(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】ガス状の媒体を圧送するための及び/又は再循環させるための、燃料電池アセンブリ用の圧送装置
(51)【国際特許分類】
F04F 5/16 20060101AFI20220311BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20220311BHJP
【FI】
F04F5/16
H01M8/04 N
(21)【出願番号】P 2020531760
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2018079191
(87)【国際公開番号】W WO2019115074
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-06-10
(31)【優先権主張番号】102017222390.1
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-クリストフ マーゲル
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-235813(JP,A)
【文献】特表2012-501055(JP,A)
【文献】特開2007-052948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/16
H01M 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状の媒体、特に水素を圧送するための及び/又は再循環させるための、燃料電池システム(31)用の圧送装置(1)であって、再循環ブロワ(8)と、圧力下にあるガス状の媒体の駆動噴流によって駆動されるジェットポンプ(4)と、調量弁(6)とを備えており、前記圧力下にあるガス状の媒体は、前記ジェットポンプ(4)に前記調量弁(6)を用いて供給され、燃料電池(29)のアノード出口(3)が、前記圧送装置(1)の入口に流体接続されており、前記圧送装置(1)の出口は、前記燃料電池(29)のアノード入口(5)に流体接続されており、前記ジェットポンプ(4)と前記調量弁(6)とは、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリ(12)を形成している、圧送装置(1)において、
前記圧送装置(1)のコンポーネントは、プレート状の支持要素(2)に位置決めされていて、前記圧送装置(1)の前記コンポーネントの間における及び/又は前記コンポーネントの内部における流れ管路が、専ら前記プレート状の支持要素(2)に対して平行に延在するようになっており、前記プレート状の支持要素(2)は、前記燃料電池(29)と前記圧送装置(1)との間に配置されており、
前記再循環ブロワ(8)は、第1の流れ接続部(7)を形成しており、前記第1の流れ接続部(7)は、前記再循環ブロワ(8)のハウジング(24)の一部として形成されており、前記第1の流れ接続部(7)は、前記弁・ジェットポンプアセンブリ(12)の第1の供給路(28)内に直接開口して
おり、
前記第1の流れ接続部(7)は、内部に位置している第1の流れ通路(15)を備えた第1の接続管(11)、特に円筒形の第1の接続管(11)を形成しており、前記再循環ブロワ(8)の前記第1の接続管(11)は、前記第1の流れ通路(15)の方向において前記再循環ブロワ(8)から離反する方向に延在しており、
前記第1の流れ接続部(7)の前記第1の接続管(11)は、前記弁・ジェットポンプアセンブリ(12)の第1の切欠き(19)、特に円筒形の第1の切欠き(19)内に進入しており、前記第1の接続管(11)と前記第1の切欠き(19)との間におけるシールが、第1のシールリング(14)によって行われており、前記第1のシールリング(14)は、前記第1の接続管(11)の外径部と前記第1の切欠き(19)の内径部との間に位置している、
ことを特徴とする圧送装置(1)。
【請求項2】
前記ガス状の媒体は、前記圧送装置(1)を、前記プレート状の支持要素(2)に対して平行に延在する平面(48)において貫流し、前記圧送装置(1)における前記ガス状の媒体の、前記圧送装置(1)の前記平面(48)の内部において行われる変向及び/又は流れ案内は、専ら前記再循環ブロワ(8)及び/又は前記弁・ジェットポンプアセンブリ(12)の領域において行われる、請求項1に記載の圧送装置(1)。
【請求項3】
前記圧送装置(1)は、水分離器(10)を有しており、前記水分離器(10)は、前記アノード出口(3)と前記再循環ブロワ(8)との間に位置していて、前記アノード出口(3)及び前記再循環ブロワ(8)に流体接続されており、前記水分離器(10)は、前記再循環ブロワ(8)との直接的な第2の流れ接続部(9)を形成している、請求項1又は2に記載の圧送装置(1)。
【請求項4】
前記第2の流れ接続部(9)は、前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)の一部として形成されており、前記第2の流れ接続部(9)は、前記水分離器(10)の排出路(32)内に直接開口している、請求項3に記載の圧送装置(1)。
【請求項5】
前記第2の流れ接続部(9)は、内部に位置している第2の流れ通路(17)を備えた第2の接続管(13)、特に円筒形の第2の接続管(13)を形成しており、前記再循環ブロワ(8)の前記第2の接続管(13)は、前記第2の流れ通路(17)の方向において前記再循環ブロワ(8)から離反する方向に延在している、請求項4に記載の圧送装置(1)。
