(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】デジタルエラー報告を行うトリガされるイベントのシグナリング
(51)【国際特許分類】
G01S 7/526 20060101AFI20220311BHJP
G01S 15/931 20200101ALI20220311BHJP
B60Q 11/00 20060101ALN20220311BHJP
【FI】
G01S7/526 M
G01S15/931
B60Q11/00 W
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016177532
(22)【出願日】2016-09-12
【審査請求日】2019-07-11
(32)【優先日】2015-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コダー, イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】スヒー, トマーシュ
(72)【発明者】
【氏名】フシュタヴァー, マレク
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-127863(JP,A)
【文献】特開2010-066199(JP,A)
【文献】特開2003-248050(JP,A)
【文献】特開2014-053729(JP,A)
【文献】特開2010-181208(JP,A)
【文献】特開平06-194445(JP,A)
【文献】特開2012-088061(JP,A)
【文献】特開2001-221858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0313438(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0147154(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0120966(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0064809(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0083839(US,A1)
【文献】国際公開第03/070517(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102455967(CN,A)
【文献】実開平05-028978(JP,U)
【文献】特開昭63-269065(JP,A)
【文献】特開昭61-292571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-17/95
G08G 1/16
B60R21/00
B60Q11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアロジック内で、
単一の入力/出力ライン上でトリガ信号を検出することと、
前記トリガ信号に応じて、前記単一の入力/出力ライン上で少なくとも1つの状態ビットを、変換器からのセンサ信号の雑音レベルがしきい値を超えるか否かを示すために、提供することと、
前記少なくとも1つの状態ビットを提供することの後、前記センサ信号におけるエコーパルスの検出された持続時間に等しいパルスの持続時間を有するパルスで前記単一の入力/出力ラインを駆動することと、を含む、センサ制御方法。
【請求項2】
前記変換器で送信パルスを送ることを更に含み、
前記少なくとも1つの状態ビットを提供することは、前記送ることの間に生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超音波変換器を駆動して、送信パルスを生成する送信部と、
前記変換器
に結合されて、センサ信号
におけるエコーパルスの持続時間を検出し、前記センサ信号における雑音レベルを検出する信号プロセッサと、
前記信号プロセッサに結合されて、前記雑音レベルがしきい値を超えるか否かを判定し、かつ前記送信部に結合されてトリガ信号に応答して前記送信パルスを起動するコアロジックであって、前記コアロジックは、単一の入力/出力ライン上で
前記トリガ信号を検出し、前記単一の入力/出力ライン上で
少なくとも1つの状態ビットを応答的に提供した後、前記センサ信号における
前記エコーパルスの
前記検出された持続時間に等しいパルス
持続時間を有するパルスで前記単一の入力/出力ラインを駆動するコアロジックと、
を備え、前記
少なくとも1つの状態ビットは前記センサ信号の
前記雑音レベルが
前記しきい値を超えるか否かを
少なくとも示す、センサコントローラ。
【請求項4】
前記
少なくとも1つの状態ビットは、前記送信パルスの生成中に提供される、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記コアロジックは、前記変換器の残響時間をモニタし、前記
