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  • 特許-テンプル部の多目的突起付き眼鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】テンプル部の多目的突起付き眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/14 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
G02C5/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021122194
(22)【出願日】2021-07-27
【審査請求日】2021-07-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509078551
【氏名又は名称】株式会社マイスターズインク
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正人
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-034939(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0327359(US,A1)
【文献】国際公開第2012/153406(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3112017(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0479162(KR,Y1)
【文献】特許第6794084(JP,B1)
【文献】特開2015-210430(JP,A)
【文献】特開2014-197177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(10)と、レンズ(5)から成る眼鏡において、
前記フレーム(10)は前面部のフロント(11)と眼鏡を支えるテンプル(20)とから成り、
前記フロント(11)はレンズ(5)の周りを囲むリム(12)と左右のリムを繋ぐブリッジ(13)から構成され、
前記テンプル(20)は前掛け用の耳掛け部となるモダン(21)と後頭部側に装着可能な後ろ掛け用の耳掛け部となる逆モダン(22)が設けられ、
前記逆モダン(22)は前記モダン(21)と前記テンプルとの境界近傍に位置し、
後方に向かって上向きに傾斜した突起であり、
前記逆モダン(22)を利用することにより前後両方向に掛けること並びにマスクの耳掛け紐やイヤホンコードに引っ掛けることで多目的機能の発揮が可能となることを特徴とするテンプル部の多目的突起付き眼鏡(1)。
【請求項2】
前記逆モダンに衝撃を吸収するための衝撃吸収部材(23)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のテンプル部の多目的突起付き眼鏡(1)。
【請求項3】
前記フレーム(10)にWebカメラ(C)又はウエアラブル端末(U)としての機能を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテンプル部の多目的突起付き眼鏡(1)。
【請求項4】
前記逆モダン(22)が既存の眼鏡フレームへ後付けが可能なことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のテンプル部の多目的突起付き眼鏡(1)
【請求項5】
前記リム(12)の上側にも上向きの突起を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のテンプル部の多目的突起付き眼鏡(1)


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプル部に突起を有する眼鏡に関し、詳しくは、眼鏡を後ろかけにしたとき落ちたりしないように耳に掛ける突起を有し、その突起が衝撃吸収体としての役割を兼ね備え、更にマスクやイヤホンの装着に関して利便性を備えた多目的機能を有する眼鏡の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
眼鏡の使用状況調査によると、世界の中でもアジアは近視の人口が多く、日本では人口の2分の1の約7000万人が眼鏡を使用しているといわれている。男性の75.7%は眼鏡を使用しているということであり、その40.8%が「常に眼鏡をかけている」で、残りは「必要な時だけ」、「コンタクトと使い分けしている」という結果であった。これに比べて女性は「常に眼鏡をかけている」が22.8%と男性の半分近くに減るものの、一方で、「眼鏡とコンタクトレンズを使い分けしている」は、男性の8.4%に対し、女性では2倍以上の20.8%にもなる。男性には眼鏡のみを使用する“常用派”が多く、女性は、シーンによってコンタクトレンズと使い分ける“併用派”が多いことが伺える。
眼鏡をかける理由は「近視の矯正」が7割以上であるが、その他として「ブルーライト対策」が9.3%、「紫外線対策」が9%、そして「お洒落・ファッションとして」が6%と続いている。
【0003】
