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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】表示灯
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20220311BHJP
【FI】
G08B17/00 H
G08B17/00 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020118164
(22)【出願日】2020-07-09
(62)【分割の表示】P 2019065615の分割
【原出願日】2014-12-12
(65)【公開番号】P2020187769
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2014059513
(32)【優先日】2014-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智広
(72)【発明者】
【氏名】松田 大造
(72)【発明者】
【氏名】岡田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】川添 智由
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1460558(JP,S)
【文献】特開平02-282786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K9/00-9/90
F21S2/00-45/70
F21V1/00-15/04
19/00-19/06
G08B1/00-9/20
17/00-17/12
G09F13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を搭載した基板を収容すると共に押ボタンと押ボタン格納部と発信機本体部を有する発信機が収容される発信機収容部を備えた本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光り、前記発信機収容部に収納された前記発信機の外周側に配置された発光表示部とを有し、
前記発信機収容部における発信機取付面部の背面側に該発信機取付面部によって隠れるように前記発光源を配置し、前記発光表示部には、前記発光源の間接光が入射するように構成されていることを特徴とする表示灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば消火栓箱、総合盤等の機器収納箱に取り付けられる発信機等の防災機器の位置を表示する表示灯に関する。
【背景技術】
【0002】
表示灯の一例として、例えば特許文献1(意匠登録第1460558号公報)には、「中央部に発信機を取り付けるための略矩形状の開口を有し、赤色に着色された半透明部材から成る環状の表示灯本体と、表示灯本体に着脱自在に螺着され、表示灯本体を消火栓格納箱等へ取り付けるための環状の取り付け部材と、表示灯本体と取り付け部材との間に挟持固定され、発光ダイオード(LEDランプ)を等角度ごとに取り付けた環状の基板とから構成されており、表示灯本体の環状空間に配置された発光ダイオードの光を正面及び周囲に環状に放射するようにしたもの」(特許文献1における意匠に係る物品の説明)が開示されている。
【0003】
上記の表示灯においては、環状に発光させることによって視認性の向上を図れ、また、その中央部に発信機を取り付けられるため、表示灯と発信機を別々の位置に設置していたものに比較して設置に必要な面積を小さくすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】意匠登録第1460558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された表示灯は、発光ダイオードを等間隔で多数配置して環状の発光表示部を光らせることで視認性を向上させてようとしている。特許文献1に開示されたものを含め、従来の表示灯においては視認性を向上するために発光ダイオードの数を増やして発光表示部の明るさ(輝度)を増すことを主眼としている。
しかしながら、特許文献1に記載の表示灯のように、発光表示部が細い円環状のものの場合、輝度を増すだけでは視認性が向上するとは限らない。また、消防設備は多数の端末が接続されるため、使用できる電流に限りがあり、当該設備に流す電流を増やすことが難しいという現状がある。そのような制限があるため、表示灯の発光ダイオードの数を増やしても、各LEDの明るさが小さくなるだけであり、視認性が向上するわけではない。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、発光表示部が円環状のものにおいて、発光源の数や輝度を増すことなく視認性を向上させることのできる表示灯を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1-1)本発明に係る表示灯は、取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を搭載した基板を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させる発光表示部とを有し、
