(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】商材情報管理システム、商材情報管理方法、及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20220311BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2021155873
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2021-10-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521419592
【氏名又は名称】park&port株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫟山 敦彦
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112633898(CN,A)
【文献】特開2002-149804(JP,A)
【文献】特開2004-094396(JP,A)
【文献】特開2015-115016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと通信自在なサーバ装置であって、
前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部と、
前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部と、
前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部と、
前記ユーザの参照権限を認証する認証部と、
前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、
前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部と、
前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を有する
サーバ装置。
【請求項2】
ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと、サーバ装置とからなる商材情報管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部と、
前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部と、
前記各品番を対応付けて記憶する第1記憶部と、
前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部と、
前記ユーザの参照権限を認証する認証部と、
前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、
前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部と、
前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を有し、
前記ユーザの端末装置は、
前記サーバ装置に、前記リクエストを送信する送信部と、
前記サーバ装置からの前記抽出した情報を受信する受信部と、
前記抽出した情報を表示する表示部と、を有し、
前記生産管理システムは、
前記在庫情報及び前記生産状況情報を少なくとも記憶する第2記憶部を有し、
前記在庫販売管理システムは、
前記発注情報及び前記販売情報を少なくとも記憶する第3記憶部を有する
商材情報管理システム。
【請求項3】
ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと、サーバ装置による商材情報管理方法であって、
前記サーバ装置では、
品番発行部が、前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行し、
品番管理部が、前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理し、
受付部が、前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付け、
認証部が、前記ユーザの参照権限を認証し、
情報抽出部が、前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、
前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出し、
送信部が、前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する
商材情報管理方法。
【請求項4】
ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと通信自在なサーバ装置により実行されるプログラムであって、
前記サーバ装置を、
前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部、
前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部、
前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部、
前記ユーザの参照権限を認証する認証部、
前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、
前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部、及び
前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部、として機能させる