この様に多くの利用者が存在する眼鏡だが、その構成はレンズとフレームというようにシンプルである。レンズにおいては近年劇的に進歩し、近視と乱視を同時に改善できるレンズであったり、近視と老眼を一枚のレンズで併用しているものなど、更にはレンズをディスプレイとして投影するウエアラブル眼鏡など、様々なものが登場している。しかしながら、レンズを支えるフレームにおいては作られた当初から大きな工夫も変化もないといえる。
【0004】
また、眼鏡を愛用している人たちが共通して不便を感じるのが眼鏡の置き場所である。特に屋外では眼鏡を外したい場面で頭の上に乗せてみたり、後ろにかけてみたりと工夫をするが、すぐにずれ落ちてきたり、悪いことに落下して壊してしまうこともある。このようなことがないよう、眼鏡の置き場所が確保できる便利なフレームが求められているといえる。
【0005】
なお、眼鏡はデリケートなので必ずケースに入れて保管するのが大前提であるが、一時的に外すような場面も多い。そうした時は、フレームを開いたまま、フロント(前枠)の上側が下になるよう上下逆に置くのが正しい置き方である。テンプルの部分が下側になったほうが、置いたときに安定感がでるからである。また、万が一上から力が掛かった場合でも、レンズへのダメージを最小限に抑えられることがその理由である。絶対に避けたいのは、レンズの部分を下側にして置いてしまうことである。レンズ表面の一番出っ張っているところは、「光学中心」といってレンズの一番大事な部分となるので、傷がついてしまうと見え方に大きく不具合が生じてしまうからである。
【0006】
また、近年ではWebカメラを搭載した眼鏡や多機能なウエアラブル端末なども登場し、益々眼鏡のフレームの改善が求められる現状にある。レンズだけの眼鏡においても机などに置く時にはレンズに支障がないように気を使うことは言うまでもないが、ウエアラブル端末などではフレーム内に電子部品が内装されているため、なおさら衝撃を受けないように置く必要がある。従って、眼鏡を置く場合に衝撃を吸収してくれる構造の眼鏡フレームが望まれているといえる。
【0007】
また更に、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症予防の観点から、マスク着用が一般化している。マスクと眼鏡と双方を装着すると耳への負担が大きくなり痛くなる。そこで、これらの弊害に対しては眼鏡フレームの一部にマスクの耳掛け紐を係止して耳への直接の接触を避ける構成の物が市販化されている。
【0008】
そこで、このような要求に答えるべく、従来からも、種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「スポーツ用眼鏡」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、「バランス良く頭に掛けることができ、激しく身体を動かしても頭から外れにくいスポーツ用眼鏡を提供する。」ことを課題とし、解決手段として「この発明のスポーツ用眼鏡は、前記右側頭つる部に連設された右後頭つる部及び前記左側頭つる部に連設された左後頭つる部とを備え、前記右側頭つる部及び左側頭つる部の耳に掛ける部位から右後頭つる部及び左後頭つる部に亘る領域は、前記連接部より下方に位置するように形成され、右後頭つる部の自由端及び左後頭つる部の自由端は、右後頭つる部と左後頭つる部とを連結する後頭連結部が形成され、右後頭つる部の連結部又は左後頭つる部の連結部は、少なくとも一方にマグネット部が形成され、前記マグネット部の磁気の吸引力により、他方の連結部と連結されるように形成された、スポーツ用眼鏡である。」というものである。特許文献1に記載の技術は、眼鏡の鼻や耳や顔などの負担を軽減させてデザイン性を良くする等安定して長期間装着できる眼鏡を提供するというものである。しかしながら、本発明のように後ろ向きにも眼鏡をかけることは想定しておらず、また、眼鏡を置く際のレンズへの応力の発生を抑制する機能などは有していない。
【0009】
また、発明の名称を「スポーツ用眼鏡」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「眼鏡は、レンズや機器の重量が鼻や顔の柔らかい皮膚面を押圧し、鼻パッドや眼鏡の保持 部が当接した部分は変色して跡が残る。また、眼鏡の保持部が外観から目立つ顔面や頭髪上にあり、そうした製品を長期間装着することが問題であることは変わらない。本発明は眼鏡の鼻や耳や顔への負担を軽減させて、デザイン性を良くするために、眼鏡の保持部を外観から目立ち難い側頭部に設ける。保持部が髪の間に分け入って地肌に接して確実に眼鏡を固定し、通気性の良い形状である。そして、着脱が容易であって装着感が良く、安定して長期間装着できる眼鏡を提供すること」を課題とするとするもので、解決手段を「眼鏡のテンプルの後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげを押える下前押え部とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を設けた眼鏡。」というものである。特許文献2に記載のスポーツ用眼鏡は、バランスよく頭に掛けることができ、激しく体を動かしても頭から外れにくい眼鏡の提供を課題とすることによって、本発明と関連する効果を備えたものである。しかしながら、特許文献2に記載の発明は、左右のテンプルから後頭部までを一体のテンプルで周設するものであり、後頭部を一周する構造であるために反って装着し難いという不便なものとなっている。また、載置する際の衝撃に対しては全く触れておらず、本発明の課題を解決するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2007-178613号