【請求項6】
前記第2の流れ接続部(9)の前記第2の接続管(13)は、前記水分離器(10)の第2の切欠き(21)、特に円筒形の第2の切欠き(21)内に進入しており、前記第2の接続管(13)と前記第2の切欠き(21)との間におけるシールが、第2のシールリング(16)によって行われており、前記第2のシールリング(16)は、前記第2の接続管(13)の外径部と前記第2の切欠き(21)の内径部との間に位置している、請求項
5に記載の圧送装置(1)。
【請求項7】
前記第1の流れ接続部(7)は、内部に位置している第1の流れ通路(15)を備えた第1の接続プレート(25)として形成されており、前記第1の接続プレート(25)は、前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)の一部として形成されており、前記再循環ブロワ(8)の前記第1の接続プレート(25)は、前記第1の流れ通路(15)の方向において前記再循環ブロワ(8)から離反する方向に延在している、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の圧送装置(1)。
【請求項8】
前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)は、前記第1の接続プレート(25)を用いて前記弁・ジェットポンプアセンブリ(12)に前記第1の流れ通路(15)の方向において接触しており、第1のシールリング(14)が、前記第1の流れ通路(15)の方向において及び/又は前記第1の流れ通路(15)を取り囲むように、前記第1の接続プレート(25)と前記弁・ジェットポンプアセンブリ(12)との間に位置している、請求項
7に記載の圧送装置(1)。
【請求項9】
前記第2の流れ接続部(9)は、内部に位置している第2の流れ通路(17)を備えた第2の接続プレート(27)として形成されており、前記第2の接続プレート(27)は、前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)の一部として形成されており、前記再循環ブロワ(8)の前記第2の接続プレート(27)は、前記第2の流れ通路(17)の方向において前記再循環ブロワ(8)から離反する方向に延在している、請求項4に記載の圧送装置(1)。
【請求項10】
前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)は、前記第2の接続プレート(27)を用いて前記水分離器(10)に前記第2の流れ通路(17)の方向において接触しており、第2のシールリング(16)が、前記第2の流れ通路(17)の方向において及び/又は前記第2の流れ通路(17)を取り囲むように、前記第2の接続プレート(27)と前記水分離器(10)との間に位置している、請求項
9に記載の圧送装置(1)。
【請求項11】
前記再循環ブロワ(8)の前記ハウジング(24)の内部における前記内部に位置している第1の流れ通路(15)は、湾曲部(22)を形成しており、前記第1の流れ通路(15)における前記ガス状の媒体の変向及び/又は流れ案内が、前記湾曲部(22)によって行われる、請求項
1乃至10のいずれか一項に記載の圧送装置(1)。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の圧送装置(1)を備えた燃料電池システム(31)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、特に燃料電池駆動装置を備えた車両に使用するために設けられている、ガス状の媒体、特に水素を圧送するための及び制御するための、燃料電池システム用の圧送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両分野においては、液状の燃料の他に将来的にガス状の燃料も益々重要である。特に燃料電池駆動装置を備えた車両においては、水素ガス流が制御されなければならない。その際、ガス流は、最早液状の燃料の噴射時のように断続的に制御されるのではなく、ガスは、少なくとも1つの高圧タンクから取り出され、中圧管路システムの供給管路を介して圧送装置に導かれる。この圧送装置は、低圧管路システムの接続管路を介してガスを燃料電池に案内する。
【0003】
独国特許出願公開第102011105710号明細書に基づいて、ガス状の媒体を圧送するための及び/又は再循環させるための、燃料電池システム用の圧送装置が公知であり、この圧送装置は、再循環ブロワと、圧力下にあるガス状の媒体の駆動噴流によって駆動されるジェットポンプとを備えており、燃料電池のアノード出口は、圧送装置の入口に流体接続されていて、圧送装置の出口は、燃料電池のアノード入口に流体接続されている。
【0004】
米国特許第9595725号明細書に基づいて公知の、ガス状の媒体を圧送するための及び/又は再循環させるための、燃料電池システム用の圧送装置においては、圧力下にあるガス状の媒体は、ジェットポンプに調量弁を用いて供給され、ジェットポンプと調量弁とは、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第102011105710号明細書
【文献】米国特許第9595725号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
