【0085】
工具本体10は、略ピストル状である。工具本体10は、左右ハーバード構造を採用し、第1のハーフハウジングと第2のハーフハウジングとを接続して形成される。工具本体10は、把持用の操作ハンドル11と、操作ハンドル11と角度をなすように設けられる本体部12と、水流を外部に吐出する吐水部13とを有する。機能部材20は、本体部12内に設けられている。機能部材20は、モータ21と、モータ21によって駆動されて水流を外部に搬送するポンプ22と、モータ21とポンプ22との間に接続される伝達機構23とを有する。さらに、本発明では、モータ21、ポンプ22がともに本体部12内に設けられた圧力洗浄装置1は、手持ち式圧力洗浄装置1である。
【0086】
液体注入継手30は、液体を手持ち式圧力洗浄装置1の内部に案内するように、液体が流れる外部の管路(水管)に接続される。液体注入継手30は、一端が工具本体10に接続され、他端がフリーとなり液体注入口31が設けられている。液体注入継手30は、液体注入口31を介して外部の管路(図示せず)と連通している。液体が外部の管路から液体注入継手30内に入って工具本体10の内部に入ると、圧力洗浄装置1の高圧により圧力洗浄装置1の吐水部13から外部に吐出されて物体の表面を洗浄する。
【0087】
トリガー機構40は、操作ハンドル11近傍に設けられ、具体的にはトリガであり、外部の水源とポンプ22との連通及びモータ21の回転をトリガするためのものである。
【0088】
図1及び図3に示すように、手持ち式圧力洗浄装置1は、電池パック5が取り外し可能に嵌合する足裏部14と、電池パック5に電気的に接続される工具端子台6とをさらに備える。工具端子台6は、突き合わせ面62が設けられた基部61と、前記基部61に支持される複数の工具端子63とを有する。足裏部14は、本体部12から離れた操作ハンドル11の一端に設けられる。本体部12と操作ハンドル11と足裏部14との三者は、一体成形構造に配置されている。換言すれば、操作ハンドル11及び足裏部14は、本体部12から連続的に所定の方向に延びて形成される。本実施形態では、足裏部14には、本体部12の方向に凹んだ溝141が規定されている。工具端子台6は、この凹槽14内に収容されているとともに、足裏部14に固定的に接続されるように構成される。
【0089】
一実施形態では、前記固定的接続は、工具端子台6と足裏部14とが接着剤により一体に形成されていると理解することができる。もちろん、他の実施形態では、工具端子台6と足裏部14とは、機械的構造によって固定的接続を実現することもできる。例えば、工具端子台には、ロック部材(図示せず)が設けられ、足裏部には、ロック部材と係合するロック穴(図示せず)が設けられる。ロック部材が足裏部のロック穴に挿入されることにより、工具端子台が確実に位置決めされることが実現される。
【0090】
手持ち式圧力洗浄装置1にエネルギーを提供する電池パック5は、本体部12から離れた操作ハンドル11の一端に設けられる。図5~13に示すように、電池パック5は、上ケース51と、下ケース53と、セルユニット54と、電池パック端子台55とを備える。上ケース51及び下ケース53はそれぞれ、収容キャビティを有し、上ケース51と下ケース53とを互いに合わせて接続して電池パックケース50を構成する。電池パックケース50には、突き合わせ面62と嵌合可能な嵌合面52が設けられるとともに、セルユニット54及び電池パック端子台55を収容する取付キャビティ540が規定されている。セルユニット54は、行又は行と列に積層されるように取付キャビティ540内に設けられる複数のセルを有する。各セル231は、第1の電極端子(図示せず)と、第2の電極端子(図示せず)とを有する。第1の電極端子と第2の電極端子とは、対向して設けられ、かつ電極の極性が反対である。
【0091】
本実施形態では、図8に示すように、嵌合面52は、上ケース51に形成される。具体的には、上ケース51は、上面511と、上面511から上方に突出するボス510とを有する。このボス510は、頂面512と、上面511と頂面512とを接続する一対の側面513及び一つの前端面514とを有する。上記嵌合面52は、電池パック5の上ケース51の1つの面又は複数の面で形成される。電池パック端子台55は、ボス510及びセルユニット54によって囲まれたキャビティ内に収容されている。電池パック端子台55には、複数の工具端子63に接続される複数の電池パック端子551が設けられている。
【0092】
