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特許7039303情報提供装置、情報処理プログラム及び情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報処理プログラム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220314BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G06Q30/02 310
G07G1/12 341A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018011257
(22)【出願日】2018-01-26
(65)【公開番号】P2019128866
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 純
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 宏一
(72)【発明者】
【氏名】寺内 亨
(72)【発明者】
【氏名】村田 俊英
(72)【発明者】
【氏名】二宮 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】グエン ズン
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-254505(JP,A)
【文献】特開2002-334379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類する分類手段と、
前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗が存在し、前記分類手段により前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された前記店舗が存在しない場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
を具備する情報提供装置。
【請求項2】
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある前記店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類する分類手段と、
前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗が存在し、かつ前記分類手段により前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された前記店舗の全てが、前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗とは販売形態の類似性が低い場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
を具備する情報提供装置。
【請求項3】
情報提供装置が備えるコンピュータを、
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある前記店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類する分類手段と、
前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗が存在し、前記分類手段により前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された前記店舗が存在しない場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【請求項4】
情報提供装置が備えるコンピュータを、
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある前記店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類する分類手段と、
前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗が存在し、かつ前記分類手段により前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された前記店舗の全てが、前記分類手段により前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗とは販売形態の類似性が低い場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
情報提供装置が備えるコンピュータが、
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得し、
取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある前記店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類し、
前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗が存在し、前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された前記店舗が存在しない場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された前記店舗での販売を終了すべき終了候補として決定し、
決定された終了候補を示した候補データを出力する、
情報提供方法。
【請求項6】
情報提供装置が備えるコンピュータが、
所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得し、
