IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社関電工の特許一覧

<>
  • 特許-UPS更新方法 図1
  • 特許-UPS更新方法 図2
  • 特許-UPS更新方法 図3
  • 特許-UPS更新方法 図4
  • 特許-UPS更新方法 図5
  • 特許-UPS更新方法 図6
  • 特許-UPS更新方法 図7
  • 特許-UPS更新方法 図8
  • 特許-UPS更新方法 図9
  • 特許-UPS更新方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】UPS更新方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019087806
(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公開番号】P2020184827
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100100516
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 惠
(72)【発明者】
【氏名】榊原 宏行
(72)【発明者】
【氏名】座馬 知司
(72)【発明者】
【氏名】日向野 明
【審査官】大手 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-288428(JP,A)
【文献】特開2016-163527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-1/3296
H02J 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設UPSから既設ケーブルを通って負荷に電力を給電する既設給電回路を新設UPSから新設ケーブルを通って負荷に電力を給電する新設給電回路に更新する際にUPS更新対象の前記既設給電回路における充電状態の既設ケーブルを特定し、
前記新設ケーブルを前記既設ケーブルにコネクタでコネクタ接続するとともに前記既設給電回路をバイパスする第1バイパス回路と前記新設給電回路をバイパスする第2バイパス回路とを切り換える切換器を設け前記新設ケーブルの前記新設UPSと前記コネクタとの間に前記新設UPSの接続先を前記コネクタまたは前記切換器に切り換えるための切換盤を設け、
前記既設UPSから前記第1バイパス回路を経由し前記既設給電回路をバイパスし前記切換器及び前記切換盤を通して負荷に給電する第1更新切換回路を活かし前記既設給電回路及び前記第1更新切換回路の双方で前記負荷に給電し、
前記既設給電回路での給電を停止して前記第1更新切換回路だけで前記負荷に給電し、
前記新設UPSから前記第2バイパス回路を経由し前記新設給電回路をバイパスし前記切換器及び前記切換盤を通して負荷に給電する第2更新切換回路の前記切換器までを充電状態とし、
前記第1更新切換回路での給電に代わり、充電状態となっている前記切換器までの前記第2更新切換回路を前記負荷に接続して前記第2更新切換回路だけで前記負荷に給電し、
前記新設給電回路を活かし前記第2更新切換回路及び前記新設給電回路の双方で前記負荷に給電し、
前記第2更新切換回路での給電を停止し前記新設給電回路だけで前記負荷に給電し、
前記コネクタ接続の前記既設UPS側の前記既設ケーブルを切断し、
前記既設UPS、前記既設ケーブル、前記第1更新切換回路及び前記第2更新切換回路を撤去して前記既設UPSを前記新設UPSに更新することを特徴とするUPS更新方法。
【請求項2】
遮蔽層を有するケーブルの前記コネクタ接続は、
被覆貫通型コネクタを用いて前記コネクタの接続箇所において前記既設給電回路における充電状態の既設ケーブルの外皮を除去し、
さらに紙テープを除去して前記遮蔽層を剥き出しにし、
前記コネクタの接続箇所において前記新設給電回路における非充電状態の新設ケーブルを前記既設ケーブルに並べて配置し前記新設ケーブルの外皮及び紙テープを除去して遮蔽層を剥き出しにし、
前記既設UPS側の前記既設ケーブルの遮蔽層と前記新設UPS側の前記新設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続するとともに前記新設UPS側の前記新設ケーブルの遮蔽層と前記負荷側の前記既設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続し、
前記コネクタの接続箇所における前記既設ケーブル及び前記新設ケーブルの遮蔽層を剥がして絶縁層を露出させ、
前記既設ケーブル及び前記新設ケーブルの絶縁層を前記コネクタの導通刃で突き破り圧着して前記既設ケーブルの導体と前記新設ケーブルの導体とを電気的に接続し、
前記コネクタに接続された前記既設UPS側の前記既設ケーブルを切断し、
