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特許7039082足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
A61H3/00 B
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021119769
(22)【出願日】2021-07-20
(65)【公開番号】P2022022159
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】202010709845.3
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】孫 迎兵
(72)【発明者】
【氏名】呉 鳳和
(72)【発明者】
【氏名】李 航
(72)【発明者】
【氏名】劉 子健
(72)【発明者】
【氏名】郭 保蘇
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/072883(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/121019(WO,A1)
【文献】特開2019-208728(JP,A)
【文献】特開2018-158011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板手段(1)、複数のリンク機構(2)、固定拘束ベルト(3)、固定リング(4)及び減衰調節部(5)を含み、
前記底板手段(1)は、底板(11)、底板拘束ベルト(12)、緩衝エアークッション(13)及び力覚センサー(14)を含み、前記底板(11)は、その第一端面における第一端及び第二端に、それぞれ、前記底板拘束ベルト(12)及び緩衝エアークッション(13)が設けられると共に、前記力覚センサー(14)が前記底板(11)の第二端面に設けられており、
前記複数のリンク機構(2)は、前記底板(11)の第一側及び第二側に左右対称に設けられると共に、第一支持リンク(21)、第二支持リンク(22)、第三支持リンク(23)、水平リンク(24)、上方平行斜めリンク(25)、下方平行斜めリンク(26)及び垂直リンク(27)を含み、
前記第一支持リンク(21)、第二支持リンク(22)及び第三支持リンク(23)は、それぞれ、前記底板(11)における第一端、中央部及び第二端に設けられ、
前記第一支持リンク(21)第二支持リンク(22)及び第三支持リンク(23)は、それらの第一端がそれぞれ前記底板(11)に回転可能に接続され、
前記水平リンク(24)は、その第一端、中央部及び第二端がそれぞれ、前記第一支持リンク(21)における第二端、第二支持リンク(22)における第一ヒンジ点(A)及び第三支持リンク(23)における第二端に回転可能に接続され、
前記第二支持リンク(22)は、その第二端が前記上方平行斜めリンク(25)の第一端に回転可能に接続され、
前記上方平行斜めリンク(25)は、その第二端が前記垂直リンク(27)の中央部に回転可能に接続され、前記第二支持リンク(22)は、その第二ヒンジ点(B)が前記下方平行斜めリンク(26)の第一端に回転可能に接続され、前記下方平行斜めリンク(26)は、その第二端が前記垂直リンク(27)の第一端に回転可能に接続され、
前記固定拘束ベルト(3)及び固定リング(4)は、それぞれ、前記底板(11)の上方に設けられると共に、前記固定拘束ベルト(3)が前記垂直リンク(27)に固定接続され、
前記固定リング(4)が前記上方平行斜めリンク(25)の第二端に回転可能に接続され、
前記減衰調節部(5)は、減衰部ハウジング(51)、ばね押し部(52)、調節ラック(53)、圧縮ばね(54)、調節歯車(55)、調節つまみ(56)、固定押し部(57)及び締め付けつまみ(58)を含み、
前記減衰調節部(5)は、前記垂直リンク(27)の第一側面に固定して設けられると共に、前記減衰部ハウジング(51)の第一端面に設けられる接続ピンを介して、前記垂直リンク(27)の中央部に接続され、
前記ばね押し部(52)及び調節ラック(53)は、それぞれ、前記減衰部ハウジング(51)に設けられると共に、前記ばね押し部(52)が前記減衰部ハウジング(51)に固定接続され、