少なくとも1つの状態ビットは、前記残響時間が限度内か否かを示す、請求項4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記コアロジックは、複数の潜在的なエラー状態をモニタする、請求項4に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現代の自動車には、驚くべき数及び種類のセンサが搭載されている。非常に多くのセンサにとって、各センサの配線の必要条件は最小限であることが望ましいが、これには、費用及び信頼性に関して制約を受ける。この方向におけるある努力により、エラー報告は、二の次と考えられ、補助モードを用いて、センサのエラーを検出及び報告するための制御ユニットが必要であった。かかる補助モードは、一般的に、更なる煩雑性、並びに時間を要し、多くの操作中に利用できない場合がある。
【0002】
例えば、駐車支援システムは、超音波変換器又は他の駐車支援センサ(「PAS」)を用いて、車両と選択した駐車スポット内及びその周囲にある任意の障害物との間の距離をモニタする。環境「騒音」及び安全性の懸念のため、車両が狭いエリアに接近及び進入すると、センサは、毎秒何十もの測定を行うように求められる場合がある。およそ20ミリ秒を要するそれぞれの測定と、他の変換器が聴取している間に順番に作動させることを必要とする複数の変換器のそれぞれと、により、想到される少なくとも一部の駐車支援システムは、補助モードに切り替え、様々なセンサの状態を問い合わせするための時間を一切割くことができないであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本明細書では、様々なセンサと、センサコントローラと、1ラインのトリガされるイベント信号を介してデジタルエラー報告を行うセンサ制御方法と、を開示する。例示的なセンサの一実施形態は、センサ信号を生成する変換器と、イベントシグナリングラインと、イベントシグナリングライン上でトリガ信号を検出し、イベントシグナリングライン上で少なくとも1つの状態ビットを応答的に提供した後、センサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動するコントローラと、を備える。例示的なセンサコントローラは、超音波変換器を駆動して、送信パルスを生成する送信部と、変換器からセンサ信号を導出する受信部と、イベントシグナリングライ上ンでトリガ信号を検出し、イベントシグナリングライン上で1つ以上のエラー報告ビットを応答的に提供した後、センサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動するコアロジックと、を備える。例示的なセンサ制御方法は、イベントシグナリングライン上でトリガ信号を検出することと、トリガ信号に応じてイベントシグナリングライン上で少なくとも1つの状態ビットを提供することと、少なくとも1つの状態ビットを提供した後、変換器からのセンサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動することと、を含む。変換器は、超音波パルスを生成及び感知するための圧電素子であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】駐車支援センサを搭載した例示の車両の俯瞰図である。
【
図2】例示の駐車支援システムのブロック図である。
【
図5A】例示のイベントシグナリングラインのための「送受信」タイミングの仕様である。
【
図5B】例示のイベントシグナリングラインのための「送受信」タイミングの仕様である。
【
図6A】例示のイベントシグナリングラインのための「受信専用」タイミングの仕様である。
【
図6B】例示のイベントシグナリングラインのための「受信専用」タイミングの仕様である。
【
図7】例示のセンサ制御方法のフローチャートである。
【0005】
図面及び対応する詳細な説明は、本開示を限定するものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲内にある全ての変形例、均等物、及び代替例を理解するための根拠を提供するものであることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、一組の超音波駐車支援センサ104を搭載した例示の車両102を示す。センサ配列内のセンサの数及び構成は、異なり、通常、それぞれのバンパ上に6つのセンサを有し、両側にある死角検出器のために両側に2つの付加的なセンサを有すると考えられる。車両は、個別の測定並びに共同(例えば、三角測量)測定用のセンサを使用して、様々な検出区域において対象物までの距離を検出及び測定するためのセンサ配列を用いることができる。
【0007】