前記コネクタの接続箇所に絶縁処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のUPS更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷の運用を継続しながら無停電電源装置UPS(Uninterruptible Power Supply)(以下、UPSという)を更新するUPS更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、データセンターにおいては電源設備としてUPSが設けられている。UPSは、停電や瞬停などの電源トラブルが発生した場合であっても、負荷(電気機器)に高品質な電力を安定供給するものである。 UPSは、定期的に消耗品の交換をしたり、新規なものにリプレイスしたりすることが求められる。
【0003】
このようなUPSの更新をするにあたり、重要負荷に対しては電源の停止が難しいので、負荷に対する電力供給を停止せずに更新作業を行うことが求められる。すなわち、負荷への電力供給を継続しながら電源設備であるUPSを更新する負荷給電状態でのUPS更新工事が行われる。この負荷給電状態でのUPS更新工事では分電盤(負荷)へ電源を供給した状態で行われるので、負荷への電力供給の回路が充電された状態で作業を行う必要がある。
【0004】
ここで、UPSの更新に際し、負荷に対する安定的な電力供給を継続可能とするとともに、作業負担を軽減できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、更新対象となるUPSの負荷に、その他のUPSの出力交流を位相同期をとって融通させることにより、更新に際し、負荷に対する安定的な電力供給を継続可能とするとともに、作業負担を軽減することができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-163527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のものは、更新対象となるUPSの負荷にその他のUPSの出力交流を位相同期をとって融通させるものであるので、その他のUPSが必要となる。すなわち、既設UPSの負荷にその他のUPSから電力を供給し、その状態で既設UPSを取り外して新設UPSを新たに接続してUPS更新するものであり、その他のUPSが必要となる。
【0007】
また、負荷給電状態で既設UPSから新設UPSへのUPS更新を行う従来のUPS更新方法として、既設UPSから既設ケーブルを通って負荷に電力を給電する既設給電回路にバイパス回路を構築して、新設UPSから新設ケーブルを通って負荷に電力を給電する新設給電回路に更新するようにしたものがある。
【0008】
図8乃至図10は、負荷給電状態でUPS更新工事を行う従来のUPS更新方法の一例を示す各工程の回路図であり、図8は第1工程から第3工程の回路図、図9は第4工程から第6工程の回路図、図10は第7工程から第9工程の回路図である。
【0009】
図8(a)は従来の第1工程の回路図でありUPS更新前の状態を示す。既設UPS11はスイッチS1、S2を有し、スイッチS1は既設UPS11から既設ケーブル12を介して負荷14に電力を給電する際に使用される本スイッチであり、スイッチS2は予備スイッチである。予備スイッチS2は後述のバイパス回路を構築する際に使用される。従来の第1工程では、既設UPS11の本スイッチS1がオンし、既設UPS11から既設ケーブル12を通って分電盤13を介して負荷14に電力を給電する既設給電回路で負荷14に電力が給電される。電力は矢印A方向に給電される。
【0010】
図8(b)は従来の第2工程の回路図であり、図8(a)の回路に対して、新設UPS15からの新設ケーブル16を既設ケーブル12に接続箇所17で接続し、新設UPS15から新設ケーブル16及び接続箇所17を通って分電盤13を介して負荷14に電力を給電する新設給電回路を構築するとともに、バイパス回路を構築したものである。接続箇所17では既設ケーブル12及び新設ケーブル16の導体をむき出しにして圧着端子で接続している。
【0011】
新設UPS15は、スイッチS4、S5を有し、スイッチS4は新設UPS15から新設ケーブル16を介して負荷14に電力を給電する際に使用される本スイッチであり、スイッチS5は予備スイッチである。予備スイッチS5はバイパス回路を構築する際に使用される。
【0012】
バイパス回路は、切換器18、第1仮設ケーブル20、第2仮設ケーブル21、第3仮設ケーブル22、追加接続箇所19から構成され、バイパス回路は、既設給電回路をバイパスする第1バイパス回路と新設給電回路をバイパスする第2バイパス回路とからなる。第1バイパス回路は、既設UPS11の予備スイッチS2→第1仮設ケーブル20→切換器18→第3仮設ケーブル22→追加接続箇所19の回路であり、第2バイパス回路は、新設UPS15の予備スイッチS5→第2仮設ケーブル21→切換器18→第3仮設ケーブル22→追加接続箇所19の回路である。
【0013】
切換器18は、負荷14の稼働に影響しない極短い時間で、第1仮設ケーブル20または第2仮設ケーブル21を第3仮設ケーブル22に接続する切換器であり、第1バイパス回路と第2バイパス回路とを切り換えるものである。切換器18の出力端子は第3仮設ケーブル22に接続され、第3仮設ケーブル22は既設ケーブル12に追加接続箇所19で圧着端子で接続されている。このように、第1バイパス回路は既設UPS11の予備スイッチS2と追加接続箇所19との間に切換器18を介して構築され、第2バイパス回路は新設UPS15の予備スイッチS5と追加接続箇所19との間に切換器18を介して構築される。