独国特許出願公開第102011105710号明細書及び米国特許第9595725号明細書に基づいて公知の圧送装置は、いくつかの欠点を有することがある。当該発明によれば、圧送装置のコンポーネント、特に再循環ブロワ及び/又はジェットポンプ及び/又は調量弁は、少なくとも部分的に、管路の形態及び/又は内部に位置している通路を備えた分配プレートの形態の流体接続部を用いて、互いに及び/又は燃料電池に接続されている。ここで、多くの流れ変向部ひいては大きな流れ損失が、特に空間のすべての三次元において発生している。これによって、圧送装置の効率は、低減させられる。さらに、管路による圧送装置のコンポーネント同士の接続には、管路が圧送装置の耐用寿命にわたって、特に大きな温度変化が発生する場合に、特に溶接された管路においては、シール性の問題を惹起する点において、欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の開示
発明の利点
本発明によれば、ガス状の媒体、特に水素を圧送するための及び/又は再循環させるための、燃料電池システム用の圧送装置が提案される。以下、水素をH2と記載する。
【0008】
請求項1の記載を参照すると、圧送装置は、以下のように構成されている、即ち、圧送装置のコンポーネントが、プレート状の支持要素に位置決めされていて、圧送装置のコンポーネントの間及び/又はコンポーネントの内部における流れ管路が、専らプレート状の支持要素に対して平行に延在するようになっており、プレート状の支持要素は、燃料電池と圧送装置との間に配置されている。このように構成されていると、圧送装置のコンポーネントの間における直接的で可能な限り短い流れ管路を製造することができる。さらに圧送装置における流れ変向部の数及び/又はガス状の媒体の流れ方向の変化を、可能な限り微少な数に低減させることができる。このことは、圧送装置の内部における流れ損失及び/又は圧力損失を、流れ管路の長さ及び/又は流れ変向部の数に基づいて低減させることができるという利点を提供する。これに加えてさらに、圧送装置のコンポーネントの間及び/又はコンポーネントの内部における流れ管路が、プレート状の支持要素に対して平行に延在しているという利点がある。これによって、ガス状の媒体の流れ変向部がさらに減少させられ、これにより、圧送装置の内部における流れ損失をさらに低減させることができる。これによって、圧送装置の効率を改善することができ、圧送装置を動作させるためのエネルギコストを節減することができる。
【0009】
さらに好ましくは、圧送装置のコンポーネントは、プレート状の支持要素に配置されており、これによって、コンポーネントをそれぞれプレート状の支持要素に結合するだけで、部材の相互の簡単な位置決めを実現することができる。これによって、組立てのために必要な部材の数を低減させることができ、このことにより、さらに、圧送装置のコストが節減される。さらに圧送装置の、誤差を含んで相互に方向付けられるコンポーネントに基づく、組立てエラーの確率が低下させられ、このことは、さらに圧送装置の故障確率を低下させる。
【0010】
従属請求項に記載された処置によって、請求項1に記載された圧送装置の好適な発展形態が可能である。従属請求項は、本発明の好適な発展形態に該当する。
【0011】
圧送装置の好適な構成によれば、ガス状の媒体は、圧送装置を、プレート状の支持要素に対して少なくともほぼ平行に延在する平面において貫流している。さらに、圧送装置におけるガス状の媒体の、圧送装置の平面の内部において行われる変向及び/又は流れ案内は、専ら再循環ブロワ及び/又は弁・ジェットポンプアセンブリの領域において行われる。このように構成されていると、ガス状の媒体は、専ら平面において圧送装置を貫いて流れ、これによって、ガス状の媒体の移動方向が二次元に制限されるという利点を得ることができる。三次元におけるガス状の媒体の変向は、完全に回避される。これによって、ガス状の媒体を、微少な数の流れ変向部及び/又は流れ方向の変化によって圧送装置を通して移動させることができ、このことは、低減させられた流れ損失及び/又は圧力損失を惹起する。このことは、さらに圧送装置の効率を高める。さらに、流れ変向部及び/又は流れ方向の変化の最小化によって、動作中における、特に燃料電池システムの全負荷動作中における、圧送装置のノイズレベルを低減することができる。
【0012】
圧送装置の好適な発展形態によれば、再循環ブロワは、第1の流れ接続部を形成しており、ここで、第1の流れ接続部は、再循環ブロワのハウジングの一部として形成されており、第1の流れ接続部は、弁・ジェットポンプアセンブリの第1の供給路内に直接開口している。このように構成されていると、特に燃料電池からの使用されなかったガス状の再循環媒体である再循環物(Rezirkulat)が、再循環ブロワによって圧縮され、その後で直接及び/又は可能な限り短い第1の流れ接続部を用いて、ジェットポンプの領域に圧送され、このジェットポンプ内において再循環物が駆動媒体と接触し、駆動媒体によって駆動されるという利点を得ることができる。これによって、ジェットポンプの効率を高めることができ、これにより、圧送装置における最適なジェットポンプ効果を、ほぼすべての動作点において得ることができるという利点を得ることができる。これによって、全燃料電池システムの効率を改善することができる。それというのは、圧送装置の最適な圧送作用を、燃料電池システムの種々様々な動作状態において保証することができるからである。さらに、再循環ブロワとジェットポンプとの間におけるガス状の媒体の流れ損失及び/又は圧力損失を低減させることができる。それというのは、第1の流れ接続部を可能な限り短く形成することができるからである。
【0013】
