(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】地理的領域の選択の最適化
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220311BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2020566830
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(86)【国際出願番号】 US2018035143
(87)【国際公開番号】W WO2019231439
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・エイチ・レミー
(72)【発明者】
【氏名】アン-クレア・ハウリー
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203191(JP,A)
【文献】特開2017-84411(JP,A)
【文献】特開2014-186538(JP,A)
【文献】米国特許第8782045(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0276392(US,A1)
【文献】国際公開第2017/079697(WO,A1)
【文献】酒井 達弘,地域的なトピック抽出のための密度に基づく適応的な空間クラスタリング手法,情報処理学会 研究報告 数理モデル化と問題解決(MPS) 2014-MPS-101 [online] ,日本,情報処理学会,2014年12月02日,p.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを
、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって取得するステップと、
複数の関心地点のうちの各関心地点に対して、
i)前記関心地点を指定する位置履歴データを有する各ユーザを含む前記複数のユーザのサブセットを
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって作成するステップと、
ii)ユーザの前記サブセットの各ユーザに対して、前記関心地点の地理的位置と、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザの前記あらかじめ定められた地理的位置との間の距離を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって計算するステップと、
iii)前記ユーザの所定の部分に対する、前記計算された距離を超える閾値の距離を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって決定するステップと、
iv)a)前記関心地点の前記地理的位置およびb)前記関心地点の前記地理的位置から前記閾値の距離以内にある地理的エリアを含む前記関心地点に対する地理的領域を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって定義するステップと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって特定するステップと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記ペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域の前記ペアを統合して統合地理的領域を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって定義するステップと、
前記統合により作られた得られた統合地理的領域と、他の地理的領域との間の交差汚染が、交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって前記統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合するステップとを備える、コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって特定するステップであって、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアが前記統合地理的領域を含む、ステップと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを特定したことに応答して、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義するステップとをさらに備える、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項3】
i)交差汚染された地理的領域の第1のペアが両方とも、前記複数のユーザのうちの閾値の数の第1のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を含み、ii)交差汚染された地理的領域の第2のペアが両方とも、前記複数のユーザのうちの閾値の数の第2のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を含む、交差汚染された地理的領域の2つのペアを
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって特定するステップと、
交差汚染された地理的領域の前記第1のペアの第1の汚染および交差汚染された地理的領域の前記第2のペアの第2の汚染を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって特定するステップと、
前記第1の汚染と前記第2の汚染を比較して、前記第1の汚染が前記第2の汚染より大きいと
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって決定するステップと、
前記比較に基づいて、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって、交差汚染された地理的領域の前記第1のペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義するステップとをさらに備える、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項4】
任意の2つの地理的領域を統合した後で、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって特定するステップと、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染を交差汚染閾値と比較するステップと、
各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染が前記交差汚染閾値未満であると
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって決定するステップと、
各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染が前記交差汚染閾値未満であるとの決定に応答して、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって前記地理的領域の統合を止めるステップとをさらに備える、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項5】
前記
交差汚染閾値を決定するためのパラメータが、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データを有する、前記複数のユーザのうちのユーザの数である、請求項4に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項6】
前記
交差汚染閾値を決定するためのパラメータが、地理的領域の任意のペア間の最大の汚染である、請求項4に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項7】
前記複数のユーザのうちの前記閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記ペアを特定するステップがさらに、
前記閾値の数のユーザの各ユーザの前記ユーザプロファイルが、所定の期間内の前記地理的領域の各々と関連付けられる別個の位置データの数を示すプロファイルデータを含むと
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって決定するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項8】
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得するステップがさらに、
前記複数のユーザの各ユーザに対して、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記あらかじめ定められた地理的位置のユーザにより提供される入力を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって取得するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項9】
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得するステップがさらに、
前記複数のユーザの各ユーザに対して、1つまたは複数のクエリが前記ユーザにより提供される地理的位置を
、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって取得するステップを含み、前記地理的位置が前記関心地点の前記地理的位置に近接している、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項10】
