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特許7038869コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/131 20220101AFI20220311BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20220311BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20220311BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20220311BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20220311BHJP
【FI】
H04L67/131
A63F13/86
A63F13/87
H04N21/462
H04N21/442
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021010925
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】230126125
【弁護士】
【氏名又は名称】後藤 未来
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 匡志
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-152619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0221745(US,A1)
【文献】特開2002-074124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/131
A63F 13/86
A63F 13/87
H04N 21/462
H04N 21/442
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、
動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示し、
前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、
前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、
前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記動画を前記サーバ装置から受信して初期再生位置から再生する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記公開会場に対して生成された複数のグループのうちいずれかの特定グループに属する前記或るユーザと他のユーザとの間において送受信されるメッセージを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記特定グループは、
各々がいずれかのユーザにより生成された複数のグループのうち、前記或るユーザにより選択されたグループ、
各々が入場時間帯を割り当てられた複数のグループのうち、前記或るユーザが前記公開会場に入場した時間に対応する入場時間帯を割り当てられたグループ、又は、
各々が属性データを割り当てられた複数のグループのうち、前記或るユーザに対して登録されている属性データに対応する属性データを割り当てられたグループ、
の少なくともいずれかである、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記初期再生位置と、前記特定グループに属する複数のユーザのそれぞれが前記動画を再生している位置のうち最も先の再生位置と、の間において、前記或るユーザのために前記動画の再生位置を変更するオブジェクトを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記初期再生位置と、前記公開会場において前記動画の再生が前記公開開始時刻に定刻どおり開始した場合における該動画の最新の再生位置と、の間において、前記或るユーザのために前記動画の再生位置を変更するオブジェクトを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記メッセージを前記動画の再生に同期させることなくリアルタイム方式により表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項3から請求項6のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記或るユーザ及び他のユーザを含む複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザにより登録可能な前記動画の再生位置に対応付けて該動画に対する評価を示す少なくとも1つの評価データのうち、前記操作データに基づいて選択されたいずれかの評価データを登録し、
前記少なくとも1人のユーザにより登録された前記少なくとも1つの評価データを用いて前記動画の再生位置に対応付けて生成されたグラフを表示する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項2から請求項7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記グラフが、複数の再生位置の各々に対応付けて、該再生位置に対して登録された前記少なくとも1つの評価データの総数を表示し、
前記グラフに含まれた前記総数のうち前記操作データに基づいて選択された1つの総数に対応する再生位置から、前記動画を再生する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記或るユーザにより送信された少なくとも1つのメッセージを前記動画の再生位置に対応付けて登録したメッセージリストを表示し、
前記メッセージリストに含まれた前記少なくとも1つのメッセージのうち前記操作データに基づいて選択された1つのメッセージに対応する再生位置から、前記動画を再生する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項2から請求項9のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記動画を最終再生位置まで再生した時点から一定期間が経過するまでの間、前記動画を再生することを許容する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項10のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記仮想的な空間において前記操作データに基づいて前記或るユーザのアバターを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項11のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場において前記操作データに基づいて前記或るユーザのアバターを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項11のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記公開会場に対して定められた前記公開開始時刻より前の前端時刻から前記後端時刻までを含む前記入場可能時間帯を表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項13のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
動画を公開するための複数の公開会場を収容する前記仮想的な空間を前記操作データに基づいて表示し、
前記複数の公開会場のうちの少なくとも1つの公開会場について、該少なくとも1つの公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、
前記少なくとも1つの公開会場のうち前記操作データに基づいて或る1つの公開会場が選択された時刻が、該或る1つの公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、
前記或る1つの公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、動画を前記サーバ装置から受信して表示する、
ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記複数の公開会場は、第1の公開会場、第2の公開会場及び第3の公開会場を少なくとも含み、
前記第1の公開会場に対して定められた公開開始時刻と前記第2の公開会場に対して定められた公開開始時刻との間における時間間隔と、前記第2の公開会場に対して定められた前記公開開始時刻と前記第3の公開会場に対して定められた公開開始時刻との間における時間間隔と、が同一であり、
前記或る1つの公開会場が、前記第1の公開会場、前記第2の公開会場及び前記第3の公開会場のうちのいずれかである、請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項1から請求項16のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介してサーバ装置から受信する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる、請求項1から請求項17のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、
動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示すること、
前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示すること、
前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、
前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介してサーバ装置から受信すること、をさらに含む、請求項19又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、
前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、
仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信すること、
前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、
前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介して前記端末装置に送信すること、をさらに含む、請求項22又は請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのプロセッサを具備し、
該少なくとも1つのプロセッサが、
仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信し、
前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、
前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信する、
ように構成されることを特徴とするサーバ装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む、請求項25に記載のサーバ装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介して前記端末装置に送信する、ように構成される、請求項25又は請求項26に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願に開示された技術は、ユーザの端末装置に動画を配信するために用いられる、コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの端末装置に動画を配信するサービスとして、Google Play(非特許文献1)、Bigscreen VR(非特許文献2)、DAZN(非特許文献3)、NetFlix(非特許文献4)及びDisney+(非特許文献5)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】"Google Play"、[online]、2020年8月4日、Google Inc.、[2021年1月3日検索]、インターネット(https://play.google.com/store?hl=ja)
【文献】"Bigscreen VR"、[online]、2020年2月20日、BIG SCREEN, INC.、[2021年1月3日検索]、インターネット(https://www.bigscreenvr.com/)
【文献】"DAZN"、[online]、2020年8月12日、DAZN Limited、[2021年1月3日検索]、インターネット(https://www.dazn.com/ja-JP/home)
【文献】"NetFlix"、[online]、2021年1月1日、Netflix, Inc.、[2021年1月3日検索]、インターネット(https://www.netflix.com/jp/)
【文献】"Disney+"、[online]、2020年6月11日、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社、[2021年1月3日検索]、インターネット(https://disneyplus.disney.co.jp/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、新作の映画やライブ等のコンテンツを公開する場を拡大することが求められている。また、コンテンツを単に個人に配信するだけでなく、コンテンツを視聴する複数のユーザの間においてこのコンテンツを共有する体験(コミュニケーション)が重要であり得る。
【0005】
さらに、複数のユーザが同一のコンテンツ(例えばライブ配信)の視聴を共有することにより、これら複数のユーザの間において上記コンテンツに関連したコミュニケーションを実現することができる。しかし、この場合、サーバ装置と各ユーザの端末装置との間における通信回線の質及び状態等の影響により、コンテンツの配信が安定しない可能性が考えられる。この結果、例えば、コンテンツの配信が定刻に開始される場合に、一部のユーザがそのような定刻までにコンテンツに対してアクセスできない可能性がある。
