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特許7039052新規なAIMP1タンパク質の断片と、これを有効成分として含む発毛促進用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】新規なAIMP1タンパク質の断片と、これを有効成分として含む発毛促進用組成物
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/08 20060101AFI20220314BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20220314BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20220314BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20220314BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20220314BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20220314BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
A61K8/64
A61K38/10
A61K38/17
A61P17/14
A61Q7/00
C07K14/47
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019527105
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 KR2017008078
(87)【国際公開番号】W WO2018021839
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】10-2016-0096256
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521398448
【氏名又は名称】キュアバイオ・セラピューティクス
【氏名又は名称原語表記】Curebio Thrapeutics
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スンフン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンナ
【審査官】山▲崎▼ 真奈
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-523844(JP,A)
【文献】特表2008-528577(JP,A)
【文献】特表2014-510042(JP,A)
【文献】特表2014-500275(JP,A)
【文献】国際公開第2016/068338(WO,A1)
【文献】特表2019-526276(JP,A)
【文献】Sunghoon Kim,Neo-pep: a peptide of human origin for skin and scalp health,[online],2015年08月24日,[令和3年4月9日検索],インターネット<URL: https://www.cncl.org.cn/userfiles/55080/20150824%20Sunghoon%20Kim.pdf>
【文献】Masato Iino et al.,Adenosine stimulates fibroblast growth factor-7 gene expression via adenosine A2b receptor signaling in dermal papilla cells.,Journal of Investigative Dermatology.,2007年06月,Vol.127,p.1318-1325
【文献】Wei-hong Lin et al.,Fibroblast growth factor stimulate hair growth through β-cateinin and Shh expression in in C57BL/6 mice.,Biomed Reseaech International,2015年,Vol.2015, Article ID 730139,p.1-9
【文献】Park, Doo-won,Hair loss that doesn't cover age and season...If you're young, it's a big deal!,[online],2009年10月27日,[令和3年4月9日検索],インターネット<URL:http://news.mk.co.kr/newsReadPrint_2013.php?year=2009&no=543269>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/40 - 5/49
31/00 - 33/29
A61K 8/00 - 8/99
38/00 - 38/58
41/00 - 45/08
48/00
50/00,100
51/00,100
51/02,100
51/04,100
51/04,310
51/06,100
51/08,100
51/10,100
51/12,100
A61Q 1/00 - 90/00
A61P 1/00 - 43/00,171
C07K 1/00 - 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなることを特徴とする請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
請求項1記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記ポリヌクレオチドは、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号29、配列番号30、及び配列番号31からなる群から選ばれた塩基配列からなることを特徴とする請求項3記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチドを有効成分として含む、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛予防及び治療用の経皮投与用薬学的組成物。
【請求項6】
前記組成物に含まれるポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドであることを特徴とする請求項5記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記組成物は、ミノキシジル(minoxidil)、クロマカリン(cromakalin)、ピナシジル(pinacidil)、ナミニジル(naminidil)、ジフェニルシクロプロフェノン(diphenylcyclopropenone)、トリコミン(tricomin)、シプロテロン酢酸(cyproterone acetate)、ダナゾール(danazol)、フルタマイド(flutamide);フィナステリド(finasteride)、タウロステリード(turosteride)、LY-191704、MK-306、及びデュタステリード(dutasteride)からなる群の中から選ばれた5アルファ還元酵素抑制剤(5-alpha reductase inhibitors);ストリアジン(striazines)、ベンゾピラン(benzopyrans)、ピリジノピラン(pyridinopyrans)及びチアン-1-オキシド(thiane-1-oxides)からなる群の中から選ばれる化合物又はその薬学的に許容される塩を追加して含むことを特徴とする請求項5記載の薬学的組成物。
【請求項8】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物。
【請求項9】
前記組成物に含まれるポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドであることを特徴とする請求項8記載の化粧料組成物。
【請求項10】
発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用の経皮投与用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチドの使用。
【請求項11】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチドを有効成分として含む組成物を、これを必要とする動物(ヒトを除く)に経皮投与することを特徴とする発毛促進、毛包幹細胞の増殖促進、又は、脱毛の予防及び治療のための方法。
【請求項12】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用の経皮投与用薬学的組成物。
【請求項13】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物。
【請求項14】
発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用の経皮投与用製剤を製造するための配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの使用。
【請求項15】
配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む組成物を、これを必要とする動物(ヒトを除く)に経皮投与することを特徴とする発毛促進、毛包幹細胞の増殖促進、又は、脱毛の予防及び治療のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なAIMP1タンパク質の断片及びこれを有効成分として含む脱毛の改善及び発毛促進用組成物に関するもので、より詳細には、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含む連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチド;前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;これらのポリペプチドを含む脱毛改善及び発毛促進用薬学的、化粧料、食品用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2016年7月28日に出願された大韓民国特許出願第10-2016-0096256号に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。
【0003】
製薬産業は、過去の天然物医薬品や化学的合成医薬品からタンパク質又はペプチド医薬品の開発に変わりつつある傾向にある。タンパク質は、生命体の機能及び構造における基本物質であり、人体を構成するタンパク質は、約100万種を超えるものと推定される。これは疾病とも直接的な関連性があって、治療剤開発に重要な研究対象となっており、これらを利用したタンパク質又はペプチド医薬品は、合成医薬品に比べて副作用が少なく、薬効が速やかであり、医薬品の革新分野で評価されている。現在の主な製薬会社のパイプラインにおいて、バイオ医薬品の重要性がますます増加しているが、ペプチド(Peptides)のような特定のバイオ医薬品が発売されるまでの主要な技術的問題が存在する。運搬技術の向上、安定性及び半減期を増やしたペプチドの開発、長鎖(long-chain)ペプチド合成などが商業化の障碍となっている。ペプチドは、約50個以下のアミノ酸で構成されていることを意味し、ペプチド薬剤で成功するためには、短い配列でありながら活性を示すことを発掘することがカギであることが知られている。ペプチドの長さが長いと合成費用が多くかかり、製造が容易ではなく、人体に吸収される上で問題があることが知られている。
【0004】
