(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】一体型医療デバイス、その製造方法、およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/91 20130101AFI20220311BHJP
A61F 2/89 20130101ALI20220311BHJP
【FI】
A61F2/91
A61F2/89
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018220280
(22)【出願日】2018-11-26
(62)【分割の表示】P 2016503076の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2018-12-26
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513035885
【氏名又は名称】パルマズ サイエンティフィック,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PALMAZ SCIENTIFIC,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】プア マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガーザ アーマンド
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター スコット
(72)【発明者】
【氏名】パルマズ ジュリオ シー.
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-533083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0129786(US,A1)
【文献】特表2008-517728(JP,A)
【文献】特表2009-508009(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0030929(US,A1)
【文献】特表2008-544765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/91
A61F 2/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植え込み式医療デバイスであって、
複数の隣接するリング部材であって、リング部材の各々は、Z形パターンを画定する複数のストラットを含み、前記Z形パターンは、隣接するストラットを相互接続することにより形成される頂点により画定される複数の山と、連続する頂点で囲まれたオープンスペースにより画定される複数の谷とを含み、前記植え込み式医療デバイスの長手方向軸に沿って互いに対して間隔を空けた関係で配置される、前記複数の隣接するリング部材と、
前記複数の隣接するリング部材の対を相互接続する複数のS形部材であって、前記複数のS形部材の各々は、第1の楕円形状の断面と、第2の楕円形状の断面とを含み、前記第1の楕円形状の断面は、第1のリング部材の山と接続され、前記第2の楕円形状の断面は、第2のリング部材の次の円周方向に隣接する山と接続される、複数のS形部材と、を備え、
前記植え込み式医療デバイスが拡張状態のとき、前記第1の楕円形状の断面は、前記第2のリング部材の円周方向に隣接する山の間に配置され、前記第2のリング部材の前記オープンスペースの谷に入れ子になっており、前記第2の楕円形状の断面は、前記第1のリング部材の円周方向に隣接する山の間に配置され、前記第1のリング部材の前記オープンスペースの谷に入れ子になっている、植え込み式医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の楕円形状の断面は、前記植え込み式医療デバイスの長手方向の軸に全体的に平行な主軸を含み、前記第1の楕円形状の断面は、前記主軸の第1の端部に第1の円周リング部材の山と接続される第1の部分と、前記主軸の第2の端部における第2の部分とをさらに備え、前記第2の部分は、前記主軸の前記第1の端部と近接する前記第2の楕円形状の断面と結合され、
前記第2の楕円形状の断面は、血管内ステントデバイスの長手方向の軸に全体的に平行であって、且つ前記主軸から円周方向にオフセットしている第2の主軸を含み、前記第2の楕円形状の断面は、前記第2の主軸の第2の端部に近接する前記第1の楕円形状の断面と結合され、且つさらに前記第2の主軸の第1の端部に第4の部分に結合される第3の部分をさらに備え、前記第4の部分は、前記第2の主軸の前記第2の端部において前記第2のリング部材の山と接続される、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項3】
複数の山と複数の谷とを含む端部Z形パターンを含む端部リング部材をさらに備える、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項4】
前記端部Z形パターンの山の各々が、隣接するZ形パターン部材の谷と2つおきに接続される、請求項3に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項5】
前記植え込み式医療デバイスが配置された状態で、第2の部材の円周間隔が、0.1マイクロメートル以上20マイクロメートル以下である、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項6】
前記植え込み式医療デバイスは、0.1
マイクロメートル以上100マイクロメートル
以下の壁の厚みを有し、前記植え込み式医療デバイスは、前記植え込み式医療デバイスが0.2mm以上2.0mm以下の直径を有する縮んだ状態と、前記植え込み式医療デバイスが2.0mm以上7.0mm以下の直径を有する拡張状態とを有するように構成されている、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項7】