【0006】
そこで、本件出願に開示された技術は、上述した課題のうちの少なくとも一部に対処すべく、向上した手法によりユーザの端末装置に動画を配信する、コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示し、前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
一態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示すること、前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示すること、前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示すること、を含む」ことができる。
別の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信すること、前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信すること、を含むこと」ことができる。
一態様に係るサーバ装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくとも1つのプロセッサが、仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信し、前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信する、ように構成される」ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る動画配信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示した端末装置10(サーバ装置20)のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、図1に示した各端末装置10が有する機能の一例を示すブロック図である。
図4A図4Aは、図1に示したメインサーバ装置20Aが有する機能の一例を模式的に示すブロック図である。
図4B図4Bは、図1に示した動画サーバ装置20Bが有する機能の一例を模式的に示すブロック図である。
図5A図5Aは、図1に示した動画配信システム1において行われる動作の一例を示すフロー図である。
図5B図5Bは、図1に示した動画配信システム1において行われる動作の一例を示すフロー図である。
図6図6は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間の一例を示す模式図である。
図7図7は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間の別の例を示す模式図である。
図8図8は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間に収容される公開会場の例を示す模式図である。
図9図9は、図1に示した動画配信システム1において各ユーザの端末装置10により表示される動画の再生位置を変化させる範囲の一例を概念的に示す模式図である。
図10図10は、図1に示した動画配信システム1においてサーバ装置20により生成されるグラフの一例を部分的に拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、いかなる方法によっても限定されることを意図していない、代表的な様々な実施形態という意味により記載される。
本件出願において用いられるように、「1つの」、「前記」、「上記」、「当該」、「該」、「この」、「その」といった単数形は、複数形でないことを明確に示さない限り、複数形を含むことができる。また、「含む」という用語は、「具備する」こと又は「備える」ことを意味し得る。さらに、「結合された」、「結合した」、「結び付けられた」、「結び付けた、「接続された」又は「接続した」という用語は、対象物を相互に結合する、接続する又は結び付ける、機械的、電気的、磁気的及び光学的な方法を他の方法とともに包含し、このように結合された、結合した、結び付けられた、結び付けた、接続された又は接続した対象物の間にある中間要素の存在を排除しない。
【0010】
本明細書において記載される、様々なシステム、方法及び装置は、いかなる方法によっても限定されるものとして解釈されるべきではない。実際には、本開示は、開示された様々な実施形態の各々、これら様々な実施形態を相互に組み合わせたもの、及び、これら様々な実施形態の一部を相互に組み合わせたもの、のうちのあらゆる新規な特徴及び態様に向けられている。本明細書において記載される、様々なシステム、方法及び装置は、特定の態様、特定の特徴、又は、このような特定の態様と特定の特徴とを組み合わせたものに限定されないし、本明細書に記載される物及び方法は、1若しくはそれ以上の特定の効果が存在すること又は課題が解決されることを、要求するものでもない。さらには、本明細書において記載された様々な実施形態のうちの様々な特徴若しくは態様、又は、そのような特徴若しくは態様の一部は、相互に組み合わせて用いられ得る。
【0011】
本明細書において開示された様々な方法のうちの幾つかの方法の動作が、便宜上、特定の順序に沿って記載されているが、このような手法による記載は、特定の順序が以下特定の文章によって要求されていない限り、上記動作の順序を並び替えることを包含する、と理解すべきである。例えば、順番に記載された複数の動作は、幾つかの場合には、並び替えられるか又は同時に実行される。さらには、簡略化を目的として、添付図面は、本明細書に記載された様々な事項及び方法が他の事項及び方法とともに用いられ得るような様々な方法を示していない。加えて、本明細書は、「生成する」、「発生させる」、「表示する」、「受信する」、「評価する」及び「配信する」のような用語を用いることがある。これらの用語は、実行される実際の様々な動作のハイレベルな記載である。これらの用語に対応する実際の様々な動作は、特定の実装に依存して変化し得るし、本明細書の開示の利益を有する当業者によって容易に認識され得る。
【0012】
本開示の装置又は方法に関連して本明細書に提示される、動作理論、科学的原理又は他の理論的な記載は、よりよい理解を目的として提供されており、技術的範囲を限定することを意図していない。添付した特許請求の範囲における装置及び方法は、このような動作理論により記載される方法により動作する装置及び方法に限定されない。
【0013】
本明細書に開示された様々な方法のいずれもが、コンピュータにより読み取り可能な1又はそれ以上の媒体(例えば、1又はそれ以上の光学媒体ディスク、複数の揮発性メモリ部品、又は、複数の不揮発性メモリ部品といったような、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体)に記憶された、コンピュータにより実行可能な複数の命令を用いて実装され、さらに、コンピュータにおいて実行され得る。ここで、上記複数の揮発性メモリ部品は、例えばDRAM又はSRAMを含む。また、上記複数の不揮発性メモリ部品は、例えばハードドライブ及びソリッドステートドライブ(SSD)を含む。さらに、上記コンピュータは、例えば、計算を行うハードウェアを有するスマートフォン及び他のモバイル装置を含む、市場において入手可能な任意のコンピュータを含む。
【0014】
本明細書において開示された技術を実装するためのこのようなコンピュータにより実行可能な複数の命令のいずれもが、本明細書において開示された様々な実施形態の実装の間において生成され使用される任意のデータとともに、1又はそれ以上のコンピュータにより読み取り可能な媒体(例えば、非一時的なコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体)に記憶され得る。このようなコンピュータにより実行可能な複数の命令は、例えば、個別のソフトウェアアプリケーションの一部であり得るか、又は、ウェブブラウザ若しくは(リモート計算アプリケーションといったような)他のソフトウェアアプリケーションを介してアクセス又はダウンロードされるソフトウェアアプリケーションの一部であり得る。このようなソフトウェアは、例えば、(例えば市場において入手可能な任意の好適なコンピュータにおいて実行されるプロセスとしての)単一のローカルコンピュータにおいて、又は、1又はそれ以上のネットワークコンピュータを用いて、ネットワーク環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、(クラウド計算ネットワークといったような)クライアントサーバネットワーク、又は、他のそのようなネットワーク)において、実行され得る。
【0015】
明確化のために、ソフトウェアをベースとした様々な実装のうちの特定の選択された様々な態様のみが記載される。当該分野において周知である他の詳細な事項は省略される。例えば、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータ言語又はプログラムに限定されない。例えば、本明細書において開示された技術は、C、C++、Java、又は、他の任意の好適なプログラミング言語で記述されたソフトウェアにより実行され得る。同様に、本明細書において開示された技術は、特定のコンピュータ又は特定のタイプのハードウェアに限定されない。好適なコンピュータ及びハードウェアの特定の詳細な事項は、周知であって、本明細書において詳細に説明する必要はない。
【0016】
さらには、このようなソフトウェアをベースとした様々な実施形態(例えば、本明細書において開示される様々な方法のいずれかをコンピュータに実行させるための、コンピュータにより実行可能な複数の命令を含む)のいずれもが、好適な通信手段により、アップロードされ、ダウンロードされ、又は、リモート方式によりアクセスされ得る。このような好適な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気通信、電磁気通信(RF通信、マイクロ波通信、赤外線通信を含む)、電子通信、又は、他のそのような通信手段を含む。
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
【0018】
1.動画配信システムの構成
本件出願において開示される動画配信システムでは、簡潔にいえば、まず、或るユーザの端末装置は、動画を公開するための公開会場(例えば上映室)を収容する仮想的な空間(例えば映画館)を上記ユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示することができる。さらに、上記ユーザの端末装置は、上記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、この公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示することができる。さらにまた、上記ユーザの端末装置は、上記操作データに基づいて入場すべき会場として上記公開会場が選択された時刻が上記入場可能時間帯に含まれる場合に、上記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示することができる。
【0019】
図1は、一実施形態に係る動画配信システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、動画配信システム1は、通信回線(通信網)2に接続され得る複数の端末装置10と、通信回線2に接続され得る少なくとも1つのサーバ装置20と、を含むことができる。各端末装置10は、通信回線2を介して、少なくとも1つのサーバ装置20の各々に接続され得る。
【0020】
なお、図1には、複数の端末装置10として、例えば、端末装置10A~10Dが示されているが、これら以外の1又はそれ以上の端末装置10が同様に用いられ得る。同様に、図1には、少なくとも1つのサーバ装置20として、例えば、1つのサーバ装置20しか示されていないが、これら以外の1又はそれ以上の他のサーバ装置20が同様に用いられ得る。なお、通信回線2は、携帯電話網、無線ネットワーク(例えば、Bluetooth、(IEEE 802.11a/b/nといったような)WiFi、WiMax、セルラー、衛星、レーザー、赤外線、を介したRF接続)、固定電話網、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又は、イーサネットネットワークを、これらに限定することなく含むことができる。
【0021】
1-1.端末装置10
各端末装置10は、インストールされた動画視聴用アプリケーション(ミドルウェア、又は、アプリケーションとミドルウェアとの組み合わせであってもよい。以下同様。)を実行することができる。これにより、各端末装置10は、例えば、サーバ装置20と通信することにより、動画を公開するための少なくとも1つの公開会場を収容する仮想的な空間と、当該少なくとも1つの公開会場とを、そのユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示することができる。また、各端末装置10は、上記少なくとも1つの公開会場のうち上記操作データに基づいて選択された公開会場に対応する動画を、サーバ装置20から受信して表示することができる。
【0022】
各端末装置10は、このような動作を実行することができる任意の端末装置であって、スマートフォン、タブレット、携帯電話(フィーチャーフォン)及び/又はパーソナルコンピュータ等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0023】
1-2.サーバ装置20
図1には、サーバ装置20が、相互に通信可能に接続されたメインサーバ装置20A及び動画配信サーバ装置20Bを含む例が示されている。「メインサーバ装置」及び「動画配信サーバ装置」という名称は、単なる例示的な名称に過ぎず、任意の名称であり得る。
【0024】
メインサーバ装置20Aは、例えば、各公開会場及び仮想的な空間に関する画像データを各端末装置10に送信することができる。これにより、各端末装置10は、各公開会場及び仮想的な空間を表示することができる。
【0025】
動画配信サーバ装置20Bは、例えば、各公開会場に対して予め定められた動画を格納しておくことができる。この動画配信サーバ装置20Bは、上記少なくとも1つの公開会場のうち、端末装置20により選択された公開会場に対応する動画を、その端末装置20に配信することができる。
【0026】
サーバ装置20は、負荷を分散させて効率的な処理を実現するために、相互に物理的に分離しかつ相互に電気的に接続されたメインサーバ装置20A及び動画配信サーバ装置20Bを含むことができる。別の実施形態では、サーバ装置20は、相互に物理的に一体化されたメインサーバ装置20A及び動画配信サーバ装置20Bを含むこともできる。
