(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】表示文字情報取得装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20220314BHJP
G09G 5/22 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G06Q30/04
G09G5/22 610Z
(21)【出願番号】P 2016154475
(22)【出願日】2016-08-05
【審査請求日】2019-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】516126137
【氏名又は名称】株式会社リアルタイプ
(74)【代理人】
【識別番号】100110191
【氏名又は名称】中村 和男
(72)【発明者】
【氏名】杉村 翔士
(72)【発明者】
【氏名】前田 剛男
(72)【発明者】
【氏名】久藤 和彦
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-155681(JP,A)
【文献】特開2005-266136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09G 5/22
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置であって、
前記ディスプレイに表示
されている文字の情報を取得する表示文字情報取得手段と、
実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字
が表示された場合、当該表示文字
が表示されたとして前記表示文字の数を計数する計数手段と、
計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録する記録手段と
を備えることを特徴とする表示文字情報取得装置。
【請求項2】
前記計数手段は、前記ディスプレイに表示された同じ前記表示文字については重複排除して前記表示文字の数を計数することを特徴とする請求項1記載の表示文字情報取得装置。
【請求項3】
前記記録手段に記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を課金する課金情報を処理する課金情報処理手段を備えることを特徴とする請求項1記載の表示文字情報取得装置。
【請求項4】
課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置の表示文字情報取得方法であって、
前記ディスプレイに表示
されている文字の情報を取得するステップと、
実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字
が表示された場合、当該表示文字
が表示されたとして前記表示文字の数を計数するステップと、
計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録するステップと
を備えることを特徴とする表示文字情報取得方法。
【請求項5】
コンピュータを、
課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置であって、前記ディスプレイに表示
されている文字の情報を取得する表示文字情報取得手段と、実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字
が表示された場合、当該表示文字
が表示されたとして前記表示文字の数を計数する計数手段と、計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録する記録手段とを備えることを特徴とする表示文字情報取得装置
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示文字情報取得装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webブラウザがサーバからフォントデータをダウンロードして、Webページに存在する文字にフォントを適用する。このようなフォントをWebフォントという。それとは別にフォントデータは文字体系ごとに用意されているのが一般的である。
【0003】
特許文献1には、複数の編集過程からなるドキュメントの編集処理のサービスに対する課金を行う課金装置が記載されている。特許文献1に記載の課金装置は、それぞれの編集過程にて外部指示されたドキュメントの編集内容を示すヒストリ情報を記憶するヒストリ記憶手段と、それぞれの編集過程に対応する料金テーブルを記憶する料金テーブル記憶手段と、上記ヒストリ記憶手段のヒストリ情報、及び上記料金テーブル記憶手段の料金テーブルから、上記編集処理によって得られたドキュメントに対する料金を算出する料金算出手段とを備える。特許文献1の明細書の段落[0048](5)には、入力文字数によってフォントに課金する旨が記載されている。
【0004】
特許文献2には、クライアント端末から文字列及びそのスタイルを受信する文字列受信手段と、受信したスタイルの文字列のフォントを読み出しフォントファイルを作成して保存するフォントファイル作成手段と、該フォントファイルのURLをクライアント端末に返答するURL返答手段とを備えるフォントサーバが記載されている。特許文献2に記載のフォントサーバは、表示に必要な重複排除文字数によって課金する旨が記載されている(明細書の段落[0017])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-216920号公報