前記発光表示部は、リング状に形成されると共に、正面視においてリング状の発光表示部の内周側に、押ボタンと押ボタン格納部と発信機本体部を有する発信機が収容される発信機収容部を有し、
かつ、前記基板が収容された前記発光表示部の背面側の空間に、該空間を満たすように半透明の充填材を充填すると共に前記発信機収容部における発信機取付面部を覆うように反射板を貼り付けたことを特徴とするものである。
(1)本発明に係る表示灯は、取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、発光源を搭載した基板を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させる発光表示部とを有し、前記発光表示部は、リング状に形成されると共に、正面視においてリング状の発光表示部の内周側に、押ボタンと押ボタン格納部と発信機本体部を有する発信機が収容され、
かつ、前記基板が収容された前記発光表示部の背面側の空間に、該空間を満たすように半透明の充填材を充填したことを特徴とするものである。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記発信機の前面部が前記発光表示部よりも奥側に位置するようになっていることを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記充填材を充填する空間を形成する外周壁を不透光性にしたことを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記発光表示部は、リングの両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、発光表示部が、リング状に形成されると共に、正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、かつ、発光源が搭載された基板が収容された前記発光表示部の背面側の空間に、該空間を満たすように半透明の充填材を充填したことにより、半透明の充填材の光ガイド的な作用により発光源の光を効率的に発光表示部に導いて発光表示部を光らせることができ、発光源の数や輝度を増すことなく視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る表示灯の分解斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る表示灯の正面図である。
図3図2のA-A矢視断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る表示灯の反射板の効果を説明する説明図である(その1)。
図5】本発明の実施の形態に係る表示灯の反射板の効果を説明する説明図である(その2)。
図6】本発明の実施の形態に係る表示灯に格納される発信機の斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係る表示灯に発信機を格納して取付面へ取り付けた状態を説明する斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係る表示灯の使用状態における正面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る表示灯の他の態様の説明図であって、表示灯の取付面への取付状態における表示灯の中央を通る縦断面図である。
図10】本発明の実施の形態2に係る表示灯の断面図である。
図11】本発明の実施の形態2に係る表示灯における充填材を充填する部位の説明図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る表示灯の他の態様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態1]
本実施の形態では、取付面としての消火栓設備の筐体等の壁面5に取り付けられ、発信機3(図6及び図7参照)を収納する表示灯1を例に挙げる。
そして、以下においては、まず表示灯1の各構成について図1図5に基づいて適宜他の図を参照しながら詳細に説明し、その後表示灯1に収納する発信機3について説明する。
なお、以下の説明では、表示灯1を壁面5に取り付けた状態で壁面5の手前側を前と言い、壁面5の奥側を奥、後という。
【0015】
〔表示灯〕
表示灯1は、図1に示すように、略円筒体からなる外周壁部7と、外周壁部7の前端側の外周面から外方に張り出すフランジ状からなる取付部9と、外周壁部7の前端側の内側にリング状に形成された発光表示部11と、発光表示部11に連続して外周壁7の内側に形成された発信機収容部13とを有している。
そして、図3に示すように外周壁部7と、その内側に形成された発光表示部11及び発信機収容部13の周壁との間には空間部14が形成され、この空間部14に発光素子15が搭載された基板17が設置されている。
なお、本実施の形態における外周壁部7と発光表示部11と発信機収容部13とが本発明の本体部に相当するが、逆に本発明の本体部はこれらを全て備える必要はなく、発光源を収納する機能を有するものであれば形状は問わない。