【0027】
2.各装置のハードウェア構成
次に、端末装置10及びサーバ装置20の各々が有するハードウェア構成の一例について説明する。
【0028】
2-1.端末装置10のハードウェア構成
各端末装置10のハードウェア構成例について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した端末装置10(サーバ装置20)のハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である(なお、図2において、括弧内の参照符号は、後述するようにサーバ装置20に関連して記載されている)。
【0029】
図2に示すように、各端末装置10は、主に、中央処理装置11と、主記憶装置12と、入出力インタフェイス装置13と、入力装置14と、補助記憶装置15と、出力装置16と、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続されている。
【0030】
中央処理装置11は、「CPU」と称され、主記憶装置12に記憶されている命令及びデータに対して演算を行い、その演算の結果を主記憶装置12に記憶させることができる。さらに、中央処理装置11は、入出力インタフェイス装置13を介して、入力装置14、補助記憶装置15及び出力装置16等を制御することができる。端末装置10は、1又はそれ以上のこのような中央処理装置11を含むことが可能である。
【0031】
主記憶装置12は、「メモリ」と称され、入力装置14、補助記憶装置15及び通信回線30(サーバ装置20等)から、入出力インタフェイス装置13を介して受信した命令及びデータ、並びに、中央処理装置11の演算結果を記憶することができる。主記憶装置12は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、EEPROM、フラッシュメモリ)、及び、ストレージ(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、磁気テープ、光学媒体)、といったようなコンピュータにより読み取り可能な媒体を、これらに限定することなく含むことができる。容易に理解されるように、「コンピュータにより読み取り可能な記録媒体」という用語は、変調されたデータ信号すなわち一時的な信号といったような送信媒体ではなく、メモリ及びストレージといったようなデータストレージのための媒体を含むことができる。
【0032】
補助記憶装置15は、主記憶装置12よりも大きな容量を有する記憶装置である。上述した動画視聴用アプリケーションやウェブブラウザアプリケーション等を構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を記憶することができる。さらに、補助記憶装置15は、中央処理装置11により制御されることにより、これらの命令及びデータ(コンピュータプログラム)を、入出力インタフェイス装置13を介して主記憶装置12に送信することができる。補助記憶装置15は、磁気ディスク装置及び/又は光ディスク装置等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0033】
入力装置14は、外部からデータを取り込む装置であって、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウス及び/又はセンサ等をこれらに限定することなく含むことができる。センサは、後述するように、1若しくはそれ以上のカメラ等及び/又は1若しくはそれ以上のマイク等を含むセンサを、これらに限定することなく含むことができる。
【0034】
出力装置16は、ディスプレイ装置、タッチパネル及び/又はプリンタ装置等をこれらに限定することなく含むことができる。
【0035】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置11が、補助記憶装置15に記憶された特定のアプリケーションを構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を順次主記憶装置12にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができる。これにより、中央処理装置11は、入出力インタフェイス装置13を介して出力装置16を制御し、或いはまた、入出力インタフェイス装置13及び通信回線2を介して、他の装置(例えばサーバ装置20及び/又は他の端末装置10)との間で様々なデータの送受信を行うことができる。これら様々なデータは、後述する評価データに関連するデータ(例えば、動画を識別するデータと、評価データを識別するデータと、その動画におけるその評価データが登録された再生位置を識別するデータと、を含むことができる。)、及び/又は、後述するグラフに関するデータ、をこれらに限定することなく含むことができる。
【0036】
これにより、或るユーザの端末装置10は、インストールされた動画視聴用アプリケーション等を実行することにより、例えば以下に例示する動作(後に詳述する様々な動作を含む)のうちの少なくとも1つの動作を、これらに限定することなく実行することができる。
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から、仮想的な空間及びこの仮想的な空間に収容される各公開会場に関する画像データを受信する動作
・受信した画像データを用いて、上記或るユーザの操作の内容を示す操作データ及び/又は上記或るユーザの動作に関する動作データに基づいて、仮想的な空間を表示する動作
・受信した画像データを用いて、上記操作データ及び/又は上記動作データに基づいて、各公開会場を表示する動作
・上記仮想的な空間において、上記操作データ及び/又は上記動作データに基づいて、上記或るユーザのアバターを表示する動作
・各公開会場において、上記操作データ及び/又は上記動作データに基づいて、上記或るユーザのアバターを表示する動作
・上記操作データ及び/又は上記動作データに基づいて上記或るユーザのアバターの仮想的な空間及び/又は各公開会場における位置を示す位置データを生成し、この位置データをサーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)に送信する動作
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から、他のユーザのアバターに関するアバターデータ(アバターの画像データ及び/又はアバターの位置データ)を受信する動作
・上記仮想的な空間において、上記アバターデータに基づいて、他のユーザのアバターを表示する動作
・各公開会場において、上記アバターデータに基づいて、他のユーザのアバターを表示する動作
・各公開会場に対して定められた公開開始時刻から、この公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関する時間帯データを、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から受信して表示する動作
・上記或るユーザが属する特定グループにおいて送信されたメッセージをサーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から受信して表示する動作
・上記少なくとも1つの公開会場のうち、上記操作データに基づいて選択されたいずれかの公開会場に対応する動画を、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)から受信して表示する動作
【0037】
なお、端末装置10は、中央処理装置11に代えて又は中央処理装置11とともに、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むことも可能である。
【0038】
2-2.サーバ装置20のハードウェア構成
各サーバ装置20のハードウェア構成例について同じく図2を参照して説明する。各サーバ装置20(メインサーバ装置20A及び動画配信サーバ装置20B)のハードウェア構成としては、例えば、上述した各端末装置10のハードウェア構成と同一の構成を用いることが可能である。したがって、各サーバ装置20が有する構成要素に対する参照符号は、図2において括弧内に示されている。
【0039】
図2に示すように、各サーバ装置20は、主に、中央処理装置21と、主記憶装置22と、入出力インタフェイス装置23と、入力装置24と、補助記憶装置25と、出力装置26と、を含むことができる。これら装置同士は、データバス及び/又は制御バスにより接続されている。
【0040】
中央処理装置21、主記憶装置22、入出力インタフェイス装置23、入力装置24、補助記憶装置25及び出力装置26は、それぞれ、上述した各端末装置10に含まれる、中央処理装置11、主記憶装置12、入出力インタフェイス装置13、入力装置14、補助記憶装置15及び出力装置16と略同一であり得る。
【0041】
このようなハードウェア構成にあっては、中央処理装置21が、補助記憶装置25に記憶された特定のアプリケーション(動画配信用アプリケーション等)を構成する命令及びデータ(コンピュータプログラム)を順次主記憶装置22にロードし、ロードした命令及びデータを演算することができる。これにより、中央処理装置21は、入出力インタフェイス装置23を介して出力装置26を制御し、或いはまた、入出力インタフェイス装置23及び通信回線2を介して、他の装置(例えば各端末装置10等)との間で様々なデータの送受信を行うことができる。これら様々なデータは、後述する評価データに関連するデータ(例えば、動画を識別するデータと、評価データを識別するデータと、その動画におけるその評価データが登録された再生位置を識別するデータと、を含むことができる。)、及び/又は、後述するグラフに関するデータ、をこれらに限定することなく含むことができる。
【0042】
これにより、メインサーバ装置20Aは、例えば以下に例示する動作(後に詳述する様々な動作を含む)のうちの少なくとも1つの動作を、これらに限定することなく実行することができる。
・各端末装置10に対して、上記仮想的な空間及びこの仮想的な空間に収容される各公開会場に関する画像データを送信する動作
・特定グループに属する各ユーザの端末装置10により送信されたメッセージを、その特定グループに属する各ユーザの端末装置10に配信する動作
・各端末装置10からそのユーザのアバターの位置データを受信する動作
・各ユーザの端末装置10に対して、他のユーザのアバターデータ(当該他のアバターの画像データ及び/又は当該他のアバターの位置データ)を送信する動作
【0043】
同様に、動画配信サーバ装置20Bは、例えば以下に例示する動作(後に詳述する様々な動作を含む)のうちの少なくとも1つの動作を、これらに限定することなく実行することができる。
・上記少なくとも1つの公開会場のうち、端末装置10により選択された公開会場に対応する動画を、その端末装置10に配信する動作
・いずれかの公開会場に対応する動画を、その公開会場に対して生成された特定グループに属する各ユーザの端末装置10に配信する際に、この動画の再生位置を制御する動作
【0044】
なお、サーバ装置20は、中央処理装置21に代えて又は中央処理装置21とともに、1又はそれ以上のマイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むことも可能である。
【0045】
3.各装置が有する機能
3-1.端末装置10が有する機能
次に、端末装置10が有する機能の一例について図3を参照して説明する。図3は、図1に示した各端末装置10が有する機能の一例を示すブロック図である。
【0046】
図3に示すように、端末装置10は、通信部100と、操作/動作データ生成部110と、画像処理部120と、判定部130と、メッセージ処理部140と、再生制御部150と、表示部160と、記憶部170と、ユーザインタフェイス部180と、を含むことができる。
【0047】
(1)通信部
通信部100は、動画の視聴に用いられる様々なデータを、サーバ装置20(メインサーバ装置20A及び動画配信サーバ装置20B)との間において通信することができる。
【0048】
例えば、通信部100は、次のようなデータのうちの少なくとも1つのデータを、これらに限定することなく、送信又は受信することができる。
【0049】
(通信部100が受信するデータ)
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)により送信された少なくとも1つの公開会場を収容する仮想的な会場に関する画像データ
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)により送信された各公開会場に関する画像データ
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)により送信された、他のユーザのアバターに関するアバターデータ(アバターの画像データ及び/又はアバターの位置データ)
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)により送信された、各公開会場に対して定められた公開開始時刻から、この公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関する時間帯データ
・上記少なくとも1つの公開会場のうち、上記操作データに基づいて選択されたいずれかの公開会場に対応する動画であって、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)により送信された動画
・当該端末装置10のユーザが属する特定グループにおいて送信されたメッセージであって、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)により送信されたメッセージ
【0050】
(通信部100が送信するデータ)
・上記操作データ及び/又は上記動作データに基づいて当該端末装置10のユーザのアバターの仮想的な空間及び/又は各公開会場における位置を示す位置データであって、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)に対して送信されるデータ
・当該端末装置10のユーザが属する特定グループに対して当該端末装置10により送信されたメッセージ
【0051】
(2)操作/動作データ生成部110
操作/動作データ生成部110は、ユーザの操作の内容を示す操作データ及び/又はユーザの動作に関する動作データを生成することができる。操作データは、ユーザインタフェイス部180を介してユーザにより入力された操作の内容を示すデータであり得る。このような操作データは、例えば、タッチパネルに対するタップ、ドラッグ、スワイプ、マウスによる入力(クリック等)、キーボードに対する入力等を、これらに限定することなく含むことができる。
