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  • 特許-光源を備えた指示棒 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】光源を備えた指示棒
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20220311BHJP
   F21W 111/10 20060101ALN20220311BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20220311BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220311BHJP
【FI】
F21L4/00 400
F21L4/00 100
F21W111:10
F21Y101:00 100
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017169208
(22)【出願日】2017-09-04
(65)【公開番号】P2019046666
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】301032735
【氏名又は名称】プラス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋一
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-200159(JP,A)
【文献】実開平01-094966(JP,U)
【文献】実開昭60-154977(JP,U)
【文献】特開2005-310496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を備えた把持部と、
該把持部から一の方向に伸縮する伸縮筒と、
該伸縮筒の前記把持部とは反対の端部に備えられ内部に光源を備えた先端部と、を備えた指示棒において、
前記把持部には、操作スイッチと赤外ダイオードと前記伸縮筒側の端部に前記電源に電気接続された第1コネクタが備えられ、
前記先端部には、赤外センサを含むスイッチと前記光源に電気接続された蓄電素子と前記伸縮筒側の端部に前記蓄電素子に電気接続された第2コネクタが備えられ、前記伸縮筒が縮んだ状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気接続し、前記電源からの電流を前記蓄電素子に充電し、前記伸縮筒が一部伸びた状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となり、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となる状態において、前記操作スイッチが操作され、前記赤外ダイオードにより赤外線が出力され、前記赤外センサで前記赤外線が検知されることにより、前記スイッチがオンされることで、前記蓄電素子が放電し電流を前記光源に供給する事を特徴とする指示棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部に光源を備えた伸縮可能な指示棒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から先端部が光る伸縮可能な指示棒は知られている。例えば、特許文献1には、利用者が手に持つための把持部と、把持部の端部に備えられた伸縮自在な伸縮筒と、伸縮筒の把持部とは反対側の端部に設けられた光源を含む先端部と、を備えた指示棒が開示されている。この指示棒は、把持部の内部に電池を備えており、電池に接続した配線が、伸縮筒内部に配置され、先端部の光源に接続されている。さらに、配線は、カールコードであり、伸縮筒を伸ばした状態のときに、カールコードが伸びた状態になる。これにより伸縮筒の伸び縮みに合わせて、配線も伸び縮みする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3199416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の指示棒においては、伸縮筒を伸ばしたときにカールコードも同じように伸びる状態となるが、弾性力が絶えずカールコードと電池との接続部分及びカールコードと光源との接続部分にかかる事から、接続部分の劣化等により断線する可能性があった。
【0005】
本発明は、伸縮筒の伸び縮みの繰り返しによる断線を防止すべく、配線を不要とした指示棒を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る指示棒は、電源を備えた把持部と、該把持部から一の方向に伸縮する伸縮筒と、該伸縮筒の前記把持部とは反対の端部に備えられ内部に光源を備えた先端部と、を備えた指示棒において、前記把持部には、操作スイッチと赤外ダイオードと前記伸縮筒側の端部に前記電源に電気接続された第1コネクタが備えられ、前記先端部には、赤外センサを含むスイッチと前記光源に電気接続された蓄電素子と前記伸縮筒側の端部に前記蓄電素子に電気接続された第2コネクタが備えられ、前記伸縮筒が縮んだ状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気接続し、前記電源からの電流を前記蓄電素子に充電し、前記伸縮筒が一部伸びた状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となり、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となる状態において、前記操作スイッチが操作され、前記赤外ダイオードにより赤外線が出力され、前記赤外センサで前記赤外線が検知されることにより、前記スイッチがオンされることで、前記蓄電素子が放電し電流を前記光源に供給する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、把持部は、電源を備える。