(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 17/32 20060101AFI20220314BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20220314BHJP
B41J 2/325 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B41J17/32 Z
B41J3/36 Z
B41J2/325 A
(21)【出願番号】P 2017185373
(22)【出願日】2017-09-26
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角井 康之
(72)【発明者】
【氏名】陣内 孝賢
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-070964(JP,U)
【文献】特開平10-016340(JP,A)
【文献】特開平02-081662(JP,A)
【文献】実開平05-095753(JP,U)
【文献】特開平11-236142(JP,A)
【文献】特開2013-032016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 17/32
B41J 3/36
B41J 2/325
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体に印字を行う印字部と、
前記印字部に供給されるインクリボンを保持するリボン供給軸と、
使用済の前記インクリボンを巻き取るリボン巻取軸と、
揺動自在に設けられ、前記印字部を構成するサーマルヘッドを有する印字ユニットと、
前記印字ユニットに揺動自在に設けられ、前記インクリボンと前記印字媒体との間を仕切る仕切部材と、
前記リボン供給軸及び前記リボン巻取軸が装着又は離脱される着脱機構と、
を備え、
前記リボン供給軸は、前記仕切部材に設けられ、
前記着脱機構は、
前記リボン供給軸の少なくとも一方の端部側において前記リボン供給軸の外周の一部分に沿って形成された切欠部と、
前記リボン供給軸の外周が通過可能に前記切欠部に形成された開口部と、
前記切欠部に装着された前記リボン供給軸を前記開口部に向けて押し出す押出部と、
前記押出部により前記リボン供給軸が押し出される際に、前記開口部の広がりを規制する規制部と、
を備えた、プリンタ。
【請求項2】
請求項
1に記載のプリンタであって、
前記押出部の一端に、前記押出部を前記切欠部に当接した前記リボン供給軸の軸方向に交差する方向に揺動させるための揺動軸を備え、
前記押出部は、前記揺動軸において揺動自在に取り付けられた、プリンタ。
【請求項3】
請求項
2に記載のプリンタであって、
前記揺動軸を介して前記押出部の反対側に延びるように形成された操作部を備えた、プリンタ。
【請求項4】
請求項
2に記載のプリンタであって、
前記揺動軸に対して前記押出部と同じ側に延びるように形成された操作部を備えた、プリンタ。
【請求項5】
請求項
3に記載のプリンタであって、
前記揺動軸における前記押出部と前記操作部とのなす角が鋭角となるように形成された、プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印字部に供給されるインクリボンをロール状に保持するリボン供給軸と、使用済のインクリボンを巻き取るリボン巻取軸と、を備え、インクリボンを熱してインクリボンのインクを印字媒体に転写して印字する熱転写方式のプリンタが開示されている。
【0003】
特許文献1のプリンタでは、インクリボンの交換の際に、新たなインクリボンを供給軸から巻取軸に架け渡ししやすいように、インクリボンの挿通路が拡がるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のプリンタでは、インクリボンが巻回されたスプール軸の両端は、スプール軸装着部によって挟持されている。スプール軸装着部は、コイルバネを備え、スプール軸を両端から内側に向けて付勢している。
【0006】
このため、スプール軸を取り替える際には、スプール軸の一方の端部をコイルバネを縮める方向に移動させて、他方の端部をスプール軸装着部から離脱させた後、スプール軸を抜き出すことが必要である。
【0007】
特許文献1のプリンタによれば、使用者によるインクリボンの架け渡し作業は、行い易くなったものの、使用者は、印字ユニットが開放された状態の限られたスペースを使って上述したようなスプール軸の着脱操作を行わなければならない。このため、スプール軸の着脱操作には、依然として改良の余地が残されていた。