【文献】特開2012-155681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の表示文字情報取得方法にあっては、たとえ端末にダウンロードしていても実際に表示に使わないにもかかわらず課金するのは文字の使用者の納得が得にくいという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、課金に際して文字の使用者の納得が得られやすい表示文字情報取得装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示文字情報取得装置は、課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置であって、前記ディスプレイに表示されている文字の情報を取得する表示文字情報取得手段と、実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字が表示された場合、当該表示文字が表示されたとして前記表示文字の数を計数する計数手段と、計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記計数手段は、前記ディスプレイに表示された同じ前記表示文字については重複排除して前記表示文字の数を計数することで、重複排除した表示文字の数で課金されるので、使用者が納得した課金となる効果がある。
【0011】
さらに、前記記録手段に記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を課金する課金情報を処理する課金情報処理手段を備えることで、実際に表示に使用した実績に基づいて課金するので表示文字の使用者の納得が得られやすい効果がある。
【0012】
本発明に係る表示文字情報取得方法は、課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置の表示文字情報取得方法であって、前記ディスプレイに表示されている文字の情報を取得するステップと、実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字が表示された場合、当該表示文字が表示されたとして前記表示文字の数を計数するステップと、計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録するステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンピュータを、課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置に接続される表示文字情報取得装置であって、前記ディスプレイに表示されている文字の情報を取得する表示文字情報取得手段と、実際に前記ディスプレイに一部であっても前記特定フォントを用いた表示文字が表示された場合、当該表示文字が表示されたとして前記表示文字の数を計数する計数手段と、計数した前記表示文字の数を、フォント使用実績として記録する記録手段とを備える表示文字情報取得装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、課金に際して文字の使用者の納得が得られやすい表示文字情報取得装置、方法及びプログラムを提供することができる。さらに、一部であっても表示文字を実際に表示すれば、特定フォントの使用と見なすことで、使用対象を明確にすることができ、確実な課金につなげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置の構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置のアプリケーション実行部、レイアウトエンジン、及び表示文字情報取得装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置の表示装置のディスプレイに表示された文字の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る表示文字情報取得装置の構成図である。一般に、フォントは、(1).特定のデザインポリシに従った文字図形をコンピュータ上で表現するための座標情報群と、(2).コンピュータ上で文字を表示するためのグリフ(Glyph)IDと文字コードの対応付け情報と、(3).文字が表示される環境に応じて、グリフIDと文字コードの対応付け情報の定義を超えて、収容された文字図形から最適な文字図形をコンピュータに選択させる環境情報(例えば横書き・縦書き時の、字形切り替え等)と、を組み合わせて持つデータである。コンピュータ等は、フォントをグリフID単位で管理する。グリフIDはフォント内の各文字図形に割り当てられた一意の番号である。
【0017】
図1に示すように、表示文字情報取得装置100は、描画装置10から表示文字情報を取得する。表示文字情報取得装置100は、入出力部150を介してインターネットなどのネットワーク30に接続される。ネットワーク30上には、フォントサーバ40が配置され、描画装置10は、フォントサーバ40からフォントデータをダウンロード可能となっている。表示文字情報取得装置100は、フォントデータをダウンロードしたフォントサーバ40に対し、課金情報を送信する(後記)。
なお、フォントを配信するフォントサーバ40と、フォントに課金するサーバとは必ずしも同じである必要はなく、別の場所に設置されていても構わない。
【0018】
<描画装置>
描画装置10は、課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイ21(後記)に表示する。
描画装置10は、アプリケーション実行部11と、レイアウトエンジン12と、を備え、表示装置20に表示データを出力する。
アプリケーション実行部11は、クライアントアプリケーションを実行する。クライアントアプリケーションは、Microsoft Word(登録商標)のようなOP(Operating System)上で動作するアプリケーションを指す。