さらに、本実施形態では、手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5とが嵌合して工具端子63と電池パック端子551とを電気的に接続するための挿入口5400を形成する。この挿入口5400は、手持ち式圧力洗浄装置1又は電池パック5に選択的に配置される。挿入口5400の配置位置に応じて、本発明は、2つの形態構造の電池パック5を提供できる。具体的には、図5図6に示すように、挿入口5400は、電池パック5に配置され、電池パック5は、第1の形態構造を有する。すなわち、工具端子63は、少なくとも一部が突き合わせ面62から外側に突出している。工具端子63は、外側に突出するタブ型端子として配置され、電池パック5の嵌合面52には、電池パック端子551に電気的に接続されるように工具端子63が挿入される前記挿入口5400が形成されていると理解することができる。
【0093】
上記挿入口5400が手持ち式圧力洗浄装置1に配置される場合、電池パック5は、第2の形態構造(図示せず)を有する。このとき、電池パック端子551は、外側に突出するタブ型端子(図示せず)として配置される。電池パック端子551は、工具端子63に電気的に接続されるように挿入口を介して工具ハウジング10内に挿入される。
【0094】
本開示の実施例では、電池パック5は、第1の構造で示されるため、以下は、第1の構造のみについて詳しく説明する。挿入口5400の形態設計について、一実施形態では、図8~10に示すように、挿入口5400は、略角形状である。別の実施形態では、図5及び図6に示すように、挿入口5400は、略L字状である。
【0095】
図11図14に示すように、電池パック5は、電池パックケース50に取り付けられるロック装置57をさらに備える。ロック装置57は、電池パック5と圧力洗浄装置1との接続又は分離を実現するように、電池パックケース50に対して移動可能である。具体的には、ロック装置57は、操作部571と、係止部572とを有する。操作部571は具体的には、ボタンである。ボタンは、電池パック5が操作によって工具本体10から離脱できるように、係止部572を電池パックケース50に対して上下動させることができる。さらに、ロック装置57の底面と上ケース51の外面511との間には、弾性手段573が設けられている。好ましくは、この弾性手段573は、ばねである。上ケース51の外面511には、取付溝515が設けられ、上記ばねは、少なくとも一部が取付溝515内に規定されている。電池パック5を手持ち式圧力洗浄装置1から取り外す必要がある場合、ボタンを押圧すると、ボタンは、圧力洗浄装置1から分離するように係止部572を下方に移動させる。このとき、ばねは、ボタンの圧力を受けて、ロック装置57が押圧された後に元の高さに戻るための上向きの復元力をボタンに与える。ボタンの底面の縁部にガイドコラム574を有し、対応する上ケース51の外面511に2本のコラム516を有し、2本のコラム516の間には、ガイドコラム574が挿入されて上下動するためのガイド槽517が形成されている。
【0096】
ロック装置57と電池パックケース50との固定的接続について、一実施形態では、電池パック5は、ロック装置57の上方への移動限界位置を規制するストッパ58をさらに備える。前記ストッパ58は、上ケース51の外面511に取り付けられ、ロック装置57の少なくとも一部に下向きに当接する。具体的には、このストッパ58は、ネジによって上ケース51の外面511に固定的に取り付けることができる。ボタンが押圧されると、ロック装置57は、ガイド槽517に沿って下方に移動可能であり、手を離すと、ロック装置57は、ガイド槽517に沿ってストッパ58の底面まで上方に移動可能である。
【0097】
もちろん、他の実施形態では、ロック装置57と電池パックの上ケース51とは、一般的な係合手段によって接続されてもよい。
【0098】
市販の従来の着座型圧力洗浄装置は、体積が大きくて重いので、作業現場を切り替えるときには、搬送が面倒である。例えば、家庭の清掃では、窓、車道、階段、自動車を個別に洗浄する場合、異なる場所を行ったり来たりして機器全体を繰り返し搬送する必要がある。本開示の実施例では、圧力洗浄装置に求められるのは、携帯性を有する手持ち式圧力洗浄装置1である。携帯性の要求を満たすために、手持ち式圧力洗浄装置1自体は、水源を収容する水タンクを有せず、本体部12の液体注入口31を介して外部の管路に接続され、外部の管路はさらに外部の水源に接続され、外部の水源は、池、水道水であるか、または水タンクもしくは筒体のような容器装置によって提供され得る。手持ち式圧力洗浄装置の作業場面は主に、家庭清掃及び戸外活動を含む。
