(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】電子機器、ロボット制御装置、及び、電解コンデンサ寿命推定方法
(51)【国際特許分類】
H01G 13/00 20130101AFI20220314BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
H01G13/00 361Z
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2018067554
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】西 匡宏
(72)【発明者】
【氏名】増田 高宏
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211408(JP,A)
【文献】特開2000-131362(JP,A)
【文献】特許第3850311(JP,B2)
【文献】特開平03-165270(JP,A)
【文献】特開平06-027175(JP,A)
【文献】特開平08-322141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 13/00
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解コンデンサを有する電子機器であって、
前記電解コンデンサの温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度センサにより検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出手段と、
前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算手段と、
を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記換算手段により取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記換算手段は、前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命と、前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命から前記温度センサにより検出された温度での前記電解コンデンサの使用期間を差し引いた期間との比率を、前記規定寿命と前記新たな規定寿命との比率に当てはめることにより、前記新たな規定寿命を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記温度センサにより検出された温度を補正する補正手段を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記補正手段により補正された温度を用いて、前記推定寿命を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電解コンデンサの仕様に応じた前記規定寿命の初期値を設定する規定寿命設定手段を備えることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
電解コンデンサを有し、ロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記電解コンデンサの温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度センサにより検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出手段と、
前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算手段と、
を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記換算手段により取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項6】
電解コンデンサの温度を検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップにおいて検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度検出ステップにおいて検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出ステップと、
前記推定寿命算出ステップにおいて算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算ステップと、
を含み、
前記推定寿命算出ステップにおいて、前記換算ステップにおいて取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とする電解コンデンサ寿命推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、ロボット制御装置、及び、電解コンデンサ寿命推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器においては電解コンデンサが広く用いられている。電解コンデンサは、他の電子部品と比較して寿命が短いため、電解コンデンサの寿命を推定することは電子機器の寿命を推定することにつながり、重要である。このため、従来より、電解コンデンサの寿命を推定することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電解コンデンサの寿命を推定する手法では、使用を開始した後の温度変化に応じた適切な寿命推定が行われていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、温度変化に応じて電解コンデンサの寿命を適切に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る電子機器は、
電解コンデンサを有する電子機器であって、
前記電解コンデンサの温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度センサにより検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出手段と、
前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算手段と、
を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記換算手段により取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とする。
【0007】
前記換算手段は、前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命と、前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命から前記温度センサにより検出された温度での前記電解コンデンサの使用期間を差し引いた期間との比率を、前記規定寿命と前記新たな規定寿命との比率に当てはめることにより、前記新たな規定寿命を取得するようにしてもよい。
【0008】
前記温度センサにより検出された温度を補正する補正手段を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記補正手段により補正された温度を用いて、前記推定寿命を算出するようにしてもよい。