圧送装置の特に好適な構成によれば、圧送装置は、水分離器を有しており、水分離器は、燃料電池のアノード出口と再循環ブロワとの間に位置している。ここで、水分離器は、燃料電池のアノード出口及び再循環ブロワに流体接続されており、水分離器は、再循環ブロワとの直接的な第2の流れ接続部を形成している。このように構成されていると、燃料電池の動作時に発生し、かつ、ガス状の媒体、特にH2と一緒にアノード出口を通って圧送装置内に戻り流れる水が、再循環ブロワ及び/又はジェットポンプ及び/又は調量弁内に浸入し得ることを阻止することができる。それというのは、水は、水分離器によってガス状の媒体から既に直接分離され、圧送装置から排出されるからである。これによって、腐食による圧送装置のコンポーネントの損傷、特にコンポーネントの可動部分の損傷を阻止することができ、これにより、全圧送装置の耐用寿命が延長する。さらに、圧送装置における水の早期のかつ迅速な分離によって、圧送装置の効率を高めることができる。このことは、効率を低下させるおそれがある、圧送装置の他のコンポーネントを通してガス状の媒体、特にH2と一緒に水を圧送するということが、必要とされないことに基づいている。それというのは、圧送装置内における水の割合に対して、微少な割合のガス状の媒体を圧送することができるからであり、水は、比較的高い質量を有しているからである。従って、水分離器の使用及びそれぞれの配置によって、圧送装置の効率を高めることができるという利点を得ることができる。
【0014】
圧送装置の好適な発展形態によれば、第2の流れ接続部は、再循環ブロワのハウジングの一部として形成されており、ここで、第2の流れ接続部は、水分離器の排出路内に直接開口している。このように構成されていると、コンポーネント、即ち、水分離器と再循環ブロワとの間における流れ損失及び/又は圧力損失を低減させることができる。それというのは、コンポーネントの間における流れ接続部は、可能な限り微小な長さしか有していないからである。この微小な長さに基づいて、流れ接続部の内側表面によるガス状の媒体の摩擦損失が微少になり、これによって、流れ損失及び/又は圧力損失も微少である。従って、圧送装置の効率を改善することができる。さらに、第2の流れ接続部を、再循環ブロワのハウジングの一部として形成することによって、コンパクトでスペースを節減する構造形式を得ることができる。
【0015】
圧送装置の特に好適な構成によれば、第1の流れ接続部は、内部に位置している第1の流れ通路を備えた第1の接続管、特に円筒形の第1の接続管を形成しており、ここで、再循環ブロワの第1の接続管は、第1の流れ通路の方向において再循環ブロワから離反する方向に延在している。さらに、第1の流れ接続部の第1の接続管は、弁・ジェットポンプアセンブリの第1の切欠き、特に円筒形の第1の切欠き内に進入しており、ここで、第1の接続管と第1の切欠きとの間におけるシールが、第1のシールリングによって行われており、第1のシールリングは、第1の接続管の外径部と第1の切欠きの内径部との間に位置している。このように構成されていると、再循環ブロワをジェットポンプに流体接続させることができ、ここで、さらに、コンポーネントを互いに固定させることができるという利点を得ることができる。特に、ここでは、再循環ブロワの内部に位置している第1の流れ通路を、ジェットポンプの第1の供給路に接続することができ、その結果、第1の流れ接続部が形成される。このことは、コンポーネント、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプをただ1回の組立てステップにおいて、安価な組立て形式で互いに流体接続すると同時に互いに固定することができるという利点を有している。このことは、一方では配管及び/又は分配プレートを用いた、他方では部材の追加的な固定を用いた高価な流体接続部とは対照的である。これによって、圧送装置の組立てコストを節減することができる。さらに、部材の相互の流体接続時における及び/又は固定時における組立てエラーのリスクが低減させられ、このことは、圧送装置の故障確率を低下させる。さらに、部材、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプのコンパクトでスペースを節減する配置形式を得られるという利点を得ることができ、これによって、圧送装置の必要な取付け空間が低減させられ、このことは、さらに、顧客への製品搬送時における、燃料電池システム内への圧送装置の取付け時における及び全燃料電池システムにおけるスペース需要に関するさらなる利点を意味する。使用される第1のシールリングによって、第1の流れ接続部の確実なカプセル化が得られるように、他の利点を得ることができ、その結果、ガス状の媒体の流出を低減させることができ、これによって、圧送装置の効率を改善することができる。
【0016】