前記調節ラック(53)は、前記減衰部ハウジング(51)に摺動可能に接続され、前記調節ラック(53)は、その第一側面に押し付け凸台(531)が設けられると共に、前記押し付け凸台(531)が前記ばね押し部(52)の直下に位置しており、
前記圧縮ばね(54)は、前記ばね押し部(52)と押し付け凸台(531)との間に設けられると共に、それらの第一端及び第二端がそれぞれ前記ばね押し部(52)及び押し付け凸台(531)に接触し、
前記調節歯車(55)は、回転軸により前記減衰部ハウジング(51)に取り付けられると共に、前記減衰部ハウジング(51)に前記調節つまみ(56)が取り付けられ、
前記調節つまみ(56)は、その内側に円周方向に沿って内輪歯車が設けられ、前記調節歯車(55)は、それぞれ、前記調節つまみ(56)の内輪歯車及び調節ラック(53)と噛み合って転動し、
前記固定押し部(57)は、前記減衰部ハウジング(51)における内側の押し部取り付け溝(512)に取り付けられると共に、前記固定押し部(57)における内側の円弧面が前記調節つまみ(56)における外側の弧面に接触し、前記締め付けつまみ(58)は、前記減衰部ハウジング(51)に螺合して接続されると共に、前記締め付けつまみ(58)における第一端面が前記固定押し部(57)における第一端面と重なり、
前記調節つまみ(56)の内輪歯車が調節歯車(55)に対し回動されることにより、前記押し付け凸台(531)が調節ラック(53)を伴って前記ばね押し部(52)に近接され前記圧縮ばね(54)が押圧される場合、該圧縮ばね(54)のたわみ量に応じて発生した上方の前記固定拘束ベルト(3)に向かう力が、前記接続ピンを介して前記上方平行斜めリンク(25)および前記垂直リンク(27)に伝達されることを特徴とする足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器。
【請求項2】
前記第二支持リンク(22)には、第一ヒンジ点(A)及び第二ヒンジ点(B)が設置されており、
前記第一支持リンク(21)の長さが前記第三支持リンク(23)の長さと等しく、前記上方平行斜めリンク(25)の長さが前記下方平行斜めリンク(26)の長さと等しく、
前記第二支持リンク(22)の第一端から前記第二支持リンク(22)の第二ヒンジ点(B)までの垂直距離が前記垂直リンク(27)の第一端から前記垂直リンク(27)の中央部までの垂直距離と等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器。
【請求項3】
前記垂直リンク(27)における第二側面の中央部には、位置制限凸台(271)が設けられており、
前記固定拘束ベルト(3)及び固定リング(4)は、それらの外側に、それぞれ、可動ロッカー(31)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器。
【請求項4】
前記減衰部ハウジング(51)は、その第二端面に、円周方向に沿って等級調節目盛線が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足首歩行補助機器の技術分野に関し、特に足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活では、不適当な運動や事故のために足首の骨折が良く見られる。足首を骨折すると、少なくとも100日の回復期間が必要となる。足首が受ける力の理由により、回復期間にわたって歩行が不便となる。しかしながら、今日の社会では、人々が歩行又は外出することが時々である。現在、杖により補助を行うことが主な解決手段である一方、杖を携帯し又は置くことは不便であり、柄脇又は腕に力をかけることにより痛みが発生してしまうという様々な問題がある。従って、松葉杖に取って代わることが可能であり、歩行を便宜に行わせることができ、義肢と類似し、足首が受ける力の大きさを自己適応で調節可能な補助歩行機器を提供することが早く解決されるべきとなり、足首を骨折した人が簡便に回復期間に出かけて回復訓練を上手く行うことに役立っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の課題に鑑み、本発明が提供する足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、松葉杖に取って代わることが可能であり、人々が足首の回復期間に出かけることに役立つ。