1つまたは複数のコンピュータと、前記1つまたは複数のコンピュータによって実行されると、前記1つまたは複数のコンピュータに動作を実行させるように動作可能な命令を記憶する1つまたは複数のストレージデバイスとを備えるシステムであって、前記動作が、
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することと、
複数の関心地点のうちの各関心地点に対して、
i)前記関心地点を指定する位置履歴データを有する各ユーザを含む前記複数のユーザのサブセットを作成することと、
ii)ユーザの前記サブセットの各ユーザに対して、前記関心地点の地理的位置と、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザの前記あらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算することと、
iii)前記ユーザの所定の部分に対する、前記計算された距離を超える閾値の距離を決定することと、
iv)a)前記関心地点の前記地理的位置およびb)前記関心地点の前記地理的位置から前記閾値の距離以内にある地理的エリアを含む前記関心地点に対する地理的領域を定義することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを特定することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記ペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域の前記ペアを統合して統合地理的領域を定義することと、
前記統合により作られた得られた統合地理的領域と、他の地理的領域との間の交差汚染が、交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、前記統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合することとを備える、システム。
【請求項11】
前記動作がさらに、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定することであって、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアが前記統合地理的領域を含む、特定することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義することとを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作がさらに、
i)交差汚染された地理的領域の第1のペアが両方とも、前記複数のユーザのうちの閾値の数の第1のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を含み、ii)交差汚染された地理的領域の第2のペアが両方とも、前記複数のユーザのうちの閾値の数の第2のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を含む、交差汚染された地理的領域の2つのペアを特定することと、
交差汚染された地理的領域の前記第1のペアの第1の汚染および交差汚染された地理的領域の前記第2のペアの第2の汚染を特定することと、
前記第1の汚染と前記第2の汚染を比較して、前記第1の汚染が前記第2の汚染より大きいと決定することと、
前記比較に基づいて、交差汚染された地理的領域の前記第1のペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義することとを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作がさらに、
任意の2つの地理的領域を統合した後で、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染を特定することと、
各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染を閾値と比較することと、
各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染が交差汚染閾値未満であると決定することと、
各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の前記汚染が前記交差汚染閾値未満であるとの決定に応答して、非統合地理的領域の統合を止めることとをさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記
交差汚染閾値を決定するためのパラメータが、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データを有する、前記複数のユーザのうちのユーザの数である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記
交差汚染閾値を決定するためのパラメータが、地理的領域の任意のペア間の最大の汚染である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のユーザのうちの前記閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記ペアを特定することがさらに、
前記複数のユーザのうちの前記閾値の数のユーザの各ユーザの前記ユーザプロファイルが、所定の期間にわたって前記地理的領域の各々と関連付けられる別個の位置データの数を示すプロファイルデータを含むと決定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することがさらに、
前記複数のユーザの各ユーザに対して、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記あらかじめ定められた地理的位置のユーザにより提供される入力を取得することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することがさらに、
前記複数のユーザの各ユーザに対して、1つまたは複数のクエリが前記ユーザにより提供される地理的位置を取得することを含み、前記地理的位置が前記関心地点の前記地理的位置に近接している、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
1つまたは複数のコンピュータによって実行可能な命令を備えるソフトウェアを記憶した
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、そのような実行により、前記1つまたは複数のコンピュータに動作を実行させ、前記動作が、
複数のユーザの各ユーザに対して、i)前記ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたる前記ユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することと、
複数の関心地点のうちの各関心地点に対して、
i)前記関心地点を指定する位置履歴データを有する各ユーザを含む前記複数のユーザのサブセットを作成することと、
ii)ユーザの前記サブセットの各ユーザに対して、前記関心地点の地理的位置と、前記ユーザの前記ユーザプロファイルに含まれる前記ユーザの前記あらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算することと、
iii)前記ユーザの所定の部分に対する、前記計算された距離を超える閾値の距離を決定することと、
iv)a)前記関心地点の前記地理的位置およびb)前記関心地点の前記地理的位置から前記閾値の距離以内にある地理的エリアを含む前記関心地点に対する地理的領域を定義することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを特定することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記ペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域の前記ペアを統合して統合地理的領域を定義することと、
前記統合により作られた得られた統合地理的領域と、他の地理的領域との間の交差汚染が、交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、前記統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合することとを備える、コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項20】
前記動作がさらに、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定することであって、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアが前記統合地理的領域を含む、特定することと、
前記複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対する前記ユーザプロファイルの前記位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域の前記さらなるペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義することとを備える、請求項19に記載のコンピュータ可読