第2の部材の前記第1の楕円形状の断面は、前記植え込み式医療デバイスの端部に面する開口を有する部分的な楕円形状を備え、前記第2の楕円形状の断面は、前記植え込み式医療デバイスと対向する端部に面する開口を有する部分的な楕円形状を備える、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項8】
前記第1の楕円形状の断面の前記第2の部分を前記第2の楕円形状の断面の前記第3の部分に接続する湾曲部材をさらに備え、前記湾曲部材は、前記植え込み式医療デバイスの長手方向の軸に全体的に沿って方向づけられる、請求項2に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項9】
血管内ステントの近位端に配置される第1の末端Z形パターン部材と、前記植え込み式医療デバイスの遠位端に配置される第2の末端Z形パターン部材と、をさらに備え、前記第1の末端Z形パターン部材および前記第2の末端Z形パターン部材は、前記近位端および前記遠位端の山にそれぞれ連結される、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項10】
第1および第2の末端部材は、前記血管内ステントデバイスの前記長手方向の軸に、前記第1の末端Z形パターン部材および第2の末端Z形パターン部材の長さよりも大きい長さを有する複数のZ形パターンリング部材をさらに備える、請求項9に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項11】
前記植え込み式医療デバイスは、神経血管部に送達できるフローダイバーター(flow diverter)血管内ステントである、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項12】
前記植え込み式医療デバイスは、スプリングバック効果を最適化するために熱処理される、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項13】
前記植え込み式医療デバイスは、血管内ステント、ステントグラフト、グラフト、心臓弁、静脈弁、フィルタ、閉塞装置、カテーテル、シース、骨の移植片、植え込み式避妊具、植え込み式抗腫瘍ペレットもしくはロッド、シャントおよびパッチ、ペースメーカ、針、一時的固定用ロッド、任意の種類の医療デバイス用の医療用ワイヤもしくは医療用管、または塞栓保護ステントカバーからなるデバイスの群から選択される、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項14】
前記植え込み式医療デバイスを通る大部分の流体の流れを変えることにより、前記植え込み式医療デバイスが送達される血管の動脈瘤が経時的に縮小する機会を提供する、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項15】
前記植え込み式医療デバイスは、拡張状態、および送達のための収縮状態を含む、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項16】
前記植え込み式医療デバイスの近位端または遠位端に端部リングをさらに含む、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項17】
前記端部リングは、細胞遊走を防止するか、またはマーカ留置のために使用される、請求項16に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項18】
タンタルの放射線不透過性層が、前記植え込み式医療デバイスの2つの金属層の間にある、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【請求項19】
前記植え込み式医療デバイスは、カテーテルの先端のライナ、薬剤溶出性バルーン用の枠組/圧子、および血管ステントとして構成され、頸動脈または冠動脈の不安定プラークの封じ込め、血流変更、神経のコイルの付属物、および血管穿孔に使用される、請求項1に記載の植え込み式医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な種類の血管内ステントが使用されている。血管内ステントは、一般的に、治癒期間中に生体組織の支持のために使用される内部構造の支持物を含むデバイスを指す。カテーテルデバイスを使用するなどして血管腔内に留置される血管内ステントまたはステントは、血管閉塞部位の開通性の初期回復に非常に有効であることが実証されている。血管内ステントまたはステントは、バルーン拡張型であってもよい。この型のものには、当該技術分野において知られているように、特許文献1、特許文献2、または特許文献3のバルーン拡張型ステントであって、ジョンソン・エンド・ジョンソン・インターベンショナル・システムズ(Johnson & Johnson Interventional Systems)、ニュージャージー州ウォレン(Warren)によりPalmaz(登録商標)およびPalmaz-Schatz(登録商標)バルーン拡張型ステントとして流通しているバルーン拡張型ステント、または他の製造業者のバルーン拡張型ステント等がある。他の種類の血管内ステントは、自己拡張型ステントとして知られている。この型のものには、ニチノールコイルステント、またはジグザグの管状に形成されたステンレス鋼線で作られた自己拡張型ステント等がある。
【0003】
先行技術のステントには、現在の設計に起因する機能的制限がいくつかある。例えば、先行技術のステントは、鋭角に曲げると破損する恐れがある。より柔軟性があり、しっかり曲がっている血管内に植え込まれ得る改良されたステントが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許番号第4,733,665号