取得された実績データに応じて、複数の前記店舗のうちで前記商品の売上実績がある店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類し、
前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された店舗が存在し、かつ前記商品の売上実績が最も良いランクに分類された店舗の全てが、前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された店舗とは販売形態の類似性が低い場合に、前記商品を前記商品の売上実績が最も悪いランクに分類された店舗での販売を終了すべき終了候補として決定し、
決定された終了候補を示した候補データを出力する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置、情報処理プログラム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する店舗等においては、これまでに販売していなかった商品の販売を開始する等の理由で、これまで販売していた商品の販売を終了する場合がある。そしてこのような場合に従来は、当該商品の当該店舗における売上実績を勘案して当該店舗の担当者が判断していた。
このため、店舗において販売を終了することが有効ではない商品が、販売を終了する商品として選定される恐れがあった。
このような事情から、販売を終了する商品を選定する担当者に対して、その選定のための有用な情報を提供できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-300396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、販売を終了する商品を選定するための有用な情報を提供できる情報提供装置、情報処理プログラム及び情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報提供装置は、取得手段分類手段、決定手段及び出力手段を備える。取得手段は、所定の商品について複数の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した実績データを取得する。分類手段は、取得手段により取得された実績データに応じて、複数の店舗のうちで商品の売上実績がある店舗を、その売上実績の良さがそれぞれ異なる複数のランクに分類する。決定手段は、分類手段により商品の売上実績が最も悪いランクに分類された店舗が存在し、分類手段により商品の売上実績が最も良いランクに分類された店舗が存在しない場合に、商品を商品の売上実績が最も悪いランクに分類された店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する。出力手段は、決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る情報提供サーバの要部回路構成及び当該情報提供サーバが適用される情報提供システムの概略構成を示すブロック図。
図2図1中のプロセッサによる情報提供アプリに基づく情報処理のフローチャート。
図3】分析結果リストに含まれるデータレコードの構成を模式的に示す図。
図4図1中のプロセッサによる候補選定処理の第1の実施形態における手順の一例を示すフローチャート。
図5】終了候補リストに含まれるデータレコードの構成を模式的に示す図。
図6図1中のプロセッサによる情報閲覧のための情報処理のフローチャート
図7】一覧画面の一例を示す図。
図8】一覧画面の一例を示す図。
図9】詳細画面の一例を示す図。
図10図1中のプロセッサによる候補選定処理の第2の実施形態における手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、情報提供装置の一例として、通信ネットワークを介した情報提供を行う情報提供サーバを例に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る情報提供サーバの要部回路構成及び当該情報提供サーバが適用される情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。
この情報提供システムは、情報提供サーバ1、複数の店舗システム2、本部サーバ3及び情報端末4を含む。そして情報提供サーバ1、複数の店舗システム2、本部サーバ3及び情報端末4は、通信ネットワーク5を介して通信可能とされている。また情報提供サーバ1は、本部サーバ3とセキュリティ回線6を介して通信可能とされている。
なお、本実施形態において「店舗」とは、実店舗及び仮想店舗のいずれであってもよい。そして複数の店舗には、実店舗及び仮想店舗が混在していてもよい。
【0009】
情報提供サーバ1は、後述する情報提供サービスを提供するための情報処理を実行する。情報提供サーバ1は、例えば情報提供サービスを提供する事業者により運営される。情報提供サーバ1は、当該事業者により所有されていてもよいし、レンタルサーバが用いられてもよい。つまり情報提供サービスは、情報提供サービスの利用者から見ると、クラウドサービスとして提供される。なお、情報提供サービスの提供は、営利及び非営利のいずれであるかは問わない。情報提供サービスを提供する事業者は、店舗を運営する事業者と同じであってもよい。
【0010】