好適な発展形態によれば、第2の流れ接続部は、内部に位置している第2の流れ通路を備えた第2の接続管、特に円筒形の第2の接続管を形成しており、ここで、再循環ブロワの第2の接続管は、第2の流れ通路の方向において再循環ブロワから離反する方向に延在している。さらに、第2の流れ接続部の第2の接続管は、水分離器の第2の切欠き、特に円筒形の第2の切欠き内に進入しており、ここで、第2の接続管と第2の切欠きとの間におけるシールが、第2のシールリングによって行われており、第2のシールリングは、第2の接続管の外径部と第2の切欠きの内径部との間に位置している。このように構成されていると、以下に記載される複数の利点を得ることができる。即ち、再循環ブロワを水分離器に流体接続させることができ、ここで、コンポーネントをさらに互いに固定することができるという利点が得られる。ここで、再循環ブロワの内部に位置している第2の流れ通路を、水分離器の排出路に接続することができ、その結果、第2の流れ接続部が形成される。このことは、コンポーネント、即ち、再循環ブロワとジェットポンプとを1回の組立てステップにおいて安価な組立て形式で互いに流体接続させることができるという利点を有している。このことは、配管及び部材の追加的な固定を用いた高価な流体接続とは対照的である。これによって、圧送装置の組立てコストを節減することができる。さらに流体接続時における組立てエラーのリスク及び/又は部材の相互の固定が減少させられ、このことは、全圧送装置の故障確率を低下させる。さらに、部材、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプのコンパクトでスペースを節減する配置形式を得られるという利点を得ることができ、これによって、さらに、圧送装置の必要な取付け空間が低減させられる。これによって、全圧送装置の比較的コンパクトな構造形式を生ぜしめることができる。さらに、水分離器と再循環ブロワとの間における第2の流れ接続部の微小な長さに基づいて、第2の流れ接続部の内側表面によるガス状の媒体の摩擦損失が微少になり、これによって、流れ損失及び/又は圧力損失も微少である。従って、圧送装置の効率を改善することができる。さらに、第2の流れ接続部を、再循環ブロワのハウジングの一部として形成することによって、圧送装置のコンパクトでスペースを節減する構造形式を得ることができる。使用される第2のシールリングによって、第2の流れ接続部の確実なカプセル化が得られるように、他の利点を得ることができ、その結果、ガス状の媒体の流出を低減させることができ、これによって、圧送装置の効率を改善することができる。
【0017】
好適な構成によれば、第1の流れ接続部は、内部に位置している第1の流れ通路を備えた第1の接続プレートとして形成されており、ここで、第1の接続プレートは、再循環ブロワのハウジングの一部として形成されており、再循環ブロワの第1の接続プレートは、第1の流れ通路の方向において再循環ブロワから離反する方向に延在している。さらに、再循環ブロワのハウジングは、第1の接続プレートを用いて弁・ジェットポンプアセンブリに、第1の流れ通路の方向において接触しており、ここで、第1のシールリングは、第1の流れ通路の方向において、及び/又は、第1の流れ通路を取り囲むように、第1の接続プレートと弁・ジェットポンプアセンブリとの間に位置している。このように構成されていると、接続プレートにおけるコンポーネント、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプの相互の位置決めを、特に第1の流れ接続部の方向におけるコンポーネントの相互の許容誤差に依存せずに行うことができる。これによって、迅速な組立てを保証することができ、ひいては組立てコストを節減することができる。さらに、コンポーネント、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプを、コンパクトな組立て複合体として互いに結合することができる。さらに、第1の接続プレートを備えた第1の流れ接続部の構成に基づいて可能である、コンポーネントの間における第1の流れ接続部の微小な長さに基づいて、第1の流れ接続部の内側表面によるガス状の媒体の摩擦損失が微少になり、これによって、流れ損失及び/又は圧力損失は微少である。これによって、圧送装置の効率を改善することができる。
【0018】
特に好適な発展形態によれば、第2の流れ接続部は、内部に位置している第2の流れ通路を備えた第2の接続プレートとして形成されており、ここで、再循環ブロワの第2の接続プレートは、再循環ブロワのハウジングの一部として形成されており、再循環ブロワの第2の接続プレートは、第2の流れ通路の方向において再循環ブロワから離反する方向に延在している。さらに、再循環ブロワのハウジングは、第2の接続プレートを用いて水分離器に、第2の流れ通路の方向において接触しており、ここで、第2のシールリングは、第2の流れ通路の方向において、及び/又は、第2の流れ通路を取り囲むように、第2の接続プレートと水分離器との間に位置している。このように構成されていると、接続プレートにおけるコンポーネント、即ち、再循環ブロワ及び水分離器の相互の位置決めを、特に第1の流れ接続部の方向におけるコンポーネントの相互の許容誤差に依存せずに行うことができる。これによって、部材、即ち、再循環ブロワ及び水分離器の迅速な組立てを保証することができ、ひいては組立てコストを節減することができる。さらに、コンポーネント、即ち、再循環ブロワ及びジェットポンプを、コンパクトな構造形式で互いに結合することができる。さらに、第1の接続プレートを備えた第1の流れ接続部の構成に基づいて可能である、コンポーネントの間における第1の流れ接続部の微小な長さに基づいて、第1の流れ接続部の内側表面によるガス状の媒体の摩擦損失が微少になり、これによって、流れ損失及び/又は圧力損失は微少である。これによって、圧送装置の効率を改善することができる。
【0019】