【0014】
第1バイパス回路は既設給電回路(既設ケーブル12)をバイパスし、第1バイパス回路にて既設UPS11から負荷14に給電している状態で既設ケーブル12を切断できるようにするためのものである。第2バイパス回路は新設給電回路(新設ケーブル16)をバイパスし、第2バイパス回路にて負荷14に給電している状態で新設UPS15から新設ケーブル16を負荷14に接続できるようにするためのものである。
【0015】
切換器18はスイッチS3を有し、スイッチS3は既設UPS11の予備スイッチS2に接続された第1仮設ケーブル20と新設UPS15の予備スイッチS5に接続された第2仮設ケーブル21とを切り換えて、追加接続箇所19に接続された第3仮設ケーブル22に接続するものである。図8(b)では、スイッチS3は第1仮設ケーブル20に接続されている場合を示している。
【0016】
図8(c)は従来の第3工程の回路図であり、図8(b)の回路に対して、切換器18のスイッチS3は第1仮設ケーブル20を第3仮設ケーブル22に接続し、既設UPS11の予備スイッチS2をオンしたものである。すなわち、既設UPS11の本スイッチS1から負荷14への電力供給の既設給電回路に加え、既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1バイパス回路も活かした状態を示している。
【0017】
この第3工程の状態では、既設UPS11の本スイッチS1がオンしているので、既設給電回路(既設UPS11の本スイッチS1→既設ケーブル12→接続箇所17→分電盤13→負荷14)で負荷14に給電されている(矢印A方向)。また、切換器18のスイッチS3は第3仮設ケーブル22を第1仮設ケーブル20に接続した状態であり、さらに、既設UPS11の予備スイッチS2がオンした状態であるので、既設UPS11の予備スイッチS2から第1バイパス回路で負荷14に給電されている(矢印B1、B2方向)。
【0018】
すなわち、この第3工程の状態では、既設UPS11の本スイッチS1のオンによる既設UPS11から負荷14への既設給電回路、及び既設UPS11の予備スイッチS2のオンによる既設UPS11から負荷14への第1バイパス回路の双方で既設UPS11から負荷14に給電されている。
【0019】
図9(d)は従来の第4工程の回路図であり、図8(c)の回路に対して、既設UPS11の本スイッチS1をオフし、既設UPS11の本スイッチS1から負荷14への既設給電回路を停止した状態を示している。この第4工程では、既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1バイパス回路だけで負荷14に給電されている。
【0020】
図9(e)は従来の第5工程の回路図であり、図9(d)の回路に対して、新設UPS15の予備スイッチS5をオンし、新設UPS15から切換器18のスイッチS3までの第2仮設ケーブル21を充電状態とした状態である。切換器18のスイッチS3は第1仮設ケーブル20と第3仮設ケーブル22とを接続した状態であるので、既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1バイパス回路だけで負荷14に給電されている。
【0021】
図9(f)は従来の第6工程の回路図であり、図9(e)の回路に対して、切換器18のスイッチS3を第1仮設ケーブル20から第2仮設ケーブル21に切り換えた状態である。新設UPS15は予備スイッチS5がオンであることから第2仮設ケーブル21は充電状態にあり、切換器18のスイッチS3が第2仮設ケーブル21を第3仮設ケーブル22に接続されると、新設UPS15の予備スイッチS5から第2バイパス回路が形成されて、新設UPS15から負荷14に給電される(矢印C1、C2方向)。つまり、第2仮設ケーブル21を第3仮設ケーブル22に接続することによって、既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1バイパス回路に代えて、新設UPS15の予備スイッチS5から負荷14への第2バイパス回路で負荷14に給電している状態となる。
【0022】
図10(g)は従来の第7工程の回路図であり、図9(f)の回路に対して、新設UPS15の本スイッチS4がオンし、新設UPS15から新設ケーブル16を通って接続箇所17及び分電盤13を介して負荷14に電力を給電する新設給電回路が形成された状態を示している。この従来の第7工程では、新設UPS15の予備スイッチS5から第2バイパス回路を通って負荷14に給電される(矢印C1、C2方向)とともに、新設UPS15の本スイッチS4から新設ケーブル16を通って負荷14に電力が給電される(矢印D方向)。
【0023】