【0052】
動作データは、ユーザの身体(顔等)の動作のディジタル表現をタイムスタンプに対応付けて記録したデータであり得る。操作/動作データ生成部110は、このような動作データを生成するために、例えば、センサ部112と、処理部114と、を含むことができる。
【0053】
センサ部112は、ユーザの身体に関するデータを取得する1又はそれ以上のセンサ112a(例えばカメラ112a)を含むことができる。
【0054】
1又はそれ以上のセンサ112aは、例えば、ユーザの顔等に向かって赤外線を放射する図示しない放射部、及び、配信者の顔等に反射した赤外線を検出する図示しない赤外線カメラを含むことができる。或いはまた、1又はそれ以上のセンサ112aは、配信者の顔等を撮影する図示しないRGBカメラ、及び、このカメラにより撮影された画像を処理する図示しない画像処理部を含むことができる。
【0055】
処理部114は、1又はそれ以上のセンサ112aにより検出されたデータを用いて、所定の時点(例えば検出を開始した初期時点)からのユーザの表情の変化、及び、ユーザの相対位置の変化を検出することができる。これにより、処理部114は、タイムスタンプに対応付けてユーザの顔等の変化を示す動作データ(モーションデータ)を生成することができる。かかる動作データは、例えば、タイムスタンプにより識別される単位時間ごとに、ユーザの顔等のいずれの部分がどのように変化したのか、及び、ユーザの相対位置がどのように変化したのかを示すデータ等を含み得る。
【0056】
別の実施形態では、例えば、動作データは、モーションキャプチャシステムを用いて取得され得る。本開示による利益を有する当業者により容易に理解されるように、本件出願において開示される装置及び方法とともに使用され得る幾つかの例の適切なモーションキャプチャシステムは、パッシブマーカ若しくはアクティブマーカを用いた又はマーカを用いない光学式モーションキャプチャシステムと、慣性式及び磁気式の非光学式システムとを含む。モーションデータは、モーションデータを動画又は他のイメージデータに変換するコンピュータに結合された、(CCD(電荷結合デバイス)又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサといったような)イメージキャプチャ装置を用いて取得され得る。
【0057】
(3)画像処理部120
画像処理部120は、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から受信した仮想的な空間に関する画像データを用いて、操作/動作データ生成部110により生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて、仮想的な空間を描画して表示部160に表示することができる。具体的には、まず、画像処理部120は、操作/動作データ生成部110により生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて、仮想的な空間(例えば、映画館、ライブハウス等)における当該端末装置10のユーザのアバターの位置(3次元座標)及び向き(Z軸を中心とした0度~360度の向き)に関する位置データを生成することができる。例えば、操作データ及び/又は動作データが、前方に進む旨を示す場合には、画像処理部120は、仮想的な空間におけるユーザのアバターのy座標を増加させた位置データを生成することができる。或いはまた、操作データ及び/又は動作データが、右(又は左)に方向を変える旨を示す場合には、画像処理部120は、ユーザのアバターの向きを90度右(又は左)に回転させた位置データを生成することができる。
【0058】
さらに、画像処理部120は、サーバ装置(例えばメインサーバ装置20A)から受信して記憶部170に記憶された、仮想的な空間及び各公開会場に関する画像データのうち、ユーザのアバターの位置データ(3次元座標及び向き)に対応する画像データを読みだして、仮想的な空間又はいずれかの公開会場を描画して表示部160に表示することができる。
【0059】
このように、画像処理部120は、操作データ及び/又は動作データに基づいて仮想的な空間におけるユーザのアバターの3次元座標及び向きを決定し、そのように決定した3次元座標及び向きに対応する画像データを用いて仮想的な空間を描画して表示することができる。このとき、画像処理部120は、仮想的な空間に組み合わせてユーザのアバターが歩行しているアニメーションを描画して表示することができる。これにより、画像処理部120は、仮想的な空間の内部又は各公開会場の内部において、操作データ及び/又は動作データに基づいてユーザのアバターが移動する画像を生成して表示することができる。
【0060】
画像処理部120は、一実施形態では、仮想的な空間又は各公開会場をユーザのアバターと組み合わせて(三人称視点により)表示することができる。画像処理部120は、別の実施形態では、ユーザのアバターを表示することなく仮想的な空間又は各公開会場のみを(一人称視点により)表示することができる。
【0061】
さらにまた、画像処理部120は、通信部100がサーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から他のユーザのアバターに関するアバターデータ(アバターの画像データ及び/又はアバターの位置データ)を周期的に又は間欠的に受信することにより、仮想的な空間又は各公開会場を他のユーザのアバターと組み合わせて(一人称視点又は三人称視点により)表示することもできる。具体的には、他のユーザのアバターに関するアバターデータは、仮想的な空間における当該他のユーザのアバターの3次元座標及び向きを示す。このようなアバターデータを用いることにより、画像処理部120は、仮想的な空間又は各公開会場において、アバターデータにより示される3次元座標に対応する位置において、アバターデータにより示される向きに、他のユーザのアバターを配置して表示することができる。
【0062】
(4)判定部130
判定部130は、仮想的な空間(例えば、映画館やライブハウス等)に収容される少なくとも1つの公開会場(例えば上映室や小ライブ室やステージ)の中から、当該端末装置10によりいずれかの公開会場が選択された時間が、当該公開会場について定められた入場可能時間帯に含まれるか否かを判定することができる。このような判定は、例えば、以下の方法のうちの少なくとも1つの方法により行われ得る。
・判定部130が、操作/動作データ生成部110により生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて上記少なくとも1つの公開会場の中からいずれかの公開会場が選択された時間と、当該公開会場について定められた入場可能時間帯と、を比較する。
・サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)が、操作/動作データ生成部110により生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて上記少なくとも1つの公開会場の中からいずれかの公開会場が選択された時間と、当該公開会場について定められた入場可能時間帯と、を比較することにより当該判定を行い、その判定の結果を端末装置10に送信する。判定部130は、サーバ装置20から受信した判定の結果に基づいて、当該判定を行うことができる。
【0063】
(5)メッセージ処理部140
メッセージ処理部140は、当該端末装置10のユーザが属する特定グループにおいて送信されたメッセージに関する様々な処理を実行することができる。例えば、メッセージ処理部140は、当該端末装置10のユーザによりユーザインタフェイス部180を介して入力されたメッセージを、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)に送信することができる。
【0064】
さらに、メッセージ処理部140は、当該端末装置10のユーザが属する特定グループにおいて送信されたメッセージであって、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から受信したメッセージを、表示部160に表示することができる。
【0065】
(6)再生制御部150
再生制御部150は、上記少なくとも1つの公開会場のうち当該端末装置10により選択されたいずれかの公開会場に対応する動画であって、サーバ装置20(動画配信サーバ装置20B)により送信された動画について、その再生位置に関する制御を実行することができる。
【0066】
具体的には、再生制御部150は、動画に組み合わせて、この動画の再生位置を変更することを可能にするオブジェクト(シークバー等)を表示することができる。さらに、再生制御部150は、操作データに基づいて上記オブジェクトの位置が変更された場合に、その位置に対応する再生位置から動画を再生することができる。ここで、そのような再生位置に対応する動画が記憶部170に記憶されている場合には、再生制御部150は、記憶部170から動画を読みだして表示部160に表示することができる。一方、そのような再生位置に対応する動画が記憶部に記憶されていない場合には、再生制御部150は、通信部100を介してサーバ装置(例えば動画配信サーバ装置20B)から受信した動画を表示部160に表示することができる。
【0067】
後述するように、再生制御部150は、上記オブジェクトの位置を操作データに基づいて任意の位置に変更するのではなく、例えば、上記オブジェクトの位置を以下の少なくとも1つの位置に変更することができる。
・動画の初期再生位置と、(当該端末装置10のユーザが属する)特定グループに属する複数のユーザのそれぞれが当該動画を再生している位置のうち最も先の再生位置と、の間におけるいずれかの位置
・動画の初期再生位置と、当該公開会場において当該動画が定刻どおりに開始した場合における当該動画の最新の再生位置と、の間におけるいずれかの位置
【0068】
(7)表示部160
表示部160は、動画の視聴に用いられる様々なデータを表示することができる。例えば、表示部160は、画像処理部120により生成され(一時的に記憶部170に記憶され)た画像、及び、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)から通信部100を介して受信した動画等を表示することができる。
【0069】
(8)記憶部170
記憶部170は、動画の視聴に用いられる様々なデータを記憶することができる。
【0070】
(9)ユーザインタフェイス部180
ユーザインタフェイス部170は、動画の視聴に用いられる様々なデータをユーザの操作を介して入力することができる。ユーザインタフェイス部170は、例えば、タッチパネル、ポインティングデバイス、マウス及びキーボードを、これらに限定することなく含むことができる。
【0071】
3-2.サーバ装置20が有する機能
(1)メインサーバ装置20Aが有する機能
メインサーバ装置20Aが有する機能の一例について図4Aを参照して説明する。図4Aは、図1に示したメインサーバ装置20Aが有する機能の一例を模式的に示すブロック図である。
【0072】
図4Aに示すように、メインサーバ装置20Aは、通信部200と、記憶部210と、グループ処理部220と、メッセージ処理部230と、を含むことができる。さらに、メインサーバ装置20Aは、オプションとして、判定部240を含むこともできる。
【0073】
通信部200は、動画の配信に関連して用いられる様々なデータを、各ユーザの端末装置10との間において通信することができる。通信部200は、以下のデータのうちの少なくとも1つを、これらに限定することなく、各ユーザの端末装置10との間において通信することができる。
(通信部200が送信するデータ)
・仮想的な空間及びこの仮想的な空間に収容される各公開会場に関する画像データ
・或るユーザの端末装置10に送信されるアバターデータであって、当該或るデータとは異なる他のユーザのアバターに関するアバターデータ(アバターの画像データ及び/又はアバターの位置データ)
・各公開会場に対して定められた公開開始時刻から、この公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関する時間帯データ
・特定グループに属する各ユーザの端末装置10により送信されたメッセージ
【0074】
(通信部200が受信するデータ)
・特定グループに属する各ユーザの端末装置10により送信されたメッセージ
・各端末装置10から送信されたデータであって、少なくとも1つの公開会場のうち、入場すべき会場としてその端末装置10により選択されたいずれかの公開会場を示すデータ
【0075】
記憶部210は、動画の配信に関連して用いられ、通信部200から受信した様々なデータを記憶することができる。
【0076】
グループ処理部220は、各公開会場に対して生成された複数のグループに関する様々な処理を実行することができる。例えば、グループ処理部220は、各公開会場に対して複数のグループを生成し、各ユーザがこれら複数のグループのうちのいずれのグループに属するのかを管理することができる。
【0077】
メッセージ処理部230は、ユーザの端末装置10から受信したメッセージを、グループ処理部220により管理されている複数のグループのうち、上記ユーザが属する特定グループ全体に送信するといった処理を実行することができる。
【0078】
判定部240は、上述した端末装置10の判定部130により行われる判定を、判定部130の代わりに又は判定部130と並行して、実行することができる。具体的には、判定部240は、端末装置10の操作/動作データ生成部110により生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて上記少なくとも1つの公開会場の中からいずれかの公開会場が選択された時間と、当該公開会場について定められた入場可能時間帯と、を比較することにより当該判定を行い、その判定の結果を端末装置10に送信することができる。これを実現するために、判定部240は、上記端末装置10から、入場すべき会場として選択された公開会場を識別するデータ、及び、当該公開会場が選択された時間を識別するデータを受信する必要がある。
【0079】
(2)動画配信サーバ装置20Bが有する機能
動画配信サーバ装置20Bが有する機能の一例について図4Bを参照して説明する。図4Bは、図1に示した動画サーバ装置20Bが有する機能の一例を模式的に示すブロック図である。
【0080】
図4Bに示すように、動画配信サーバ装置20Bは、通信部300と、記憶部310と、再生制御部320と、を含むことができる。
【0081】
通信部300は、動画の配信に関連して用いられる様々なデータを、各ユーザの端末装置10との間において通信することができる。通信部300は、以下のデータのうちの少なくとも1つを、これらに限定することなく、各ユーザの端末装置10との間において通信することができる。
(通信部300が送信するデータ)