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、地理的領域の選択に関し、特に、地理的領域の選択的な統合に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、オフラインの行動に対するオンラインデジタルコンテンツの影響を測るために、ランダム化実験が利用され得る。たとえば、ある具体的な領域におけるユーザの行動(たとえば、特定の位置への訪問)に対する、オンラインデジタルコンテンツの特定のセットを提示することの影響を測るために、ユーザ集団を2つの群、たとえば対照群と処置群にランダムに区分することによって、ランダム化実験を利用することができる。処置群は、オンラインデジタルコンテンツのその特定のセットからのコンテンツを受け取り、対照群はそのようなものを受け取らない。対照群と処置群のオフラインの行動の比較により、オンラインコンテンツのその特定のセットへの曝露がユーザのオフラインの行動にどのように影響したかが明らかになり得る。しかしながら、そのようなランダム化実験は、生じ得る様々な問題により実施するのが難しいことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において説明される主題の革新的な態様は、複数のユーザの各ユーザに対して、i)ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたるユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ(historical location data)、およびii)ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得する行為と、複数の関心地点(point of interest)のうちの各関心地点に対して、i)関心地点を指定する位置履歴データを有する各ユーザを含む複数のユーザのサブセットを作成し、ii)ユーザのサブセットの各ユーザに対して、関心地点の地理的位置と、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算し、iii)ユーザの所定の部分に対する、計算された距離を超える閾値の距離を決定し、iv)a)関心地点の地理的位置およびb)関心地点の地理的位置から閾値の距離以内にある地理的エリアを含む関心地点に対する地理的領域を定義する行為と、複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを特定する行為と、複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のペアを統合して統合地理的領域を定義する行為と、統合により作られた得られた統合地理的領域と、他の地理的領域との間の交差汚染が、交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合する行為とを含む、方法において具現化され得る。
【0004】
これらの態様の他の実施形態は、対応するシステムと、装置と、コンピュータストレージデバイスに符号化された、方法の行為を実行するように構成されるコンピュータプログラムとを含む。
【0005】
これらおよび他の実施形態は各々、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意選択で含み得る。たとえば、複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定することであって、交差汚染された地理的領域のさらなるペアが統合地理的領域を含む、特定することと、複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義すること。i)交差汚染された地理的領域の第1のペアが両方とも、複数のユーザのうちの閾値の数の第1のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を含み、ii)交差汚染された地理的領域の第2のペアが両方とも、複数のユーザのうちの閾値の数の第2のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を含むような、交差汚染された地理的領域の2つのペアを特定すること、交差汚染された地理的領域の第1のペアの第1の汚染および交差汚染された地理的領域の第2のペアの第2の汚染を特定すること、第1の汚染と第2の汚染を比較して、第1の汚染が第2の汚染より大きいと決定すること、この比較に基づいて、交差汚染された地理的領域の第1のペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義すること。任意の2つの地理的領域を統合した後で、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染を特定すること、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染を交差汚染閾値と比較すること、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染が交差汚染閾値未満であると決定すること、および、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染が交差汚染閾値未満であるとの決定に応答して、地理的領域の統合を止めること。
【0006】
汚染閾値を決定するためのパラメータは、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データを有する、複数のユーザのうちのユーザの数である。汚染閾値を決定するためのパラメータは、地理的領域の任意のペア間の最大の汚染である。複数のユーザのうちの閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データによって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のペアを特定することはさらに、閾値の数のユーザの各ユーザのユーザプロファイルが、所定の期間内の地理的領域の各々と関連付けられる別個の位置データの数を示すプロファイルデータを含むと決定することを含む。複数のユーザの各ユーザに対して、i)ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたるユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することはさらに、複数のユーザの各ユーザに対して、ユーザのユーザプロファイルに含まれるあらかじめ定められた地理的位置のユーザにより提供される入力を取得することを含む。複数のユーザの各ユーザに対して、i)ユーザのユーザプロファイルに含まれる、ある期間にわたるユーザの地理的位置を指定する位置履歴データ、およびii)ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを取得することはさらに、複数のユーザの各ユーザに対して、1つまたは複数のクエリがユーザにより提供される地理的位置を取得することを含み、この地理的位置は関心地点の地理的位置に近接している。
【0007】
本明細書において説明される主題の特定の実装形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。たとえば、本主題の実装形態は、デジタルコンテンツへの曝露が最大にされたユーザの選択された集団にコンピュータリソースを割り振りながら、選択されていないユーザの集団に対するデジタルコンテンツの曝露を最小にすることによって、コンピュータリソースの効率的な使用を可能にする。すなわち、コンピュータリソースは、デジタルコンテンツの曝露をユーザの選択された集団に限定し、他のユーザにデジタルコンテンツを暴露しないことによって、効率的にされる。これにより、ユーザの選択されていない集団へのデジタルコンテンツの送信のためにコンピューティングリソースを費やすことが避けられ、ユーザの選択された集団へのデジタルコンテンツの送信に、コンピューティングリソースがより利用される。さらに、これにより、ユーザの集団のサブセットにデジタルコンテンツを送信する結果として、ネットワークの混雑が減り、ネットワーク効率が高まる。コンピューティングデバイスのより大きなセットではなく、コンピューティングデバイスの選択された集団に、サーバからデジタルコンテンツを送信することによって、ネットワーク帯域幅が節約される。本明細書で論じられる技法は、交差汚染されない地理的領域の作成も可能にする。すなわち、本明細書で論じられる技法は、ユーザの特定の同じセットに対する地理的履歴データに含まれる異なる地理的位置を特定し、それらの地理的領域を同じ地理的領域に統合する。一方、ユーザの特定の同じセットに対する地理的履歴データに含まれない地理的位置は、異なる地理的領域の一部であり得る。同じ地理的領域および異なる地理的領域は、ユーザの同じセットに対する地理的履歴データに含まれる地理的位置を減らし、または最小にするので、2つの地理的領域は交差汚染されないと見なされ、それにより、これらの地理的領域のうちの1つを処置エリアとして使用し、これらの地理的領域のうちの異なる1つを対照エリアとして使用するシステムの、信頼性および正確さが改善する。交差汚染のこの低減および/または除去により、システムは、オンラインコンテンツへのオンライン曝露により引き起こされるオフラインのユーザ行動をより正確に、かつより速く決定することが可能になり、それは、オンラインコンテンツに曝露される処置エリアの中のユーザは、対照エリアに入る可能性が低いからである。様々な汚染されていない地理的領域の作成も、所与の地理的領域に含まれる地理的位置の小さいセットで開始し、次いで、交差汚染のレベルが許容可能な(たとえば、閾値)のレベルに達するまで、所与の地理的領域と交差汚染していると見なされる他の近くの地理的領域を繰り返し追加することによって、より効率的かつ効果的に行われる。このプロセスは、得られる地理的領域を必要以上に大きくすることなく、指定されたレベルの交差汚染に達することを確実にする。
【0008】
本明細書において説明される主題の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。本主題の他の可能な特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】地理的領域の選択的な統合のためのシステムの図である。
【
図2】地理的領域の統合の前の地理的領域の図解である。
【
図3】地理的領域の統合の後の地理的領域の図解である。
【