【0008】
そこで、本発明は、インクリボンの交換作業性を向上できるプリンタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、印字媒体に印字を行う印字部と、前記印字部に供給されるインクリボンを保持するリボン供給軸と、使用済の前記インクリボンを巻き取るリボン巻取軸と、揺動自在に設けられ、前記印字部を構成するサーマルヘッドを有する印字ユニットと、前記印字ユニットに揺動自在に設けられ、前記インクリボンと前記印字媒体との間を仕切る仕切部材と、前記リボン供給軸及び前記リボン巻取軸が装着又は離脱される着脱機構と、を備え、前記リボン供給軸は、前記仕切部材に設けられ、前記着脱機構は、前記リボン供給軸の少なくとも一方の端部側において前記リボン供給軸の外周の一部分に沿って形成された切欠部と、前記リボン供給軸の外周が通過可能に前記切欠部に形成された開口部と、前記切欠部に装着された前記リボン供給軸を前記開口部に向けて押し出す押出部と、前記押出部により前記リボン供給軸が押し出される際に、前記開口部の広がりを規制する規制部と、を備えたプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プリンタにおけるインクリボンの交換作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るプリンタ100のカバー11及び印字ユニット30を開放した状態を示す概略構成図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るプリンタ100のリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、リボン供給軸33を説明する斜視図である。
【
図6】
図6は、リボン巻取軸34を説明する斜視図である。
【
図7】
図7は、リボン供給軸33及びリボン巻取軸34を、
図4に示す矢印VII方向からみた側面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構401を覆うカバー401Cを取り外した状態を示す側面図である。
【
図9】
図9は、
図8に示したリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構401,402から後述の押出部を取り外した状態を示す側面図である。
【
図10】
図10は、リボン供給軸33における着脱機構401を
図8における矢印X方向からみて、要部を拡大して示す斜視図である。
【
図11】
図11は、リボン巻取軸34における着脱機構402を
図8における矢印XI方向からみて、要部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係るプリンタ100について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の斜視図である。また、
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
【0014】
プリンタ100は、インクリボンRを熱してインクリボンRのインクを印字媒体Mに転写することで印字を行う熱転写方式のプリンタである。印字媒体Mは、例えば、帯状の台紙に複数のラベルが連続して仮着されたラベル連続体である。
【0015】
プリンタ100は、
図1、
図2に示すように、筐体10と、筐体10の開口部を覆うカバー11と、を備える。ここで、筐体10には、プリンタ100本体を構成する内部構造の一部も含まれる。
【0016】
印字媒体Mは、
図2に示すように、ロール状に巻き回された状態で媒体供給軸12に保持される。なお、印字媒体Mとして、台紙なしラベルやファンフォールド型媒体を使用することもできる。
【0017】
カバー11は、筐体10に設けられた支持軸13により一端側の端部が揺動自在に支持される。カバー11は、支持軸13を支点として揺動させることで、筐体10の開口部を閉止する閉止状態(
図2参照)と、開放する開放状態(
図3参照)と、を切り替えることができる。
【0018】
筐体10には、カバー11を閉止状態に維持するロック機構(図示せず)が設けられる。ロック機構は、
図1に示すレバー14を操作することで解除される。
【0019】
カバー11の他端側の端部と筐体10との間には、
図2に示す印字部15で印字された印字媒体Mがプリンタ100から排出される排出口16が形成される。
【0020】
