IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オシア,インク.の特許一覧

特許7038811ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信
<>
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図1
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図2
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図3
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図4
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図5
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図6A
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図6B
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図7
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図8
  • 特許-ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20220311BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220311BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20220311BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/80
H02J50/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020524810
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2017068128
(87)【国際公開番号】W WO2019094056
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】62/583,323
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515213630
【氏名又は名称】オシア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼイン,ハテム イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】メイズ,デール ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】モハダム,アーマド
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0326660(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217967(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0259447(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0149294(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0156388(US,A1)
【文献】特表2018-506252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/80
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス動力伝送システムを動作させる方法であって、
アンテナアレイの第1のアンテナが、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第1の符号化ビーコン信号を受信するステップと、
前記第1の符号化ビーコン信号の受信に応じて、同一の前記アンテナアレイの第2のアンテナが、ワイヤレス動力を前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するステップと、
前記第2のアンテナが前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに前記ワイヤレス動力を送達しながら、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントとは異なる第2のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第2の符号化ビーコン信号を前記第1のアンテナが検出するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントは、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントが前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの低動力レベルを決定することに応じて、前記第1の符号化ビーコン信号を開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントは、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントが前記ワイヤレス動力伝送システムの受信範囲への移動を識別することに応じて、前記第1の符号化ビーコン信号を開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した前記第1の符号化ビーコン信号を処理して、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別するステップと、
該クライアント固有の情報に基づいて、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの送信設定を生成するステップとをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別するために前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信された前記第1の符号化ビーコン信号を処理する方法は、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した前記第1の符号化ビーコン信号の受信位相を処理し、前記第1の符号化ビーコン信号の前記受信位相に対応する格納された位相に基づいて、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられた前記クライアント固有の情報を識別するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のアンテナは第1の複数のアンテナであり、前記第2のアンテナは、第2の複数のアンテナであり、
前記クライアント固有の情報に基づいて前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの前記送信設定を生成するステップは、
前記第1の複数のアンテナアンテナにおいて、
前記受信された第1の符号化ビーコン信号の複素共役を決定するステップと、
前記複素共役に基づいて動力伝送位相シフトを計算するステップとを含み、
前記ワイヤレス動力を前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するステップは、前記送信設定に基づいて、前記対応する動力伝送位相シフトを使用してワイヤレス動力を前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するように前記第2の複数のアンテナアンテナに指示するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ワイヤレス動力は、第1の周波数チャネルを介して前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達され、一方で前記第2の符号化ビーコン信号、第2の周波数チャネルを介して前記第2のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の前記ワイヤレス動力レシーバクライアントのうち、少なくとも1つは、複数のワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力を同時に受け取るように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ワイヤレス動力レシーバクライアントは、半二重方式を使用するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレス動力伝送システムであって、
アンテナアレイ、および
該アンテナアレイに動作可能に結合された制御回路を含み、該制御回路は、
前記アンテナアレイの第1のアンテナが、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第1の符号化ビーコン信号の受信に応じて、
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントにワイヤレス動力を送達するように同一の前記アンテナアレイの第2のアンテナに指示し、
前記第2のアンテナが前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに前記ワイヤレス動力送達しながら、前記第1のアンテナが、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントとは異なる第2のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第2の符号化ビーコン信号を検出するように構成される、システム。
【請求項11】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントは、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントが前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの低動力レベルを決定すると、前記第1の符号化ビーコン信号を開始する、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項12】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントは、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントが前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの前記ワイヤレス動力伝送システムの受信範囲内への移動を決定すると、前記第1の符号化ビーコン信号を開始する、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項13】
前記制御回路は、
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した前記第1の符号化ビーコン信号を処理して、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別し、
該クライアント固有の情報に基づいて、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの送信設定を生成するようにさらに構成される、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項14】