レイアウトエンジン12は、アプリケーション実行部11から送出された文字図形情報や環境情報を元に、ディスプレイ21の画面に画像として表示する。具体的には、レイアウトエンジン12は、ディスプレイ21の画面に文字を表示するための文字コードと、描画される領域の環境と、上記フォントを組み合わせて画像化する機能を有する。例えば、レイアウトエンジン12は、文字列が描画される領域が縦書きであるという情報の取得や、縦書き時の行毎又は文字毎の回転、フォントの内容を取得してグリフIDを置き換える処理等を行う。レイアウトエンジン12の動作の詳細については後記する。
【0019】
<表示装置>
表示装置20は、ディスプレイ21やドライバ回路等(図示省略)を備え、描画装置10により描画処理された表示データをディスプレイ21に表示する。
【0020】
<表示文字情報取得装置>
表示文字情報取得装置100は、表示文字情報取得部110(表示文字情報取得手段)と、文字カウント部120(計数手段)と、課金情報処理部130(課金情報処理手段)と、記録部140(記録手段)と、入出力部150と、を備える。
【0021】
表示文字情報取得部110は、ディスプレイ21に表示する文字の情報を描画装置10から取得する。
文字カウント部120は、ディスプレイ21に表示された特定フォントを用いた表示文字の数をカウントする。より詳細には、文字カウント部120は、ディスプレイに一部であっても上記表示文字を表示した場合、当該表示文字を表示したとしてカウントする。文字カウント部120は、文書単位又はファイル単位での上記表示文字のカウントするのではなく、実際にディスプレイ21に表示した実績に基づいてカウントする。また、文字カウント部120は、ディスプレイ21に表示された同じ上記表示文字については重複排除して上記表示文字の数をカウントする。
【0022】
課金情報処理部130は、記録部140に記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を課金する課金情報を処理する。具体的には、課金情報処理部130は、記録部140に記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を、フォントの利用履歴として蓄積し、利用量に応じたフォント利用料金の課金情報を算出する。課金情報処理部130は、算出した課金情報を、例えば入出力部150を介してネットワーク30上のフォントサーバ40に送信する。本実施形態では、課金情報処理部130は、課金情報を送信するまでの処理を課金情報処理として実行する。なお、フォントサーバ40、又はフォントに課金するサーバは、表示文字情報取得装置100から送信された課金情報を基に、特定フォント利用者に対して、例えば所定期日毎に、使用者に対して課金(請求書発行など)を行うことができる。
【0023】
記録部140は、文字図形情報、及びフォントの利用履歴として蓄積されたフォント情報を記録する。また、記録部140は、ダウンロードしたフォント(フォントの文字コード)を記憶する。記録部140は、ハードディスクドライブ(HDD)等の外部記憶装置を含む。
【0024】
入出力部150は、データの入出力ポート及びインタフェースのほか、データ通信部としての機能を備える。入出力部150は、データ通信部としてネットワーク30に接続され、ネットワーク30を介してフォントサーバ40からフォントデータのダウンロード、及び課金情報要求を受信するとともに、この要求に対する応答として、算出した課金情報を送信する。
【0025】
図2は、表示文字情報取得装置100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、表示文字情報取得装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記録部140及び入出力部150を有し、システムバス104により相互に接続される。
CPU101は、表示文字情報取得装置100が備える各機能を実行、制御する。具体的には、CPU101は、表示文字情報取得部110、文字カウント部120及び課金情報処理部130の各機能を実行する。ROM102は、変更を必要としないプログラムや各種パラメータを格納する。RAM103は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を有し、外部記憶装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶する。入出力部150は、通信手段を含む各種インタフェースを介して表示文字情報取得装置100へのデータ取込、及びデータ送信を行う。後記する表示文字情報取得装置100の機能や処理は、CPU101がROM102等に格納されているプログラムを読み出してRAM103に展開し、CPU101が各種処理を実行する。
【0026】
なお、表示文字情報取得装置100は、PC等のコンピュータの機能として描画装置10と共に、実現されていてもよい。この場合、このコンピュータは、さらに
図1のアプリケーション実行部11及びレイアウトエンジン12を備え、CPU101が、アプリケーション実行部11及びレイアウトエンジン12を動作させる。
【0027】
また、表示文字情報取得装置100の表示文字情報取得方法は、ソフトウェアプログラムとしてこのコンピュータにインストールすることで本発明が機能する。本発明のソフトウェアプログラムは、例えばフォント販売業者がフォントデータと共に使用者に提供する。そして、このソフトウェアプログラムをユーザがインストールして、使用者に利用したフォントの利用料金を請求することになる。
【0028】
以下、上述のように構成された表示文字情報取得装置100の動作を説明する。
[全体動作]
図3は、アプリケーション実行部11、レイアウトエンジン12、及び表示文字情報取得装置100の動作を示すフローチャートである。本フローは、表示文字情報取得装置100のCPU101(
図2参照)がフォント要求プログラムを実行することにより行われる。
