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  • 特許-ワーク把持治具及びワーク把持装置 図1
  • 特許-ワーク把持治具及びワーク把持装置 図2
  • 特許-ワーク把持治具及びワーク把持装置 図3
  • 特許-ワーク把持治具及びワーク把持装置 図4
  • 特許-ワーク把持治具及びワーク把持装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】ワーク把持治具及びワーク把持装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/12 20060101AFI20220314BHJP
   B23B 31/20 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B23K20/12 B
B23B31/20 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018040496
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2019155368
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】秋山 健
(72)【発明者】
【氏名】谷田 真裕
(72)【発明者】
【氏名】友松 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雄一
(72)【発明者】
【氏名】品川 幹
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-200532(JP,A)
【文献】米国特許第4309041(US,A)
【文献】特開2001-87912(JP,A)
【文献】特公昭45-27895(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/12
B23B 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部にワークを挿入可能な開口部を備えたワーク把持治具であって、
周方向に分割された複数の分割片と、
該分割片の側面に配置され前記分割片同士を内方に収縮可能に連結する連結部材と、を含み、
前記分割片の各々は、側面の周方向の両端部に形成された凹部と、該凹部に形成された留穴と、を備える、
ことを特徴とするワーク把持治具。
【請求項2】
前記連結部材は、隣接する分割片の前記留穴に跨がって配置可能な長孔を備えた連結プレートと、前記長孔を介して前記留穴に接続される留具と、を備える請求項1に記載のワーク把持治具。
【請求項3】
前記ワークは、端面よりも外方に突出した突出部を有し、前記分割片は、前記端面と前記突出部との間に配置される、請求項1に記載のワーク把持治具。
【請求項4】
中央部にワークを挿入可能な開口部を備えたワーク把持治具と、該ワーク把持治具を内方に収縮可能に収容するコレットと、該コレットを内方に収縮可能に保持するホルダと、を備えたワーク把持装置であって、
前記ワーク把持治具は、請求項1~3の何れか一項に記載されたワーク把持治具である、ことを特徴とするワーク把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク把持治具及びワーク把持装置に関し、特に、フランジ等の突出部を備えたワークの把持に適したワーク把持治具及びワーク把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのワークを突き合わせ、一方のワークを他方のワークに対して回転又は振動させることで生じる摩擦熱を利用して、ワークを軟化させつつ高圧化でワーク同士を接合する摩擦接合装置が知られている。この場合、ワークには、回転方向又は振動方向に大きな負荷(トルク)が生じるため、ワークを強固に把持する必要がある。
【0003】
かかるワークの把持方法として、いわゆるコレットチャック機構を用いた方法を採用することがある。しかしながら、一般的なコレットチャックでは、構造的にワークの接合部近傍での把持が不可能である。そこで、特許文献1に記載された発明では、コレット先端の内周部に周方向に分割可能な治具(例えば、sabot 107、spring ring 108)を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5248078号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の図5に記載された構成では、治具(spring ring 108)の分割片を接合面側の正面で連結しているため、例えば、摩擦接合される両方のワークにフランジが形成されている場合には、治具(spring ring 108)の接合面側の正面同士が対峙した状態のままワークが接合されてしまい、治具(spring ring 108)の分割片を取り外すことができなくなってしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載された構成では、治具(spring ring 