本実施形態のカバー11には、排出口16に臨むカッタ17が取り付けられる。これにより、排出口16から排出された印字済の印字媒体Mを切断することができる。なお、カバー11には、カッタ17に代えて、剥離ユニットや検証機等の他の様々なユニットを取り付けることができる。
【0021】
また、カバー11には、プリンタ100を操作するための操作ユニット19が設けられる。操作ユニット19は、各種操作ボタン、ディスプレイ、近距離無線通信モジュール、LED等を有する。ディスプレイは、タッチパネルであってもよい。
【0022】
プリンタ100の内部には、印字媒体Mに印字を行うための印字ユニット30、プリンタ100の動作を制御するコントローラ40等が収容される。
【0023】
印字ユニット30は、一端側が支持軸13に揺動自在に支持される本体部31と、本体部31に取り付けられるサーマルヘッド32と、を備える。
【0024】
サーマルヘッド32は、筐体10に設けられたプラテンローラ20とともに、印字媒体Mに印字を行う印字部15を構成する。
【0025】
また、印字ユニット30は、印字部15に供給されるインクリボンRをロール状に保持するリボン供給軸33と、使用済のインクリボンRを巻き取るリボン巻取軸34と、インクリボンRと印字媒体Mとの間を仕切る仕切部材35と、リボン供給軸33から印字部15へのインクリボンRの搬送路を規定するガイド軸36と、印字部15からリボン巻取軸34へのインクリボンRの搬送路を規定するガイド軸37と、を備える。リボン供給軸33は、仕切部材35に着脱可能に取り付けられている。なお、本実施形態のインクリボンRは、インクが塗布された面が外側になる表巻きのインクリボンである。
【0026】
印字媒体Mは、媒体供給軸12から印字部15に供給され、サーマルヘッド32とプラテンローラ20との間にインクリボンRとともに挟持される。
【0027】
印字媒体M及びインクリボンRがサーマルヘッド32とプラテンローラ20との間に挟持された状態でサーマルヘッド32の発熱素子への通電が行われると、発熱素子の熱によってインクリボンRのインクが印字媒体Mに転写され、印字媒体Mへの印字が行われる。
【0028】
また、プラテン駆動モータ(図示せず)によってプラテンローラ20を正回転させると、印字媒体M及びインクリボンRが搬送方向下流側へと搬送されて印字媒体Mが排出口16からプリンタ100の外部に排出される。
【0029】
また、
図2に示すように、プリンタ100は、反射センサ21を備える。反射センサ21は、印字媒体Mの印字が施される面とは反対側の面に所定の間隔で予め印刷されているアイマークを検出するセンサである。これにより、印字媒体Mの搬送方向における位置を検出することができる。
【0030】
また、プリンタ100は、搬送方向における印字媒体Mの位置を検出する透過センサ22を備える。
【0031】
透過センサ22は、所定の光を出射する発光部としての発光ユニット22aと、発光ユニット22aから出射された光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光部としての受光ユニット22bと、を有するセンサである。
【0032】
例えば、印字媒体Mが、帯状の台紙に複数のラベルが所定の間隔で連続して仮着されたラベル連続体である場合は、隣り合う2つのラベルの間には、台紙のみの部分が存在する。
【0033】
ラベルが存在する部分と台紙のみの部分とでは、発光ユニット22aから出射された光の透過量が異なるので、受光ユニット22bが受光する光の強度が変化する。これにより、透過センサ22は、搬送方向における印字媒体Mの位置を検出することができる。
【0034】
仕切部材35は、
図2に示すように、ベース部35aと、ベース部35aの一端側に設けられた軸部35bと、リボン供給軸33を軸部35bと平行且つ回転自在に支持する支持部35cと、軸部35bの中央部に形成された係合部35eと、を有する。
【0035】
仕切部材35は、軸部35bにより本体部31に揺動自在に支持される。
【0036】
また、
図2に示すように、仕切部材35のベース部35aは、筐体10に設けられた反射センサ21と対向する位置まで延伸している。これにより、反射センサ21と仕切部材35における反射センサ21と対向する部位との間に、印字媒体Mの搬送路が形成される。
【0037】
反射センサ21は、印字媒体Mの印字が施される面とは反対側の面に所定の間隔で予め印刷されているアイマークを検出するセンサである。これにより、印字媒体Mの搬送方向における位置を検出することができる。
【0038】
係合部35eは、