前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した前記第1の符号化ビーコン信号を処理して、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別するために、前記制御回路は、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した前記第1の符号化ビーコン信号の受信位相を処理して、前記第1の符号化ビーコン信号の前記受信位相に対応する格納された位相に基づいて、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられた前記クライアント固有の情報を識別するように構成される、請求項13に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項15】
前記第1のアンテナは第1の複数のアンテナであり、前記第2のアンテナは、第2の複数のアンテナであり、
前記クライアント固有の情報に基づいて前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントのための前記送信設定を生成するために、前記制御回路は、
前記第1の複数のアンテナのアンテナにおいて、
前記受信された第1の符号化ビーコン信号の複素共役を決定し、
前記複素共役に基づいて動力伝送位相シフトを計算するように構成され、
前記ワイヤレス動力を前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するために前記制御回路は、前記送信設定に基づいて、前記計算された動力伝送位相シフトを使用してワイヤレス動力を前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するように前記第2の複数のアンテナアンテナに指示するように構成される、請求項13に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項16】
前記ワイヤレス動力は、第1の周波数チャネルを介して前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達され、一方で前記第2の符号化ビーコン信号、第2の周波数チャネルを介して前記第2のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信される、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項17】
前記第1および第2の前記ワイヤレス動力レシーバクライアントのうち、少なくとも1つは、複数のワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力を同時に受け取るように構成される、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項18】
前記ワイヤレス動力レシーバクライアントは、半二重方式を使用するように構成される、請求項10に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項19】
プロセッサ実行可能プログラム命令が格納された1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、ワイヤレス動力伝送システムのプロセッサによって実行されると、前記ワイヤレス動力伝送システムに、
アンテナアレイの第1のアンテナが、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第1の符号化ビーコン信号の受信に応じて、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントにワイヤレス動力を送達するように同一の前記アンテナアレイの第2のアンテナに指示すること、および
前記第2のアンテナが、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに前記ワイヤレス動力を送達しながら、前記第1のアンテナが、前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントとは異なる第2のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された第2の符号化ビーコン信号を検出するように構成される、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記ワイヤレス動力は、第1の周波数チャネルを介して前記第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達され、一方で前記第2の符号化ビーコン信号、第2の周波数チャネルを介して前記第2のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信される、請求項19に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの電子機器は電池で駆動する。充電式電池は、従来の乾電池を交換するコストを回避し、貴重な資源を節約するためによく使用される。しかし、従来の充電式電池充電器を使用して電池を充電するには、交流(AC)電源コンセントにアクセスする必要があり、これは時々利用できなかったり不便であったりする。したがって、電子機器にワイヤレスで動力を供給することが望ましい。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2017年11月8日に提出された「Anytime Beaconing in a Wireless Power Transmission System(ワイヤレス動力伝送システムにおける常時ビーコン送信)」と題する米国仮特許出願第62/583,323号の優先権を主張し、その恩恵を受ける。
【0003】
ワイヤレス充電の分野では、ビジネス環境または家庭環境での安全で信頼性の高い使用が主な関心事である。今日まで、ワイヤレス充電は、磁気または誘導充電ベースのソリューションに限定されていた。残念ながら、これらのソリューションでは、ワイヤレス動力伝送システムとレシーバが互いに接触または非常に近接している必要がある。非接触または非常に近接していないワイヤレス動力伝送には、たとえば、無線周波数(RF)信号を介した伝送、超音波伝送、レーザ給電などのより高度な機構が必要だが、それぞれに商業的成功のための固有のハードルがいくつかある。
【0004】
これまでで最も実行可能なシステムは、RFを介した動力伝送を利用している。しかし、一般的な住宅、商業ビル、またはその他の居住環境内でのRF伝送の状況では、送信信号のRF曝露レベルを制限する多くの理由がある。その結果、動力供給は比較的低い動力レベルに制限される。この低いエネルギー移動率のため、システムが効率的であることが不可欠である。
【0005】
信号をクライアントに提供するための典型的な手法は、マスター・バス・コントローラが、ビーコンを送信するタイミングをクライアントに指示し、アンテナ要素に受信ビーコンのサンプルを取得して複雑な位相を決定するタイミングを指示することを含む。次に、マスター・バス・コントローラは、アンテナ要素に、複素共役を計算し、その結果を、動力信号をクライアントに提供するクライアントへの経路として格納するように指示する。次に、マスター・バス・コントローラは次のタイムスロットを次のクライアントに送信する。このシステムでは、クライアントが指定されたタイムスロットで動力信号を受信できる場合があるが、クライアント通信のタイミングは、マスター・バス・コントローラによって個別に調整する必要があるため、この方法では、マスター・バス・コントローラ、アンテナボード、およびクライアント間の大量の通信が必要である。したがって、この手法は、追加の動力に使用できる利用可能なタイムスロットを減らす。
【0006】
他の典型的な手法は、マスター・バス・コントローラが、後続の時間間隔に対するクライアント動力スケジュールを事前に計算し、そのスケジュールをクライアントとアンテナボードの両方に送信することを含む。この方法では、マスター・バス・コントローラは、開始時刻と事前に準備されたビーコンスケジュールを割り当て、どのクライアントがどのタイムスロットで動力信号を受信するかを決定する。この方法は以前の動力ビーコンモデルよりも時間効率が高いが、動力信号の送信に使用されたかもしれないタイムスロットが、事前に準備されたスケジュールを含む通信の送信に割り当てられる。さらに、この手法では、クライアントが動力を受け取る伝送システムを制御することはできないため、ビーコンをリッスンしたり、動力ビーコンを受信したりしていても、クライアントは移動またはローミングできない。クライアントは、通信ビーコンがいつ送信されるかを認識して、タイムスケジュールに基づいて利用可能であった動力を取得できるようにする必要があるため、基本的にアクティブな動力レシーバになる。
【0007】
したがって、上で概説した実証された問題を克服する技術と、追加の利点を提供する技術が必要である。本明細書で提供される一部の以前のシステムまたは関連するシステムの例およびそれらに関連する制限は、例示的であり、排他的ではないことが意図されている。既存または以前のシステムの他の制限は、以下の詳細な説明を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、全二重を使用するワイヤレス動力伝送のための方法が説明される。方法は、ワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力を受け取るように構成されたワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された符号化ビーコン信号を受信するステップを含む。方法は、ワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するステップと、それと同時に追加のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された追加の符号化ビーコン信号を検出するステップとをさらに含む。
【0009】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な態様で修正することができる。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0010】
本発明の1つ以上の実施形態は、添付の図面の図において限定ではなく例として示され、同様の参照は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一部の実施形態による、全二重を使用する、ワイヤレス動力伝送環境内の様々なワイヤレスデバイスにワイヤレス動力を送達するための1つ以上のワイヤレス動力伝送システムの常時ビーコン送信を示す例示的なワイヤレス動力伝送環境を示す。
図2】一部の実施形態による、1つ以上のワイヤレス・レシーバ・クライアントに動力をワイヤレスに伝送するためにワイヤレス動力伝送システムによって実行される常時ビーコン送信の例示的な動作を示すフロー図を示す。
図3】一部の実施形態による、ワイヤレス動力送達のためのワイヤレス動力伝送システムとワイヤレス・レシーバ・クライアントとの間の常時ビーコン送信のためのシーケンス図を示す。
図4】一部の実施形態による、常時ビーコン送信のためのワイヤレス動力伝送システムの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図5】一部の実施形態による例示的なワイヤレス動力レシーバクライアントを示すブロック図を示す。
図6A】一部の実施形態による、常時ビーコン送信のための例示的なローミングワイヤレス動力供給環境を示す図を示す。
図6B】一部の実施形態による、常時ビーコン送信のための例示的なローミングワイヤレス動力供給環境を示す図を示す。
