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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】積層シート体製造法及び積層シート体
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/00 20060101AFI20220314BHJP
   B42D 15/04 20060101ALI20220314BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20220314BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20220314BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B42D15/00 371
B42D15/04 B
B42D11/00 E
B32B7/06
B32B7/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017156356
(22)【出願日】2017-08-14
(65)【公開番号】P2019034458
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】504288270
【氏名又は名称】大昌印刷販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】太田 博之
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-307866(JP,A)
【文献】特開2013-056422(JP,A)
【文献】登録実用新案第3123335(JP,U)
【文献】特開平01-085798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-15/00
15/04-19/00
G09F 1/00-5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に連続する積層シート連続体を、前記一定方向における所定のシート体長さと所定の切除部長さ毎に交互に繰り返して前記一定方向に対し横方向に切断線により切断することにより、前記所定の切除部長さの部分をそれぞれ切除部として切除して、前記所定のシート体長さの複数の積層シート体を製造する方法であって、
前記積層シート連続体は、
基シート部の裏側の所定部分に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介し離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、
前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、何れかのシート部が、裏側に仮接着層を介して前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち他の何れかのシート部の表側が仮着した剥離シート部を構成するものであり、
前記所定部分は、前記積層シート連続体の何れか一方の側辺に沿う部分を含むものであり、
i) 前記剥離シート部の裏側に積層している、離型シート部を含む2層以上のシート部における、前記一方の側辺に沿う部分を、前記接着層と共にその剥離シート部から除去して、剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなるA領域を形成するためのA領域形成部と、
前記剥離シート部の裏側に積層している、離型シート部を含む2層以上のシート部における、前記切除部に沿う部分のうちA領域形成部に含まれない部分を、前記接着層と共にその剥離シート部から除去して、剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり前記切除部を含まないB領域を形成するためのB領域形成部と、
前記離型シート部と前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部が積層してなりA領域、B領域及び前記切除部を含まない、前記所定のシート体長さ部分毎のM領域と
を設けるために、
前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部における、A領域形成部と前記各M領域との境界であって前記各切除部以外の部分にA切離部を形成し、
前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部における、前記切除部に沿うB領域形成部と前記M領域の境界には、B切離部として、前記一方の側辺側の端部である一方側端部が、A切離部の前記一定方向における端部と一致し、前記一方の側辺とは逆側の端部である逆側端部が前記切断線上に位置するものを形成し、
前記切除部における前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部には、その切除部を挟んで前記一定方向に相対する両B切離部のうち前記一方の側辺とは逆側の端部である逆側端部同士を結ぶC切離部を形成し、
ii) A切離部、B切離部及びC切離部と前記一方の側辺の間の前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部を、
全体としてほぼ前記一定方向に連続的に、前記剥離シート部から前記接着層と共に順次剥離除去してA領域及びB領域を形成し、
iii) 且つ前記切除部を切除することにより、
前記M領域の側縁を構成するA領域及びB領域に接着層を有しない複数の積層シート体を製造することを特徴とする積層シート体製造法。
【請求項2】
上記一定方向に相対する両B切離部の上記逆側端部同士を結ぶ上記C切離部が、前記両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込んだ形状を1以上有する請求項1記載の積層シート体製造法。
【請求項3】
上記C切離部が両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込む長さが、B切離部の上記一定方向に直交する方向の長さの4分の1以上である請求項2記載の積層シート体製造法。
【請求項4】
上記B切離部の上記逆側端部が、上記剥離シート部の裏側に積層している離型シート部を含む2層以上のシート部の上記一定方向に直交する方向の全幅のうち上記一方の側辺とは逆側端の近傍部に位置する請求項1乃至3の何れか1項に記載の積層シート体製造法。
【請求項5】
上記B切離部における上記逆側端部の近傍部と、当該逆側端部に接続したC切離部における当該逆側端部の近傍部が、上記一方の側辺とは逆側に向かって凸の湾曲状部を形成している請求項4記載の積層シート体製造法。
【請求項6】
上記基シート部が、上記一定方向に直交する方向における上記所定部分に対し上記一方の側辺とは逆側に隣接して、裏側に上記他のシート部をm層挟んで上記離型シート部が積層していない部分を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の積層シート体製造法。
【請求項7】
一つの辺である第1辺と、前記第1辺の両端にそれぞれ繋がる辺である二つの第2辺を有する積層シート体であって、
第1辺の全長に沿ってA領域を有し、