それと同時に、複数のリンク機構において、各リンク部の回転対偶の軸線同士が互いに平行であることから、足部に力をかけると、力を鉛直方向に伝達するように保証することができ、補助歩行機器が側方へ揺動することにより二次的損傷が発生してしまうことを避けることができる。また、減衰調節部をさらに設置することにより、調節つまみを用いて、足首が受ける力の大きさをインテリジェントに調節することができ、患者が回復期間にわたって訓練して回復することに役立つ。そして、本発明は、構成が簡単であり、操作が簡便であり、実用性が高いなどの利点を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が採用する技術的手段は、以下の通りである。
足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、底板手段(1)、複数のリンク機構(2)、固定拘束ベルト(3)、固定リング(4)及び減衰調節部(5)を含み、前記底板手段(1)は、底板(11)、底板拘束ベルト(12)、緩衝エアークッション(13)及び力覚センサー(14)を含み、前記底板(11)は、その第一端面における第一端及び第二端に、それぞれ、前記底板拘束ベルト(12)及び緩衝エアークッション(13)が設けられると共に、前記力覚センサー(14)が前記底板(11)の第二端面に設けられており、前記複数のリンク機構(2)は、前記底板(11)の第一側及び第二側に左右対称に設けられると共に、第一支持リンク(21)、第二支持リンク(22)、第三支持リンク(23)、水平リンク(24)、上方平行斜めリンク(25)、下方平行斜めリンク(26)及び垂直リンク(27)を含み、前記第一支持リンク(21)、第二支持リンク(22)及び第三支持リンク(23)は、それぞれ、前記底板(11)における第一端、中央部及び第二端に設けられ、前記第一支持リンク(21)第二支持リンク(22)及び第三支持リンク(23)は、それらの第一端がそれぞれ前記底板(11)に回転可能に接続され、前記水平リンク(24)は、その第一端、中央部及び第二端がそれぞれ、前記第一支持リンク(21)における第二端、第二支持リンク(22)における第一ヒンジ点(A)及び第三支持リンク(23)における第二端に回転可能に接続され、前記第二支持リンク(22)は、その第二端が前記上方平行斜めリンク(25)の第一端に回転可能に接続され、前記上方平行斜めリンク(25)は、その第二端が前記垂直リンク(27)の中央部に回転可能に接続され、前記第二支持リンク(22)は、その第二ヒンジ点(B)が前記下方平行斜めリンク(26)の第一端に回転可能に接続され、前記下方平行斜めリンク(26)は、その第二端が前記垂直リンク(27)の第一端に回転可能に接続され、前記固定拘束ベルト(3)及び固定リング(4)は、それぞれ、前記底板(11)の上方に設けられると共に、前記固定拘束ベルト(3)が前記垂直リンク(27)に固定接続され、前記固定リング(4)が前記上方平行斜めリンク(25)の第二端に回転可能に接続され、前記減衰調節部(5)は、減衰部ハウジング(51)、ばね押し部(52)、調節ラック(53)、圧縮ばね(54)、調節歯車(55)、調節つまみ(56)、固定押し部(57)及び締め付けつまみ(58)を含み、前記減衰調節部(5)は、前記垂直リンク(27)の第一側面に固定して設けられると共に、前記減衰部ハウジング(51)の第一端面に設けられる接続ピンを介して、前記垂直リンク(27)の中央部に接続され、前記ばね押し部(52)及び調節ラック(53)は、それぞれ、前記減衰部ハウジング(51)に設けられると共に、前記ばね押し部(52)が前記減衰部ハウジング(51)に固定接続され、前記調節ラック(53)は、前記減衰部ハウジング(51)に摺動可能に接続され、前記調節ラック(53)は、その第一側面に押し付け凸台(531)が設けられると共に、前記押し付け凸台(531)が前記ばね押し部(52)の直下に位置しており、前記圧縮ばね(54)は、前記ばね押し部(52)と押し付け凸台(531)との間に設けられると共に、それらの第一端及び第二端がそれぞれ前記ばね押し部(52)及び押し付け凸台(531)に接触し、前記調節歯車(55)は、回転軸により前記減衰部ハウジング(51)に取り付けられると共に、前記減衰部ハウジング(51)に前記調節つまみ(56)が取り付けられ、前記調節つまみ(56)は、その内側に円周方向に沿って内輪歯車が設けられ、