図7】一部の実施形態による、常時ビーコン送信のための例示的な全二重タイミングスケジュールを示すタイミング図である。
図8】一部の実施形態による、モバイル(またはスマート)電話またはタブレット・コンピュータ・デバイスの形態の、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアントを有する代表的なモバイルデバイスまたはタブレットコンピュータの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図9】本明細書で論じられる方法論のいずれか1つ以上を機械に実行させるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステムの、例示的な形態の機械の図式表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、ワイヤレス伝送環境アプリケーションにおける全二重動力伝送のための技法について説明する。より具体的には、本開示の実施形態は、ワイヤレス伝送動力レシーバクライアントから1つ以上の符号化信号を受信すると同時に、ワイヤレス動力を他のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するための技法について説明する。
【0013】
本明細書では、ワイヤレス動力伝送を容易にする構造について説明する。より具体的には、全二重を使用するワイヤレス動力伝送システムが、他のワイヤレス動力レシーバクライアントからのビーコンを監視および/または受信しながら同時にワイヤレス動力を第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに送達するために開示される。ワイヤレス動力伝送システムは、ワイヤレス動力レシーバクライアントからビーコンを受信し、ワイヤレス動力レシーバクライアントに動力を送り返すための複数のアンテナアレイを含んでもよい。動力を送出するアンテナアレイおよび動力を受け取るワイヤレス動力クライアントの割り当ては、ワイヤレス動力伝送システムによって決定されるタイムスケジュールの代わりに、ワイヤレス動力レシーバクライアントによる開始に基づいて決定されてもよい。したがって、ワイヤレス動力レシーバクライアントは、パッシブ動力取得モードにとどまり、ワイヤレス動力が必要なとき、ワイヤレス動力伝送システムからのビーコンスケジュールをリッスンして動力伝送を開始する必要なしに、ウェイクアップできてもよい。さらに、そのようなシステムでは、効果的かつ効率的なサービスを保証するために、ワイヤレス動力レシーバクライアントから符号化ビーコン信号を受信し、同時にワイヤレス動力レシーバクライアントに伝送するために、ワイヤレス動力伝送システムの全二重化が必要である。
【0014】
以下の説明および図面は例示的なものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明されている。しかしながら、特定の例では、説明を不明瞭にすることを避けるために、よく知られているまたは従来の詳細は説明されていない。本開示における1つの実施形態への言及は、必ずしもそうである必要はないが、同じ実施形態への言及であってもよく、そのような参照は、実施形態の少なくとも1つを意味する。
【0015】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な別個のまたは代替の実施形態でもない。さらに、一部の実施形態によって示され、他の実施形態によって示され得ない様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態の要件であり得るが他の実施形態の要件ではない可能性がある様々な要件が説明される。
【0016】
本明細書で使用される用語は、一般に、本開示の文脈内、および各用語が使用される特定の文脈において、当技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。本開示を説明するために使用される特定の用語は、本開示の説明に関して実施者に追加のガイダンスを提供するために、以下または本明細書の他の場所で議論される。便宜上、イタリックや引用符などを使用して特定の用語を強調表示する場合がある。強調表示の使用は、用語の範囲と意味には影響せず、用語の範囲と意味は、強調表示されているかどうかにかかわらず、同じコンテキストでは同じである。同じ内容が複数の方法で言えることは理解されるであろう。
【0017】
したがって、ここで説明する用語の1つ以上に代替の言語や同義語を使用してもよく、用語がここで詳しく述べられるまたは説明されているかどうかに特別な意味を持たせるべきではない。特定の用語の同義語が提供されている。1つ以上の同義語の繰り返しは、他の同義語の使用を除外しない。本明細書で論じられている用語の例を含む、本明細書のいずれの場所における例の使用は、単なる例示であり、本開示または例示された用語の範囲および意味をさらに限定することを意図しない。同様に、本開示は、本明細書で与えられる様々な実施形態に限定されない。
【0018】
本開示の範囲をさらに限定することを意図せずに、本開示の実施形態による機器、装置、方法およびそれらの関連結果の例を以下に示す。例の中で、読者の便宜のためにタイトルまたはサブタイトルが使用されている場合があることに注意されたい。これは、決して、開示の範囲を制限するものではない。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、この開示が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合は、定義を含めて、本文書が優先される。
【0019】
図1は、常時ビーコン送信に全二重を使用する、ワイヤレス動力伝送システム101などの1つ以上のワイヤレス動力伝送システムからのワイヤレス動力伝送を例示するワイヤレス動力伝送環境100の例を含むブロック図を示す。より具体的には、図1は、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアント110~112への動力伝送(「ワイヤレス動力供給システム」、「アンテナアレイシステム」および「ワイヤレス充電器」とも呼ばれる)を示している。ワイヤレス動力伝送システム101は、符号化ビーコンを受信し、ワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110~112(本明細書では「クライアント」および「ワイヤレス動力レシーバ」とも呼ばれる)に送出するように構成される。ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112は、ワイヤレス動力伝送システム101などの1つ以上のワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力を受け取って処理するように構成される。例示的なワイヤレス動力伝送システム101の構成要素は、図4においてと同様に、以下により詳細に示され、論じられる。例示的なワイヤレス動力レシーバクライアント110~112の構成要素は、図5を参照してより詳細に示され、論じられる。
【0020】
ワイヤレス動力伝送システム101は、複数のアンテナ103a~103n、たとえば、ワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110~112に送達することができる数百または数千のアンテナを含むアンテナアレイを含むことができる。一部の実施形態では、アンテナは、適応位相無線周波数(RF)アンテナである。ワイヤレス動力伝送システム101は、コヒーレント動力伝送信号をワイヤレス動力レシーバクライアント110~112に送達するための適切な位相を決定することができる。アレイは、互いに対して特定の位相で複数のアンテナから信号(たとえば、連続波またはパルス動力伝送信号)を放射するように構成される。「アレイ」という用語の使用は、アンテナアレイを特定のアレイ構造に必ずしも限定するものではないことを理解されたい。つまり、アンテナアレイを、特定の「アレイ」の形式や形状で構成する必要はない。さらに、本明細書で使用される「アレイ」または「アレイシステム」という用語は、無線、デジタルロジックおよびモデムなどの信号生成、受信および送信のための関連および周辺回路を含むように使用され得る。一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、1つ以上のアンテナまたはトランシーバを介したデータ通信のための組み込みWi-Fiハブを有してもよい。
【0021】
図1の例に示されるように、動力送達アンテナ103a~103nは、ワイヤレス動力伝送システム101に含まれる。動力送達アンテナ103a~103nは、ワイヤレス動力供給環境においてワイヤレス無線周波数動力の供給を提供するように構成される。一部の実施形態では、1つ以上の動力送達アンテナ103a~103nは、代替的または追加的に、ワイヤレス動力供給に加えて、またはその代わりに、データ通信用に構成することができる。1つ以上のデータ通信アンテナは、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112にデータ通信を送信し、そこからデータ通信を受信するように構成される。一部の実施形態では、データ通信アンテナは、Bluetooth(商標)、Wi-Fi(商標)、ZigBee(商標)などを介して通信することができる。他のデータ通信プロトコルも可能である。一部の実施形態では、1つ以上の動力送達アンテナ103a~103nは、代替的または追加的に、ワイヤレス動力供給に加えて、またはその代わりに、データ通信用に構成することができる。1つ以上のデータ通信アンテナは、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112にデータ通信を送信し、そこからデータ通信を受信するように構成される。
【0022】
ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112のそれぞれは、ワイヤレス動力伝送システム101に信号を送信し、そこから信号を受信するための1つ以上のアンテナ(図示せず)を含む。同様に、ワイヤレス動力伝送システム101は、互いに特定の位相で連続波または離散(パルス)信号を放射することができる1つ以上のアンテナおよび/またはアンテナのセットを有するアンテナアレイを含む。上述のように、ワイヤレス動力伝送システム101は、コヒーレント信号を動力送達アンテナ103a~103nに送達するための適切な位相を決定することができる。たとえば、一部の実施形態では、コヒーレント信号がビーコン(または較正)信号を送信した特定の動力レシーバクライアントに動力を送達するために位相調整されるように、アレイの各アンテナで受信ビーコン(または較正)信号の複素共役を計算することによってコヒーレント信号を決定できる。波は、互いに対して特定の位相で複数の導波管を使用して、複数のアンテナから信号(たとえば、連続波またはパルス送信信号)を放射するように構成することができる。コヒーレントワイヤレス動力信号を送達する他の手法、たとえば、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、本明細書と同日に提出された「Transmission Path Identification based on Propagation Channel Diversity(伝播チャネルの多様性に基づく伝送経路の識別)」と題する米国特許出願第__/___,___号で議論される手法も適用できる。
【0023】
図示されていないが、環境の各構成要素、たとえば、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112、ワイヤレス動力伝送システム101は、たとえば、データ通信同期モジュールなどの制御および同期機構を含むことができる。ワイヤレス動力伝送システム101は、たとえば、ワイヤレス動力伝送システムを建物内の標準または主要な交流(AC)電源に接続する電源コンセントまたは動力源などの動力源に接続することができる。代替的または追加的に、ワイヤレス動力伝送システム101は、電池によって、または他の機構、たとえば太陽電池などを介して動力を供給され得る。