図4】地理的領域の選択的な統合のための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図5】本明細書で説明される技法を実施するために使用され得る例示的なコンピューティングシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本文書は、近隣の地理的領域との指定された量だけの交差汚染を有する地理的領域を作るための地理的領域の選択的な統合のための、方法、システム、およびコンピュータ可読媒体を説明する。具体的には、関心地点(物理的な店舗など)が、地理的領域内に位置し得る。いくつかの場合、地理的領域は、関心地点への訪問者の大半を含む最小の物理的なエリアであり得る。これらの地理的領域は、デジタルコンテンツへの曝露がオフラインのユーザ行動にどのように影響するかを決定するために使用され得る。たとえば、第1の地理的領域は対照地理的領域として使用され得るが(たとえば、デジタルコンテンツへの曝露なし)、第2の地理的領域は処置地理的領域として使用され得る(たとえば、デジタルコンテンツへの曝露)。しかしながら、互いに「近すぎる」処置領域と対照領域を使用して結果が得られることがあり、たとえば、処置領域に含まれるあまりにも多くの人が、対照領域に含まれる(近隣の)地理的領域も訪問することがある。たとえば、互いに地理的に近接しているが、各々が2つの異なる地理的領域内にある(たとえば、1つは処置領域にあり1つは対照領域にある)、2つの位置をある喫茶店が有することがある。この例では、ユーザは、処置領域内にいる間はデジタルコンテンツに曝露され得るが、次いで、対照領域にある喫茶店を訪れ得る。これが交差汚染された領域の例であり、それは、ユーザが対照領域と処置領域の両方を訪問し、デジタルコンテンツへの曝露は処置領域において発生するが、ユーザは対照領域の喫茶店を訪れるからである。そのような交差汚染の可能性を減らすために、2つの地理的領域が、処置領域として使用される単一の地理的領域へと統合されてもよく、一方で、ユーザにより訪問されない(たとえば、ユーザの地理的履歴データに基づいて決定されるような)別の地理的領域が対照領域として使用されてもよい。
【0011】
いくつかの場合、地理的領域は選択的に統合される。すなわち、地理的領域を選択的に統合するために、複数のユーザの各ユーザに対して、i)ある期間にわたるユーザの地理的位置を指定する位置履歴データおよびii)ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定するあらかじめ定められた地理的位置データを含む、データが取得される。位置履歴データは、その期間にわたってユーザが「訪問した」位置を含んでもよく、あらかじめ定められた地理的位置は、自宅の住所または職場の住所などの、ユーザと関連付けられる(ユーザプロファイル内の)位置であってもよい。しかしながら、あらかじめ定められた地理的位置はまた、位置において過ごした時間、ユーザがどれだけ頻繁に位置を訪問するかなどの、1つまたは複数の要因に基づいて自動的に決定されてもよい。
【0012】
複数の関心地点の各関心地点に対して、関心地点と関連付けられる位置履歴データを有するユーザを含む、ユーザのサブセットが作成される。すなわち、ユーザと関連付けられる位置履歴データに基づくと、サブセットの各ユーザは、関心地点を訪問したことがある。ユーザのサブセットの各ユーザに対して、関心地点とユーザのあらかじめ定められた地理的位置との間の距離が計算される。ユーザと関連付けられる計算された距離の所定の部分(または百分率)が閾値の距離未満となるように、閾値の距離が決定される。次に、関心地点の地理的位置と、関心地点の地理的位置から閾値の距離以内にある地理的エリアとを含む、地理的領域が関心地点に対して決定され得る。たとえば、ある関心地点に対して、関心地点の地理的位置は地理的領域の中心として働くことができ、地理的領域はその中心から閾値の距離まで放射状に外側に延びる。
【0013】
交差汚染された地理的領域のペアが特定され得る。交差汚染された地理的領域のペアは、少なくとも閾値の数のユーザがペアの地理的領域の両方と関連付けられる位置履歴データを有する、地理的位置を含み得る。すなわち、交差汚染された領域は、両方の地理的領域を伴う位置履歴データを閾値の数のユーザが有することに基づいて特定される。交差汚染された地理的領域は、統合地理的領域を定義するために統合されてもよく、統合地理的領域は、統合により作られた得られた統合地理的領域と他の地理的領域との間の交差汚染が交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、追加の地理的領域と統合される。すなわち、地理的領域の各々が交差汚染閾値未満になるまで、統合領域と非統合領域との間で統合が続けられる。
【0014】
ここで論じられるシステムがユーザについての個人情報を収集する、または個人情報を利用し得る状況では、ユーザは、プログラムまたは機能がユーザ情報(たとえば、ユーザのソーシャルネットワーク、社会的な行動もしくは活動、職業、ユーザの好み、またはユーザの現在地についての情報)を収集するかどうかを制御するための、または、ユーザにより関連があり得るコンテンツをコンテンツ送信者から受信するかどうか、および/もしくはどのように受信するかを制御するための、機会を与えられ得る。加えて、個人を特定可能な情報が削除されるように、あるデータは、記憶または使用される前に1つまたは複数の方法で扱われ得る。たとえば、ユーザの個人を特定可能な情報が決定されないように、または、位置情報が取得されるユーザの地理的位置が(都市レベル、郵便番号レベル、または州レベルなどに)一般化されることで、ユーザの具体的な位置を決定できないように、ユーザの識別情報が扱われ得る。したがって、ユーザは、ユーザについての情報がどのように収集されてコンテンツサーバにより使用されるかを、制御することができる。
【0015】
図1は、地理的領域の選択的な統合のためのシステム100を図示する。システム100は、コンピューティングデバイス102、関心地点データベース104、地理的位置データベース106、および統合地理的領域データベース108を含む。コンピューティングデバイス102は、1つまたは複数のネットワーク(図示せず)を介してデータベース104、106、108と通信していてもよい。いくつかの例では、コンピューティングデバイス102は、1つまたは複数のモジュールを含んでもよく、コンピューティングシステムの組合せとして、または物理ハードウェアの同じセットで実装されてもよい。
【0016】
コンピューティングデバイス102は、複数のユーザの各ユーザに対して、i)ユーザに対する地理的位置データベース106から位置履歴データ120、およびii)ユーザに対する地理的位置データベース106からあらかじめ定められた地理的位置データ122を取得することができる。具体的には、あるユーザに対して、位置履歴データ120は、たとえばユーザのユーザプロファイルに含まれるような、ある期間にわたるそのユーザの地理的位置を指定する。ユーザの地理的位置は、ユーザが訪問した地理的位置を含んでもよく、さらに、i)ある特定の期間にわたって(たとえば、過去1日、1週間、1カ月、1年にわたって)、および/またはii)各地理的位置に対する別々の訪問の閾値の回数を超えて、ユーザが訪問した地理的位置のみを含んでもよい。いくつかの例では、位置履歴データ120は、具体的には、ある特定の地理的位置に対して、ユーザがある特定の期間の間に閾値の回数を超える別々の時間に訪問した(たとえば、1週間にわたって5回の訪問)、ユーザの地理的位置のみを含み得る。いくつかの例では、ユーザの位置履歴データ120は、ユーザが(モバイル)コンピューティングデバイスを通じて検索エンジンに検索クエリを提供する地理的位置を含み得る。いくつかの例では、ユーザの位置履歴データ120は、ユーザが、閾値の数の検索クエリおよび/またはある期間にわたって閾値の数の検索クエリを提供する、地理的位置のみを含み得る。いくつかの例では、ユーザが(モバイル)コンピューティングデバイスを通じてクエリを検索エンジンに提供する地理的位置は、本明細書でさらに説明される、1つまたは複数の地理的関心地点に地理的に近接していることがある。
【0017】
ある特定のユーザに対して、あらかじめ定められた地理的位置データ122は、たとえばユーザのユーザプロファイルに含まれるような、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定する。いくつかの例では、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置は、あらかじめ定められた地理的位置のユーザにより提供される入力を含み得る。すなわち、ユーザは、ユーザのユーザプロファイルと関連付けるべきあらかじめ定められた地理的位置、たとえば職場または自宅の住所を提供することができる。いくつかの例では、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置は、ある期間にわたってユーザが最も訪問する地理的位置であってもよく、位置履歴120に基づいて自動的に決定される。いくつかの例では、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置は、ユーザが(モバイル)コンピューティングデバイスを通じて最大の量の検索クエリを検索エンジンに提供し、かつ/またはある期間にわたって最大の量の検索クエリを検索エンジンに提供する、地理的位置であり得る。
【0018】
コンピューティングデバイス102は、関心地点データベース104から関心地点データ130を受信することができる。つまり、コンピューティングデバイス102は、関心地点データ130を処理することができ、位置履歴データ120およびあらかじめ定められた地理的位置データ122を用いて、コンピューティングデバイス102は、関心地点データ130の関心地点の各々に対して地理的領域を定義することができる。具体的には、コンピューティングデバイス102は、関心地点を指定する位置履歴データを有する各ユーザを含む、複数のユーザのサブセットを作成する。たとえば、各関心地点に対して、コンピューティングデバイス102は、関心地点を指定する履歴データ120を特定するために、位置履歴データ120を調査する。コンピューティングデバイス102は次いで、ユーザと、関心地点を指定する履歴データ120を含むユーザのユーザプロファイルとを特定することができる。コンピューティングデバイス102は、これらの特定されたユーザを使用して、関心地点を指定する位置履歴データ120を有するユーザのサブセットを作成することができる。