伸縮筒は、該把持部から一の方向に伸縮する。先端部は、該伸縮筒の前記把持部とは反対の端部に備えられ内部に光源を備える。前記把持部には、操作スイッチと赤外ダイオードと前記伸縮筒側の端部に前記電源に電気接続された第1コネクタが備えられ、前記先端部には、赤外センサを含むスイッチと前記光源に電気接続された蓄電素子と前記伸縮筒側の端部に前記蓄電素子に電気接続された第2コネクタが備えられ、前記伸縮筒が縮んだ状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気接続し、前記電源からの電流を前記蓄電素子に充電し、前記伸縮筒が一部伸びた状態で、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となり、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが電気的に非接続となる状態において、前記操作スイッチが操作され、前記赤外ダイオードにより赤外線が出力され、前記赤外センサで前記赤外線が検知されることにより、前記スイッチがオンされることで、前記蓄電素子が放電し電流を前記光源に供給する。この結果、電源と光源とを電気的に接続するための配線を不要とする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る指示棒の全体外観図である。
図2】第1実施形態における把持部の拡大断面図である。
図3】第1実施形態における先端部の拡大断面図である。
図4】第1実施形態における先端部を示す回路図である。
図5】第1実施形態におけるコネクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の指示棒に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る指示棒について、説明する。図1に示すように、指示棒は、把持部1と、伸縮筒2と、先端部3と、を備える。先端部3の方向を一の方向とし、把持部1の方向を他の方向として以下説明を行う。
【0011】
把持部1の材質は、プラスチックである。把持部1は、断面が四角形状で長手方向の長さが約10cmの形状を有する。なお、把持部1の形状は四角形状以外に、円形状、三角形状のいずれでもよく、利用者が握りやすい形状である事が望ましい。
【0012】
伸縮筒2は、断面が円形状である5本の筒で構成される。伸縮筒2の材質は、ステンレス素材である。伸縮筒2は、把持部1に摺動可能に備えられた第1の筒21と、第1の筒に対して一の方向に隣り合う第2の筒22と、第2の筒に対して一の方向に隣り合う第3の筒23と、第3の筒に対して一の方向に隣り合う第4の筒24と、第4の筒に対して一の方向に隣り合う第5の筒25と、で構成される。なお、伸縮筒2は、5本の筒以外に、3本の筒、6本の筒等で構成されてもよく、材質もステンレス素材以外に、真鍮、アルミニウム等の素材でもよい。
【0013】
先端部3は、被指示物を指し示すための部分であり、円錐台の形状である。先端部3の材質は、透過性のプラスチックである事が望ましい。先端部3は、第5の筒25における一の方向端部に固定されている。なお、材質は透過性のプラスチック以外に乳白アクリル等の拡散材料であってもよい。
【0014】
把持部1を、図2を参照して説明する。把持部1は、内部に電源11と、回路基板12と、第1コネクタ13と、収納部14と、を備える。
【0015】
電源11は、乾電池又はバッテリーである。
【0016】
回路基板12は、後述する第1コネクタ13に電源11からの入力電流を供給するための回路基板である。具体的には、回路基板12は電源11から入力された電圧及び電流を、光源34を点灯するのに必要な電圧まで昇圧又は降圧を行い、第1コネクタ13に供給する。
【0017】
第1コネクタ13は、プラス電極とマイナス電極とを備える。
【0018】
次に、図3及び図4を参照して先端部3を説明する。先端部3は、第2コネクタ31と、蓄電素子32と、スイッチ33と、光源34と、を備える。
【0019】
第2コネクタ31は、プラス電極とマイナス電極とを備える。また、第2コネクタ31
は第1コネクタ13と同一の大きさ及び形状である。
【0020】
蓄電素子は、コンデンサ又はバッテリーで構成される。蓄電素子32は、第2コネクタ31に並列接続されており、第2コネクタ31からの電流を充電し、後述する光源34に電流を放電する。
【0021】
スイッチ33は、振動センサを備える。蓄電素子32と光源34との間に直列接続されており、振動センサが振動を検知してスイッチがオンとなる。スイッチがオンとなることで蓄電素子32に充電された電流が光源34に供給される。
【0022】
光源34は、LED素子又は電球で構成される。光源34は、スイッチ33に直列接続され、蓄電素子32に並列接続されている。
【0023】
次に、第1コネクタ13及び第2コネクタ31を、図5を参照して説明する。第1コネクタ13及び第2コネクタ31は、同じ大きさ及び形状であるため第2コネクタ31を用いて説明する。第2コネクタ31は、プラス端子311及びマイナス端子312を備える。プラス端子311は円柱形上で他の方向の端部は、端面を備える。マイナス端子312は、プラス端子を囲う円形状で他の方向の端部は、プラス端子311の端面と同一の面一で端面を備える。プラス端子311及びマイナス端子312の一の方向端部には蓄電素子32に接続されている。
【0024】
<本実施形態における使用形態>
次に、本実施形態の動作を、図1を参照して説明する。利用者は、指示棒を持ち歩く時に、伸縮筒2の第1の筒21から第5の筒25までを縮め、伸縮筒2を把持部1の収納部14に収納したコンパクトな状態で持ち歩くのが一般的である。
【0025】
このコンパクトな状態の時に、把持部1に備えられた第1コネクタ13のプラス端子及びマイナス端子の端面と、先端部3に備えられた第2コネクタ31のプラス端子311及びマイナス端子312の端面とが、向かい合って接触しており、電気的に接続状態となる。