一方、ヒトを含む動物の場合、胎児発生期から人生全体を通じて、毛包(hair follicle)は数回の退化及び再生過程を経ることになる。ヒトの毛髪成長の場合、新生児時期から青少年期全般にわたって毛包が継続して大きくなり、頭髪はますます厚くなる。毛包は、上皮細胞及び間葉細胞(mesenchymal cells)などのような、さまざまな種類の細胞で構成されている。間葉細胞は、出生前及び出生後の毛包の誘導組織体(inductive organizer)としての役割を遂行する。毛包原始細胞(follicle germ cells)は、バルブマトリックス細胞(bulbar matrix cells)であり、毛包での殆どの有糸分裂増殖(mitotic proliferation)を担当する。発生期の間に、バルブマトリックス内の細胞は、上方に移動しながら増殖し、毛髪マトリックス内部及び外部のシートセル(sheath cells)に分化する。毛包の中心軸に位置する毛髪マトリックスグループは、髄質(medulla)、毛髪皮質(cortex)及び毛髪各層(cuticle)を構成する細胞に引き続き分化していく。これらの細胞は、増殖する毛包から毛髪の形成に必須な毛髪皮質及び各層細胞の角化(keratinization)現象と共に、継続的に上方に移動する。
【0005】
毛髪サイクル(hair cycle)は、3段階に分けられる:1)毛包サイクルの中で活発な成長期に該当する成長期(Anagen)、2)退化期(Catagen)、3)休止期(Telogen)。段階ごとの期間は、個人ごとの年齢、ホルモン因子、栄養及び健康状態、遺伝的性向により異なる。毛髪の成長を促進することに関与する成長因子は、未だに明確に明らかにされてはいない。ヒトの大人から100000乃至150000個の頭皮・毛髪の中で、約90%が成長期にあり、残りの10%程度が休止期にあることが知られている。さらに、毎日約500乃至1000個の固い毛髪が抜けることが知られている。ヒトの場合、毛髪の成長速度は、身体の部位によって若干異なるが、頭髪の場合には、0.44mm/日であるのに対し、顎ひげや体毛の場合には、0.27mm/日であることが知られている。ラットのような動物の場合には、毛髪サイクルの変化が同期化されていて、全ての部位の毛髪が同じ活動状態にあることが知られている。ラットの場合、毛髪成長の第1サイクルが出生後すぐに始まり、生後約21日目まで持続する。さらに、第2サイクルは、生後約35日目以降に始まる。かつては、主に幼いラット(生後8日乃至12日)を抗がん剤誘導脱毛症(alopecia)モデルとして使用してきた。第1毛髪成長サイクルのラットに抗がん剤処理をした場合、10日以内に完全に脱毛されたことが知られている。この場合、第2の毛髪成長サイクルに達するまでは脱毛状態がそのまま維持された。したがって、ラットの場合、脱毛症から回復するまで20乃至30日がかかった。
【0006】
脱毛又は脱毛症(Alopecia)は、毛髪が失われる疾患である。脱毛時の毛髪の損失は、頭皮・毛髪に限定されず、身体の部位のうちいずれの部位でも発生する。脱毛症の種類には多様なことが知られているが、例えば円形脱毛症(alopecia areata)、男性型脱毛症(androgenetic alopecia)、閉経期脱毛症(postmenopausal alopecida)、女性型脱毛症(female pattern alopecia)、脂漏性脱毛症(seborrheic alopecia)、粃糠性脱毛症(alopecia pityroides)、老人性脱毛症(senile alopecia)、抗がん剤誘発脱毛症、放射線誘発脱毛症、抜毛狂(trichotillomania)に起因した脱毛症、産後脱毛症(postpartum alopecia)などがある。現在までに知られている毛髪成長促進治療方法は、効果が限定的であるか又は副作用があるものと報告されている。
【0007】
脱毛症自体は、生命を危険に陥れることではないが、外貌と関連して深刻な心理的ストレスをもたらすので、効果的に発毛を促進して脱毛症を改善及び治療することができ、一方で副作用が少なく安全な新しい治療剤の開発が必要な状況である。
【発明の概要】
【0008】
[発明の詳細な説明]
[技術的課題]
そこで、本発明者らは、AIMP1タンパク質の特定の断片が、生体内で優れた発毛促進効果、脱毛の改善及び治療効果を示すことを確認して本発明を完成した。
【0009】
したがって、本発明の目的は、
配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、
配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、前記のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0013】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0014】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、
前記ポリペプチドが配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドであることを特徴とする、発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、
前記薬学的組成物においてミノキシジル(minoxidil)、クロマカリン(cromakalin)、ピナシジル(pinacidil)、ナミニジル(naminidil)、ジフェニルシクロプロフェノン(diphenylcyclopropenone)、トリコミン(tricomin)、シプロテロンアセテート(cyproterone acetate)、ダナジゾール(danazol)、フルタマイド(flutamide);フィナステリド(finasteride)、タウロステリード(turosteride)、LY-191704、MK-306、及びデュタステリード(dutasteride)からなる群から選ばれた5アルファ還元酵素抑制剤(5-alpha reductase inhibitors);ストリアジン(striazines)、ベンゾピラン(benzopyrans)、ピリジノピラン(pyridinopyrans)及びチアン-1-オキシド(thiane-1-oxides)からなるグループの中から選ばれる化合物又はその薬学的に許容される塩を追加して含むことを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0018】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0019】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド、及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛予防用食品用組成物を提供することである。
【0021】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛予防及び改善用食品用組成物を提供することである。
【0022】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供することである。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドの用途を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0025】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0026】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0028】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドで構成されている発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0029】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0031】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0032】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供することである。
【0033】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供することである。
【0034】
また、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供することである。
【0035】
また、本質的に、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供することである。
【0036】
本発明のさらに他の目的は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの用途を提供することである。
【0037】
本発明のさらに他の目的は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0038】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0039】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供することである。
【0040】
[技術的解決方法]
前記本発明の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供する。
【0041】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供する。
【0042】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0043】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0044】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0045】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0046】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、前記薬学的組成物においてミノキシジル(minoxidil)、クロマカリン(cromakalin)、ピナシジル(pinacidil)、ナミニジル(naminidil)、ジフェニルシクロプロフェノン(diphenylcyclopropenone)、トリコミン(tricomin)、シプロテロンアセテート(cyproterone acetate)、ダナゾール(danazol)、フルタミド(flutamide);フィナステリド(finasteride)、タウロステリード(turosteride)、LY-191704、MK-306、及びデュタステリード(dutasteride)からなるグループの中から選ばれた5アルファ還元酵素阻害剤(5-alpha reductase inhibitors);ストリアジン(striazines)、ベンゾピラン(benzopyrans)、ピリジノピラン(pyridinopyrans)及びチアン-1-オキシド(thiane-1-oxides)からなるグループの中から選ばれる化合物又は、その薬学的に許容される塩を追加して含むことを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0047】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0048】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0049】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0050】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供することである。
【0051】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供する。