前記調節歯車(55)は、それぞれ、前記調節つまみ(56)の内輪歯車及び調節ラック(53)と噛み合って転動し、前記固定押し部(57)は、前記減衰部ハウジング(51)における内側の押し部取り付け溝(512)に取り付けられると共に、前記固定押し部(57)における内側の円弧面が前記調節つまみ(56)における外側の弧面に接触し、前記締め付けつまみ(58)は、前記減衰部ハウジング(51)に螺合して接続されると共に、前記締め付けつまみ(58)における第一端面が前記固定押し部(57)における第一端面と重なり、前記調節つまみ(56)の内輪歯車が調節歯車(55)に対し回動されることにより、前記押し付け凸台(531)が調節ラック(53)を伴って前記ばね押し部(52)に近接され前記圧縮ばね(54)が押圧される場合、該圧縮ばね(54)のたわみ量に応じて発生した上方の前記固定拘束ベルト(3)に向かう力が、前記接続ピンを介して前記上方平行斜めリンク(25)および前記垂直リンク(27)に伝達されることを特徴とする。
【0005】
好適には、前記第二支持リンクには、第一ヒンジ点及び第二ヒンジ点が設置されており、前記第一支持リンクの長さが前記第三支持リンクの長さと等しく、前記上方平行斜めリンクの長さが前記下方平行斜めリンクの長さと等しく、前記第二支持リンクの第一端から前記第二支持リンクの第二ヒンジ点までの垂直距離が前記垂直リンクの第一端から前記垂直リンクの中央部までの垂直距離と等しい。
【0006】
好適には、前記垂直リンクにおける第二側面の中央部には、位置制限凸台が設けられており、前記固定拘束ベルト及び固定リングは、それらの外側に、それぞれ、可動ロッカーが設けられる。
【0007】
好適には、前記減衰部ハウジングは、その第二端面に、円周方向に沿って等級調節目盛線が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る特徴及び有益な効果は、以下の通りである。
1、本発明が提供する足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、松葉杖に取って代わることが可能であり、人々が足首の回復期間に出かけることに役立つ。
2、本発明が提供する足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、複数のリンク機構において、各リンク部の回転対偶の軸線同士が互いに平行であることから、足部に力をかけると、力を鉛直方向に伝達するように保証することができ、補助歩行機器が側方へ揺動することにより二次的損傷が発生してしまうことを避けることができる。
3、本発明が提供する足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、減衰調節部を設置することにより、調節つまみを用いて、足首が受ける力の大きさをインテリジェントに調節することができ、患者が回復期間に訓練して回復することに役立つ。そして、本発明は、構成が簡単であり、操作が簡便であり、実用性が高いなどの利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る構成全体の模式図である。
図2】本発明に係る構成全体の側面図である。
図3】本発明に係る減衰部ハウジングの構成の模式図である。
図4】本発明に係る減衰部ハウジングの側面図である。
図5】本発明に係る減衰調節部を取り付ける模式図である。
図6】本発明に係る減衰調節部の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る技術的手段、内容、構成、特徴、達成すべき目的及び効果を詳細に説明するため、以下、図面を参照しながら明細書を詳細に説明する。
【0011】