【文献】特許第6343744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、通常の眼鏡としても使用でき、場合により後頭部にもかけることが可能で、机などに置く時に衝撃を吸収でき、更に、マスクの耳掛け紐による痛み防止やイヤホンの脱落防止などの多目的機能を発揮する突起を有する眼鏡フレームの技術提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、フレームと、レンズから成る眼鏡において、前記フレームは前面部のフロントと眼鏡を支えるテンプルとから成り、前記フロントはレンズの周りを囲むリムと左右のリムを繋ぐブリッジから構成され、前記テンプルは前掛け用の耳掛け部となるモダンと後頭部側に装着可能な後ろ掛け用の耳掛け部となる逆モダンが設けられ、前記逆モダンは前記モダンと前記テンプルとの境界近傍に位置し、後方に向かって上向きに傾斜した突起であり、前記逆モダンを利用することにより前後両方向に掛けること並びにマスクの耳掛け紐やイヤホンコードに引っ掛けることで多目的機能の発揮が可能となる構成を採用した。
【0013】
また、本発明は、前記逆モダンに衝撃を吸収するための衝撃吸収部材を備えた構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明は、前記フレームにWebカメラ又はウエアラブル端末としての機能を備えている構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明は、前記逆モダンが既存の眼鏡フレームへ後付けが可能な構成を採用することもできる。
【0016】
また、本発明は、前記テンプルの前側端部にも上向きの突起を設けた構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡によれば、屋外等で、掛けている眼鏡の置き場所に困った時、後ろ掛けにし、耳に逆モダンで固定することができることから、使用中の眼鏡の置き場所に困ることなく、また、後ろかけにしても落下しないという優れた効果を発揮する。
【0018】
また、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡によれば、眼鏡を置く際に逆モダンがその衝撃を吸収することができるため、置く際の衝撃でフレームやレンズの歪みや破損を回避することができるという優れた効果を発揮する。
【0019】
また、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡によれば、突起である逆モダンが存在することで、マスクやイヤホンなどの紐体を係る逆モダンに引っ掛けて装着することが可能となり、また、突起に引っ掛けることで、細い紐との摩擦で耳が痛くなるという負担を軽減できるという優れた効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡によれば、Webカメラやウエアラブル端末であったとしても逆モダンの存在で置く際の衝撃を吸収し、故障の心配をすることがなく、気軽に眼鏡を外して置くことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の基本構成を説明する基本構成説明図である。
図2】本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡における後にかける実施状態説明図である
図3】本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の応用使用例を説明する実施状態説明図である。
図4】本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の既存眼鏡に後付けした実施例説明図である。
図5】本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の衝撃を吸収する構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、フレームと、レンズから成る眼鏡において、前記フレームが前面部のフロントと眼鏡を支えるテンプルとから成り、前記フロントはレンズの周りを囲むリムと左右のリムを繋ぐブリッジから構成され、前記テンプルは前掛け用の耳掛け部となるモダンと後頭部側に装着可能な後ろ掛け用の耳掛け部となる逆モダンが設けられ、前記逆モダンは前記モダンと前記テンプルとの境界近傍に位置し、後方に向かって上向きに傾斜した突起であり、前記逆モダンを利用することにより前後両方向に掛けること並びにマスクの耳掛け紐やイヤホンコードに引っ掛けることで多目的機能の発揮が可能であることを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0023】
図1は、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の基本構成を説明する基本構成説明図である。以下、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡1の各構成について説明する。
【0024】