108)の分割片が径方向内方に収縮可能に構成されているにも拘わらず、連結部材の位置が固定されていることから、連結部材が分割片の収縮を阻害し、ワークの外周に均等な把持力を付与することができないという問題がある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、フランジ等の突出部を備えたワークであっても突出部に干渉することなく取り外すことができるとともに、ワークの外周に均等な把持力を付与することができる、ワーク把持治具及びワーク把持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、中央部にワークを挿入可能な開口部を備えたワーク把持治具であって、周方向に分割された複数の分割片と、該分割片の側面に配置され前記分割片同士を内方に収縮可能に連結する連結部材と、を含み、前記分割片の各々は、側面の周方向の両端部に形成された凹部と、該凹部に形成された留穴と、を備える、ことを特徴とするワーク把持治具が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、中央部にワークを挿入可能な開口部を備えたワーク把持治具と、該ワーク把持治具を内方に収縮可能に収容するコレットと、該コレットを内方に収縮可能に保持するホルダと、を備えたワーク把持装置であって、前記ワーク把持治具は、周方向に分割された複数の分割片と、該分割片の側面に配置され前記分割片同士を内方に収縮可能に連結する連結部材と、を含み、前記分割片の各々は、側面の周方向の両端部に形成された凹部と、該凹部に形成された留穴と、を備える、ことを特徴とするワーク把持装置が提供される。
【0011】
また、前記連結部材は、隣接する分割片の前記留穴に跨がって配置可能な長孔を備えた連結プレートと、前記長孔を介して前記留穴に接続される留具と、を備えていてもよい。
【0012】
また、前記ワークは、端面よりも外方に突出した突出部を有し、前記分割片は、前記端面と前記突出部との間に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明に係るワーク把持治具及びワーク把持装置によれば、分割片を側面から連結部材で連結したことにより、例えば、フランジ等の突出部を備えたワーク同士を摩擦接合した場合であっても、分割片の側面から連結部材に容易にアクセスして取り外すことができ、分割片の連結を解除して容易にワーク把持治具を取り外すことができる。
【0014】
また、本発明によれば、連結部材により分割片を内方に収縮可能に連結したことにより、分割片を内方に収縮させてワークを把持する際に、ワークの外周に均等に把持力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るワーク把持装置を用いた摩擦接合装置を示す斜視図である。
図2図1に示したワーク把持装置(回転側)の断面図である。
図3図1に示したワーク把持治具の斜視図である。
図4図3に示したワーク把持治具の連結部を示す拡大図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、を示している。
図5】ワーク把持治具の着脱方法を示す断面図であり、(a)は把持状態、(b)は取り外し状態、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図1図5(b)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るワーク把持装置を用いた摩擦接合装置を示す斜視図である。図2は、図1に示したワーク把持装置(回転側)の断面図である。図3は、図1に示したワーク把持治具の斜視図である。図4は、図3に示したワーク把持治具の連結部を示す拡大図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、を示している。
【0017】
本発明の一実施形態に係るワーク把持装置1は、図1図3に示したように、中央部にワークWを挿入可能な開口部20を備えたワーク把持治具2と、ワーク把持治具2を内方に収縮可能に収容するコレット3と、コレット3を内方に収縮可能に保持するホルダ4と、を備え、ワーク把持治具2は、周方向に二分割された一対の分割片(第一分割片21及び第二分割片22)と、第一分割片21及び第二分割片22の側面に配置され第一分割片21及び第二分割片22を内方に収縮可能に連結する連結部材23と、を備えている。
【0018】
ここで、図1に示したワーク把持装置1は、ワークW同士を摩擦接合する摩擦接合装置に適用したものである。摩擦接合装置は、例えば、回転側のワークWを把持するワーク把持装置1と、回転側のワークWをワーク把持装置1とともに回転させる駆動手段5と、固定側のワークを把持するワーク把持装置(図1では図示せず)と、固定側のワークを回転側のワークWに当接可能に構成された固定手段6と、を備えている。
【0019】
駆動手段5の内部には、ワーク把持装置1を回転させるアクチュエータが配置されている。また、固定手段6は、レールR上に移動可能に配置されており、図示しない油圧シリンダにより固定手段6を押圧することによって固定手段6を駆動手段5に向かって移動させ、回転側のワークWの端面と固定側のワークの端面とを当接させるように構成されている。なお、摩擦接合装置の構成は、図示した構成に限定されるものではない。
【0020】
また、本明細書において、説明の便宜上、図1に示したように、固定手段6に移動方向にX軸を設定し、X軸に垂直な水平方向にY軸を設定し、鉛直方向にZ軸を設定するものとする。
【0021】
