(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】核酸抽出システム
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20220311BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20220311BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20220311BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20220311BHJP
G01N 1/38 20060101ALI20220311BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20220311BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12N15/10 100Z
C12N15/10 120Z
G01N35/10 C
G01N35/02 D
G01N1/38
G01N1/28 J
G01N1/10 F
(21)【出願番号】P 2020544535
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2019077403
(87)【国際公開番号】W WO2019174524
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201810206072.X
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520313275
【氏名又は名称】武漢医蒂生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】易 礼麗
【審査官】野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104804998(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103305412(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106167758(CN,A)
【文献】特表2001-516731(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106086003(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 3/10
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸抽出システムであって、取り付け台と、核酸抽出板と、併設されるピペッティング装置及び陽圧装置とを備え、
前記ピペッティング装置は、輸液セットと、輸液セット取り付け台と、輸液セット駆動手段と、複数の輸液手段とを有し、前記輸液セットは、前記複数の輸液手段に逐一対応し、並列装着される密閉室を有し、各々前記密閉室の底部には針が装着され、各々前記針はそれぞれ対応する前記密閉室に連通し、前記輸液セットは前記輸液セット取り付け台の底部に装着され、前記輸液セット駆動手段は前記取り付け台に固定されるとともに、前記輸液セット取り付け台を介して前記輸液セットを上下に移動させるように駆動するように配置され、
各々前記輸液手段はいずれも試薬供給装置と試薬流量制御装置とを有し、いずれかの前記輸液手段において、前記試薬供給装置の出液口が前記試薬流量制御装置の入液口に連通し、前記試薬流量制御装置の出液口が各々前記密閉室に連通し、
前記陽圧装置はキャップと、通気管と、陽圧提供装置と、陽圧駆動装置とを有し、前記キャップには通気管連通孔が開けられ、前記通気管は一端が前記通気管連通孔に密閉連通し、他端が前記陽圧提供装置の排気口に密閉連通し、前記陽圧駆動装置は前記取り付け台に固定されており、前記陽圧提供装置を上下に移動させるように駆動するように配置され、
前記陽圧提供装置により提供された単位面積あたりの圧力が100kPa以上であり、前記陽圧提供装置の側壁には、前記核酸抽出板における核酸抽出カラム内の液面の高さを検出するための液位検出装置が装着され、
前記核酸抽出板には、前記針または前記キャップの下方に対応して配置される複数の核酸抽出カラムが設けられ、
前記核酸抽出カラムは、濾過カラム又は吸着カラムであり、各々前記核酸抽出カラムの入液口には前記キャップと密閉係合する密閉ガスケットが設けられ、前記核酸抽出カラムが対応する前記キャップに取り外し可能に密閉接続され、
さらに、混ぜ板と、混ぜ板取り付け台と、混ぜ板駆動装置とを有し、前記混ぜ板取り付け台が前記取り付け台に固定され、前記混ぜ板駆動装置が駆動するように前記混ぜ板取り付け台に装着され、前記混ぜ板が前記混ぜ板取り付け台の底部に装着され、前記混ぜ板の底部には、前記複数の核酸抽出カラムに逐一対応する混ぜ棒が設けられ、前記混ぜ板駆動装置が、前記混ぜ板取り付け台によって前記混ぜ棒を前記核酸抽出カラム内で上下に移動させるように駆動するように配置され、
さらに第1スライドレールを有し、前記混ぜ板と、前記ピペッティング装置と、前記陽圧装置とが並列配置され、前記第1スライドレールが前記混ぜ板と、前記ピペッティング装置と、前記陽圧装置との配置方向に沿って前記取り付け台に設けられ、前記第1スライドレールが前記混ぜ棒と、前記輸液セットと、前記キャップとの下方に対応して設けられ、前記核酸抽出板が前記第1スライドレールに摺動するように設けられ、
さらに位置制限係止枠体を有し、前記位置制限係止枠体が前記第1スライドレールに摺動するように装着され、核酸抽出カラムが濾過カラムである前記核酸抽出板の出液口と核酸抽出カラムが吸着カラムである前記核酸抽出板の入液口とは、位置合わせされ、重畳されて前記位置制限係止枠体に配置され、
さらに、前記核酸抽出板を挟み取るための挟み取り枠体と、挟み取り駆動装置とを有し、前記挟み取り枠体の底部には、前記核酸抽出板のエッジに対応して、回動可能にジョーが設けられ、前記ジョーと前記挟み取り枠体との間には、前記ジョーを復帰させるための復帰バネが設けられ、前記挟み取り駆動装置は前記取り付け台に固定されるとともに、前記挟み取り枠体を上下に移動させるように駆動するように、配置されることを特徴とする核酸抽出システム。
【請求項2】
さらに、前記混ぜ棒と前記核酸抽出板との間に設けられる第1仕切板と、前記取り付け台に固定されており、前記第1仕切板を前記混ぜ棒の下方で水平に移動させるように駆動するように、配置される第1仕切板駆動装置とを有することを特徴とする請求項
1に記載の核酸抽出システム。
【請求項3】
前記
濾過カラムは、突刺可能部材と複数のフィルターとが含ま
れ、前記突刺可能部材が前記核酸抽出カラムの入液口と前記核酸抽出カラムの出液口との間に配置されるとともに、前記核酸抽出カラムに固定され、前記突刺可能部材には凹溝が設けられ、前記混ぜ棒の底部が、前記凹溝を突き刺すための錐型構成であり、前記混ぜ棒には混ぜシートが外嵌され、前記混ぜシートの外径が前記核酸抽出カラムの内径より小さく、前記複数のフィルターは前記突刺可能部材と前記核酸抽出カラムの出液口との間に配置されるとともに、それぞれ前記核酸抽出カラムの内壁に固定され、各々前記フィルターにはいずれも複数の濾過微細孔が開けられ、隣接する二つの前記フィルターのうち、前記濾過カラムの入液口に近接する前記フィルターの濾過微細孔の孔径が、前記濾過カラムの出液口に近接する前記フィルターの濾過微細孔の孔径より大きいことを特徴とする請求項