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商材等に関わる情報の参照を統括的に管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、アパレル業界に関わる物流では、生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、及びリテール業者が、上流から下流に亘る商流を構築している。そして、上流から下流の各者は、それぞれが独自システムにより各フェーズでの情報を管理しており、基本的には、他のフェーズの者は、自身より上流又は下流側で管理されている情報を参照することはできないのが一般的である。
【0003】
ここで、特許文献1では、コンピュータシステムを用いて注文商品の物流管理を行う物流管理方法であって、管理部門において集荷準備完了データを受け取ったとき、工場部門に商品に注文データのうち少なくとも注文者を特定する情報を含む商品識別情報を付与することを指示する商品識別情報付与指示データを送信し、商品識別情報付与指示データを受取ったとき、商品に商品識別情報を付与し、注文データに対応する商品の出荷を指示する出荷指示データを生成し、集荷場所において出荷指示データに基づいて商品に付与されている商品識別情報を読取りながら商品のピッキングを行い注文毎のピッキング結果データを生成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、ピッキング効率向上のために、商品識別情報を付与しているにすぎず、物流の上流から下流に亘る各フェーズで個別に管理されている情報を権限に応じて、各フェーズの各者が参照可能とすることは開示されていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サプライチェーンの上流から下流に至るまで、各フェーズで管理されている情報を、各フェーズの各者が権限に応じて参照可能とすることで、商材情報の流れを効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと通信自在なサーバ装置であって、前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部と、前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部と、前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部と、前記ユーザの参照権限を認証する認証部と、前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部と、前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を有する。
【0008】
本発明の第2の態様に係る商材情報管理システムは、ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと、サーバ装置とからなる商材情報管理システムであって、前記サーバ装置は、前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部と、前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部と、前記各品番を対応付けて記憶する第1記憶部と、前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部と、前記ユーザの参照権限を認証する認証部と、前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部と、前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部と、を有し、前記ユーザの端末装置は、前記サーバ装置に、前記リクエストを送信する送信部と、前記サーバ装置からの前記抽出した情報を受信する受信部と、前記抽出した情報を表示する表示部と、を有し、前記生産管理システムは、前記在庫情報及び前記生産状況情報を少なくとも記憶する第2記憶部を有し、前記在庫販売管理システムは、前記発注情報及び前記販売情報を少なくとも記憶する第3記憶部を有する。
【0009】
本発明の第3の態様に係る商材情報管理方法は、ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと、サーバ装置による商材情報管理方法であって、前記サーバ装置では、品番発行部が、前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行し、品番管理部が、前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理し、受付部が、前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付け、認証部が、前記ユーザの参照権限を認証し、情報抽出部が、前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出し、送信部が、前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する。
【0010】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、ユーザの端末装置と、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システムと、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システムと通信自在なサーバ装置により実行されるプログラムであって、前記サーバ装置を、前記在庫情報、前記生産状況情報、前記発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する品番発行部、前記製品品番と前記管理品番を対応付け、前記管理品番と前記企画品番を対応付け、前記企画品番と前記生地品番とを対応付けて管理する品番管理部、前記ユーザの端末装置からの情報参照のリクエストを受け付ける受付部、前記ユーザの参照権限を認証する認証部、前記認証部による認証が成立した場合には、前記品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、前記生産管理システム又は前記在庫販売管理システムの管理している情報にアクセスし、前記参照権限の範囲内で前記リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部、及び前記抽出した情報を前記ユーザの端末装置に送信する送信部、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サプライチェーンの上流から下流に至るまで、各フェーズで管理されている情報を各フェーズの各者が権限に応じて参照可能とすることで、商材情報の流れを効率化する技術を提供ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る商材情報管理システムの構成図である。