【0052】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供する。
【0053】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療のための製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドの用途を提供する。
【0054】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0055】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0056】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0057】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0058】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0059】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0060】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0061】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0062】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0063】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0064】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0065】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0066】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの用途を提供する。
【0067】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0068】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0069】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0070】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0071】
本発明において、用語“KEKA残基”、“KEKA配列”又は“KEKA領域”とは、相互互換的に使用することができ、配列番号16、配列番号33、配列番号34又は配列番号35で表示されるAIMP1タンパク質全長アミノ酸配列(full length amino acid sequence of AIMP1 protein)から33乃至36番目のアミノ酸の領域を意味するもので、前記の領域は、本発明で提供する発毛促進活性断片の一例であるAIMP1由来の配列番号1のポリペプチド(又はNeo-Pepでいう)を基準にする時、28乃至31番目のアミノ酸の領域に該当する。
【0072】
以下、本発明で提供するポリペプチドは、AIMP1タンパク質由来の断片であって、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)領域を含めて発毛促進効果及び毛包の幹細胞増殖促進効果が顕著に優れたことを特徴とする。AIMP1のKEKA領域が発毛促進効果、毛包の幹細胞増殖促進効果、脱毛の予防、改善又は治療効果(用途)に核心的である事実は、本発明で最初に公開するものである。
【0073】
従って、本発明は配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個、好ましくは10個乃至21個、より好ましくは15個乃至20個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド、又は前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供する。
【0074】
好ましくは、本発明の前記ポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドでもある。
【0075】
本明細書において、用語“ポリペプチド(polypeptide)”、“ペプチド(peptide)”及び“タンパク質”とは、相互互換性を有して使用され、例えば、天然状態のタンパク質から、一般的に発見されるたように、アミノ酸残基のポリマーを意味する。
【0076】
本明細書で使用されたアミノ酸の一文字(三文字)は、生化学分野での標準略語規定に基づいて次のアミノ酸を意味する:A(Ala):アラニン;C(Cys):システイン;D(Asp):アスパラギン酸;E(Glu):グルタミン酸;F(Phe):フェニルアラニン;G(Gly):グリシン;H(His):ヒスチジン;I(IIe):イソロイシン;K(Lys):リジン;L(Leu):ロイシン;M(Met):メチオニン;N(Asn):アスパラギン;O(Ply):ピロリシン;P(Pro):プロリン;Q(Gln):グルタミン;R(Arg):アルギニン;S(Ser):セリン;T(Thr):トレオニン;U(Sec):セレノシステイン、V(Val):バリン;W(Trp):トリプトファン;Y(Tyr):チロシン。
【0077】
本発明で“AIMP1(ARS-interacting multi-functional protein 1)タンパク質”とは、p43タンパク質という名称で先に知られ、その後、AIMP1に再命名された(Kim S.H. et al.、Trends in Biochemical Sciences、30:569-574、2005)。AIMP1は多重-tRNA合成酵素複合体(multi-tRNA synthetase complex)に結合して、多重-tRNA合成酵素の触媒活性(catalytic activity)を増進させる。本発明のAIMP1タンパク質は、当業界で知られているものであれば、その具体的な配列が特に限定されず、好ましくはヒトのAIMP1でもある。前記AIMP1タンパク質の3種のSNPが知られている(NCBI SNP データベース参照):全長AIMP1のアミノ酸配列(参照:本願明細書の配列番号33)の中で79番目のアラニン(Ala)がプロリン(Pro)に置換(SNP Accession No. rs3133166、配列番号16);104番目のトレオニン(Thr)がアラニン(Ala)に置換(SNP Accession No. rs17036670、配列番号34);117番目のトレオニン(Thr)がアラニン(Ala)に置換(SNP Accession No. rs2230255、配列番号35)。
【0078】
本発明のポリペプチド、すなわち、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチドは、その機能的同等物を含む。機能的同等物とは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも70%以上(70.0%ないし99.9%)、好ましくは80%以上(80.0%ないし99.9%)、より好ましくは90%以上(90.0%ないし99.9%)の配列相同性(又は、同一性)を有するポリペプチドを意味する。さらに好ましくは、前記機能同等物は、KEKA領域(配列)は不変(constant)の状態で、前記本発明のポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列の相同性(又は、同一性)を有するポリペプチドでもある。例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の配列相同性を有するポリペプチドを含むことで、本発明のポリペプチドと実質的に同一の生理活性を示すポリペプチドを意味する。ここで、用語“実質的に”とは、特定性質の全部又は殆ど同じ程度の性質を示す状態を意味する。したがって、本願で“実質的に同一の生理活性"とは、毛包の形成を促進したり、毛包の数を増やしたりするなど発毛促進、毛包幹細胞の増殖促進、又は脱毛予防、改善又は治療活性を意味する。
【0079】
最も好ましくは、前記機能同等物は、KEKA領域(配列)は不変(constant)であり、9乃至11の等電点(PI)を有し、前記本発明のポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列相同性(又は、同一性)を有するポリペプチドでもある。
【0080】
本明細書で“相同性(homology)又は同一性(identity)”とは、ポリペプチド分子のような重合体分子間の全体的な関連性(relatedness)を意味する。例えば、二つのポリペプチド配列間の相同性/同一性(%)の計算は、最適の比較のために、二つの配列をアラインメントして行うことができる。好ましくは、比較目的のためにアラインメントされた配列の長さは、基準配列(reference sequence)の長さの少なくとも30%以上、少なくとも40%以上、少なくとも50%以上、少なくとも60%以上、少なくとも70%以上、少なくとも80%以上、少なくとも90%以上、又は実質的に100%でもある。その後、対応するアミノ酸部位のアミノ酸を相互比較する。第1の配列のある部位に位置したアミノ酸が第2の配列の対応する部位のアミノ酸と同じ場合、二つの配列は、当該部位では同一性を有するものである。二つの配列の同一性(%)は、二つの配列間の最適なアラインメント(optimal alignment)のために導入が必要なギャップ(gap)の数と長さを考慮した、二つの配列から共通するアミノ酸を有する部位の数の関数である。二つの配列間の比較及び同一性(%)の決定は、数学的なアルゴリズムを通じて行うことができる。例えば、ClustalW(Thompson et al.、1994)を使用して、次のパラメータを使用し、配列同一性の数値を測定することができる:ペア配列パラメータ方法:正確性(accurate)、マトリックス:PAM、ギャップ開放ペナルティ(Gap open penalty):10.00、ギャップ延長ペナルティ(Gap extension penalty):0.10;複数配列パラメータ-マトリックス:PAM、ギャップ開放ペナルティ(Gap open penalty):10.00、delay同一性(%):30、エンドギャップペナルティ付与(penalize end gaps):on、ギャップ分離距離(Gap separation distance):0、ネガティブマトリックス:no、ギャップ延長ペナルティ:0.20、残基-特定ギャップペナルティ(residue-specific gap penalties):on、親水性ギャップペナルティ:on、親水性残基:GPSNDQEKR。特定の残基での配列同一性は単に誘導体化された同一な残基を含む。
【0081】
本明細書において、用語“実質的に”とは、特定性質の全体又はほぼ同じ程度の性質を示す状態を意味する。本明細書において用語“実質的に同一な”とは、アミノ酸又は核酸配列間の比較と関連して使用されている。本願発明が属する技術分野で通常の知識を有する者には、対応する部位に同じ残基を有する場合に、二つの配列は“実質的に同一”なものと理解されるであろう。当業界でよく知られているように、アミノ酸又は核酸配列は、多様な種類のアルゴリズムを使用して比較することができるが、例えば核酸配列の比較のためにはBLASTNを、アミノ酸配列の比較のためにはBLASTP、ギャップ(gapped)BLAST、PSI-BLASTのようなコンピュータプログラムを使用することができる。前記のコンピュータプログラムの例は、以下の文献に記載されている:Altschulら、Basic local alignment search tool、J. Mol。 Biol。、215(3):403-410、1990;Altschul他、Methods in Enzymology 、 Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389-3402、1997;Baxevanisら、Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins 、Wiley、1998;Misenerら、(eds.)、Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology、Vol.132)、Humana Press、1999。同じ配列を検索すること以外に、前記コンピュータプログラムでは、通常的に配列同一性の程度を提供してくれる。二つの配列において、一定の長さの残基にわたって対応する部位の残基のうちの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%以上、少なくとも85%以上、少なくとも90%以上、少なくとも91%以上、少なくとも92%以上、少なくとも93%以上、少なくとも94%以上、少なくとも95%以上、少なくとも96%以上、少なくとも97%以上、少なくとも98%以上、少なくとも99%以上が同一な場合に、“実質的に同一な”配列であると見なされる。好ましくは、前記の“一定の長さの残基”は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300又はそれ以上の残基でもある。