図2に示すように、カバー11に設けられた被係合部11aと係合するように構成される。仕切部材35を係合部35eが被係合部11aと係合する位置(閉止位置)にすると、リボン供給軸33が本体部31内に収容される。これにより、リボン供給軸33が、印字部15にインクリボンRを供給するリボン供給位置になる。
【0039】
プリンタ100による印字を行う際は、カバー11は閉止状態とされ、且つ、仕切部材35の係合部35eがカバー11の被係合部11aと係合した状態とされる。
【0040】
本実施形態では、仕切部材35が印字媒体Mをガイドすることで、反射センサ21から一定の距離内で印字媒体Mが安定して搬送される。これにより、反射センサ21の検出精度を向上させることができる。
【0041】
なお、プリンタ100を印字可能な状態、つまり、
図2に示す状態にすると、自動的に仕切部材35が印字媒体Mをガイドする状態となる。
【0042】
このように、仕切部材35によって印字媒体Mがガイドされるので、反射センサ21から一定の距離内で印字媒体Mが搬送されるようにするためのガイド部材を別途設ける必要がなく、ガイド部材に印字媒体Mを挿通する作業も不要となる。
【0043】
また、カバー11を閉止状態から開放状態にすると、印字ユニット30がカバー11と一体となって揺動し、筐体10の開口部が開放される。
【0044】
これにより、プリンタ100への印字媒体Mのセットや筐体10内の各部のメンテナンスを行うことができる。
【0045】
さらに、筐体10の開口部が開放された状態から係合部35eと被係合部11aとの係合を解除して仕切部材35を筐体10側に向けて揺動させると、仕切部材35が
図3に示す開放位置になる。
【0046】
仕切部材35が開放位置になるのに伴い、リボン供給軸33及びリボン供給軸33に保持されたロール状のインクリボンRがリボン巻取軸34に対して相対的に移動し、印字媒体Mの排出口16側に露出する。
【0047】
これにより、リボン供給軸33がプリンタ100から着脱可能なリボン交換位置となり、インクリボンRの交換作業を行うことができる。
【0048】
コントローラ40は、マイクロプロセッサ、ROMやRAM等の記憶装置、入出力インターフェース、これらを接続するバス等で構成される。コントローラ40には、入出力インターフェースを介して、外部コンピュータからの印字データ、透過センサ18からの信号、反射センサ21からの信号等が入力される。
【0049】
コントローラ40は、記憶装置に格納されている印字制御プログラムをマイクロプロセッサによって実行し、サーマルヘッド32の発熱素子への通電、プラテン駆動モータへの通電等を制御する。
【0050】
[着脱機構401,402の説明]
続いて、本実施形態に係るプリンタ100において、インクリボンRがセットされるリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構401,401について説明する。
【0051】
図4は、本発明の実施形態に係るプリンタ100のリボン供給軸33の着脱機構401及びリボン巻取軸34の着脱機構402を説明する斜視図である。
【0052】
プリンタ100は、リボン供給軸33をプリンタ100に対して装着又は離脱させるための着脱機構401を備える。また、プリンタ100は、リボン巻取軸34をプリンタ100に対して装着又は離脱させるための着脱機構402を備える。
【0053】
図4には、
図2及び
図3において説明した、ベース部35a、軸部35b及び支持部35cも図示されている。
【0054】
まず始めに、リボン供給軸33及びリボン巻取軸34について説明する。
図5は、リボン供給軸33を説明する斜視図であり、
図6は、リボン巻取軸34を説明する斜視図である。
【0055】
リボン供給軸33は、
図5に示すように、一方の端部311と他方の端部312とを有する。リボン供給軸33は、端部311の外周311rにおいて、後述する着脱機構401を構成する保持部材410に回動可能に保持される。
【0056】
端部312の外周312rには、溝部313が形成されている。溝部313は、仕切部材35の支持部35cに形成された保持部35hに回転自在に保持される。
【0057】
溝部313のリボン供給軸33の軸方向外側には、リボン供給軸33を回転させるための駆動力が伝達されるギヤ314が配置されている。
【0058】
リボン巻取軸34は、
図6に示すように、一方の端部316と他方の端部317とを有する。リボン巻取軸34は、端部316の外周316rにおいて、後述する着脱機構402を構成する保持部材420に回動可能に保持される。端部317の外周317rには、拡径部318が形成されている。拡径部318は、リボン巻取軸34を回転させるための駆動力が伝達されるギヤ319と連結可能に形成されている。