【
図4】同システムで管理されている各種情報の詳細を示す図である。
【
図5】同システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】同システムによる情報共有の仕組みを示す概念図である。
【
図7】同システムによる品番発行、付与の効果を説明する概念図である。
【
図8】同システムによる情報参照の仕組みを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係る商材情報管理システムの構成を示し説明する。
【0015】
同図に示されるように、商材情報管理システムは、物流を統括管理するサーバ装置1と、生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、リテールの各端末装置2A乃至2Dと、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システム3と、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システム4とからなる。これらは、インターネット等の通信網5を介して無線又は有線で接続されている。端末装置2A乃至2Dとしては、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものを採用することができる。生産管理システム3や在庫販売管理システム4としては、前述したような情報を管理しているものであれば、市場に流通している各種のものを採用できる。
【0016】
このような構成において、サーバ装置1は、在庫情報、生産状況情報、発注情報、及び前記販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行し、製品品番と管理品番を対応付け、管理品番と企画品番を対応付け、企画品番と生地品番とを対応付けて管理する。サーバ装置1は、ユーザの端末装置2A乃至2Dからの情報参照のリクエストを受け付けると、ユーザの参照権限を認証し、認証が成立した場合には、品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、生産管理システム3又は在庫販売管理システム4の管理している情報にアクセスし、リクエストのあった情報を抽出し、HTML形式の画面データを生成して、ユーザの端末装置2A乃至2Dに送信する。これにより、ユーザの端末装置2A乃至2Dでは、リクエストして情報の参照が可能となる。
【0017】
図2には、商材情報管理システムのサーバ装置の構成を示し説明する。
【0018】
同図に示されるように、サーバ装置1は、装置全体の制御を司る制御部11を備えており、制御部11は、通信部12、記憶部13と接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で構成されている。
【0019】
通信部12は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC;Network Interface Card)等により実現されるもので、インターネット等の通信網5と有線又は無線で接続され、端末装置2、在庫情報及び生産状況情報を少なくとも管理する生産管理システム3、発注情報及び販売情報を少なくとも管理する在庫販売管理システム4等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0020】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)、又は光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、品番記憶部15、及び権限記憶部16を有する。
【0021】
ユーザ情報記憶部14は、生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、及びリテールの各社について、ユーザIDと紐づけて、企業名、所在地、担当者、メールアドレス等の属性情報や、問合せに関する履歴情報等が記憶されている。品番記憶部15は、品番発行部11bが発行する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番について、対応付けて記憶している。より詳細には、製品品番と管理品番を対応付け、管理品番と企画品番を対応付け、企画品番と生地品番とを対応付けて記憶している。そして、権限記憶部16は、各ユーザについて、情報参照に関する権限を、ユーザIDと対応付けて記憶している。認証時には、この権限記憶部16が参照される。
【0022】
このような構成において、制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、受付部11a、品番発行部11b、品番管理部11c、認証部11d、情報抽出部11e、生成部11f、及び送信部11g等として機能する。
【0023】
品番発行部11bは、在庫情報、生産状況情報、発注情報、及び販売情報をそれぞれ管理する生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番をそれぞれ発行する。発行のタイミングについては、生産管理システム3、在庫販売管理システム4における情報更新のタイミングと同期させてもよい。品番管理部11cは、製品品番と管理品番を対応付け、管理品番と企画品番を対応付け、企画品番と生地品番とを対応付けて管理する。各情報については、前述したとおり、品番記憶部15に記憶されている。
【0024】