【文献】米国特許番号第5,102,417号
【文献】米国特許番号第5,195,984号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一体型医療デバイスのためのシステム、方法、および構成、ならびにその製造方法およびその使用方法が、本明細書中に提示される。
【0006】
本方法、システム、および装置は、部分的に以下の記載に示され、部分的にその記載から明らかになるであろう。または、本方法、システム、および装置は、本方法、装置、およびシステムの実施により理解され得る。本方法、装置、およびシステムの利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組み合わせにより、実現および達成されるであろう。上記の一般的な記載および下記の詳細な記載のどちらも、単に例示的および説明的なものであり、特許請求されているような方法、装置、およびシステムを限定しないことが理解されるべきである。
【0007】
添付の図面において、本発明の複数の好ましい実施形態間における同様の要素は、同じ参照符号により特定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一体型医療デバイスの製造方法の一実施形態の図である。
【
図2】一体型医療デバイスの製造方法の一実施形態の図である。
【
図3A】一体型医療デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図3B】枠組み部材およびメッシュパターン部材を示す、
図3Aのデバイスの一部分の拡大図である。
【
図4A】一体型医療デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図4B】枠組部材およびメッシュパターン部材を示す、
図4Aの一部分の拡大図である。
【
図5A】一体型医療デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図5B】枠組部材およびメッシュパターン部材を示す、
図5Aの一部分の拡大図である。
【
図6A】
図1のステップ105から120の後および
図2のステップ205から220の後の、金属管600のフォトレジストおよび露光された金属の100倍の拡大写真である。
【
図6B】
図1のステップ105から120の後および
図2のステップ205から220の後の、金属管600のフォトレジストおよび露光された金属の100倍の拡大写真である。
【
図6C】
図1のステップ125から130の後および
図2のステップ225から230の後のデバイスの実施形態を示し、枠組み部材、および後にレーザ加工または化学加工によりパターン形成され得るメッシュ表面を示す。
【
図7】動脈瘤からの流れを変えながら血管内の流れを維持する一体型デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図8A】一体型デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図8B】拡張形態にある一体型デバイスの一実施形態の遠位端の写真の50倍の拡大図である。
【
図8C】非拡張形態にある
図8Bの一体型デバイスの実施形態の写真の100倍の拡大図である。
【
図8D】非拡張形態にある
図8Bの一体型デバイスの実施形態の遠位端の写真の100倍の拡大図である。
【
図9】曲げられた形態にある一体型デバイスの一実施形態の写真の拡大図である。
【
図10】ガイドワイヤの周りに縮らせた一体型デバイスの一実施形態の写真の拡大側面図である。
【
図11A】一体型デバイスの代替実施形態の遠位端の拡大写真の側面図である。
【
図11B】
図11Aの一体型デバイスの代替実施形態の遠位端の側面図の部分11Bの分解図である。
【
図11C】
図11Aの一体型デバイスの代替実施形態の遠位端の拡大写真の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の上記および他の特徴および利点は、添付の図面を見ながら下記の例示の実施形態についての詳細な記載を読むことにより明らかになる。詳細な記載および図面は、本発明を限定するものではなく単なる例示であり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその均等物により規定される。
【0010】
一態様では、本発明は、一体型医療デバイスおよび一体型医療デバイスの製造方法を含む。
【0011】
一般的に言えば、一体型デバイスは、
図3Aに示されているように、被覆されたステント300を備えてもよい。一実施形態では、一体型デバイスは、ステントの留置中に血小板が下流で塞栓を形成することを防止するために使用され得る。被覆された(または網を張り巡らされた)ステント300は、複数の枠組み部材310、および枠組み部材310の間に張り巡らされたメッシュパターン部材320を備える。枠組み部材310の間に張り巡らされたメッシュパターン部材320は、内腔302を囲繞し、全体的に、収縮状態から拡張状態に拡張してもよい。枠組部材310は、全体的に、正方形、長方形、台形、五角形、ダイヤモンド形、六角形、八角形を含むがこれらに限定されない多角形の形状、円形、楕円形等を形成してもよい。メッシュパターン部材320は、全体的に、メッシュパターン部材320の厚みを横断する複数の開口330を含んでもよい。メッシュパターン部材320は、開口330のパターンが形成される表面を含む。被覆されたステント300は、1本の開始用の被加工管からサブトラクティブ法を使用して一体型に構成され得る。一体型に作られた被覆されたステントは、これまでに果たされてきた単調で疑問の余地の多い2つの部品の接合/組立が、場合によっては回避され、その結果、全体的なコストを削減しながら、品質および性能を潜在的に向上させ得るであろうという事実により好まれている。一体型に構成された被覆されたステントは、枠組み部材310と、枠組み部材310の間にデバイスの全長および全周にわたり張り巡らされたメッシュパターン部材320との間の安定した接着を確実にする。