【0099】
さらに、本実施形態に係る手持ち式圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.2Mpa~10Mpaであり、外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min~8L/Minである。具体的には、圧力洗浄装置の外部に出力する作動水圧は、0.3Mpa、0.4Mpa、0.5Mpa、0.8Mpa、1Mpa、1.2Mpa、1.4Mpa、1.5Mpa、1.8Mpa、2Mpa、2.2Mpa、2.4Mpa、2.49Mpa、2.5Mpa、2.6Mpa、2.8Mpa、3.0Mpa、3.3Mpa、3.5Mpa、3.6Mpa、3.8Mpa、4Mpa、4.5Mpa、5Mpa、5.5Mpa、6Mpa、7Mpa、8Mpa、9Mpaなどであってもよく、圧力洗浄装置の外部に出力する作動水流量は、1.5L/Min、1.6L/Min、1.7L/Min 、1.8L/Min、1.9L/Min、2L/Min、2.2L/Min、2.4L/Min、2.5L/Min、2.6L/Min、2.8L/Min、3.0L/Min、3.2L/Min、3.3L/Min、3.4L/Min、3.5L/Min、3.8L/Min、4L/Min、4.5L/Min、5L/Min、5.5L/Min、6L/Min、6.5L/Min、7L/Min、7.5L/Minなどであってもよい。
【0100】
また、手持ち式圧力洗浄装置1の使用状況及び手持ち式携帯性の要求に応じて、本実施形態では、手持ち式圧力洗浄装置1にエネルギーを提供するものは、充電可能なリチウム電池パックである。電池パック5の数は、1つ以上である。一実施形態では、電池パック5の数は、1つであり、電池パック5の公称出力電圧は、18V~60Vである。すなわち、電池パック5の公称出力電圧は、18V、20V、28V、36V、38V、40V、42V、56V、60Vであってもよい。電池パック5の定格容量は、1.5Ah、2Ah、2.5Ah、3Ah、4Ahであってもよい。もちろん、他の実施可能な形態では、電池パック5の数は、2つであってもよい。各電池パック5の公称出力電圧は、18V~42.4Vであってもよい。電池パック5の定格容量は、1.5Ah、2Ah、2.5Ah、3Ah、4Ahであってもよい。さらに、本開示の実施例では、当該リチウム電池パックは少なくとも、2つの異なる種類の直流工具(例えば、芝刈り機、剪定ばさみ、草刈り機、チェーンソーなど)に適合して接続可能であり、異なる種類の直流工具が電池パックを共用し、ユーザの使用コストの低下を実現できる。なお、電池パックは、リチウム電池ではなく、ニッケル水素電池やニッケルクロム電池などであってもよい。
【0101】
なお、電池パック5によって給電される手持ち式圧力洗浄装置1は、ユーザの使用利便性に対する要求を必然的に満たすことができる。しかしながら、電池パック5によって給電される手持ち式圧力洗浄装置1は、対応する防水要件を満たす必要がある。そして、異なる試験機構は、異なる試験判断基準を有する。対応する防水要件を満たす場合、電池パック5によって給電される手持ち式圧力洗浄装置1は、ユーザが機器を使用する安全性をより確保できる。一方、対応する防水要件を満たす防水技術はさらに、対応する試験判断基準を満たす必要もある。本実施形態は、機器の安全性を確保するとともに、権威ある試験機関の防水安全規格判断基準を満たすことができるより厳しい防水技術を提供している。
【0102】
なお、ここの防水要件は、手持ち式圧力洗浄装置1の有する対応水圧及び電池パック5の有する対応電圧の下で、電池パック2を装着した手持ち式圧力洗浄装置1を対応する極端な環境に置く場合、IPX5防水要件を満たすことができると理解されるべきである。引き続き強調したいのは、他の電動工具と比べて、手持ち式圧力洗浄装置1はユーザが機器を把持する方法の多様性(使用場面又は洗浄状況に応じて、ユーザは、機器本体を径方向に回転させて適切な角度で機器を把持することができる)に制限され、防水要件がより厳しいことである。よって、ここの極端な環境は、電池パック5を装着した手持ち式圧力洗浄装置1に対して多方向で試験を行う必要があると理解されるべきである。すなわち、機器を縦方向に把持する場合も機器を横方向に把持する場合も機器を180度反転させて形成される反転機器などの場合もIPX5防水要件を満たすことができる。
【0103】