図10(h)は従来の第8工程の回路図であり、図10(g)の回路に対して、スイッチS3は第2仮設ケーブル21に接続されているままの状態とし、新設UPS15の予備スイッチS5をオフし、新設UPS15から負荷14への第2バイパス回路での電力の給電を停止したものである。これにより、新設UPS15の本スイッチS4から新設ケーブル16を通って負荷14に電力を給電する新設給電回路だけで負荷14に電力が給電される(矢印D方向)。また、接続箇所17と追加接続箇所19の間の既設ケーブル12をX箇所で切断した状態である。これにより、既設UPS11は分電盤13から切り離される。
【0024】
図10(i)は従来の第9工程の回路図であり、図10(h)の回路に対して、既設UPS11及び追加接続箇所19を撤去するともに、追加接続箇所19に接続された第3仮設ケーブル22を撤去し、さらに、切換器18を撤去するとともに切換器18に接続された第1仮設ケーブル20、第2仮設ケーブル21を撤去したものである。これにより、図8(a)に示した既設UPS11から既設ケーブル12を通って分電盤13を介して負荷14に電力を給電する既設給電回路から、新設UPS15の本スイッチS4から新設ケーブル16を通って負荷14に電力を給電する新設給電回路に切り換わり、既設UPS11から新設UPS15へのUPS更新が完了する。
【0025】
しかし、このような負荷給電状態でUPS更新工事を行う従来のUPS更新方法では、図8(b)の従来の第2工程で示したように、新設給電回路を形成する際に新設UPS15からの新設ケーブル16を既設ケーブル12に接続箇所17で接続し、さらに、バイパス回路を構築する際に既存ケーブル12に第3仮設ケーブル22を追加接続箇所19で接続しなければならない。すなわち、充電された既設ケーブルの2箇所において接続をしなければならない。
【0026】
本発明の目的は、負荷に対する安定的な電力供給を継続しつつ、その他のUPSを必要とすることなく、しかも既設UPSを取り外して新設UPSを新たに接続する作業において1箇所での接続でUPS更新できるUPS更新方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1の発明に係るUPS更新方法は、既設UPSから既設ケーブルを通って負荷に電力を給電する既設給電回路を新設UPSから新設ケーブルを通って負荷に電力を給電する新設給電回路に更新する際にUPS更新対象の前記既設給電回路における充電状態の既設ケーブルを特定し、前記新設ケーブルを前記既設ケーブルにコネクタでコネクタ接続するとともに前記既設給電回路をバイパスする第1バイパス回路と前記新設給電回路をバイパスする第2バイパス回路とを切り換える切換器を設け前記新設ケーブルの前記新設UPSと前記コネクタとの間に前記新設UPSの接続先を前記コネクタまたは前記切換器に切り換えるための切換盤を設け、前記既設UPSから前記第1バイパス回路を経由し前記既設給電回路をバイパスし前記切換器及び前記切換盤を通して負荷に給電する第1更新切換回路を活かし前記既設給電回路及び前記第1更新切換回路の双方で前記負荷に給電し、前記既設給電回路での給電を停止して前記第1更新切換回路だけで前記負荷に給電し、前記新設UPSから前記第2バイパス回路を経由し前記新設給電回路をバイパスし前記切換器及び前記切換盤を通して負荷に給電する第2更新切換回路の前記切換器までを充電状態とし、前記第1更新切換回路での給電に代わり、充電状態となっている前記切換器までの前記第2更新切換回路を前記負荷に接続して前記第2更新切換回路だけで前記負荷に給電し、前記新設給電回路を活かし前記第2更新切換回路及び前記新設給電回路の双方で前記負荷に給電し、前記第2更新切換回路での給電を停止し前記新設給電回路だけで前記負荷に給電し、前記コネクタ接続の前記既設UPS側の前記既設ケーブルを切断し、前記既設UPS、前記既設ケーブル、前記第1更新切換回路及び前記第2更新切換回路を撤去して前記既設UPSを前記新設UPSに更新することを特徴とする。
【0028】
請求項2の発明に係るUPS更新方法は、請求項1の発明において、被覆貫通型コネクタを用いて前記コネクタの接続箇所において前記既設給電回路における充電状態の既設ケーブルの外皮を除去し、さらに紙テープを除去して前記遮蔽層を剥き出しにし、前記コネクタの接続箇所において前記新設給電回路における非充電状態の新設ケーブルを前記既設ケーブルに並べて配置し前記新設ケーブルの外皮及び紙テープを除去して遮蔽層を剥き出しにし、前記既設UPS側の前記既設ケーブルの遮蔽層と前記新設UPS側の前記新設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続するとともに前記新設UPS側の前記新設ケーブルの遮蔽層と前記負荷側の前記既設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続し、前記コネクタの接続箇所における前記既設ケーブル及び前記新設ケーブルの遮蔽層を剥がして絶縁層を露出させ、前記既設ケーブル及び前記新設ケーブルの絶縁層を前記コネクタの導通刃で突き破り圧着して前記既設ケーブルの導体と前記新設ケーブルの導体とを電気的に接続し、前記コネクタに接続された前記既設UPS側の前記既設ケーブルを切断し、前記コネクタの接続箇所に絶縁処理を施すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、切換器及び切換盤を設けて、既設UPSを新設UPSに更新する際に、新設ケーブルの一部をUPS更新作業に使用するので、既設ケーブルへの接続は1箇所で良い。また、負荷には常に既設UPSまたは新設UPSから給電されるように回路を切り換えるので、その他のUPSを必要とすることなく、UPS更新の作業中であっても負荷に対する安定的な電力供給を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施系に係るUPS更新方法の工程を示すフローチャート。