店舗システム2は、商品を販売する店舗毎に設けられる。店舗システム2は、複数のPOS端末21、店舗サーバ22及び店内通信網23を含む。POS端末21は、商品の販売に係わる登録、点検及び決済などに関わる情報処理を行う。そしてPOS端末21は、そのような情報処理の結果として得られる販売データを店舗サーバ22に送る。販売データは、店舗コード、取引日時、商品リスト、決済結果及び顧客コードなどを含むものであり、既存のPOSシステムで用いられているものと同様なものであってよい。店舗コードは、POS端末21が設置されている店舗を識別するために予め定められたコードである。取引日時は、取引が行われた日時である。商品リストは、該当する取引により販売された商品を識別するために定められたSKU(stock keeping unit)コードのリストである。SKUコードは、JAN(Japan article number)コードが用いられてもよいし、それ以外に定められたコードが用いられてもよい。なお、SKUとは、販売管理上での商品のグループを表す。例えば、「ミックス・サンドウィッチ」と称される同様な多数の商品が販売される場合、これら「ミックス・サンドウィッチ」と称される同様な多数の商品は同一のSKUに属する。従って、商品の販売の開始又は終了は、通常はこのSKUの単位で行われる。決済結果は、決済した金額及び適用した決済方法などを表す。顧客コードは、買物客を識別するために定められたコードである。顧客コードは、登録又は決済に際して顧客を特定できた場合にのみ販売データに含められる。顧客コードとしては、何らかの顧客サービスを利用するための会員コードを用いることが想定される。店舗サーバ22は、複数のPOS端末21から送られる販売データを収集し、管理する。店舗サーバ22は、収集した販売データを予め定められたタイミングで一括して本部サーバ3へと送る。店舗サーバ22は、販売データに任意のデータを付加してもよい。例えば、POS端末21では店舗コードを販売データに含めず、店舗サーバ22が店舗コードを販売データに付加してもよい。
【0011】
本部サーバ3は、例えば複数の店舗システム2が設けられている複数の店舗を統括する本部に設けられる。本部サーバ3は、複数の店舗システム2のそれぞれの店舗サーバ22から一括して送られる販売データを収集し、管理する。本部サーバ3は、収集した販売データを予め定められたタイミングで一括して情報提供サーバ1へとセキュリティ回線6を介して送る。複数の店舗システム2が複数のグループに分けられ、これら複数のグループのそれぞれに対応するように複数の本部サーバ3が設けられてもよい。この場合の各グループは、同一の企業に属していてもよいし、別々の企業に属していてもよい。
【0012】
情報端末4は、情報提供サーバ1が販売データ管理のために提供する各種の情報を本部又は店舗の担当者が確認するために用いる情報処理装置である。情報端末4としては、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、あるいはスマートフォンなどのようなウェブブラウジング機能を備えた既存の機器を用いることが想定される。なお、情報端末4は、複数が情報提供システムに含まれ得るが、図1においては1つのみを図示している。
【0013】
情報提供サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14,15及びシステムバス16を含む。この情報提供サーバ1のハードウェアとしては、例えば汎用の情報処理装置を用いることができる。
情報提供サーバ1においては、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13をシステムバス16によって接続することにより、情報提供サーバ1としての機能を実現するための情報処理のためのコンピュータを構成する。
【0014】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、上記の情報処理を実行する。
【0015】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各種の情報処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0016】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の情報処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0017】
補助記憶デバイス13が記憶するアプリケーションプログラムの1つは、情報提供アプリ13aである。情報提供アプリ13aは、情報提供のための後述する情報処理について記述した情報処理プログラムである。また補助記憶デバイス13の記憶領域の一部は、商品マスタデータベース(商品マスタDB)13b、カテゴリマスタデータベース(カテゴリマスタDB)13c、実績データベース(実績DB)13d、分析結果リスト13e及び終了候補リスト13fを記憶する領域として利用される。
【0018】
商品マスタDB13bは、店舗毎に用意され、当該店舗で販売されている商品が属するSKUのそれぞれに関しての様々な情報の集合である。商品マスタDB13bに含まれる情報は、例えばSKUコード、商品カテゴリコード、商品名及び単価などである。商品カテゴリコードは、商品が属する商品カテゴリにユニークなコードである。商品カテゴリは、複数のSKUが含まれるように、例えば本部の担当者などによって任意に定められる。例えば、「パン売場」で販売される各種の商品は、「パン」なるカテゴリ名のカテゴリに含むように定められる。なお、商品マスタDB13bは、複数の店舗に共通のものであってもよい。
【0019】
カテゴリマスタDB13cは、商品カテゴリに関しての様々な情報の集合である。カテゴリマスタDB13cに含まれる情報は、例えば上記のカテゴリコード及び商品カテゴリ名などである。商品カテゴリ名は、商品カテゴリを人間が識別しやすいように定めた名称である。
【0020】
これら商品マスタDB13b及びカテゴリマスタDB13cは、店舗の運営形態に応じて定められる。商品マスタDB13b及びカテゴリマスタDB13cは、店舗で販売する商品に変更が生じた場合、あるいは商品カテゴリを変更する場合などに、例えば本部又は店舗の担当者、あるいは情報提供サーバ1の管理者などの操作の下にプロセッサ11が書き替える。
【0021】