現在、市場では、単一の電池パック防水技術が多く存在するが、これらの技術では、電池パックの一部の領域のみで水流が電池パック5の取付キャビティ540内に入るのを防止できるか、又は単一の試験方向で(機器を縦方向に配置する場合)、水流が電池パック5の取付キャビティ540内に入るのを防止できる。しかし、これらの技術は、高い防水性が要求される手持ち式圧力洗浄装置ユニット(手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5とが嵌合して形成した手持ち式圧力洗浄装置ユニット)に全く役に立たず、防水問題を完全には解決できない。
【0104】
本発明の技術者は、鋭意研究を重ねてきた。本実施形態では、まず、手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5とが嵌合したとき、通常、嵌合部には嵌合代が存在する。すなわち、電池パック5と手持ち式圧力洗浄装置1との接触面は完全に密着することがない。そして、タブ型の工具端子63と挿入口5400とはしまりばめになることがなく、すなわち、通常、タブ型の工具端子63と挿入口5400との間には、隙間がある。さらに、電池パック端子台55と電池パック5の取付キャビティ540との間には嵌合隙間があるため、挿入口5400は、セルユニット54を収容する取付キャビティ540の内部と連通している。外部の水流は、手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5との間の嵌合隙間を介して挿入口5400に流入し、電池パック端子台55と取付キャビティ540との間の嵌合隙間を介して取付キャビティ540内に流入してセルユニット54に接触する恐れがあるため、電池パック内の回路の短絡を起こして、漏電、感電、ひいてはセルの爆発などの安全上の問題を引き起こしやすい。
【0105】
そのため、手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5との突き合わせ領域をシールする必要がある。本実施形態では、挿入口5400を外部から隔離することによってシールを行う。具体的には、電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1と嵌合したとき、手持ち式圧力洗浄装置1と電池パック5との間には嵌合隙間があり、手持ち式圧力洗浄装置1及び電池パック5の少なくとも一方には、前記嵌合隙間から挿入口5400までの通路を遮断する挿入口シール7が配置されている。挿入口シール7は、外部の水流が嵌合隙間を介して挿入口5400に流入することを抑制し、外部の水流が挿入口5400を介して取付キャビティ540内のセルユニット54に流入することを防止するために、挿入口5400を外部から隔離可能である。具体的には、図3図7図9及び図10に示すように、挿入口シール7は、工具端子台6の突き合わせ面62と電池パック5の嵌合面52との間に接続されている。なお、ここの「間」は、挿入口シール7が工具端子台6の突き合わせ面62に設けられるか、及び/又は挿入口シール7が電池パック5の嵌合面52に設けられることを含む。
【0106】
以下はまず、挿入口シール7が工具端子台6の突き合わせ面62に接続される実施形態を説明する。
【0107】
一実施形態では、図3図6に示すように、挿入口シール7は接着剤により、突き合わせ面62の少なくとも一部に固定的に密着している。もちろん、締結手段(図示せず)又は他の任意の実施可能な手段によって突き合わせ面62に接続されてもよい。電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1に取り付けられたとき、挿入口シール7は、電池パック5の嵌合面52に当接して挿入口5400を外部から隔離することによって、外部の水流が挿入口5400を介して電池パック5の取付キャビティ540に入ることを抑制するように構成される。挿入口シール7は、防水絶縁材からなる弾性変形可能な軟質ガスケット、片面テープのうちの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。挿入口シール7は、ブロック状であってもよいし、帯状であってもよい。本実施形態では、突き合わせ面62に接続される挿入口シール7は、ブロック状の軟質ガスケットである。好ましくは、ブロック状の軟質ガスケットは、一体状であり、軟質ガスケットが挿入口5400を隔離することを妨げない構造で工具端子6が対応して挿通されるように配置される複数の貫通孔70を有する。もちろん、挿入口シール7は、一体形成される帯状のシールリング(図示せず)であってもよい。シールリングは、突き合わせ面62に設けられ、電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1と嵌合した後、挿入口5400は、帯状のシールリングによって囲まれたシール空間内に位置する。