1に記載の核酸抽出システム。
【請求項4】
前記
吸着カラムは、突刺可能部材と吸着膜とが含ま
れ、前記吸着膜が前記核酸抽出カラムの出液口に覆われ、前記突刺可能部材は前記核酸抽出カラムの入液口と前記吸着膜との間に配置されるとともに、前記核酸抽出カラムの内壁に固定され、前記突刺可能部材には凹溝が設けられ、前記混ぜ棒の底部が、前記凹溝を突き刺すための錐型構成であり、前記混ぜ棒には混ぜシートが外嵌され、前記混ぜシートの外径が前記核酸抽出カラムの内径より小さいことを特徴とする請求項
1に記載の核酸抽出システム。
【請求項5】
さらに、核酸収集板と、昇降装置と
、位置制限係止枠体駆動装置とを有し
、前記昇降装置は前記第1スライドレールの下方に配置されており、昇降モータと、昇降装置スクリュロッドと、昇降装置ナットと、昇降位置制限板と、昇降板と、前記核酸収集板を摺動するように支持するための第2スライドレールとを有し、前記昇降モータが前記取り付け台に固定され、前記昇降装置スクリュロッドが前記昇降モータの出力軸に伝動接続され、前記昇降装置ナットが前記昇降装置スクリュロッドに外嵌され、前記昇降位置制限板には昇降係合溝が開けられ、前記昇降板が前記昇降係合溝内に係止装着され、前記昇降装置ナットが前記昇降位置制限板を通過して前記昇降板の底面に固定接続され、前記核酸収集板が前記昇降板の天井面に配置され、前記第2スライドレールが前記昇降位置制限板の天井面に揃えるとともに、前記第1スライドレールと平行配置され、
前記位置制限係止枠体駆動装置は、ベルトと、ベルトプーリと、固定棒と、前記取り付け台に固定されるモータとを有し、前記固定棒が前記第1スライドレールの側壁に固定され、前記ベルトプーリが二つであり、二つの前記ベルトプーリがそれぞれ前記モータの出力軸と前記固定棒に装着され、前記ベルトが二つの前記ベルトプーリに外嵌されるとともに、前記第1スライドレールと平行配置され、前記位置制限係止枠体が前記ベルトに固定され、前記位置制限係止枠体の天井面には、前記核酸抽出板を係止装着するための第1係合溝が設けられ、前記核酸抽出板が前記第1係合溝内に配置され、前記位置制限係止枠体の底面には、前記核酸収集板を係止装着するための第2係合溝が設けられ、核酸が溶離される前、前記核酸収集板が前記昇降装置を介して前記第2係合溝に係止装着され、前記核酸収集板には、前記核酸抽出カラムに逐一対応する核酸収集管が設けられることを特徴とする請求項
1に記載の核酸抽出システム。
【請求項6】
前記ジョーの下方に配置される第2仕切板と、前記取り付け台に固定されるとともに、前記第2仕切板を前記ジョーの下方で水平に移動させるように駆動するように配置される第2仕切板駆動装置とをさらに有することを特徴とする請求項
1に記載の核酸抽出システム。
【請求項7】
圧力センサと圧力警報器とをさらに有し、前記圧力センサが前記通気管の外壁に設けられており、前記通気管内の圧力を検出するために用いられ、前記圧力センサにより検出された圧力が、所定の圧力範囲を超えると、前記圧力警報器が警報を出すことができることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実験機器という分野に関わり、特に核酸抽出システムに関わる。
本出願は、2018年03月13日に中国特許庁に提出され、出願番号が201810206072.Xであり、発明の名称が「核酸抽出システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用されることで本出願に結合される。
【背景技術】
【0002】
磁気ビーズ法またはカラム法で自動化的に核酸を抽出しまたは純化する場合、自動ピペットワークステーション、遠心分離機または負圧装置のうちの少なくとも一つを利用しなければならない。従来の核酸の抽出または純化の過程には細胞の分解と、核酸の吸着と、核酸の洗浄と核酸の溶離とが含まれる。該過程において、自動ピペットワークステーションがピペットチップを介して核酸を抽出しまたは純化するための5~6種の化学試薬を遠心分離管に移転することで細胞を分解させ、または吸着カラムに移転することで、核酸を洗浄し及び溶離し、そして自動ピペットワークステーションを介して遠心分離管と吸着カラムとを遠心分離機内に移転し、遠心分離作用によって遠心分離管内の固相不純物を沈殿させ、遠心分離機または負圧装置によって吸着カラム内の液体が膜の抵抗力で下に流れ、膜における核酸を洗浄し及び溶離するという作用を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明を実現する過程で、本発明者は従来技術には少なくとも以下の問題が存在すること発見した。
従来の核酸を抽出し、または純化する際、自動ピペットワークステーションによってピペッティングすると、動作が遅くて、時間がかかり且つコストが高く、例えば、毎回で1種の溶液を移転する過程は以下の通り、即ち、正確にピペットチップに合わせた後持ち上げ、試薬容器に移動し吸液し、遠心分離管または吸着カラム、或いは96ウェルプレートにおける各ウェルの上部開口に移動し、試薬を放出し、液体を絶えず吸い込み及び排出することで、液体をよく混ぜ、ごみ箱に移動し、ピペットチップを捨てる。核酸を抽出しまたは純化するための6種の試薬を移転しようとすると、もっと長い時間を必要とする。また、ピペッティングする際、必要なピペットチップの数が多いだけではなく、その品質に対する要求も高く、さもなければ、ピペットチップは正確に挿入され、抽出及び吸液を行うことができず、そうすれば、ピペッティングのコストを増えて、一般的に、ハイスループットで核酸を抽出し純化する場合、少なくとも一つの96ウェルプレート内に6種の溶液を移転すると、合計で576個の6箱の高品質のピペットチップを必要とするから、核酸を抽出しまたは純化する場合、このようなピペッティング方式を採用すれば、効率が低く、コストが高い。それと同時に、遠心分離機を利用する際、遠心分離管と吸着カラムとを遠心分離機に入れて遠心分離させ、遠心分離させた後に取り出すことを繰り返さなければならず、このような重複な操作過程は煩雑で、且つ時間がかかる。遠心分離機の利用を低減させるために、負圧装置を採用してもよく、具体的に、吸着カラムを負圧装置に接続される負圧箱に挿入し、負圧によって吸着カラム内の洗浄液を負圧箱内の廃液鉢内に流入させる。ただし、負圧装置を利用する場合、廃液鉢の阻止のため、負圧装置の吸引力を低減させ、負圧装置により提供された負圧が十分に強くなくて、そして現在、実験用の負圧装置による発生した負圧がいずれも強くないから、核酸の抽出過程で、負圧装置が過程全体ではなく、洗浄というステップのみに利用され、これによって、核酸の抽出または純化方法には相変わらず過程が煩雑で、時間がかかり且つ効率が低いという問題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術において、自動ピペットワークステーションが遠心分離機または負圧装置と協力し核酸を抽出する場合、作動効率が低く、且つコストが高いという問題を解決するために、本発明は核酸抽出システムを提供する。前記技術案は以下の通りである。
本発明の実施形態は核酸抽出システムを提供し、前記核酸抽出システムは、取り付け台と、核酸抽出板と、併設されるピペッティング装置と、陽圧装置とを備え、