【0059】
上述したリボン供給軸33及びリボン巻取軸34は、
図4に示すように、プリンタ100に取り付けられる。
【0060】
すなわち、リボン供給軸33の端部311は、着脱機構401によってプリンタ100に対して着脱可能とされる。着脱機構401は、着脱機構401は、カバー401Cによって覆われている。着脱機構401の詳細は後述する。
【0061】
リボン供給軸33の端部312は、保持部35hに保持されている。保持部35hは、端部312に沿って形成された溝部313の底部分の外径と略同径の内径を有する切欠が形成された円環板状を有する。
【0062】
また、円環の一部には、リボン供給軸33の溝部313を着脱するための開口35iが形成されている。すなわち、C字型に形成されている。
【0063】
このような構造を有することにより、保持部35hは、溝部313に嵌まることができ、リボン供給軸33を回動自在に保持することができる。
【0064】
リボン巻取軸34の端部316は、着脱機構402によってプリンタ100に対して着脱可能とされる。着脱機構402の詳細は後述する。
【0065】
図4に示すように、リボン供給軸33の端部312側及びリボン巻取軸34の端部317側には、リボン巻取軸34の拡径部318に連結される設けられたギヤ319と、リボン供給軸33に設けられたギヤ314及びギヤ319に、回転するための駆動力を伝達するギヤ320が配置されている。ギヤ320はギヤ保持部321に回転自在に保持されている。
【0066】
ギヤ320は、図示されていない駆動モータに連結されている。駆動モータは、リボン供給軸33から必要量のインクリボンが繰り出されるように制御されている。
【0067】
また、ギヤ保持部321は、ギヤ319を覆うカバー部322を備える。
図4には示されていないが、カバー部322には、リボン巻取軸34が回転自在に保持されている。
【0068】
続いて、リボン供給軸33の着脱機構401及びリボン巻取軸34の着脱機構402について説明する。
【0069】
図7は、リボン供給軸33及びリボン巻取軸34を、
図4に示す矢印VII方向からみた側面図である。
【0070】
図4に示すように、リボン供給軸33の端部311には、着脱機構401が配置されている。着脱機構401は、
図7に示すように、カバー401Cにより覆われている。
【0071】
リボン巻取軸34は、
図4及び
図7に図示されていない部材を用いてプリンタ100に取り付けられている。
【0072】
図8は、
図7に示したリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構401を覆うカバー401Cを取り外した状態を示す側面図である。また、
図9は、
図8に示したリボン供給軸33及びリボン巻取軸34の着脱機構401,402から後述の押出部431,440を取り外した状態を示す側面図である。
【0073】
始めに、リボン供給軸33の着脱機構401を説明する。
【0074】
図7及び
図8に示すように、着脱機構401は、リボン供給軸33をプリンタ100に対して保持する保持部材410と、リボン供給軸33を保持部材410から開放するための開放部材430とを備える。
【0075】
また、保持部材410は、
図8及び
図9に示すように、切欠部411と、切欠部411に形成された開口部412と、規制部413とを備える。
【0076】
切欠部411は、リボン供給軸33の端部311においてリボン供給軸33の端部311の外周311rの一部に沿う形状に形成されている。切欠部411は、リボン供給軸の端部311の外周311rに沿った形状を有する。
【0077】
開口部412は、リボン供給軸33の端部311の外周311rが通過可能な幅に形成されている。
【0078】
すなわち、切欠部411は、端部311の外径と略同径の内径を有する切欠部411が形成された円環板状を有し、保持部材410は、C字型に形成されている。
【0079】
規制部413は、開口部412に隣接して形成されている。規制部413は、開口部412から切欠部411側に向けて延びるように形成されている。規制部413により、開口部412の外側と規制部413との間には、隙間414が形成されている。
【0080】
続いて、開放部材430について説明する。
【0081】
図10は、リボン供給軸33における着脱機構401を
図8における矢印X方向からみて要部を拡大して示す斜視図である。
【0082】
開放部材430は、
図8及び
図10に示すように、押出部431と、使用者によって操作される操作部432とを備える。