超音波センサは、送受信機であり、すなわち、それぞれのセンサは、超音波のパルスを送受信することができることを意味する。放出されたパルスは、対象物又は音響インピーダンス不整合の他の何らかの形態に遭遇し、そこから反射するまで、車両から外向きに伝搬する。反射したパルスは、放出されたパルスの「エコー」として車両に返ってくる。放出されたパルスと受信したエコーとの間の時間は、反射点までの距離を示す。センサの全てが、結果として生じるエコーを測定するように構成されてもよいが、1つのセンサのみが一度に送信を行うことが好ましい。
【0008】
図2は、星型トポロジーの中心として様々な超音波センサ204に連結されている電子制御ユニット(ECU)202を示す。自動駐車支援を提供するために、ECU 202は、方向指示器作動装置206、操舵作動装置208、制動作動装置210、及びスロットル作動装置212等の一組の作動装置に更に接続してもよい。ECU 202は、ユーザ・インタラクティブ(user-interactive)インターフェース214に更に連結されて、ユーザの入力を受信し、様々な測定値及びシステム状態を表示することができる。インターフェース、センサ、及び作動装置を使用して、ECU 202は、自動駐車、支援型駐車、車線変更支援、障害物及び死角検出、並びに他の所望する機能を提供することができる。
【0009】
図3に示すように、2つの電源端子(Vbat及びGND)の他に、例示の超音波センサのそれぞれは、
単一の入力/出力(「I/O」又は「IO」)ライ
ンによってECU202に接続されている。センサの接地端子(GND)は、特定用途向け集積回路(ASIC)センサコントローラ302の接地端子に直接接続されるように示される一方、Vbat端子は、RCフィルタ(抵抗器R2及びコンデンサC7)並びにダイオード注入型(D1)蓄積コンデンサC8を介して、センサコントローラ302の供給電圧(VSUP)端子に連結されている。RCフィルタは、任意の高周波雑音をさえぎる一方、蓄積コンデンサは、一時的な電力損失を防ぐ。
【0010】
センサのIO端子は、立ち上がり速度制限雑音フィルタ(コンデンサC9と、抵抗器R3及びR5)を介して、センサコントローラ302のI/O端子に連結される。ECU 202によって又はセンサコントローラ302によって、I/Oラインが積極的に低く駆動(「アサート」状態)されていないとき、プルアップ抵抗器R4は、I/Oラインを供給電圧に付勢する(「ディアサート」状態)。通信プロトコルは、任意の所与の時間にI/Oラインをアサートする2つのコントローラ(ECU 202又はセンサコントローラ302)のうち1つのみを有するように設計されている。
【0011】
センサコントローラ302は、I/Oインターフェース303を備え、休止モード時は、ECU 202によるアサーションのためにI/Oラインをモニタし、主モード時は、I/Oラインの状態を駆動する。ECUは、I/Oラインをアサートすることによってセンサにコマンドを伝達し、様々なコマンドは、様々な長さのアサーションによって表される。コマンドとしては、「送受信」コマンド、「受信専用」コマンド、及び「データモード」コマンドが挙げられる。
【0012】
センサコントローラ302は、不揮発性メモリ305に格納されたファームウェア及びパラメータに従って動作するコアロジック304を備えて、ECUからのコマンドを解析し、超音波パルスの送受信を含む適切な動作を実行する。超音波パルスを送信するために、コアロジック304は、センサコントローラ302上で一対の送信端子を駆動する送信部306に連結されている。送信部の端子は、変圧器M1を介して圧電変換器PZに連結されている。変圧器M1は、センサコントローラからの電圧(例えば、12ボルト)を圧電変換器を駆動するのに好適なレベル(例えば、数百ボルト)へ昇圧する。圧電変換器PZは、平行コンデンサC3で所望の値(例えば、48kHz)に同調された共振周波数と、平行抵抗器R1で同調された共振品質係数(Q)と、を有する。
【0013】
一対のDC隔離コンデンサC1、C2は、圧電変換器をセンサコントローラの一対の受信端子に連結して、高電圧を防ぐ。更なる防護により、受信端子上で内部の電圧固定がもたらされる。かかる防護は、圧電変換器が送信している際の間隔のために必要である。しかしながら、受信したエコー信号は、典型的にはミリボルト又はマイクロボルトの範囲にあるため、低雑音増幅器308が受信端子からの信号を増幅する。増幅された受信信号は、集積アナログ・デジタル変換器(ADC)を有するデジタル信号プロセッサ(DSP)310によってデジタル化及び処理される。
【0014】
DSP310は、プログラム可能な方法を適用して、(その後の残響又は「共鳴」期間を含む)パルスの送信中の変換器の作動期間を測定し、任意の受信したパルス又は「エコー」の長さを検出及び測定する。かかる方法は、閾値比較、最小間隔、ピーク検出、ゼロ交差検出及び計数、雑音レベルの測定、並びに信頼性及び精度を改善するために調整された他のカスタマイズ可能な手法を使用してもよい。DSP310は、共振周波数及び減衰率等の変換器の特性を解析するために、増幅した受信信号を更に処理してもよく、(接続を外されるか、又は故障した変換器、抑制された振動等によるものであり得る)非常に短い作動期間、又は非常に長い作動期間(実装不良、不十分なダンピング抵抗等)等のエラー状態を更に検出してもよい。