図2】本発明の実施形態に係るUPS更新方法の第1工程から第3工程の回路図。
図3】本発明の実施形態に係るUPS更新方法の第4工程から第6工程の回路図。
図4】本発明の実施形態に係るUPS更新方法の第7工程及び第8工程の回路図。
図5】本発明の実施形態に係るUPS更新方法の第9工程及び第10工程の回路図。
図6】本発明の実施形態におけるコネクタ接続工程を示すフローチャート。
図7】本発明の実施形態におけるコネクタ接続工程の各接続工程での既設ケーブル及び新設ケーブルのコネクタ接続箇所の平面図。
図8】負荷給電状態でUPS更新工事を行う従来のUPS更新方法の一例を示す第1工程から第3工程の回路図。
図9】負荷給電状態でUPS更新工事を行う従来のUPS更新方法の一例を示す第4工程から第6工程の回路図。
図10】負荷給電状態でUPS更新工事を行う従来のUPS更新方法の一例を示す第7工程から第9工程の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係るUPS更新方法の工程を示すフローチャートであり、図2乃至図5は、本発明の実施形態に係るUPS更新方法の各工程の回路図である。
【0032】
既設UPSから既設ケーブルを通って負荷に電力を給電する既設給電回路を、新設UPSから新設ケーブルを通って負荷に電力を給電する新設給電回路に更新する際には、まず、第1工程では、図1のステップR1に示すように、UPS更新対象の既設給電回路における充電状態の既設ケーブルを特定する(R1)。
【0033】
図2(a)は第1工程の状態を示す回路図であり、既設UPS11のスイッチS1がオンし、既設UPS11に接続された既設ケーブル12から分電盤13を介して負荷14に給電している状態では、既設UPS11から負荷14への電力は矢印A方向に供給されている。既設UPS11はスイッチS1、S2を有し、スイッチS1は既設UPS11から既設ケーブル12を介して負荷14に電力を給電する際に使用される本スイッチであり、スイッチS2は既設UPS11を新設UPSに更新する際に使用される予備スイッチである。従って、既設UPS11を新設UPSに更新しない状態(通常時)では、本スイッチS1をオンし予備スイッチS2はオフで使用される。
【0034】
次に、第2工程では、図1のステップR2に示すように、新設ケーブルを既設ケーブルにコネクタでコネクタ接続するとともに、既設給電回路をバイパスする第1バイパス回路と新設給電回路をバイパスする第2バイパス回路とを切り換える切換器を設け、新設ケーブルの新設UPSとコネクタとの間に新設UPSの接続先をコネクタまたは切換器に切り換えるための切換盤を設ける(R2)。
【0035】
図2(b)は第2工程の状態を示す回路図であり、図2(a)の状態において、新設UPS15が接続された非充電状態の新設ケーブル16を既設ケーブル12にコネクタ29でコネクタ接続し、新設UPS15から負荷14に電力を給電する新設給電回路を構築するとともに、既設UPS11を新設UPS15に更新するためのUPS更新回路を構築したものである。コネクタ29としては被覆貫通型コネクタを用いる。コネクタ接続の詳細については後述する。
【0036】
UPS更新回路は、コネクタ29、切換器18、切換盤23、第1仮設ケーブル20、第2仮設ケーブル21、第3仮設ケーブル22、新設ケーブル16から構成され、UPS更新回路は、既設UPS11の予備スイッチS2から第1バイパス回路を経由し既設給電回路をバイパスし切換器18及び切換盤23を介して新設ケーブル16を通して負荷14に給電する第1更新切換回路と、新設UPS15から第2バイパス回路を経由し新設給電回路をバイパスし切換器18及び切換盤23を通して負荷14に給電する第2更新切換回路とからなる。
【0037】
第1更新切換回路は、既設UPS11の予備スイッチS2→第1仮設ケーブル20→切換器18→第3仮設ケーブル22→切換盤23→新設ケーブル16→コネクタ29の回路であり、第2更新切換回路は、新設UPS15の本スイッチS4→切換盤23→第2仮設ケーブル21→切換器18→第3仮設ケーブル22→切換盤23→新設ケーブル16→コネクタ29の回路である。
【0038】
第1仮設ケーブル20は既設UPS11の予備スイッチS2と切換器18に接続され、第2仮設ケーブル21は切換器18と切換盤23のスイッチS6とに接続され、第3仮設ケーブル22は切換器18と切換盤23のスイッチS7とに接続される。切換器18のスイッチS3は、第3仮設ケーブル22の接続を第1仮設ケーブル20または第2仮設ケーブル21のいずれかに切り換えるものであり、図2(b)の状態では第1仮設ケーブル20に接続されている状態を示している。また、切換盤23のスイッチS8は新設UPS15の本スイッチS4に接続される。さらに、コネクタ29からの新設ケーブル16は切換盤23のスイッチS8を介して新設UPS15の本スイッチS4に接続される。