【0024】
図1の例に示されるように、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112は、携帯電話デバイスおよびワイヤレスタブレットを含む。しかしながら、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112は、動力を必要とし、1つ以上の統合された動力レシーバクライアントを介してワイヤレス動力を受け取ることができる任意のデバイスまたはシステムであり得る。本明細書で説明するように、1つ以上の統合された動力レシーバクライアントは、1つ以上のワイヤレス動力伝送システムから動力を受け取りおよび処理し、その動作のために動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110~112(またはワイヤレスデバイスの内部電池)に供給する。
【0025】
本明細書で説明されるように、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112のそれぞれは、例示的な環境100内の別のデバイス、サーバ、および/または他のシステムとの接続を確立できる任意のシステムおよび/またはデバイス、および/またはデバイス/システムの任意の組み合わせであり得る。一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112はそれぞれ、ユーザにデータを提示するためのディスプレイまたは他の出力機能および/またはユーザからデータを受信するための入力機能を含む。例として、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、ビデオゲームコントローラ、サーバデスクトップ、デスクトップコンピュータ、コンピュータクラスタ、そしてノートブック、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA、Blackberryデバイス、Treo、iPhone(登録商標)などのモバイルコンピューティングデバイスなどであり得るが、これらに限定されない。限定ではなく例として、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、時計、ネックレス、指輪、または顧客の体表または内部に埋め込まれたデバイスなどの任意のウェアラブルデバイスであってもよい。ワイヤレス動力レシーバクライアント110の他の例には、安全センサ(たとえば、火または一酸化炭素)、電動歯ブラシ、電子ドアロック/ハンドル、電灯スイッチコントローラ、電気シェーバなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
図1の例には示されていないが、ワイヤレス動力伝送システム101および動力レシーバクライアント110~112はそれぞれ、データチャネルを介して通信するためのデータ通信モジュールを含むことができる。代替的または追加的に、動力レシーバクライアント110~112は、既存のデータ通信モジュールを介してワイヤレス動力伝送システム101と通信するようにアンテナに指示することができる。一部の実施形態では、本明細書では主に連続波形と呼ばれるビーコン信号は、代替的または追加的に、変調信号の形をとることができる。
【0027】
ワイヤレス動力伝送システムはまた、制御回路102を含む。制御回路102は、ワイヤレス動力伝送システム構成要素に制御および知能を提供するように構成される。制御回路102は、1つ以上のプロセッサ、メモリユニットなどを含み、さまざまなデータおよび動力通信を指示および制御することができる。制御回路102は、データキャリア周波数でデータ通信を指示することができる。同様に、制御回路102は、本明細書で論じられるようにワイヤレス伝送システム100にレシーバデバイスと通信するように指示することができる。データ通信は、限定ではなく例として、Bluetooth(商標)、Wi-Fi(商標)、ZigBee(商標)などであり得る。他の通信プロトコルが可能である。
【0028】
「ワイヤレス動力伝送システム」という用語の使用は、ワイヤレス動力伝送システムを必ずしも特定の構造に限定するものではないことを理解されたい。すなわち、ワイヤレス動力伝送システムは、特定の形態または形状で構造化される必要はない。さらに、本明細書で使用される「伝送システム」または「ワイヤレス動力伝送システム」という用語は、無線、デジタルロジックおよびモデムなどの信号生成、受信および送信のための関連および周辺回路を含むように使用され得る。
【0029】
図2は、一実施形態による、常時ビーコン送信に全二重を使用する、ワイヤレス動力伝送システム101などの1つ以上のワイヤレス動力伝送システムからのワイヤレス動力送達の例示的な動作200を示すフロー図である。説明したように、一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス通信送信波、ワイヤレス動力伝送波、または二重目的のデータ/動力伝送波に使用され得る。最初のステップで、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力伝送システム101からワイヤレス動力を受け取るように構成されたワイヤレス動力レシーバクライアント110によって送達および開始された符号化ビーコン信号を受信する(201)。
【0030】
一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、ワイヤレス動力レシーバクライアント110がワイヤレス動力レシーバクライアント110の低動力レベルを決定すると、符号化ビーコン信号を開始する。この例示的な実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、動力レベルが閾値を下回っていると判断するまで、スリープモードのままでいることができる。次に、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、符号化ビーコン信号をワイヤレス動力伝送システム101に送信することによって、ウェイクアップし、ワイヤレス動力伝送を開始することができる。
【0031】
他の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、ワイヤレス動力レシーバクライアント110がワイヤレス動力レシーバクライアント110のワイヤレス動力伝送システム101の受信範囲への移動を決定すると、符号化ビーコン信号を開始することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、受電デバイスのユーザがローミングしているときを検出するためのモーション検出器を含むことができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント110はまた、ワイヤレス動力伝送システム101の信号強度が信号強度範囲を上回り、したがって、ユーザがワイヤレス動力伝送システムのワイヤレス動力充電範囲にローミングしたことを決定することにより、ワイヤレス動力伝送を開始することを決定することができる。
【0032】
一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、時間ベースのスケジュールまたは他の何らかのトリガベースのイベント、たとえば、モーション検出、温度閾値、デバイス上のボタン押下などで、符号化ビーコン信号を開始することができる。
【0033】
次の動作では、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110に送達する(ステップ202)。ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力レシーバクライアント111によって送達および開始された追加の符号化ビーコン信号を同時に検出する(ステップ203)。
【0034】
一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した符号化ビーコン信号を処理して、ワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。このようにして、ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112からのビーコン信号を識別することができる。さらに他の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力レシーバクライアント110から受信した符号化ビーコンを処理して、ワイヤレス動力レシーバクライアント110から受信した符号化ビーコンの受信位相を処理することにより、および符号化ビーコンの受信位相に対応する格納された位相に基づいて、ワイヤレス動力レシーバクライアント110に関連付けられたクライアント固有の情報を識別することにより、ワイヤレス動力レシーバクライアント110に関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。
【0035】
クライアント固有の情報は、ワイヤレス動力レシーバクライアント110に対応するさまざまな特性および/または要件を含むことができる。たとえば、クライアント固有の情報は、ワイヤレス動力レシーバクライアント110の電池レベル、第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110の電池レベル、電池使用情報、温度情報、ワイヤレス動力伝送システム101までの距離、現在ワイヤレス動力レシーバクライアント110に動力を提供している追加のワイヤレス動力伝送システムなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0036】
ビーコン信号は、ワイヤレス動力送達環境内の選択されたクライアントに提供される送信設定で符号化または変調できる。送信設定は、コヒーレント信号が動力を送達するために位相調整されるように、アレイの各アンテナで受信ビーコン(または較正)信号の複素共役を計算することによって決定されるコヒーレント信号であり得る。一部の実施形態では、異なる送信設定が各クライアントまたは通信経路に提供される。ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112ごとに異なる送信設定により、ワイヤレス動力送達環境のクライアントによるビーコンシグナリングの同時またはほぼ同時の送信が容易になり、さらに、許可された(選択された)クライアントのみがワイヤレス動力送達システムによって「ロック」されるのをさらに確実にする。
【0037】
一部の実装では、ワイヤレス動力伝送システム101はまた、クライアント固有の情報に基づいて、ワイヤレス動力レシーバクライアントの送信設定を設定することができる。ワイヤレス動力伝送システム101は、生成された送信設定を使用してワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110に送達するようにアンテナアレイに指示する。ワイヤレス動力伝送システム101は、追加のワイヤレス動力レシーバクライアントのワイヤレス動力レシーバクライアント111によって送達および開始された別の符号化ビーコン信号を同時に受信する。
【0038】
一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、アンテナアレイの各アンテナにおけるビーコン信号の複素共役を決定し、アンテナアレイの各アンテナにおけるビーコン信号の複素共役に基づいて第1の動力伝送位相シフトを計算することにより、符号化ビーコン信号に基づく第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110の送信設定を生成する。この例示的な実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、アンテナアレイに、計算された動力伝送位相シフトを使用してワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント110に送達するように指示することにより、生成された送信設定を使用して第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110にワイヤレス動力を送達するように指示する。