【0082】
本明細書で前記用語“対応する”とは、所定のポリペプチドのアミノ酸残基の位置(position)/正体(identity)を決定するのにしばしば使用される。通常の技術者であれば、ポリペプチド内の残基は、基準ペプチド(reference-related polypeptide)に基づいた基準番号付けシステム(canonical numbering system)を使用して、通常指定される。従って、例えば第190番目の位置の残基に“対応する”アミノ酸は、特定のアミノ酸鎖から必ず第190番目の位置にある必要はなく、通常の技術者であれば、“対応する”アミノ酸を確認する方法について容易に理解することができる。
【0083】
前記“機能的同等物”とは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列のうちの一部が付加、置換又は欠失した結果として生成されたものでもある。前記のアミノ酸の置換は、好ましくは保存的置換である。天然に存在するアミノ酸の保存的置換の例は、次の通りである:脂肪族アミノ酸(Gly、Ala、Pro)、疎水性アミノ酸(Ile、Leu、Val)、芳香族アミノ酸(Phe、Tyr、Trp)、酸性アミノ酸(Asp、Glu)、塩基性アミノ酸(His、Lys、Arg、Gln、Asn)、及び硫黄含有アミノ酸(Cys、Met)。また、前記機能的同等物には、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列上でアミノ酸の一部が欠失した変形体も含まれる。前記アミノ酸の欠失又は置換は、好ましくは、本発明のポリペプチドの生理活性に直接的に関連していない領域に位置している。本発明で、生理活性に直接的に関連した領域はKEKA領域であり、前記欠失又は置換は、前記領域以外の部分に位置することでもある。また、前記本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の両末端又は配列内のいくつかのアミノ酸が付加された変形体も含まれる。また、本発明の機能的同等物の範囲には、本発明によるタンパク質の基本骨格及びその生理活性を維持しながら、タンパク質の一部の化学構造が変形されたタンパク質又はポリペプチド誘導体も含まれる。例えば、本発明のタンパク質の安定性、貯蔵性、揮発性又は溶解度等を変更させるための構造変更がこれに含まれる。
【0084】
本明細書で配列相同性及び同一性とは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列と候補配列を整列してギャップ(gap)を導入した後、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列に対する候補配列のアミノ酸残基の百分率として定義される。必要な場合、最大の百分率配列同一性を収得するために、配列同一性の部分として保存的置換は考慮しない。また、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列のN-末端、C-末端又は内部伸長、欠損又は挿入は配列同一性又は相同性に影響を与える配列として解釈されない。また、前記配列同一性は二つのタンパク質又はポリペプチドのアミノ酸配列の類似した部分を比較するために使用される一般的な標準的な方法により決定することができる。BLAST又はこのようなコンピュータプログラムは、二つのタンパク質又はポリペプチドを、それぞれのアミノ酸が最適にマッチングされるように配置する(一つ又は二つの配列の全長の配列について、又は一つ又は二つの配列の予測された部分によって)。前記プログラムは、デフォルトオープニングペナルティ(default opening penalty)及びデフォルトギャップペナルティ(default gap penalty)を提供し、コンピュータプログラムと一緒に連携して使用することができるPAM250(標準スコーリングマトリックス: Dayhoff et al.、in Atlas of Protein Sequence and Structure、vol 5、supp 3、1978)のようなスコアリングマトリックスを提供する。例えば、百分率同一性は次のように計算することができる。一致する配列(identical matches)の総数に100を乗じた後、対応するスパン(matched span)内のより長い配列の長さと二つの配列を整列するために、より長い配列内に導入されたギャップ(gap)の数の合計で割る。
【0085】
本発明のポリペプチドは、遺伝工学的方法により作製することができる。まず、通常的な方法によって、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を作製する。ポリヌクレオチド配列は、例えば、ヒトのAIMP1遺伝子をコードするポリヌクレオチドを鋳型にして、適切なプライマーを用いてPCR増幅することにより作製することができる。他の方法には当業界に公知された標準方法により、例えば、自動DNA合成器(Biosearch 又はApplied Biosystems社で販売)を使用してDNA塩基配列を合成することもできる。作製されたポリヌクレオチド配列は、このポリヌクレオチドと作動可能に連結されて(operatively linked)、そのポリヌクレオチドの塩基配列の発現を調節するか又はそれ以外の発現調節配列(expression control sequence)(例:プロモーター、エンハンサーなど)を含むベクターに挿入させ、そこから形成された組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換させる。生成された形質転換体を前記のDNA配列が発現されるようにするのに適切な培地及び条件下で培養して、培養物から前記DNA配列によりコードされた実質的に純粋なタンパク質を回収する。前記回収は当業界に公知された方法(例えば、クロマトグラフィー)を利用して目的ペプチドを分離(単離)又は/及び精製することを意味する。
【0086】
前記で“実質的に純粋なポリペプチド又はタンパク質”とは、本発明に係るタンパク質宿主細胞から由来した如何なるタンパク質も実質的に含まないことを意味する。本発明のタンパク質合成のための遺伝工学的な方法は、次の文献を参考にすることができる:Maniatis et al.、Molecular Cloning;A laboratory Manual、Cold Spring Harbor laboratory、1982;Sambrook et al.、supra;Gene Expression Technology、Method in Enzymology、Genetics and Molecular Biology、Method in Enzymology、Guthrie&Fink(eds.)、Academic Press、San Diego、Calif、1991;及びHitzeman et al.、J. Biol.Chem.、255:12073-12080、1990。
【0087】
また、本発明のポリペプチドは、当該分野で公知の技術で化学的に合成することができる(Creighton、Proteins: Structures and Molecular Principles、W.H. Freeman and Co.、NY (1983))。すなわち、本発明のポリペプチドは、通常の段階的な液体又は固相合成、断片縮合、F-MOC又はT-BOC化学法を利用して製造することができる(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins、Williams et al.、Eds.、CRC Press、Boca Raton Florida、(1997);A Practical Approach、Atherton & Sheppard、Eds.、IRL Press、Oxford、England、(1989))。望ましい製造方法は、固相合成法(solid phase synthesis)を利用することである。本発明のポリペプチドは、保護されたアミノ酸との間の縮合反応(condensation reaction)により通常の固相法で、究明されたアミノ酸配列によりC-末端から順次的に進行しながら合成することができる。縮合反応後、保護基及びC-末端アミノ酸が連結された担体を酸分解(acid decomposition)又はアミノリシス(aminolysis)のような公知の方法により除去することができる。前記にて言及されたペプチド合成法は、関連書籍に詳細に記述されている(Gross and Meienhofer's、The Peptides、vol 2、Academic Press、1980)。
【0088】
遺伝工学的方法により製造されたタンパク質又は化学的に合成されたタンパク質は、例えば抽出法、再結晶法、多様なクロマトグラフィー(ゲルろ過法、イオン交換、沈殿、吸着、逆相)、電気泳動、逆流分配法など当業界に公知された方法で分離及び精製することができる。
【0089】
また、本発明は、本発明のポリペプチド、すなわち、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸を含むポリペプチドをコード(coding)するポリヌクレオチドを提供する。前記ポリヌクレオチドは、前述した本発明のポリペプチドをコードするのであれば、その塩基構成が特に限定されない。好ましくは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号22(配列番号6のN5ポリペプチドをコード)、配列番号23(配列番号7のN6ポリペプチドをコード)、配列番号24(配列番号8のN7ポリペプチドをコード)、配列番号25(配列番号9のN8ポリペプチドをコード)、配列番号29(配列番号13のN12ポリペプチドをコード)、配列番号30(配列番号14のN13ポリペプチドをコード)、及び配列番号31(配列番号15のN14ポリペプチドをコード)からなる群から選ばれた塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチドでもある。
【0090】
本明細書で“ポリヌクレオチド”、核酸は、単一鎖又は二重鎖の形態で形成されたデオキシリボヌクレオチド(DNA)又はリボヌクレオチド(RNA)を意味する。他の限定がない限り、天然に生成されるヌクレオチドと類似した方法で核酸に混成化される天然ヌクレオチドの公知のアナログも含まれる。
【0091】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0092】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0093】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0094】
好ましくは、本発明の薬学的組成物において、前記ポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドでもある。