【0016】
<外周壁部>
外周壁部7は、透光性を有する樹脂製の部材によって略短円筒状に形成されている。
【0017】
<取付部>
取付部9は、表示灯1を壁面5に取り付けるためのものであり、前述したように外周壁部7の前端側の外周面から外方に張り出す略正方形のフランジ状に形成されている。
取付部9の四隅には、図1および図2に示すように、表示灯1を壁面5に取り付けるためのネジ孔9aが設けられている。
取付部9には、発光表示部11の外周を縁取るリング状の立片部9bが設けられている。すなわち、発光表示部11であるリング状の傾斜面の外周縁部にリング状の立片部9bが設けられている。立片部9bは、表示灯1が壁面5に取り付けられる際に、壁面5に設けられた開口部の縁に内側から当接して(図3参照)、表示灯1の位置決め(位置合せ)をする機能を有している。
【0018】
<発光表示部>
発光表示部11は、図1図3に示すように、取付部9の内周縁から内側かつ奥側に向かって傾斜するリング状に形成されている。なお、図2においては発光表示部11を明確に示すために色付けしている。
発光表示部11は、図3に示すように、表示灯1の設置状態において壁面5より大きく突出しないようになっており、従来の一般的な膨出型の表示灯のように側方から物がぶつかって破損することがない。
発光表示部11は、例えば赤色の透光性部材からなり、空間部14に収容された発光素子15(図3参照)からの光を透光させて明るく光るようになっている。発光表示部11と発光素子15の配置関係については後述する。
【0019】
<発信機収容部>
発信機収容部13は、図1及び図3に示すように、発光表示部11の内周から内側かつ奥側に段形状に形成されており、段の底部が発信機3を取り付けるための発信機取付面部21(図1及び図2参照)になっている。
【0020】
発信機取付面部21は、透光性部材で構成され中央が開口する平坦面からなり、両側に発信機3を取り付けるためのネジ孔21aが設けられている。
発信機取付面部21には、発信機取付面部21の全面を覆うように反射板25が貼り付けられている。反射板25を貼り付けることで、発光素子15の光は反射板25によって反射され、さらに基板17の面等で乱反射して、間接光として発光表示部11から外部に出射される。このように、反射板25を貼り付けることで、発光表示部11を間接光で光らせることができ、発光表示部11を全体的に明るく光らせることができる。
【0021】
この点について実例を挙げて、図4及び図5に基づいて説明する。図4は反射板25を貼り付けずに発光素子15を発光させている状態を示し、図5図4に示すものに反射板25を貼り付けた状態を示す。なお、図4において、発光素子15のある箇所は白く表示されている。
図4に示すように、発光素子15は発信機取付面部21の背面側に配置されるため、発信機取付面部21に反射板25を貼り付けていない場合には、発光素子15の光が反射することなく発信機取付面部21を透過して、発光表示部11を光らせるのに寄与しない。
他方、反射板25を貼り付けた場合には、図5に示すように、反射板25によって反射した光が間接光として発光表示部11に入射して、発光表示部11が全体的に明るく光り視認性が向上している。これによって、発光素子15の数が少なくても必要な視認性が確保されるので、節電効果も得られている。
【0022】
<基板>
基板17は、図1に示すように、中央が開口した円板によって形成されており、基板17の前面側には発光源としての発光素子15が複数配置されている。
基板17は、図3に示すように、前面側が発信機取付面部21に対向するように取り付けられている。
このように基板17が取り付けられることにより、発光素子15は空間部14内において発信機取付面部21に対向するように配置される(図2参照)。
【0023】
図2は、基板17を取り付けた状態における表示灯1の正面図であり、基板17上の発光素子15を破線で示している。
発光素子15は、基板17の左右両端に最も近い位置にある発光素子15が他の発光素子15よりも発光表示部11に最も近くなるように、即ち外周側に配置されている(図2参照)。図2の例では、左右両端の発光素子15の一部が正面視で発光表示部11にかかるようにして配置されている。
このように発光素子15が配置されることで、発光表示部11の両サイド部が上下部よりも明るく光るようになっている。そして、両サイド部と上下部に明度差ができることで、発光表示部が均一の明度で点灯する場合と比べて、視認性が高まる。
なお、発光表示部11の両サイド部を上下部よりも明るく光らせるとは、両サイド部が上下部よりも相対的に明るいことを意味しており、両サイド部が絶対的に明るいことを意味するものではない。また、両サイド部とは、上下部と区別するための概念であり厳密に領域が特定されるものではない。
【0024】
発信機3は一定の高さ(床面から80~150cm)に設けられることになっており、発信機3と一体的に設けられる表示灯1も同様の高さに設けられる。即ち、人の目線に近い位置に表示灯1が設けられることになる。そのような高さに設置される表示灯1が設置される壁面付近から、即ち浅い角度で表示灯1を見たとき、発光表示部11は、手前側のサイドは見えず、奥側のサイドは必ず視認できる(図7参照)。従って、発光表示部11の両サイドを明るく光らせることで、壁面5に表示灯1が取り付けられた状態で、表示灯1を壁面5に沿った斜めから見たときにも、表示灯1を確実に視認できるという効果がある。