前記ピペッティング装置は、輸液セットと、輸液セット取り付け台と、輸液セット駆動手段と、複数の輸液手段とを有し、前記輸液セットは、前記複数の輸液手段に逐一対応し、並列装着される密閉室を有し、前記各密閉室の底部には針が装着され、前記各針はそれぞれ対応する前記密閉室に連通し、前記輸液セットは前記輸液セット取り付け台の底部に装着され、前記輸液セット駆動手段は前記取り付け台に固定されるとともに、前記輸液セット取り付け台を介して前記輸液セットを上下に移動させるように駆動するように配置され、
前記各輸液手段はいずれも試薬供給装置と試薬流量制御装置とを有し、いずれかの前記輸液手段において、前記試薬供給装置の出液口が前記試薬流量制御装置の入液口に連通し、前記試薬流量制御装置の出液口が前記各密閉室に連通し、
前記陽圧装置はキャップと、通気管と、陽圧提供装置と、陽圧駆動装置とを有し、前記キャップには通気管連通孔が開けられ、前記通気管は一端が前記通気管連通孔に密閉連通し、他端が前記陽圧提供装置の排気口に密閉連通し、前記陽圧駆動装置は前記取り付け台に固定されており、前記陽圧提供装置を上下に移動させるように駆動するように配置され、
前記核酸抽出板には、前記針または前記キャップの下方に対応して配置される複数の核酸抽出カラムが設けられ、前記各核酸抽出カラムの入液口には前記キャップと密閉係合する密閉ガスケットが設けられ、前記核酸抽出カラムが対応する前記キャップに取り外し可能に密閉接続される。
【0005】
具体的に、前記核酸抽出システムはさらに、混ぜ板と、混ぜ板取り付け台と、混ぜ板駆動装置とを有し、前記混ぜ板取り付け台が前記取り付け台に固定され、前記混ぜ板駆動装置が駆動するように、前記混ぜ板取り付け台に装着され、前記混ぜ板が前記混ぜ板取り付け台の底部に装着され、前記混ぜ板の底部には、前記複数の核酸抽出カラムに逐一対応する混ぜ棒が設けられ、前記混ぜ板駆動装置が、前記混ぜ板取り付け台を介して前記混ぜ棒を前記核酸抽出カラム内で上下に移動させるように駆動するように、配置される。
【0006】
さらに、前記核酸抽出システムはさらに、前記混ぜ棒と前記核酸抽出板との間に設けられる第1仕切板と、前記取り付け台に固定されており、前記第1仕切板を前記混ぜ棒の下方で水平に移動させるように駆動するように、配置される第1仕切板駆動装置とを有する。
【0007】
さらに、前記核酸抽出カラムは、突刺可能部材と複数のフィルターとが含まれる濾過カラムを有し、前記突刺可能部材が前記核酸抽出カラムの入液口と前記核酸抽出カラムの出液口との間に配置されるとともに、前記核酸抽出カラムに固定され、前記突刺可能部材には凹溝が設けられ、前記混ぜ棒の底部が、前記凹溝を突き刺すための錐型構成であり、前記混ぜ棒には混ぜシートが外嵌され、前記混ぜシートの外径が前記核酸抽出カラムの内径より小さく、前記複数のフィルターは前記突刺可能部材と前記核酸抽出カラムの出液口との間に配置されるとともに、それぞれ前記核酸抽出カラムの内壁に固定され、各々前記フィルターにはいずれも複数の濾過微細孔が開けられ、隣接する二つの前記フィルターのうち、前記濾過カラムの入液口に近接する前記フィルターの濾過微細孔の孔径が、前記濾過カラムの出液口に近接する前記フィルターの濾過微細孔の孔径より大きい。
【0008】
さらに、前記核酸抽出カラムは、突刺可能部材と吸着膜とが含まれる吸着カラムを有し、前記吸着膜が前記核酸抽出カラムの出液口に覆われ、前記突刺可能部材が前記核酸抽出カラムの入液口と前記吸着膜との間に配置されるとともに、前記核酸抽出カラムの内壁に固定され、前記突刺可能部材には凹溝が設けられ、前記混ぜ板の底部が前記凹溝を突き刺すための錐型構成であり、前記混ぜ棒には混ぜシートが外嵌され、前記混ぜシートの外径が、前記核酸抽出カラムの内径より小さい。
【0009】
さらに、前記核酸抽出システムはさらに第1スライドレールを有し、前記混ぜ板と、前記ピペッティング装置と、前記陽圧装置とが並列配置され、前記第1スライドレールが前記混ぜ板と、前記ピペッティング装置と、前記陽圧装置との配置方向に沿って前記取り付け台に設けられ、前記第1スライドレールが前記混ぜ棒と、前記輸液セットと、前記キャップとの下方に対応して設けられ、前記核酸抽出板が摺動するように前記第1スライドレールに設けられる。
【0010】
さらに、前記核酸抽出システムは、核酸収集板と、昇降装置と、位置制限係止枠体と、位置制限係止枠体駆動装置とを有し、位置制限係止枠体が摺動するように前記第1スライドレールに装着され、前記昇降装置は前記第1スライドレールの下方に配置されており、昇降モータと、昇降装置スクリュロッドと、昇降装置ナットと、昇降位置制限板と、昇降板と、前記核酸収集板を摺動するように支持するための第2スライドレールとを有し、前記昇降モータが前記取り付け台に固定され、前記昇降装置スクリュロッドが前記昇降モータの出力軸に伝動接続され、前記昇降装置ナットが前記昇降装置スクリュロッドに外嵌され、前記昇降位置制限板には昇降係合溝が開けられ、前記昇降板が前記昇降係合溝内に係止装着され、前記昇降装置ナットが前記昇降位置制限板を通過して前記昇降板の底面に固定接続され、前記核酸収集板が前記昇降板の天井面に配置され、前記第2スライドレールが前記昇降位置制限板の天井面に揃えるとともに、前記第1スライドレールと平行配置される。
前記位置制限係止枠体駆動装置は、ベルトと、ベルトプーリと、固定棒と、前記取り付け台に固定されるモータとを有し、前記固定棒が前記第1スライドレールの側壁に固定され、前記ベルトプーリが二つであり、二つの前記ベルトプーリがそれぞれ前記モータの出力軸と前記固定棒に装着され、前記ベルトが二つの前記ベルトプーリに外嵌されるとともに、前記第1スライドレールと平行配置され、前記位置制限係止枠体が前記ベルトに固定され、前記位置制限係止枠体の天井面には、前記核酸抽出板を係止装着するための第1係合溝が設けられ、前記核酸抽出板が前記第1係合溝内に配置され、前記位置制限係止枠体の底面には、前記核酸収集板を係止装着するための第2係合溝が設けられ、核酸が溶離される前、前記核酸収集板が前記昇降装置を介して前記第2係合溝に係止装着され、前記核酸収集板には、前記核酸抽出カラムに逐一対応する核酸収集管が設けられる。
【0011】
具体的に、前記核酸抽出システムはさらに、前記核酸抽出板を挟み取るための挟み取り枠体と、挟み取り駆動装置とを有し、前記挟み取り枠体の底部には、前記核酸抽出板のエッジに対応して、回動可能にジョー(挟み取り部材)が設けられ、前記ジョーと前記挟み取り枠体との間には、前記ジョーを復帰させるための復帰バネが設けられ、前記挟み取り駆動装置が前記取り付け台に固定されるとともに、且前記挟み取り枠体を上下に移動させるように駆動するように、配置される。
【0012】
さらに、前記核酸抽出システムは、前記ジョーの下方に配置される第2仕切板と、前記取り付け台に固定されるとともに、前記第2仕切板を前記ジョーの下方で水平に移動させるように駆動するように配置される第2仕切板駆動装置とをさらに有する。
【0013】
具体的に、前記陽圧提供装置の側壁には液位検出装置が装着される。
【0014】
さらに、圧力センサと圧力警報器とを有し、前記圧力センサが前記通気管の外壁に設けられており、前記通気管内の圧力を検出するために用いられ、前記圧力センサにより検出された圧力が、所定の圧力範囲を超えると、前記圧力警報器が警報を出すことができる。
【0015】