【0015】
以下で更に説明するように、I/Oラインを介して受信されたコマンドは、コアロジック304をトリガして、送信部及び受信部を動作させ、ECU202にI/Oラインを介して測定結果を提供する。DSP310によって検出することができるエラー報告に加えて、コアロジックは、超音波パルス送信中の供給電圧の「不足電圧」又は「過電圧」、送信部のサーマルシャットダウン、ハードウェアエラー、不十分なパワーオンリセット等を有する等の他のエラー状態をモニタしてもよい。任意のエラー状態は、内部レジスター又は不揮発性メモリ305内に書き込み及び格納されてもよい。
【0016】
図4は、I/Oライン上での通信のために用いることができる例示の信号のタイミングを示す図である。ECUは、所望のコマンドを表す持続時間、この場合、「送受信」コマンドを表す「T
S」を有する、信号パルス「CMD」を策定する。(例示のコマンドのパルス持続時間は、300~1300マイクロ秒の範囲であってもよい。)センサが非アクティブである(すなわち、測定を行っていないか、ないしはECUからのコマンドに応答していない)時間402の間、I/Oラインは高い(ディアサートである)。ECUは、コマンドを表す間、積極的にラインを低く駆動することによってIO信号をアサートする。I/Oライン上での制限された立ち上がり速度のために多少の伝搬遅延があり、デバウンス間隔(「T
DB」)をアサーションして、バッテリ電圧にラインが戻るタイミングを慎重に検討し、一時的な雑音によるものではないことを確実にする。(例示のデバウンス間隔は、40~80マイクロ秒の範囲内であってもよい。)
【0017】
デバウンス間隔が経過すると、センサコントローラは、プログラムされた測定間隔404の間、I/Oラインを制御する。測定間隔の間のI/Oラインの動作について論じる前に、増幅した受信信号RXを考察する。考察の目的のため、
図4は、RX信号のエンベロープを実際に示すが、現実にはRX信号は、振動性である。
【0018】
センサコントローラは、ECUがI/Oラインをアサートした後、1つのデバウンス間隔を開始させ、送信パルスが送られると終了する、送信前期間406の間の雑音レベルを測定する。送信パルスに対する変換器の作動は、RX信号を飽和させる。送信パルスは、受信部を掌握し、任意の有意義なエコー測定値が、この間隔の間に取得されることを防ぐ。受信信号が閾値408を上回る(かつ/又は本明細書には関連のない他の実装固有の必要条件に準拠する)間、センサコントローラは、I/Oラインを低く駆動する。送信パルスの間のこのアサーションにより、ECUは変換器の残響期間(「TRVB」)を測定することができ、変換器の動作を検証することができる。
【0019】
受信信号が閾値408を下回ると、エコーを検出することが可能になり、I/Oラインは、センサコントローラが有効なエコーを検出するときまでディアサートされる。有効なエコーの必要条件としては、例えば、閾値408を上回る最短時間(「TDLY」)が挙げられ、最短時間は、デバウンス間隔TDB以上である。エコーに応じたI/Oラインのアサーションが、最短時間TDLYだけ遅延することは、かかる必要条件には必須である。アサーションは、エコーパルスの検出された長さに等しい持続時間(「TDET」)の間、持続する。少なくともいくつかの実施形態において、複数のエコーが、I/Oラインのそれぞれのアサーションによって検出され、表されてもよい。プログラムされた測定間隔404の終わりに、センサコントローラ302は、I/Oラインの制御を解除する。
【0020】
前述したプロトコルにより、ECUは、測定中に特定のセンサエラー状態を検出することが可能だが、他の測定状態は検出できない。過剰雑音、不足/過電圧状態等のエラーは、ECUが測定シーケンスを停止し、「データ」コマンドを送るために時間をとって、センサコントローラの適切なレジスターをプローブする場合にのみ検出可能である。かかるプローブなしでは、ECUは、不確実な測定に意図せず依存してしまう場合があるが、かかるプローブによって、測定繰り返し率が不十分となる場合がある。
【0021】
したがって、プロトコルに対するある変更を本明細書で提案する。
図5Aは、立ち上がりエッジ502によって示される、ECUからの送信された「送受信」コマンドの終了時におけるI/Oライン信号の拡大図を示す。前述のプロトコルにおいて、送信パルスが開始され、立ち上がりエッジ502の後、1つのデバウンス間隔T
DBの間、I/Oライン信号を低く駆動する(立ち下がりエッジ504)。立ち上がりエッジ506はその後、残響期間測定の終了及びエコー検出間隔の開始を示す。しかしながら、立ち下がりエッジ504のタイミングは、前述のプロトコルにおいて固定され、有用な情報は伝えないことに留意されたい。有用な情報の伝達は、立ち上がりエッジ506からのみ開始し、通常約400~700マイクロ秒後に開始される。
【0022】
反対に、
図5Bで表すプロトコルは、この残響期間の開始部分を用いて、ECUにデジタル情報を伝える。1つのデバウンス間隔T