また、発光表示部11の両サイドが明るく光ることで、発光表示部11の上下は相対的に暗くなり、発光表示部11の光り方に変化がもたらされ、このことによっても視認性を向上している。
【0025】
〔発信機〕
次に、上述した表示灯1の発信機収容部13に収容される発信機3について図6及び図7に基づいて以下に説明する。
発信機3は、図6に示す通り、押下されると火災信号を発信する押ボタン31と、円板状からなる押ボタン格納部33と、押ボタン格納部33の背面側に形成された発信機本体部35とを有している。
【0026】
押ボタン格納部33には、押ボタン格納部33の内部に設けられて送受話器が接続される電話ジャック(図示なし)を開閉自在に覆う電話ジャック用窓扉33aが設けられている。
発信機本体部35は、箱状からなり内部に押ボタン31に連動するスイッチ等(図示なし)を格納している。
【0027】
図7に示すように、発信機3は表示灯1の発信機収容部13に収容されると、発光表示部11に囲まれるように、かつ、発光表示部11の内周縁と略面一になるように配置される。この状態で、表示灯1の発光表示部11が光ることで、発信機3の位置が表示される。
【0028】
以上のように構成された表示灯1の使用状態(発信機3を収容して発光表示部11を光らせた状態)における効果について図8に基づいて説明する。
表示灯1の発光表示部11は、図8に示すように、通常時において明るく光っており発信機3(防災機器)の位置を表示している。
【0029】
前述したように、発光表示部11の両サイド部が上下部よりも明るく光るので、表示灯1を壁面5に沿った斜めから見たときにも、表示灯1を確実に視認できる。また、発光表示部11は両サイドが上下よりもより明るくなっており、リング状の発光表示部11の光り方に変化があるため、人が移動しながら表示灯1を見ると、視線の位置が変わることで、表示灯1を見る角度が変化していき、それに伴って、視認できる発光表示部11の両サイド及び上下面の面積が変化する。これにより、表示灯1の見え方が変わり、より視認性が高まっている。
【0030】
また、発光表示部11は中心部に向かう傾斜面となっているので、図2に示すように正面側からの視認性に優れると共に、図7に示すように側方からの視認性にも優れている。
また、本例ではリング状の発光表示部11のリング内に発信機3が設置されており、上記のような傾斜面となっていることから、発光表示部11は発信機3の押ボタン31を照らすことができ、暗所であっても発信機3の操作や、電話ジャックへの送受話器の接続作業が容易である。
また、表示灯1は壁面5から大きく突出する部分がなく、従来の一般的な膨出型の表示灯1のように側方から物がぶつかって破損することがない。
【0031】
なお、上記の説明では、発光素子15を、図3に示すように、表示灯1の正面に向けて配置した例を示したが、発光素子15の配置はこれに限られない。例えば図9に示すように、発光素子15を表示灯1の中心に向けて配置してもよく、このように配置することで、側方からの表示灯1の視認性を増すことができる。なお、図9において図3と同一のものには同一の符号を付している。
あるいは、発光素子15を正面側に向けて配置する部分と、表示灯1の中心に向けて配置する部分とが混在するような配置であってもよい。もっとも何れの場合も、図3に示すものの場合と同様に両サイドに配置された発光素子15が他の発光素子15よりも発光表示部11に最も近くなるように配置する。
【0032】
また、上記の説明では、発光表示部11の両サイドを上下よりも明るく光らせるために、両サイドに配置された発光素子15が他の発光素子15よりも発光表示部11に最も近くなるように配置した例を示したが、発光表示部11の両サイドを上下よりも明るく光らせるための他の方法として、例えば、各発光素子15の発光表示部11までの距離は均等にして、両サイド部の発光素子15の輝度を上下部のものより高く設定するようにしてもよい。あるいは、発光素子15の配置と輝度の両方を調整してもよい。
さらには、上下には発光素子15を配置しないようにして、発光表示部11の上下部が相対的に暗くなるようにしてもよい。
また、外周壁部7の外周面に、内周側に光を反射させるように反射材を貼付しても良い。そうすることで、発光素子15から発光された光や、反射材に反射した光が、外周壁部7を透過して壁面5の裏側に抜けることがなく、発光表示部11を効率良く発光させることができる。
また、発光表示部11の上下面に反射材を貼付することで、上下面に向かってきた発光素子15からの光も乱反射させ、上下面は光らせず、両サイドのみをより強く光らせることもできる。
【0033】
また、発光表示部11として円形リングの例を示したが、本発明の発光表示部11はリング状であればよく円形リングに限られず、例えば矩形リング状であってもよいし、あるいは多角形リング状であってもよい。
【0034】
発光表示部11を構成する透光性部材は、赤色に限られない。発光表示部11は無色透明な透光性部材で構成されても良い。この場合、発光素子15を赤色のLEDにすることで、発光表示部11は赤く表示されることになる。