本発明の実施形態により提供される技術案による有益な効果は以下の通りである。本発明の実施形態により提供される核酸抽出システムは、試薬流量制御装置によって各々輸液手段の輸液状況を制御し、ある試薬供給装置内の化学試薬を出力する必要がある場合、試薬流量制御装置によって化学試薬が定時且つ定量で試薬供給装置から輸液セットの密閉室内に搬送され、針によって高圧の出力を実現し、このように、本実施形態により提供される核酸抽出システムはピペットワークステーションとピペットチップとを利用する必要がなくなり、ピペッティングの速度、効率を向上させ、コストを低減させる。その同時に、キャップが核酸抽出カラムに密閉連通し、陽圧提供装置によって核酸抽出カラム内に高圧ガスを導入させることで、核酸抽出カラム内の液体を迅速に通過させ、流出させ、核酸抽出の効率をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態における技術案をより明らかに説明するために、以下の実施形態の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、以下の記載における図面は本発明のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得できる。
【
図1】本発明の実施形態により提供される核酸抽出システムの構成模式図である。
【
図2】本発明の実施形態により提供される輸液セットの構成模式図である。
【
図3】本発明の実施形態により提供される陽圧装置の構成模式図である。
【
図4】本発明の実施形態により提供される第1仕切板と第1仕切板駆動装置との構成模式図である。
【
図5】本発明の実施形態により提供される混ぜ棒が吸着カラムと協力する構成模式図である。
【
図6】本発明の実施形態により提供される混ぜ棒が濾過カラムと協力する構成模式図である。
【
図7】本発明の実施形態により提供される昇降装置の構成模式図である。
【
図8】本発明の実施形態により提供される位置制限係止枠体駆動装置と、位置制限係止枠体との構成模式図である。
【
図9】本発明の実施解体により提供される輸液セット駆動手段の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下は図面を結合し、本発明の実施形態をさらに詳しく記載する。
【0018】
実施例
本発明の実施形態核酸抽出システムを提供し、
図1に示すように、該核酸抽出システムは、取り付け台13と、核酸抽出板1と、併設されたピペッティング装置と、陽圧装置7とを備える。
【0019】
該ピペッティング装置は、輸液セット3と、輸液セット取り付け台3aと、輸液セット駆動手段3bと、複数の輸液手段とを有し、
図2を結合し、輸液セット3が複数の輸液手段に逐一対応し、並列装着される密閉室5を有し、各々密閉室5の底部にはいずれも針6が装着され、各々針6がそれぞれ対応する密閉室5に連通し、輸液セット3が輸液セット取り付け台3aの底部に装着され、輸液セット駆動手段3bが取り付け台13に固定され、輸液セット取り付け台3aを介して輸液セット3を上下に移動させるように駆動するように、配置される。
【0020】
各々輸液手段はいずれも試薬供給装置8と試薬流量制御装置9とを有し、いずれかの輸液手段に対して、試薬供給装置8の出液口が試薬流量制御装置9の入液口に連通し、試薬流量制御装置9の出液口が各々密閉室5に連通する。実現する際、試薬供給装置8の出液口が試薬出力管を介して、試薬流量制御装置9の入液口に連通し、試薬流量制御装置9の出液口も試薬出力管を介して各密閉室5に連通し、試薬出力管がゴムホースであってもよい。ゴムホースが一定の可撓性を有するため、異なる位置にある試薬供給装置8、試薬流量制御装置9及び密閉室5に適応されることができ、このように、試薬供給装置8、試薬流量制御装置9及び密閉室5を合理に配置し、核酸抽出システムの体積を小さくすることができる。本実施形態において、各密閉室5の底部にはいずれも並列配置される8つの針6が装着される。試薬供給装置8内には水位警報器(図示せず)が設けられてもよく、試薬供給装置8内の試薬がもうすぐ使い切られる場合、水位警報器が、試薬供給装置8に試薬を即時に補充するように、操作者に注意することができる。
【0021】
図3に示すように、陽圧装置7は、通気管連通孔が開けられたキャップ10と、排気口が通気管及び通気管の連通孔を介してキャップ10に密閉連通する陽圧提供装置12と、取り付け台13に固定されており、陽圧提供装置12を上下に移動させるように駆動するように、配置される陽圧駆動装置7aとを有する。陽圧提供装置12により提供された単位面積あたりの圧力が100kPa以上であってもよい。陽圧提供装置12が空気圧縮ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプまたは液体窒素瓶であってもよい。本実施例において、陽圧装置7は複数であってもよく、複数の陽圧装置7が併設される。
【0022】
さらに、該核酸抽出システムは圧力センサと、警報器(図示せず)とを有し、圧力センサが通気管の外壁に設けられており、通気管内の圧力を検出するために用いられ、警報器が圧力センサに接続されて、圧力センサによる検出された通気管内の圧力が所定の圧力範囲を超えると、警報器が警報を出すことで、システムを検査するように提示し、排気端には詰まりが生じて、または気体供給端が無力になるという状況であるかどうかを検査し、そして即時に解決し、これによって、核酸抽出を順調に行うように確保する。具体的に、前記所定圧力範囲が具体的な実験操作に応じて総括され取得さればよく、ここで具体的に限定していない。また、圧力センサによる検出された圧力が所定の圧力範囲を超えると、警報器が警報を出すことを実現するために、警報器が如何に圧力センサに接続されるかということは、当業者にとって熟知の従来技術であり、紙幅を節約するために、ここで贅言していない。
【0023】
再び
図1を参照し、核酸抽出板1には、対応するように針6またはキャップ10の下方に配置される複数の核酸抽出カラム1aが設けられ、複数の核酸抽出カラム1aの入液口には、キャップ10と密閉係合する密閉ガスケット11が設けられ、複数の核酸抽出カラム1aがキャップ10に取り外し可能に密閉接続される。本実施例において、核酸抽出カラム1aが96個であってもよく、実現する際、96ウェルプレートを採用すると、キャップ10が複数であってもよく、各々キャップ10がそれぞれ通気管連通孔を介して陽圧提供装置12の排気口に連通し、複数のキャップ10は複数の核酸抽出カラム1aに逐一対応するように配置されることができる。
【0024】
核酸抽出板1と陽圧装置7のキャップ10との間には、一つの使い捨ての汚染防止板(図示せず)があってもよく、汚染防止板内には1つ以上の通孔があり、通孔が、核酸抽出板1内の核酸抽出カラム1aの入り口とキャップ10との孔径に合わせて、キャップ10が汚染防止板内の通孔の開口のみに接触することで、キャップ10の直径が核酸抽出カラム1aの入り口に接触することによる汚染を避ける、なぜならば、使用者は抽出対象となる核酸溶液サンプルを核酸抽出カラム1aに投入する時、核酸抽出カラム1aの入り口に汚染を発生させる恐れがあるからである。
【0025】
以下は本発明の作動原理を簡単に紹介する。