【0095】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0096】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0097】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用、毛包幹細胞増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【0098】
本明細書で“毛髪”は頭髪、髪、顔面毛髪、及び/又は体毛を意味し、これは頭髪、まつげ、眉毛、髭、ひげ、顎鬚、鼻毛、胸毛、陰毛、補助毛髪などを広範囲に含めて、これに制限されない。
【0099】
本明細書の“発毛促進”とは、すでに生成された毛髪の成長だけでなく、毛包から毛髪の生成及び成長を促進することを含めているものであり、毛包形成の促進、毛包の構造的安定化、栄養分と酸素供給の円滑化、新しい毛髪周期の成長期のより速い誘導及び/又は毛髪周期の主成長期(生長期)の延長、及び/又は毛髪の成長速度の増加及び/又は毛髪の幅の増加などをすべて包括し、これは毛髪成長の誘導又は改善、及びこれが良く目に見えるようにすることを含むが、これに限定はされない。
【0100】
本明細書で“脱毛や脱毛症(alopecia)”とは、毛髪の損失の具体的な生物学的メカニズムに関係なく、毛髪の損失が発生するすべての症状を包括する意味で使用される。本明細書で“脱毛予防及び治療”とは、毛髪損失の予防、改善及び治療を総称する広い意味で使用される。
【0101】
本発明に係るポリペプチドは、それ自体又は塩、好ましくは薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。本発明で、“薬学的に許容可能な”とは、生理学的に許容され、ヒトに投与される時、活性成分の作用を阻害せず、通常的に胃腸障害、眩気症のようなアレルギー反応又はこれと類似した副作用を起こさないことを意味する。前記塩には、薬学的に許容可能な遊離酸によって形成された酸付加塩が好ましく、遊離酸には、有機酸と無機酸を使用することができる。前記有機酸はこれに限定されるものではないが、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、メタスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含む、また、前記無機酸はこれらに限定されるものではないが、塩酸、臭素酸、硫酸、及びリン酸を含む。
【0102】
本発明の薬学的組成物は、本発明のポリペプチドの発毛促進及び/又は脱毛の予防及び治療効果のために薬学的に許容される担体と一緒に、当業界に公知された方法で投与経路により多様に剤形化することができる。前記担体には、すべての種類の溶媒、分散媒質、水中油又は油中水エマルジョン、水性組成物、リポソーム、マイクロビーズ及びミクロソームが含まれる。
【0103】
投与経路には、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口的な投与方法には、これに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄境膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下又は直腸内投与でもある。
【0104】
本発明の薬学的組成物を経口投与する場合、本発明の薬学的組成物は、適切な経口投与用担体と一緒に、当業界に公知された方法に基づいて粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁液、ウエハなどの形態で剤形化することができる。適切な担体の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、及びマルチトールなどを含む糖類とトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及び芋などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどの充填剤を含むことができる。また、場合によっては架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はナトリウムアルギネートなどを崩解剤に添加することができる。さらに、前記薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、及び防腐剤などを含むことができる。
【0105】
また、非経口的に投与する場合、本発明の薬学的組成物は、適切な非経口担体と一緒に注射剤、経皮投与剤及び鼻腔吸入剤の形態で、当業界に公知された方法により、剤形化することができる。前記注射剤の場合には、必ず滅菌しなければならず、バクテリアや真菌などの微生物の汚染から保護されるべきである。注射剤の場合、適切な担体の例としてはこれに限定はされないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの混合物及び/又は植物油を含む溶媒又は分散媒質でもある。より好ましくは、適切な担体にはハンクス液、リンゲル液、トリエタノールアミンが含有されたPBS(phosphate buffered saline)又は注射用滅菌水、10%エタノール、40%プロピレングリコール及び5%デキストロースのような等張溶液などを使用することができる。前記注射剤を微生物汚染から保護するためには、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどのような多様な抗菌剤及び抗真菌剤をさらに含むことができる。また、前記注射剤は殆どの場合、糖又は塩化ナトリウムのような等張化剤をさらに含むことができる。
【0106】
経皮投与剤の場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスタ剤、リニアメント剤、エアロゾルなどの形態が含まれる。前記の経皮投与とは、薬学的組成物を局所的に皮膚に投与して薬学的組成物に含有された有効な量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。例えば、本発明の薬学的組成物を、注射型製剤で製造し、これを30ゲージの細い注射針で皮膚を軽く淡刺(prick)又は皮膚に直接塗布する方法で投与することができる。これらの剤形は、製薬、化学、一般的に公知された処方書の文献(Remington's Pharmaceutical Science、15th Edition、1975、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania)に記述されている。
【0107】
吸入投与剤の場合、本発明に基づいて使用される化合物は、適切な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体を使用して、加圧パック又は噴霧器からエアゾールスプレーの形態で便利に伝達することができる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を伝達するバルブを提供して決定することができる。例えば、吸入器又は吹込器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは、化合物及び乳糖又はデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0108】
その他の薬学的に許容される担体には次の文献に記載されていることを参考にすることができる(Remington's Pharmaceutical Sciences、19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)。
【0109】
また、本発明に係る薬学的組成物は、一つ以上の緩衝剤(例えば、食塩水又はPBS)、カーボハイドレート(例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン)、抗酸化剤、静菌剤、キレート化剤(例えば、EDTA又はグルタチオン)、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、懸濁剤、濃厚剤及び/又は保存剤をさらに含むことができる。
【0110】
また、本発明の薬学的組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続又は遅延された放出を提供できるように、当業界に公知された方法を使用して製剤化することができる。
【0111】
また、本発明の薬学的組成物は、単独で投与するか、脱毛の予防又は発毛促進効果がある公知の化合物と併用して投与することができる。これらの併用治療(combination therapy)は、同一な組成物内に含ませたり、同時に投与したりする方法が含まれて、本発明のポリペプチドを一つ以上の他の脱毛治療/発毛促進剤を利用した治療過程で1回以上投与することを含め、これに限定されるものではない。
【0112】
本願で“投与形態”又は“単一投与形態”とは、治療患者のための治療用タンパク質の物理的に個別的なユニット(physically discrete unit)を意味する。各治療ユニットは、目的とする治療効果を示すことができるよう、予め計測された量の活性物質を含む。しかし、治療組成物の総投与量は、十分な医療的判断内で担当医により決定される。
【0113】
本発明のポリペプチド又は本発明のポリペプチドを含む薬学的組成物と併用して追加的に使用することができる脱毛予防又は発毛促進効果がある公知の化合物の例としては、ミノキシジル(minoxidil)、クロマカリン(cromakalin)、ピナシジル(pinacidil)、ナミニジル(naminidil)、ジフェニルシクロプロフェノン(diphenylcyclopropenone)、トリコミン(tricomin)、シプロテロンアセテート(cyproterone acetate)、ダナゾール(danazol)、フルタマイド(flutamide);フィナステリド(finasteride)、タウロステリード(turosteride)、LY-191704、MK-306、及びデュタステリード(dutasteride)からなるグループの中から選ばれた5アルファ還元酵素抑制剤(5-alpha reductase inhibitors);ストリアジン(striazines)、ベンゾピラン(benzopyrans)、ピリジノピラン(pyridinopyrans)及びチアン-1-オキシド(thiane-1-oxides)からなるグループの中から選ばれる化合物又はその薬学的に許容される塩が含まれ、これに限定されるものではない。
【0114】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0115】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0116】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0117】
好ましくは、本発明の化粧料組成物でのポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドでもある。
【0118】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0119】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0120】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用化粧料組成物を提供する。
【0121】
本発明の化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤型にでも製造することができ、本発明のポリペプチドの他にも、皮膚科学的に許容可能な媒質又は基剤を含有することにより、皮膚科学分野で通常的に使用される局所適用又は全身に適用できる保存剤の形態で製造することができる。
【0122】
