IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社広栄社の特許一覧

特許7038982歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。
<>
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図1
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図2
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図3
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図4
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図5
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図6
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図7
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図8
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図9
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図10
  • 特許-歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】歯間清掃用フロスにおけるフロス固定方法と、その製品に関する。
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/04 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
A61C15/04 504
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017026408
(22)【出願日】2017-01-30
(65)【公開番号】P2018122061
(43)【公開日】2018-08-09
【審査請求日】2018-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2020-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591287587
【氏名又は名称】株式会社広栄社
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊文
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】加藤 啓
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-227752(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0346030(KR,Y1)
【文献】国際公開第02/28310(WO,A1)
【文献】米国特許第5573022(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片手で握ることが可能なフロスケース内側面に、貫通小孔と、該下部に連続するケース角溝部を設け、前記貫通小孔に、多角形状軸ボビン部にフロスを適量巻き込んだ該多角形状軸部をセット、前記フロスをフロスケースに設けたフロス突出小孔より使用量引き出した後、該多角形状軸部を貫通小孔下部に設けたケース角溝部に落し込み、固定することを特徴とする歯間清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯間清掃用フロスにおけるフロスの固定方法とその製品に関する。
【背景技術】
【0002】
歯間部の清掃には三角ようじ及び歯間ブラシが使用されるが、歯間上部においては、歯間が極小のため専用のフロスを使用することになる。
このフロスはポリエステル等の化学糸であり、極細の糸を数百本束ね縒の量を少なくすることで平面化し、歯間に挿入し易い構造となっている。
又、上記したフロスを潤滑を目的とした物質より硬め平面化したフロスもある。
【0003】
上記したフロスは、日本国内においては3~5cm位にカットされ弓形状で一方端に持ち手を設けた樹脂製成型部材の弓形状部に緊張状態をもって同時成形された使い捨て商品が主流で、ヨーロッパ各国及びアメリカ合衆国で愛用される商品は、フロスを20~30m位巻き取りパッケージングしただけの商品で、使用する量だけ取り出しカットして歯間清掃を行う方式が主流である。そして、上記した商品に関する特許文献を下記した。
【0004】
【文献】特開昭60-185548
【文献】特開平3-55054