【0026】
具体的には、把持部1の電源11からの入力電圧及び入力電流を、回路基板12で光源14の点灯に必要な電圧まで昇圧又は降圧して第1コネクタ13に供給する。第1コネクタ13のプラス端子の端面から先端部3に備えられた第2コネクタ31のプラス端子311の端面に入力電流が流れ、蓄電素子32に充電される。
【0027】
利用者が会議等で指示棒を使用する時に、把持部1の収納部14に収納されていた伸縮筒2を一の方向に引き出し、伸縮筒2の第1の筒21から第5の筒25の少なくとも一部を伸ばした状態で指示棒を使用する。
【0028】
この伸縮筒2を一の方向に少しでも引き出し又は伸ばした状態の時に把持部1に備えられた第1コネクタ13のプラス端子及びマイナス端子の端面と、先端部3に備えられた第2コネクタ31のプラス端子311及びマイナス端子312の端面とが、離れ電気的に非接続状態となる。
【0029】
具体的には、先端部3に備えられた第2コネクタ31には、入力電流が流れず、蓄電素子32は電流を蓄積した状態となっている。
【0030】
利用者が先端部3を被指示物に接触させることで、スイッチ33の振動センサが振動を検知してスイッチ33がオンの状態となる。このスイッチ33がオンの状態の時に、蓄電素
子32に蓄積されていた入力電流が放電され、光源34に供給されることで光源34が光る。
【0031】
<第1実施形態の効果>
本実施形態によれば、利用者が指示棒をコンパクトな状態で持ち歩く時に充電を行い、伸縮筒2を伸ばした時に先端部3を光らせる事ができるため、利用者が使用する時だけ光らせる事ができる。また光源34と回路基板12とをカールコード等の配線で接続させる必要性がないため、伸縮筒2の伸び縮みによる配線と光源34との接続部分及び配線と回路基板12との接続部分の劣化等を防止する事ができる。
【0032】
さらに本実施形態によれば、スイッチ33に振動を検知するための振動センサが備えられている。この結果、利用者が被指示物を指し示すときに、従来の指示棒に備えられたスイッチを押す操作を行わなくとも、先端部を光らせる事が可能となる。利用者が、説明に集中し過ぎた事により、スイッチを押し忘れ、先端部が光らないという事も防止する事ができる。
【0033】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る指示棒について、説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成には、同じ記号または番号を付し、その同じ構成の説明を省略する。
【0034】
把持部1は、操作スイッチと赤外ダイオードとをさらに備える。操作スイッチは、利用者によって操作され、操作スイッチが操作されたときに、赤外ダイオードから特定の赤外線が出力される。
【0035】
スイッチ33は、赤外センサを備える。蓄電素子32と光源34との間に直列に接続されており、赤外センサが伸縮筒2の内部を照射した赤外線を検知してスイッチがオンとなる。
【0036】
<第2実施形態の効果>
本実施形態によれば、把持部1に操作スイッチと赤外ダイオードとを備え、スイッチ33に赤外センサを備える。この結果、利用者が被指示物を指し示すときに、従来の指示棒に備えられた操作スイッチを操作することで、先端部を光らせる事が可能となる。また光源34と回路基板12とをカールコード等の配線で接続させる必要性がないため、伸縮筒2の伸び縮みによる配線と光源34との接続部分及び配線と回路基板12との接続部分の劣化等を防止する事ができる。さらに赤外線は、伸縮筒2の内部を照射するため、、複数の指示棒を使用したことによる混信を防止できる。
【0037】
[第3実施形態]
把持部1は、操作スイッチと磁力発生素子とをさらに備える。操作スイッチは、利用者によって操作され、操作スイッチが操作されたときに、磁力発生素子から磁力が発生される。
【0038】
磁力発生素子から発生された磁力は、ステンレス等の金属材料である伸縮筒2を介して先端部3まで伝えられる。
【0039】
スイッチ33は、磁力受信センサを備える。蓄電素子32と光源34との間に直列に接続されており、磁力センサが磁力を受信してスイッチがオンとなる。
【0040】
<第3実施形態の効果>
本実施形態によれば、把持部1に操作スイッチと磁力発生素子とを備え、スイッチ33
に磁力受信センサを備える。この結果、利用者が被指示物を指し示すときに、従来の指示棒に備えられた操作スイッチを操作することで、先端部を光らせる事が可能となる。また光源34と回路基板12とを配線で接続させる必要性がないため、伸縮筒2の伸び縮みによる光源34及び回路基板12と配線との接続部分の劣化等を防止する事ができる。さらに、磁力は伸縮筒2を介して先端部3に伝わるため、複数の指示棒を使用したことによる混信を防止できる。
【0041】
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当業者であれば種々の変更を加えることができる。
【0042】
(変形例1)
本実施形態において、把持部1の材料は、プラスチックである。この実施形態に代えて、把持部1の材料は、アルミニウム又はチタン等の金属であってもよい。
【0043】
(変形例
本実施形態において、先端部3は円錐台の形状である。具体的には、先端部3の一の方向端部の外径は、他の方向端部の外径に比べて小さい形状となっている。この実施形態に代えて、先端部3は、円柱の形状又は三角柱の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1・・・把持部
11・・・電源
12・・・回路基板
13・・・第1コネクタ
14・・・収納部
2・・・伸縮筒
21・・・第1の筒
22・・・第2の筒
23・・・第3の筒
24・・・第4の筒
25・・・第5の筒、
3・・・先端部、
31・・・第2コネクタ
32・・・蓄電素子
33・・・スイッチ
34・・・光源
図1
図2
図3
図4
図5