DBの経過は、送信パルスの開始と依然一致するが、必ずしも立ち下がりエッジ504によって示されていない。センサコントローラは、多数のビット間隔512~516を定義して(3つが示されているが、これに限定されない)、その直後に送信パルスを開始し、それぞれは、少なくとも1つのデバウンス間隔T
DBの間持続するが、好ましくはそれ以上(例えば、20~50%長く)持続して、付加的な雑音余裕を提供する。あるいは、最小間隔が使用されてもよく、1つ以上の付加的なビット間隔を追加して、エラー検出又はエラー補正を行ってもよい。センサコントローラが、ビット間隔後にI/Oライン信号をアサートすると、少なくとも1つの立ち下がりエッジがビット間隔の直前、最中、又は直後に発生する。伝播遅延が著しい限りにおいて、ECUは、この立ち下がりエッジのタイミングからビット間隔を導出してもよい。もしくは、ECUは単純に、残響期間の長さの測定時にビット間隔を理解する。
【0023】
想到される一実施形態において、第1のビット間隔512の間のアサーションは、送信前期間406の間の過剰雑音レベルを示し、第2のビット間隔514の間のアサーションは、(現在の残響期間の測定がまだ完了していないので、前述した送信パルスの)許容可能な残響期間を示すようにアサートされ、第3のビット間隔は、任意の他のエラー(不足/過電圧、サーマルシャットダウン、ハードウェアエラー、パワーオンリセット等)がないことを示すようにアサートされる。したがって、うまく行われた、エラーのない測定中、I/O信号は、第1のビット間隔の間は高くなり、第2及び第3のビット間隔の間は低くなる。しかしながら、エラーが検出されると、ECUは、最大測定繰り返し率を低下させることなく、直ちにエラーの存在の警告を受ける。
【0024】
ビット間隔は、好ましくは「受信専用」測定の間にも提供される。修正されていないプロトコルにおいて、
図6Aは、立ち上がりエッジ502によって示されるECUからの送信された「受信専用」コマンドの終了時のI/Oライン信号の図を示す。送信されたパルスの間に発生するであろう残響間隔は、立ち下がりエッジ504及び立ち上がりエッジ506によって破線で示される。センサの仕様は、この間隔の間のエコーの検出について一切想到していないため、残響間隔は、有用な情報が伝えられない間の時間を表す。したがって、
図6Bに示す修正したプロトコルは、この間隔の間に前述したビット間隔512~516を提供することによって、最大測定繰り返し率を低下させることなく任意のエラーを報告する。
【0025】
図7は、例示のセンサ制御方法のフローチャートである。フローチャートは、任意の検出したエラーを示すためのレジスターを更新する制御ロジックを有するブロック702で始まる。これらのレジスターは、ECUが読み込むとリセットされる。ブロック704において、制御ロジックは、ECUがI/Oラインをアサートして、コマンドを開始したか否かを判定する。アサートしなかった場合、制御ロジックがコマンドを待つ間、ブロック702及び704が繰り返される。
【0026】
コマンドの開始を検出すると、制御ロジックは、ブロック706において雑音レベルの検出を実行するよう受信部を促す。ブロック708において、制御ロジックは、コマンドが完全に受信されたか否かを判定する。完全に受信されなかった場合、制御ロジックは、コマンドの完了を待つ一方、ブロック704及び706が繰り返される。
【0027】
コマンドが完全に受信されると、制御ロジックは、ブロック710において、これが「データ」コマンドであることを判定する。「データ」コマンドである場合、制御ロジック712は、デジタルデータを解析して、コマンドが何であるかを判定し、それを実行する。例えば、コマンドは、特定の値が指定のメモリアドレスに書き込まれるべきか、又は指定のレジスターの内容が、ECUに送られるべきかを示してもよい。制御ロジックは、コマンドを実行し、その完了についてECUに信号を送る。データ操作が完了すると、制御ロジックは、ブロック702に戻る。
【0028】
コマンドがデータコマンドではない場合、制御ロジックは、ブロック714において、コマンドが「受信専用」コマンドか否かを判定する。「受信専用」コマンドではない場合、ブロック716において、制御ロジックは、送信部をトリガして、送信パルスを送り、ブロック718において、(1つ以上のビット間隔からなる)デジタル状態語をECUへ送る。前述したように、デジタル状態語は、雑音レベル測定と、ハードウェアレジスター内に格納され得る任意のエラー状態と、から導出される。中でもこのような状態は、ブロック720でDSPによって測定されると、非常に長い又は短い残響期間である。したがって、DSPは、ブロック724においてエコー検出を実行し、それに伴いI/Oラインを駆動する。測定期間が経過すると、センサコントローラはブロック702に戻る。
【0029】
制御ロジックがブロック714で、コマンドが「受信専用」コマンドであると判定すると、制御ロジックは、ブロック722で、(デバウンス間隔が経過した後に)コマンドが完了すると、デジタル状態語をECUへ送る。その後、DSPは、ブロック724においてエコー検出を実行し、測定期間が経過すると、センサコントローラは、ブロック702に戻る。