【0019】
コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、ユーザのサブセットの各ユーザに対して、関心地点の地理的位置と、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算することができる。たとえば、関心地点は(喫茶店チェーンの)ある特定の喫茶店を含んでもよく、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置はユーザの職場の住所を含んでもよい。コンピューティングデバイス102は、その特定の喫茶店とユーザの職場の住所との間の距離(たとえば、2マイル)を計算することができる。つまり、コンピューティングデバイス102は、ユーザのサブセットのユーザに対して、関心地点とあらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算することができる。
【0020】
コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、ユーザの所定の部分に対する計算された距離を超える閾値の距離を決定することができる。具体的には、コンピューティングデバイス102は、計算された距離の所定の部分(または百分率)が閾値の距離未満となるように、閾値の距離を決定する。たとえば、コンピューティングデバイス102は、ユーザのサブセットnに対して距離d1、d2、…、dnを計算することができる。コンピューティングデバイス102は、計算された距離d1、d2、…、dnの所定の部分が閾値の距離dt未満となるように、閾値の距離dtを決定することができる。たとえば、計算された距離の所定の部分は80%であり得る(所定の部分/百分率はシステム100の望ましい性能に基づいて設定され得る)。コンピューティングデバイス102は、計算された距離d1、d2、…、dnの80%が閾値の距離dt未満となるように、閾値の距離dtを決定することができる。たとえば、コンピューティングデバイス102は、80%の所定の部分に対して、計算された距離d1、d2、…、dnの80%が3.5マイル未満となるように、閾値の距離が3.5マイルであると決定する。
【0021】
コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、a)関心地点の地理的位置およびb)関心地点の地理的位置から閾値の距離dt以内にある地理的エリアを含む、関心地点の地理的領域を定義することができる。たとえば、コンピューティングデバイス102は、関心地点に対して、地理的位置を中心として含むように関心地点の地理的領域を定義し、関心地点の地理的位置と閾値の距離dtとの間の地理的エリアを含むように関心地点に対して閾値の距離dtまで外側に放射状に地理的領域を延ばす(たとえば、円形の地理的領域)。しかしながら、地理的領域は、他の地理的形状を含んでもよく、他の地理的パラメータによって定義されてもよい。
【0022】
図2は、複数の地理的領域202a、202b、202c、202d(地理的領域202と集合的に呼ばれる)の視覚的な図示のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)200を示す。GUI200は、4つの地理的領域202の表示を含むが、任意の数の地理的領域202が、たとえばGUI200のスケーリングサイズに基づいて示されてもよい。上の例を続けると、ある特定の関心地点に対して、コンピューティングデバイス102は、地理的位置204aと、関心地点の地理的位置204aから閾値の距離d
ta以内にある地理的エリアとを含む、地理的領域202aを定義する。同様に、コンピューティングデバイス102は、地理的位置204bと、関心地点の地理的位置204bから閾値の距離d
tb以内にある地理的エリアとを含む、地理的領域202bを定義する。コンピューティングデバイス102は、地理的位置204cと、関心地点の地理的位置204cから閾値の距離d
tc以内にある地理的エリアとを含む、地理的領域202cを定義する。コンピューティングデバイス102は、地理的位置204dと、関心地点の地理的位置204dから閾値の距離d
td以内にある地理的エリアとを含む、地理的領域202dを定義する。上の例を続けると、地理的領域202の各々の関心地点の各々は、共通のチェーン喫茶店のフランチャイズの異なる喫茶店の位置を含み得る。
【0023】
図1に戻ると、コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを特定する。具体的には、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザ(たとえば、2人以上)の各々に対する位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、地理的領域のペアを特定する。言い換えると、コンピューティングデバイス102は、地理的領域のペアの両方の地理的領域の中の位置を指定する位置履歴データ120を少なくとも閾値の数のユーザが有する、地理的領域の少なくとも1つのペアを特定する。位置履歴データ120は、ユーザのユーザプロファイルによって指定されてもよく、かつ/またはそれに含まれてもよい。
【0024】
コンピューティングデバイス102が、閾値の数のユーザ(たとえば、2人以上の異なるユーザ)の各々に対する位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む地理的領域のペアを特定するとき、コンピューティングデバイス102は、地理的領域のそのペアを交差汚染されているものとして分類する。言い換えると、交差汚染された領域は、ユーザの位置履歴データ120を使用して決定されるような、ユーザによって両方とも訪問される2つ以上の異なる地理的領域である。
【0025】
いくつかの例では、コンピューティングデバイス102は、ユーザが各々、所定の長さの時間以内に異なる領域を訪問したことを、位置履歴データ120が示すときにのみ、2つの地理的領域を交差汚染されているものとして見なす。すなわち、コンピューティングデバイス102は、地理的領域のペアが、i)閾値より多い、各地理的領域と関連付けられるある数の遠隔地データによって指定され、かつii)ある所定の期間内にある、地理的位置を含むとき、地理的領域のペアを交差汚染された地理的領域として特定する。たとえば、所定の期間が1週間(または何らかの他の適切な長さの時間)であると仮定する。この例では、2つの地理的領域間の交差汚染があるかどうかを決定するために、コンピューティングデバイス102は、2つの地理的領域への特定のユーザの訪問が少なくとも所定の期間だけ離れていたことを指定する履歴データ120を無視する(または別様に考慮しない)ことができる。
【0026】
図2を参照すると、示される例において、コンピューティングデバイス102は、地理的領域202bおよび202cを交差汚染されているものとして特定することができる。すなわち、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザの各々に対する位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、地理的領域202bおよび202cを特定する。言い換えると、コンピューティングデバイス102は、地理的領域202bと202cの両方と関連付けられるそれぞれのユーザプロファイルにより含まれる位置履歴データ120を閾値の数のユーザが有する結果として、地理的領域202bおよび202cを交差汚染されているものとして特定する。上の例を続けると、地理的領域202bおよび202cのペアは、同じ喫茶店フランチャイズの喫茶店を含んでもよく、位置履歴データ120に基づくと、閾値の数のユーザが、地理的領域202bおよび202cの喫茶店の両方(たとえば、関心地点204bおよび204c)を訪問した。
【0027】
図1に戻ると、コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のペアを統合して統合地理的領域を定義する。具体的には、コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを統合して、交差汚染された地理的領域の両方の性質を含む統合地理的領域を定義する。すなわち、統合地理的領域は、交差汚染された地理的領域の両方の関心地点を含んでもよく、さらに、各関心地点の地理的位置と各関心地点から閾値の距離d
tとの間の地理的エリアを含む。
【0028】
図3を参照すると、コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域202bおよび202cを統合して、統合地理的領域302を定義することができる。統合地理的領域302は、交差汚染された地理的領域202bおよび202cのそれぞれの関心地点の地理的位置204aおよび204bを含む。さらに、統合地理的領域302は、i)地理的位置204aから閾値の距離d
ta以内にある地理的エリアおよびii)地理的位置204bから閾値の距離d
tb以内にある地理的エリアを含む。いくつかの例では、統合地理的領域302はさらに、地理的領域202bと202cとの間で定義される地理的エリアを含む。
【0029】
図1に戻ると、コンピューティングデバイス102は、統合により作られた得られた統合地理的領域と他の地理的領域との交差汚染が交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合する。具体的には、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定する。交差汚染された地理的領域のさらなるペアは、(以前に)統合された地理的領域を含む。コンピューティングシステム102は、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを統合して、さらなる統合地理的に領域を定義する。たとえば、