第2辺のうち、A領域との境界から、第1辺側の端部とは逆側の端部に至らない特定位置までの部分に沿ってB領域を有し、
A領域とB領域に臨んでM領域を有し、
前記M領域は、基シート部の裏側に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介して離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、何れかのシート部が、裏側に仮接着層を介して前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち他の何れかのシート部の表側が仮着した剥離シート部を構成するものであり、
A領域は、前記剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり、
B領域は、前記剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり、
前記特定位置付近の第2辺に沿う部分のうち、前記特定位置よりも第1辺側とは逆の側の部分がM領域により構成されていることを特徴とする積層シート体。
【請求項8】
B領域とM領域の境界のうち上記特定位置に臨む部分の形状が、前記特定位置側に向かって凸の湾曲状をなす請求項記載の積層シート体。
【請求項9】
上記M領域は、積層シート体の平面視において両第2辺の各中間の何れかの位置を結ぶ所定の境界線と第1辺の間の部分に有し、それ以外の部分の基シート部の裏側には他のシート部をm層挟んで離型シート部が積層していない請求項7又は8記載の積層シート体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シート体製造法及びその製造法により製造し得る積層シート体に関する。
【背景技術】
【0002】
実用新案登録第3123335号公報には、粘着剤と剥離剤を使用し重合、貼着する用紙であって、粘着剤が用紙の周囲からはみ出さないものとして、
第1の用紙(8)の裏面及び第2の用紙(9)の裏面に粘着剤が塗布されている部分(10,10’)と剥離剤が塗布されている部分(11,11’)が交互に配列され、粘着剤が塗布されている部分(10,10’)と剥離剤が塗布されている部分(11,11’)とが第1の用紙(8)の裏面及び第2の用紙(9)の裏面では齟齬した位置に配置され、第1の用紙(8)と第2の用紙(9)が重合、貼着する用紙であって、
その各々の用紙(8,9)の裏面に塗布されている当該粘着剤及び剥離剤は線状及び/又は面状に塗布され、そして剥離可能に重合、貼着され、断裁され、又は印刷される用紙において,
当該各々の用紙(8,9)の裏面に塗布されている当該粘着剤及び剥離剤の塗布が任意の形状又は模様に塗布できる塗工機にて線状及び/又は面状に塗布されること,
剥離可能に重合、貼着する各々の用紙(8,9)の粘着剤が塗布されている部分(10,10’)の断裁部分(14,14’,15,15’)、及び当該各々の用紙(8,9)の裏面の内側の上(13,13’)、下(16,16’)、左(18,18’)、右(19,19’)に粘着剤が塗布されていないこと
を特徴とする用紙が開示されている。
【0003】
このように得られる用紙は、粘着剤が用紙の周囲からはみ出さないものであるが、粘着剤が塗布されていない部分を設けて粘着剤が用紙の周囲からはみ出さないようにしたものであるため、その部分は粘着が不十分となるおそれがあり、また、粘着剤と剥離剤を交互に配列し、粘着剤が塗布されている部分(10,10’)と剥離剤が塗布されている部分(11,11’)とが第1の用紙(8)の裏面及び第2の用紙(9)の裏面で齟齬した位置に配置するという特異な態様であって製造が容易とは言えず、用途も限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3123335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、離型シート部と基シート部が接着層を介して積層してなる領域を有すると共に、一つの側縁に沿う領域及び前記側縁に対し横方向をなす側縁に沿う領域に接着層を有しない積層シート体並びにその積層シート体を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の積層シート体製造法及びその製造法により製造し得る積層シート体は、次のように表すことができる。
【0007】
(1) 一定方向に連続する積層シート連続体を、前記一定方向における所定のシート体長さと所定の切除部長さ毎に交互に繰り返して前記一定方向に対し横方向に切断線により切断することにより、前記所定の切除部長さの部分をそれぞれ切除部として切除して、前記所定のシート体長さの複数の積層シート体を製造する方法であって、
前記積層シート連続体は、
基シート部の裏側の所定部分に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介し離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、
前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、何れかのシート部が、裏側に仮接着層を介して前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち他の何れかのシート部の表側が仮着した剥離シート部を構成するものであり、
前記所定部分は、前記積層シート連続体の何れか一方の側辺に沿う部分を含むものであり、
i) 前記剥離シート部の裏側に積層している、離型シート部を含む2層以上のシート部における、前記一方の側辺に沿う部分を、前記接着層と共にその剥離シート部から除去して、剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなるA領域を形成するためのA領域形成部と、
前記剥離シート部の裏側に積層している、離型シート部を含む2層以上のシート部における、前記切除部に沿う部分のうちA領域形成部に含まれない部分を、前記接着層と共にその剥離シート部から除去して、剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり前記切除部を含まないB領域を形成するためのB領域形成部と、
前記離型シート部と前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部が積層してなりA領域、B領域及び前記切除部を含まない、前記所定のシート体長さ部分毎のM領域と
を設けるために、
前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部における、A領域形成部と前記各M領域との境界であって前記各切除部以外の部分にA切離部を形成し、
前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部における、前記切除部に沿うB領域形成部と前記M領域の境界には、B切離部として、前記一方の側辺側の端部である一方側端部が、A切離部の前記一定方向における端部と一致し、前記一方の側辺とは逆側の端部である逆側端部が前記切断線上に位置するものを形成し、
前記切除部における前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部には、その切除部を挟んで前記一定方向に相対する両B切離部のうち前記一方の側辺とは逆側の端部である逆側端部同士を結ぶC切離部を形成し、