【0035】
また上記の説明では、発光表示部11のリングの内側に発信機収容部13を設けて発信機3が収容されている例を示したが、発信機3は表示灯1の外部に設けるようにしてもよい。この場合、発光表示部11のリングの内側には、発信機3に代えて発光表示部11のリングの内側を覆う赤色の円板を設けてもよい。
このように本発明の表示灯は、発信機3と一体型の表示灯1として構成することもできるし、あるいは発信機3と別体型の表示灯として構成することもでき、これらを状況に応じて適宜選択することが可能である。
【0036】
[実施の形態2]
図10図11は本発明の実施の形態2の表示灯37の説明図であり、実施の形態1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態に係る表示灯37は、実施の形態1と同様に、発光源としての発光素子15を搭載した基板17を収容する本体部38と、発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部11とを有し、発光表示部11は、リング状に形成されると共に、リング状の発光表示部11に囲まれた部位(即ち、正面視において、発光表示部11の内周側)に発信機3が配置されている。
【0037】
そして、発光表示部11の背面側の基板17が収容された空間部14(図11参照)には、空間部14を満たすように半透明の充填材39が充填されている(図10参照)。
【0038】
充填材39としては、例えばポリウレタンやシリコン等を用いることができる。また、充填材39の機能は、基板17に対する防水作用と、発光素子15の光を発光表示部11に導くライトガイドとしての機能、さらには光が充填材39の中を透過することで、充填材39の中全体に光が広がり、間接光のようになることが挙げられる。このような光拡散機能を発揮するために、充填材39は半透明であることが必要であり、例えば乳白色のものが好ましい。
また、発熱する発光素子15等を充填剤39で覆うことで、発熱した熱が充填剤39に伝導するため、充填剤39は放熱作用も有している。
【0039】
なお、発信機3の前面部(押ボタン格納部33の表面)は、図10に示すように、発光表示部11よりも奥側に位置するようになっており、発光素子15が点灯したときに発信機3よりも前面側にある発光表示部11が光るので、表示灯37を斜めから見たときにも発信機3に遮られることなく発光表示部11を視認でき、発光表示部11を確実に視認することができる。
また、壁面5に設置した状態で表示灯37を斜めから見ると、見る人がいる側とは反対側の発光表示部11を視認することできる。この点、特許文献1(意匠登録第1460558号公報)のものでは、環状の表示灯本体よりも環状の内側に配置された発信機の前面が突出しているので、見る人がいる側の側面のみが見えるのとは、見え方が異なっている。
【0040】
充填材39を充填することで、発光素子15の光が充填材39の中で全体に広がるので、発光素子15の配置は、かならずしも実施の形態1のようにする必要がないが、実施の形態1と同様の配置にすることで、実施の形態1で示したように、人が移動しながら表示灯37を見ると、表示灯37の見え方が変わり、より視認性が高まると言う効果を奏することができる。
【0041】
なお、発光表示部11は、実施の形態1のように傾斜面でなく、図12に示すように、奥側に向かって垂下する垂下面としてもよい。
発光表示部11が傾斜していない垂下面であっても、図12に示すように、発信機3を収納した状態で、発信機3の押ボタン格納部33の厚みよりも垂下面の深さが深くなるように設定することで、発信機3の押ボタン格納部33の前面が発光表示部11よりも奥側に配置され垂下面の上部が露出する。このため、発光素子15が点灯したときに垂下面が光り、表示灯37を斜めから見たときにも発信機3に遮られることなく発光表示部11を視認でき、発光表示部11を確実に視認することができる。
また、発光表示部11を奥側に垂下する垂下面としたことで、リング状の発光表示部11がリング径方向外側に広がることがなく、全体形状をコンパクトにできという効果もある。
【0042】
実施の形態1でも説明したが、外周壁部7の外周面に例えば反射材を貼付して外周壁部7を不透光性にすることで、内周側に光を反射させるようにしても良い。これにより、発光素子15から発光された光が、外周壁部7を透過して壁面5の裏側に抜けることがなく、発光表示部11を効率良く発光させることができる。
なお、外周壁部7を不透光性にする手段としては、反射材を貼付するほか、外周壁部7を不透光性かつ反射性の高いカバー体で覆うようにしてもよい。そのカバー体は、例えば、白色の樹脂によって形成される。
【符号の説明】
【0043】
1 表示灯
3 発信機
5 壁面
7 外周壁部
9 取付部
9a ネジ孔
9b 立片部
11 発光表示部
13 発信機収容部
14 空間部
15 発光素子
17 基板
21 発信機取付面部
21a ネジ孔
25 反射板
31 押ボタン
33 押ボタン格納部
33a 電話ジャック用窓扉
35 発信機本体部
37 表示灯(実施の形態2)
38 本体部
39 充填材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12