受付部11aは、ユーザの端末装置2A乃至2Dからの情報参照のリクエストを受け付ける。認証部11dは、リクエストをしたユーザの参照権限を、権限記憶部16を参照して、認証する。例えば、物流の上流から下流の流れの中で、上流から生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、リテールと順にポジショングされるが、各社が、上流から下流に亘る中で、どのフェーズで管理されている情報まで参照できるか、予め権限が付与され権限記憶部16に記憶されているので、認証部11dでは、権限記憶部16を参照してユーザのユーザIDに対応する権限を確認することで、参照の可否を認証できる。
【0025】
情報抽出部11eは、認証部11dによる認証が成立した場合には、品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、生産管理システム3又は在庫販売管理システム4の管理している情報にアクセスし、リクエストのあった情報を抽出する。生成部11fは、この抽出した情報に基づいて、HTML形式等により表示データを生成する。そして、送信部11gは、この表示データを、通信部12を介して、ユーザの端末装置2A乃至2Dに送信する。
【0026】
図3には、商材情報管理システムの端末装置の構成を示し説明する。
【0027】
同図に示されるように、端末装置2(2A乃至2D)は、制御部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、記憶部25とを有する。各部21~25は、バスラインを介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網5と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0028】
操作部23は、マウスやキーボード等で実現されており、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部24は、液晶ディスプレイ等により実現され、各種表示を行う。操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部25は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部21で実行されるプログラムを記憶している。なお、制御部21は、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。
【0029】
このような構成において、制御部21は、例えば、CPUやMPU等で実現され、記憶部25に記憶されているプログラムを実行することで、受信部21a、閲覧部21b、及び送信部21cとして機能する。
【0030】
送信部21cは、通信部22を介して、情報参照に係るリクエスト等をサーバ装置1に送信する。受信部21aは、サーバ装置1から送信されてきたHTML形式等の表示データを受信する。そして、閲覧部21bは、受信部21aが受信した表示データに基づく表示を表示部24にて行う。
【0031】
ここで、
図4(a)乃至
図4(e)には、商材情報管理システムの生産管理システム3、在庫販売管理システム4で管理されている情報の内容を示し説明する。
【0032】
図4(a)は、生産管理システム3で管理されている商材情報の詳細な内容を示している。同図に示されるように、商材情報としては、商材IDと対応付けて、素材種別、管理品番、イメージ情報、詳細情報、管理情報、参照元商材ID、及び会社アカウントIDが記憶されている。
図4(b)は、生産管理システム3で管理されている在庫情報の詳細な内容を示している。同図に示されるように、在庫情報として、在庫数、生産予定数等が記憶されている。
図4(c)は、生産管理システム3で管理されている生産情報の詳細な内容を示している。同図に示されるように、生産情報として、生産詳細情報、ステータス等が記憶されている。
図4(d)は、在庫販売管理システム4で管理されている発注情報の詳細な内容を示している。同図に示されるように、発注情報として、発注詳細情報、ステータス等が記憶されている。そして、
図4(e)は、在庫販売管理システム4で管理されている販売情報の詳細な内容を示している。同図に示されるように、販売情報として、販売詳細情報、販売フィードバック情報等が記憶されている。尚、これらは一例であって、これらに限定されないことは勿論である。
【0033】
以下、
図5のフローチャートを参照して、商材情報管理システムによる処理の流れを詳細に説明する。ここでは、商材情報は、商品情報、企画情報、及び生地商品情報等を概念上含むものとする。
【0034】
受付部11aは、ユーザの端末装置2A乃至2Dからの情報参照のリクエストを受け付ける(S1)。品番管理部11cは、問合せに係る品番を特定する(S2)。そして、認証部11dは、リクエストをしたユーザの参照権限を、権限記憶部16を参照して、認証する(S3)。例えば、物流の上流から下流の流れの中で、上流から生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、リテールと順にポジショングされるが、各社が、上流から下流に亘る中で、どのフェーズで管理されている情報まで参照できるか、予め権限が付与され権限記憶部16に記憶されているので、認証部11dでは、権限記憶部16を参照してユーザのユーザIDに対応する権限を確認することで、参照の可否を認証できる。
【0035】
続いて、情報抽出部11eは、認証部11dによる認証が成立した場合には、品番管理部により管理されている生地品番、企画品番、管理品番、及び製品品番の対応関係に基づいて、生産管理システム3又は在庫販売管理システム4の管理している情報にアクセスし、リクエストのあった情報を抽出する(S4)。こうして、生成部11fは、この抽出した情報に基づいて、HTML形式等により表示データを生成し、送信部11gは、この表示データを、通信部12を介して、ユーザの端末装置2A乃至2Dに送信する(S5)。以上で情報参照に係る一連の処理を終了する。
【0036】
次に、
図6を参照して、商材情報管理システムによる情報共有の仕組みを説明する。ここでは、物流の上流から下流にわたり、生地メーカー、OEMメーカー、リテールが存在する例を示し説明する。商材情報とは、各フェーズで管理されている商品情報や実績情報を含む広い概念である。