・上記少なくとも1つの公開会場のうちユーザの端末装置10により入場すべき会場として選択された公開会場に対応する動画であって、上記ユーザの端末装置10に対して送信される動画
・上記少なくとも1つの公開会場のうちユーザの端末装置10により入場すべき会場として選択された公開会場に対応する動画について、上記ユーザの端末装置10により選択可能な再生位置に関するデータであって、上記ユーザの端末装置10に対して送信されるデータ
【0082】
(通信部300が受信するデータ)
・上記少なくとも1つの公開会場のうちユーザの端末装置10により入場すべき会場として選択された公開会場に対応する動画を識別するデータであって、上記ユーザの端末装置10から受信するデータ(このデータにより識別される動画を、通信部300は、上記ユーザの端末装置10に送信することができる)
・動画を受信している各ユーザの端末装置10から送信される、当該動画の現在の再生位置を識別するデータ(このデータを用いて、再生制御部320は、各ユーザの端末装置10が動画をいずれの再生位置で再生しているかを認識することができる。)
・上記少なくとも1つの公開会場のうちユーザの端末装置10により入場すべき会場として選択された公開会場に対応する動画について、上記ユーザの端末装置10により指定された再生位置を識別するデータであって、上記ユーザの端末装置10から受信するデータ(このデータにより識別される再生位置から、再生制御部320は、上記ユーザの端末装置10に対して動画を送信することができる)
【0083】
記憶部310は、動画の配信に関連して用いられ、通信部300から受信した様々なデータを記憶することができる。
【0084】
再生制御部320は、通信部300を介して各ユーザの端末装置10から受信した、動画の現在の再生位置を識別するデータを用いて、各ユーザの端末装置10が現在動画をいずれの再生位置で再生しているかを認識することができる。
【0085】
また、再生制御部320は、動画を受信している各ユーザの端末装置10について、動画の再生位置を制御することができる。具体的には、例えば、以下の再生位置のうちの少なくとも1つの再生位置において動画を再生するように、各ユーザの端末装置10による動画の再生位置を制御することができる。
・動画の初期再生位置と、(当該端末装置10のユーザが属する)特定グループに属する複数のユーザのそれぞれが当該動画を再生している位置のうち最も先の再生位置と、の間におけるいずれかの位置
・動画の初期再生位置と、当該公開会場において当該動画が定刻どおりに開始した場合における当該動画の最新の再生位置と、の間におけるいずれかの位置
【0086】
4.動画配信システム1の動作
上記構成を有する動画配信システム1において行われる動作の具体例について図5A及び図5Bを参照して説明する。図5A及び図5Bは、図1に示した動画配信システム1において行われる動作の一例を示すフロー図である。
【0087】
図5Aを参照すると、まず、ステップ(以下「ST」という。)400において、或るユーザ(ここではユーザA)の端末装置10Aが動画視聴用アプリケーションを起動して実行することができる。
【0088】
次に、ST402において、端末装置10Aは、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から、仮想的な空間及び各公開会場に関する画像データを受信して記憶部170に記憶することができる。さらに、端末装置10Aは、受信及び記憶した画像データを用いて、仮想的な空間及び各公開会場を描画して表示することができる。
【0089】
図6は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間の一例を示す模式図である。図6に示すように、端末装置10Aの表示部160には、仮想的な空間(ここでは映画館)500が表示されている。この仮想的な空間500には、動画を公開するための複数の公開会場(ここでは上映室)510が含まれている。複数の公開会場510は、この例では、例えば、5つの公開会場510A~510Eを含むことができる。さらに、仮想的な空間500には、この空間500に組み合わせて、ユーザAのアバター520が表示され得る。アバター520は、操作データ及び/又は動作データに従って移動及び/又は変化することも可能である。
【0090】
図6に示した例では、三人称視点(TPS:Third Person Shooter)により、仮想的な空間500が表示されている。別の実施形態では、仮想的な空間500は、一人称視点(FPS:First Person Shooter)により表示され得る。この場合には、一人称視点による表示の場合には、ユーザAのアバター520は表示されない。
【0091】
図5Aに戻り、ST404において、端末装置10Aは、操作データ及び/又は動作データに基づいて、仮想的な空間を表示することができる。具体的には、端末装置10Aは、ユーザAがユーザインタフェイス部180をタップ又はクリック等することに応答して生成された操作データ及び/又は動作データに基づいて、仮想的な空間500におけるアバター520の位置(3次元座標)及び/又は向きが変化する度に、記憶部170に記憶された画像データの中から、そのような位置及び/又は向きに対応する仮想的な空間500及び各公開会場510に関する画像データを読み出し、読みだした画像データを用いて仮想的な空間500及び各公開会場510を描画して表示することができる。
【0092】
なお、端末装置10Aは、一実施形態では、上述したST402において、仮想的な空間500及び各公開会場510に関する画像データすべてをまとめてサーバ装置20から受信して記憶部170に記憶することができる。別の実施形態では、端末装置10Aは、仮想的な空間500及び各公開会場510に関する画像データのうちの一部の画像データのみをサーバ装置20から受信して記憶しておき、必要に応じて(例えば、アバター520の位置及び/又は向きが操作データ及び/又は動作データに従って変化した場合に)、再度サーバ装置20から別の部分の画像データを受信して記憶することも可能である。
【0093】
また、ユーザAのアバター520の位置及び/又は向きが変化したときには、端末装置10Aは、仮想的な空間500におけるアバター520に関する位置データ、すなわち、アバター520の位置(3次元座標)及び/又は向き(0度~360度)を示す位置データを、サーバ装置20(メインサーバ装置20A)に送信することができる。或いはまた、端末装置10Aは、任意の単位時間(例えば5~15秒)ごとに、アバター520に関する位置データを、サーバ装置20に送信することができる。これにより、サーバ装置20は、仮想的な空間500におけるユーザAの位置及び向きを認識することができる。
【0094】
さらに、サーバ装置20(メインサーバ装置20A)は、他のユーザの端末装置10の各々からも、仮想的な空間500における当該他のユーザのアバターに関する位置データを、同様に受信することができる。これにより、サーバ装置20は、各ユーザのアバターの位置及び向きを認識することができる。
【0095】
この場合、サーバ装置20は、各ユーザの端末装置10に対して、他のユーザのアバターに関する位置データを、例えば任意の単位時間ごとに送信することも可能である。これにより、各ユーザの端末装置10は、仮想的な空間500における他のユーザのアバターの位置及び向きを認識することができる。これにより、ユーザA(他のユーザも同様)の端末装置10Aは、図6に例示されるように、他のユーザの各々のアバター522、524を仮想的な空間500に組み合わせて描画及び表示することができる。
【0096】
図5Aに戻り、次に、ST406において、端末装置10Aは、複数の公開会場510の各々に関するデータを表示することができる。図7は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間の別の例を示す模式図である。図7には、図6に示した状態において、ユーザAがアバター520の前方部分をタップ又はクリック等することにより、仮想的な空間500において、アバター520が、前方に移動して、受付カウンター530の手前に辿り着いた例が示されている。受付カウンター530の表示板532には、各公開会場510に関するデータが表示されている。
【0097】
図7に示す例では、端末装置10Aは、公開会場510ごとに、公開開始時刻(動画の公開が開始される時刻)と、この公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻と、を少なくとも表示することができる。
例えば、端末装置10Aは、スクリーン1という公開会場について、「12:00」という公開開始時刻(「映画1」の公開が開始される時刻)と、この公開開始時刻に対して許容時間(例えば1時間であるが、任意に設定可能である)を加算した「13:00」という後端時刻(この公開会場に入場可能な最も遅い時刻)と、を表示することができる。すなわち、端末装置10Aは、公開開始時刻(「12:00」)から後端時刻(13:00)までを少なくとも含む、入場可能時間帯を表示することができる。この場合、各ユーザは、公開会場(「スクリーン1」)には、少なくとも12:00~13:00という時間帯(入場可能時間帯)において入場することができることを認識することができる。
【0098】
図7には示されていないが、公開会場に対してその公開開始時刻よりも前の時刻に入場することが可能である場合には、端末装置10Aは、その公開開始時刻よりも前の何時から入場可能であるかを示す前端時刻を表示することも可能である。上に挙げた例では、端末装置10Aは、前端時刻として、公開開始時刻より例えば30分前(任意に設定可能)の「11:30」を表示することも可能である。この場合、各ユーザは、公開会場(「スクリーン1」)には、少なくとも11:30~13:00という時間帯(入場可能時間帯)において入場することができることを認識することができる。
【0099】
さらに、図7に示すように、端末装置10Aは、公開会場に入場した各ユーザが、何時までその公開会場において動画を視聴することができるかを示す時刻(視聴終了時刻)をも表示することが可能である。上に挙げた例では、端末装置10Aは、公開会場(「スクリーン1」)に入場した各ユーザが、「18:50」まで「映画1」を視聴することが可能であることを表示することができる。
【0100】
さらにまた、図7に示すように、「スクリーン1」という公開会場に対して、複数の入場開始時刻が設定され得る。例えば、「スクリーン1」という公開会場に対して、上述した「12:00」以外に、「14:00」及び「16:00」という公開開始時刻が設定され得る。これらの公開開始時刻の各々に対しても、同様に、後端時刻(さらには、前端時刻、視聴終了時刻)が表示され得る。
【0101】
ここでは、「スクリーン1」という公開会場を例に挙げて説明したが、この説明は「スクリーン2」~「スクリーン5」というそれぞれの公開会場についても同様に当て嵌まる。
【0102】
なお、図7には、同一の「スクリーン1」という公開会場に対して、例えば3つの公開開始時刻(「12:00」、「14:00」、「16:00」)が設定される例が示されている。公開開始時刻が「12:00」である「スクリーン1」に入場したユーザは、同時には、公開開始時刻が「14:00」又は「16:00」である「スクリーン1」に入場することはできない。よって、これら3つの公開会場は、「スクリーン1」という名称が付されているが、相互に異なる公開会場であると捉えることが可能である。したがって、複数の公開会場は、仮想的な場所(名称)という観点によるだけでなく、公開開始時刻という観点によっても、相互に区別されるといえる。
【0103】
図5Aに戻り、ST408において、ユーザAは、ST406において表示された複数の公開会場の中から、入場すべき会場としていずれかの会場を選択することができる。例えば、図7に示した例では、ユーザAは、15個の公開会場(=5つの公開会場×3つの公開開示時刻)の中から、いずれかの動画の名称をタップ等することにより、入場すべき会場を選択することができる。
【0104】
或いはまた、ユーザAは、アバター520に対して、図6に例示した仮想的な空間500を歩き回らせ、アバター520を所望の公開会場の入口に移動させることにより、その公開会場を入場すべき会場として選択することも可能である。図6に例示した公開会場510A~公開会場510Eが、それぞれ、図7に例示した「スクリーン1」~「スクリーン5」に対応し得る。一実施形態では、現在時刻が「11:30」~「13:00」のいずれかである場合には、アバター520を公開会場510Aの入口に移動させることにより、ユーザAは、「スクリーン1」と公開開始時刻(「12:00」)とにより特定される公開会場を選択することができる。同様に、現在時刻が「13:30」~「14:00」のいずれかである場合には、アバター520を公開会場510Bの入口に移動させることにより、ユーザAは、「スクリーン2」と公開開始時刻(「14:00」)とにより特定される公開会場を選択することができる。
【0105】
一実施形態では、各公開会場には、制限人数が設定され得る。その公開会場に入場したユーザの総数がその制限人数に達した場合には、以後、いずれのユーザもその公開会場に入場することができなくなる。図7に例示した例において、各公開会場に対応付けてその制限人数が表示され得る。このように、各公開会場に対して制限人数を設けることは、その公開会場により公開される動画を視聴すべくサーバ装置20に同時に接続する端末装置10の数に制限を設けることを意味する。これにより、サーバ装置20は、このサーバ装置20にかかる通信負荷を制御することができる。
【0106】
図5Aに戻り、ST410において、端末装置10Aは、ST408においてユーザAにより入場すべき公開会場が選択された時刻が、その公開会場に対応する入場可能時間帯に含まれるか否かを判定することができる。別の実施形態では、端末装置10Aは、ユーザAにより選択された公開会場を識別するデータと、ユーザAによりその公開会場が選択された時刻を識別するデータと、をサーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)に送信することにより、上記の判定をサーバ装置20に実行させることができる。この場合、端末装置10Aは、判定の結果を示すデータをサーバ装置20から受信することにより、入場すべき公開会場が選択された時刻が、その公開会場に対応する入場可能時間帯に含まれるか否かを判定することができる。
【0107】
入場すべき公開会場が選択された時刻が、その公開会場に対応する入場可能時間帯に含まれないと端末装置10A又はサーバ装置20により判定された場合には、処理は上述したST404(ST402でもよい)に戻る。
【0108】
一方、入場すべき公開会場が選択された時刻が、その公開会場に対応する入場可能時間帯に含まれると端末装置10A又はサーバ装置20により判定された場合には、処理はST412に移行する。
【0109】