レンズ5は、眼鏡の使用目的に応じて多種多様の種類が用意されている。前記調査結果によると眼鏡使用者の約70パーセントの使用者は視力の補正のために眼鏡を用い、その他として、ブルーライトカット目的は9.3パーセント、紫外線カット目的が9パーセント、ファッションやお洒落を目的とする6パーセントであり、これらの利用の目的に応じたレンズの機能によって、選択されるものである。従って、サングラスのように、所謂度なしのものも含まれる。
【0025】
フレーム10は、眼鏡のレンズを保持し顔に装着するための機能を有したものであり、かけ心地やデザインなどを考慮して、スクエア・オーバル・ウェリントン・ボストン・ハーフリム・ラウンド・フォックス・ブロー・リムレス・アンダーリムなどの様々なタイプが存在するものである。
【0026】
フロント11は、フレームの内、ブリッジとリムが一体化になったテンプル以外の前面部のことである。
【0027】
リム12は、レンズを囲い固定するパーツのことで、一般的にはレンズを固定するためのリム線という溝が彫られており、様々なデザインがある。レンズ全体を囲っている定番の形のフルリム、下部もしくは上部にナイロンを使い半分しか囲われていないハーフリム、リムがないリムレスやツーポイントなどの種類がある。
【0028】
ブリッジ13は、左右のレンズをつなぐパーツであり、耐久性や溶接技術が未熟だった50年代ごろには、ブリッジが2つ付いたツーブリッジと呼ばれるものが流通していた。現在は1つのものが主流だが、ツーブリッジのタイプは、現在でも、デザイン性のある魅力的なメガネとして残っている。玉型と玉型をつなぎ、必ず中央にレイアウトされるので、メガネのデザイン性に大きく影響してくる重要なパーツである。また、衝撃を受けた際、もっとも負荷がかかる部分でもあり、硬質なパーツを使用することが多い。
【0029】
テンプル20は、耳にかけるパーツ全体のことで、サイドの部分にある蝶番からモダンまでのパーツであり、ツルとも呼ばれている。テンプルは、メガネをフィットさせる役割があり、かけ心地にも影響する。また、リムと同様にデザインにも影響を与えるパーツであることから、色や形、素材などもいろいろなものが販売されており、ルックスに影響を与えるだけでなく、頭の幅に合わせて広がるため、かけ心地に大きな影響を与える。それゆえ弾力性や耐久性などが大切で、各ブランドはデザインや素材などに工夫を凝らしている。
【0030】
モダン21は、テンプル先端にある角度(丸み)を持たせた形状の耳にかける部位であり、あるいはその部分のパーツの呼称である。モダン21がズレていると耳が痛くなってしまうこともあり、メガネをかけたときに加重がかかる部位でもある。また、耳の負担を軽くする役割があるといえるため、非常に大事な部位の一つである。
【0031】
逆モダン22は、眼鏡を後ろ向きに掛ける場合に落下しないように通常のモダンの配置とは逆の位置に配置したもう一つのモダンのことである。
【0032】
衝撃吸収部23は、眼鏡を置く際の衝撃を少なくするための部分である。通常眼鏡はさかさまに置くが、置く際の衝撃が眼鏡全体に伝わらないように気を使いながら置くこととなる。それは、衝撃によってはフレームのゆがみやレンズの破損となる場合があるからである。ましてやWebカメラCやウエアラブル端末Uにおいては置く時の衝撃が故障の原因となることから、その衝撃を吸収することができるよう、逆モダン30を利用して衝撃を吸収する部材としたものである。
【0033】
前側突起40は、WebカメラCやウエアラブル端末Uなどの電子機器を備えた眼鏡において、前記逆モダン30を利用した衝撃吸収体23だけでは衝撃を吸収するには十分とは言えない。その為、リムの上側にも衝撃吸収部として突起を設けることが望ましい。
【0034】
後付け逆モダン30は、眼鏡を後ろ向きに掛ける場合に落下しないように通常のモダンの配置とは逆の位置に配置したもう一つのモダンを、既存のメガネやサングラスのフレームに後付けできる部品のことである。
【0035】
WebカメラCは、静止画や動画を撮影するための小型のカメラやビデオ機能を搭載し、WWW、インスタントメッセージ、PC、ビデオ等を使用してこれらの撮影された画像にアクセスできるリアルタイムカメラのことである。例えば、PCに接続し、リアルタイム画像転送の可能なインターフェースを持ったカメラの他、ネットワークインターフェイスを持ち、WWWアクセス可能なネットワークカメラも含むものである。
【0036】
ウエアラブル端末Uは、腕や頭部など、身体に装着して利用することが想定された端末(デバイス)の総称であり、ここでは眼鏡型端末のことである。係る眼鏡型端末の中でも特に、スマートグラスは現実にディスプレイ上のデジタル情報を重ねて表示するなどその機能の利便性が高く評価される眼鏡型のウェアラブルデバイスである。顔にかけるだけで、必要なデジタル情報を閲覧できたり、ディスプレイ表示機能を持たずに、オーディオ機器や音声通話用として使うことができるものについては既に多種多様なものが市販されている。なお、カメラや通信などに加え、AR(拡張現実)の機能も備えている製品が多くあり、眼鏡のレンズの部分にディスプレイが備わり、さまざまなデジタル情報を表示し、なおかつ、実世界の風景にそれらの情報を重ねて表示できるものなど、今後も益々眼鏡型端末が登場するものと思われる。
【0037】