【0009】
前記電解コンデンサの仕様に応じた前記規定寿命の初期値を設定する規定寿命設定手段を備えるようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るロボット制御装置は、
電解コンデンサを有し、ロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記電解コンデンサの温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度センサにより検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出手段と、
前記推定寿命算出手段により算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算手段と、
を備え、
前記推定寿命算出手段は、前記換算手段により取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る電解コンデンサ寿命推定方法は、
電解コンデンサの温度を検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップにおいて検出された温度と、予め定められた最大温度で前記電解コンデンサを使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、前記温度検出ステップにおいて検出された温度で使用を継続した場合の前記電解コンデンサの残りの使用可能期間である推定寿命を算出する推定寿命算出ステップと、
前記推定寿命算出ステップにおいて算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する換算ステップと、
を含み、
前記推定寿命算出ステップにおいて、前記換算ステップにおいて取得された前記新たな規定寿命を用いて、再度、前記推定寿命を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、温度変化に応じて電解コンデンサの寿命を適切に推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係るモータ制御システムの外観斜視図である。
【
図2】実施形態に係るモータ制御システムの正面図である。
【
図3】実施形態に係るドライバユニットの構成を示す図である。
【
図4】実施形態に係る電解コンデンサの寿命の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、実施形態に係るモータ制御システムの外観斜視図であり、
図2は、モータ制御システムの正面図(
図1のA方向から見た図)である。
図1及び
図2に示すモータ制御システム1は、2つのドライバユニット100と1つのゲートウェイ200とを接続して構成される。
【0016】
ドライバユニット100は、図示しないアクチュエータ等のロボットに内蔵されるモータを接続し、当該モータを制御する。ドライバユニット100によりモータが制御されることにより、ロボット内の可動部の位置が制御される。ゲートウェイ200は、モータ制御システム1と図示しない外部の装置との間の通信を行うものである。
【0017】
図3は、ドライバユニット100の構成を示す図である。
図3に示すドライバユニット100は、CPU(Central Processing Unit)102、不揮発性メモリ104、温度センサ106、制御電源生成回路110、モータドライブ回路112、モータコネクタ114、電源116、120、左側連結コネクタ122、右側連結コネクタ124、電解コンデンサ150を含んで構成される。
【0018】
CPU102は、不揮発性メモリ104に記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することにより、各種処理を行うことが可能である。
【0019】
本実施形態では、CPU102は、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度と、予め定められた電解コンデンサ150が使用可能な最大温度で電解コンデンサ150を使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命とを用いて、アレニウスの法則に基づく演算式に従い、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度で使用を継続した場合の電解コンデンサ150の残りの使用可能期間である推定寿命を算出する。更に、CPU102は、算出された推定寿命を新たな規定寿命に換算する処理を行う。
【0020】
また、本実施形態では、CPU102は、モータドライブ回路112からモータの駆動に伴うロボット内の可動部の位置情報を取得する。更に、CPU102は、位置情報に基づいて、モータを制御するための制御情報を生成し、モータドライブ回路112へ出力する。
【0021】
不揮発性メモリ104は、例えばRAM(Random Access Memory)である。不揮発性メモリ104は、プログラムや各種のデータを記憶する。
【0022】
本実施形態では、不揮発性メモリ104は、電解コンデンサ150の仕様に応じた規定寿命の初期値と、予め定められた最大温度とを記憶するとともに、CPU102によって算出された新たな規定寿命を記憶する。
【0023】
温度センサ106は、電解コンデンサ150の近傍に取り付けられ、当該電解コンデンサ150の温度を検出する。
【0024】
制御電源生成回路110は、電源120に接続され、ドライバユニット100内の制御に用いる電力を生成する。
【0025】
モータドライブ回路112は、CPU102からのモータを制御するための制御情報を取得し、当該制御情報に基づいて、電源116からの電力をモータコネクタ114に接続されているモータへ供給し、当該モータを制御する。また、モータドライブ回路112は、モータの駆動に伴うロボット内の可動部の位置情報を生成し、CPU102へ出力する。
【0026】
モータコネクタ114は、モータを接続する。左側連結コネクタ122は、ドライバユニット100の左側の他のドライバユニット100又はゲートウェイ200内の図示しないコネクタと接続される。右側連結コネクタ124は、ドライバユニット100の右側の他のドライバユニット100内の図示しないコネクタと接続される。
【0027】
電解コンデンサ150は、電源116から供給される電荷を蓄積する。
【0028】
次に、電解コンデンサ150の寿命の推定について説明する。
【0029】
本実施形態では、電解コンデンサ150の推定寿命は、アレニウスの法則に基づいて算出される。ここで、予め定められた最大温度で電解コンデンサ150を使用した場合の残りの使用可能期間である規定寿命をL0、最大温度をTmax、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度をTcapとすると、電解コンデンサ150の推定寿命Lは、アレニウスの法則に基づく演算式により、L=L0×2^((Tmax-Tcap)/10)で算出される。アレニウスの法則に基づく演算式を用いることにより、電解コンデンサ150の温度が10[度]低下すると、推定寿命はおおよそ2倍になる。電解コンデンサ150の温度が10[度]低下すると、推定寿命はおおよそ2倍になることは、電解コンデンサの寿命についての経験則から導かれるものである。
【0030】