好適な構成によれば、再循環ブロワのハウジングの内部における内部に位置している第1の流れ通路は、湾曲部を形成しており、ここで、第1の流れ通路におけるガス状の媒体の変向及び/又は流れ案内が、湾曲部によって行われる。このことは、特にコンポーネント、即ち、水分離器、再循環ブロワ、及び、弁・ジェットポンプアセンブリ装置の相互の配置形式に基づいて、プレート状の支持要素に対して平行に延在する平面におけるガス状の媒体の必要な変向が、変向に基づく流れ損失及び/又は圧力損失が可能な限り微少に保つことができるように行われるという利点を提供する。この目的のために、湾曲部の半径は、ガス状の媒体と内部に位置している第1の流れ通路の内側表面との間における摩擦損失が可能な限り微少であるように選択されている。ここで、好ましくは、第1の流れ通路の曲率半径及び/又は直径は、流れ方向において例えば先細りによって変化させられ、その結果、可能な限り微少な摩擦しか発生しない。これによって、湾曲部によるガス状の媒体の流れ変向及び/又は流れ方向の変化に基づいて、圧力損失及び摩擦損失を低減させることができ、これによって、再循環ブロワ及び/又は弁・ジェットポンプアセンブリ及び/又は全圧送装置の効率が改善される。再循環ブロワのハウジング内に湾曲部を組み込むことによって、圧縮領域の流出部と湾曲部との間における距離が可能な限り微小になるという利点を得ることができ、これによって、高められた動圧(Staudruck)、特に背圧(Rueckstaudruck)が湾曲部によって流れ通路の流出開口において形成される。このことは、圧送装置及び/又は燃料電池システムの種々様々な動作点において再循環ブロワの効率に好適に作用することができる。それというのは、高められた動圧は、再循環ブロワの好適な圧送作用の迅速な形成に好適な影響を及ぼすからである。さらに、再循環ブロワのハウジング内における湾曲部の組込みは、例えば再循環ブロワと弁・ジェットポンプアセンブリとの間における追加的な配管の形態の、圧送装置のためのさらなる構造空間が不要になる点において好適である。これによって、圧送装置のコンパクトな構造形式の利点を得ることができる。
【0020】
次に図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】プレート状の支持要素に位置決めされたコンポーネント、即ち、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリ、再循環ブロワ及び水分離器を備えた圧送装置の第1実施例を示す平面図である。
【
図2】プレート状の支持要素に位置決めされたコンポーネント、即ち、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリ、再循環ブロワ及び水分離器を備えた圧送装置の第2実施例を示す平面図である。
【
図3】第1実施例による圧送装置を備えた燃料電池システムを示す側面図である。
【
図4】ハウジングを備えた再循環ブロワの、
図1においてIIで示された部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の実施形態
図1には、本発明に係る圧送装置1の第1実施例が平面図において示されている。
【0023】
図1に示されているように、圧送装置1は、プレート状の支持要素2を有しており、この支持要素2には、コンポーネント、即ち、ジェットポンプ4、調量弁6、再循環ブロワ8及び水分離器10が装着されている。ここで、圧送装置1は、ガス状の媒体、特にH
2を圧送するために及び/又は再循環させるために機能する。さらに、ジェットポンプ4は、圧力下にあるガス状の媒体によって駆動され、ここで、特に駆動媒体である、圧力下にあるガス状の媒体は、ジェットポンプ4に調量弁6を用いて供給される。さらに、調量弁6とジェットポンプ4とは、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリ12を形成しており、ここで、調量弁6は、少なくとも部分的にジェットポンプ4内に組み込まれている。さらに、組み合わせられた弁・ジェットポンプアセンブリ12は、第1の供給路28、第2の供給路36、吸込み領域18及び拡散領域20を有している。再循環ブロワ8は、第1の流れ接続部7を形成しており、ここで、第1の流れ接続部7は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されていて、第1の流れ接続部7は、弁・ジェットポンプアセンブリ12の第1の供給路28内に直接開口している。これによって、再循環ブロワ8と弁・ジェットポンプアセンブリ12、特にジェットポンプ4とは、第1の流れ接続部7を用いて互いに流体接続されている。ここで、第1の流れ接続部7は、内部に位置している第1の流れ通路15を備えた第1の接続管(Verbindungszapfen)11、特に円筒形の第1の接続管11を形成しており、ここで、第1の接続管11は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されていて、第1の流れ通路15の方向において再循環ブロワ8から離反する方向に延在している。ここで、第1の流れ通路15は、再循環ブロワ8のハウジング24内において延在していて内部に位置している配管(Verrohrung)として形成されていて、ガス状の媒体を流れ案内するために機能する。第1の流れ接続部7及び/又はハウジング24の第1の接続管11は、弁・ジェットポンプアセンブリ12の第1の切欠き19、特に円筒形の第1の切欠き19内に進入しており、ここで、第1の接続管11と第1の切欠き19との間におけるシールは、第1のシールリング14によって行われており、ここで、第1のシールリング14は、特に弾性材料製の第1のシールリング14、例えばOリングである。第1の流れ接続部7は、ジェットポンプ4の領域において第1の供給路28内に移行している。ここで、プレート状の支持要素2は、長手方向軸線50及び横方向軸線52の方向に、及び/又は、長手方向軸線50と横方向軸線52とによって形成された平面48に対して平行に延在している。