【0039】
さらに別の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、第1の周波数チャネルまたはサブチャネルでワイヤレス動力レシーバクライアント110にワイヤレス動力を送達し、別の符号化ビーコン信号は、第2の周波数チャネルまたはサブチャネルでワイヤレス動力レシーバクライアント111から同時に受信される。他の例示的な実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント110は、複数のワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力を同時に受け取るように構成される。ワイヤレス動力レシーバクライアント110~112はそれぞれ、半二重方式を使用するように構成され得る。
【0040】
他の実施形態は、符号化ビーコン信号を受信するワイヤレス動力伝送システム101上のレシーバとワイヤレス動力を伝送するワイヤレス動力伝送システム101上の送信機との間の相互作用の低減に寄与する信号およびエコーキャンセル技術を含み得る。たとえば、ワイヤレス伝送システム101は、到来するビーコン信号からの100~125デシベル(dB)のエコーキャンセルを必要とする場合がある。一部の例示的な除去技術では、較正を使用して受信信号および送信信号をキャンセルおよびフィルタリングして、キャンセル経路の位相と振幅を調整し、中心周波数での送信漏洩と整合させる。キャンセル帯域幅を広げるために提案される1つの方法は、逆フーリエ変換の時間領域を使用して、アンテナを介した有限分離とアンテナからの信号反射から生じる主な漏れ経路を明らかにすることである。次に、この方法は、適応フィルタを使用して、漏れ経路の時間領域の逆応答を作成し、時変応答を追跡する。キャンセルは、タップ適応フィルタ、アナログ無線周波数キャンセラ、減衰コンデンサを使用することにより、およびキャンセラを出力整合ネットワークの差動低インピーダンス側に取り付けることにより、さらに改善できる。システムが送出動力と受け取り動力とのわずかな差を検出した場合、帯域外フィルタリングを利用して、受信RFと送信RFの間で100+dBの分離を得ることができ、良好な分離マージンと許容可能な位相関連性を維持することができる。
【0041】
図3は、一実施形態による、常時ビーコン送信に全二重を使用する、ワイヤレス動力伝送システム101などの1つ以上のワイヤレス動力伝送システムからのワイヤレス動力送達を示す例示的な動作を示すシーケンス図である。図3に示すように、対応する時間ブロック中にさまざまなステップが実行される。時間ブロックはこの例示的な実施形態では順次かつ連続的であるが、他の実施形態では、時間ブロックは、1つの符号化ビーコン信号の受信と動力信号の送信との間の順序または空間で異なり得ることに留意されたい。しかしながら、どちらのシナリオでも、ワイヤレス動力伝送システム101は、いつでも符号化ビーコン信号を受信し、動力信号を複数のワイヤレス動力レシーバクライアントに送信することができる。
【0042】
最初に、時間ブロック1で、ワイヤレス動力伝送システム101は、第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110から符号化ビーコン信号を受信する。たとえば、第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110は、最初はスリープモードにあり、ワイヤレス動力伝送システム101をリッスンしていないかもしれない。次に、第1のワイヤレス動力レシーバ110は、電池動力レベルが低いと決定し、ウェイクアップすることができる。次に、第1のワイヤレス動力レシーバ110は、電池動力が閾値レベルを下回っているとの決定に応じて、ワイヤレス動力送出を開始することができる。図示されていないが、ワイヤレス動力伝送システム101は、第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110から受信した符号化ビーコン信号を処理して、ワイヤレス動力レシーバクライアント110に関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。ワイヤレス動力伝送システム101はまた、クライアント固有の情報に基づいて、第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110の送信設定を生成(設定)することができる。
【0043】
シーケンス図の第2の時間ブロックに移動すると、ワイヤレス動力伝送システム101は、生成された送信設定を使用して、第2の時間ブロック中に第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110にワイヤレス動力を送達する。また、第2の時間ブロック中に、ワイヤレス動力伝送システム101は、複数のワイヤレス動力レシーバクライアントの第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111によって送達および開始された別の符号化ビーコン信号を同時に受信する。第1のワイヤレス動力レシーバクライアント110と同様に、第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111は、その動力レベルが閾値動力レベルを下回っているとの決定に応じて、符号化ビーコン信号を開始することができる。
【0044】
シーケンスのこの時点で、ワイヤレス動力伝送システム101は、第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111から受信した新しい符号化ビーコン信号を処理して、第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111に関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。ワイヤレス動力伝送システム101はまた、クライアント固有の情報に基づいて、第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111の送信設定を生成することができる。次に、プロセスは後続の時間ブロックに続き、ワイヤレス動力伝送システム101は、生成された送信設定を使用して、後続の時間ブロック中に第2のワイヤレス動力レシーバクライアント111にワイヤレス動力を送達する。また、後続の時間ブロック中に、ワイヤレス動力伝送システム101は、複数のワイヤレス動力レシーバクライアントの追加のワイヤレス動力レシーバクライアントによって送達および開始された追加の符号化ビーコン信号を同時に受信する。
【0045】
図4は、一部の実施形態による常時ビーコン送信のためのワイヤレス動力伝送システム400の例示的な構成要素を示すブロック図を示す。図4の例に示されるように、ワイヤレス動力伝送システム400は、制御ロジック401、外部動力インタフェース402、および動力システム403を含む。制御ロジック401は、プロセッサ404およびメモリ405を含む。さらに、ワイヤレス動力伝送システム400は、アンテナアレイボード407に波を送出する信号生成器406を含む。各アンテナアレイボード407は、スイッチ420a~420n、位相シフタ430a~430n、動力増幅器440a~440n、およびアンテナアレイ450a~450nを含む。
【0046】
制御ロジック401は、アレイ構成要素に制御および知能を提供するように構成される。制御ロジック401は、様々なデータおよび動力通信を指示および制御することができる。信号生成器406は、データキャリア周波数での動力またはデータ通信を含む信号波を計算することができる。信号波は、Bluetooth(商標)、Wi-Fi(商標)、ZigBee(商標)などとすることができ、それらの組み合わせまたはバリエーションを含む。一部の実施形態では、ロジック401はまた、レシーバデバイス410から受信した符号化ビーコン信号に基づく位相シフトを含む送信設定を決定することができる。
【0047】
外部動力インタフェース402は、外部動力を受け取り、その動力を様々な構成要素に供給するように構成される。一部の実施形態では、外部動力インタフェース402は、標準的な外部24ボルト動力源を受け取るように構成されてもよい。他の実施形態では、外部動力インタフェース402は、たとえば、様々な構成要素に動力を供給するために必要な12/24/48ボルトDCを供給する組み込みDC動力源への120/240ボルトAC幹線であり得る。あるいは、外部動力インタフェースは、必要な12/24/48ボルトDCを供給するDC電源とすることもできる。代替構成も可能である。
【0048】
スイッチ420a~420nは、スイッチ420a~420nのそれぞれの内部の接続されたラインから分かるように、スイッチが閉じているとき、動力送出および符号化ビーコン信号受信のためにアクティブ化され得る。一方、スイッチ420a~420nのそれぞれの内部の切断されたラインから分かるように、スイッチが開いているとき、スイッチ420a~420nは、動力送出および符号化ビーコン受信のために非アクティブ化され得る。追加の構成要素も可能である。たとえば、一部の実施形態では、動力をレシーバデバイス410に送出するときに周波数の位相を変更するために、位相シフタ430a~430nが含まれる。位相シフタ430a~430nは、レシーバデバイス410からの符号化ビーコン信号に含まれる位相の複素共役に基づいて、動力信号をレシーバデバイス410に送信することができる。位相シフトはまた、レシーバデバイス410から受信した符号化ビーコン信号を処理し、レシーバデバイス410を識別することによって決定されてもよい。次に、ワイヤレス動力伝送システム400は、動力信号を送信するために、レシーバデバイス410に関連付けられた位相シフトを決定することができる。
【0049】
動作中、ワイヤレス動力伝送システム400を制御する制御ロジック401は、外部動力インタフェース402を介して動力源から動力を受け取り、アクティブ化される。制御ロジック401は、ワイヤレス・レシーバ・クライアント410によって開始された符号化ビーコン信号をアンテナ450a~450nで受信することによって、ワイヤレス動力伝送システムの範囲内で利用可能なワイヤレス・レシーバ・クライアント410を識別することができる。符号化ビーコン信号に基づいてワイヤレス・レシーバ・クライアント410が識別されると、ワイヤレス動力伝送システム上のアンテナ要素のセットは、ワイヤレス動力送出のために動力を入れられ、列挙され、(オプションで)較正される。この時点で、制御ロジック401は、他のワイヤレス・レシーバ・クライアントから追加の符号化ビーコン信号をアンテナ450a~450nで同時に受信することもできる場合がある。
【0050】
送信設定が生成され、制御ロジック401から命令が受信されると、信号生成器406は、動力波を生成してアンテナボード407に転送する。命令および生成された信号に基づいて、動力スイッチ420a~420nが開かれ、または閉じられ、位相シフタ430a~430nが、送信設定に関連付けられた位相に設定される。次に、動力信号は、動力増幅器440a~440nによって増幅され、レシーバデバイス410に向けられた角度で送信される。本明細書で説明するように、アンテナのセット450a~450nは、追加のレシーバクライアントから符号化ビーコン信号を同時に受信している。
【0051】