【0039】
この第2工程の状態では、既設UPS11の本スイッチS1がオンしているので既設給電回路が形成されている。すなわち、既設UPS11から既設ケーブル12を通りコネクタ29及び分電盤13を介して負荷14に給電されている状態であり、既設UPS11から負荷14への電力は矢印A方向に供給されている。一方、新設UPS15の主スイッチS4、予備スイッチS5、切換盤23のスイッチS6~S8はオフであるが、コネクタ29で既設ケーブル12に接続されているので、新設ケーブル16は充電状態である。
【0040】
次に、第3工程では、図1のステップR3に示すように、既設UPSから第1バイパス回路を経由し既設給電回路をバイパスし切換器及び切換盤を通して負荷に給電する第1更新切換回路を活かし、既設給電回路及び第1更新切換回路の双方で負荷に給電する(R3)。
【0041】
図2(c)は第3工程の状態を示す回路図であり、既設UPS11から負荷14への電力供給の既設給電回路(矢印Aの回路)に加え、既設UPS11から負荷14への第1更新切換回路(矢印B1~B6の回路)を構築した状態を示している。第1更新切換回路は、前述したように、既設UPS11の予備スイッチS2から第1バイパス回路を経由し既設給電回路をバイパスし、切換器18及び切換盤23を介して新設ケーブル16を通して負荷14に給電する回路である。この第3工程の状態は、既設UPS11から既設給電回路及び第1更新切換回路の双方で負荷14に給電している状態である。
【0042】
次に、第4工程では、図1のステップR4に示すように、既設給電回路での給電を停止して第1更新切換回路だけで負荷に給電する(R4)。
【0043】
図3(d)は第4工程の状態を示す回路図であり、既設UPS11のスイッチS1をオフし、既設UPS11の主スイッチS1から負荷14への電力供給の既設給電回路を停止し、既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1更新切換回路だけで負荷14に給電している状態である。
【0044】
次に、第5工程では、図1のステップR5に示すように、新設UPSから第2バイパス回路を経由し新設給電回路をバイパスし切換器及び切換盤を通して負荷に給電する第2更新切換回路の切換器までを充電状態とする(R5)。
【0045】
図3(e)は第5工程の状態を示す回路図であり、図3(d)に示した第4工程の状態から新設UPS15の本スイッチS4及び切換盤23のスイッチS6をオンし、新設UPS15から切換器18までの第2仮設ケーブル21を充電状態とした状態である。切換器18のスイッチS3は第1仮設ケーブル20と第3仮設ケーブル22とを接続した状態であるので、新設UPS15から負荷14には電力は供給されない。既設UPS11の予備スイッチS2から負荷14への第1更新切換回路で負荷14に給電される。
【0046】
次に、第6工程では、図1のステップR6に示すように、第1更新切換回路での給電に代わり、充電状態となっている切換器までの第2更新切換回路を負荷に接続して第2更新切換回路だけで負荷に給電する(R6)。
【0047】
図3(f)は第6工程の状態を示す回路図であり、図3(e)に示した第5工程の状態から、切換器18のスイッチS3は第2仮設ケーブル21を第3仮設ケーブル22に接続する。すなわち、切換器18のスイッチS3は第3仮設ケーブル22への接続を第1仮設ケーブル20から第2仮設ケーブル21に切り換えた状態である。すなわち、新設UPS15は主スイッチS4及び切換盤23のスイッチS6がオンであることから第2仮設ケーブル21は充電状態にあり、切換器18のスイッチS3が第2仮設ケーブル21を第3仮設ケーブル22に接続することにより、新設UPS15から負荷14への第2更新切換回路が形成される。これにより、新設UPS15の本スイッチS4から負荷14への電力は矢印C1~C8方向に給電され、既設UPS11から負荷14には電力は供給されていない。
【0048】
次に、第7工程では、図1のステップR7に示すように、新設給電回路を活かし第2更新切換回路及び新設給電回路の双方で負荷に給電する(R7)。
【0049】
図4(g)は第7工程の状態を示す回路図であり、図3(f)に示した第6工程の状態から、切換盤23のスイッチS8をオンし、新設給電回路を形成した状態である。従って、新設UPS15から第2更新切換回路及び新設給電回路の双方で負荷14に給電している状態となり、新設UPS15の本スイッチS4から負荷14への給電は、第2更新切換回路での矢印C1~C8方向に加え、新設給電回路での矢印D1からD4方向となる。なお、矢印D1は矢印C1と重複し、矢印D3は矢印C7と重複し、矢印D4は矢印C8と重複している。
【0050】
次に、第8工程では、図1のステップR8に示すように、第2更新切換回路での給電を停止し新設給電回路だけで負荷に給電する(R8)。
【0051】
図4(h)は第8工程の状態を示す回路図であり、図4(g)に示した第7工程の状態から、切換盤23のスイッチS6とスイッチS7をオフし、新設給電回路だけで負荷14に給電している状態である。新設UPS15の本スイッチS4から負荷14への給電は、新設給電回路での矢印D1からD4方向である。なお、既設UPS11の予備スイッチS2もオフさせる。