核酸を抽出しまたは純化するための5~6種の化学試薬を人工で異なる試薬供給装置8に移転する。化学試薬は試薬供給装置8の出液口から試薬流量制御装置9の入液口に流れ、化学試薬は試薬流量制御装置9を介して輸液セット3の密閉室5内に搬送され、複数の試薬流量制御装置9を介してそれぞれ異なる密閉室5における針6の液体排出量を制御し、または液体排出操作を起動し停止する。核酸抽出板1を対応する針6の下方に移動して、核酸抽出カラム1a内に給液するように準備する場合、輸液セット駆動手段3bを介して、輸液セット3を下へ核酸抽出カラム1aの上方に移動させるように駆動し、給液を行って、給液が完了した後、再び輸液セット駆動手段3bを介して輸液セット3を上に移動させるように駆動することで、針6を核酸抽出カラム1aから離させ、後続の陽圧操作を行って、核酸抽出板1をキャップ10の下方に移動し、陽圧駆動装置7aを介して陽圧提供装置12を下に移動させるように駆動することで、キャップ10を、対応する核酸抽出カラム1aの入液口に密閉装着することを実現し、陽圧提供装置12を起動させ、陽圧装置7が高圧ガスを提供でき、高圧ガスが溶液(該溶液には、抽出対象となる核酸溶液または化学試薬が含まれる)の表面に作用し、陽圧装置7による提供された高圧が直接的に各々核酸抽出カラム1a内の溶液表面に作用するため、溶液が迅速に核酸抽出カラム1aを通過し流出することができ、陽圧が完了した後、陽圧駆動装置7aを介して陽圧提供装置12を上に移動させるように駆動することで、キャップ10を核酸抽出カラム1aの入液口から離間させる。
【0026】
ピペッティングの過程で、同一の密閉室5内で異なる化学試薬を移転する必要があると、事前に化学試薬が流れる通路を綺麗に洗浄してもよく、具体的な方法は以下を含み、即ち、試薬供給装置8内に大量の純水を何度も入れて、針6を介して高圧で出力し、大量の純水の高圧出力という過程で、通路の洗浄を実現する。
【0027】
具体的に、該核酸抽出システムはさらに、混ぜ板14と、混ぜ板取り付け台14aと、混ぜ板駆動装置14bとを有してもよく、混ぜ板取り付け台14aが取り付け台13に固定され、混ぜ板駆動装置14bが駆動するように混ぜ板取り付け台14aに装着され、混ぜ板14が混ぜ板取り付け台14aの底部に装着され、混ぜ板14の底部には複数の核酸抽出カラム1aに逐一対応する混ぜ棒16が設けられ、混ぜ板駆動装置14bが、混ぜ板取り付け台14aを介して混ぜ棒16を核酸抽出カラム1a内で上下に移動させるように駆動するように、配置される。核酸抽出板1が混ぜ板14の下方に移動した場合、混ぜ板14が上下に移動することで、核酸抽出板1における溶液をよく混ぜることができる。
【0028】
さらに、
図1及び
図4に示すように、該核酸抽出システムは混ぜ棒16と核酸抽出板1との間に配置される第1仕切板17と、取り付け台13に固定されており、第1仕切板17を混ぜ棒16の下方で水平に移動させるように駆動するように、配置される第1仕切板駆動装置17aとを有してもよい。混ぜ板14を介して核酸抽出板1内の溶液をよく混ぜた後、少量の溶液は混ぜ棒16に残す可能性があり、第1仕切板駆動装置17aを介して第1仕切板17を張り出し、混ぜ棒16に滴り落ちた溶液を第1仕切板17に落とさせることで、核酸抽出板1の移動過程で、混ぜ棒16に残された溶液が核酸抽出板1の他の孔内に滴り落ちることを防止し、核酸抽出過程での汚染問題を避け、そして、再びよく混ぜるという操作をする必要がある場合、第1仕切板駆動装置17aを介して第1仕切板17を引っ込める。
【0029】
さらに、
図5は本発明の実施形態により提供される混ぜ棒が吸着カラムと協力する構成模式図である。
図5に示すように、核酸抽出カラム1aは、突刺可能部材19と吸着膜27とが含まれる吸着カラムを有し、吸着膜27が核酸抽出カラム1aの入液口に覆われ、突刺可能部材19が核酸抽出カラム1aの入液口と吸着膜27との間に配置されるとともに、核酸抽出カラム1aの内壁に固定され、突刺可能部材19には凹溝19aが設けられ、混ぜ棒16の底部が凹溝19aを突き刺すための錐型構成であり、混ぜ棒16には、外径が核酸抽出カラム1aの内径より小さい混ぜシート16aが設けられる。実現する際、混ぜシート16aが混ぜ棒16の下部に設けられてもよい。凹溝19aは、突刺可能部材19の中心に配置される環状溝と、環状溝と突刺可能部材19の外壁との間に設けられるとともに、突刺可能部材19の半径に沿って配置される複数のストリップ状凹溝とを有する。プラスミドDNAを抽出する場合、吸着カラムによって行うことができる。その同時に、核酸抽出カラム1a内には突刺可能部材19があり、突刺可能部材19が核酸抽出カラム1a内で突き刺されていない場合、核酸抽出カラム1aが突刺可能部材19と協力し、試験管として(底部には水出口がない)、液体を閉じ込めるために用いられることで、各種の化学試薬がここで互いに化学反応を発生させる。突刺可能部材19が核酸抽出カラム1a内で突き刺された後、液体が突刺可能部材19を介して流出することができ、核酸抽出スピンカラムという機能を具備させ、このように、核酸抽出の過程で、試験管だけではなく、核酸抽出スピンカラムを利用しなければならないということを避け、液体の移転速度を向上させ、及びコストを低減させるという作用を果たす。
【0030】
さらに、
図6は本発明の実施形態により提供される混ぜ棒が濾過カラムと協力する構成模式図である。
図6に示すように、核酸抽出カラム1は、突刺可能部材19と複数のフィルター20とが含まれる濾過カラムを有する。突刺可能部材19が核酸抽出カラム1aの入液口と核酸抽出カラム1aの出液口との間に配置されるとともに、核酸抽出カラム1aに固定され、突刺可能部材19には凹溝19aが設けられ、混ぜ棒16の底部が凹溝19aを突き刺すための錐型構成であり、混ぜ棒16には外径が核酸抽出カラム1aの内径より小さい混ぜシート16aが外嵌され、複数のフィルター20が突刺可能部材19と核酸抽出カラム1aの出液口との間に配置されるとともに、それぞれ核酸抽出カラム1aの内壁に固定され、各々フィルター20にはいずれも複数の濾過微細孔が開けられ、隣接する二つのフィルター20のうち、濾過カラムの入液口に近接するフィルター20の濾過微細孔の孔径が、濾過カラムの出液口に近接するフィルター20の濾過微細孔の孔径より大きい。
【0031】
本実施形態において、各々フィルター20の複数の濾過微細孔の孔径が等しい。このように、溶液が均一に濾過微細孔を流れるように保証でき、さらに濾過効果を保証できる。
【0032】
さらに、複数のフィルター20は、第1フィルター20aと、第2フィルター20bと、第3フィルター20cと、第4フィルター20dと、第5フィルター20eのうちの、少なくとも三つを有してもよく、第1フィルター20aには孔径がいずれも20~25μmである複数の第1濾過微細孔が開けられ、第2フィルター20bには孔径がいずれも16~19μmである複数の第2濾過微細孔が開けられ、第3フィルター20cには孔径がいずれも10~15μmである複数の第3濾過微細孔が開けられ、第4フィルター20dには孔径がいずれも5~9μmである複数の第4濾過微細孔が開けられ、第5フィルター20eには孔径がいずれも1~4μmである複数の第5濾過微細孔が開けられる。孔径が異なる複数のフィルター20を配置し、且つ孔径が濾過対象となる溶液における固相物質の大きさ及びプラスミドの大きさに応じて調整されることができ、これによって、固相物質がいずれも濾過され、且つプラスミドが順調に流出できるように保証する。
【0033】
さらに、複数のフィルター20は、第1フィルター20aと、第2フィルター20bと、第3フィルター20cと、第4フィルター20dと、第5フィルター20eとを有し、複数の第1濾過微細孔の孔径がいずれも22μmであり、複数の第2濾過微細孔の孔径がいずれも18μmであり、複数の第3濾過微細孔の孔径がいずれも13μmであり、複数の第4濾過微細孔の孔径がいずれも8μmであり、複数の第5濾過微細孔的孔径がいずれも2μmである。このように配置することで、濾過カラムの濾過効果を保証できる。
【0034】