【0108】
別の実施形態では、図7に示すように、挿入口シール7は、工具端子台6に移動可能に設けられ、電池パック5と手持ち式圧力洗浄装置1との嵌合中、挿入口シール7と工具端子台6の突き合わせ面62との間の距離が変化可能であり、少なくとも1つの距離において、外部の水流が挿入口5400を介して取付キャビティ540に入ることを防止可能である。ここの移動可能な配置は、挿入口シール7が工具端子台6に固定されておらず、挿入口シール7が取り外し可能であると理解することができる。
【0109】
同様に、この実施形態における挿入口シール7は、ブロック状の軟質ガスケットであってもよい。好ましくは、ブロック状のガスケットは、一体状であり、複数の貫通孔(図示せず)を有する。軟質ガスケットは、貫通孔を介して対応する工具端子63に嵌設されると理解することができる。これら貫通孔(図示せず)は、軟質ガスケットが挿入口5400を隔離することを妨げない構造で工具端子6が対応して挿通されるように配置される。もちろん、ブロック状の軟質ガスケットは、分体式であってもよい。
【0110】
さらに、上述したように、挿入口5400の形状は、角形状であってもよいし、L字状であってもよい。ここの角形状は、挿入口5400が前端面514のみから電池パック5の取付キャビティ540内へ凹んで形成されると理解することができる。このとき、嵌合面52は、電池パック5の上ケース51の前端面514である。ここのL字状は、挿入口5400が前端面514及び頂面512から電池パック5の取付キャビティ540内へ凹んで形成されると理解することができる。このとき、嵌合面52は、電池パック5の上ケース51の前端面514及び頂面512からなる。
【0111】
挿入口シール7が工具端子台6の突き合わせ面62に接続される実施形態について、以下は、挿入口5400の形状が角形状であることを例に挙げて説明する。一設計形態では、図7に示すように、突き合わせ面62に接続される挿入口シール7は、ブロック状の軟質ガスケットである。好ましくは、ブロック状の軟質ガスケットは、一体状である。上記軟質ガスケットは、接着剤によって突き合わせ面62に一体的に接着されている。突き合わせ面62に接続される軟質ガスケットは、軟質ガスケットが端子突き合わせ室50を閉鎖することを妨げない構造で工具端子63が対応して挿通されるように構成される複数の貫通孔(図示せず)を有する。もちろん、挿入口シール7は、一体形成されるシールリング(図示せず)であってもよい。シールリングは、突き合わせ面62に設けられ、電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1と嵌合したとき、挿入口5400の開口は、シールリングによって囲まれたシール空間内に位置する。
【0112】
挿入口シール7が工具端子台6の突き合わせ面62に接続される実施形態について、以下は、挿入口5400の形状がL字状であることを例に挙げて説明する。図4図6に示すように、挿入口5400の形状がL字状である場合、工具端子台6は、2つの設計形態にすることができる。一設計形態では、図4及び図5に示すように、工具端子台6の突き合わせ面62と挿入口シール7とはいずれも、L字状に設計される。L字状の挿入口シール7は、L字状の突き合わせ面62に接続される。電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1に取り付けられたとき、L字状の挿入口シール7は、L字状の突き合わせ面62と電池パック5の嵌合面52との間に押圧されて、L字状の挿入口5400を外部から隔離することが実現される。
【0113】
別の設計形態では、図6に示すように、工具端子台6の突き合わせ面62は依然として、角形状であり、挿入口シール7のみは、L字状であり、片持ち状に設けられる第1の部分71と、工具本体10に接続される第2の部分72とを有する。本実施形態では、第1の部分71及び第2の部分72は、略90度に設けられる。第1の部分71及び第2の部分72は、一体的に設けられてもよいし、別体に設けられてもよい。電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1に取り付けられたとき、L字状の挿入口シール7の第1の部分71は、突き合わせ面62と電池パック5の嵌合面52との間に押圧されて前端面514の開口をシールし、L字状の挿入口シール7の第2の部分72は、頂面512の開口をシールし、第1の部分71と第2の部分72との協働により、L字状の挿入口5400と外部との隔離を実現する。