本発明が提供する足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、図1及び図2に示すように、底板手段1、複数のリンク機構2、固定拘束ベルト3、固定リング4及び減衰調節部5を含み、底板手段1は、底板11、底板拘束ベルト12、緩衝エアークッション13及び力覚センサー14を含み、底板11は、その第一端面における第一端及び第二端に、それぞれ、底板拘束ベルト12及び緩衝エアークッション13が設けられ、緩衝エアークッション13は、足首に緩衝という役割を担うためのものであり、力覚センサー14は、底板11の第二端面に設けられ、底板11が受ける力を検測することができ、しかも、情報を減衰調節部5に伝達して足首に配る力をより良く調節することができ、複数のリンク機構2は、底板11における第一側及び第二側に左右対称に設けられると共に第一支持リンク21、第二支持リンク22、第三支持リンク23、水平リンク24、上方平行斜めリンク25、下方平行斜めリンク26及び垂直リンク27を含み、第一支持リンク21、第二支持リンク22及び第三支持リンク23は、それぞれ、底板11における第一端、中央部及び第二端に設けられると共に、それらの第一端は、それぞれ、底板11に回転可能に接続されると共に、第二支持リンク22には、第一ヒンジ点A及び第二ヒンジ点Bが設置されており、水平リンク24における第一端、中央部及び第二端は、それぞれ、第一支持リンク21における第二端、第二支持リンク22における第一ヒンジ点A及び第三支持リンク23における第二端に回転可能に接続されると共に、第二支持リンク22における第二端が上方平行斜めリンク25の第一端に回転可能に接続され、上方平行斜めリンク25の第二端が垂直リンク27の中央部に回転可能に接続されると共に、垂直リンク27における第二側面の中央部には、上方平行斜めリンク25の回転角度を制限するための位置制限凸台271が設けられ、第二支持リンク22の第二ヒンジ点Bが下方平行斜めリンク26の第一端に回転可能に接続され、下方平行斜めリンク26の第二端が垂直リンク27の第一端に回転可能に接続されると共に、固定拘束ベルト3及び固定リング4は、それぞれ、底板11の上方に設けられると共に、固定拘束ベルト3が垂直リンク27に固定して接続され、固定リング4が上方平行斜めリンク25の第一端に回転可能に接続され、固定拘束ベルト3及び固定リング4は、固定して支持するように、下腿に拘束され、そして、複数のリンク機構2におけるリンクが揺動してしまうことを避け、また、固定拘束ベルト3及び固定リング4は、下腿を便宜に取り出して固定するように、それらの外側にそれぞれ可動ロッカー31が設けられる。
【0012】
具体的には、上方平行斜めリンク25の長さが下方平行斜めリンク26の長さと等しく、第二支持リンク22の第一端から第二支持リンク22の第二ヒンジ点Aまでの垂直距離が垂直リンク27の第一端から垂直リンク27の中央部までの垂直距離と等しいと共に、第二支持リンク22、上方平行斜めリンク25、下方平行斜めリンク26及び垂直リンク27は、互いに組み合わせることにより、平行四辺形機構を形成して、底板11が受ける力を伝達する。
【0013】
図3図6に示すように、減衰調節部5は、減衰部ハウジング51、ばね押し部52、調節ラック53、圧縮ばね54、調節歯車55、調節つまみ56、固定押し部57及び締め付けつまみ58を含み、減衰調節部5は、垂直リンク27の第一側面に固定して設けられると共に、減衰部ハウジング51の第一端面に設けられる接続ピンにより、垂直リンク27の中央部に接続され、ばね押し部52及び調節ラック53は、それぞれ、減衰部ハウジング51に設けられると共に、ばね押し部52が減衰部ハウジング51に固定して接続され、調節ラック53は、減衰部ハウジング51に摺動可能に接続され、調節ラック53は、その第一側面に押し付け凸台531が設けられると共に、押し付け凸台531がばね押し部52の直下に位置しており、圧縮ばね54は、ばね押し部52と押し付け凸台531との間に設けられると共に、それらの第一端及び第二端は、それぞれ、ばね押し部52及び押し付け凸台531に接触し、調節歯車55は、回転軸551により減衰部ハウジング51に取り付けられると共に、減衰部ハウジング51には、調節つまみ56が設けられ、調節つまみ56は、その内側に円周方向に沿って内輪歯車が設けられ、調節歯車55は、それぞれ調節つまみ56の内輪歯車及び調節ラック53と噛み合って伝動し、固定押し部57は、減衰部ハウジング51における内側の押し部取り付け溝512に取り付けられると共に、固定押し部57は、その内側における円弧面が調節つまみ56における外側の弧面に接触し、締め付けつまみ58は、減衰部ハウジング51に螺合して接続されると共に、締め付けつまみ58における第一端面が固定押し部57における第一端面と重なると共に、減衰部ハウジング51は、足首が受ける力の大きさによって、相応しい等級の目盛に調節を行うように、その第二端面に円周方向に沿って等級調節目盛線が設けられる。
【0014】
本発明に係る具体的な操作ステップは以下の通りである。