【0012】
図1は、一体型の被覆されたステントが、一実施形態によりどのように作られ得るのかについての工程フローステップ100を強調している。105において、開始用の管が用意され、その後、110において、フォトレジストが開始用の管に塗布される。開始用の管は、鍛錬金属、ポリマ、複合材料、もしくはセラミックの管であってもよいし、または真空蒸着された金属もしくはポリマの管であってもよい。開始用の管は、本発明の譲受人に譲渡され全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月7日出願の米国特許出願番号第13/788,081号、または2011年5月3日出願の米国特許出願番号第13/099,980号に開示されるような堆積手順により作られてもよい。あるいは、一体型デバイスは、疲労寿命が適切であれば、引抜き金属もしくはポリマの管類、または鍛錬管類から作られてもよい。真空蒸着が使用される場合、放射線不透過性マーカが、相互拡散蒸着層または三元合金蒸着物(例えば、NiTiTaまたはNiTiNb)として添加され得るであろう。様々な金属層が、一体型デバイスを形成するために使用されてもよい。層の配置は、機械的理由または他の理由により最適化され得る。さらに、材料の特性を強化するまたはその他変化させるために利用できるのは、二元のニチノールに三元目を添加することであり、これにより、より薄型のデバイス、疲労強度の向上等が得られる。これらの三元目の添加は、放射線不透過性増強剤としての機能も兼ね得る。その後、115において、ステントパターンが露光され、120において、ステントパターン露光されたフォトレジストが現像される。(ステントまたはメッシュの)パターンのUV露光の方法は、コンタクトマスク法、非コンタクト法(例えば、DLPパターン投影)、またはUVレーザ描画を含み得る。その後、125において、ステントパターンが化学加工され、130において、フォトレジストが除去される。その後、135において、フォトレジストが再度塗布され、140において、メッシュパターンが露光される。142において、メッシュパターン部材のための露光されたフォトレジストが現像され、144において、メッシュパターン部材が化学加工される。最後のステップは、146のフォトレジストの除去である。光化学加工により重なった段階状の管壁材料が可能となり、そこからステント枠組および微細メッシュパターン部材が作られ得る。
図1に示されているステップ105から130は、部分的な壁貫通パターンを得るために、ステントのより大きい枠組みパターンがどのように化学加工され得るのかについて詳述している。フォトレジストは、複雑で立体的な被加工物の形状の上に、均一で平坦なコンフォーマルコーティングをもたらすというコーティング工程の性質上、電気泳動的にコートされることが好ましい。ステップ135から146は、微細メッシュパターン(群)をより大きいステント支材のセル内に、光化学加工またはレーザ加工を使用して加工する方法について強調している。この方法による加工およびパターン形成には、本発明の譲受人に譲渡され全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月13日出願の米国特許出願番号第13/801,173号の方法を使用してもよい。あるいは、メッシュパターン部材は、一体型デバイスの少なくとも1つの表面上に開口とともに溝付きのフィーチャを含んでもよい。他の実施形態では、パターンは、本発明の譲受人に譲渡され全体が参照により本明細書に組み込まれる2012年10月18日出願の米国特許出願番号第13/654,923号に、より十分に記載されているような一体型デバイスの管腔側の表面および/または反管腔側の表面に施された複数の微細溝であってもよい。複数の微細溝は、エッチング等により堆積工程後ステップとして形成されてもよいし、または表面に微細な表面的特徴を有するマンドレル上にステント形成材料を堆積させて金属を堆積材料の一部として微細溝パターンで堆積させる等により、堆積中に形成されてもよい。
【0013】
図2に、代替工程200が示されており、代替工程200は、205における開始用の管の用意、および210における開始用の管へのフォトレジストの塗布を含む。その後、215において、ステントパターンが露光され、220において、ステントパターンのためのフォトレジストが現像される。その後、225において、ステントパターンが化学加工され、230において、フォトレジストが除去される。最終ステップは、240のメッシュパターンのレーザ加工である。
【0014】
上記の工程100および200は、一体型医療デバイスを製造するために、電気泳動堆積可能な(ED:electrophoretically depositable)フォトレジストの使用、および立体被加工物の形状の光化学加工を含む。EDフォトレジストの使用により、一体型の被覆されたステントがステントおよびメッシュパターンに対処するために必要な、様々な円周面を含むパターン設計が可能になる。上記に開示された方法100および200により、最適な設計を可能にする広範囲の種類のステントおよびメッシュパターンが形成され得る。
【0015】