図5:一部の実施形態による例示的なワイヤレス動力レシーバクライアントを示すブロック図を示す。図5の例に示されるように、ワイヤレス動力レシーバクライアント500は、制御ロジック501、電池502、IoT制御モジュール503、通信ブロック506および関連付けられたアンテナ520、動力計509、整流器510、コンバイナ511、ビーコン信号生成器507、ビーコン符号化ユニット508および関連付けられたアンテナ521、ならびに整流器510またはビーコン信号生成器507を1つ以上の関連付けられたアンテナ522a~522nに接続するスイッチ512を含む。一部の実施形態では、構成要素の一部またはすべてを省略できる。ワイヤレス動力伝送システム400は全二重を使用してもよいが、ワイヤレス動力レシーバクライアント500は半二重方式を使用してもよいことに留意されたい。
【0052】
コンバイナ511は、ワイヤレス動力レシーバクライアント500の動力送出機から動力送出信号を受信し、受信した動力送出信号を結合する。コンバイナは、整合状態を維持しながら出力ポート間の分離を実現するように構成された任意のコンバイナまたはディバイダ回路とすることができる。たとえば、コンバイナ511は、ウィルキンソン動力ディバイダ回路とすることができる。整流器510は、コンバイナ511(存在する場合)から結合された動力送出信号を受信し、これは、充電のために動力計509を介して電池502に供給される。他の実施形態では、各アンテナの動力経路は、それ自体の整流器510を有することができ、整流器からのDC動力は、動力計509に供給される前に結合される。動力計509は、受信した動力信号強度を測定することができ、この測定値を制御ロジック501に提供する。
【0053】
電池502は、保護回路および/または監視機能を含むことができる。さらに、電池502は、電流制限、温度保護、過電圧/不足電圧警告および保護、ならびにクーロン監視を含むがこれらに限定されない1つ以上の機能を含むことができる。制御ロジック501は、電池502自体から電池動力レベルを受け取ることができる。制御ロジック501は、通信ブロック506を介して、クロック同期のためのベース信号クロックなどのデータ信号をデータキャリア周波数で送信/受信することもできる。ビーコン信号生成器507は、ビーコン信号または較正信号を生成し、ビーコン信号が符号化された後、アンテナ521を使用してビーコン信号を送信する。
【0054】
電池502は、ワイヤレス動力レシーバクライアント500によって充電され、それに動力を供給するものとして示されているが、レシーバはまた、整流器510から直接動力を受け取ることもできることに留意されたい。これは、電池502に充電電流を供給する整流器510に加えて、または充電を提供する代わりに行うことができる。また、複数のアンテナの使用は実装の一例であり、構造は1つの共有アンテナに削減できることに留意されたい。
【0055】
一部の実施形態では、制御ロジック501および/またはIoT制御モジュール503は、ワイヤレス動力レシーバクライアント500と通信、および/または別の方法でワイヤレス動力レシーバクライアント500からIoT情報を導出することができる。IoT情報は、ワイヤレス動力レシーバクライアント500の機能に関する情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント500の使用情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント500の1つ以上の電池の動力レベル、および/またはワイヤレス動力レシーバクライアント500によって取得または推論された情報を含むことができる。一部の実施形態では、クライアント識別子(ID)モジュール505は、ワイヤレス動力供給環境において動力レシーバクライアントを一意に識別することができるクライアントIDを格納する。たとえば、IDは、符号化ビーコン信号で1つ以上のワイヤレス動力伝送システムに送信され得る。一部の実施形態では、動力レシーバクライアントはまた、クライアントIDに基づいて、ワイヤレス動力供給環境において他の動力レシーバクライアントを受信および識別することができてもよい。
【0056】
オプションのモーションセンサ504は、モーションを検出し、それに応じて動作するように制御ロジック501に信号を送信することができる。たとえば、動力を受け取るデバイスは、モーションを検出するために、加速度計などのモーション検出機構または同等の機構を統合することができる。デバイスが動いていることを検出すると、ユーザによって使用されていると見なされ、動力の送出を停止するか、符号化ビーコンを使用してワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力送出を開始するために、アレイへの信号がトリガされる。一部の実施形態では、デバイスが車、電車、飛行機などの移動環境で使用される場合、デバイスの動力が非常に低い場合を除き、動力は断続的に、または低減されたレベルでのみ送出される。
【0057】
図6Aおよび図6Bは、一部の実施形態による、常時ビーコン送信のための例示的なローミングワイヤレス動力送達環境600を示す図を示す。図6Aを参照すると、ローミングワイヤレス動力送達環境600は、ワイヤレス動力伝送システム601~602と、ワイヤレス動力伝送システム601~602のそれぞれから放射状に広がる破線の半円によって示されるように、ワイヤレス動力充電範囲とを含む。ローミングワイヤレス動力送達環境600はまた、ユーザ操作ワイヤレス動力レシーバクライアント610を含む。ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、点線の矢印で示されるように、符号化ビーコン信号をワイヤレス動力伝送システム601に送信することに留意されたい。代わりに、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、実線の矢印で示されるように、ワイヤレス動力伝送システム601からワイヤレス動力信号を受信する。
【0058】
次に図6Bを参照すると、ユーザは、ワイヤレス動力伝送システム101に関連付けられたワイヤレス動力充電範囲にローミングしたところである。この特定の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、依然としてワイヤレス動力伝送システム601からワイヤレス動力を受け取っている。しかしながら、ワイヤレス動力伝送システム602のワイヤレス動力充電範囲に入ると、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、今度はワイヤレス動力伝送システム602への追加の符号化ビーコン信号を開始する。その結果、ワイヤレス動力レシーバクライアントは、ワイヤレス動力伝送システム601~602の両方から動力を受け取る。
【0059】
有利には、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、ワイヤレス動力レシーバクライアント610が、自身がワイヤレス動力伝送システム601の範囲内にあると決定するときはいつでも、ワイヤレス動力送出を開始することができる。したがって、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、ワイヤレス動力伝送システムからのワイヤレス動力送出をいつ受け取るかについての指示を継続的にリッスンする必要はない。対照的に、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、ワイヤレス動力レシーバクライアント610が、自身がワイヤレス動力伝送システムの範囲内にあると決定すると、スリープおよびウェイクアップすることができる。これは、ワイヤレス動力レシーバデバイス610の動力を節約し、アクティブ動力取得モードの代わりにパッシブ動力取得モードを使用して動作することができる。さらに、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、特定のワイヤレス動力伝送システムではなくローミングワイヤレス動力送達環境に登録されているため、ワイヤレス動力レシーバクライアント610は、特定のワイヤレス動力伝送システムからではなく、任意のワイヤレス動力伝送システムから動力を受け取ることができる。
【0060】
図7:一部の実施形態による、常時ビーコン送信のための例示的な全二重タイミングスケジュールを示すタイミング図である。タイミング図に示されているように、ワイヤレス動力レシーバクライアントは、第1の周波数チャネルを介して符号化ビーコン信号を送信し、第2の周波数チャネルでワイヤレス動力を受け取ることができる。各周波数チャネルには複数の位相が含まれており、符号化ビーコン信号を受信してワイヤレス動力を送出する際の全二重通信を可能にする。さらに、常時ビーコン送信の全二重タイミングスケジュールには、時間ブロック1から時間ブロックNまでが含まれる。
【0061】
動作中、ワイヤレス動力伝送システムは、第1の時間ブロックで第1の動力レシーバクライアントから第1の符号化ビーコン信号を受信する。全二重タイミングスケジュールに示されているように、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントからの符号化ビーコン信号は、第1の周波数チャネルを介して、位相1-Aなどの第1の位相で受信される。図示されていないが、ワイヤレス動力伝送システムは、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した符号化ビーコン信号を処理して、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。この例では、ワイヤレス動力伝送システムは、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントから受信した符号化ビーコンの受信位相(周波数チャネル1の位相1-Aなど)を処理し、符号化ビーコンの受信位相(周波数チャネル2の位相2-Aなど)に対応する格納された位相に基づいて、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントに関連付けられたクライアント固有の情報を識別する。次に、ワイヤレス動力伝送システムは、クライアント固有の情報に基づいて、第1のワイヤレス動力レシーバクライアントの送信設定を生成することができる。
【0062】
次の時間ブロックで、ワイヤレス動力伝送システムは、時間ブロック2の間に第2の周波数と位相2-Bで第1のワイヤレス動力レシーバクライアントにワイヤレス動力を送達するようにアンテナアレイに指示する。また、時間ブロック2の間、ワイヤレス動力伝送システムは、第2のワイヤレス動力レシーバクライアントから送達および開始された別の符号化ビーコン信号を第1の周波数の位相1-を介して、第3のワイヤレス動力レシーバクライアントによって開始された別の符号化ビーコン信号を第1の周波数の位相1-Cを介して同時に受信する。時間ブロックNの間、ワイヤレス動力伝送システムは、第2の周波数チャネルの位相A~Cを介してワイヤレス動力レシーバクライアントのそれぞれにワイヤレス動力を伝送する。有利なことに、ワイヤレス動力伝送システムは、単一の時間ブロック中に符号化ビーコン信号を受信し、複数のクライアントにワイヤレス動力信号を送信することができる。これにより、最適な充電効率が得られ、ワイヤレス動力レシーバクライアント間の通信および動力伝送スケジュールの調整に費やされる時間が短縮される。
【0063】
図8:一部の実施形態による、モバイル(またはスマート)電話またはタブレット・コンピュータ・デバイスの形態の、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアントを有する代表的なモバイルデバイスまたはタブレットコンピュータの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。すなわち、ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、いくつかの例を実装するためのシステム(すなわち、アーキテクチャ)802を組み込むことができる。一例では、システムは、ワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力伝送を受け取ることができる「スマートフォン」として実装される。一部の例では、システムは、統合された携帯情報端末(PDA)、タブレット、および携帯電話などのコンピューティングデバイスとして統合されている。