ii) A切離部、B切離部及びC切離部と前記一方の側辺の間の前記離型シート部並びにその離型シート部の表側と前記剥離シート部の裏側の間の1層以上のシート部を、
全体としてほぼ前記一定方向に連続的に、前記剥離シート部から前記接着層と共に順次剥離除去してA領域及びB領域を形成し、
iii) 且つ前記切除部を切除することにより、
前記M領域の側縁を構成するA領域及びB領域に接着層を有しない複数の積層シート体を製造することを特徴とする積層シート体製造法。
【0008】
(2) 上記一定方向に相対する両B切離部の逆側端部同士を結ぶ上記C切離部が、前記両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込んだ形状を1以上有する上記(1)記載の積層シート体製造法。
【0009】
(3) 上記C切離部が両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込む長さが、B切離部の上記一定方向に直交する方向の長さの4分の1以上である上記(2)記載の積層シート体製造法。
【0010】
(4) 上記B切離部の上記逆側端部が、上記剥離シート部の裏側に積層している離型シート部を含む2層以上のシート部の上記一定方向に直交する方向の全幅のうち上記一方の側辺とは逆側端の近傍部に位置する上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の積層シート体製造法。
【0011】
(5) 上記B切離部における上記逆側端部の近傍部と、当該逆側端部に接続したC切離部における当該逆側端部の近傍部が、上記一方の側辺とは逆側に向かって凸の湾曲状部を形成している上記(4)記載の積層シート体製造法。
【0012】
(6) 剥離シート部からなるA領域を形成した後、そのA領域における前記一方の側辺の側を切除して、積層シート体のA領域の幅を所望の幅に狭くすることを含む上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の積層シート体製造法。
【0013】
(7) 一つの辺である第1辺と、前記第1辺の両端にそれぞれ繋がる辺である二つの第2辺を有する積層シート体であって、
第1辺の全長に沿ってA領域を有し、
第2辺のうち、A領域との境界から、第1辺側の端部とは逆側の端部に至らない特定位置までの部分に沿ってB領域を有し、
A領域とB領域に臨んでM領域を有し、
前記M領域は、基シート部の裏側に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介して離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、何れかのシート部が、裏側に仮接着層を介して前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち他の何れかのシート部の表側が仮着した剥離シート部を構成するものであり、
A領域は、前記剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり、
B領域は、前記剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなり、
前記特定位置付近の第2辺に沿う部分のうち、前記特定位置よりも第1辺側とは逆の側の部分がM領域により構成されていることを特徴とする積層シート体。
【0014】
(8) 上記特定位置付近の第2辺に沿う部分のうち、前記特定位置よりも第1辺側とは逆の側の部分がM領域により構成されている上記(7)記載の積層シート体。
【0015】
(9) B領域とM領域の境界のうち上記特定位置に臨む部分の形状が、前記特定位置側に向かって凸の湾曲状をなす上記(8)記載の積層シート体。
【発明の効果】
【0016】
本発明の積層シート体製造法によれば、離型シート部と基シート部および/または他のシート部と剥離シート部が積層してなるM領域を有すると共に一つの側縁に沿うA領域及び前記側縁に対し横方向をなす側縁に沿うB領域に接着層を有しない積層シート体を次々と製造することができる。
【0017】
本発明の積層シート体は、離型シート部と基シート部および/または他のシート部と剥離シート部が積層してなるM領域を有すると共に一つの側縁に沿うA領域及び前記側縁に対し横方向をなす側縁に沿うB領域に接着層を有しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】積層シート連続体の平面図である。
図2】積層シート連続体の要部拡大平面図である。
図3】積層シート連続体の要部拡大底面図である。
図4図2におけるVI-VI線端面図である。
図5図2における剥離除去部の平面図である。
図6】剥離除去部が除去された状態の図2におけるVI-VI線端面図である。
図7】剥離除去部が除去された状態の図2におけるVII-VII線端面図である。
図8】剥離除去部が除去された状態の図2におけるVIII-VIII線端面図である。
図9】積層シート体の拡大平面図である。
図10】積層シート体の要部拡大平面図である。
図11】積層シート体の要部拡大左側面図である。
図12】積層シート体の要部拡大正面図である。
図13図10の一部拡大図である。
図14】図11の一部拡大図である。
図15】図12の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1] 本発明の積層シート体製造法及びその製造法により製造し得る積層シート体の実施の形態の一例について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(1) 積層シート連続体
【0021】
図1乃至3に示す積層シート連続体Tは、一定の横幅(図における左右方向)で一定方向(図における上下方向)に連続するものである。
【0022】
図1は、積層シート連続体Tにおける一部の一定方向連続部分に関するものであり、図2及び3は、更にその一部を拡大し、且つ一部を割愛したものである。
【0023】
この積層シート連続体Tは、基シート部Pの裏側(底面側)の所定部分Fに、仮接着層Vを介して接着用シート部H(他のシート部)を1層挟み、接着層Wを介し離型シート部Dの表側の離型面が仮着してその離型シート部Dが積層してなるものである。
【0024】
積層シート連続体Tの左側辺L及び右側辺Rは、何れも前記一定方向の直線状であり、左右両側辺L・Rは平行である。
【0025】
所定部分Fは、図1において、左側辺Lと、ミシン目により形成された一定方向の直線状の切離可能部Qとの間の部分であり、所定横幅で一定方向に連続する。
【0026】
積層シート連続体Tの一定方向の長さは、積層シート体Sの一定方向における長さである所定のシート体長さS1の複数倍の長さに、隣り合う所定のシート体同士の間にそれぞれ設ける切除部Eの一定方向長さである所定の切除部長さE1を加えた長さに対応する。
【0027】
(1-1) 基シート部Pは、積層シート連続体Tと平面視において一致するものであり、一定の横幅で一定方向に連続し、両側辺は、何れも一定方向の直線状であり、両側辺は平行である。
【0028】
(1-2) 接着用シート部H(他のシート部)は、所定部分Fと平面視において一致するものであり、一定の横幅で一定方向に連続し、両側辺は、何れも一定方向の直線状であり、両側辺は平行である。
【0029】