まず、ステップS11でアプリケーション実行部11(
図1参照)は、文字列を決定する。
ステップS12でアプリケーション実行部11は、領域サイズなどの環境情報を決定する。
ステップS13でアプリケーション実行部11は、描画に使用するフォントファイルを決定する。
ステップS14でアプリケーション実行部11は、描画処理に必要な情報をレイアウトエンジン12に送出する。
【0029】
ステップS21でレイアウトエンジン12(
図1参照)は、文字列を取得する。
ステップS22でレイアウトエンジン12は、環境情報を取得する。
ステップS23でレイアウトエンジン12は、描画に使用するフォントファイルを取得する。
ステップS24でレイアウトエンジン12は、描画を行う文字図形情報を決定する。レイアウトエンジン12は、文字列に割り当てられたフォントファイルと、フォント内で描画に利用するグリフID及び文字コードの情報(以下、文字図形情報という)を決定し、描画処理に渡す。
ステップS25でレイアウトエンジン12は、後記ステップS31を経由して渡された文字図形情報に基づいて、描画処理を行って本フローの処理を終了する。
【0030】
上記アプリケーション実行部11におけるステップS11~S14とレイアウトエンジン12におけるS21~S25は、従来技術であって、必ずしもこの構成である必要はない。すなわち、アプリケーション実行部11は、各種ユーザアプリケーションが用意されており使用者が選択して使用することができる。レイアウトエンジン12についても各種提供されている。
本発明は、表示文字情報取得装置100が実行する下記のステップS31,S32に特徴がある。
【0031】
上記ステップS24の文字図形情報の決定後、ステップS31で表示文字情報取得装置100の表示文字情報取得部110(
図1参照)は、描画される文字図形情報を取得する。
図3の例では、表示文字情報取得部110は、描画処理に向けて送出された文字図形情報を描画処理の前に取得する。
ステップS32で文字カウント部120(
図1参照)は、取得した文字図形情報を基に文字をカウントするとともに、記録部140(
図1参照)に記憶する。記録部140は、例えば外部記憶装置であり、取得された文字図形情報は、この外部記憶装置へ記録される。記録した文字図形情報は、フォントの利用履歴として蓄積され、主に、利用量に応じたフォント利用料金の課金に使用される。特に、課金に向いた記録方法では、例えばグリフID毎に重複排除して記録する(後記
図5参照)。
なお、上記ステップS25の描画処理は、後記ステップS31の下に配置されているが、上記ステップS24の下に上記ステップS25と後記ステップS31とが並列に配置されていても構わない。
【0032】
ここで、フォント内のどのグリフIDが利用されるかは、レイアウトエンジン12が決定する情報である。表示文字情報取得装置100は、レイアウトエンジン12と連携することで正しいグリフIDを取得して記録することができる。
表示文字情報取得装置100は、描画されるフォントと使われる文字図形情報をレイアウトエンジン12から取得することで、描画されたフォントとその文字図形情報を自動的に記録することができる。
【0033】
図4は、表示文字情報取得装置100の動作を示すフローチャートである。本フローは、
図3のステップS31,S32の詳細処理である。
図4に示すように、ステップS101で表示文字情報取得部110(
図1参照)は、描画される文字図形情報を取得する。より詳細には、表示文字情報取得部110は、実際に、表示装置20(
図1参照)のディスプレイ21に表示した表示文字の情報を取得する。ディスプレイ21に表示できる文字数は、あらかじめ分かっているので、表示文字情報取得部110は、その時点で実際に、ディスプレイ21に表示した表示文字の情報を取得することができる。ここで、「実際にディスプレイに表示」とは、その時点で実際に、ディスプレイ21に表示されている表示文字をいう。使用者操作によるスクロール等によって、次の文字列がディスプレイ21に表示されると、新たに表示された表示文字の情報が取得される。なお、一旦、ディスプレイ21に表示された表示文字は、その時点でカウントが済んでいるので、スクロール等によって該当表示文字がディスプレイ21上から消えてもカウント履歴は残る(ただし、重複排除の対象となる)。本表示文字情報取得方法によれば、ディスプレイ21の解像度や使用者操作の有無によって、表示実績が異なることを回避することができる。
なお、使用者が実際にディスプレイ21の表示文字を見たか否かは問わない。使用者が実際に表示を見たか否かを判断することは困難であることによる。逆に、描画の範囲に文字が存在して、本来ならば表示される文字であっても、ディスプレイ21に明示的に表示されない文字(例えば、使用許可がなく表示されないか、又はダミー表示等によってユーザが認識できない文字など)であれば、「実際にディスプレイに表示」されたものではないと判断する。
【0034】
図5は、表示装置20のディスプレイ21に表示された文字の一例を示す図である。
図5に示すように、ディスプレイ21には、該当文字A,B,C(このA,B,Cは特定フォントで表示された課金対象文字である)が表示されている。表示文字情報取得部110は、ディスプレイ21に表示した該当文字A,B,Cを含む文字の情報を取得する。
【0035】
図4のフローに戻って、ステップS102で文字カウント部120(
図1参照)は、取得した文字図形情報を基に表示文字をカウントする。詳細には、文字カウント部120は、ディスプレイ21に一部であっても表示文字を表示すればその表示文字を表示したとしてカウントする。また、文字カウント部120は、文書単位又はファイル単位で表示文字をカウントするのではなく、実際にディスプレイ21に表示した実績に基づいてカウントする。さらに、文字カウント部120は、同じ文字は重複排除して表示文字数をカウントする。
図5の例では、ディスプレイ21に表示した該当文字A,B,Cか表示文字数としてカウント対象となる。ただし、該当文字Bは、