【0114】
以下は、挿入口シール7が電池パック5の嵌合面52に接続される実施形態を説明する。
【0115】
一実施形態では、図9~10に示すように、挿入口シール7は、電池パック5の嵌合面52に接続されてもよい。電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1に取り付けられたとき、挿入口シール7は、工具本体10の突き合わせ面62に当接して挿入口5400を外部から隔離することによって、外部の水流が挿入口5400を介して電池パック5の取付キャビティ540に入ることを抑制するように構成される。挿入口シール7は、ブロック状のガスケットであってもよいし、帯状のシールリングであってもよい。ガスケット及びシールリングは、防水絶縁材からなる弾性変形可能な軟質ガスケット、片面テープのうちの1つ又は複数の組み合わせである。挿入口シール7は、接着剤(のり)によって突き合わせ面62に接続されてもよいし、締結手段(図示せず)又は他の任意の実施可能な手段によって突き合わせ面62に接続されてもよい。
【0116】
同様に、上述したように、挿入口5400の形状は、角形状であってもよいし、L字状であってもよい。ここの角形状は、挿入口5400が前端面514のみから電池パック5の取付キャビティ540内へ凹んで形成されると理解することができる。ここのL字状は、挿入口5400が前端面514及び頂面512から電池パック5の取付キャビティ540内へ凹んで形成されると理解することができる。
【0117】
挿入口シール7が電池パック5に接続される実施形態について、挿入口5400の形状が角形状である場合、一設計形態では、図9に示すように、嵌合面52に接続される挿入口シール7は、ブロック状の軟質ガスケットである。好ましくは、ブロック状の軟質ガスケットは、一体状である。上記軟質ガスケットは接着剤によって電池パック5の前端面514に一体的に接着される。電池パック5の前端面514に接続される軟質ガスケットは、軟質ガスケットが端子突き合わせ室50を閉鎖することを妨げない構造で工具端子63が対応して挿通されるように構成される複数の貫通孔70を有する。もちろん、挿入口シール7は、一体形成されるシールリングであってもよい。シールリングは、前端面514に設けられ、電池パック5が手持ち式圧力洗浄装置1と嵌合したとき、挿入口5400の開口は、シールリングによって囲まれたシール空間内に位置する。別の設計形態では、図10に示すように、嵌合面52に接続される挿入口シール7は、帯状のシールリングである。具体的には、帯状のシールリングは、頂面521に接続される第1のシールリング73と、一対の側面522に接続される第2のシールリング74と、上面511に接続される第3のシールリング75とを有する。第1、第2及び第3のシールリング73、74、75が首尾で接続されて、端子突き合わせ室50の開口を軟質シールリングによって囲まれたシール領域内に設ける。好ましくは、帯状のシールリングは、一体状である。この設計形態では、第1のシールリング73、第2のシールリング74及び第3のシールリング75はすべて、一体式の帯状構造であると理解することができる。
【0118】
挿入口5400の形状がL字状である場合、上記図10の設計形態も適用できる。L字状の挿入口5400が軟質シールリングによって囲まれた範囲内に位置することを確保できればよい。
【0119】
次に、本発明に係る電池パック5の上ケース51、下ケース52は、別体構造である。上ケース51と下ケース52とが嵌合した後、両者の接続部には嵌合隙間がある。外部の水流は、当該嵌合隙間を介して電池パック5の取付キャビティ540に流入することができるため、セルユニット54は、水流に接触し、電池パック5内の回路の短絡を起こして、漏電、感電、ひいてはセルの爆発などの安全上の問題を引き起こすおそれがある。そのため、電池パック5の上ケース51と下ケース52との間をシールする必要がある。具体的には、図13に示すように、電池パック5は、上下ケースシール56をさらに備える。上ケース51が下ケース52と嵌合したとき、上下ケースシール56は、外部の水流が上、下ケース51、52の間の嵌合隙間を介して取付キャビティに流入することを遮断する。