また、本発明の化粧料組成物は、本発明に係るポリペプチドの他に、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、保存剤、ビタミン、遮蔽剤、湿潤剤、エッセンシャルオイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤、脂質小胞又は化粧品に通常的に使用される任意の他の成分と同じ化粧品学又は皮膚科学の分野で一般的に使用される補助剤を含有することができる。そして、前記の成分は、皮膚科学分野で一般的に使用される量で導入することができる。
【0123】
適切な化粧料組成物の剤形としては、例えば、溶液、ゲル、固体又は無水混練物、水に油を分散させて得たエマルジョン、懸濁液、マイクロエマルジョン、マイクロカプセル、微細顆粒球(リポソーム)、イオン型もしくは非イオン型の小包分散剤の形態、クリーム、スキン、ローション、パウダー、軟膏、スプレー又はコンシルスティック(conceal stick)の形態で提供することができる。また、泡沫(foam)の形態、又は圧縮された推進剤をさらに含有したエアロゾル組成物の形態でも製造することができる。本発明の化粧料組成物を添加できる製品には、これに限定されるものではないが、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、収斂化粧水、柔軟化粧水、栄養化粧水、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、ボディクリーム、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、シャンプー、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローション、ボディクレンザー、トリートメント、美容液、乳液、プレスパウダー、ルースパウダー、アイシャドーなどの剤形を含む。
【0124】
前記本発明の化粧料組成物に含有される本発明のポリペプチドの含量は、化粧料組成物の総重量に対して、0.0001乃至50重量%、好ましくは0.01乃至10重量%の範囲で含有することができる。
【0125】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上を有効成分として含む、発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供する。
【0126】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及びポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供する。
【0127】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品用組成物を提供する。
【0128】
好ましくは、本発明の食品用組成物でのポリペプチドは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号15からなる群から選ばれたアミノ酸配列からなるポリペプチドでもある。
【0129】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0130】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0131】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる発毛促進用又は脱毛の予防及び改善用食品組成物を提供する。
【0132】
本発明に係る食品用組成物は、機能性食品(functional food)、栄養補助食剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)などの全ての形態を含む。前記の類型は、当業界に公知された通常の方法により多様な形態で製造することができる。例えば、健康食品には、本発明の食品用組成物自体をお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するようにしたり、顆粒化、カプセル化、及び粉末化したりして摂取することができる。また、本発明の食品用組成物は、発毛促進又は脱毛の予防や改善の効果があると知られている公知の物質又は活性成分と一緒に混合して組成物の形態で製造することができる。また、機能性食品には、飲料(アルコール性飲み物を含む)、果実及びその加工食品(例:果物缶詰、瓶詰、ジャム、マーマレード等)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージコンビーフ等)、パン類及び麺類(例:うどん・そば・ラーメン・スパゲッティ・マカロニ等)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例:バター、チーズ等)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:味噌、しょうゆ、ソース等)等に本発明の食品用組成物を添加して製造することができる。
【0133】
本発明のポリペプチドの食品用組成物の好ましい含有量には、これに限定はされないが、好ましくは、最終的に製造された食品中に0.01及び50重量%である。本発明の食品用組成物を食品添加剤の形態で使用するために粉末又は濃縮形態で製造して使用することができる。
【0134】
また、本発明は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドの用途を提供する。
【0135】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0136】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0137】
また、本質的に、配列番号1で示されるアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する4乃至21個のアミノ酸からなることを特徴とするポリペプチド及び前記ポリペプチドと配列相同性70%以上を有するアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドの中から選ばれた一つ以上のポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0138】
また、本発明は、発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療用製剤を製造するための、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの用途を提供する。
【0139】
また、本発明は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0140】
また、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0141】
また、本質的に、配列番号1で表示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする発毛促進用、毛包幹細胞の増殖促進用、又は脱毛の予防及び治療方法を提供する。
【0142】
本発明の前記“有効量”とは、個体に投与したとき、毛髪の成長促進及び炎症の改善、治療、予防効果を示す量を意味し、前記“個体”とは、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物でもあって、動物から由来した細胞、組織、器官等でもある。前記個体は、前記の効果が必要な患者(patient)でもある。
【0143】
本発明の前記“製剤又は組成物”とは、食品組成物、化粧料組成物、薬学的組成物などの形態でもあって、これは前述した通りである。
【0144】
本発明の用語“~を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同意で使用され、組成物又は方法において、言及されていない追加的な成分要素又は方法の段階等を排除しない。用語“~からなる(consisting of)”とは別に記載されていない追加的な要素、段階又は成分などを除外することを意味する。用語“本質的に~からなる(essentially consisting of)”とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分の要素又は段階と共にその基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階等を含むことを意味する。
【発明の効果】
【0145】
従って、本発明は新規なAIMP1タンパク質の断片と、これを有効成分として含む発毛促進用又は脱毛の予防、改善、治療用組成物を提供する。本発明に係る新規なポリペプチド及びこれを有効成分として含む組成物は、発毛を向上させるので、脱毛の改善及び防止、発毛促進に有用に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
図1図1で、図の上段部は、本発明のポリペプチドの生体内発毛促進効果を確認するためのマウス実験の概要を示し、図の下段部は実験開始前(Day 0)のマウスの背中の皮膚の毛を除去した様子(左パネル)と約2週間後(Day 13)における毛が伸びた様子(右パネル)の写真図を示す[対照群(Con): 20% Glycerol/PBS;3% Minoxidil (MNX、140mM);Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM);FGF7 (100nM)]。
図2図2で、図の左側部では、脱毛後Day13での対照群のマウスとNeo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)投与群のマウスでの毛髪生長を比較するために、位相差顕微鏡を通じて観察した皮膚組織及び毛包部位の横断面と縦断面を示し、図の右側部では、成長期の毛包細胞数と真皮層の厚さを相互定量的に比較したグラフで示す。
図3図3では、脱毛後Day 6での対照群のマウスとNeo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)投与群マウスでの毛髪生長を比較するために、位相差顕微鏡を通じて観察した皮膚組織及び毛包部位の横断面を示す。BrdU(細胞増殖マーカー)、β-catenin(毛穴細胞のシグナリングマーカー)、Cytokeratin 15(毛穴幹細胞マーカー)の増殖結果を通じて知ることができるように、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)投与群マウスから毛髪成長期(anagen phase)が、対照群のマウスに比べて、より早期に開始されることを確認することができる[対照群(Con):20% Glycerol/PBS;Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM)]。
図4図4は、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)が濃度依存的(1nM、10nM、100nM、1000nM使用)にCD34+毛包幹細胞(hair follicle stem cell)の増殖を誘導することを示すin vitro 分析の結果グラフである。
図5図5は、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM)がβ-catenin経路を通じてCD34+毛包幹細胞の増殖を誘導することを示すin vitro 分析の結果グラフであって、本発明のポリペプチドの処理によってβ-cateninの標的遺伝子であるAXIN、CD44及びTCF7のmRNA発現量が増加するすることを示す[対照群 (Con): 20% Glycerol/PBS;Neo-Pep ポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM)]。
図6図6は、皮膚移植細胞から誘導された円形脱毛症(alopecia areata)のC3H/HeJマウスを利用して、発毛促進効果を確認した写真図である[対照群(Control-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS);Neo-Pepポリペプチド投与群(Peptide-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS中100nM Neo-Pepポリペプチド(配列番号1)]。