フォトレジストが、被加工管(または他の形状)に、アニオンまたはカチオンの電気泳動堆積可能なフォトレジストのうちのどちらかを使用して電気泳動的に塗布されることが好ましいが、フォトレジストは、他の技術を使用して塗布されてもよい。他の技術は、限定はされないが、積層、噴霧、浸漬、または化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)を含む。化学加工が、レジストを介する加工のための方法として最初に開示されたが、他の選択的な方法が使用されてもよい。他の選択的な方法は、限定はされないが、反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etching)、ドライエッチング、電気化学加工、または光活性化学加工を含む。RIEは、ClもしくはF(もしくはそれらの混合物)ベースの化学反応、またはSS、PtCr、ニチノール、SS、CoCr合金(MP35NおよびL-605を含む)のエッチングに合う他の化学反応を使用してもよい。ドライエッチングは、Ar、Kr、Xe等の不活性ガスを使用してもよい。
【0016】
図3Bに示されているように、デバイス300は、複数の枠組部材310、および枠組み部材310の間に張り巡らされたメッシュパターン部材320を含む。枠組み部材310は、メッシュパターン部材320の表面から上に厚みTを含む隆起した表面フィーチャを含んでもよい。メッシュパターン部材320は、周囲に境界を形成する枠組み部材310により略多角形の形状を形成してもよい。複数の開口330は、メッシュパターン部材320内で、第1の列332、第2の列334、および/または第3の列336にパターン形成されてもよい。枠組み部材310は、点312で交差して、枠組み部材310の拡張を可能にする、より大きいヒンジ部312を形成してもよい。一実施形態では、メッシュパターン部材320は、長さまたは幅で少なくとも0.1から50.0ミクロンの間の長さまたは幅を有し、あるいは少なくとも10.0から100.0ミクロンの間の長さまたは幅を有し、あるいは少なくとも1.0から1000.0ミクロンの間の長さまたは幅を有する。メッシュパターン部材320の長さおよび/または幅は、メッシュパターン部材に採用されるパターンおよび開口の種類により選択されてもよい。
【0017】
図4Aおよび
図4Bに、一体型医療デバイス400の代替実施形態が示されている。一体型医療デバイス400は、複数のメッシュパターン部材420により相互に接続された複数の枠組部材410を備える。
図4Bに示されているように、メッシュパターン部材420は、メッシュパターン部材420の表面の全体にわたって複数の開口430を、メッシュパターン部材420の外周部の周りに外側縁422を含んでもよい。複数の開口430は、全体的に、ダイヤモンド形のパターン432を形成してもよい。略ダイヤモンド形のパターン432は、全体的に、一つのメッシュパターン部材420内に、少なくとも4から16個の開口430を含んでもよい。全体的に、枠組部材410は、メッシュパターン部材420の表面から隆起する厚みTを含み、枠組部材410は、ヒンジ部412で交差する。
【0018】
図5Aおよび
図5Bに、一体型医療デバイス500の代替実施形態が示されている。一体型医療デバイス500は、複数のメッシュパターン部材520により相互に接続された複数の枠組部材510を備えてもよい。メッシュパターン部材520は、メッシュパターン部材520の角のフィーチャに複数の開口530を、メッシュパターン部材520の幅および長さにわたる複数のL形の開口532を含んでもよい。一実施形態では、角の開口530のそれぞれは、徐々にL形が大きくなっていく少なくとも2から5個のL形の開口532を含む。
図5Bに示されているように、枠組部材510に隣接する角の開口530は、異なる大きさであってもよい。全体的に、枠組部材510は、メッシュパターン部材520の表面から隆起する厚みTを含み、枠組部材510は、ヒンジ部512で交差する。
【0019】
図6Aおよび
図6Bに示されているように、ステップ105から120の後およびステップ205から220の後の、金属管600のフォトレジストおよび露光された金属が示されている。露光されたフォトレジスト610は、枠組部材の位置を画定し、露光された金属620は、メッシュパターン部材の位置のために示される。
図6Cは、ステップ125から130およびステップ225から230の結果を示しており、枠組部材630、および後にレーザ加工または化学加工によりパターン形成され得るメッシュパターン表面640を示している。
【0020】
一体型デバイスは、細胞膜を有する任意の種類の細胞とともに使用されてもよい。異なる細胞種のほとんどは、発生の過程で何百もの異なる細胞種に分化する単一の全能細胞から生じる。多細胞生物は、性細胞および体細胞の2つの基本的な種類に分類される細胞から構成されている。発生の間、体細胞はより特殊化し、外胚葉、中胚葉、および内胚葉の3つの一次胚葉を形成することになる。3つの胚葉の形成後、細胞は、その前駆細胞よりも細胞種の変化がずっと起こりにくい最終的な分化状態に達するまで特殊化を続けることになる。外胚葉は、分化して、神経系(脊柱、末梢神経、および脳)、ならびに歯のエナメルおよび表皮(外皮の外側の部分)を形成する。さらに、外胚葉は、口の内膜、肛門、鼻孔、汗腺、毛髪、および爪を形成する。内胚葉は、消化管細胞、気道細胞、内分泌腺および臓器細胞、聴覚系細胞、ならびに尿路系細胞を形成する。中胚葉は、間葉(結合組織)、中皮、非上皮性血球細胞、および体腔細胞を形成する。中皮は、体腔を覆い、筋肉、中隔(横方向の隔壁)および腸間膜(縦方向の隔壁)を形成し、性腺の一部(残りは配偶子である)を形成する。
【0021】
本発明の一体型デバイスは、下記にさらに記載されるように、血管内ステント、ステントグラフト、グラフト、心臓弁、静脈弁、フィルタ、閉塞装置、カテーテル、シース、骨の移植片、植え込み式避妊具、植え込み式抗腫瘍ペレットもしくはロッド、シャントおよびパッチ、ペースメーカ、針、一時的固定用ロッド、任意の種類の医療デバイス用の医療用ワイヤもしくは医療用管、または他の植え込み式医療デバイスであってもよい。ペースメーカ(または、心臓の本来のペースメーカと混同されないように、人工ペースメーカとも言う)は、心筋に接触した電極により出される電気インパルスを使用して、心臓の拍動を制御する医療デバイスである。電極は、内皮化を必要とし得る表面とその表面上の溝とを含む管類または他の材料により被覆されてもよい。イヤリングおよび他のピアスのほか、有機的、無機的、機械的、電気的、または生物学的デバイスであるかに関わらず任意の他の移植片に対しても、表面的特徴のあるフィーチャが有効となるであろう。