【0064】
1つ以上のアプリケーションプログラム804は、メモリ802にロードされ、オペレーティングシステム803上で、またはそれに関連して実行され得る。アプリケーションプログラムの例には、電話ダイヤラプログラム、電子メールプログラム、個人情報管理(PIM)プログラム、ワードプロセッシングプログラム、スプレッドシートプログラム、インターネットブラウザプログラム、メッセージングプログラムなどが含まれる。システムはまた、メモリ802内に不揮発性記憶領域805を含む。不揮発性記憶領域805は、システムの動力源が切れた場合に失われてはならない永続的な情報を記憶するために使用されてもよい。アプリケーションプログラム804は、電子メールまたは電子メールアプリケーションによって使用される他のメッセージなどの、不揮発性記憶領域805内の情報を使用し、格納することができる。同期アプリケーション(図示せず)もシステムに常駐し、ホストコンピュータに常駐する対応する同期アプリケーションと対話して、不揮発性記憶領域805に格納された情報をホストコンピュータに格納された対応する情報と同期させておくようにプログラムされている。理解されるべきであるように、他のアプリケーションがメモリ802にロードされ、本明細書で説明されるモバイルコンピューティングデバイス上で実行され得る。
【0065】
システムは、動力源806を有し、これは、1つ以上の電池として実装され得る。動力源806は、電池を補足または再充電するACアダプタまたは動力付きドッキングクレードルなどの外部動力源をさらに含み得る。ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、通常、ユーザがワイヤレス動力レシーバクライアント800に情報を入力できるようにするディスプレイ807およびキーパッド809を含む。ワイヤレス動力レシーバクライアント800のディスプレイ807はまた、入力デバイス(たとえば、タッチスクリーンディスプレイ)として機能し得る。代替例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、より多いまたはより少ない入力要素を組み込むことができる。たとえば、ディスプレイ807は、一部の例ではタッチスクリーンでなくてもよい。さらに別の代替例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、携帯電話などの携帯電話システムである。オプションのキーパッド809は、物理的なキーパッドまたはタッチスクリーンディスプレイまたはその他のソフト入力パネル(SIP)に生成された「ソフト」キーパッドとすることができる。様々な例において、出力要素は、GUIを示すためのディスプレイ807を含む。一部の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、ユーザに触覚フィードバックを提供するための振動変換器を組み込む。さらに別の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント800は、外部デバイスとの間で信号を送受信するためのオーディオ入力(たとえば、マイクジャック)、オーディオ出力(たとえば、ヘッドフォンジャック)、およびビデオ出力(たとえば、HDMI(登録商標)ポート)などの入力および/または出力ポートを組み込む。
【0066】
システムは、システムと1つ以上の周辺デバイスとの間の接続を容易にする機能を実行するデバイスポート808を含むことができる。デバイスポート808との間の送信は、オペレーティングシステム803の制御下で行われる。言い換えれば、デバイスポート808によって受信された通信は、オペレーティングシステム803を介してアプリケーションプログラム804に広められてもよく、逆もまた同様である。システムはまた、符号化ビーコン信号を送信および受信する機能を実行するワイヤレスインタフェース層810を含む。ワイヤレスインタフェース層810は、ワイヤレス動力送出を開始するために、システムと「外界」との間のワイヤレス接続を容易にする。ワイヤレスインタフェース層810との間の送信は、オペレーティングシステム803の制御下で行われる。言い換えれば、ワイヤレスインタフェース層810によって受信された通信は、オペレーティングシステム803を介してアプリケーションプログラム804に広められてもよく、逆もまた同様である。
【0067】
システムを実装するモバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800は、追加の特徴または機能を有することができる。たとえば、モバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800はまた、磁気ディスク、光ディスク、またはテープなどの追加のデータ記憶装置(取り外し可能および/または取り外し不可能)を含むことができる。そのような追加の記憶装置は、不揮発性記憶領域805によって図8に示されている。モバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800によって生成またはキャプチャされ、システムを介して保存されたデータ/情報は、上述のように、モバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800にローカルに格納されるか、またはデータは、ワイヤレスインタフェース層810を介して、またはモバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800とモバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800に関連付けられた別個のコンピューティングデバイス、たとえばインターネットなどの分散コンピューティングネットワーク内のサーバコンピュータとの間の有線接続を介してデバイスによってアクセスされ得る任意の数の記憶媒体に格納されてもよい。理解されるべきであるように、そのようなデータ/情報は、ワイヤレスインタフェース層810を介して、または分散コンピューティングネットワークを介して、モバイルワイヤレス動力レシーバクライアント800を介してアクセスされ得る。同様に、そのようなデータ/情報は、電子メールおよび共同データ/情報共有システムを含む周知のデータ/情報転送および記憶手段に従って、記憶および使用のためにコンピューティングデバイス間で容易に転送され得る。
【0068】
図9は、実施形態による常時ビーコン送信のための例示的なワイヤレス通信信号送達環境を示す図である。ワイヤレス信号送達環境900は、ワイヤレス動力伝送システム901、ユーザ操作レシーバデバイス902a~902b、およびワイヤレスネットワーク909を含む。ワイヤレス動力伝送システム601は、図1に示すワイヤレス動力伝送システム101または図4のワイヤレス動力伝送システム400であり得るが、代替構成が可能である。同様に、レシーバデバイス902a~902bは、それぞれ図1のワイヤレス動力レシーバクライアント110~112であり得るが、代替構成が可能である。
【0069】
ワイヤレス動力伝送システム901は、動力源903、メモリ904、プロセッサ905、インタフェース906、およびレシーバデバイス902に近接する空間に向けられた放射および受信パターンを有する1つ以上のアンテナ(またはトランシーバ)907を含む。ワイヤレス動力伝送システム901は、複数のアンテナ907を介してワイヤレス通信信号をレシーバデバイス902a~902bに送信する。本明細書で論じられるように、ワイヤレス動力伝送システム901は、レシーバデバイス902a~902bによって受信された通信信号の強度がアンテナ907からのビームの指向性の精度に依存するように、レシーバデバイス902a~902bの方向にある角度でワイヤレス通信信号を送信する。
【0070】
アンテナの基本的な特性は、受信に使用したときのアンテナの受信パターン(方向の関数としての感度)が、送信に使用したときのアンテナの遠方界放射パターンと同じであることである。これは、電磁気学における相反定理の結果である。図9の例に示すように、放射パターンは、波形特性とアンテナ907のアンテナ設計で使用されるアンテナのタイプ(ホーンアンテナ、単純な垂直アンテナなど)によって作成されるビームの指向性に応じて、任意の数の形状と強度にすることができる。たとえば、放射パターンは、様々な指向性パターンを含むことができ、ワイヤレス通信送達環境では、任意の数の異なるアンテナ放射パターンが可能である。限定ではなく例として、ワイヤレス動力伝送特性は、各アンテナまたはトランシーバの位相設定、送出動力設定などを含むことができる。
【0071】
本明細書で論じられるように、ワイヤレス動力伝送システム901は、アンテナまたはトランシーバが一旦構成されると、複数のアンテナまたはトランシーバが、クライアントデバイスに近接する空間のクライアント放射パターンに一致するワイヤレス動力信号を送信するように動作可能であるように、ワイヤレス通信送信特性を決定する。有利には、本明細書で論じられるように、ワイヤレス通信信号は、ワイヤレス通信信号のビームをレシーバデバイス902a~902bに向けてより正確に方向付けるように調整され得る。
【0072】
図9の例に示される放射パターンの指向性は、簡略化のために示されているが、とりわけ、ワイヤレス通信送達環境における反射性および吸収性オブジェクトに応じて、ワイヤレス通信信号をレシーバデバイス902a~902bに送信するために任意の数の経路を利用できることが理解される。
【0073】
ワイヤレス通信送達環境におけるレシーバデバイス902a~902bの位置決めおよび再位置決めは、(任意の極性での)RF信号の3次元の入射角と、RF信号強度またはその他の方法を使用して決定された距離とを組み合わせて使用して、ワイヤレス動力伝送システム901によって追跡され得る。本明細書で説明するように、位相を測定することができるアンテナのアレイを使用して、波面入射角を検出することができる。レシーバデバイス902a~902bに向かう方向の角度は、レシーバデバイス902a~902bまでの距離および動力計算に基づいて決定され得る。代替的または追加的に、レシーバデバイス902a~902bに対する方向の角度は、複数のアレイセグメントから決定され得る。
【0074】
一部の実施形態では、レシーバデバイス902a~902bに向かう方向の角度を決定する際の精度の程度は、アンテナ907のサイズおよび数、位相ステップの数、位相検出の方法、距離測定方法の精度、環境内のRFノイズレベルなどに依存する。一部の実施形態では、ユーザは、環境内での位置および移動を追跡するために、管理者によって定義されたプライバシーポリシーに同意するように求められる場合がある。さらに、一部の実施形態では、システムは、位置情報を使用して、デバイス間の情報の流れを変更し、環境を最適化することができる。さらに、システムはワイヤレスデバイスの位置情報の履歴を追跡し、移動パターン情報、プロファイル情報、および好み情報を作成できる。
【0075】
詳細な説明の一部の部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示され得る。これらのアルゴリズムの説明と表現は、データ処理技術の当業者が他の当業者に自らの仕事の内容を最も効果的に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、ここではおよび一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の操作であると考えられている。操作は、物理量の物理的な操作を必要とする操作である。通常、必ずというわけではないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、その他の操作が可能な電気信号または磁気信号の形式をとる。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶことは、主に慣用の理由から、時には便利であることが証明されている。