【0052】
次に、第9工程では、図1のステップR9に示すように、コネクタ接続の既設UPS側の既設ケーブルを切断する(R9)。
【0053】
図5(i)は第9工程の状態を示す回路図であり、図4(h)に示した第8工程の状態から、コネクタ29に接続される既設UPS11側の既設ケーブル12をX箇所で切断した状態である。これにより、既設UPS11は分電盤13から切り離される。この場合、新設給電回路だけで負荷14に給電している状態である。新設UPS15の本スイッチS4から負荷14への電力は、新設給電回路での矢印D1からD4方向である。
【0054】
次に、第10工程では、図1のステップR10に示すように、既設UPS、既設ケーブル、第1更新切換回路及び第2更新切換回路を撤去して既設UPSを新設UPSに更新する(R10)。
【0055】
図5(j)は第10工程の状態を示す回路図であり、図5(i)に示した第9工程の状態から、既設UPS11、既設ケーブル12、第1仮設ケーブル20、第2仮設ケーブル21、第3仮設ケーブル22、切換器18を撤去した状態である。第1仮設ケーブル20、第2仮設ケーブル21、第3仮設ケーブル22、切換器18を撤去することによって、第1更新切換回路及び第2更新切換回路を撤去する。このように、負荷14に給電している状態を継続しながら既設UPS11から新設UPS15に更新することができる。
【0056】
次に、遮蔽層を有する既設ケーブル12と新設ケーブル16のコネクタ29のコネクタ接続について説明する。図6は本発明の実施形態におけるコネクタ接続工程を示すフローチャート、図7は本発明の実施形態におけるコネクタ接続工程の各接続工程での既設ケーブル及び新設ケーブルのコネクタ接続箇所の平面図である。
【0057】
まず、第1接続工程では、図6のステップT1に示すように、コネクタの接続箇所において既設給電回路における充電状態の既設ケーブルの外皮を除去する(T1)。
【0058】
図7(a)は第1接続工程の状態を示す平面図であり、コネクタの接続箇所で既設給電回路における充電状態の既設ケーブル12の外皮(ビニールシース)24を除去した状態を示している。すなわち、既設UPSから既設ケーブル12を通って分電盤を介して負荷に電流が流れている状態において、コネクタを接続する箇所の既設ケーブル12の外皮24を除去する。既設ケーブル12の外皮24を除去することによって紙テープ25が露出する。
【0059】
次に、第2接続工程では、図6のステップT2に示すように、図7(a)に示した第1接続工程の状態から、さらに紙テープを除去して遮蔽層を剥き出しにする(T2)。
【0060】
図7(b)は第2接続工程の状態を示す平面図であり、紙テープ25を除去することにより遮蔽層26が露出する。遮蔽層26は金属であり、接地と静電遮蔽の役割を持っている。
【0061】
次に、第3接続工程では、図6のステップT3に示すように、図7(b)に示した第2接続工程の状態から、コネクタの接続箇所において新設給電回路における非充電状態の新設ケーブルを既設ケーブルに並べて配置し新設ケーブルの外皮及び紙テープを除去して遮蔽層を剥き出しにする(T3)。
【0062】
図7(c)は第3接続工程の状態を示す平面図であり、コネクタの接続箇所において既設ケーブル12と新設ケーブル16とを並べて配置し、新設ケーブル16の外皮24及び紙テープ25を除去して遮蔽層26を剥き出しにする。これにより、既設ケーブル12及び新設ケーブル16ともにコネクタの接続箇所において遮蔽層26が剥き出しになる。
【0063】
次に、第4接続工程では、図6のステップT4に示すように、既設UPS側の既設ケーブルの遮蔽層と新設UPS側の新設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続するとともに、新設UPS側の新設ケーブルの遮蔽層と負荷側の既設ケーブルの遮蔽層とをボンド線で接続する(T4)。
【0064】
図7(d)は第4接続工程の状態を示す平面図であり、既設UPS側の既設ケーブル12の遮蔽層26と、新設UPS側の新設ケーブル16の遮蔽層26とをボンド線27で接続する。これは、既設ケーブル12の遮蔽層26と新設ケーブル16の遮蔽層26とを電気的に接続するためである。また、新設UPS側の新設ケーブル16の遮蔽層26と既設負荷(分電盤)側の既設ケーブル12の遮蔽層26とをボンド線27で接続する。これは、次の第5接続工程T5において、遮蔽層26を除去した際に、既設UPS側の既設ケーブル12の遮蔽層26と負荷側の既設ケーブル12の遮蔽層26との電気的接続を維持するためである。
【0065】
次に、第5接続工程では、図6のステップT5に示すように、コネクタの接続箇所における既設ケーブル及び新設ケーブルの遮蔽層を剥がして絶縁層を露出させる(T5)。
【0066】
図7(e)は第5接続工程の状態を示す平面図であり、コネクタ接続箇所における既設ケーブル12の遮蔽層26を剥がして絶縁層28を露出させる。また、新設ケーブル16の遮蔽層26を剥がして絶縁層28を露出させる。これは、次の第6接続工程T6において、コネクタにより絶縁層28を貫いて既設ケーブル12の導体と新設ケーブル16の導体とを接続するためである。この場合、遮蔽層26を除去しておかないと遮蔽層26と既設ケーブル12及び新設ケーブル16の導体とが地絡状態となるのでそれを避けるためである。