【0022】
図1から
図6Cに関し上記で論じた実施形態等の、いくつかの実施形態では、一体型デバイスは、金属、ポリマ、複合材料、またはセラミックの材料から形成される。いくつかの実施形態では、本発明のステントを製造するための材料は、生体適合性、機械的特性、すなわち引張強度、降伏強度、および堆積のしやすさから選択され、元素のチタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、ケイ素、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金、例えばジルコニウム-チタン-タンタル合金、ニチノール、およびステンレス鋼等を含む。
【0023】
別の態様では、本発明は、一体型医療デバイスおよび一体型医療デバイスの使用方法を含むこともできる。
【0024】
図7に示されているように、一般的に言えば、一体型デバイス700は、親血管10内の血液の流れを変えることにより、動脈瘤12の血栓形成を促進させる薄型のステントを備えてもよい。
図8Aに示されているように、一体型デバイス700は、血流を完全に妨げることなく大部分の血液の流れを変える複数の構造部材720を含む超高密度のステントセルパターン710を含み、それにより動脈瘤が経時的に縮小する機会を提供する。一体型デバイスは、拡張状態、および送達のための収縮状態を有する。一体型デバイスは、近位端および/または遠位端に端部リング730を含んでもよい。あるいは、この一体型デバイスは、塞栓保護ステントカバーとして、または薄型で高密度なパターンが所望される任意の他の用途に使用されてもよい。あるいは、一体型デバイスは、カテーテルの先端のライナ、薬剤溶出性バルーン用の枠組/圧子、血管ステント類として使用されてもよく、(頸動脈および冠動脈の)不安定プラークの封じ込め、血流変更、(神経の)コイルの付属物、および血管穿孔に使用されてもよい。
【0025】
図8Bに示されているように、拡張された一体型デバイス700は、デバイス700の近位端もしくは遠位端のうちのどちらか一方に、またはデバイス700の両端に、端部リング730を含む。超高密度のセルパターン710は、構造部材720の第1のZ形パターン740、および構造部材720の第2のZ形パターン742を含む。第1のZ形パターン740および第2のZ形パターン742の構造部材720は、一体型デバイス700の長手方向の軸702に沿って複数の山744および複数の谷746を形成する。第1のZ形パターン740と第2のZ形パターン742とは、第1のZ形パターン740の山744と第2のZ形パターン742の谷746とを接続する複数の湾曲相互接続部材750により、相互に接続される。湾曲相互接続部材750は、隣接する第1のZ形パターンの山744を隣接する第2のZ形パターンの谷746に接続しないことが好ましい。一実施形態では、湾曲相互接続部材750は、第1のZ形パターンの山744を、長手方向の軸に沿ってずれ且つ一体型デバイス700の垂直軸704に沿ってその山744から少なくとも1つの谷の分、下にずれたところにある第2のZ形パターンの谷746と接続する。他の実施形態では、湾曲相互接続部材750は、第1のZ形パターン740の山744を、一体型デバイスの垂直軸704に沿ってその山744から少なくとも2つの谷の分、下にある第2のZ形パターン742の谷746と接続してもよい。湾曲相互接続部材750による第1のZ形パターン740の山744と第2のZ形パターン742の隣接していない谷746とのこの接続は、湾曲相互接続部材750の湾曲部を形成する。
図8Bおよび
図8Cに示されているように、第2のZ形パターン742は、第1の組の湾曲相互接続部材750と反対の角度または平行ではない角度である第2の組の湾曲相互接続部材752と山744において接続される。反対の角度または平行ではない角度は、約10~100度の間、あるいは約20~90度の間、あるいは約30~80度の間であってもよい。目の詰んだ第1のZ形パターン740および第2のZ形パターン742により、一体型デバイスは小型であっても適切な半径方向の力を維持することができる。内部セル構造710は、性能を最適化するために変更され得るであろう。いくつかの実施形態では、一体型デバイス700は、下記でより十分に論じられるように、放射線不透過性層を含んでもよい。
【0026】
図8Bから
図8Dに示されているように、端部リング730は、複数の山734および複数の谷736を備える端部Z形パターン732を含む。一実施形態では、各端部Z形パターン730の山734が、第1のZ形パターン740の隣接する谷746に接続しないように、端部リング730の山734は、第1のZ形パターン740の谷746と1つおきに接続する。この接続は、より大きい端部Z形パターン732を形成する。一実施形態では、端部Z形パターン732の山734は、第1のZ形パターン740の谷746と2つおきに接続し、別の実施形態では、山734は、第1のZ形パターン740の谷746と3つおきに接続してもよい。ステント形状の変更された端部リングは、細胞遊走を防止できるほか、マーカ留置のためにも使用され得る。あるいは、端部リングを変更することもできるし、または一体型デバイスから完全に除去することもできるであろう。
【0027】
図9に示されているように、一体型デバイス700は、その長手方向の軸に沿って曲げられて、血管の形状または湾曲に適合させてもよい。一体型デバイス700は、配置されその長手方向の軸に沿って曲げられた後に回復可能である。血液を間に流すことができるように、湾曲相互接続部材750と湾曲相互接続部材752との間の間隔は、少なくとも約0.1から20ミクロンの間に維持され、第1のZ形パターン740の山744と第2のZ形パターン742の谷746との間の間隔は、少なくとも約0.1から20ミクロンの間に維持される。一体型デバイス700は、一体型デバイス700の壁の厚みが約0.1~100.0ミクロンの間であるが、曲がることができる。