図5に示すディスプレイ21に3箇所出現し、該当文字Cは、
図5に示すディスプレイ21に2箇所出現している。文字カウント部120は、同じ文字は重複排除して表示文字数をカウントするので、該当文字B,Cは表示文字数が1つずつとカウントされる。
図5の場合、該当文字A,B,Cは、合計で表示文字数「3」としてカウントされる。
【0036】
文字カウント部120は、実際にディスプレイ21に表示した実績に基づく表示文字数カウント情報を、使用実績として処理(リストアップなど)する。
ステップS103で文字カウント部120は、取得された文字図形情報と、上記表示文字数カウント情報を記録部140(
図1参照)に記録する。
【0037】
ステップS104で課金情報処理部130は、フォント利用料金の課金処理イベントがあるか否かを判定する。課金処理イベントは、1週間単位、1月単位、フォントの使用の時などがある。又は、表示文字情報取得装置100が、サーバ40からの課金情報の送信要求(例えば、フォントサーバ40が発行する。
図1の符号a参照)を受け付けた場合に課金処理イベントが生じる。
フォント利用料金の課金処理イベントがない場合(ステップS104:No)、本フローの処理を終了する。
【0038】
フォント利用料金の課金処理イベントがある場合(ステップS104:Yes)、ステップS105で課金情報処理部130は、課金情報の送信要求元(例えば、フォントサーバ40)に対し、入出力部150を介してフォントの利用履歴として蓄積された課金情報を送信(
図1の符号b参照)して本フローの処理を終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の表示文字情報取得装置100は、課金対象となる特定フォントを用いて文字を描画処理してディスプレイに表示する描画装置10に接続され、ディスプレイ21に表示する文字の情報を取得する表示文字情報取得部110と、ディスプレイ21に表示された特定フォントを用いた表示文字をカウントする文字カウント部120と、記録部140に記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を課金する課金情報を処理する課金情報処理部130と、文字図形情報、及びフォントの利用履歴として蓄積されたフォント情報を記録する記録部140と、を備える。
表示文字情報取得方法では、ディスプレイ21に表示する文字の情報を取得するステップと、ディスプレイ21に表示された特定フォントを用いた表示文字をカウントするステップと、文字図形情報、及びフォントの利用履歴として蓄積されたフォント情報を記録するステップと、記録したフォント使用実績に基づいて、特定フォントに対する料金を課金する課金情報を処理するステップと、を実行する。
【0040】
これにより、実際に表示に使用した実績に基づいて課金するので文字の使用者の納得が得られやすい効果がある。すなわち、たとえ端末にダウンロードしていても実際に表示に使わないにもかかわらず課金するのは文字の使用者の納得が得にくい。これに対して、本実施形態では、実際に表示に使用した実績に基づいて課金するので文字の使用者の納得が得られやすい。
【0041】
また、本実施形態では、文字カウント部120は、ディスプレイ21に一部であっても表示文字を表示すれば、当該表示文字を表示したとしてカウントする。一部であっても表示文字を実際に表示すれば、特定フォントの使用と見なすことで、使用対象を明確化し、確実な課金につなげることができる。
【0042】
また、本実施形態では、文字カウント部120は、文字カウント部120は、文書単位又はファイル単位での表示文字をカウントするのではなく、実際にディスプレイ21に表示した実績に基づいてカウントする。例えば、ファイルをダウンロードしただけでは課金されず、実際に表示に使用した実績に基づいて課金されるので、使用者が納得した課金となる効果がある。
【0043】
また、本実施形態では、文字カウント部120は、文字カウント部120は、ディスプレイ21に表示された同じ表示文字については重複排除して上記表示文字の数をカウントする。また、使用者操作によるスクロール等によって、該当表示文字がディスプレイ21上から消えた場合でも重複排除の対象となる。ディスプレイ21に同じ表示文字が繰り返し表示されることはよくある。このような場合、重複排除した表示文字の数で課金されるので、使用者が納得した課金となる効果がある。
【0044】
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
また、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0045】
また、上記実施の形態では、表示文字情報取得装置及び表示文字情報取得方法という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、装置の名称はフォント配信装置、方法の名称はWebフォント管理方法等であってもよい。
【0046】
以上説明した表示文字情報取得処理は、この表示文字情報取得処理を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【0047】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的又は個別に実行される処理をも含むものである。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 描画装置
11 アプリケーション実行部
12 レイアウトエンジン
20 表示装置
21 ディスプレイ
30 ネットワーク
40 フォントサーバ
100 表示文字情報取得装置
110 表示文字情報取得部(表示文字情報取得手段)
120 文字カウント部(計数手段)
130 課金情報処理部(課金情報処理手段)
140 記録部(記録手段)
150 入出力部(データ通信部)