【0067】
次に、第6接続工程では、図6のステップT6に示すように、既設ケーブル及び新設ケーブルの絶縁層をコネクタの導通刃で突き破り圧着して既設ケーブルの導体と新設ケーブルの導体とを電気的に接続する(T6)。
【0068】
図7(f)は第6接続工程の状態を示す平面図であり、既設ケーブル12及び新設ケーブル16の絶縁層28をコネクタ29の導通刃で突き破り、圧着して既設ケーブル12の導体と新設ケーブル16の導体とを電気的に接続する。この場合、遮蔽層26を除去した絶縁層をコネクタ29で突き破るのは、前述したように、遮蔽層26を除去しておかないと遮蔽層26と既設ケーブル12及び新設ケーブル16の導体とが地絡状態となるので、それを避けるためである。
【0069】
次に、第7接続工程では、図6のステップT7に示すように、コネクタに接続された既設UPS側の既設ケーブルを切断する(T7)。
【0070】
図7(g)は第7接続工程の状態を示す平面図であり、コネクタ29に接続される既設UPS側の既設ケーブル12を切断する。また、既設UPS側の既設ケーブル12の遮蔽層26と新設ケーブル16の遮蔽層26とを接続するボンド線27も除去する。これにより、分電盤には新設ケーブル16からコネクタ29を通って給電されることになる。
【0071】
次に、第8接続工程では、図6のステップT8に示すように、コネクタの接続箇所に絶縁処理を施す(T8)。
【0072】
図7(h)は第8接続工程の状態を示す平面図であり、コネクタ29の接続箇所に絶縁処理30を施す(T8)。すなわち、既設ケーブル12の遮蔽層26を剥がした絶縁層28と新設ケーブル16の遮蔽層26を剥がした絶縁層28とを導通刃で突き破ったコネクタ29、及び新設ケーブル16の遮蔽層26と既設ケーブル12の遮蔽層26とを電気的に接続したボンド線27を纏めて絶縁処理30を施す。これにより、コネクタ接続部を保護する。
【0073】
以上の説明では、遮蔽層を有する既設ケーブル12と新設ケーブル16とをコネクタ29でコネクタ接続する場合について説明したが、遮蔽層を有しない既設ケーブル12と新設ケーブル16とをコネクタ29でコネクタ接続する場合は、既設ケーブル12と新設ケーブル16とを外皮の上から被覆貫通型コネクタで接続する。すなわち、図6のステップT1~ステップT6に代えて、既設ケーブル及び新設ケーブルの外皮及び絶縁層をコネクタの導通刃で突き破り圧着して既設ケーブルの導体と新設ケーブルの導体とを電気的に接続することになる。
【0074】
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、新設ケーブル16を既設ケーブル12にコネクタ29でコネクタ接続するとともに、既設給電回路をバイパスする第1バイパス回路と新設給電回路をバイパスする第2バイパス回路とを切り換える切換器18を設け、新設UPS15とコネクタ29との間の新設ケーブル16に新設UPS15の接続先をコネクタ29または切換器18に切り換えるための切換盤23を設けたので、既設UPS11を新設UPS15に更新する際に、新設ケーブル16の一部をUPS更新の作業に使用できる。従って、既設ケーブル12への接続は1箇所で良い。
【0075】
すなわち、既設UPS11から負荷14に給電する既設給電回路に並列の第1更新切換回路を活かし、既設給電回路での給電を停止して第1更新切換回路だけで負荷に給電し、この状態で、新設UPS15を活かし、新設UPS15から負荷14に給電する第2更新切換回路の切換回路までを充電状態とし、第1更新切換回路での給電に代わり、第2更新切換回路を負荷14に接続し、新設UPS15から第2更新切換回路だけで負荷14に給電し、さらに、切換盤23により第2更新切換回路に並列に新設UPS15から負荷14に給電する新設給電回路を活かし、第2更新切換回路での給電を停止し新設UPS15から負荷14に給電する新設給電回路だけで負荷に給電する。従って、その他のUPSを必要とすることなく、UPS更新の作業中であっても負荷に対する安定的な電力供給を継続できる。
【0076】
また、新設UPS15から負荷14に給電する新設給電回路を残し、コネクタ接続の既設UPS11側の既設ケーブル12を切断するともに切換器18を撤去するので、その他のUPSを必要とすることなく既設UPS11を取り外して新設UPS15を新たに接続してUPSを更新できる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
11…既設UPS、12…既設ケーブル、13…分電盤、14…負荷、15…新設UPS、16…新設ケーブル、17…接続箇所、18…切換器、19…追加接続箇所、20…第1仮設ケーブル、21…第2仮設ケーブル、22…第3仮設ケーブル、23…切換盤、24…外皮、25…紙テープ、26…遮蔽層、27…ボンド線、28…絶縁層、29…コネクタ、30…絶縁処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10