【0028】
図10に示されているように、一体型デバイス700は、ガイドワイヤ790の周りに縮らせてもよい。縮らせることにより、第1のZ形パターン740、端部リング730、および湾曲相互接続部材750を、約0.2から2.0mmの間の直径にまでつぶしてもよい。一体型デバイス700の縮みが元に戻された後、一体型デバイス700は、適切な半径方向の力および壁の並列を維持しながら、約2.0から7.0mmの間の直径にまで拡張してもよい。一実施形態では、一体型デバイス700の壁の厚みは、約75ミクロン未満である。
【0029】
図11Aから
図11Cに、一体型デバイスの代替実施形態が示されている。一体型デバイス800は、高密度セルパターン810を含み、第1のZ形パターン840、第2のZ形パターン842、および第1のZ形パターン840と第2のZ形パターン842とを接続する複数のループ状
または全体的にS形の相互接続部材850を
含む円周リング部材を含んでもよい。一体型デバイス800の近位端および/または遠位端は、第1のZ形パターン840に接続された端部Z形パターン832の端部リング830を含んでもよい。第1のZ形パターン840および第2のZ形パターン842は、複数の相互に接続された山844および谷846を含む。
図11Bに示されているように、第1のZ形パターン840の山844は、ループ状
またはS形の相互接続部材850の第1の端部852に接続され、それによりループ状
またはS形の相互接
続部材850の第1の端部852は、全体的に、一体型デバイス800の近位端に対向する第1のループ
または第1の全体的に楕円断面854を形成する一方で、第1のループ
または第1の全体的に楕円断面854は、第1のループ
または第1の全体的に楕円断面854と反対の方向を向き一体型デバイスの遠位端の方を向いた第2のループ
または第2の全体的に楕円断面856に接続する。第2のループ
または第2の全体的に楕円断面856は、第2のZ形パターン842の谷846と接続された第2の端部858で終わる。一実施形態では、第1のループ
または第1の全体的に楕円断面854は、第2のZ形パターン844の山844の内側に嵌り、第2のループ
または第2の全体的に楕円断面856は、第1のZ形パターン840の谷846の内側に嵌る。
図11Cに示されているように、端部リング830は、複数の相互に接続された山834および谷836を含む端部Z形パターン832を含む。端部Z形パターン832の山834は、第1のZ形パターン840の谷846と接続し、一実施形態では、端部Z形パターン832の山834は、第1のZ形パターン840の谷846と1つおきに接続するか、または第1のZ形パターン840の谷846と2つおきに接続する。任意に、端部Z形パターン832は、付加的な山834bおよび谷836bを含んでもよく、それにより山834bは、遠位端をさらに延長させるように谷836に至る。タンタルの放射線不透過性層860が、一体型デバイス800の2つの金属層の間にあってもよい。
図11Bに示されているように、タンタルは、ステントの側壁に沿った縞のように見える白い層860である。あるいは、放射線不透過性層860は、別の生体適合性を有する放射線不透過性材料を含んでもよい。
【0030】
上記および図11Aから11Cにさらに詳細に示されるいくつかの実施形態では、第1の全体的に楕円断面854は、血管内ステントデバイスの長手方向の軸に対して全体的に平行な主軸を有する。第1の全体的に楕円断面は、主軸の第1の端部における第1の円周リング部材の山に、および主軸の第2の端部における第2の部分857に接続された第1の部分855をさらに含む。第2の部分857は、主軸の第1の端部に近接する第2の全体的に楕円断面856にさらに接続される。さらに、第2の全体的に楕円断面856は、血管内ステントデバイスの長手方向の軸に対して全体的に平行な第2の主軸を有し、主軸から円周方向にオフセットする。第2の全体的に楕円断面856は、第2の主軸の第2の端部に近接する第1の全体的に楕円断面854に接続され、第2の主軸の第1の端部における第4の部分861にさらに接続される第3の部分859をさらに含む。第4の部分861は、第2の主軸の第2の端部における第2の円周リング部材の山にさらに接続される。
【0031】
上記および図11Aから11Cにさらに詳細に示されるさらなる実施形態では、血管内ステントデバイスは、第1の全体的に楕円断面854の第2の部分857を、第2の全体的に楕円断面856の第3の部分859に接続する湾曲部材863をさらに含む。湾曲部材863は、血管内ステントデバイスの長手方向の軸に全体的に沿って方向付けられる。
【0032】
上記および図11Aから11Cにさらに詳細に示されるなおさらなる実施形態では、血管内ステントデバイスは、全体的に楕円断面の部分の接合点においてヒンジ領域865をさらに含む。例えば、ヒンジ領域865は、第1の全体的に楕円断面854の主軸の第2の端部における第1の全体的に楕円断面854の第1の部分855および第2の部分857を相互接続し、第2のヒンジ領域865は、第2の全体的に楕円断面856の主軸接続の第1の端部における第2の全体的に楕円断面856の第3の部分859および第4の部分861を相互接続する。
【0033】
一体型デバイス800は、約0.1から100.0ミクロンの間の壁の厚みを有してもよい。一体型デバイス800は、ガイドワイヤの周りに縮らせてもよい。縮らせることにより、第1のZ形パターン、端部リング、およびループ状相互接続部材を、約0.2から2.0mmの間の直径にまでつぶしてもよい。一体型デバイス800の縮みが元に戻された後、一体型デバイス800は、適切な半径方向の力および壁の並列を維持しながら、約2.0から7.0mmの間の直径にまで拡張してもよい。一実施形態では、一体型デバイス800の壁の厚みは、約75ミクロン未満である。
【0034】
図7から