CPU102は、所定の周期(例えば1秒周期)で温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度を取得する。更に、CPU102は、アレニウスの法則に基づく演算式において、不揮発性メモリ104に記憶された規定寿命の初期値をL0に代入し、不揮発性メモリ104に記憶された最大温度をTmax代入し、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度をTcapに代入することにより、推定寿命Lを算出する。
【0031】
なお、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度は、実際の電解コンデンサ150の温度との間に誤差が生じる可能性がある。このような場合、不揮発性メモリ104に補正値が記憶される。CPU102は、温度センサ106により検出された電解コンデンサ150の温度に、不揮発性メモリ104に記憶された補正値を加算して、電解コンデンサ150の温度Tcapとして用いる。
【0032】
次に、CPU102は、算出した推定寿命Lを新たな規定寿命L0に換算する。具体的には、CPU102は、算出した推定寿命Lと、算出した推定寿命Lから温度センサ106により検出された温度での電解コンデンサ150の使用期間を差し引いた期間との比率を、規定寿命L0と新たな規定寿命L0’との比率に当てはめることにより、新たな規定寿命L0’を取得する。新たな規定寿命L0’は、不揮発性メモリ104に記憶される。CPU102は、次に推定寿命Lを算出する際には、新たな規定寿命L’0を用い、L=L0’×2^((Tmax-Tcap)/10)により算出する。CPU102は、このような処理を温度センサ106により検出された温度を取得する毎に繰り返す。
【0033】
以下、電解コンデンサ150の寿命の推定の一例を説明する。ここでは、電解コンデンサ150の仕様(定格)は、最大温度Tmaxが105[度]で規定寿命L0が7000[時間]とする。
【0034】
電解コンデンサ150を温度78.5[度]で8760[時間]使用する。また、電解コンデンサ150を温度78.5[度]で使用する場合の推定寿命Lは、L=7000×2^((105-78.5)/10)により43937[時間]となる。ここで、既に温度78.5[度]で8760[時間]使用しているため、実際の推定寿命は、43937-8760=35177[時間]となる。更に、算出した推定寿命Lである43937[時間]と、実際の推定寿命である35177[時間]との比率を、規定寿命L0である7000[時間]と新たな規定寿命L0’との比率に当てはめることにより、新たな規定寿命L0’は、L0’=7000×35177/43947=5604[時間]となる。すなわち、電解コンデンサ150は、最大温度105[度]で規定寿命である5604[時間]使用可能である仕様に変化したことになる。
【0035】
その後、最大温度105[度]で規定寿命である5604[時間]使用可能である仕様となった電解コンデンサ150を温度40[度]で26280[時間]使用する。また、電解コンデンサ150を温度40[度]で使用する場合の推定寿命Lは、L=5604×2^((105-40)/10)により507252[時間]となる。ここで、既に温度40[度]で26280[時間]使用しているため、実際の推定寿命は、L=507252-26280=480972[時間]となる。更に、算出した推定寿命Lである507252[時間]と、実際の推定寿命である480972[時間]との比率を、算出した規定寿命L0である5604[時間]と新たな規定寿命L0’との比率に当てはめることにより、新たな規定寿命L0’は、L0’=5604×480936/507216=5314[時間]となる。すなわち、電解コンデンサ150は、最大温度105[度]で規定寿命である5314[時間]使用可能である仕様に変化したことになる。
【0036】
その後、最大温度105[度]で規定寿命である5314[時間]使用可能である仕様となった電解コンデンサ150を温度60[度]で17520[時間]使用する。また、電解コンデンサ150を温度60[度]で使用する場合の推定寿命Lは、L=5314×2^((105-60)/10)により120242[時間]となる。ここで、既に温度60[度]で17520[時間]使用しているため、実際の推定寿命Lは、L=120242-17520=102722[時間]となる。更に、算出した推定寿命Lである120242[時間]と、実際の推定寿命である102722[時間]との比率を、規定寿命L0である5314[時間]と新たな規定寿命L0’との比率に当てはめることにより、新たな規定寿命L0’は、L0’=5314×102722/120242=4540[時間]となる。すなわち、電解コンデンサ150は、最大温度105[度]で規定寿命である4540[時間]使用可能である仕様に変化したことになる。
【0037】
図4は、電解コンデンサ150の寿命の推移を示す図である。
図4では、最大温度で使用を継続した場合の電解コンデンサ150の寿命の推移を点線で示し、温度が変化する場合の電解コンデンサ150の寿命の推移を実線で示す。
【0038】
このように本実施形態では、温度センサ106により検出された温度での電解コンデンサ150の使用期間を考慮して、規定寿命を随時算出、更新する。
【0039】
より具体的には、電解コンデンサ150の推定寿命はアレニウスの法則に基づく演算式により算出される。その後、算出された推定寿命と、算出された推定寿命から温度センサ106により検出された温度での電解コンデンサ150の使用期間を差し引いた期間との比率を、規定寿命と新たな規定寿命との比率に当てはめることにより、新たな規定寿命が取得される。更に、新たな規定寿命が用いられて、アレニウスの法則に基づく演算式により新たな電解コンデンサ150の推定寿命が算出される。これにより、電解コンデンサ150の温度変化が規定寿命に反映されて、当該電解コンデンサ150の寿命を適切に推定することが可能となる。
【0040】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0041】
例えば、複数種類の電解コンデンサ150の仕様に対応可能なように、不揮発性メモリ104に電解コンデンサ150の仕様に応じた規定寿命の初期値を記憶させておく。CPU102は、実使用している電解コンデンサ150の仕様に応じた規定寿命の初期値を選択する。また、規定寿命の初期値である各パラメータは、作業者によって自由に設定、変更が可能であるようにしてもよい。
【0042】
また、上述した演算により算出された推定寿命や規定寿命は、ゲートウェイ200を介して、図示しない表示部等に表示されたり、警報音が鳴動するようにしてもよい。また、上述した演算により算出された規定寿命が0あるいは所定期間以下になった場合には、図示しない表示部等に表示されたり、警報音が鳴動するようにしてもよい。
【0043】
また、モータ制御システムの構成は
図1や
図2に示すものに限定されず、ドライバユニット100の数も限定されない。
【0044】
また、上述した実施形態では、モータ制御システムについて説明したが、これに限定されず、電解コンデンサを内装する電子機器であれば、本発明を適用することができる。
【0045】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0046】
1 モータ制御システム
100 ドライバユニット
102 CPU
104 不揮発性メモリ
106 温度センサ
110 制御電源生成回路
112 モータドライブ回路
114 モータコネクタ
116、120電源
122 左側連結コネクタ
124 右側連結コネクタ
150 電解コンデンサ
200 ゲートウェイ