図3を参照すると、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザの位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、地理的領域202aおよび統合地理的領域302を特定することができる。コンピューティングデバイス102は、地理的領域202aおよび302を統合することができる。
【0030】
いくつかの例では、コンピューティングデバイス102は、統合地理的領域および非統合地理的領域を含む、各地理的領域の汚染を特定することができ、各地理的領域の汚染が交差汚染のあるレベル未満であるとき、地理的領域の統合は停止される。具体的には、コンピューティングデバイス102は、任意の2つの地理的領域を統合した後、各々の統合地理的領域と各々の非統合地理的領域の汚染を特定する。コンピューティングシステム102は、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染を交差汚染閾値と比較し、各々の統合地理的領域および各々の非統合地理的領域の汚染が交差汚染閾値未満であると決定する。各々の統合地理的領域および各々の(非統合)地理的領域の汚染が交差汚染閾値未満であるとの決定に応答して、コンピューティングシステム102は、任意のさらなる地理的領域(非統合地理的領域および統合地理的領域)のさらなる統合を停止する。
【0031】
コンピューティングデバイス102は、統合地理的領域データ140を統合地理的領域データベース108に出力することができる。統合地理的領域データ140は、統合地理的領域302などの統合地理的領域に関するデータを、統合地理的領域データベース108による記憶のために含み得る。いくつかの例では、統合地理的領域データ140は追加で、非統合地理的領域(たとえば、地理的領域202aおよび202d)に関するデータをさらに含む。
【0032】
いくつかの例では、コンピューティングデバイス102は、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データ120を有する、複数のユーザのうちのユーザの数に基づいて、汚染閾値を決定する。すなわち、複数のユーザの各ユーザに対して、コンピューティングデバイス102は、ユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データ120をユーザのユーザプロファイルが含むかどうかを決定する。コンピューティングデバイス102は次いで、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザの地理的位置の任意のペアを指定するそのような位置履歴データ120を有するユーザの量を決定することができる。コンピューティングデバイス102は次いで、このユーザの量に基づいて汚染閾値を決定することができる。たとえば、ユーザの10%が、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザの地理的位置の任意のペアを指定する位置履歴データ120を有することがあり、コンピューティングデバイス102は、任意の2つの地理的領域間の汚染が10%(または何らかの他の適切な量)未満となるように、汚染閾値を決定することができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイス102は、地理的領域の任意のペア間の最大の汚染に基づいて汚染閾値を決定する。すなわち、地理的領域の汚染が最大の汚染未満となるように、この最大の汚染はユーザにより定義され得る。たとえば、最大の汚染は、任意の2つの地理的領域間の汚染が10%未満となるように、10%(または何らかの他の適切な量)に設定され得る。
【0033】
いくつかの例では、コンピューティングシステム102は、地理的領域の汚染に基づいて地理的領域を統合することができる。具体的には、コンピューティングデバイス102は、相互汚染された地理的領域の2つのペアを特定することができる。相互汚染された地理的領域の第1のペアは、閾値の数の第1のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方とも含み、相互汚染された地理的領域の第2のペアは、閾値の数の第2のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む。コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域の第1のペアの第1の汚染および交差汚染された地理的領域の第2のペアの第2の汚染を特定し、それらを比較して、第1の汚染が第2の汚染より大きいと決定する。コンピューティングデバイス102は、第1の汚染が第2の汚染より大きいことに基づいて、交差汚染された地理的領域の第1のペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義する。
【0034】
図4は、地理的領域の選択的な統合のための例示的なプロセス400を示す。プロセス400は、たとえば、コンピューティングシステム102、または別のデータ処理装置によって実行され得る。プロセス400はまた、コンピュータ記憶媒体に記憶される命令として実施されてもよく、1つまたは複数のデータ処理装置による命令の実行は、1つまたは複数のデータ処理装置に、プロセス400の動作の一部またはすべてを実行させる。
【0035】
コンピューティングデバイス102は、複数のユーザの各ユーザに対して、i)ユーザに対する地理的位置データベース106から位置履歴データ120を、ii)ユーザに対する地理的位置データベース106からあらかじめ定められた地理的位置データ122を取得することができる(402)。具体的には、ある特定のユーザに対して、位置履歴データ120は、たとえばユーザのユーザプロファイルに含まれるような、ある期間にわたるユーザの地理的位置を指定する。ある特定のユーザに対する、あらかじめ定められた地理的位置データ122は、たとえばユーザのユーザプロファイルによって含まれるような、ユーザのあらかじめ定められた地理的位置を指定する。コンピューティングデバイス102は、関心地点を指定する位置履歴データをその各ユーザが含む、複数のユーザのサブセットを作成する(404)。たとえば、各関心地点に対して、コンピューティングデバイス102は、位置履歴データ120を調査して、関心地点を指定する履歴データ120を特定する。コンピューティングデバイス102は次いで、ユーザと、関心地点を指定する履歴データ120を含むユーザのユーザプロファイルとを特定することができる。コンピューティングデバイス102は、これらの特定されたユーザを使用して、関心地点を指定する位置履歴データを有するユーザのサブセットを作成することができる。
【0036】
コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、ユーザのサブセットの各ユーザに対して、関心地点の地理的位置と、ユーザのユーザプロファイルに含まれるユーザのあらかじめ定められた地理的位置との間の距離を計算することができる(406)。コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、ユーザの所定の部分に対する計算された距離を超える閾値の距離を決定することができる(408)。具体的には、コンピューティングデバイス102は、計算された距離の所定の部分(または百分率)が閾値の距離未満となるように、閾値の距離を決定する。コンピューティングデバイス102は、各関心地点に対して、a)関心地点の地理的位置およびb)関心地点の地理的位置から閾値の距離以内にある地理的エリアを含む、関心地点の地理的領域を定義することができる(410)。たとえば、コンピューティングデバイス102は、関心地点に対して、地理的位置を中心として含むように関心地点の地理的領域を定義し、関心地点の地理的位置と閾値の距離との間の地理的エリアを含むように関心地点に対する閾値の距離まで、地理的領域を放射状に外側に延ばす。
【0037】
コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを特定する(412)。具体的には、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザの各々に対する位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、地理的領域のペアを特定する。コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のペアを統合し、統合地理的領域を定義する(414)。具体的には、コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のペアを統合して、交差汚染された地理的領域の両方の性質を含む統合地理的領域を定義する。コンピューティングデバイス102は、統合により作られた得られた統合地理的領域と他の地理的領域との間の交差汚染が交差汚染の指定されたレベルに低下するまで、統合地理的領域を1つまたは複数の追加の地理的領域と統合する(416)。具体的には、コンピューティングデバイス102は、閾値の数のユーザの各々に対するユーザプロファイルの位置履歴データ120によって指定される地理的位置を両方ともが含む、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定する。交差汚染された地理的領域のさらなるペアは、統合地理的領域を含む。コンピューティングデバイス102は、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを特定したことに応答して、交差汚染された地理的領域のさらなるペアを統合して、さらなる統合地理的領域を定義する。
【0038】
いくつかの例では、さらなる統合地理的領域および近隣の地理的領域が、デジタルコンテンツの配信のために使用され得る。たとえば、さらなる統合地理的領域は処置地理的領域として使用されてもよく、近隣の地理的領域は対照地理的領域として使用されてもよい。デジタルコンテンツは、処置地理的領域としてのさらなる統合地理的領域に配信されてもよく、デジタルコンテンツは、対照地理的領域としての近隣の地理的領域に配信されることが防がれる。さらなる統合地理的領域および近隣の地理的領域は、デジタルコンテンツの曝露がオフラインのユーザ行動にどのように影響するかを決定するために使用され得る。具体的には、さらなる統合地理的領域および近隣の地理的領域によりそれぞれ含まれる関心地点に関する、オフラインのユーザ行動に関するあらゆる尺度が測定され得る。さらなる統合地理的領域の尺度と近隣の地理的領域の尺度との差が決定され得る。この差は、さらなる統合地理的領域(たとえば、処置領域)内でのデジタルコンテンツの曝露の影響と、対照地理的領域(たとえば、対照領域)内でのデジタルコンテンツの曝露の欠如とを示し得る。