図11Cに関し上記で論じた実施形態等の、いくつかの実施形態では、一体型デバイスは、金属である材料、ポリマ、複合材料、またはセラミックの材料から形成される。いくつかの実施形態では、本発明のステントを製造するための材料は、生体適合性、機械的特性、すなわち引張強度、降伏強度、および堆積のしやすさから選択され、元素のチタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、ケイ素、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、白金、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金、例えばジルコニウム-チタン-タンタル合金、ニチノール、およびステンレス鋼等を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、一体型デバイス700は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月7日出願の米国特許出願番号第13/788,081号、または2011年5月3日出願の米国特許出願番号第13/099,980号に記載されているような手順により作られてもよい。一実施形態では、堆積された金属膜またはポリマのコーティングは、管状で約0.1から100.0ミクロンであり、熱影響域およびリキャストを最小限にするために超短パルスフェムト秒レーザを使用してレーザカットされる。最終的な一体型デバイスは、スプリングバック効果を最適化するために熱処理されてもよい。ステントの一続きの構成により、多くの現在入手可能な網目状のステントの設計よりも多くの利点、例えば、より薄型、自己拡張型、および製造が容易等が得られる。あるいは、一体型デバイスは、疲労寿命が適切であれば、引抜き金属またはポリマの管類、鍛錬管類から作られてもよい。真空蒸着が使用される場合、放射線不透過性マーカが、相互拡散蒸着層として添加され得るであろう。様々な金属層が、一体型デバイスを形成するために使用されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、方法は、一体型デバイスの少なくとも1つの表面をパターン形成するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、パターン形成は、一体型デバイスの少なくとも1つの表面上に少なくとも1つのフィーチャを施すためのレーザパターン形成を含む。いくつかの実施形態では、パターンは、一体型デバイスの少なくとも1つの表面上の一連の溝であり、好ましくは、その表面は、完成したステントの内径を含むことになる。他の実施形態では、パターンは、本発明の譲受人に譲渡され全体が参照により本明細書に組み込まれる2012年10月18日出願の米国特許出願番号第13/654,923号に、より十分に記載されているような一体型デバイスの管腔側の表面および/または反管腔側の表面に施された複数の微細溝であってもよい。複数の微細溝は、エッチング等により堆積工程後ステップとして形成されてもよいし、または表面に微細な表面的特徴を有するマンドレル上にステント形成材料を堆積させて金属を堆積材料の一部として微細溝パターンで堆積させる等により、堆積中に形成されてもよい。
【0037】
本発明の一体型デバイスは、下記にさらに記載されるように、血管内ステント、ステントグラフト、グラフト、心臓弁、静脈弁、フィルタ、閉塞装置、カテーテル、シース、骨の移植片、植え込み式避妊具、植え込み式抗腫瘍ペレットもしくはロッド、シャントおよびパッチ、ペースメーカ、針、一時的固定用ロッド、任意の種類の医療デバイス用の医療用ワイヤもしくは医療用管、または他の植え込み式医療デバイスであってもよい。ペースメーカ(または、心臓の本来のペースメーカと混同されないように、人工ペースメーカとも言う)は、心筋に接触した電極により出される電気インパルスを使用して、心臓の拍動を制御する医療デバイスである。電極は、内皮化を必要とし得る表面とその表面上の溝とを含む管類または他の材料により被覆されてもよい。イヤリングおよび他のピアスのほか、有機的、無機的、機械的、電気的、または生物学的デバイスであるかに関わらず任意の他の移植片に対しても、表面的特徴のあるフィーチャが有効となるであろう。
【0038】
一体型デバイスは、細胞膜を有する任意の種類の細胞とともに使用されてもよい。異なる細胞種のほとんどは、発生の過程で何百もの異なる細胞種に分化する単一の全能細胞から生じる。多細胞生物は、性細胞および体細胞の2つの基本的な種類に分類される細胞から構成されている。発生の間、体細胞はより特殊化し、外胚葉、中胚葉、および内胚葉の3つの一次胚葉を形成することになる。3つの胚葉の形成後、細胞は、その前駆細胞よりも細胞種の変化がずっと起こりにくい最終的な分化状態に達するまで特殊化を続けることになる。外胚葉は、分化して、神経系(脊柱、末梢神経、および脳)、ならびに歯のエナメルおよび表皮(外皮の外側の部分)を形成する。さらに、外胚葉は、口の内膜、肛門、鼻孔、汗腺、毛髪、および爪を形成する。内胚葉は、消化管細胞、気道細胞、内分泌腺および臓器細胞、聴覚系細胞、ならびに尿路系細胞を形成する。中胚葉は、間葉(結合組織)、中皮、非上皮性血球細胞、および体腔細胞を形成する。中皮は、体腔を覆い、筋肉、中隔(横方向の隔壁)および腸間膜(縦方向の隔壁)を形成し、性腺の一部(残りは配偶子である)を形成する。
【0039】
一実施形態では、装置は、血流を完全に妨げることなく大部分の血液の流れを変える複数の構造部材を含む超高密度のステントセルパターンを含む。
【0040】
本発明は、様々な実施形態に関連して記載されたが、本発明はさらなる変更が可能であることが理解されるであろう。本出願は、一般的に、本発明の原理に従う発明の任意の変形例、使用、または適応を含むことが意図され、本発明が属する技術分野において既知であり慣例である実施内にあるような本開示からの逸脱を含む。