【0076】
ただし、これらの用語および類似の用語はすべて適切な物理量に関連付けられ、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことを覚えておく必要がある。特に明記しない限り、以下の説明から明らかなように、説明全体を通して、「処理」または「コンピュータ処理」または「計算」または「決定」または「表示」などの用語を使用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作および変換して、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶、伝達または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作および変換する、コンピュータシステムまたは類似の電子計算デバイスの操作および処理を指すことが理解される。
【0077】
本明細書に提示されるアルゴリズムおよび表示は、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムを、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用することができ、または一部の実施形態の方法を実行するためにより専門的な装置を構築することが好都合であることが判明する場合がある。これらのさまざまなシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになる。さらに、技法は、特定のプログラミング言語を参照して説明されておらず、したがって、様々な実施形態は、様々なプログラミング言語を使用して実装され得る。
【0078】
代替の実施形態では、機械は、スタンドアロンデバイスとして動作するか、または他の機械に接続(たとえば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク化された展開では、機械は、クライアントサーバネットワーク環境のサーバまたはクライアント機械の能力で、またはピアツーピア(または分散)ネットワーク環境のピア機械として動作する。
【0079】
機械は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、iPhone(登録商標)、Blackberry、プロセッサ、電話、Web器具、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはその機械が実行する動作を指定する一連の命令(順次またはその他)を実行できる機械であり得る。
【0080】
機械可読媒体または機械可読記憶媒体は、例示的な実施形態では単一の媒体であると示されているが、「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを格納する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための一連の命令を記憶、符号化、または運ぶことができ、機械に現在開示されている技術および革新の方法論の任意の1つ以上実行を行わせる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。
【0081】
一般に、本開示の実施形態を実装するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部、または「コンピュータプログラム」と呼ばれる特定のアプリケーション、構成要素、プログラム、オブジェクト、モジュール、または一連の命令として実装され得る。コンピュータプログラムは通常、コンピュータのさまざまなメモリおよびストレージデバイスにさまざまな時点で設定された1つ以上の命令を含み、コンピュータの1つ以上の処理ユニットまたはプロセッサによって読み取られて実行されると、コンピュータに本開示のさまざまな態様を含む要素を実行するための動作を実行させる。
【0082】
さらに、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびコンピュータシステムの文脈で説明されたが、当業者は、様々な実施形態が様々な形態のプログラム製品として配布可能であり、実際に配布が効果をあげるために使用される特定のタイプの機械またはコンピュータ可読媒体に関係なく本開示が等しく適用されることを理解するであろう。
【0083】
機械可読記憶媒体、機械可読媒体、またはコンピュータ可読(記憶)媒体のその他の例には、とりわけ、揮発性および不揮発性メモリデバイス、フロッピーおよびその他のリムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)など)、デジタルおよびアナログ通信リンクなどの送信タイプの媒体などの記録可能なタイプの媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、説明および特許請求の範囲を通して、「備える」、「含む」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的意味で解釈されるべきであり、つまり、「含むがそれに限定されない」という意味である。本明細書で使用される場合、「接続された」、「結合された」という用語、またはそれらの任意の変形は、2つ以上の要素間の直接または間接のいずれかの接続または結合を意味し、要素間の接続の結合は、物理的、論理的、またはそれらの組み合わせとすることができる。さらに、「本明細書」、「上で」、「以下に」、および同様の主旨の単語は、本出願使用される場合、全体として本出願を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数を使用する上記の詳細な説明の単語は、それぞれ複数または単数も含むことができる。2つ以上の項目のリストを参照する「または」という単語は、この単語の解釈である、リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の組み合わせ、のすべてを網羅している。
【0085】
本開示の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または教示を上記に開示されたとおりの形態に限定することを意図していない。本開示の特定の実施形態および例が例示の目的で上に説明されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な同等の修正が可能である。たとえば、プロセスまたはブロックが所定の順序で提示されているが、別の実施形態では、ステップを含むルーチンを実行したり、ブロックを含むシステムを異なる順序で使用したり、一部のプロセスまたはブロックを、代替または部分的組み合わせを提供するために、削除、移動、追加、再分割、結合、および/または変更してもよい。これらの各プロセスまたはブロックは、さまざまな方法で実装できる。また、プロセスまたはブロックは、時々、連続して実行されるように示されているが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに並行して実行されてもよく、または異なる時間に実行されてもよい。さらに、本明細書に記載されている特定の数値は単なる例であり、代替の実装では異なる値または範囲を使用することができる。
【0086】
本明細書で提供される開示の教示は、必ずしも上記のシステムではない他のシステムに適用することができる。上記の様々な実施形態の要素および動作は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0087】
添付の出願書類にリストされている可能性があるものを含め、上記のすべての特許および出願、ならびにその他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の態様は、本開示のなお一層の実施形態を提供するために、上で説明された様々な参考文献のシステム、機能、および概念を使用するために、必要に応じて修正され得る。
【0088】
上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を本開示に加えることができる。上記の説明は、本開示の特定の実施形態を説明し、企図される最良のモードを説明しているが、上記がテキストにどれほど詳細に現れていても、教示は多くの方法で実施され得る。システムの詳細は、その実装の詳細はかなり異なる場合があるが、本明細書に開示されている主題によって依然として包含されている。上記のように、本開示の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その専門用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連付けられている本開示の特定の特性、特徴、または態様に限定されることを意味するものと解釈してはならない。一般に、以下の請求項で使用される用語は、上記の詳細な説明セクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、本開示を明細書に開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。したがって、本開示の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、特許請求の範囲の下で本開示を実施または実装するすべての同等の方法も包含する。
【0089】
本開示の特定の態様は、特定の請求形態で以下に提示されるが、発明者は、任意の数の請求形態での本開示の様々な態様を企図する。たとえば、本開示の1つの側面のみが米国特許法第112条第6項の下でミーンズプラスファンクションクレームとして記載されていても、他の側面も同様にミーンズプラスファンクションクレームとして、またはコンピュータ可読媒体で具体化されるような他の形態で具体化されてもよい。(米国特許法第112条第6項の下で扱われることを意図したすべてのクレームは、「手段」という言葉で始まる。)したがって、出願人は、本出願の提出後に、開示の他の側面についてそのような追加の請求形態を追求するために、追加の請求を追加する権利を留保する。
【0090】
本明細書で提供される詳細な説明は、必ずしも上記のシステムだけではなく、他のシステムに適用されてもよい。上述のさまざまな例の要素および動作は、本発明のさらなる実装を提供するために組み合わせることができる。本発明のいくつかの代替の実装は、上記の実装への追加の要素を含むだけでなく、より少ない要素を含んでもよい。上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を本発明に加えることができる。上記の説明は本発明の特定の例を定義し、企図される最良の形態を説明しているが、上記がテキストにどれほど詳細に現れていても、本発明は多くの方法で実施することができる。システムの詳細は、その特定の実装においてかなり異なる場合があるが、本明細書に開示されている本発明によって依然として包含されている。上記のように、本発明の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その専門用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連付けられている本発明の特定の特性、特徴、または態様に限定されることを意味するものと解釈してはならない。一般に、以下の請求項で使用される用語は、上記の詳細な説明セクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、本発明を明細書に開示された特定の例に限定すると解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された例だけでなく、本発明を実施または実装するすべての同等の方法も包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9