ST412において、端末装置10Aは、ST408において選択された公開会場の内部を描画して表示することができる。図8は、図1に示した動画配信システム1に含まれる端末装置10により表示される仮想的な空間に収容される公開会場の例を示す模式図である。図8には、図7に例示された「スクリーン1」の内部が表示される例が示されている。
【0110】
端末装置10Aは、図8に示すように、公開会場510Aの内部を三人称視点により表示することができる。端末装置10Aは、操作データ及び/又は動作データに基づいて、アバター520の位置及び/又は向きを変化させて表示することが可能である。別の実施形態では、端末装置10Aは、アバター520が表示されない一人称視点によって公開会場510Aを表示することも可能である。
【0111】
また、各ユーザが着席する席が指定されている場合には、ユーザAが指定された席に着席したときには、端末装置10Aは、その席からの視点で公開会場510Aの内部を、三人称視点又は一人称視点によって表示することが可能である。この場合、端末装置10Aは、公開会場510Aの内部として、スクリーン領域540、及び、スクリーン領域540とその席との間の領域(他のユーザのアバター及びその席を含む)を、表示することができる。これにより、ユーザAは、実際の映画館に居るような体験をすることができる。
【0112】
端末装置10Aは、図8に示すように、公開会場510Aに入場した他のユーザのアバター526、528等を例えば座席550に着席しているように表示することも可能である。これは、図6を参照して説明したように、端末装置10Aが、サーバ装置20から他のユーザのアバターに関する位置データを、例えば単位時間ごとに受信することにより実現可能である。
【0113】
図5Aに戻り、次に、ST414において、端末装置10A又はサーバ装置20は、ユーザAが入場した公開会場に対して生成される複数のグループの中から、ユーザAが所属すべきグループ(特定グループ)を選択することができる。
【0114】
第1の例では、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)は、各公開会場について、その公開会場に入場したユーザに対して、その端末装置10のユーザインタフェイス部180を介して、所属すべき新たなグループをその名称、タイトル又はテーマ(以下「名称等」という。)とともに生成させることができる。例えば、その公開会場に入場したユーザは、その端末装置10のユーザインタフェイス部180を介して、「サスペンスファン限定」という名称等を有するグループを生成して所属することができる。これを実現するために、サーバ装置20は、各公開会場について、グループを識別するデータと、そのグループの名称等を識別するデータと、そのグループに所属するユーザを識別するデータと、を対応付けて記憶及び管理することができる。
【0115】
この第1の例において、既に複数のユーザにより複数のグループが生成されている場合を考える。この場合、サーバ装置20は、ユーザAの端末装置10Aに対して、そのユーザAが入場した公開会場について既に生成された上記複数のグループを提示して、いずれのグループに所属するのかを選択させることができる。ユーザAは、端末装置10Aのユーザインタフェイス部180を介して、上記複数のグループのうちのいずれかのグループを選択することにより、そのグループ(特定グループ)に所属することができる。
【0116】
第2の例では、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)は、各公開会場について、各々が入場時間帯を割り当てられた複数のグループを生成することができる。例えば、サーバ装置20は、「スクリーン1」と公開開示時刻(「12:00」)とにより特定される公開会場については、その公開会場に入場した時間帯1(例えば「11:30」~「11:44」)、時間帯2(例えば「11:45」~「11:59」)、時間帯3(例えば「12:00」~「12:14」)及び時間帯4(例えば「12:15」~「12:29」)のそれぞれに対応する複数のグループ1、グループ2、グループ3及びグループ4を生成することができる。これを実現するために、サーバ装置20は、各公開会場について、グループを識別するデータと、そのグループに割り当てられた時間帯を識別するデータと、そのグループに所属するユーザを識別するデータと、を対応付けて記憶及び管理することができる。
【0117】
この第2の例において、ユーザAは、「スクリーン1」と公開開示時刻(「12:00」)とにより特定される公開会場に入場した場合には、その公開会場に入場した時間が、例えば11時46分であるときには、ユーザAの端末装置10Aは、ユーザAが所属すべきグループ(特定グループ)が時間帯2に対応するグループである旨を表示することができる。ユーザAがいずれのグループに所属するかについては、端末装置10Aが判定することもできるし、サーバ装置20が判定することもできる。このような判定を端末装置10Aが行う場合には、端末装置10Aは、ユーザAが入場した公開会場について上記のようにサーバ装置20により記憶されたデータを、サーバ装置20から受信して取得する必要がある。このような判定をサーバ装置20が行う場合には、端末装置10Aは、ユーザAが入場した公開会場を識別するデータと、ユーザAがその公開会場に入場した時間を識別するデータと、をサーバ装置20に送信する必要がある。
【0118】
第3の例では、サーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)は、各公開会場について、各々が少なくとも1つの属性を割り当てられた複数のグループを生成することができる。例えば、サーバ装置20は、各公開会場について、属性1が割り当てられたグループ1、属性2が割り当てられたグループ2、属性3が割り当てられたグループ3及び属性4が割り当てられたグループ4等を生成することができる。なお、各グループに割り当てられる属性は、1つの属性であってもよいし、複数の属性であってもよい。各属性は、年齢、性別、好みのジャンル、職業、住所、本籍、血液型、星座及び性格等を含む群から選択され得る。
これを実現するために、サーバ装置20は、各公開会場について、グループを識別するデータと、そのグループに割り当てられた少なくとも1つの属性を識別するデータと、そのグループに所属するユーザを識別するデータと、を対応付けて記憶及び管理することができる。また、サーバ装置20は、各ユーザについて、少なくとも1つの属性を予め登録しておくことができる。
【0119】
この第3の例において、ユーザAは、「スクリーン1」と公開開示時刻(「12:00」)とにより特定される公開会場に入場した場合には、複数のグループのうち、そのユーザAついて予め端末装置10A又はサーバ装置20により登録されている少なくとも1つの属性に対応(一致)するグループが、ユーザAが所属するグループ(特定グループ)として選択され得る。ユーザAがいずれのグループに所属するかについては、端末装置10Aが判定することもできるし、サーバ装置20が判定することもできる。このような判定を端末装置10Aが行う場合には、端末装置10Aは、ユーザAが入場した公開会場について上記のようにサーバ装置20により記憶されたデータを、サーバ装置20から受信して取得する必要がある。このような判定をサーバ装置20が行う場合には、端末装置10Aは、ユーザAが入場した公開会場を識別するデータ(さらに必要に応じてそのユーザAについて登録されている属性を識別するデータ)をサーバ装置20に送信する必要がある。
【0120】
このようにして、ユーザAが属すべきグループ(特定グループ)が選択されると、例えば、図8に例示されるように、その特定グループの名称等である「サスペンスファン限定」に対応するオブジェクト602が表示され得る。
【0121】
図5Aに戻り、次に、ST416において、端末装置10Aは、ユーザAが所属すべきグループとしてST414において選択された特定グループについて、この特定グループに所属するいずれかのユーザの端末装置10によりメッセージが送信される度に、そのメッセージをサーバ装置20(例えばメインサーバ装置20A)から受信して表示することができる。また、端末装置10Aは、ユーザAによりユーザインタフェイス部180を介して入力されたメッセージをサーバ装置20に対して送信することもできる。この場合には、このメッセージは、サーバ装置20により、上記特定グループに属する各ユーザの端末装置10(ユーザAの端末装置10Aを含む)に対して送信され得る。このようにして、上記特定グループに属する各ユーザは、相互にメッセージのやり取りをリアルタイム方式により行うことにより、当該ユーザが入場した公開会場において公開される動画(コンテンツ)に関するコミュニケーションをこの動画の進行に沿って図ること、いわば、同一のコンテンツを共有しながらコミュニケーションを図ることができる。
【0122】
なお、本件出願において「リアルタイム方式」とは、或るユーザの端末装置10によりメッセージがサーバ装置20に対して送信されたときに、通信回線2に生じる遅延及び障害、サーバ装置20及び/又は端末装置10による処理に生じる遅延及び障害等を除いて、実質的な遅延を意図的に生じさせることなく、そのメッセージがサーバ装置20から各端末装置10に送信されることをいう。このようなリアルタイム方式では、公開会場に既に入場しているいずれかのユーザの端末装置10によりメッセージが送信される度に、そのメッセージは、既に入場している各ユーザの端末装置10に対してだけでなく、例えばちょうどそのタイミングでその公開会場に入場した新たなユーザの端末装置10にも同様に、サーバ装置20により送信される。すなわち、その公開会場に既に入場している各ユーザの端末装置だけでなく、その公開会場にそれらのユーザよりも遅れて入場した新たなユーザの端末装置10に対しても、常に最新のメッセージがサーバ装置20により送信され得る。これは、その公開会場に入場したすべてのユーザの間においてリアルタイムのコミュニケーションが行われることを重視しているからである。
【0123】
図8に例示されるように、「サスペンスファン限定」という特定グループに属するユーザX、W、A、Qのそれぞれにより送信されたメッセージが、例えばその送信時刻とともに、サーバ装置20を介して、この特定グループに属する各ユーザの端末装置10に送信される。これにより、図8に例示されるように、ユーザAの端末装置10Aには、チャット領域610において、ユーザX、W、A、Qのそれぞれにより送信されたメッセージ610A~610Dが、その送信時刻と組み合わせて、例えば時系列に従って上から下に向かって順次表示され得る。
【0124】
次に、図5Bを参照すると、ST418において、ユーザAの端末装置10Aは、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)から、ユーザAが入場した公開会場に対して定められた動画(「映画1」)を受信して表示することができる。ここで、メインサーバ装置20Aは、ユーザAを識別するデータと、ユーザAが入場した公開会場を識別するデータと(必要に応じてユーザAがその公開会場に入場した時刻を識別するデータと)、を動画配信サーバ装置20Bに送信することにより、動画配信サーバ装置20Bは、その公開会場に対して定められた動画(「映画1」)を、ユーザAの端末装置10Aに配信することができる。
【0125】
一実施形態では、サーバ装置20(例えば、動画配信サーバ装置20B)は、その動画を初期再生位置(0時間0分0秒)からストリーミング方式により、ユーザAの端末装置10Aに配信することができる。これにより、端末装置10Aは、その動画を初期再生位置から再生して表示することができる。端末装置10Aは、例えば、図8に例示されるように、その公開会場510Aの中央部分に配置されたスクリーン領域540においてその動画を表示することができる。また、端末装置10Aは、例えばユーザAによるユーザインタフェイス部180を介した操作に従って、全画面方式によりその動画を表示することも可能である。この場合であっても、チャット領域610は依然として表示され得る。
【0126】
図5Bに戻り、次に、ST420において、端末装置10Aは、操作データに基づいて、動画の再生位置を変更することも可能である。具体的には、特定グループに属する各ユーザが任意の再生位置から動画を再生可能とした場合には、上記特定グループに属する各ユーザの端末装置10による再生位置がユーザ間において大幅にばらつくことにより、上記特定グループに属する各ユーザが同一の動画をその動画の進行に沿って実質的に共有することが困難となり得る。したがって、一実施形態では、上記特定グループに属する各ユーザは、以下の範囲において、動画の再生位置を変更することができる。
【0127】
図9は、図1に示した動画配信システム1において各ユーザの端末装置10により表示される動画の再生位置を変化させる範囲の一例を概念的に示す模式図である。図9には、説明の簡略化のために、特定グループに属するユーザが、ユーザX、Y、Z及びAの4名である例が示されている。
【0128】
図9において、ユーザX、Y及びZの各々について、同一の動画(「映画1」)の現在の再生位置が示されている。例えば、ユーザX、Y及びZの現在の再生位置は、それぞれ、(1時間35分48秒)、(1時間15分3秒)、及び(2時間12分10秒)である。ユーザAはこの公開会場510Aに入場した直後であるため、ユーザAの現在の再生位置は、初期再生位置(0時間0分10秒)であるとする。
【0129】
第1の例において、各ユーザの端末装置10は(ユーザAの端末装置10Aも)、初期再生位置と、上記特定グループに属する複数のユーザのそれぞれが動画を再生している位置のうち最も先の再生位置と、の間において、この動画の再生位置を変更することができる。図9に示す例では、複数のユーザのうち最も先の再生位置は、ユーザZの再生位置(2時間12分10秒)である。したがって、各ユーザの端末装置10は(ユーザAの端末装置10Aも)、(0時間0分0秒)と(2時間12分10秒)との間の範囲700において、この動画の再生位置を変更することができる。この結果、いずれのユーザも、この動画の再生位置を単独で(2時間12分10秒)より先の再生位置に変更することができない。
【0130】
これを実現するために、各ユーザの端末装置10は、任意の単位時間ごとに、動画の現在の再生位置を、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20)に送信することができる。これにより、サーバ装置20は、上記特定グループに属するすべてのユーザについて、動画の現在の再生位置、ひいては、この特定グループにおける最も先の再生位置を識別することができる。サーバ装置20は、任意の単位時間ごとに、上記特定グループに属する各ユーザの端末装置に対して、この特定グループにおける最も先の再生位置を通知することができる。この結果、各ユーザの端末装置10は、初期再生位置と、サーバ装置20から単位時間ごとに通知される最も先の再生位置と、の間において、この動画の再生位置を変更することができる。