【0024】
さらに、圧送装置1は、一方では、特に再循環媒体であるガス状の媒体によって貫流され、ここで、再循環媒体は、燃料電池29(
図3に図示)を貫流した後で、新たに圧送装置1を通って流れる。他方では、圧送装置1には、駆動媒体が供給され、ここで、駆動媒体は、供給管路を用いて、燃料電池システム31のタンク、特に高圧タンクから供給される。
【0025】
さらに、
図1に示されているように、水分離器10は、アノード出口3と再循環ブロワ8との間に位置していて、アノード出口3及び再循環ブロワ8に流体接続されている。ここで、水分離器10は、再循環ブロワ8との直接的な第2の流れ接続部9を形成していて、第2の流れ接続部9に流体接続されている。ここで、第2の流れ接続部9は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されており、第2の流れ接続部9は、水分離器10の排出路32に直接開口している。ここで、第2の流れ接続部9は、内部に位置している第2の流れ通路17を備えた第2の接続管13、特に円筒形の第2の接続管13を形成しており、ここで、第2の接続管13は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されていて、第2の流れ通路17の方向において再循環ブロワ8から離反する方向に延在している。ここで、第2の流れ通路17は、再循環ブロワ8のハウジング24内において延在していて内部に位置している配管として形成されていて、ガス状の媒体を流れ案内するために機能する。第2の流れ接続部9及び/又はハウジング24の第2の接続管13は、水分離器10の第2の切欠き21、特に円筒形の第2の切欠き21内に進入しており、ここで、第2の接続管13と第2の切欠き21との間におけるシールは、第2のシールリング16によって行われており、第2のシールリング16は、特に弾性材料製の第2のシールリング16、例えばOリングである。ここで、第2のシールリング16は、第2の接続管13の外径部と第2の切欠き21の内径部との間に位置している。
【0026】
さらに、
図1に示されているように、一方では圧送装置1の入口が、燃料電池29のアノード出口3に、特に流体接続されており、他方ではアノード入口5が、圧送装置1の出口に、特に流体接続されている。例えば、特に再循環媒体であるガス状の媒体の、燃料電池29から圧送装置1を貫通する流れ貫流が、水分離器10、再循環ブロワ8、弁・ジェットポンプアセンブリ12の順序で行われる。その際、ガス状の媒体は、流れ方向VIにおいてコンポーネントを貫いて流れる。
【0027】
ジェットポンプ4及び/又は弁・ジェットポンプアセンブリ12の内部において、いわゆるジェットポンプ効果が起こる。そのために、第2の供給路36を通して、弁・ジェットポンプアセンブリ12の外側から、特にH
2であるガス状の駆動媒体が、特に高圧タンクから調量弁6内に流入する。さらに、再循環媒体は、再循環ブロワ8から第1の流れ接続部7及び第1の供給路28を通ってジェットポンプ4の吸込み領域18内に圧送される。いまや駆動媒体は、調量弁6の開放によって、特に高圧下で吸込み領域18内にもたらされる。ここで、ガス状の駆動媒体は、流れ方向VIにおいて流れる。第2の供給路36から吸込み領域18内に流れかつ駆動媒体として機能するH
2は、第1の供給路28から吸込み領域18内に流入する再循環媒体に対して圧力差を有しており、ここで、駆動媒体は特に、少なくとも10バールの比較的高い圧力を有している。ジェットポンプ効果を発生させるために、低い圧力及び低い質量流を有する再循環媒体が、ジェットポンプ4の吸込み領域18内に圧送される。ここで、駆動媒体は、記載された圧力差と、特に音速に近い高い速度とを有する駆動媒体が、調量弁6を通って吸込み領域18内に流入する。その際、駆動媒体は、既に吸込み領域18内にある再循環媒体に衝突する。駆動媒体と再循環媒体との間における大きな速度差及び/又は圧力差に基づいて、媒体の間において内部摩擦及び乱流が発生させられる。その際、剪断応力が、高速の駆動媒体とそれに比較して著しく低速の再循環媒体との間の境界層において発生する。この応力は、衝撃伝達(Impulsuebertragung)を生ぜしめ、その際、再循環媒体は加速され、一緒に引っ張られる。混合は、運動量保存(Impulserhaltung)の原理に基づいて行われる。ここで、再循環媒体は、流れ方向VIにおいて加速され、再循環媒体に対しても圧力降下が発生し、これによって、吸込み作用が生じ、ひいてはさらなる再循環媒体が、第1の供給路28及び/又は流れ接続部7の領域から追加圧送される。調量弁6の開放時間及び開放頻度の変化及び/又は調整によって、再循環媒体の圧送率を調節することができ、全燃料電池システム31(
図1には図示せず、
図3参照)のそれぞれの要求に、動作状態及び動作要求に応じて適合させることができる。
【0028】
図2には、本発明に係る圧送装置1の第2実施例が平面図において示されている。ここで、第1の流れ接続部7は、内部に位置している第1の流れ通路15を備えた第1の接続プレート25として形成されており、ここで、第1の接続プレート25は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されていて、第1の接続プレート25は、第1の流れ通路15の方向において再循環ブロワ8から離反する方向に延在している。さらに、再循環ブロワ8のハウジング24は、第1の接続プレート25を用いて弁・ジェットポンプアセンブリ12に、第1の流れ通路15の方向において接触しており、ここで、第1のシールリング14は、第1の流れ通路15の方向において及び/又は第1の流れ通路15を取り囲むように、第1の接続プレート25と弁・ジェットポンプアセンブリ12との間に位置している。