【文献】特開2001-170083
【発明の開示】
【発明者が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者が平成28年5月20日特許出願した、特願2016-113918内でも記載したように、日本国内で主流となる使い捨て商品においてはフロスの緊張状態を指を使用する商品のように調整することが出来ず、歯間の形状によってはトラブルの発生となる。又、弓状の成形品が必要であり製造メーカーにとっては大量の成形品が必要で、ユーザーにとっても一見安価のように感じてもヨーロッパ各国及びアメリカ合衆国で愛用される商品と比較して高価となる。それに加え使い捨て商品であるため衛生的と言える反面、時代の流れであるエコ商品とは言えない。
【0006】
ヨーロッパ各国及びアメリカ合衆国で愛用される商品においても、両手指を使用するため一回の歯間清掃で使用するフロス量が30~40cm必要である点、両手指を使用するため熟達する必要と、日本人文化として口腔内に指を挿入する違和感を払拭する必要がある。
歯間清掃は歯面清掃(ブラッシング)同様重要な意味をもつものであるため、習慣づけ継続することが必要でフロス商品は経済的で低価格であり且、容易、正確に実施出来ることが肝要でこれを商品開発の課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
フロスを衛生面から女性の手の平サイズにおいても握ることが容易なサイズとし、フロスを使用量引き出す度に完全固定することが出来る構造とした。次に、片手中指に約10cmの間隔で巻きつけ、片手の親指と人差し指で2~3cmに持ち、フロスをピンと張り、優しく前後しながら、歯の面に沿うようにして挿入し、ゆっくり上下に動かし隣り合った歯の面を磨くようにしてステイン(着色汚れ)や歯垢を取っていく構造とした。
【0008】
又、指を口腔内に挿入する行為に違和感を抱く人や、奥歯(臼歯)の歯間清掃を容易且、正確に行う目的から、棒形状の先端からフロスが突出するヌンチャク型の商品も開発した。この商品においても上記した商品同様、フロスは巻き取られケース内に位置し、固定及び引出しができる構造となっている。
【発明の効果】
【0009】
フロスが手の平サイズのケースに収納されることと、容易にフロスを固定できる構造であることで片手中指又は人差し指に巻きつけるだけで歯間清掃が可能となった。又、一回で使用されるフロス量も30~40cmから約半分の量で済むようになった。
【0010】
衛生面から考察しても、ケースからフロスを引き出し片手中指又は人差し指に巻きつけるだけで歯間清掃が可能であるから、従来の商品と比較して使用部分に触れることも減少し清潔である。又、歯間の形状によりフロスの緊張状態を調整出来ることで、使用中のトラブルも減少した。
【0011】
二本の棒を使用するヌンチャク型においては、奥歯(臼歯)の歯間清掃も容易に出来且、指を口腔内に挿入する必要もなくなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図をもって説明する。
【0013】
図1で示したフロスの固定方法は次の通りである。歯間清掃用フロス1Aは予め、20~30m位の歯間清掃用フロス巻き物1としてケース上2のケース軸2Bに回転自由にセットされる。その歯間清掃用フロス巻き物1から引き出された歯間清掃用フロス1Aはケースフロス誘導部2D中央に位置する小孔内を通り、ケースフロス固定部2C中央部を通過フロス突出小孔2Gより引き出される。図1で示されたようなケース中央部に位置するケースヒンジ2Eにより開閉され、ケース開閉部2Fにより、ケース下2Aと固定される構造となっている。又、図2はケース上2とケース下2Aに設けたケースフロス固定部2CのA―A、B―B断面であり上下凹凸の中央付近を通る歯間清掃用フロス1Aを固定する構造を示したものである。
【0014】
図1で示したフロスの固定方法において歯間清掃後に使用済の歯間清掃用フロス1Aはケースに設けたカッターで切除され、ケース開閉部2Fを少量開くことで歯間清掃用フロス1Aを適量ずつ引き出すことが出来る。
【0015】
図3のフロス固定方法は、ケース内に設けたケース軸2Bにより回転自由に取り付けられた歯間清掃用フロス巻き物1から引き出された歯間清掃用フロス1Aは、予め、同時成形によりケース内に設けられたケース回転枠外3円周側面2カ所に位置するケース回転枠外小孔(溝)3A片方を通過し、回転自由に内蔵された回転ハンドル4円周側面2か所に位置する回転ハンドル小孔(溝)4A片方を通過、他方から突出しケース回転枠外小孔(溝)3A他方を通過した後、ケース先端に設けたフロス突出小孔2Gより引き出され歯間清掃に使用される。
【0016】
この商品における歯間清掃用フロス1Aの固定方法を拡大し示したものが図4である。ケース回転枠外小孔(溝)3A、回転ハンドル小孔(溝)4A(二カ所)、ケース回転枠外小孔(溝)3A他方と通過した歯間清掃用フロス1Aは、回転ハンドル4に設けた回転ハンドル取っ手5を回転させることで、回転ハンドル4の円周側面に巻きつけられ方向を変えることと、ケ-ス回転枠外3内面と回転ハンドル4外周面との狭い空間を利用して固定される。