【0131】
第2の例において、各ユーザの端末装置10は(ユーザAの端末装置10Aも)、初期再生位置と、この公開会場510Aにおいて動画の再生が公開開始時刻に定刻どおり開始した場合におけるこの動画の最新の再生位置と、の間において、この動画の再生位置を変更することができる。図9に示す例では、動画の再生が公開開始時刻(12:00)に定刻どおり開始した場合におけるこの動画の最新の再生位置は、(2時間49分27秒)である。したがって、各ユーザの端末装置10は(ユーザAの端末装置10Aも)、(0時間0分0秒)と(2時間49分27秒)との間の範囲710において、この動画の再生位置を変更することができる。この結果、いずれのユーザも、この動画の再生位置を単独で(2時間49分27秒)より先の再生位置に変更することができない。
【0132】
これを実現するために、サーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)は、公開会場510Aに対して定められた動画が公開開始時間に定刻どおりに開始された場合におけるこの動画の最新の再生位置を取得及び記憶することができる。サーバ装置20(動画配信サーバ装置20B)は、動画の配信を担っているため、このような最新の再生位置を常時に認識することが可能である。さらに、サーバ装置20は、任意の単位時間ごとに、上記特定グループに属する各ユーザの端末装置に対して、上記最新の再生位置を通知することができる。この結果、各ユーザの端末装置10は、初期再生位置と、サーバ装置20から単位時間ごとに通知される上記最新の再生位置と、の間において、この動画の再生位置を変更することができる。
【0133】
上記第1の例及び上記第2の例のいずれにおいても、図8に例示されるように、ユーザAの端末装置10Aは、動画の再生位置を変更するシークバー機能750を表示することが可能である。このシークバー機能750は、例えば、動画全体の再生時間帯のうち現在の再生位置に配置されるオブジェクト750Aと、動画の現在の再生位置を示す文字(「00:00:10」)750Bと、最も先の再生位置(上記第1の例の場合)を示す文字(「02:12:10」)750C又は最新の再生位置(上記第2の例の場合)を示す文字(「02:49:27」)750Cと、を含むことができる。また、シークバー機能750は、さらに、動画の現在の再生位置と最も先の再生位置(上記第1の例の場合)又は最新の再生位置との間に延びる、変更可能領域を示すオブジェクト750Dを含むこともできる。ここで、端末装置10Aは、最も先の再生位置(上記第1の例の場合)を示す文字750C(「02:12:10」)又は最新の再生位置(上記第2の例の場合)を示す文字(「02:49:27」)750C、及び、変更可能領域を示すオブジェクト750Dについては、サーバ装置20から単位時間ごとに通知される上記最も先の再生位置(上記第1の例の場合)又は単位時間ごとに通知される上記最新の再生位置(上記第2の例の場合)を用いて、表示することができる。
【0134】
ユーザAは、ユーザインタフェイス部180を介して、オブジェクト750Aの位置を、(00:00:00)と(02:12:10)との間の範囲において変化させることにより、動画の再生位置を変更することができる。これにより、端末装置10Aは、ユーザインタフェイス部180を介して生成される操作データに基づいて、動画の再生位置を変更することができる。なお、最も先の再生位置(上記第1の例の場合)を示す文字(「02:12:10」)750C又は最新の再生位置(上記第2の例の場合)を示す文字(「02:49:27」)750C、及び、変更可能領域を示すオブジェクト750Dは、時間の経過とともに変化する。
【0135】
なお、ユーザAは、ユーザインタフェイス部180を介して、何らかのオブジェクト(例えばオブジェクト750A)をタップ等することにより、動画の再生を一時的に停止することも可能である。
【0136】
図5Bに戻り、次に、ST422において、端末装置10AのユーザAは、視聴している動画に対してその再生位置に対応付けて少なくとも1つの評価データを登録することができる。少なくとも1つの評価データとは、その動画の特定の再生位置に関する評価を示すデータであり、例えば、「いいね!」、「ここ重要」、「ここを注意して視聴すべし」及び/又は「最高」といった評価データをこれらに限定することなく含み得る。
【0137】
ユーザAは、評価をしたい再生位置が到来したときに、端末装置10Aにより表示されるオブジェクトを、ユーザインタフェイス部180を介して選択することにより、このような評価データをその再生位置に対応付けて登録することができる。例えば、図8に例示されるように、ユーザAは、例えば、評価をしたい再生位置が到来したときに、「いいね!」ボタン760A又は「ここ重要」ボタン760Bを、タップ等することができる。これに応答して、端末装置10Aは、例えば、動画を識別するデータと、評価データを識別するデータと、その動画におけるその評価データが登録された再生位置を識別するデータと、をサーバ装置20(例えば動画配信サーバ装置20B)に送信することができる。これにより、サーバ装置20は、その動画について、再生位置に対応付けて評価データを登録(記憶)することができる。
【0138】
サーバ装置20は、(ユーザAが属する)特定グループに属する各ユーザの端末装置10から、同様の方法により、動画を識別するデータと、評価データを識別するデータと、その動画におけるその評価データが登録された再生位置を識別するデータと、を受信して記憶することができる。このようなデータを用いて、サーバ装置20は、この動画の再生位置に評価データを対応付けたグラフを生成することができる。
【0139】
図10は、図1に示した動画配信システム1においてサーバ装置20により生成されるグラフの一例を「部分的に」拡大して示す模式図である。図10に示すグラフは、例えば、動画において単位時間帯(ここでは1分という時間帯)ごとに登録された第1の評価データ(ここでは「いいね!」)の総数及び第2の評価データ(ここでは「ここ重要」)の総数を示すことができる。サーバ装置20は、単位時間帯ごとに、当該特定グループに属するすべてのユーザにより登録された第1の評価データの総数及び第2の評価データの総数を計算することにより、図10に例示されるグラフを生成することができる。なお、図10には、一例として1分という単位時間帯(再生位置の一態様)ごとに各評価データの総数が示されている。単位時間帯(再生位置)は、1秒、5秒、10秒、30秒、50秒、1分、2分、5分、10分及び15分等を含む群から選択され得る。
【0140】
サーバ装置20は、任意の単位時間ごとに、このようなグラフを生成又は更新し、このように生成又は更新したグラフを当該特定グループに属する各ユーザの端末装置10に送信することができる。
【0141】
図5Bに戻り、次に、ST424において、ユーザAの端末装置10Aは、単位時間ごとにサーバ装置20から受信するグラフを、図8に例示したスクリーン領域540(及びチャット領域610)と組み合わせて表示すること(非表示にすることも)ができる。これにより、ユーザAは、この動画の再生位置(30分~32分)が当該特定グループに属する多くのユーザに良好に評価された部分であることを認識しながら、この動画の該当部分をより注意深く視聴することができる。また、ユーザAは、この動画の再生位置(33分~35分)が当該特定グループに属する多くのユーザに注目された部分であることを認識しながら、この動画の該当部分をより注意深く視聴することができる。
【0142】
次に、ST426において、ユーザAは、この動画の再生位置(30分~31分)が特に多くのユーザにより良好に評価された(盛り上がると評価された)部分であることに着目して、この再生位置に縦方向に延びる第1の評価の総数を示すバー又はこの再生位置(00:30:00)を示す文字をタップ等することにより、端末装置10Aは、この再生位置からこの動画を再生及び表示することが可能である。
【0143】
同様に、ユーザAは、この動画の再生位置(33分~34分)が特に多くのユーザにより良好に評価された(重要であると評価された)部分であることに着目して、この再生位置に縦方向に延びる第2の評価の総数を示すバー又はこの再生位置(00:33:00)を示す文字をタップ等することにより、端末装置10Aは、この再生位置からこの動画を再生及び表示することが可能である。
【0144】
次に、ST428において、ユーザAの端末装置10Aは、このユーザAにより当該特定グループに対して送信されたメッセージと、このメッセージが送信された時間(すなわち、動画の再生位置)と、を対応付けて記録したメッセージリストを、例えば任意の単位時間ごとに生成及び更新することができる。端末装置10Aは、一旦、このようなメッセージリストを生成した後にあっては、かかるメッセージリストを、図8に例示したスクリーン領域540(及びチャット領域610)と組み合わせて表示すること(非表示にすることも)ができる。このようなメッセージリストを閲覧することにより、ユーザAは、動画のいずれの再生位置において当該特定グループに対してどのようなメッセージを発信したかを認識することができる。さらに、ユーザAは、自身が発信したメッセージのうち、注目すべきメッセージがある場合等には、そのメッセージ又はそのメッセージに対応付けて表示される再生位置をタップ等することにより、端末装置10は、ユーザAがメッセージを送信したこのような再生位置に遡ってこの動画を再生及び表示することができる。
【0145】
端末装置10Aは、このように生成したメッセージリスト(に関するデータ)を、例えば同一の動画を後に再度視聴する際に利用できるようにすること等を目的として、サーバ装置20に送信して記憶させることができる。端末装置10Aは、サーバ装置20にリクエストすることにより、このようにサーバ装置20に記憶されたメッセージリスト(に関するデータ)をサーバ装置20から受信して表示することが可能である。
【0146】
次に、ST430において、端末装置10Aは、動画をその最終再生位置まで再生することにより、この動画の再生を停止することができる。この後、ユーザAは、端末装置10Aを利用して、一定期間が経過するまでの間、同一の動画を再度視聴することが許容される。この一定期間は、例えば、図7に関連して説明したように、ここでは、18時50分において終了する。
具体的には、例えば、ユーザAが選択した公開会場で公開される「映画1」は、2.5時間のコンテンツである。ユーザAが、公開開始時刻に定刻どおりこの「映画1」の視聴を開始し、一度もその再生を停止させなかった場合には、この「映画1」は14時30分に終了する。それでも、ユーザAは、この「映画1」を18時50分まで再度視聴することが可能である。
【0147】
このような一定期間内に動画を再度視聴可能とした理由は、ユーザAが、この公開会場に入場した後に、端末装置10Aの故障及び通信環境の悪化等を、これらに限定することなく含む諸事情により、当該動画を視聴できなくなることがあっても、ユーザAが確実に同一の動画を完全に視聴し終えることを担保することにある。
【0148】
最後に、ST432において、ユーザAの端末装置10Aは、この動画の再生を終了することができる。
【0149】
以上、ユーザAの端末装置10Aとサーバ装置20との間において行われる動作を例にとり説明したが、他のユーザの端末装置10とサーバ装置20との間においても同様の動作が実行され得る。
【0150】
また、説明の簡略化のために、ST416~ST430がこの順番で実行されるように説明した。しかし、実際には、ST416~ST430の少なくとも一部の動作は、相互に平行して又は相互に不特定の順序により繰り返し実行され得ると理解されたい。また、ST416~ST430の少なくとも一部の動作は、実行されないこともあることに留意されたい。
【0151】
さらに、上述した様々な実施形態では、仮想的な空間に複数の公開会場が収容される場合について説明した。しかし、仮想的な空間に1つの公開会場しか収容されないようにすることも可能である。
【0152】
また、図7に示した例では、複数の公開会場において、単位時間(図7では2時間)ごとに、同一のサイクルで、動画の公開が進行する場合について説明した。すなわち、「スクリーン1」という公開会場では、動画の公開が、「12:00」、「14:00」及び「16:00」においてそれぞれ開始され、「スクリーン2」という公開会場においても、動画の公開が、同様に「12:00」、「14:00」及び「16:00」においてそれぞれ開始される場合について説明した。しかし、複数の公開会場において、それぞれ、別々のサイクルで、動画の公開が行われることも可能である。
【0153】
以上説明したように、本件出願に開示された技術では、仮想的な空間に収容される公開会場に対して、公開開始時刻からこの公開開始時刻に許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を設定することができる。この入場可能時間帯に含まれる時刻にこの公開会場に入場した(この公開会場を選択した)ユーザのみに対して、この公開会場に対して定められた動画を公開することができる。これにより、この公開会場に入場したすべてのユーザに対して動画の視聴を開始する時間に自由度を設けつつ、この公開会場に入場したすべてのユーザのうちの少なくとも複数のユーザが実質的に同時のタイミング(一定程度のばらつきを含むような広い意味での実質的に同時のタイミングを含む)でこの動画を視聴することを一定程度確保することができる。
【0154】
また、1つの公開会場に入場した複数のユーザを、さらに複数のグループに分割し、同一のグループに属する複数のユーザ間のみにおいて、動画を視聴しながらメッセージの交換を行うことを許容している。これにより、興味及び/又は属性等が共通する複数のユーザ同士でメッセージを交換しながら同一の動画を楽しむことができる。さらに、このようにメッセージの交換を行うユーザの数を限定することにより、ユーザ同士が簡単かつ円滑にコミュニケーションを図ることができる。さらに、既に動画を視聴し終えたユーザが、動画の結末に言及したメッセージを送信することにより、この動画の結末が、この動画の視聴を開始した直後にあるユーザ又はこの動画の視聴を完了していないユーザ等に通知されてしまう不都合を或る程度抑えることができる。
【0155】
本開示の利益を有する当業者により容易に理解されるように、上述した様々な例は、矛盾の生じさせない限りにおいて、相互に様々なパターンで適切に組み合わせて用いられ得る。
【0156】
本明細書に開示された発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すれば、例示された様々な実施形態は好ましい様々な例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲をこれらの好ましい様々な例に限定すると考えるべきではない、と理解されたい。実際には、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲は、添付した特許請求の範囲により定められる。したがって、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するすべてについて、本発明者らの発明として、特許の付与を請求する。