【0030】
図7で図示及び説明される動作は、説明の目的のために連続的に取り扱われるが、実際には、方法は、同時にかつ思索的に動作する複数の集積回路部品により実行されてもよい。連続的な説明は、限定的であることを意味するものではない。更に、前述の実施形態は、存在してもよいが、開示した回路の動作に有意に影響しない寄生インピーダンス、電流制限抵抗器、レベルシフター、ラインクランプ等の複雑性要因を省いてもよい。また更に、前述した説明は、主として超音波センサであったが、原理は、トリガ信号の後の不動作時間を有する1ラインのトリガされるイベントのシグナリングを提供する任意のセンサに適用可能である。上述した開示が完全に理解されると、これら及び他の多くの変形例、均等物、及び代替例が当業者には明らかとなるであろう。以下の特許請求の範囲は、該当する場合、全てのそのような変形例、均等物、及び代替例を包含すると解釈されることが意図される。
【0031】
開示される実施形態は、センサ信号を生成する変換器と、イベントシグナリングラインと、イベントシグナリングライン上でトリガ信号を検出し、イベントシグナリングライン上で少なくとも1つの状態ビットを応答的に提供した後、センサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動するコントローラと、を備える、センサを備える。前記駆動することは、イベントの持続時間を有するセンサ信号パルスを検出すると、前記イベントの持続時間、イベントシグナリングライン上でパルスをアサートすることを含んでもよい。コントローラは、変換器を更に駆動して、トリガ信号に応じて送信パルスを生成してもよく、前記少なくとも1つの状態ビットは、送信パルスの生成中に提供される。コントローラは、変換器の動作特性をモニタしてもよく、前記状態ビットは、動作特性が満足なものであるか否かを示してもよい。コントローラは、センサ信号の雑音レベルを測定してもよく、前記状態ビットは、雑音レベルが閾値を超えるか否かを示してもよい。コントローラは、複数の潜在的なエラー状態をモニタしてもよく、少なくとも1つの状態ビットは、前記エラー状態がないことを一括して示すか、又は前記エラー状態のうちの少なくとも1つを特定する、複数の状態ビットのうちの1つであってもよい。変換器は、超音波変換器であってもよい。
【0032】
開示された実施形態は、イベントシグナリングライン上でトリガ信号を検出することと、トリガ信号に応じてイベントシグナリングライン上で少なくとも1つの状態ビットを提供することと、少なくとも1つの状態ビットを提供した後、変換器からのセンサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動することと、を含む、センサ制御方法を含む。前記駆動することは、イベントの持続時間を有するセンサ信号パルスを検出すると、前記イベントの持続時間、イベントシグナリングライン上でパルスをアサートすることを含んでもよい。方法は、変換器で送信パルスを送ることを更に含んでもよく、前記少なくとも1つの状態ビットを提供することは、前記送ることの間に生じる。方法は、変換器の動作特性をモニタすることを更に含んでもよく、前記状態ビットは、動作特性が満足のいくものであるか否かを示す。方法は、センサ信号の雑音レベルを測定することを更に含んでもよく、前記状態ビットは、雑音レベルが閾値を超えるか否かを示す。方法は、複数の潜在的なエラー状態をモニタすることを更に含んでもよく、少なくとも1つの状態ビットは、前記エラー状態がないことを一括して示すか、又は前記エラー状態のうちの少なくとも1つを特定する、複数の状態ビットのうちの1つである。変換器は、超音波変換器であってもよい。
【0033】
開示された実施形態は、超音波変換器を駆動して、送信パルスを生成する送信部と、変換器からのセンサ信号を導出する受信部と、イベントシグナリングライン上でトリガ信号を検出し、イベントシグナリングライン上で1つ以上のエラー報告ビットを応答的に提供した後、センサ信号に基づいてイベントシグナリングラインを駆動するコアロジックと、を備える、センサコントローラを備える。前記駆動することは、前記イベントの持続時間を有するセンサ信号パルスを検出すると、イベントの持続時間、イベントシグナリングライン上でパルスをアサートすることを含んでもよい。コアロジックは、送信部を更に動作させて、トリガ信号に応じて送信パルスを生成してもよく、1つ以上のエラー報告ビットは、送信パルスの生成中に提供される。コアロジックは、変換器の残響時間をモニタしてもよく、1つ以上のエラー報告ビットは、残響時間が限度内か否かを示してもよい。受信部は、センサ信号の雑音レベルを測定してもよく、1つ以上のエラー報告ビットは、雑音レベルが閾値を超えるか否かを示してもよい。コアロジックは、複数の潜在的なエラー状態をモニタしてもよく、1つ以上の状態ビットは、それぞれの前記エラー状態の有無を示してもよい。