さらに、濾過カラムは、隣接する二つのフィルター20の間に配置されるとともに、濾過カラムの内壁に固定されるスペーサー20fを有しても良い。スペーサー20fは隣接する二つのフィルター20の間のピッチを保持することで、隣接する二つのフィルター20が貼り合わせることによって、濾過効率に影響することを避ける。本実施例において、スペーサー20fはポリプロピレンスペーサー、ポリエチレンスペーサーまたはポリテトラフルオロエチレンスペーサーであってもよい。
【0035】
フィルター20は濾過篩板、濾過膜及び濾過綿であってもよく、濾過篩板、濾過膜及び濾過綿は協力して同一の濾過カラム内に適用されても良い。
【0036】
再び
図3を参照し、陽圧提供装置12の側壁には液位検出装置30が装着される。実現する際、液位検出装置30は非接触型の液位計であってもよく、具体的に超音波センサまたは赤外線センサであってもよい。液位検出装置30によって陽圧装置7が作用した後の液面の高さを監視でき、突刺可能部材19が突き刺された後、液体が突刺可能部材19を経て、フィルター20の上面に流れ、この場合、抽出純化対象となる核酸には大きい不純物(例えば血の塊)が混在すると、大きい物質が濾過カラムのフィルター20に詰まって、液体が順調にフィルター20を通過することができず、大量の液体がフィルター20の上面に止められ、抽出対象となる核酸が完全に抽出され純化されることができない恐れがあり、具体的に操作する時、核酸抽出カラム1aを液位検出装置30の下方に移動し、液位検出装置30を介して核酸抽出カラム1a内の液面の高さを取得し、液面の高さに応じて、液体が完全にフィルター20を通過したかどうかを判定する。陽圧提供装置12の側壁にはさらに警報器が設けられてもよく(図示せず)、警報器が液位検出装置30に電気的に接続され、液体が完全にフィルター20を通過していない場合、警報器によって警報信号を出すことができる。
【0037】
具体的に、該核酸抽出システムは、第1スライドレール21を有してもよく、混ぜ板14と、ピペッティング装置と、陽圧装置7とが並列配置され、第1スライドレール21が混ぜ板14と、ピペッティング装置と陽圧装置7との配置方向に沿って取り付け台13に設けられるとともに、混ぜ棒16と、輸液セット3とキャップ10との下方に対応して配置され、核酸抽出板1が摺動するように第1スライドレール21に設けられる。
【0038】
さらに、
図7は本発明の実施形態により提供される昇降装置の構成模式図である。
図7に示すように、該核酸抽出システムはさらに核酸収集板22と、昇降装置と、位置制限係止枠体23と、位置制限係止枠体駆動装置とを有してもよい。位置制限係止枠体23が摺動するように第1スライドレール21に装着される。昇降装置26が第1スライドレール21の下方に配置されており、昇降モータ26aと、昇降装置スクリュロッド26cと、昇降装置ナット26eと、昇降位置制限板26fと、昇降板26bと、摺動するように核酸収集板22を支持するための第2スライドレール26gとを有し(
図1を参照)、昇降モータ26aが取り付け台13に固定され、昇降装置スクリュロッド26cが昇降モータ26aの出力軸に伝動接続され、昇降装置ナット26eが昇降装置スクリュロッド26cに外嵌され、昇降位置制限板26fには昇降係合溝26dが開けられ、昇降板26bが昇降係合溝26d内に配置されるとともに、昇降係合溝26dに沿って移動し、昇降装置ナット26eが昇降位置制限板26fを通過して昇降板26bの底面に固定接続され、核酸収集板22が昇降板26bの天井面に配置され、第2スライドレール26gが昇降位置制限板26fの天井面に揃えるとともに、第1スライドレール21と平行配置され、昇降板26bの高さが昇降位置制限板26fの天井面の高さと同じになるように、昇降板26bを昇降位置制限板26fの天井面に上昇させることで、核酸収集板22が昇降板26bから第2スライドレール26gに移動し、位置制限係止枠体23に連れて第2スライドレール26gに摺動することができる。
【0039】
図8は本発明の実施形態により提供される位置制限係止枠体と、位置制限係止枠体駆動装置との構成模式図である。
図8に示すように、位置制限係止枠体駆動装置は、ベルト23aと、ベルトプーリ23bと、固定棒23cと、取り付け台13に固定されるモータ23dとを有し、固定棒23cが第1スライドレール21の側壁に固定され、ベルトプーリ23bが二つであり、二つのベルトプーリ23bがそれぞれモータ23dの出力軸と固定棒23cに装着され、ベルト23aが二つのベルトプーリ23bに外嵌されるとともに、第1スライドレール21と平行配置され、位置制限係止枠体23がベルト23aに固定され、位置制限係止枠体23の天井面には核酸抽出板1を係止装着するための第1係合溝が設けられ(図示せず)、位置制限係止枠体23の底面には核酸収集板22を係止装着するための第2係合溝が設けられる(図示せず)。位置制限係止枠体23はさらに、核酸抽出板1を加熱し振動するという機能を提供でき、そのうちの核酸抽出カラム1a内の溶液を加熱し振動し、核酸が溶離される前、核酸収集板22が昇降装置26の上昇運動によって核酸収集板22を位置制限係止枠体23の底面に係止装着させ、核酸収集板22には、核酸抽出カラム1aに逐一対応する核酸収集管22aが設けられる(
図1を参照する)。実現する際、核酸収集板22として96ウェルプレートを採用してもよい。核酸収集板22を昇降する際、昇降装置スクリュロッド26cを回動させるように、昇降モータ26aを駆動し、昇降装置ナット26eが昇降装置スクリュロッド26cに沿って上下に移動し、昇降板26bが昇降装置ナット26eに連れて、昇降位置制限板26fの昇降係合溝26d内で上下に移動し、昇降板26bの天井面が昇降位置制限板26fの天井面に揃えた場合、核酸収集板22が位置制限係止枠体23の底部に係止装着され、核酸収集板22が位置制限係止枠体23とともに移動し得て、この際、核酸収集板22が位置制限係止枠体23の移動に連れることで昇降板26bから第2スライドレール26gに移動し、その同時に、核酸収集板22が位置制限係止枠体23に連れて指定の位置に移動する。
【0040】
実現する際、第1スライドレール21は2本であり、2本の第1スライドレール21が位置制限係止枠体23の両側に配置され、第2スライドレール26gも2本であり、2本の第2スライドレール26gが核酸収集板22の両側に配置されるとともに、2本の第1スライドレール21の間に位置する。
【0041】
具体的に、
図1に示すように、該核酸抽出システムはさらに、核酸抽出板1を挟み取るための挟み取り枠体24と、挟み取り駆動装置24aとを有してもよく、挟み取り枠体24の底部には、核酸抽出板1のエッジに対応して、回動可能にジョー24bが設けられ、ジョー24bと挟み取り枠体24との間には、ジョー24bを復帰させるための復帰バネ24cが設けられ、挟み取り駆動装置24aが取り付け台13に固定されるとともに、挟み取り枠体24を上下に移動させるように駆動するように、配置される。挟み取り駆動装置24aが挟み取り枠体24全体を昇降させることができ、挟み取り枠体24全体が下降すると、ジョー24bが対応する核酸抽出板1のエッジを経た後、復帰バネ24cを介して復帰した後、核酸抽出板1のエッジの底部に係止され、このように、使用者が手動で核酸抽出板1を取ることを避け、使用者の作業量を減少させる一方で、核酸抽出システムの自動化程度を向上させる。実現する際、垂直配置された挟み取り枠体24には水平軸が設けられてもよく、ジョー24bが水平軸に装着され、その同時に、ジョー24bの回動を便利にするために、水平軸には、ジョー24bが装着された軸受を設けてもよい。
【0042】