ここで、図2に示した断面図は、駆動手段5のワーク把持装置1の周辺部を示した断面図である。ワークWは、例えば、図2に示したように、略円筒形状を有しており、接合面を構成する端面Waと、端面Waよりも外方に突出した、例えば、フランジ形状の突出部Wbと、を備えている。
【0022】
また、駆動手段5は、駆動モータによって回転駆動される回転軸51を備え、回転軸51の先端部にワーク把持装置1のホルダ4が固定されている。また、回転軸51の軸心部には、ワーク把持装置1のコレット3に接続されるスペーサ52と、スペーサ52に接続された油圧シリンダ53と、を備えている。
【0023】
なお、図2では、油圧シリンダ53のシリンダヘッドのみを図示し、油圧シリンダ本体の図は省略してある。かかる構成により、コレット3をホルダ4に挿入した後、油圧シリンダ53でコレット3をX軸のマイナス方向に引き込むことができる。なお、コレット3をホルダ4内に引き込む機構は、油圧シリンダ53に限定されるものではなく、他の手段を用いてもよい。
【0024】
ワーク把持治具2は、図2に示したように、ワークWの端面Waと突出部Wbとの間に配置される略円盤形状の部品である。また、ワーク把持治具2は、例えば、図3に示したように、略円盤形状の部品を上下に二分割した形状を有する第一分割片21と第二分割片22とを備えている。第一分割片21及び第二分割片22を連結したときに、中央部にワークWを挿入可能な円形状の開口部20が形成される。なお、開口部20を形成する周面には、把持力を向上させるための凹凸を形成するようにしてもよい。
【0025】
また、第一分割片21及び第二分割片22は、径方向に放射状に形成された複数のスリットSを有しており、径方向内方に外力を負荷されたときにスリットSの隙間が縮むことによって径方向内方に収縮可能に構成されている。なお、スリットSの配置は任意であり、図示した配置に限定されるものではない。
【0026】
また、本実施形態では、ワーク把持治具2を第一分割片21及び第二分割片22に二分割した場合について説明しているが、ワーク把持治具2を三つ以上の分割片に分割するようにしてもよい。
【0027】
第一分割片21は、図3及び図4(a)に示したように、側面の周方向の両端部に形成された凹部21a,21bと、凹部21a,21bに形成された留穴21c,21dと、を備えている。また、同様に、第二分割片22も凹部22a,22b及び留穴22c,22dを備えている。
【0028】
連結部材23は、例えば、図3及び図4(b)に示したように、隣接する第一分割片21の留穴21c(留穴21d)及び第二分割片22の留穴22c(留穴22d)に跨がって配置可能な長孔24aを備えた連結プレート24と、長孔24aを介して各留穴21c,21d,22c,22dに接続される四本の留具25と、を備えている。また、連結プレート24は、連接する凹部21a,21b又は凹部22a,22bによって形成される空間に収容可能な外形及び厚さを有している。
【0029】
第一分割片21及び第二分割片22をワークWの外周に嵌めて組み合わせると、図4(a)に示したように、連接する凹部21a,21b(凹部22a,22b)によって連通した空間が形成される。この空間に連結プレート24を挿入し、留具25を留穴21c,21d,22c,22dに固定する。なお、留具25は、ボルトであってもよいし、ピンやビスであってもよい。
【0030】
かかる連結部材23によって第一分割片21及び第二分割片22を連結することによって、第一分割片21及び第二分割片22はワークWの外周に環状に配置される。その後、第一分割片21及び第二分割片22に外周から外力を負荷すると第一分割片21及び第二分割片22は径方向内方に収縮する。このとき、留具25は、長孔24aに挿通されていることから、長孔24aの長手方向に沿ってスライド可能な状態に配置されている。
【0031】
したがって、第一分割片21及び第二分割片22の収縮に追従して留具25も移動することができる。よって、第一分割片21及び第二分割片22を連結部材23で連結した状態であっても、第一分割片21及び第二分割片22に負荷された外力に対して連結部材23が第一分割片21及び第二分割片22の収縮を阻害することがなく、ワークWの外周に均等な把持力を付与することができる。
【0032】
なお、連結部材23は、図示した構成に限定されるものではない。例えば、図示しないが、各留穴21c,21d,22c,22dに接続される四本の留具25と、隣接する留具25同士を連結するチェーンと、により構成されていてもよい。留具25同士をチェーンで連結することによりチェーンの弛みによって第一分割片21及び第二分割片を径方向内方に収縮させることができる。また、チェーンに替えて、弾性を有するバンドで隣接する留具同士を拘束するようにしてもよい。
【0033】
コレット3は、略円筒形状を有しており、内部にワークWを収容可能な空間31が形成されている。コレット3の先端側(X軸のプラス方向側)にワーク把持治具2を挿入可能な空間が形成されており、内側に突出したストッパ32によってワーク把持治具2が位置決めされる。また、コレット3の後端側(X軸のマイナス方向側)はスペーサ52に連結可能な構成を有している。
【0034】
また、コレット3の先端側の筒部には軸方向に複数のスリットが形成されており、コレット3の先端側は径方向内方に収縮可能に構成されている。また、コレット3の先端側の外周部には、後端側から先端側に拡径したテーパ面33が形成されている。なお、ワークWの長さに応じて、コレット3に位置決め用のスペーサ34を配置してもよい。
【0035】