1層の接着用シート部Hが、その表側の面において、一旦剥離すると再接着が困難な感圧接着性の擬似糊による仮接着層Vを介して、基シート部Pの裏側の所定部分Fに仮着して積層している。
【0030】
(1-3) 離型シート部Dは、所定部分Fと平面視において一致するものであり、一定の横幅で一定方向に連続し、両側辺は、何れも一定方向の直線状であり、両側辺は平行である。
【0031】
離型シート部Dの表側の面が、シリコーン樹脂により接着層Wに対する離型性が付与された離型面である。
【0032】
離型シート部Dは、その離型シート部Dの離型面が、接着用シート部Hの裏側に接着層Wを介して仮着して積層している。
【0033】
接着層Wを構成する接着剤は、離型シート部Dを除去することにより、接着用シート部Hの裏面側を、例えば配送物における紙又は合成樹脂フィルムからなる包装材等に対し、感圧接着等により接着し得るものである。
【0034】
(1-4) 積層シート連続体Tにおける、基シート部P、接着用シート部H及び離型シート部Dのそれぞれにおける表裏一方又は両方には、必要に応じ、積層前又は積層後における適時に、文字、図形、写真、絵柄等の必要な情報等を印刷したものとすることができる。
【0035】
(2) 積層シート体製造法
【0036】
(2-1) 積層シート連続体Tには、A領域形成部10とB領域形成部20とM領域30を設けるために、A切離部15、B切離部25及びC切離部35を形成する。
【0037】
A領域形成部10は、基シート部P(剥離シート部)と共に積層している接着用シート部H及び離型シート部Dのうち積層シート連続体Tの左側辺Lに沿う部分をその基シート部P(剥離シート部)から除去して基シート部P(剥離シート部)からなるA領域12を形成するためのものである。
【0038】
B領域形成部20は、基シート部P(剥離シート部)と共に積層している接着用シート部H及び離型シート部Dの切除部Eに沿う部分(所定部分Fに対応する部分)のうちA領域形成部10に含まれない部分をその基シート部P(剥離シート部)から除去して基シート部P(剥離シート部)からなるB領域22を形成するためのものである。
【0039】
B領域形成部20は、一定方向に直交する方向において、A領域12との境界から所定部分Fの右側辺(切離可能部Q)までの大部分(所定部分Fの右側辺の近傍部)に達する。
【0040】
M領域30は、A領域12、B領域22及び切除部Eを含まず、離型シート部Dと接着用シート部Hと基シート部P(剥離シート部)が積層してなるものである。前記一定方向において、M領域30の長さは所定のシート体長さS1よりもやや短い。
【0041】
M領域30において基シート部P(剥離シート部)は、前記一定方向に直交する切離線G・Gaにより複数の分割部分Jに分割される。
【0042】
各M領域30における前記一定方向の上端の切離線Gaは、基シート部P(剥離シート部)と接着用シート部Hにわたるものであり、各M領域30における上端の切離線Gaよりも下方の部分を離型シート部Dから一体として剥がしてそれを接着層Wにより配送物等の対象物に貼り付ける作業を行い易くするためのものである。
【0043】
このように対象物に貼り付けられたものにおいて、各分割部分Jは、接着用シート部Hから別々に剥離して別々の用途(例えば宛名ラベルから剥離して配送受付票や配送先からの受領証に用いる等)に用い得る。
【0044】
(2-2) A切離部15は、離型シート部D及び接着用シート部HにおけるA領域形成部10とM領域30との境界に形成する。
【0045】
B切離部25は、離型シート部D及び接着用シート部HにおけるB領域形成部20とM領域30の境界に、左側辺L側の端部である左端部(一方側端部)が第1切離部の端部と一致するよう形成する。
【0046】
B切離部25の右端部(逆側端部)は、基シート部P(剥離シート部)と共に積層している接着用シート部H及び離型シート部Dの前記一定方向に直交する方向の所定部分Fの左側辺から右側辺(切離可能部Q、逆側端)までの全幅のうち、所定部分Fから逸脱して接着用シート部H及び離型シート部Dが積層していない部分にB切離部25が形成されようとすることを確実に回避する上で所定部分Fの右側辺(切離可能部Q)の近傍部(右側辺に達しない近傍部)に位置するものとしている。
【0047】
C切離部35は、切除部Eにおける離型シート部D及び接着用シート部Hに形成するものであり、その切除部Eを挟んで一定方向に相対する両B切離部25のうち右端部同士を結ぶよう形成する。
【0048】
B切離部25における右端部の近傍部と、当該右端部に接続したC切離部35における当該右端部の近傍部は、右方に向かって凸の湾曲状部Kを形成し、B切離部25の右端部は、その湾曲状部Kの頂点と基部の中間に位置する。この場合、切除部Eの前記一定方向における端縁の位置とB切離部25及びC切離部35との位置関係に若干のずれが生じてもB切離部25の右端部の一定方向に直交する方向の位置及びB切離部25の右端部の近傍部の形態に大きく影響することを防ぐことができる。
【0049】
(2-3) このようにして一定方向に連続する積層シート連続体Tに、A領域形成部10、B領域形成部20及びM領域30を設けたものから、A切離部15、B切離部25及びC切離部35と左側辺Lの間の離型シート部D及び接着用シート部H並びに接着層Wを、剥離除去部Zとして、全体としてほぼ前記一定方向に連続的に、基シート部P(剥離シート部)から順次裏側へ剥離除去することにより、A領域12及びB領域22が形成される。
【0050】
基シート部P(剥離シート部)からなるA領域12は、切除部Eを含めて左側辺Lに沿って前記一定方向に連続したものとして形成される。
【0051】
また、基シート部P(剥離シート部)からなるB領域22は、切除部Eに同様に形成される基シート部P(剥離シート部)からなる領域と前記一定方向に連続した状態で形成される。
【0052】
次いで、基シート部P(剥離シート部)からなるA領域12について、左側辺LとM領域30の左側縁の間の所要幅Yを切除して、積層シート体SのA領域12の幅(前記一定方向に直交する方向の幅)を狭くすると共に、前記切除部Eの前記一定方向前後端部の左右方向(前記一定方向に対し直交方向)の切断線E2を切断してその切除部Eを切除することにより、単体としての積層シート体Sを次々と製造することができる。
【0053】
この積層シート体Sにおいては、接着層Wを介して離型シート部Dと接着用シート部H及び基シート部P(剥離シート部)が積層してなるM領域30の左側縁を構成するA領域12及びM領域30の前後側縁の大部分を構成するB領域22が基シート部P(剥離シート部)からなり接着層Wを有しない。M領域30の前後側縁における右端の僅少部分30aのみが積層シート体Sの外周縁に臨む。そのため、M領域30の接着層Wにおける接着剤がそのままの状態で又は経時的に側方に食み出して他の積層シート体Sやその他の物に接着して不都合が生じることが実質上防がれる。
【0054】
(2-4) C切離部35は、前記一定方向に相対する両B切離部25の逆側端部同士を結んでおり、その両B切離部25の間で、左側辺Lに向かって、B切離部25の上記一定方向に直交する方向の長さの5分の4程度略U字状に入り込んだ形状を前記一定方向に対称状に1箇所有する。
【0055】
これにより、B切離部25及びC切離部35と左側辺Lの間の離型シート部D及び接着用シート部H、すなわち基シート部P(剥離シート部)から剥離されるべき接着用シート部H及び離型シート部Dは、全体として左側辺Lの側から右側辺Rの側に向かって、上記一定方向に対称状に2つに分岐した状態で、一定方向に対し直交方向に延びるものとなっている。