実現する際、核酸抽出板1は96ウェルプレートであり、ジョー24bについて4つが配置されてもよく、4つのジョー24bがそれぞれ核酸抽出板1の4本の辺に対応するように設けられ、このように、核酸抽出板1に対する挟み取りの安定性を保証し、挟み取られた核酸抽出板1の外れを防止できる。
【0043】
さらに、該核酸抽出システムは、ジョー24bと核酸抽出板1との間に配置される第2仕切板25と、取り付け台13に固定されるとともに、第2仕切板25をジョー24bの下方で水平に移動させるように駆動するように、配置される第2仕切板駆動装置25aとを有してもよい。ジョー24bが核酸抽出板1を挟み取った後、核酸抽出板1に残された溶液が滴り落ちる可能性があり、第2仕切板駆動装置25aによって第2仕切板25を張り出し、張り出された第2仕切板25が核酸抽出板1から滴り落ちた溶液を受けることができる。
【0044】
本実施形態において、
図4に示すように、第2仕切板駆動装置25aの構成は第1仕切板駆動装置17aの構成と同じであり、本実施例は第1仕切板駆動装置17aの構成を例として、第2仕切板駆動装置25aの具体的な構成を紹介し、具体的に、第1仕切板駆動装置17aは仕切板駆動モータ17bと、仕切板駆動装着板17cと、仕切板回動軸17dと、仕切板ベルト17eと、仕切板取付棒17fとを有し、仕切板駆動装着板17cが取り付け台13に固定され、仕切板駆動モータ17bが仕切板駆動装着板17cの底部に固定されるとともに、その出力軸と仕切板回動軸17dとがいずれも仕切板駆動装着板17cを通過し、仕切板ベルト17eが仕切板駆動装着板17cの天井面に配置されるとともに、それぞれ伝動するように、仕切板駆動モータ17bの出力軸と仕切板回動軸17dに外嵌され、仕切板取付棒17fの一端が仕切板ベルト17eに装着され、他端が第1仕切板17の底部に装着される。他の実施例において、第2仕切板駆動装置25aと第1仕切板駆動装置17aとが、いずれも他の駆動方式を採用することができる。
【0045】
具体的に、試薬流量制御装置9は、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、計量ポンプ、シリンジポンプ、プランジャポンプ、ピストンポンプまたは自吸式ポンプであってもよい 。
【0046】
本発明の実施形態により提供される輸液セット駆動手段3b、陽圧駆動装置7a、混ぜ板駆動装置14b及び挟み取り駆動装置24aは、いずれも同様な駆動構成であってもよく、
図9に示すように、輸液セット駆動手段3bを例として簡単に紹介し、具体的に、輸液セット駆動手段3bは、輸液セット駆動モータ3cと、輸液セット駆動装着板3dと、輸液セットベルト3eと、スクリュロッド3fと、スクリュロッドナットブロック3gと、スクリュロッドナットスライドブロック3hと、スクリュロッドナット第1スライドレール3iとを有し、輸液セット駆動装着板3dが取り付け台13に固定され、輸液セット駆動モータ3cが輸液セット駆動装着板3dの底部に固定されるとともに、その出力軸とスクリューロッド3fとがいずれも輸液セット駆動装着板3dを通過し、輸液セットベルト3eが輸液セット駆動装着板3dの天井面に配置されるとともに、それぞれ輸液セット駆動モータ3cの出力軸とスクリュロッド3fに伝動するように外嵌され、スクリュロッドナットブロック3gとスクリュロッド3fとがネジを介して係合し、スクリュロッドナットブロック3gが輸液セット取り付け台3aに固定され、スクリュロッドナット第1スライドレール3iが輸液セット駆動装着板3dに装着され、スクリュロッドナットスライドブロック3hがスクリュロッドナットブロック3gに固定されるとともに、摺動するようにスクリュロッドナット第1スライドレール3iに設けられる。
【0047】
以下は、本発明の実施形態により提供される核酸抽出システムの作動原理を簡単に紹介し、具体的に以下の通りである。
まず、相応的な核酸を抽出しまたは純化するための6種の化学試薬を人工で異なる試薬供給装置8に移転する。
【0048】
1.プラスミドDNAという核酸を抽出しまたは純化する場合、まず、核酸抽出カラム1aが濾過カラムである核酸抽出板1に、抽出または純化対象となるプラスミドDNA細胞溶液を人工で投入し、核酸抽出カラム1aは、溶液が下に流れることを防止するための突刺可能部材19を有し、核酸抽出カラム1aが濾過カラムである核酸抽出板1の出液口を核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1の入液口に合わせて、重畳された二つの核酸抽出板1(上方にある核酸抽出板1の核酸抽出カラム1aが濾過カラムであり、下方にある核酸抽出板1の核酸抽出カラム1aが吸着カラムである)をともに位置制限係止枠体23(開始位置)に配置するとともに、係止装着する。この際、重畳された二つの核酸抽出板は位置制限係止枠体23とともに移動できる。また、核酸収集板22を人工で昇降板26bに配置する必要があり、その後続の過程はシステムによって自動に完成し、人工操作はいらない。
【0049】
位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸持ち上げ板1内にある各列の濾過カラムが順次にピペッティング装置の下方にある第1列の針6から出力された第1種の化学試薬を受け取た後、混ぜ板14の下方に移動し、混ぜ棒16が逐一対応する濾過カラム内に入れ込み、上下に運動することで、濾過カラム内の溶液をよく混ぜ、よく混ぜた後、濾過カラムの入液口から離れるように、混ぜ棒16を上に移動させ、第1仕切板17が混ぜ棒16と濾過カラムの入液口との間までに伸ばし、第1仕切板17を介して混ぜ棒16から滴り落ちる可能性がある液体を阻止し、汚染を防止する。
【0050】
位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、各列の各々濾過カラムが順次にピペッティング装置の下方にある第2列針6から出力された第2種の化学試薬を受け取った後、混ぜ板14の下方に移動し、混ぜ棒16が濾過カラム内に入れ込むとともに、上下に運動することで、濾過カラム内の溶液をよく混ぜ、この際、濾過カラム内の抽出または純化対象となるプラスミドDNA細胞溶液が2種の化学試薬と反応を発生させた後、細胞が破裂し、プラスミドDNAが液体に溶解し、ゲノムDNAとタンパク質とは変性反応が生じて、綿状の固相の不純物になるように融合する。混ぜ棒16が濾過カラム内で、より下方へ少しの距離だけ移動することで、混ぜ棒16の下端が濾過カラム内の突刺可能部材19を突き刺し、濾過カラム内の液体が突刺可能部材19における割れ口を介して下に流れ、フィルター20に流れる。
【0051】
位置制限係止枠体23を陽圧装置7の下方に移動し、陽圧を受け、濾過カラム内のプラスミドDNAが含まれた溶液が順次に割れ口、複数のフィルター20、及び濾過カラムの出液口を経て、下方にある吸着カラム内に流れ、固相の不純物が割れ口を介して濾過カラム内の複数のフィルター20によって濾過される。
【0052】
位置制限係止枠体23を挟み取り枠体24の下方に移動し、挟み取り枠体24によって上方にある核酸抽出板1(核酸抽出カラム1aが濾過カラムである核酸抽出板1)を挟んだ後持ち上げることで、下方にある核酸抽出板1(核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1)から離間させ、第2仕切板25を上方にある核酸抽出板1の下方に伸ばし、第2仕切板25によって、濾過カラム1aの出液口から滴り落ちる可能性がある液体を阻止することで、汚染を防止する。
【0053】