【0039】
図5は、汎用コンピュータデバイス500および汎用モバイルコンピュータデバイス550の例を示し、それらは、本明細書で説明される技法とともに使用され得る。コンピューティングデバイス500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータなどの、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図される。コンピューティングデバイス550は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の同様のコンピューティングデバイスなどの、様々な形態のモバイルデバイスを表すことが意図される。ここで示される構成要素、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、例示的なものにすぎないことが意図されており、本文書で説明および/または特許請求される本発明の実装形態を制限することは意図されていない。
【0040】
コンピューティングデバイス500は、プロセッサ502、メモリ504、ストレージデバイス506、メモリ504および高速拡張ポート510に接続する高速インターフェース508、ならびに低速バス514およびストレージデバイス506に接続する低速インターフェース512を含む。構成要素502、504、506、508、510、および512の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、共通のマザーボードに、または適宜他の方式で搭載され得る。プロセッサ502は、高速インターフェース508に結合されたディスプレイ516などの、外部入力/出力デバイス上にGUIのためのグラフィカル情報を表示するために、メモリ504またはストレージデバイス506に記憶されている命令を含む、コンピューティングデバイス500内で実行するための命令を処理し得る。他の実装形態では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが、複数のメモリおよび複数のタイプのメモリとともに適宜使用され得る。また、複数のコンピューティングデバイス500が接続されてもよく、各デバイスが必要な動作の部分を提供する(たとえば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)。
【0041】
メモリ504は、コンピューティングデバイス500内に情報を記憶する。一実装形態では、メモリ504は1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。別の実装形態では、メモリ504は1つまたは複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ504はまた、磁気ディスクまたは光学ディスクなどの別の形式のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0042】
ストレージデバイス506は、コンピューティングデバイス500に大容量記憶を提供することが可能である。一実装形態では、ストレージデバイス506は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス、または、ストレージエリアネットワークもしくは他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイなどの、コンピュータ可読媒体であってもよく、またはそれを含んでもよい。コンピュータプログラム製品は、情報の担体において有形に具現化され得る。コンピュータプログラム製品はまた、実行されると、上で説明されたものなどの1つまたは複数の方法を実行する命令を含み得る。情報の担体は、メモリ504、ストレージデバイス506、またはプロセッサ502上のメモリなどの、コンピュータまたは機械可読媒体である。
【0043】
高速コントローラ508は、コンピューティングデバイス500のための帯域幅を大量に使う動作を管理し、一方、低速コントローラ512は、あまり帯域幅を使わない動作を管理する。機能のそのような割振りは例示にすぎない。一実装形態では、高速コントローラ508は、メモリ504、ディスプレイ516(たとえば、グラフィクスプロセッサまたはアクセラレータを通じて)に結合され、様々な拡張カード(図示されず)を受け入れ得る高速拡張ポート510に結合される。実装形態では、低速コントローラ512は、ストレージデバイス506および低速拡張ポート514に結合される。様々な通信ポート(たとえば、USB、Bluetooth、Ethernet、ワイヤレスEthernet)を含み得る低速拡張ポートは、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナなどの1つまたは複数の入力/出力デバイスに結合されてもよく、または、たとえばネットワークアダプタを通じてスイッチもしくはルータなどのネットワーキングデバイスに結合されてもよい。
【0044】
コンピューティングデバイス500は、図面に示されるように、いくつかの異なる形式で実装され得る。たとえば、コンピューティングデバイス500は、標準的なサーバ520として、または、そのようなサーバのグループにおいて複数回実装され得る。コンピューティングデバイス500はまた、ラックサーバシステム524の一部として実装され得る。加えて、コンピューティングデバイス500は、ラップトップコンピュータ522などのパーソナルコンピュータにおいて実装され得る。代替的に、コンピューティングデバイス500からの構成要素は、デバイス550などのモバイルデバイス(図示されず)の中の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス500、550のうちの1つまたは複数を含んでもよく、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイス500、550からできていてもよい。
【0045】
コンピューティングデバイス550は、構成要素の中でもとりわけ、プロセッサ552、メモリ564、ディスプレイ554などの入力/出力デバイス、通信インターフェース566、およびトランシーバ568を含む。デバイス550には、追加のストレージを提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイスなどのストレージデバイスも設けられ得る。構成要素550、552、564、554、566、および568の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、構成要素のいくつかが、適宜他の方式で共通のマザーボードに搭載され得る。
【0046】
プロセッサ552は、メモリ564に記憶されている命令を含む、コンピューティングデバイス640内の命令を実行し得る。プロセッサは、別々のおよび複数のアナログプロセッサとデジタルプロセッサとを含む、チップのチップセットとして実装され得る。プロセッサは、たとえば、ユーザインターフェースの制御手段、デバイス550によって実行されるアプリケーション、およびデバイス550によるワイヤレス通信などの、デバイス550の他の構成要素の協調を可能にし得る。
【0047】
プロセッサ552は、制御インターフェース648、およびディスプレイ554に結合されたディスプレイインターフェース556を通じて、ユーザと通信し得る。ディスプレイ554は、たとえば、TFT LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインターフェース556は、グラフィカル情報および他の情報をユーザに提示するようにディスプレイ554を駆動するための適切な回路を備え得る。制御インターフェース558は、ユーザからコマンドを受け取り、それをプロセッサ552への提出のために変換し得る。加えて、外部インターフェース562は、他のデバイスとのデバイス550の近距離通信を可能にするために、プロセッサ552と通信していてもよい。外部インターフェース562は、たとえば、いくつかの実装形態では有線通信を、または他の実装形態ではワイヤレス通信を可能にしてもよく、複数のインターフェースも使用されてもよい。
【0048】
メモリ564は、コンピューティングデバイス550内に情報を記憶する。メモリ564は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット、または不揮発性メモリユニットのうちの1つまたは複数として実装され得る。拡張メモリ554も提供され、たとえばSIMM(Single In Line Memory Module)カードインターフェースを含み得る拡張インターフェース552を通じて、デバイス550に接続され得る。そのような拡張メモリ554は、デバイス550に余剰の記憶空間を提供することができ、または、デバイス550のためのアプリケーションもしくは他の情報を記憶することもできる。具体的には、拡張メモリ554は、上で説明されたプロセスを実行または補足するための命令を含んでもよく、セキュア情報も含んでもよい。したがって、たとえば、拡張メモリ554は、デバイス550のためのセキュリティモジュールとして提供されてもよく、デバイス550の安全な使用を可能にする命令を用いてプログラムされてもよい。加えて、ハッキング不可能な方式でSIMMカード上に識別情報を置くなどして、セキュアアプリケーションが、追加の情報とともにSIMMカードを介して提供されてもよい。
【0049】