【0056】
このように、基シート部P(剥離シート部)から剥離される接着用シート部H及び離型シート部DがC切離部35により左側辺Lに向かってえぐられるようにして2つに分岐することにより、接着用シート部Hと基シート部P(剥離シート部)との仮着面積が、個々の分岐においても2つの分岐を併せたもの全体においても減少し、それらの間の仮着力が減少するので、基シート部P(剥離シート部)からの剥離に際して離型シート部D及び接着用シート部Hに作用する張力が、個々の分岐においても2つの分岐を併せたもの全体においても、減少する。
【0057】
そのため、B切離部25及びC切離部35と左側辺Lの間の離型シート部D及び接着用シート部Hの基シート部P(剥離シート部)からの剥離を、左側辺Lにほぼ沿ってほぼ前記一定方向に作用する張力に基づき可及的に円滑に行われ得るようにすることができる。
【0058】
また、B切離部25は前記一定方向に対しほぼ直交方向であり、C切離部35はB切離部25に対しやや傾斜することにより、前記各分岐の幅(前記一定方向の幅)は左側辺Lの側から右側辺Rの側に向かって漸次縮小するものとしている。この点も、B切離部25及びC切離部35と左側辺Lの間の離型シート部D及び接着用シート部Hの基シート部P(剥離シート部)からの剥離が、左側辺Lにほぼ沿ってほぼ前記一定方向に作用する張力に基づき可及的に円滑に行われることに資する。
【0059】
(3) 積層シート体S
【0060】
図9乃至図15に示す積層シート体Sは、前記一定方向に連続する積層シート連続体Tを用いて前記積層シート体製造法により製造し得る、単体としての積層シート体Sである。
【0061】
(3-1) 積層シート体Sは、第1辺50(左側辺)と二つの第2辺60(前後側辺)と第3辺70(右側辺)を各辺とする方形状をなす。
【0062】
(3-2) 第1辺50の全長に沿って、基シート部P(剥離シート部)からなるA領域12を有し、
第2辺60のうち、A領域12との境界から、所定部分Fの右端部に至らない右端部近傍の特定位置Xまでの部分に沿って、基シート部P(剥離シート部)からなるB領域22を有し、
A領域12とB領域22に臨んで、基シート部P(剥離シート部)の裏側に仮接着層Vを介して接着用シート部Hが仮着して積層し、更に接着層Wを介して離型シート部Dの離型面が仮着してその離型シート部Dが積層してなる、前述のようなM領域30を有する。
【0063】
(3-3) M領域30は、積層シート体Sの平面視において両第2辺60の各中間の位置を結ぶミシン目により形成された一定方向の直線状の切離可能部Q(所定の境界線)と第1辺50の間の部分に位置する。積層シート体Sのうち切離可能部Qの右方の部分の基シート部Pについては、切離可能部Qaにより複数に分離することができるが、その裏側には離型シート部Dは積層していない。
【0064】
(3-4) 前記特定位置X付近の第2辺60に沿う部分のうち、前記特定位置Xよりも第1辺50側とは逆の側(第3辺70の側)の部分がM領域30により構成されている。基シート部P(剥離シート部)に接着用シート部H及び離型シート部Dが積層していない部分にB切離部25を形成しようとしてその部分の基シート部Pに欠切部が形成されることを確実に回避するためである。
【0065】
(3-5) また、B領域22とM領域30の境界のうち上記特定位置Xに臨む部分の形状が、特定位置X側に向かって凸の湾曲状をなす。この場合、B領域22を形成するために基シート部Pを切離する位置と第2辺60との位置関係に若干のずれが生じても一定方向に直交する方向における特定位置Xの位置及びB領域22とM領域30の境界のうち上記特定位置Xに臨む部分の形態に大きく影響することを防ぐことができる。
【0066】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0067】
本発明の積層シート体製造法は、一定方向に連続する積層シート連続体を、前記一定方向(以下、単に「一定方向」とも言う。)に対し横方向(好ましくは一定方向に対し直交方向)に切断することにより、所定の長さの積層シート体を製造する方法である。
【0068】
また本発明の積層シート体は、本発明の積層シート体製造法により製造し得る積層シート体である。
【0069】
(1) 積層シート連続体
【0070】
本発明における一定方向に連続する積層シート連続体は、基シート部の裏側の所定部分に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介し離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、剥離シート部を構成する何れかのシート部の裏側に仮接着層を介して他の何れかのシート部の表側が仮着してなるものである。
【0071】
積層シート連続体の横幅は、一定であることが望ましい。積層シート連続体の一方の側辺は、一定方向の直線状であることが望ましく、他方の側辺も、一定方向の直線状であることが望ましく、両者は平行であることが望ましい。
【0072】
積層シート連続体の一定方向の長さは、積層シート体の一定方向における長さである所定のシート体長さの複数倍の長さに、隣り合う所定のシート体同士の間にそれぞれ設ける切除部の一定方向長さである所定の切除部長さ(例えばシート体長さの2乃至12%の長さ)を加えた長さ以上である。
【0073】
(1-1) 基シート部は、一定方向に連続するものであることが望ましい。また基シート部は、積層シート連続体と平面視において一致するものであることが望ましい。
【0074】
基シート部の横幅は、一定であることが望ましい。基シート部の上記一方の側辺は、一定方向の直線状であることが望ましく、他方の側辺も、一定方向の直線状であることが望ましい。
【0075】
基シート部の材料としては、例えば、塗工紙等の各種加工紙やその他の紙、シート状若しくはフィルム状の合成樹脂を用いることができる。
【0076】
(1-2) 離型シート部は、例えば、少なくとも一方の面が離型面(例えばシリコーン樹脂により接着層に対する離型性が付与された面)であって、塗工紙等の各種加工紙やその他の紙、シート状若しくはフィルム状の合成樹脂を主材料とするものを用いることができる。
【0077】
離型シート部は、その離型シート部の離型面が、基シート部の裏側の所定部分に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介して仮着して積層している。すなわち、離型シート部の離型面が、基シート部の裏側の所定部分に他のシート部を0層挟んで(換言すれば、所定部分に直接的に)接着層を介して仮着しているものとすることができるほか、基シート部の裏側の所定部分に他のシート部を1層又は2層以上挟んで(すなわち、所定部分に他のシート部が積層し、積層した他のシート部の裏側に)接着層を介して仮着しているものとすることができる。
【0078】
基シート部の裏側のうち所定部分は、前記積層シート連続体の何れか一方の側辺に沿う部分(通常は一方の側辺に沿う部分の全部)を含む。所定部分は、例えば、前記積層シート連続体の何れか一方の側辺に沿う部分から他方の側辺には至らない位置に及ぶ部分であり、前記積層シート連続体の一方の側辺から一定方向に直交する方向の他方の側辺に至らない一定幅の部分であることが好ましい。
【0079】