【0157】
5.様々な態様
第1の態様に係るコンピュータプログラムは、「少なくとも1つのプロセッサにより実行されることにより、動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示し、前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0158】
第2の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「前記動画を前記サーバ装置から受信して初期再生位置から再生する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0159】
第3の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様において「前記公開会場に対して生成された複数のグループのうちいずれかの特定グループに属する前記或るユーザと他のユーザとの間において送受信されるメッセージを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0160】
第4の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第3の態様において「前記特定グループは、各々がいずれかのユーザにより生成された複数のグループのうち、前記或るユーザにより選択されたグループ、各々が入場時間帯を割り当てられた複数のグループのうち、前記或るユーザが前記公開会場に入場した時間に対応する入場時間帯を割り当てられたグループ、又は、各々が属性データを割り当てられた複数のグループのうち、前記或るユーザに対して登録されている属性データに対応する属性データを割り当てられたグループ、の少なくともいずれか」とすることができる。
【0161】
第5の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第4の態様において「前記初期再生位置と、前記特定グループに属する複数のユーザのそれぞれが前記動画を再生している位置のうち最も先の再生位置と、の間において、前記或るユーザのために前記動画の再生位置を変更するオブジェクトを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0162】
第6の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第4の態様において「前記初期再生位置と、前記公開会場において前記動画の再生が前記公開開始時刻に定刻どおり開始した場合における該動画の最新の再生位置と、の間において、前記或るユーザのために前記動画の再生位置を変更するオブジェクトを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0163】
第7の態様に係るコンピュータプログラムは、上記3の態様から上記第6の態様のいずれかにおいて「前記メッセージを前記動画の再生に同期させることなくリアルタイム方式により表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0164】
第8の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記機第7の態様のいずれかにおいて「前記或るユーザ及び他のユーザを含む複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザにより登録可能な前記動画の再生位置に対応付けて該動画に対する評価を示す少なくとも1つの評価データのうち、前記操作データに基づいて選択されたいずれかの評価データを登録し、前記少なくとも1人のユーザにより登録された前記少なくとも1つの評価データを用いて前記動画の再生位置に対応付けて生成されたグラフを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0165】
第9の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第8の態様において「前記グラフが、複数の再生位置の各々に対応付けて、該再生位置に対して登録された前記少なくとも1つの評価データの総数を表示し、前記グラフに含まれた前記総数のうち前記操作データに基づいて選択された1つの総数に対応する再生位置から、前記動画を再生する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0166】
第10の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第2の態様から上記第9の態様のいずれかにおいて「前記或るユーザにより送信された少なくとも1つのメッセージを前記動画の再生位置に対応付けて登録したメッセージリストを表示し、前記メッセージリストに含まれた前記少なくとも1つのメッセージのうち前記操作データに基づいて選択された1つのメッセージに対応する再生位置から、前記動画を再生する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0167】
第11の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第10の態様のいずれかにおいて「前記動画を最終再生位置まで再生した時点から一定期間が経過するまでの間、前記動画を再生することを許容する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0168】
第12の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第11の態様のいずれかにおいて「前記仮想的な空間において前記操作データに基づいて前記或るユーザのアバターを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0169】
第13の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第11の態様のいずれかにおいて「選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場において前記操作データに基づいて前記或るユーザのアバターを表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0170】
第14の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第13の態様のいずれかにおいて「前記公開会場に対して定められた前記公開開始時刻より前の前端時刻から前記後端時刻までを含む前記入場可能時間帯を表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0171】
第15の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様において「動画を公開するための複数の公開会場を収容する前記仮想的な空間を前記操作データに基づいて表示し、前記複数の公開会場のうちの少なくとも1つの公開会場について、該少なくとも1つの公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、前記少なくとも1つの公開会場のうち前記操作データに基づいて或る1つの公開会場が選択された時刻が、該或る1つの公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、前記或る1つの公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、動画を前記サーバ装置から受信して表示する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0172】
第16の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第15の態様において「前記複数の公開会場は、第1の公開会場、第2の公開会場及び第3の公開会場を少なくとも含み、前記第1の公開会場に対して定められた公開開始時刻と前記第2の公開会場に対して定められた公開開始時刻との間における時間間隔と、前記第2の公開会場に対して定められた前記公開開始時刻と前記第3の公開会場に対して定められた公開開始時刻との間における時間間隔と、が同一であり、前記或る1つの公開会場が、前記第1の公開会場、前記第2の公開会場及び前記第3の公開会場のうちのいずれか」とすることができる。
【0173】
第17の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第16の態様のいずれかにおいて「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む」ことができる。
【0174】
第18の態様に係るコンピュータプログラムは、上記第1の態様から上記第17の態様のいずれかにおいて「前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介してサーバ装置から受信する、ように前記少なくとも1つのプロセッサを機能させる」ことができる。
【0175】
第19の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示すること、前記公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示すること、前記操作データに基づいて入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示すること、を含む」ことができる。
【0176】
第20の態様に係る方法は、上記第19の態様において「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む」ことができる。
【0177】
第21の態様に係る方法は、上記第19の態様又は上記第20の態様において「前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介してサーバ装置から受信すること、をさらに含む」ことができる。
【0178】
第22の態様に係る方法は、「コンピュータにより読み取り可能な命令を実行する少なくとも1つのプロセッサにより実行される方法であって、前記プロセッサが、前記命令を実行することにより、仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信すること、前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別すること、及び、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信すること、を含む」ことができる。
【0179】
第23の態様に係る方法は、上記第22の態様において「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む」ことができる。
【0180】
第24の態様に係る方法は、上記第22の態様又は上記第23の態様において「前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介して前記端末装置に送信すること、をさらに含む」ことができる。
【0181】
第25の態様に係るサーバ装置は、「少なくとも1つのプロセッサを具備し、該少なくとも1つのプロセッサが、仮想的な空間に収容される動画を公開するための公開会場に対して定められた公開開始時刻から、該公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯に関するデータを、ユーザの端末装置に送信し、前記端末装置により入場すべき会場として前記公開会場が選択された時刻が、該公開会場の前記入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、前記公開会場が選択された前記時刻が前記入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、前記公開会場に対して定められた動画を、前記端末装置に送信する、ように構成される」ことができる。
【0182】
第26の態様に係るサーバ装置は、上記第25の態様において「前記少なくとも1つのプロセッサが、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む」ことができる。
【0183】
第27の態様に係るサーバ装置は、上記第25の態様又は上記第26の態様において「前記少なくとも1つのプロセッサが、前記入場可能時間帯に関するデータを、通信回線を介して前記端末装置に送信する、ように構成される」ことができる。
【0184】
以上のように、様々な態様によれば、向上した手法によりユーザの端末装置に動画を配信する、コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0185】
1 動画配信システム
2 通信回線(通信網)
10、10A~10D 端末装置
20 サーバ装置
20A メインサーバ装置
20B 動画配信サーバ装置
100 通信部
110 操作/動作データ生成部
120 画像処理部
130 判定部
140 メッセージ処理部
150 再生制御部
160 表示部
170 記憶部
180 ユーザインタフェイス部
200 通信部
210 記憶部
220 グループ処理部
230 メッセージ処理部
240 判定部
【要約】      (修正有)
【課題】向上した手法によりユーザの端末装置に動画を配信する、コンピュータプログラム、方法及びサーバ装置を提供する。
【解決手段】動画配信システムにおいて、ユーザ端末装置のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサを、動画を公開するための公開会場を収容する仮想的な空間を或るユーザの操作の内容を示す操作データに基づいて表示し、公開会場に対して定められた公開開始時刻から、公開開始時刻に対して許容時間を加算した後端時刻までを少なくとも含む入場可能時間帯を表示し、操作データに基づいて入場すべき公開会場が選択された時刻が、公開会場の入場可能時間帯に含まれるか否かを判別し、公開会場が選択された時刻が入場可能時間帯に含まれると判別した場合に、公開会場に対して定められた動画をサーバ装置から受信して表示するように機能させる。
【選択図】図5A
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10