【0017】
又、図3及び図4に示した矢印方向に回転ハンドル4を回転させ、各小孔(溝)を直線状にすることで歯間清掃用フロス1Aを引き出すことが容易に出来る。フロスを固定する力量においても、回転ハンドル4を90度(1/4回転)から360度(一回転)まで選択することで可能である。
【0018】
図5のフロス固定方法は、図6で示す角型軸6を使用する。この軸の断面形状C-C断面を拡大し示したものが図7である。この角型軸6の中央部付近には角型軸ボビン部6Aを設け、このボビン部の軸形状のみが歯間清掃用フロス1Aを巻きとるため丸軸となっている。又、予め、フロスを巻き取った歯間清掃用フロス巻き物1を差し込む方法もある。
【0019】
上記した角型軸6の中央部付近に位置する角型軸ボビン部6Aに歯間清掃用フロス1Aを巻き取りケース内にセットする。ケースにある貫通小孔に余裕をもってセットされた角型軸ボビン部6Aから引き出された歯間清掃用フロス1Aは、ケースのフロス誘導部2Dを通りフロス突出小孔2Gより引き出され使用される。
【0020】
この商品における歯間清掃用フロス1Aの固定方法は、角型軸6を図5で示す矢印方向(下方向)に下げケース角溝部2Hに落とし込むだけで固定される。今回は、四角型の軸形状を照会したが、より好適な軸形状は多角形状といえる。その理由は多角形状を進めることにより固定及び解除する行為がスムーズに進行することとなり、歯間清掃用フロス1Aの引出しにおいても同様である。
【0021】
上記した方法においては、歯間清掃を片手指に巻きつけ行う方法であるが、奥歯(臼歯)歯間を正確且、指を使用せずに行う方法を照会したものが図8である。
【0022】
ケース2内ケース軸2Bに回転自由に固定された歯間清掃用フロス巻き物1から引き出された歯間清掃用フロス1Aはケース差し込み凸部中央付近に位置するケースフロス固定小孔2Iより突出し、中空棒7内を通り中空棒先端小孔7Aから他方中空棒先端小孔7Aに入り中空棒7内を通りフロス固定キャップ8に設けた固定キャップ小孔8Aより突出、中空棒フロス固定小孔7Bを通過し外面にでる。
【0023】
この方法による歯間清掃フロス1Aの固定方法は、ケース2先端部を中空棒7内に差し込むことで歯間清掃用フロス1Aは固定される。より固定を完全なものとする意味から回転する方法も好適といえる。又、他方法としてフロス固定キャップ8を使用する詳細を拡大したものが図9であり、フロス固定キャップ8を矢印方向に回転させ、中空棒フロス固定小孔7Bとフロス固定キャップ小孔8Aの位置をズラスことで固定される。この方法は、上記した図3の方法を棒状タイプにおいて利用したものであり、図8においては、ケース2側とフロス固定キャップ8側において固定方法を変え記載したが同方法においても実施可能である。
【0024】
そして、上記した中空棒7をヌンチャク形状で使用するイメージ図が図10であり、9は歯形状を示したものである。
【0025】
又、最後に示した図11図3で照会した商品の使用方法を示したイメ-ジ図であり、片手指に歯間清掃用フロス1Aを巻きつけた状態を示したものが指11である。そして、歯間清掃用フロス1Aのケース2内の状態を示す点線がフロス通路(イメージ)10である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】凸凹固定型歯間清掃用フロス商品の全体を示す開閉平面図。
図2】凸凹固定部分を拡大したA―A、B-B断面図。
図3】回転固定型歯間清掃用フロス商品の全体を示す正面図。
図4】回転固定部分を拡大した正面図。
図5】軸固定型歯間清掃用フロス商品の全体を示す正面図。
図6】軸全体を拡大した側面図。
図7】軸断面形状を拡大したC―C断面図。
図8】棒型歯間清掃用フロス商品の全体を示す断面図。
図9】棒型歯間清掃用フロス商品において、フロスを回転固定する方法を示す拡大断面図。
図10】棒型歯間清掃用フロス商品の使用方法を示すイメージ図。
図11】回転固定型歯間清掃用フロス商品の使用方法を示すイメージ図。
【符号の説明】
【0027】
1. 歯間清掃用フロス巻き物。
1A. 歯間清掃用フロス。
2. ケース上。
2A. ケース下。
2B. ケース軸。
2C. ケースフロス固定部。
2D. ケースフロス誘導部。
2E. ケースヒンジ。
2F. ケース開閉部。
2G. フロス突出小孔。
2H. ケース角溝部
2I. ケースフロス固定小孔。
3. ケース回転枠外。
3A. ケース回転枠外小孔(溝)。
4. 回転ハンドル。
4A. 回転ハンドル小孔(溝。)
5. 回転ハンドル取っ手。
6. 角型軸。
6A. 角型軸ボビン部。
7. 中空棒。
7A. 中空棒先端小孔
7B. 中空棒フロス固定小孔。
8. フロス固定キャップ。
8A. フロス固定キャップ小孔。
9. 歯。
10. フロス通路(イメージ)。
11. 指。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11