ホルダ4は、略円筒形状を有しており、内部にコレット3を挿入可能な空間41が形成されている。ホルダ4の先端側(X軸のプラス方向側)には、環状の凹部42が形成されている。凹部42には、コレット3のテーパ面33に対応したテーパ面43を有するリング部材45が挿入される。リング部材45をホルダ4と分離可能に構成することにより、コレット3の形状や大きさに合わせてリング部材45を変更することができ、コレット3のテーパ面33にリング部材45のテーパ面43を適切に当接させることができる。
【0036】
上述したワーク把持装置1を用いてワークWを把持してホルダ4に固定する場合には、以下の手順により行う。まず、ホルダ4の空間41にコレット3を予め挿入しておく。次に、ワークWの外周に第一分割片21及び第二分割片22を配置し、連結部材23により第一分割片21及び第二分割片22を連結する。
【0037】
次に、ワークW及びワーク把持治具2をコレット3の空間31に挿入する。その後、油圧シリンダ53によりコレット3をX軸のマイナス方向に引き込むことにより、コレット3のテーパ面33をホルダ4のテーパ面43に当接させる。
【0038】
コレット3がテーパ面33,43に沿って摺動しながら移動することにより、コレット3の先端部に径方向内方に向かう外力が付与され、ワーク把持治具2の外周に径方向内方に向かう外力が付与される。この外力によって、第一分割片21及び第二分割片22が径方向内方に収縮し、ワークWを強固に把持する。また、ワーク把持治具2を用いることにより、回転軸51の回転中心とワークWの中心とを高精度に同軸に保持したまま把持することができる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、回転側のワークWについて説明しているが、固定側のワークについてもワーク把持装置1と同様の機構によりワークを把持することができる。
【0040】
また、上述した実施形態では、コレット3のみを予めホルダ4に挿入しておく場合について説明しているが、ワークWにワーク把持治具2を配置した後、コレット3にワーク把持治具2を挿入し、コレット3ととものワーク把持治具2及びワークWをホルダ4に挿入するようにしてもよい。
【0041】
ここで、図5は、ワーク把持治具の着脱方法を示す断面図であり、(a)は把持状態、(b)は取り外し状態、を示している。また、図5(a)及び図5(b)は、図1に示した摩擦接合装置を用いて回転側のワークWと固定側のワークW′とを摩擦接合した場合を図示したものである。なお、各図において、説明の便宜上、ワーク把持治具以外のワーク把持装置の構成については図を省略してある。
【0042】
また、図5(a)及び図5(b)において、回転側のワークWの端面を符号Wa、ワークWの突出部を符号Wb、回転側のワーク把持治具を符号2、ワーク把持治具2の第一分割片を符号21、ワーク把持治具2の第二分割片を符号22とし、固定側のワークW′の端面を符号Wa′、ワークW′の突出部を符号Wb′、固定側のワーク把持治具を符号2′、ワーク把持治具2′の第一分割片を符号21′、ワーク把持治具2′の第二分割片を符号22′とする。
【0043】
図5(a)に示したように、上述した手順により、ワークWの端面Waと突出部Wbとの間の部分をワーク把持治具2で把持し、コレット3及びホルダ4を介して駆動手段5にワークWを固定する。同様にして、ワークW′の端面Wa′と突出部Wb′との間の部分をワーク把持治具2′で把持し固定手段6にワークW′を固定する。この状態で、駆動手段5によりワークWを回転させ、油圧シリンダにより固定手段6をマイナスX方向に押圧してワークW′をワークWに押し付けることによって、端面Wa及び端面Wa′を摩擦接合することができる。
【0044】
ワークW及びワークW′を摩擦接合すると、ワーク把持治具2,2′はワークWの突出部WbとワークW′の突出部Wb′との間に挟まれた状態になっており、ワーク把持治具2,2′を軸方向に引き抜くことができない。そこで、第一分割片21及び第二分割片22を連結していた連結部材23(図3及び図4(b)参照)を取り外すことにより、図5(b)に示したように、ワーク把持治具2を第一分割片21及び第二分割片22に分離して、ワーク把持治具2をワークWから取り外すことができる。
【0045】
このとき、連結部材23は、上述したように、第一分割片21及び第二分割片22の側面に配置されていることから、ワーク把持治具2が二つの突出部Wb,Wb′の間に挟まれている場合であっても、容易にアクセスすることができる。また、同様にして、ワーク把持治具2′も第一分割片21′及び第二分割片22′に容易に分離することができ、ワーク把持治具2′をワークW′から取り外すことができる。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、例えば、突出部を有しないワークにも適用することができる、摩擦接合装置以外の装置にも適用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 ワーク把持装置
2,2′ ワーク把持治具
3 コレット
4 ホルダ
5 駆動手段
6 固定手段
20 開口部
21,21′第一分割片
21a,21b,22a,22b 凹部
21c,21d,22c,22d 留穴
22,22′ 第二分割片
23 連結部材
24 連結プレート
24a 長孔
25 留具
31 空間
32 ストッパ
33 テーパ面
34 スペーサ
41 空間
42 凹部
43 テーパ面
45 リング部材
51 回転軸
52 スペーサ
53 油圧シリンダ

図1
図2
図3
図4
図5