【0120】
一実施形態では、上下ケースシール56は、上、下ケース51、52の接続部に設けられている。上ケース51と下ケース52との嵌合が完了したとき、上下ケースシール56は、上ケース51と下ケース52との間の嵌合隙間からセルユニット54までの通路を遮断する。なお、ここの接続部は、上ケース51の外周縁全体と下ケース52の外周縁全体との接触領域である。一実施形態では、上下ケースシール56は、Oリングであり、上ケース51と下ケース52との固定的接続は、Oリングが上ケース51と下ケース52との接続隙間を埋めるようにOリングに対する押圧力を発生する。もちろん、他の実施形態では、上下ケースシール56は、溶接部材であってもよい。すなわち、上ケース51及び下ケース52は溶接によりシールされている。
【0121】
好ましくは、電池パック5は、電池パック5の動作特性を示す表示装置59と、表示装置を収容する表示装置収容室590とをさらに備える。表示装置収容室590は、取付キャビティ540の一方側に位置する。表示装置59は、制御基板(図示せず)と、制御基板に電気的に接続される電力量表示ランプ592及び電力量表示ボタン593とを備え、電力量表示ボタン593は、電力量表示ランプ592を点灯させるように操作によってトリガーすることができる。本実施形態では、表示装置収容室590は、上記上下ケースシール56によって密閉された空間に規定され、外部の水流が表示装置収容室201を介して電池パック2内に流入することを防止する。
【0122】
また、従来のロック装置は、電池パックケースに取り付けられるとともに、ロック装置の少なくとも一部が取付キャビティ内に位置する。ロック装置は、電池パックケース50との接続又は分離を実現するように、電池パックケースに対して移動可能である。このように設計する場合、ロック装置と取付キャビティ540との間にはロック装置が移動するための移動隙間があるため、外部の水流は、当該移動隙間を介して電池パックの取付キャビティ内に入りやすく、セルユニットに水があることになる。具体的には、セルユニットの2つの電極端子に水があるか、及び/又は各セルの間に水が溜まる。そのため、ロック式電池パックについて、そのロック装置と電池パックの取付キャビティとを隔離して設ける必要がある。
【0123】
具体的には、図12及び図13に示すように、ロック装置57と取付キャビティ540とは、互いに独立しかつ連通しないように配置される。より具体的には、ロック装置57は、電池パックケース50に取り付けられ、かつ取付キャビティ540の外部に隔離されている。電池パックケース50には、ロック装置57が移動するための移動空間が形成され、当該移動空間は、外部の水流が移動空間に入ったときに取付キャビティ540にさらに流入することを防止するために、取付キャビティ540の外部に独立して隔離されている。
【0124】
一実施形態では、ロック装置57は、取付キャビティ540の外部で上ケース51の外面511に取り外し可能に取り付けられている。具体的には、図12に示すように、電池パック5の上ケース51は、一体成形され、その外面511には、ロック装置57を少なくとも部分的に取り囲むロックキャビティ570が凹んで形成される。ロックキャビティ570は、上記ロック装置57が上下動するための移動空間を形成し、外部の水流がロックキャビティ570に入ったときに取付キャビティ540にさらに入ることを防止するために、ロックキャビティ570と取付キャビティ540とは互いに連通していない。
【0125】
別の実施形態では、電池パックは、スペーサ(図示せず)を備える。スペーサは、電池パックケースに取り外し可能に取り付けられて、ロック装置57を収容するロックキャビティが形成される。すなわち、スペーサによってロックキャビティと取付キャビティとを隔離する。本実施形態では、電池パックには、スペーサと電池パックケースとの間に位置し、スペーサと電池パックケースとの間の嵌合隙間から取付キャビティへの通路を遮断するシール構造がさらに設けられている。具体的には、当該シール構造は、スペーサと電池パックケース50との間に押圧されるシールリングとして配置される。もちろん、スペーサと電池パックケース50とは、溶接によりシールされてもよい。
【0126】