【0037】
同図に示されるように、生地メーカーとOEMメーカーは、生産管理システム3と連携しており、当該生産管理システム3で管理している実績情報を随時閲覧することが可能である。また、リテールは、在庫販売管理システム4と連携しており、当該在庫販売管理システム4で管理している実績情報を随時閲覧することが可能である。本システムでは、各フェーズでしか従来閲覧できなかった情報を、複数フェーズで仮想的に共有可能とすることで、権限に応じた閲覧範囲の拡大をもたらすものである。
【0038】
次に、
図7を参照して、商材情報管理システムによる品番発行、品番付与の仕組みを説明する。ここでは、物流の上流から下流にわたり、生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、リテールが存在する例を示し説明する。商材情報は、商品情報、企画情報、及び生地商品情報等を概念上含むものとする。また、企画段階の商品情報も含まれる。
【0039】
同図に示されるように、生地メーカー、企画会社、OEMメーカーは、生産管理システム3と連携しており、当該生産管理システム3で管理している実績情報を閲覧することが可能である。また、リテールは、在庫販売管理システム4と連携しており、当該在庫販売管理システム4で管理している実績情報を閲覧することが可能である。生地メーカーから企画会社に生地の提案がなされるとき、生地商品情報が共有される。企画会社からOEMメーカーに企画の提案がなされるとき、企画情報が共有される。そして、OEMメーカーからリテールに商品の提案がなされるときに、商品情報が共有される。
【0040】
サーバ装置1は、生地在庫情報に対しては、生地品番Aを発行し、生産進捗情報に対しては、企画品番Sを発行し、発注情報に対しては、管理品番Zを発行し、販売情報に対しては、製品品番Fを発行する。すなわち、生産進捗情報については、企画品番Sと生地品番Aとが対応付けられ、共に紐づけられ、発注情報に対しては、管理品番Zと企画品番Sとが対応付けられ、共に紐づけられ、販売情報に対しては、製品品番Fと管理品番Zが対応付けられ、共に紐づけられる。この対応関係については、サーバ装置1においてのみ品番管理部11cが統括的に管理している。
【0041】
次に、
図8を参照して、商材情報管理システムによる情報参照の仕組みを説明する。
【0042】
同図においても、前述したように、生産進捗情報については、企画品番Sと生地品番Aとが対応付けられ、共に紐づけられ、発注情報に対しては、管理品番Zと企画品番Sとが対応付けられ、共に紐づけられ、販売情報に対しては、製品品番Fと管理品番Zが対応付けられ、共に紐づけられる。例えば、リテールから在庫情報の参照リクエストをサーバ装置1側が受け付けた場合を想定すると、まずは、問合せのあった製品品番Fに対応する管理品番Zを特定し、当該管理品番Zで参照を行い、続いて、管理品番Zに対応する企画品番Sで参照を行い、続いて、企画品番Sに対応する生地品番Aで参照を行い、最終的にkの生地品番Aに基づいて、生産管理システム3で管理されている生地在庫情報より必要な情報を抽出し、HTML形式等で表示データを生成し、問合せのあったリテールの端末装置2Dに送信する。これにより、リテールでは、自己の権限に基づいて、生地在庫情報を管理画面で確認することが可能となる。このように、本システム等によれば、物流の各フェーズを順次に問合せながら進み、上流へ向けて情報探索を行い、所望とする情報にアクセス可能とする。尚、ここでは、上流に向けての情報探索を例に挙げて説明したが、これには限定されず、自社よりも下流に向けての情報探索も可能であることは勿論である。
【0043】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、サプライチェーンの上流から下流にいたるまでの各フェーズにおいて、個別に管理されている情報を、ユニークな品番を対応付けて、段階的に一連のものとして管理することで、各フェーズの各社が、自己の権限に基づいて、上流側又は下流側で管理されている情報を参照することを可能とする。したがって、商材情報の流れを効率化することが可能であり、需要予測や新規顧客を対象としたマッチングシステムとしても応用可能である。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0045】
例えば、上記例では、商流を上流から下流にわたり、生地メーカー、企画会社、OEMメーカー、及びリテールで構成する例を示したが、これには限定されず、各種の商流の中で本システム等を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…サーバ装置、2A~2D…端末装置、3…在庫販売管理システム、4…生産管理システム、11…制御部、11a…受信部、11b…品番発行部、11c…品番管理部、11d…認証部、11e…情報抽出部、11f…生成部、11g…送信部、12…通信部、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…品番記憶部、16…権限記憶部、21…制御部、21a…受信部、21b…閲覧部、21c…送信部、22…通信部、23…操作部、24…表示部、25…記憶部。
【要約】 (修正有)
【課題】サプライチェーンの上流から下流に至るまで、各フェーズで管理されている情報を各者が権限に応じて参照可能とするサーバ装置、商材情報管理シスム、管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】商材情報管理システムにおいて、サーバ装置1は、在庫情報、生産状況情報、発注情報及び販売情報を夫々管理する生地品番、企画品番、管理品番及び製品品番を発行する品番発行部11bと、製品品番と管理品番を対応付け、管理品番と企画品番を対応付け、企画品番と生地品番とを対応付けて管理する品番管理部11cと、情報参照のリクエストを受け付ける受付部11aと、ユーザの参照権限を認証する認証部11dと、生地品番、企画品番、管理品番及び製品品番の対応関係に基づいて、外部システムの管理している情報にアクセスし、リクエストのあった情報を抽出する情報抽出部11eと、抽出した情報をユーザの端末装置に送信する送信部11gと、を有する。
【選択図】
図2