【0083】
押出部431は、切欠部411に装着されたリボン供給軸33の端部311の外周311rに当接する当接面431sを備え、切欠部411に装着されたリボン供給軸33を開口部412に向けて押し出すように形成されている。
【0084】
具体的には、開放部材430は、押出部431の端部433に押出部431をリボン供給軸33の軸方向に交差する方向に揺動させるための揺動軸434を備える。
【0085】
操作部432は、揺動軸434が形成された押出部431の端部433から、揺動軸434を介して押出部431の反対側に延びるように形成されている。
【0086】
また、保持部材410は、通常、工業製品に用いられる樹脂材料から形成されている。
【0087】
このような構成を有することにより、開放部材430は、
図10に示すように、使用者によって操作部432が矢印D方向に押し下げられると、開放部材430は、保持部材410に対して、揺動軸434を回動中心として揺動し、押出部431が矢印U方向に上昇し、点線で示す位置に移行する。
【0088】
このとき、押出部431における当接面431sがリボン供給軸33の端部311の外周311rに当接し、当接面431sが端部311を開口部412の方向に移動させる。
【0089】
このとき、リボン軸の端部311は、材料の弾性を利用して、開口部412の間隔を押し広げながら、開口部412を通過することができる。
【0090】
これにより、リボン供給軸33の端部311が切欠部411から白矢印方向に離脱される。
【0091】
リボン供給軸33が保持部材410に装着される際には、リボン供給軸33は、白矢印とは逆方向に保持部材410の切欠部411に向けて押し込まれる。このとき、保持部材410には、隙間414が形成されているため、開口部412が隙間414に向けて一時的に広げられる。これにより、リボン供給軸33の端部311が切欠部411に収められる。
【0092】
したがって、本発明の実施形態に係るプリンタ100によれば、上述した構成を備えることにより、リボン供給軸33の着脱を容易に行うことができる。これにより、使用者によるインクリボンRの交換作業性を向上することができる。
【0093】
また、本実施形態に係るプリンタ100における着脱機構401には、開口部412に隣接して規制部413が形成されている。
【0094】
このため、リボン供給軸33の端部311が開口部412から離脱する際や装着の際に、開口部412の間隔が一時的に広げられても、規制部413によって、開口部412の広がりが規制される。これにより、開口部412が過度に広がることによって生じる開口部412の破損を防止することができる。
【0095】
続いて、リボン巻取軸34の着脱機構402について説明する。
【0096】
図7及び
図8に示すように、着脱機構402は、リボン巻取軸34を保持する保持部材420と、リボン巻取軸34を保持部材420から開放するための開放部材440とを備える。
【0097】
保持部材420は、
図8及び
図9に示すように、切欠部421と、切欠部421に形成された開口部422と、規制部423とを備える。
【0098】
切欠部421は、リボン巻取軸34の端部316においてリボン巻取軸34の端部316の外周316rの一部に沿った形状を有する。
【0099】
開口部422は、リボン巻取軸34の端部316の外周316rが通過可能な幅に形成されている。
【0100】
すなわち、切欠部421は、端部316の外径と略同径の内径を有する切欠部421が形成された、円環板状を有し、保持部材420は、C字型に形成されている。
【0101】
また、規制部423は、開口部422に隣接して形成されており、開口部422から切欠部421に向けて延びるように形成されている。規制部423により、開口部422の外側と規制部423との間には、隙間425が形成されている。
【0102】
また、保持部材420は、通常、工業製品に用いられる樹脂材料から形成されている。
【0103】
続いて、開放部材440について説明する。
【0104】
図11は、リボン巻取軸34における着脱機構402を説明する
図8における矢印XI方向からみて要部を拡大して示す斜視図である。
【0105】
図11に示すように、開放部材440は、押出部441と、使用者によって操作される操作部442とを備える。
【0106】
押出部441は、切欠部421に装着されたリボン巻取軸34の端部316の外周316rに当接する当接面441sを備え、切欠部421に装着されたリボン巻取軸34を開口部422に向けて押し出すように形成されている。
【0107】