本発明に係る手持ち式圧力洗浄装置ユニットの防水形態では、同一の手持ち式圧力洗浄装置ユニットにおいて、挿入口シール7が電池パック5と手持ち式圧力洗浄装置1との間の嵌合隙間から挿入口5400までの通路を遮断する構造、上下ケースシール56が上、下ケース51、52の間の嵌合隙間を経由する外部と取付キャビティ540内との連通を遮断する構造と、ロック装置57が取付キャビティ540の外部に隔離される構造との3つの構造は、同一の前記電動工具ユニット(例えば手持ち式圧力洗浄装置ユニット)に共存しなければならない。
【0127】
さらに、突き合わせ面62と嵌合面52との間に接続される軟質ガスケットは、電池パック5と手持ち式圧力洗浄装置1との相対変位によって手持ち式圧力洗浄装置ユニットを形成する過程で、特定の変形量に達するまで軟質ガスケットが前記電池パック5に押圧される所定の厚さを有し、当該特定の変形量は、前記手持ち式圧力洗浄装置ユニットが水中1メートル以上に浸されたとき、水圧が軟質ガスケットに対する電池パック5の押圧力よりも小さくなるように設定される。好ましくは、当該所定の厚さの範囲は、1~10mmである。すなわち、所定の厚さは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmであってもよい。このように設定することにより、試験中に軟質ガスケットが常に電池パック5と手持ち式圧力洗浄装置1との間に押圧されることを確保できる。
【0128】
本発明に係る手持ち式圧力洗浄装置ユニットの防水設計について、ここの防水は主に、手持ち式圧力洗浄装置ユニットを極端な作業状況に置く場合、IPX7防水要件を満たすことができることを指す。ここの極端な作業状況は、水道水で多方向から機器を10分間当てるか、又は機器を1mの水中に30分間浸すと理解することができる。少なくとも3つの構造の組み合わせにより、外部の水流が取付キャビティに入ることを完全に抑制できる防水システムを形成する。本発明に係る防水システムは、防水信頼性を確保しつつ、構造が簡単で、低コストであり、電池パックのプラットフォームを大きく変更する必要がないので、手持ち式圧力洗浄装置に給電する電池パックは、他の電動工具に給電することもできる。
【0129】
さらに、図9に示すように、本発明の実施形態における電池パック5には、放熱口5110がさらに設けられている。前記放熱口5110は、上ケース51の頂面512に形成されている。図3に示すように、当該手持ち式圧力洗浄装置1は、工具本体10に設けられて放熱口5110をシールするための放熱口シール8をさらに備える。放熱口5110は、電池パック5に選択的に設けられる。電池パック5の上面511が放熱口5110構造を有する場合、増設される放熱口シール8は、放熱口5110を塞ぎ、電池パック5のシール防水効果をさらに実現することができる。小電流で動作する手持ち式圧力洗浄装置の場合、電池パック5の放熱口5110が塞がれても、又は放熱口5110を設けなくても、手持ち式圧力洗浄装置の通常の使用に影響を与えない。このように、本実施例に係る発明によれば、放熱口5110構造が設けられた大電流の電池パック5も工具本体10に接続可能であり、さらに、電池パック5の汎用化が実現される。
【0130】
図3に示すように、工具本体10の足裏部14が内方へ凹んで放熱口シール8を収容する収容溝101が形成される。放熱口シール8は、接着剤によって収容溝101と一体的に形成されてもよい。もちろん、他の実施形態では、放熱口シール8は、電池パック5に直接設けられてもよい。
【0131】
放熱口シール5としては、片面テープ、又は軟質プラスチック防水材料で製造された軟質ガスケットを用いてもよい。放熱口シール8は、一体のブロック状構造であり、接着剤又は締結手段又は他の任意の適切な手段によって収容溝101内に接続することができる。
【0132】
上記実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したに過ぎない。その説明が詳細であるが、上記実施例は、本発明の権利範囲への限定になると理解されるべきではない。当業界の一般的な技術者は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記実施形態への適宜変形及び改良を実施することができ、これらの変形及び改良はすべて本発明の範囲に属すると認識すべきである。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
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図10
図11
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図14