位置制限係止枠体23(この際、位置制限係止枠体23には、核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1は、一つのみがある)を陽圧装置の下方に移動し、核酸抽出カラム1aが順次に陽圧を受け、吸着カラム内の溶液は核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1の下方にある廃液鉢15内に流出し、溶液におけるプラスミドDNAが吸着カラム内の吸着膜27によって吸着される。
【0054】
位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出カラム1aが順次に第3列の針から出力された第3種の化学試薬(第1洗浄液)を受け取った後、陽圧装置7の下に移動し、陽圧を受け、第1洗浄液が吸着膜を通過している時、膜におけるプラスミドDNAを洗浄した後、核酸抽出板1の下方にある廃液鉢15内に流出する。実現する際、廃液鉢15が2本の第2スライドレール26gの間にある取り付け台13に配置され、廃液鉢15が取り付け台13に嵌り込まれてもよく、廃液鉢15の底部がホースを介して廃液瓶に接続されてもよく、廃液鉢15内に収集された廃液がホースを介して廃液瓶に流入してもよく、廃液瓶には廃液が充満された後、廃液を排出した後、引き続いて収集してもよい。
【0055】
位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出カラム1aが順次に第4~第5列の針6から出力された第4~5種の化学試薬(第2洗浄液、第3洗浄液)を受け取り、その後の過程は第1洗浄液と同様である。
【0056】
位置制限係止枠体23を開始位置に移動し、昇降モータ26aによって昇降装置スクリュロッド26cを回動させるように駆動することで、昇降装置ナット26eが昇降板26bを上昇させ、この際、昇降板26bにある核酸収集板22が位置制限係止枠体23の底部に係止装着されることで、核酸収集板22が位置制限係止枠体23とともに、昇降装置第1スライドレール26gで移動することができ、この際、位置制限係止枠体23の下方にある核酸収集板22における核酸収集管22aの入液口が、位置制限係止枠体23の上方にある核酸抽出カラム1aの出液口に対応し、位置制限係止枠体23がピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出板1の吸着カラムが順次に第6列の針から出力された第6種化学試薬溶離液を受け取った後、ともに陽圧装置7の下方に運動し、陽圧を受け、プラスミドDNAが溶離液に連れて、吸着カラムの吸着膜から離脱し、核酸収集板22内に流れ、核酸抽出板1と核酸収集板22とが係止装着された位置制限係止枠体23を開始位置に移動し、プラスミドDNAの抽出または純化過程を完成する。
【0057】
2.抽出または純化対象となる核酸はゲノムDNA、ウイルスDNA或いはRNAであると、濾過板を必要とせず、その過程が相対的に簡単になる。まず、核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1に抽出または純化対象となる核酸細胞溶液を人工で投入し、吸着カラム内には液体が下に流れることを防止するための突刺可能部材19が設けられ、核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1を位置制限係止枠体23に係止装着させることで、核酸抽出カラム1aが吸着カラムである核酸抽出板1が位置制限係止枠体23とともに移動することができる。また、人工で核酸収集板22を昇降板26bに配置する必要があり、その後続過程はシステムによって自動に完成すればよく、人工操作はいらない。
【0058】
位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に運動させることで、核酸抽出板1の吸着カラムが順次に第1列の針6から出力された第1種の化学試薬を受け取った後、混ぜ板14の下方に移動し、混ぜ棒16によって溶液をよく混ぜ、混ぜ板14が上に移動することで、混ぜ棒16が吸着カラムの入液口から離れた後、第1仕切板17が混ぜ棒16と吸着カラムの入液口との間に介在するように、第1仕切板17を張り出し、位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出板1の吸着カラムが順次に第2列の針6から出力された第2種の化学試薬を受け取り、位置制限係止枠体23を混ぜ板14の下方に移動し、よく混ぜ、この際、細胞が破裂し、核酸が溶液に放出され、混ぜ板14が濾過カラム内でより下方へ少しの距離だけ移動し、突刺可能部材19が混ぜ棒16によって突き刺され、位置制限係止枠体23を陽圧装置7の下方に移動し、核酸抽出板1の吸着カラムが陽圧を受け、液体が吸着膜27を介して流出するとともに、廃液鉢15によって受け取られ、核酸が吸着膜27に吸着され、位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出板1の吸着カラムがそれぞれ順次に第3~第5列の針6から出力された第3~第5種の化学試薬(洗浄液)を受け取り、毎回洗浄液を投入した後、陽圧装置7の下方に移動し、洗浄液が吸着膜27における核酸を洗浄した後、廃液鉢15に流出し、位置制限係止枠体23を開始位置に移動し、昇降モータ26aによって昇降装置スクリュロッド26cを回動させるように駆動することで、昇降装置ナット26eが昇降板26bを上昇させ、この際、昇降板26bにある核酸収集板22が位置制限係止枠体23の底部に係止装着されることによって、核酸収集板22が位置制限係止枠体23とともに、昇降装置第1スライドレール26gに沿って移動することができ、位置制限係止枠体23をピペッティング装置の下方に移動し、核酸抽出板1の吸着カラムが順次に第6種の化学試薬(溶離液)を受け取り、位置制限係止枠体23を陽圧装置7の下方に移動し、順次に陽圧を受け、吸着膜27におけるDNAが核酸収集板22内に溶離され、位置制限係止枠体23を開始位置に移動し、核酸の抽出または純化過程を完成する。
【0059】
本発明の実施形態により提供される核酸抽出システムにおいて、核酸の抽出または純化は、ある化学試薬を必要とする場合、試薬流量制御装置によって化学試薬が、試薬供給装置から定時且つ定量で輸液セットの密閉室内に搬送され、針によって試薬の高圧での出力を実現し、これによって、本実施例により提供される核酸抽出システムは、自動ピペットワークステーションと高品質のピペットチップを利用する必要がなくなり、さらに、ピペッティングの速度を保証し、ピペッティングのコストを低減させ、また、キャップが核酸抽出カラムに密閉連通し、陽圧提供装置によって核酸抽出カラム内に高圧ガスを導入することで、核酸抽出カラム内の液体がカラムの内膜の抵抗力によって迅速に流出することができ、遠心分離機または負圧装置の利用による、面倒な操作及び時間の浪費を避け、核酸抽出の効率をさらに向上させ、抽出のコストを低減させる。
【0060】
前記実施形態において、該核酸抽出システム内の各種の部材の位置は、図面に示すものに応ずるとは限らず、これらの間は互いに交換されてもよく、例えば輸液セット、陽圧装置及び混ぜ装置の、システムにある位置は互いに交換され、または一つの部材が他の部材の上下に配置されてもよい。
【0061】
以上の記載は本発明を限定しておらず、本発明の好適な実施例のみであり、本発明の精神及び原則の内になされた任意の補正、等価差替え、改良などは、いずれも本発明の保護範囲に該当すべきである。