以下で論じられるように、メモリは、たとえば、フラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリを含み得る。一実装形態では、コンピュータプログラム製品は、情報の担体に有形に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されると、上で説明されたものなどの1つまたは複数の方法を実行する命令を含む。情報の担体は、メモリ564、拡張メモリ554、プロセッサ552上のメモリ、または、たとえばトランシーバ568もしくは外部インターフェース562を介して受信され得る伝播信号などの、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体である。
【0050】
デバイス550は、必要な場合デジタル信号処理回路を含み得る、通信インターフェース566を通じてワイヤレスに通信し得る。通信インターフェース566は、とりわけ、GSM音声通話、SMS、EMS、またはMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000、またはGPRSなどの、様々なモードまたはプロトコルのもとで通信を可能にし得る。そのような通信は、たとえば無線周波数トランシーバ568を通じて行われ得る。加えて、Bluetooth、WiFi、または他のそのようなトランシーバ(図示されず)などを使用して、短距離通信が行われ得る。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール550が、追加のナビゲーション関連および位置関連のワイヤレスデータをデバイス550に提供してもよく、これは、デバイス550上で実行されるアプリケーションによって適宜使用されてもよい。
【0051】
デバイス550はまた、オーディオコーデック560を使用して聴覚的に通信してもよく、オーディオコーデック560は、ユーザからの話された情報を受け取り、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。オーディオコーデック560は同様に、たとえばデバイス550のハンドセットにおいて、スピーカーなどを通じて、ユーザに対して可聴の音を生成し得る。そのような音は、音声通話からの音を含んでもよく、録音された音(たとえば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含んでもよく、デバイス550上で動作するアプリケーションによって生成される音も含んでもよい。
【0052】
コンピューティングデバイス550は、図に示されるように、いくつかの異なる形式で実装され得る。たとえば、それは携帯電話580として実装され得る。それはまた、スマートフォン582、携帯情報端末、または他の同様のモバイルデバイスの一部として実装され得る。
【0053】
ここで説明されるシステムおよび技法の様々な実装形態は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組合せで実現され得る。これらの様々な実装形態は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータと命令を受信し、それにデータと命令を送信するために結合された、特別な目的または一般的な目的のものであり得る、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能かつ/または解釈可能である、1つまたは複数のコンピュータプログラムでの実装を含み得る。
【0054】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られている)は、プログラム可能プロセッサのための機械命令を含み、高水準の手続型プログラミング言語および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語で、ならびに/または、アセンブリ言語/機械語で実装されてもよい。本明細書では、「機械可読媒体」「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能プロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(たとえば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラム可能プロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0055】
ユーザとの対話を可能にするために、ここで説明されるシステムおよび技法は、情報をユーザに表示するための表示デバイス(たとえば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがそれにより入力をコンピュータに提供し得るキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)とを有する、コンピュータ上で実装され得る。他の種類のデバイスも、ユーザとの対話を可能にするために使用されてもよく、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、ユーザからの入力は、音響入力、発話入力、または触覚入力を含む、任意の形式で受け取られてもよい。
【0056】
ここで説明されるシステムおよび技法は、バックエンド構成要素を(たとえば、データサーバとして)含む、またはミドルウェア構成要素を(たとえば、アプリケーションサーバ)含む、またはフロントエンド構成要素(たとえば、ここで説明されるシステムおよび技法の実装形態とユーザがそれを通じて対話し得るグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含む、または、そのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せを含む、コンピューティングシステムにおいて実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信(たとえば、通信ネットワーク)の任意の形式または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットを含む。
【0057】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントおよびサーバは、互いに離れており、通常は通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され互いにクライアントとサーバの関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。
【0058】
本開示はいくつかの具体例を含むが、これらは、本開示の範囲または特許請求され得るものに対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、本開示の例示的な実装形態の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実装形態の文脈で本開示において説明されるいくつかの特徴が、単一の実装形態において組合せで提供されてもよい。逆に、単一の実装形態の文脈で説明される様々な特徴が、複数の実装形態において別々に、または任意の適切な部分組合せで提供されてもよい。その上、特徴は、何らかの組合せで機能するものとして上で説明されることがあり、そのように最初に特許請求されることもあるが、特許請求された組合せからの1つまたは複数の特徴は、いくつかの場合、組合せから削除されてもよく、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形を対象としてもよい。
【0059】
同様に、動作は図面において特定の順序で示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または逐次的な順序で実行されること、または、すべての示される動作が実行されることを、必要とするものとして理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上で説明された実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に、単一のソフトウェア製品において一緒に統合され、または複数のソフトウェア製品へとパッケージングされ得ることが理解されるべきである。
【0060】
したがって、本開示の特定の実装形態が説明された。他の実装形態が以下の特許請求の範囲内にある。たとえば、請求項に記載される活動は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。いくつかの実装形態が説明された。それでも、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。たとえば、ステップが並べ替えられ、追加され、または削除された状態で、上で示された様々な形式のフローが使用されてもよい。したがって、他の実装形態が、以下の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0061】
100 システム
102 コンピューティングデバイス
104 関心地点データベース
106 地理的位置データベース
108 統合地理的領域データベース
120 位置履歴データ
122 あらかじめ定められた地理的位置データ
130 関心地点データ
140 統合地理的領域データ
200 グラフィカルユーザインターフェース(GUI)
202 地理的領域
204 地理的位置
302 統合地理的領域
500 汎用コンピュータデバイス
502 プロセッサ
504 メモリ
506 ストレージデバイス
508 高速インターフェース、高速コントローラ
510 高速拡張ポート
512 低速インターフェース、低速コントローラ
514 低速バス、低速拡張ポート
516 ディスプレイ
520 標準的なサーバ
522 ラップトップコンピュータ
524 ラックサーバシステム
550 汎用モバイルコンピューティングデバイス
552 プロセッサ
554 ディスプレイ
556 ディスプレイインターフェース
558 制御インターフェース
560 オーディオコーデック
562 外部インターフェース
564 メモリ
566 通信インターフェース
568 トランシーバ
580 携帯電話
582 スマートフォン