図7図7は、皮膚移植細胞から誘導された円形脱毛症のC3H/HeJマウスの皮膚組織切片での毛包の状態及び炎症の有無を確認した写真図である[対照群(Control-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS);Neo-Pepポリペプチド投与群(Peptide-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS中100nM Neo-Pepポリペプチド(配列番号1)]。
図8図8は、本発明に係るポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)、及びその19個又は20個のアミノ酸からなる断片N1(配列番号2)、N2(配列番号3)、N3(配列番号4)、N4(配列番号5)、N5(配列番号6)、N6(配列番号7)、N7(配列番号8)及びN8(配列番号9)のCD34+毛包幹細胞の増殖効果の有無を確認するためのin vitro分析結果のグラフである(各ペプチドは100nMずつ処理される)。
図9図9は、本発明に係るポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の断片(15個のアミノ酸で構成された15mer)であるN9(配列番号10)、N10(配列番号11)、N11(配列番号12)、N12(配列番号13)、N13(配列番号14)、及びN14(配列番号15)の生体内発毛促進効果を確認した写真図である[対照群(Con): 20% Glycerol/PBS;3% Minoxidil (MNX、140mM);N9ないしN14ポリペプチド断片((配列番号10乃至15;100nM)]。
【発明を実施するための形態】
【0147】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0148】
但し、下記の実施例は、本発明を例示するのみであり、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
【0149】
[実験方法]
生体内実験(In vivo study)
マウス(C57BL6、7週齢の雄、Orient Bio Inc.で購入)の背中の皮膚の毛をバリカン(clipper)で切り取り、脱毛クリーム(Niclean、日東製薬)を塗った。脱毛された部位は、約2x2.5cmであった。その後、対照群として20%glycerol/PBS(Con)を使用して、実験群として3% Minoxidil(MNX、140mM)、FGF7(100nM)、本発明のポリペプチド“Neo-Pep”(配列番号1のポリペプチド、100nM)を13日間、1日1回、80μlずつ筆で塗布した(各群n=6)。
【0150】
ヘマトキシリン-エオシン(H&E)染色
C57BL6、7週齢の雄マウスの皮膚のサンプルを採取して、OCT compound(Tissue-Tek)を使用して凍結鋳型(cryomold)内に入れた後、-80℃凍結器に保存した。Microm HM 525 (Thermo Scientific)で組織切片を作成した後、スライドガラスに用意された皮膚切片を4%パラホルムアルデヒドで10分間固定させ、PBSで5分間ずつ2回洗浄した後、50μlのヘマトキシリン溶液(Sigma Aldrich)で6分間染色して水とPBSで5分間洗浄した。以後、エオシン(Sigma Aldrich)で染色して水で短く、そしてPBSで5分間、95%エタノール及び100%エタノールでそれぞれ2回ずつ短く洗浄した。キシレン(Xylene、Duksan)で2分ずつ2回処理した後、染色された組織切片をカバースライドで覆い固定した。
【0151】
増殖アッセイ(proliferation assay)のためのCD34+細胞分離
C57BL6、7週齢の雄マウス(Orient Bio Inc.で購入)の背中の皮膚の毛をバリカン(clipper)で切り取り、マウスの除毛された背中の部位の皮膚組織のサンプルを採取した。採取された皮膚組織のサンプルをcollagenase、DNase I、Hyaluronidaseを利用して、培地内に浸漬させ、Gentle MACSTM Dissociator (Miltenyi Biotec)を使用して細胞を分離した。細胞を分離した後、分離された細胞を、マウスCD34-Biotin抗体(Miltenyi Biotec)と一緒に培養した。細胞及び抗体溶液をstreptavidin microbeads (Miltenyi Biotec)と一緒に培養した後、LSカラムを使用して分離した。回収された細胞を、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液を含むDMEM培地で95% O2及び5% CO2の湿った空気中で、37℃で培養した。
【0152】
BrdU増殖アッセイ(BrdU Proliferation Assay)
細胞の増殖は、BrdU細胞増殖アッセイキット(Cell Signaling)を使用して確認することができる。Miltenyi Biotec社で提示しているプロトコルを使用して増殖アッセイを行った。簡単に要約すれば、実験対象の細胞をBrdUと一緒に2時間培養した。1次BrdU検出抗体を1時間培養し、2次抗-マウスIgG、HRP-コンジュゲート抗体を30分間培養した。
【0153】
毛髪生長 in vitroアッセイ及びmRNA発現量確認
Cyquant Assay (Thermo Fisher)を使用して、毛髪生長In vitroアッセイを実行した。分析実験条件は以下の通りである:Cell-CD34+毛包幹細胞;培養プレート-96 well plate;細胞数-3X103細胞/ウェル;ポリペプチドの最終濃度-100nM;培養時間24時間。
【0154】
また、β-catenin経路を通じてCD34+毛包幹細胞の増殖を誘導するか否かを確認するために、β-cateninの標的遺伝子であるAXIN、CD44及びTCF7のmRNA発現量を、次のような方法で確認した。具体的には、各試験物質を処理して、8時間CD34+細胞を培養した後、前記培養された細胞を回収してGeneJET RNA purification kit(Thermo Fisher、K0731)を利用してRNAを分離し、Maxima first strand cDNA synthesis kit(Thermo Fisher、K1642)を利用しcDNAを合成した。ここで、各遺伝子の特異的プライマー(TCF7:5'-ATCCTTGATGCTGGGATTCTG-3及び5'-CTTCTCTTGCCTTGGGTTCTG-3'及び、AXIN2:5'-CTCCTTGGAGGCAAGAGC-3'及び5'-GGCCACGCAGCACCGCTG-3'及び、CD44:5'-CCACAGCCTCCTTTCAATAACC-3'及び5'-GGAGTCTTCGCTTGGGGTA-3')、Maxima SYBR green/ROX qPCR master mix(Thermo Fisher、K0222)及び7500 Real-time PCR system(Applied Biosystems、2720;condition:40 cycles、2 step(95℃ 15sec、54℃ 60sec)を利用してqRT-PCRを進行して、各遺伝子の発現水準はΔΔCTの方法で計算した。
【0155】
組織学的分析(Hisology)
C57BL6、7週齢の雄マウス(Orient Bio Inc.で購入)の皮膚のサンプルを採取して、パラフィンブロックに位置させた。Cytokeratin 15抗体(Abcam)、BrdU抗体(Novusbid)、β-catenin抗体を使用してIHC(Immunohistochemistry)を行った。
【0156】
参考に、β-cateninは、毛包シグナリングマーカー(hair follicle signaling marker)として、Cytokeratin 15は、毛包幹細胞マーカー(hair follicle stem cell marker)として、BrdUは、細胞増殖のマーカー(cell proliferation marker)として使用される。
【0157】
実施例1: 本発明のポリペプチドの生体内発毛促進効果
本発明に係るポリペプチドの生体内発毛促進及び脱毛予防又は治療効果を、マウスを用いて確認した。マウスの背中の皮膚から毛を除去し、本発明に係るポリペプチドを処理した後、毛が再び伸びる様相を対象群と比較観察した(参照:図1)。
具体的には、マウス(C57BL6、7週齢の雄マウス、Orient Bio Inc.で購入)の背中の皮膚の毛をバリカン(clipper)で切り取り、除毛クリーム(Niclean、イルドンファーマ)。除毛された部位は、約2x2.5cmである。そして、対照群として20%glycerol/PBS(con)を使用し、実験群として3% Minoxidil(MNX、140mM)、FGF7(100nM)、本発明のポリペプチド“Neo-Pep”(配列番号1のポリペプチド、GL Biochemで合成、100nM)を13日間、1日1回、80μlずつ筆で塗布した(各群n=6)。比較観察のために、実験開始前と後のマウスの背中の皮膚を写真撮影した。
【0158】
図1の下段のマウスの背中の皮膚の写真で分かるように、背中の皮膚除毛後13日が経過した場合、本発明のポリペプチド“Neo-Pep”(配列番号1のポリペプチド)で処理したマウスでの背中の毛が対照群及び他の実験群(つまり、MNX及びFGF7)比べてはるかに多く伸びたことを観察した。
【0159】
また、前記マウスの背中の皮膚を採取してOCT compound(Tissue-Tek)を使用して凍結鋳型(cryomold)内に入れた後、-80℃の凍結器に貯蔵した。Microm HM 525 (Thermo Scientific)で組織切片を作成した後、スライドガラスに用意された皮膚切片を4%パラホルムアルデヒドで10分間固定して、PBSで5分間ずつ2回洗浄した後、50μlのヘマトキシリン溶液(Sigma Aldrich)で6分間染色し、水とPBSで5分間洗浄した。その後、エオシン(Sigma Aldrich)で染色して水で短く、そしてPBSで5分間、95%エタノール及び100%エタノールでそれぞれ2回ずつ短く洗浄した。キシレン(Xylene、Duksan)で2分ずつ2回処理した後、染色された組織切片をカバースライドで覆い固定した。ヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色した各群のマウスの背中の皮膚切片から、成長期にある毛包の数を数えて定量的に比較した。
【0160】
図2に示した通り、H&E染色したマウスの背中の皮膚切片から成長期の毛包の数を比較した結果、本発明のポリペプチド“Neo-Pep” (配列番号1のポリペプチド)を処理したマウスの背中の皮膚から、対照群(Con)に比べて二倍以上の成長期毛包が観察され、真皮層(dermis)の厚さもはるかに厚いことを確認した。
【0161】
前記実験結果を通じて、本発明に係るポリペプチド“Neo-Pep”(配列番号1)が体内で発毛促進及び脱毛の改善及び治療効果があることを確認した。
【0162】
実施例2:本発明のポリペプチドのβ-cateninシグナリングを通じた毛包幹細胞の増殖誘導
β-cateninは毛髪生長に極めて重要なタンパク質であり、毛包幹細胞の増殖との関連性が極めて大きい因子として毛包細胞のシグナリングのマーカーとしての役割をする。また、Cytokeratin 15は、毛包幹細胞のバイオマーカーとしての役割を果たし、BrdUは、細胞増殖のマーカーとしての役割をする因子として知られている。図3において、脱毛後Day 6での対照群のマウスとNeo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)投与群のマウスでの毛髪生長を比較するために、位相差顕微鏡を通じて観察した皮膚組織及び毛包部位の横断面を示す。BrdU(細胞増殖マーカー)、β-catenin(毛包シグナリングマーカー)、Cytokeratin 15(毛包幹細胞マーカー)の増殖の結果を通じて知ることができるように、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)投与群のマウスから毛髪成長期が対照群のマウスに比べて、より早期に開始されることを確認することができる。