また所定部分として、前記一方の側辺(以下、単に「一方の側辺」とも言う。)の側の所定部分に加えて、前記積層シート連続体の他方の側辺に沿う部分から一方の側辺の側の所定部分に至らない位置に及ぶもの、すなわち一方の側辺の側の所定部分(一方の所定部分)から離隔した所定部分(他方の所定部分)を有するものとすることもできる。
【0080】
接着層を構成する接着剤は、基シート部の裏側に、他のシート部を0又は1層以上挟んで、離型シート部の離型面を仮着し得、離型シート部を除去することにより、基シート部又は他のシート部の裏面側を、例えば配送物における紙又は合成樹脂フィルムからなる包装材等に対し、感圧接着等により接着し得るものとすることができる。
【0081】
(1-3) 本発明の積層シート体製造法における積層シート連続体は、基シート部の表側の所要部分に、他のシート部(前記の他のシート部と同様のものでも異なるものでもよい。)が1層以上積層したものとすることもできる。
【0082】
所要部分は所定部分に対応するものとすることもできる。
【0083】
(1-4) 前記基シート部と、基シート部の裏側及び表側の一方又は両方に積層した他のシート部のうち、何れかが剥離シート部を構成し、その剥離シート部の裏側に仮接着層を介して他の何れかのシート部(他のシート部又は基シート部)の表側が仮着している。
【0084】
仮接着層としては、例えば、感圧接着性を有し、剥離シート部を基シート部の表側から一旦剥離すると再接着が困難なものを用いることができ、具体例としては、感圧接着性の擬似糊(例えば水分30重量%のアクリル樹脂エマルジョンを主成分とするもの)を挙げることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0085】
(1-5) 本発明における積層シート連続体における、基シート部の表裏一方又は両方、離型シート部の表裏一方又は両方(例えば離型性が付与される前の表側)、その他のシート部の表裏一方又は両方には、必要に応じ、積層前又は積層後における適時に、文字、図形、写真、絵柄等の必要な情報等を印刷したものとすることができる。
【0086】
(2) 積層シート体製造法
【0087】
(2-1) 積層シート連続体には、A領域形成部とB領域形成部とM領域を設けるために、A切離部、B切離部及びC切離部を形成する。
【0088】
A領域形成部は、剥離シート部と共に積層している基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の一方の側辺に沿う部分をその剥離シート部から除去して剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなるA領域を形成するためのものである。
【0089】
B領域形成部は、剥離シート部と共に積層している基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の前記切除部に沿う部分のうちA領域形成部に含まれない部分をその剥離シート部から除去して剥離シート部及びその表側の0以上でm+n未満の層のシート部からなるB領域を形成するためのものである。
【0090】
B領域形成部は、一定方向に対し横方向において、A領域との境界から剥離シート部と共に積層している基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の切除部に沿う部分における他方の側辺側の端部に達するもの、又は、A領域との境界から、例えば一方の側辺から他方の側辺側の端部までの大部分(例えば95%以上、好ましくは97乃至99.5%以上の位置)に達するものとすることができる。
【0091】
剥離シート部が積層されている部分である基シート部の表側の所要部分は、A領域及びB領域に対応する部分を少なくとも含むものとすることができる。
【0092】
M領域は、A領域、B領域及び切除部を含まず、離型シート部と基シート部および/または他のシート部と剥離シート部が積層してなるものである。一定方向において、M領域の長さは、一般には、所定のシート体長さよりもやや短い長さである。
【0093】
M領域としては、例えば、離型シート部、接着層、他のシート部(離型シート部を剥がして接着層により配送物等の対象物に貼り付けるための接着用シート部)、仮接着層、基シート部(剥離シート部を構成するもの)の順に積層したもの、又は、離型シート部、接着層、基シート部(離型シート部を剥がして接着層により配送物等の対象物に貼り付けるための接着用シート部)、仮接着層、他のシート部(剥離シート部を構成するもの)の順に積層したもの等を挙げることができる。
【0094】
剥離シート部を構成するシート部(基シート部又は他のシート部)は、切離線等により複数の部分に分割されたものとすることができる。各分割部分は、接着用シート部から別々に剥離して別々の用途(例えば宛名ラベルから剥離して配送受付票や配送先からの受領証に用いる等)に用い得るものとすることができるほか、分割部分の何れか1以上は、裏側に仮接着層ではなく接着層が形成されて下層のシート部に固着したものとすることもできる。
【0095】
また、M領域において接着用シート部を構成するシート部(他のシート部又は基シート部)についても、切離線等により複数の部分に分割されたものとすることができる。この場合、接着用シート部の各分割部分の1又は2以上をそれぞれ離型シート部から剥がして対象物に貼り付け得るものとすることができる。このような分割は、例えば、剥離シート部を構成するシート部に対応するようにすることや、接着用シート部を構成するシート部の何れかの分割部分に剥離シート部を構成するシート部の複数の分割部分が対応するものとして、剥離シート部が積層した状態の接着用シート部を離型シート部から剥がして対象物に貼り付け得るものとすることができる。
【0096】
積層シート連続体における何れか一方の側辺に沿う部分を含む所定部分と他方の側辺の間には、例えば、ミシン目等により形成された切離可能部を設けることや、分離すべき境界線を印刷若しくは切離可能部以外の物理的な手段により明示することもできる。
【0097】
なお、前述のように、一方の所定部分に加えて他方の所定部分を有する場合、他方の所定部分にもA領域形成部、B領域形成部及びM領域を設けることができる。
【0098】
(2-2) A切離部は、離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部におけるA領域形成部とM領域との境界に形成する。
【0099】
B切離部は、離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部におけるB領域形成部とM領域の境界に、一方の側辺側の端部である一方側端部がA切離部の端部と一致するよう形成する。
【0100】
B切離部の逆側端部は、剥離シート部と共に積層している基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の前記一定方向に直交する方向の前記一方の側辺から逆側端までの全幅のうち、例えば、前記一方の側辺とは逆側端に位置するものとすること、或いは、剥離シート部に基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部が積層していない部分にB切離部が形成されようとすることを確実に回避する上で前記一方の側辺とは逆側端の近傍部(逆側端に達しない近傍部)に位置するものとすることができる。
【0101】
C切離部は、切除部における離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部に形成するものであり、その切除部を挟んで一定方向に相対する両B切離部のうち一方の側辺とは逆側の端部である逆側端部同士を結ぶよう形成する。C切離部は、切除部のうち所要部分に対応する部分に設けられるものであることが好ましい。