【0029】
さらに
図2に示されているように、第2の流れ接続部9は、内部に位置している第2の流れ通路17を備えた第2の接続プレート27として形成されており、ここで、第2の接続プレート27は、再循環ブロワ8のハウジング24の一部として形成されていて、再循環ブロワ8の第2の接続プレート27は、第2の流れ通路17の方向において再循環ブロワ8から離反する方向に延在している。ここで、再循環ブロワ8のハウジング24は、第2の接続プレート27を用いて水分離器10に、内部に位置している第2の流れ通路17の方向において接触しており、ここで、第2のシールリング16は、第2の流れ通路17の方向において及び/又は第2の流れ通路17を取り囲むように、第2の接続プレート27と水分離器10との間に位置している。
【0030】
図3には、第1実施例に係る圧送装置1を備えた燃料電池システム31が側面図において示されている。
図3に示されているように、圧送装置1のコンポーネント、特に、水分離器10、再循環ブロワ8、及び、弁・ジェットポンプアセンブリ12は、プレート状の支持要素2に位置決めされていて、流れ管路が圧送装置1のコンポーネントの間及び/又は内部において、専らプレート状の支持要素2に対して平行に延在するようになっており、ここで、プレート状の支持要素2は、燃料電池29と圧送装置1との間に配置されている。ここで、特に再循環媒体であるガス状の媒体は、燃料電池29からアノード出口3を介してプレート状の支持要素2を通って圧送装置1内に、特に水分離器10内に流入する。圧送装置1の内部において、流れ管路は、コンポーネント内にも、コンポーネントの間にも延在しており、ここで、流れ管路は、特に第1の流れ接続部7及び第2の流れ接続部9であり、プレート状の支持要素に対して少なくともほぼ平行に、ひいては
図3に示された平面48に対して少なくともほぼ平行に延在している。ここで、平面48は、長手方向軸線50及び横方向軸線52(
図2に示されている)の方向に延在する。これによって、ガス状の媒体は圧送装置1を、専ら、プレート状の支持要素2に対して少なくともほぼ平行に延在する平面48において、貫流する。さらに圧送装置1におけるガス状の媒体の変向及び/又は流れ案内は、専ら再循環ブロワ8及び/又は弁・ジェットポンプアセンブリ12の領域において行われ、圧送装置1の平面48に対して少なくともほぼ平行に行われる。単にアノード出口3及びアノード入口5の、圧送装置がプレート状の支持要素2を介して燃料電池29に接続されている領域においてだけ、ガス状の媒体は、流れ方向VIから平面48に対して平行に離隔し、ここで、この領域は、まったく又は部分的にしか、圧送装置1の、圧送装置1に対するガス状の媒体の流入及び/又は流出が行われる領域に位置しない。圧送装置がガス状の媒体をアノード入口5を介して燃料電池29内に戻し圧送する領域において、圧送装置1は、ジェットポンプ4の領域に流出湾曲部26及び接続部材30を有しており、ここで、接続部材30は、アノード入口5内に移行している。
【0031】
図4には、ハウジング24を備えた再循環ブロワ8が平面図において示されている。ここで、ハウジング24は、第2の流れ接続部9を有しており、この第2の流れ接続部9を用いてガス状の媒体は、水分離器10の排出路32から到来して再循環ブロワ8内に流入する。その際、ガス状の媒体は、流れ方向VIにおいて第2の流れ接続部9を通って再循環ブロワ8の、内部に位置している第2の流れ通路17内に流れる。流れ方向VIにおける第2の流れ通路17の貫流後に、ガス状の媒体は、再循環ブロワ8のハウジング24の内部において、コンプレッサホイール33を備えたコンプレッサ領域38に達し、その際、コンプレッサホイール33は、回転方向35における回転を実施する。外周部にブレード37が配置されているコンプレッサホイール33の回転によって、再循環ブロワ8のコンプレッサ領域38における回転方向35のガス状の媒体の加速及び/又は圧縮が行われる。コンプレッサホイール33によるガス状の媒体の加速及び/又は圧縮が行われた後で、ガス状の媒体は、流れ方向VIにおいて内部に位置している第1の流れ通路15内に流入する。ここで、内部に位置している第1の流れ通路15は、再循環ブロワ8のハウジング24の内部において湾曲部22を形成しており、第1の流れ通路15内におけるガス状の媒体の変向及び/又は流れ案内は、湾曲部22によって行われる。その際、ガス状の媒体の、再循環ブロワ8及び/又は圧送装置1の構造によって条件付けられた変向は、平面48に対して少なくともほぼ平行に行われ、これによって、ガス状の媒体の変向に基づく圧力損失及び/又は摩擦損失を微少であるように保つことができる。さらに湾曲部22の領域は、ハウジング24の内部に配置されており、これによって、ガス状の媒体の、必要な変向及び/又は流れ案内は、コンポーネントの間、即ち、再循環ブロワ8と弁・ジェットポンプアセンブリ12との間における追加的な構造空間及び/又は例えば配管のような追加的な部材を必要としない。ここで、湾曲部22の領域は、流れ横断面が流れ方向VIにおいて例えば先細りの形態で変化するように最適化することができる。
【0032】
本発明は、ここに記載された実施例及びそこに開示された態様に制限されるものではない。むしろ、請求項に記載された範囲内において、当業者の判断の枠内における多数の変化形態が可能である。