【0163】
また、図4の毛髪生長in vitro分析結果のグラフで確認ができるように、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)が濃度依存的(1nM、10nM、100nM、1000nM使用)にCD34+毛包幹細胞(hair follicle stem cell)の増殖を誘導することを確認した。そして、図5の in vitro分析の結果グラフの通り、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM)がβ-catenin経路を通じてCD34+毛包幹細胞の増殖を誘導することを確認できる。具体的には、本発明に係るNeo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド、100nM)を使用した場合、β-cateninの標的遺伝子のAXIN、CD44及びTCF7のmRNA発現量が対照群に比べて約2倍乃至5倍程度増加したことを確認した。
【0164】
実施例3:円形脱毛症(Alopecia areata)マウスモデルでの発毛促進効果
円形脱毛症(Alopecia areata)は多様な種類の哺乳類動物から成長期の毛包を対象とした細胞媒介自己免疫疾患(cell-mediated autoimmune disease)として知られている。ヒトの場合、円形脱毛症は、臨床的に円形脱毛症(alopecia areata、patchy hair loss)、前頭脱毛症(alopecia totlis、hair loss on the head)及び全身脱毛症(alopecia universlis、total body hair loss)の3種類に細分化される。
【0165】
本発明に係るポリペプチドがヒトの毛髪生長サイクルに及ぼす影響を確認するため、ヒトの円形脱毛症の病理状態を反映する動物モデルとしてC3H/HeJマウスを使用した。C3H/HeJマウス(Jackson Laboratory、USA)の使用の長所は、幼いマウスに、円形脱毛症にかかった年が多いラットの全体厚さ皮膚移植(full thickness skin graft)をすると、8乃至10週以内に円形脱毛症(patchy alopecia)が発生して、20週が経過すると、脱毛が全身の皮膚にまで拡張されて、慢性的な状態の全身脱毛症(alopecia univeralis)状態にまでなる。
本実験では、前記のような方法で、皮膚移植後25週経過して全身脱毛を有するC3H/HeJ雌マウスを対象にして、剃りや脱毛などの事前措置なく、対照群(Control-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS)とNeo-Pepポリペプチド投与群(Peptide-treated mice、100μlの20% glycerol/PBSのうち100nM Neo-Pepポリペプチド(配列番号1))に区分して、14週間ブラシを利用して毎日1回、脱毛部位を中心に局部投与した。対照群とNeo-Pepポリペプチド投与群にそれぞれ4匹のマウスを使用した。
【0166】
実験開始時点から2週間ごとに実験マウスの写真を撮った、図6では、実験開始後1週間及び14週時点のマウスの皮膚の発毛状態を示している。Neo-Pepポリペプチド投与群(Peptide-treated mice、100μlの20% glycerol/PBS 中 100nM Neo-Pepポリペプチド(配列番号1))の場合、投与後11週間経過した以降から毛髪が再び伸び始めて(Hair regrowth)、14週が経過した時には、4匹のうち3匹のマウス(#11、#13、#14のマウス)から軽度と中等度の間の発毛効果(mild to moderate)が表れることにより、発毛効果が一貫して現れた。これに反し、対照群の場合、4匹のマウスのうち1匹で(#18マウス)のみ軽度の発毛(mild)効果を示し、2匹(#15及び#17のマウス)は、脱毛がより深刻化(Hair loss)し、1匹(#16マウス)は、実験終了前に斃死(died)することにより、一貫した発毛効果が見られなかった。
【0167】
一方、図7のマウスの皮膚組織の写真図では、脱毛部位及びその周囲の脱毛がない部位の皮膚組織を回収して、Fekete's acid alcohol formalin内に固定させた後、H&E染色された皮膚組織切片を分析して毛包の状態、変形又は炎症の有無を確認した結果を示している。
【0168】
図7で見られるように、特に対照群の皮膚組織から毛包内及び毛包の周囲に炎症細胞が複合的に多く浸潤(mixed infiltration)されていて、特にリンパ球浸潤が多く発見されるが、これは円形脱毛症(alopecia areata)の診断に使用される主な特徴である。また、毛包の萎縮(follicular dystrophy)は、毛包が捩じれて変形したり弱まったり分裂した毛幹(hair shaft)を有する状態を意味するが、円形脱毛症で頻繁に現れる現象である。
【0169】
図7で確認した通り、対照群の皮膚組織から炎症及び奇形毛幹(deformed hair shaft)の発生が現れたが、対照群に比べてNeo-Pepポリペプチド投与群の皮膚組織では、炎症及び奇形毛幹の発生が顕著に少なかった。また、全体的な脱毛状態の姿は、皮膚表面又は皮膚表面近くの毛幹破裂(hair shaft breakage)により異なるが、毛幹破裂などの奇形毛幹が相対的に多い対照群で脱毛状態がよりはっきり観察された。
【0170】
実施例4:本発明のポリペプチド断片の毛包幹細胞増殖効果の比較
本発明者は、前記の実施例を通じて発毛促進効果が確認されたNeo-Pepポリペプチド(配列番号1)で、発毛促進、及び脱毛の改善効果を有するペプチド断片を確認するために、N1(配列番号2)、N2(配列番号3)、N3(配列番号4)、N4(配列番号5)、N5(配列番号6)、N6(配列番号7)、N7(配列番号8)及びN8(配列番号9)を製造した。
【0171】
下記表1で、本発明のポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)とその断片N1(配列番号2)、N2(配列番号3)、N3(配列番号4)、N4(配列番号5)、N5(配列番号6)、N6(配列番号7)、N7(配列番号8)、及びN8(配列番号9)のアミノ酸配列、PI及びTm情報を示す。
【0172】
【表1】
【0173】
参考に、ポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)は、AIMP1タンパク質(配列番号16)において6-46番目のアミノ酸残基に該当する。

MANNDAVLKRLEQKGAEADQIIEYLKQQVSLLKEKAILQATLREEKKLRV
ENAKLKKEIEELKQELIQAEIQNGVKQIPFPSGTPLHANSMVSENVIQST
AVTTVSSGTKEQIKGGTGDEKKAKEKIEKKGEKKEKKQQSIAGSADSKPI
DVSRLDLRIGCIITARKHPDADSLYVEEVDVGEIAPRTVVSGLVNHVPLE
QMQNRMVILLCNLKPAKMRGVLSQAMVMCASSPEKIEILAPPNGSVPGDR
ITFDAFPGEPDKELNPKKKIWEQIQPDLHTNDECVATYKGVPFEVKGKGV
CRAQTMSNSGIK
【0174】
前記実験方法に記載されているCD34+毛包幹細胞in vitroアッセイ及びBrdU増殖アッセイ(BrdU Proliferation assay)の方法を使用した結果、CD34+毛包幹細胞の相対的な細胞数(relative cell number)を比較した図8で確認することができるように、本発明に係るポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)と、ポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する19個又は20個のアミノ酸からなるポリペプチド断片のN5(配列番号6)、N6(配列番号7)、N7(配列番号8)及びN8(配列番号9)は、CD34+毛包幹細胞(hair stem cell)の増殖を誘導した。
【0175】
これに反して、ポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含まない連続する20個のアミノ酸からなるポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の断片のN1(配列番号2)、N2(配列番号3)、N3(配列番号4)、N4(配列番号5)は、CD34+毛包幹細胞(hair follicle stem cell)の増殖効果が全くなかった。
【0176】
前記結果を通じて、本発明のNeo-Pepポリペプチド(配列番号1のポリペプチド)だけでなく、N5(配列番号6)、N6(配列番号7)、N7(配列番号8)及びN8(配列番号9)のようにNeo-Pepポリペプチドのアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を活性アミノ酸残基に含めて連続するアミノ酸からなるこのポリペプチド断片が発毛促進又は脱毛改善効果を有することを確認した。
【0177】
実施例5:本発明のポリペプチド断片のIn vivo発毛促進効果の比較
本発明者は、前記実施例を通じて発毛促進効果が確認されたNeo-Pepポリペプチド(配列番号1)の断片の中から発毛促進又は脱毛の改善効果を有するポリペプチド断片をさらに確認するために、15個のアミノ酸からなるポリペプチド断片のN9(配列番号10)、N10(配列番号11)、N11(配列番号12)、N12(配列番号13)、N13(配列番号14)及びN14(配列番号15)を製造した。
【0178】
下記表2から、本発明のポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の断片N9(配列番号10)、N10(配列番号11)、N11(配列番号12)、N12(配列番号13)、N13(配列番号14)、及びN14(配列番号15)のアミノ酸配列、PI及びTm情報を示す。
【0179】
【表2】
【0180】
図9に示した通り、前記実施例1と同じ方法を使用して、皮膚の除毛後13日経過したマウスの背中の皮膚の写真で分かるように、本発明に係るポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含めて、連続する15個のアミノ酸からなるポリペプチド断片のN12(配列番号13)、N13(配列番号14)及びN14(配列番号15)で処理したマウスの背中の毛が対照群(Con、20% Glycerol/PBS処理群)に比べてはるかに多く伸びて、ポジティブ実験群に比べても類似又ははるかに多く伸びた。
【0181】
これに反し、ポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を含まない連続する15個のアミノ酸からなるポリペプチドNeo-Pep(配列番号1)の断片であるN9(配列番号10)、N10(配列番号11)及びN11(配列番号12)は、マウスの背中の毛はほとんど伸びなかった。
【0182】
前記の結果を通じて本発明のNeo-Pepポリペプチド(配列番号1)の断片であるN12(配列番号13)、N13(配列番号14)及びN14(配列番号15)のように、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1)のアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)を活性アミノ酸残基に含めて連続するアミノ酸からなるそのポリペプチド断片が発毛促進又は脱毛の改善効果を有することをさらに確認することにより、Neo-Pepポリペプチド(配列番号1)のアミノ酸配列から28乃至31番目のアミノ酸(KEKA)残基を活性部位として含むことが発毛促進又は脱毛の改善効果に必須であることを確認した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
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