【0102】
B切離部における逆側端部(所要部分の一定方向に直交する方向の一方の側辺から逆側端までの全幅のうち一方の側辺とは逆側端の近傍部に位置する場合を含む。)の近傍部と、当該逆側端部に接続したC切離部における当該逆側端部の近傍部は、前記一方の側辺とは逆側に向かって凸の湾曲状部を形成しているものとすることができる。この場合、切除部の前記一定方向における端縁の位置とB切離部及びC切離部との位置関係に若干のずれが生じてもB切離部の逆側端部の一定方向に直交する方向の位置及びB切離部の逆側端部の近傍部の形態に大きく影響することを防ぐことができる。より具体的な例としては、B切離部の前記逆側端部が、前記湾曲状部の頂点付近に位置する例、頂点と基部の中間に位置する例、等を挙げることができる。
【0103】
このような切離部の形成は、例えばエッチング刃型を用いたロータリーダイカッターにより高速で効率的に行うことができる。
【0104】
(2-3) 一定方向に連続する積層シート連続体に、A領域形成部、B領域形成部及びM領域を設けたものから、A切離部、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の離型シート部、離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部並びに接着層を、剥離除去部として、全体としてほぼ前記一定方向に連続的に、剥離シート部から順次剥離除去することにより、A領域及びB領域が形成される。
【0105】
A領域形成部及びB領域形成部並びに切除部においては、剥離シート部から剥離シート部の裏側の基シート部および/または他のシート部を剥離し易くする処理(例えば仮接着層上にシリコーン樹脂等を施す等)を行うことや、剥離シート部から剥離シート部の裏側の基シート部および/または他のシート部を剥離し易くすると共に基シート部および/または他のシート部を剥離した剥離シート部の裏側に仮接着層が残留して切除部の切断において不都合が生じるおそれを防ぐ上で仮接着層を設けないようにすることも選択し得る。
【0106】
A領域は、切除部を含めて一方の側辺に沿って前記一定方向に連続したものとして形成することができる。
【0107】
また、B領域は、切除部に同様に形成され得る領域と前記一定方向に連続した状態で形成することができる。
【0108】
次いで、前記切除部を切除することにより、単体としての積層シート体を次々と製造することができる。
【0109】
また、A領域を形成した後、必要に応じ、そのA領域における前記一方の側辺の側(前記一方の側辺とM領域の間)を切除して、積層シート体のA領域の幅(前記一定方向に直交する方向の幅)を所望の幅に狭くすることもできる。これにより、A領域形成部における剥離シート部から剥離除去する離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部の幅は主として一定方向の張力に耐え得るようにできるだけ広くし、剥離除去により形成されたA領域の幅は所望の幅にすることができる。同様の目的で、剥離シート部における前記所望の幅に対応する位置に前記一定方向の切離線を設け、その切離線と前記一方の側辺の間は剥離シート部と離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部が積層したままで、その切離線とM領域の間の剥離シート部から離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部を剥離除去すること(すなわち、剥離シート部はその切離線と前記一方の側辺の間のみに存在し、離型シート部並びに離型シート部の表側と剥離シート部の裏側の間の基シート部および/または他のシート部はM領域と前記一方の側辺の間にわたり存在する状態で剥離除去すること)もできる。
【0110】
この積層シート体においては、離型シート部と基シート部および/または他のシート部と剥離シート部が積層してなるM領域の側縁を構成するA領域及びB領域が剥離シート部からなり接着層を有しない。そのため、M領域の接着層における接着剤(粘着剤を含む概念とする)がそのままの状態で又は経時的に側方に食み出して他の積層シート体やその他の物に接着する等の不都合が生じることが防がれる。
【0111】
この積層シート体は、M領域の外周縁が全く積層シート体の外周縁に臨まないものとする他、M領域の外周縁の一部(できるだけ短い部分、例えば外周縁のある方向に沿う部分の長さの5%以下の部分、好ましくは0.5乃至3%以下の部分)のみが積層シート体の外周縁に臨むものとして接着剤の食み出しによる不都合を実質上防ぐこともできる。例えば、積層シート体の前記一定方向に対し横方向(例えば直交方向)の外周縁において、一方の側辺からある位置までの部分のうち一方の側辺側の大部分がA領域とB領域により構成され、逆側の一部のみがM領域により構成されているものとすることができる。
【0112】
(2-4) A切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部は、一方の側辺に沿ってほぼ一定方向に延び、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部は、全体として一方の側辺の側から他方の側辺の側に向かって、一定方向に対し横方向に延びる。
【0113】
A切離部、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部を前記のように全体としてほぼ一定方向に連続的に、剥離シート部から順次剥離除去する場合、剥離シート部から剥離しようとする基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部には、A切離部と一方の側辺の間においても、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間においても、一方の側辺にほぼ沿ってほぼ前記一定方向に張力が作用する。
【0114】
そのため、全体として一方の側辺の側から他方の側辺の側に向かって、一定方向に対し横方向に延びる、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の剥離も、一方の側辺にほぼ沿ってほぼ前記一定方向に作用する張力に基づき行われることとなる。
【0115】
(2-5) C切離部は、前記一定方向に相対する両B切離部の逆側端部同士を結ぶその両B切離部の間で前記一方の側辺に向かって入り込んだ形状を1以上有するものとすることができる。
【0116】
この場合、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部、すなわち剥離シート部から剥離されるべき基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部は、全体として一方の側辺の側から他方の側辺の側に向かって、複数に分岐した状態で、一定方向に対し横方向に延びるものとなる。
【0117】