具体的には、開放部材440は、押出部441の端部443に、押出部441をリボン巻取軸34の軸方向に交差する方向に揺動させるための揺動軸444を備える。
【0108】
(CL4)
操作部442は、揺動軸444が形成された押出部441の端部443から、揺動軸444に対して、押出部441と同じ側に延びるように形成されている。
【0109】
すなわち、押出部441と操作部442とは、揺動軸444における互いのなす角θが鋭角となるように形成されている。
【0110】
このような構成を有することにより、開放部材440は、
図11に示すように、使用者によって操作部442が矢印P方向に移動されると、開放部材440は、保持部材420に対して、揺動軸444を回動中心として揺動し、押出部441が矢印R方向に移動することにより、点線で示す位置に移行する。
【0111】
このとき、押出部441における当接面441sがリボン巻取軸34の端部316の外周316rに当接し、当接面441sが端部316を開口部422の方向に移動させる。
【0112】
リボン軸の端部316は、材料の弾性を利用して、開口部422の間隔を押し広げながら、開口部422を通過することができる。
【0113】
これにより、リボン巻取軸34の端部316が切欠部421から白矢印方向に離脱される。
【0114】
リボン巻取軸34が保持部材420に装着される際には、リボン巻取軸34は、白矢印とは逆方向に保持部材420の切欠部421に向けて押し込まれる。このとき、保持部材420には、隙間424が形成されているため、開口部422が隙間424に向けて一時的に広げられる。これにより、リボン巻取軸34の端部316が切欠部421に収められる。
【0115】
したがって、本発明の実施形態に係るプリンタ100によれば、上述した構成を備えることにより、リボン巻取軸34の着脱を容易に行うことができる。これにより、使用者によるインクリボンRの交換作業性を向上することができる。
【0116】
また、本実施形態に係るプリンタ100における着脱機構402には、開口部422に隣接して規制部423が形成されている。
【0117】
このため、リボン供給軸33の端部316が開口部422から離脱する際や装着の際に、開口部422の間隔が一時的に広げられても、規制部423によって、開口部422の広がりが規制される。これにより、開口部422が過度に広がることによって生じる開口部422の破損を防止することができる。
【0118】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0119】
上述した着脱機構401は、リボン巻取軸34に適用することができる。また、同様に、着脱機構402は、リボン供給軸33に適用することができる。
【0120】
例えば、着脱機構401において、操作部432は、揺動軸434を介して、押出部431の反対側に形成されていればよく、押出部431と操作部432は、図面に示された形状に限定されない。
【0121】
また、本実施形態のインクリボンRは、インクが塗布された面が内側になる裏巻きのリンクリボンであってもよい。
【0122】
同様に、着脱機構402において、操作部442は、押出部441と鋭角になるように配置されていればよく、図示された形状のものに限定されない。
【符号の説明】
【0123】
10 筐体
11 カバー
11a 被係合部
12 媒体供給軸
13 支持軸
14 レバー
15 印字部
16 排出口
17 カッタ
18 透過センサ
19 操作ユニット
20 プラテンローラ
21 反射センサ
22 透過センサ
22a 発光ユニット
22b 受光ユニット
30 印字ユニット
31 本体部
32 サーマルヘッド
33 リボン供給軸
34 リボン巻取軸
35 仕切部材
35a ベース部
35b 軸部
35c 支持部
35e 係合部
35h 保持部
35i 開口
36 ガイド軸
37 ガイド軸
40 コントローラ
100 プリンタ
311 端部
311r 外周
312 端部
312r 外周
313 溝部
314 ギヤ
316 端部
316r 外周
317 端部
317r 外周
318 拡径部
319 ギヤ
320 ギヤ
321 ギヤ保持部
322 カバー部
401 着脱機構
401C カバー
402 着脱機構
410 保持部材
411 切欠部
412 開口部
413 規制部
414 隙間
420 保持部材
421 切欠部
422 開口部
423 規制部
424 隙間
425 隙間
430 開放部材
431 押出部
431s 当接面
432 操作部
433 端部
434 揺動軸
440 開放部材
441 押出部
441s 当接面
442 操作部
443 端部
444 揺動軸