図2(a)は、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡における後方に向かって掛ける場合の実施状態説明図であり、図2(b)は本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡における後ろかけをしたときに逆モダン23を利用している実施例説明図である。また、図2(c)は、後ろかけをしたときに通常のモダン22を利用した実施例説明図である。図2(b)、図2(c)を比べてみると、耳と鼻パッドの距離に対して耳と後頭部との距離が大きく相違している。即ち、逆モダンを利用した図2(b)は後頭部までの距離と対応しているため、装着が安定しているといえる。これに対し、図2(c)では、耳から後頭部までの長さよりテンプル20とモダン21の長さの方が長いため不安定で落下の危険があることがわかる。
【0038】
図3は、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡の応用使用例を説明する実施状態説明図であり、図3(a)は眼鏡を通常とおりにかけたときに、必要時において逆モダン23の突起を利用し、マスクMの耳掛け紐を該突起に引っ掛けて利用することが可能であることを示し、図3(b)は、該突起にイヤホンIを引っ掛けて利用することが可能であるという実施例を示したものである。
【0039】
図3(a)に示すとおり、マスクMの耳掛け紐を逆モダン23に引掛けることにより、従来のように耳へ直接かける必要がなく、耳との摩擦を回避し痛みを伴うことなく快適にマスクの使用ができる。
【0040】
また、図3(b)に示したとおり、イヤホンIを逆モダン23に紐等を介して引掛けることによりイヤホンIが耳から脱落することを回避し快適に使用できる。また、近年ではワイヤレスイヤホンIが主流となってきており、脱落による損傷の危険性が増加している。しかし、本発明に係る逆モダン23を利用することにより、例えば、コードレスでも簡易的な紐やリングを係る逆モダン23に係止するなどにより落下による損傷を防ぐことが可能となり、外れたときも該突起に引っかかった状態ですぐに再装着ができる。
【0041】
図4は、既存の眼鏡に後付け逆モダン30を装着して本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡とした場合の実施例説明図であり、図4(a)は後付け逆モダン30を利用して眼鏡を置く際の机上などとの接触における衝撃を回避する実施例説明図である。また、図4(b)はテンプル20に後付け逆モダン30を差し込み挿入した状態の拡大図である。係る態様は後付け逆モダン30にテンプルの大きさに対応する挿入穴を設け、素材に弾性特性を有する例えばウレタン、ゴム、シリコン等を用い、嵌入により位置決めをすることで後頭部の形状に個体差のある距離関係を調整可能とすることが望ましい。
【0042】
図5(a)は、本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡1が、衝撃吸収体23と前側突起40とで衝撃を吸収させて載置する実施例説明図であり、また、図5(b)は、ウエアラブル端末Uを搭載した眼鏡フレームにおいても衝撃吸収体23と前側突起40とで載置の際の衝撃を吸収させたことを示す実施例説明図である。前記に示した通り、眼鏡の正しい置き方は、通常掛けた時と向きが上下逆に載置するものである。正しい置き方において、机等、接触する部分がフレーム10ではなく、逆モダン、又は、逆モダンと前側突起40が接触し、フレーム10、及びレンズへの衝撃を緩和する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係るテンプル部の多目的突起付き眼鏡1によれば、眼鏡を後ろ向きに掛けても落下しないことや、眼鏡を置いた際のレンズへの応力を抑制できたり、フレームの変形を防止することができ、多くの眼鏡愛好家が利便性を感じることとなる。従って眼鏡の需要がより高まることから、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 テンプル部の多目的突起付き眼鏡
5 レンズ
10 フレーム
11 フロント
12 リム
13 ブリッジ
20 テンプル
21 モダン
22 逆モダン
23 衝撃吸収部
30 後付け逆モダン
40 前側突起
C Webカメラ
U ウエアラブル端末
I イヤホン
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、通常の眼鏡としても使用でき、場合により後頭部にもかけることが可能で、机などに置く時に衝撃を吸収でき、更に、マスクの耳掛け紐による痛み防止やイヤホンの脱落防止などの多目的機能を発揮する突起を有する眼鏡フレームの技術提供を課題とするものである。
【解決手段】本発明は、フレームとレンズから成る眼鏡において、前記フレームは前面部のフロントと眼鏡を支えるテンプルとから成り、フロントはレンズの周りを囲むリムと左右のリムを繋ぐブリッジから構成され、テンプルは前掛け用の耳掛け部となるモダンと後頭部側に装着可能な後ろ掛け用の耳掛け部となる逆モダンが設けられ、逆モダンはモダンとテンプルとの境界近傍に位置し、後方に向かって上向きに傾斜した突起であり、逆モダンを利用することにより前後両方向に掛けること並びにマスクの耳掛け紐やイヤホンコードに引っ掛けることで多目的機能の発揮が可能な構成を採用した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5