【0015】
図1に示すように、本発明に係る足首が受ける力を自己適応で調節可能な補助歩行機器は、底板手段1、複数のリンク機構2、固定拘束ベルト3、固定リング4及び減衰調節部5を含み、底板手段1は、底板11、底板拘束ベルト12、緩衝エアークッション13及び力覚センサー14を含み、複数のリンク機構2は、底板11における第一側及び第二側に左右対称に設けられると共に、第一支持リンク21、第二支持リンク22、第三支持リンク23、水平リンク24、上方平行斜めリンク25、下方平行斜めリンク26及び垂直リンク27を含み、固定拘束ベルト3及び固定リング4は、それぞれ、垂直リンク27及び上方平行斜めリンク25における第一端に接続され、減衰調節部5は、減衰部ハウジング51、ばね押し部52、調節ラック53、圧縮ばね54、調節歯車55、調節つまみ56、固定押し部57及び締め付けつまみ58を含み、減衰調節部5は、足首が受ける承担の力を調節するように、接続ピンにより垂直リンク27の中央部に設けられる。
【0016】
実際の使用では、患者の足が固定拘束ベルト3と固定リング4を通り抜けてから底板11を踏むと、固定拘束ベルト3及び固定リング4に位置する可動ロッカー31を押し付け、固定拘束ベルト3及び固定リング4を下腿に締め付ける。固定リング4は、主に、固定して支持する役割を担い、複数のリンク機構2が揺動してしまうことを避けるためのものである。患者が歩行する場合には、第一支持リンク21、第三支持リンク23及び水平リンク24により、第二支持リンク22と底板11との間に揺動が随意に発生しないように保証することができ、足首が受ける必要な力を底板11を介して第二支持リンク22に伝達すると共に、第二支持リンク22、上方平行斜めリンク25、下方平行斜めリンク26及び垂直リンク27は、互いに組み合わせることにより、平行四辺形機構を形成しており、平行四辺形機構により、第二支持リンク22が受ける力を接続ピンを介して垂直リンク27及び減衰調節部5に伝達し、ひいては、垂直リンク27が受ける力を固定拘束ベルト3に伝達し、そして、最終的に力を固定拘束ベルト3を介して患者の下腿に伝達することにより、足首が受ける力を患者の下腿に伝達することが実現され得る。
【0017】
それと同時に、上方平行斜めリンク25は、減衰調節部5を調節することにより、足首が受ける力における下腿に伝達する比例を調節することができる。使用の過程では、ばね押し部52が常に圧縮状態にある。まず、調節つまみ56を回転させ、歯車55がそれぞれ調節つまみ56の内輪歯車及び調節ラック53に噛み合って転動するように調節して、調節ラック53が減衰部ハウジング51に沿って上下移動するように連動すると共に、圧縮ばね54の長さが変わり、初張力を調節する目的を達成する。調節つまみ56を適切な位置まで回転させると、締め付けつまみ58を回転させて、固定押し部57が前方へ移動するように押し出して、固定押し部57における内側の円弧面が調節つまみ56における外側の弧面と接触するようにして、ひいては、調節つまみ56を締め付ける目的を達成し、患者が移動する過程において減衰調節部5の初張力の大きさがそのまま変わらないように保証することができる。
【0018】
以上より、前記の実施例は、本発明の好ましい実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の設計の趣旨を逸脱しない限り、当業者が本発明の技術的手段に基づいて行う様々な変形や改良などは、いずれも、本発明の特許請求の範囲による保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0019】
1 底板手段
11 底板
12 底板拘束ベルト
13 緩衝エアークッション
14 力覚センサー
2 複数のリンク機構
21 第一支持リンク
22 第二支持リンク
A 第一ヒンジ点
B 第二ヒンジ点
23 第三支持リンク
24 水平リンク
25 上方平行斜めリンク
26 下方平行斜めリンク
27 垂直リンク
271 位置制限凸台
3 固定拘束ベルト
31 可動ロッカー
4 固定リング
5 減衰調節部
51 減衰部ハウジング
512 押し部取り付け溝
52 ばね押し部
53 調節ラック
531 押し付け凸台
54 圧縮ばね
55 調節歯車
551 回転軸
56 調節つまみ
57 固定押し部
58 締め付けつまみ
図1
図2
図3
図4
図5
図6