このように、剥離シート部から剥離される基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部がC切離部により一方の側辺に向かってえぐられるようにして複数に分岐することにより、基シート部又は他のシート部と剥離シート部との仮着面積が、個々の分岐においても全ての分岐を併せたもの全体においても減少し、それらの間の仮着力が減少するので、剥離シート部からの剥離に際して基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部に作用する張力が、個々の分岐においても全ての分岐を併せたもの全体においても、減少する。
【0118】
そのため、B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の剥離を、一方の側辺にほぼ沿ってほぼ前記一定方向に作用する張力に基づき可及的に円滑に行われ得るようにすることができる。
【0119】
C切離部が、前記一定方向に相対する両B切離部の逆側端部同士を結ぶその両B切離部の間で前記一方の側辺に向かって入り込んだ形状としては、例えば、略U字状又は略V字状とすることができる。
【0120】
B切離部及びC切離部と一方の側辺の間の基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部の剥離が、一方の側辺にほぼ沿ってほぼ前記一定方向に作用する張力に基づき可及的に円滑に行われるようにする上で、前記分岐の幅(前記一定方向の幅)は、一方の側辺の側から他方の側辺の側に向かって漸次縮小するものとすることが好ましい。例えば、B切離部は前記一定方向に対しほぼ直交方向であり、C切離部がB切離部に対し傾斜することにより一方の側辺の側から他方の側辺の側に向かって漸次縮小するものとすることができる。
【0121】
(2-6) 上記C切離部が両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込む長さ(前記分岐の前記一定方向に直交する方向の長さに対応)は、B切離部の上記一定方向に直交する方向の長さの4分の1以上(或いは、3分の1以上、2分の1以上、3分の2以上、4分の3以上、又は5分の4以上)であるものとすることができる。
【0122】
C切離部が両B切離部の間で上記一方の側辺に向かって入り込んだ部分が、A領域に達するものとすることもできる。
【0123】
前記各分岐のうち端部及び基部を除く部分の前記一定方向の幅は、互いに等しいものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0124】
前記各分岐のうち端部及び基部を除く部分の前記一定方向の幅は、例えば、切除部の前記一定方向幅の20分の1乃至2分の1とすることができる。
【0125】
(3) 積層シート体
【0126】
積層シート体は、前記積層シート体製造法により前記一定方向に連続する積層シート連続体を用いて製造し得る、単体としての積層シート体である。
【0127】
(3-1) 積層シート体は、一つの辺である第1辺と、前記第1辺の両端にそれぞれ繋がる辺である二つの第2辺を有する。
【0128】
それぞれの他のシート部については、前記積層シート体製造法に関する内容と同様である。
【0129】
第1辺と二つの第2辺は、それぞれ直線状であるものとすることができる。但しこれに限るものではない。
【0130】
また、第1辺と二つの第2辺は、何れも直交するものとすることができる。但しこれに限るものではない。
【0131】
また、二つの第2辺は、第3辺の両端にそれぞれ繋がるものとすることができ、更に、第3辺と二つの第2辺は、例えば何れも直交するものとすることができる。但しこれに限るものではない。
【0132】
また積層シート体は、第1辺と二つの第2辺と第3辺を各辺とする方形状をなすものであることが好ましい。但しこれに限るものではない。
【0133】
(3-2) 第1辺の全長に沿って、A領域を有し、
第2辺のうち、A領域との境界から、第1辺側の端部とは逆側の端部に至らない特定位置までの部分に沿って、B領域を有し、
A領域とB領域に臨んで、基シート部の裏側に、他のシート部をm層挟んで、接着層を介して離型シート部の離型面が仮着してその離型シート部が積層し、前記基シート部の表側の所要部分に他のシート部がn層積層し(m及びnは何れも0以上の整数で、m+nは1以上)、前記基シート部とm+n層を構成する他のシート部のうち、剥離シート部を構成する何れかのシート部の裏側に仮接着層を介して他の何れかのシート部の表側が仮着してなる、前述のようなM領域を有する。
【0134】
(3-3) 前記M領域は、積層シート体の平面視において両第2辺の各中間の何れかの位置を結ぶ所定の境界線と第1辺の間の部分に有し、それ以外の部分の基シート部の裏側には離型シート部が積層していないものとすることができる。
【0135】
所定の境界線は、第1辺に平行であることが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。
【0136】
積層シート体は、所定の境界線に沿って分離して使用するものとすることができる。そのために、例えば、ミシン目等により形成された切離可能部を設けることができる。
【0137】
なお、所定の境界線は、ミシン目等により形成された切離可能部や、印刷若しくはその他の物理的な手段により明示されたものとすることができるが、明示されていないものとすることもできる。
【0138】
(3-4) 前記特定位置付近の第2辺に沿う部分のうち、前記特定位置よりも第1辺側とは逆の側の部分がM領域により構成されているものとすることもできる。
【0139】
剥離シート部に基シート部および/または他のシート部並びに離型シート部が積層していない部分にB切離部を形成しようとしてそこに欠切部が形成されることを確実に回避するためである。
【0140】
このように第2辺のうちM領域が臨む部分の長さは、できるだけ短いこと(例えば第2辺の長さの5%以下、好ましくは0.5乃至3%以下)が好ましい。
【0141】
(3-5) また、B領域とM領域の境界のうち上記特定位置に臨む部分の形状が、前記特定位置側に向かって凸の湾曲状をなすものとすることができる。
【0142】
この場合、B領域を形成するために離型シート部を切離する位置と第2辺との位置関係に若干のずれが生じても一定方向に直交する方向における上記特定位置の位置及びB領域とM領域の境界のうち上記特定位置に臨む部分の形態に大きく影響することを防ぐことができる。
【0143】
(3-6) なお、例えば、第1辺に相対する辺を別の第1辺として有し、その第1辺の両端にそれぞれ前記二つの第2辺が繋がり、前記所定の境界線との間に間隔を隔てて別に、積層シート体の平面視において両第2辺の各中間の何れかの位置を結ぶ所定の別の境界線を有し、前記と別のM領域を所定の別の境界線と別の第1辺の間の部分に有し、両境界線の間の部分の基シート部の裏側には離型シート部が積層していないものとすることもできる。
【符号の説明】
【0144】
10 A領域形成部
12 A領域
15 A切離部
20 B領域形成部
22 B領域
25 B切離部
30 M領域
30a 僅少部分
35 C切離部
50 第1辺
60 第2辺
70 第3辺
D 離型シート部
E 切除部
E1 切除部長さ
E2 切断線
F 所定部分
G 切離線
Ga 切離線
H 接着用シート部
J 分割部分
K 湾曲状部
L 左側辺
P 基シート部
Q 切離可能部
Qa 切離可能部
R 右側辺
S 積層シート体
S1 シート体長さ
T 積層シート連続体
V 仮接着層
W 接着層
X 特定位置
Y 所要幅
Z 剥離除去部
図1
図2
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