実績DB13d、分析結果リスト13e及び終了候補リスト13fは、後述する情報処理によって適宜に更新される。これら実績DB13d、分析結果リスト13e及び終了候補リスト13fについては後述する。
【0022】
通信インタフェース14は、通信ネットワーク5を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース15は、セキュリティ回線6を介したデータ通信のインタフェースである。
システムバス16は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0023】
次に以上のように構成された情報提供サーバ1の動作について説明する。
店舗で商品の販売を伴う取引が行われると、POS端末21では当該取引に関する販売データが生成される。そして、1つの店舗システム2に含まれた複数のPOS端末21でそれぞれ生成された販売データは、予め定められたタイミング毎にPOS端末21から店舗サーバ22に収集される。複数の店舗システム2に含まれた複数の店舗サーバ22がそれぞれ収集した販売データは、予め定められたタイミング毎に本部サーバ3により収集される。そして本部サーバ3が各店舗から収集した販売データは、予め定められたタイミング毎に本部サーバ3から情報提供サーバ1へとセキュリティ回線6を介して送信される。なお、以上の各種データの収集及び送信を行うタイミングは、それぞれに任意であってよく、例えば本部又は店舗の担当者、あるいは情報提供サーバ1の管理者などにより定められてよい。なお以下においては、本部サーバ3からは、店舗の一日の営業終了後に、その一日に行われた取引に関する全ての販売データが情報提供サーバ1へと送信されることとする。
【0024】
本部サーバ3から送信された販売データがセキュリティ回線6を介して情報提供サーバ1へと伝送されると、情報提供サーバ1においては通信インタフェース15が当該販売データを受信する。そしてこの受信が開始されるとプロセッサ11は、情報提供のためのデータ解析を行うための情報処理を情報提供アプリ13aに基づいて実行する。なお、実績データは、通信ネットワーク5を介して本部サーバ3から情報提供サーバ1へと送られてもよい。
図2はプロセッサ11による情報提供アプリ13aに基づく情報処理のフローチャートである。
【0025】
Act1としてプロセッサ11は、受信された販売データを含むように実績DB13dを更新する。実績DB13dは、商品販売に係わる取引毎の実績データの集合である。実績データには、取引の対象となった商品のSKUコードのリストを少なくとも含む。なお実績データとしては、上記のように本部サーバ3から送られた販売データをそのまま用いることができる。実績データは、販売データから一部のデータを省いたものであってもよいし、販売データに任意のデータを追加したものであってもよい。プロセッサ11は、実績DB13dを、解析期間として予め定められた最近の数日間の商品販売に関する実績データを含むものとして更新する。解析期間は、例えば情報提供アプリ13aの作成者などにより任意に定められてよいが、例えば7日間とすることが想定される。解析期間は、情報提供サーバ1の管理者などによる操作の下に、プロセッサ11が変更設定してもよい。そしてこの場合にプロセッサ11は、解析期間として設定可能な最長の期間分の実績データを実績DB13dに含めることとする。プロセッサ11は、実績DB13dに既に含まれている解析期間外の実績データを削除するとともに、新たに受信された実績データを含むように実績DB13dを更新する。
【0026】
図2に示す情報処理は、実績DB13dに示された解析期間中の販売の実績を分析する処理を含んでおり、その処理量は大きくなることがある。しかしながら、図2に示す処理を、上述の様に一日に一度、店舗の一日の営業終了後に行うのであれば、処理に要する時間が長くなることは大きな問題とはならない。
【0027】
Act2としてプロセッサ11は、実績DB13dに基づいて、複数の店舗のいずれか1店舗ででも販売されている商品が属するSKUについての売上実績に関するABCZ分析を行う。つまりプロセッサ11は、あるSKUについての売上実績がある店舗を、その実績がよい順にAランク、Bランク、Cランクとするとともに、売上実績がない店舗はZランクとするように各店舗を分類する。なお、以下においては、Aランク、Bランク、Cランク及びZランクに分類された各店舗を、A店舗、B店舗、C店舗及びZ店舗と称することとする。ABCZ分析における具体的な処理は、周知の処理であってよい。そしてプロセッサ11は、このABCZ分析の結果を表した分析結果リスト13eを生成する。なお、ABCZ分析においては、あるSKUについての売上実績が予め定められた第1の基準に対して低い店舗がC店舗に分類されることになる。またABCZ分析においては、あるSKUについての売上実績が予め定められた第2の基準に対して高い店舗がA店舗に分類されることになる。売上実績及び第1の基準及び第2の基準は、あるSKUについての売上金額又は売上点数など、あるSKUについての売上の度合いを表す各種の数値が適用できる。
【0028】
図3は分析結果リスト13eに含まれるデータレコードR1の構成を模式的に示す図である。
分析結果リスト13eは、複数のデータレコードR1の集合である。複数のデータレコードR1は、SKUのそれぞれに対応する。データレコードR1は、フィールドF1,F2,F3,F4,F5を含む。フィールドF1は、対応するSKUのSKUコードを表す。フィールドF2,F3,F4,F5は、対応するSKUについてZ店舗、A店舗、B店舗及びC店舗としてそれぞれ分類された店舗の店舗コードを表す。図3の例では、店舗コードが「283」である店舗のみがZ店舗として、店舗コードが「295」「323」及び「331」である3店舗がA店舗として、「348」及び「372」である2店舗がB店舗として、また「388」である1店舗がC店舗として分類された場合を示している。
【0029】
Act3としてプロセッサ11は、候補選定処理を実行する。候補選定処理は、分析結果リスト13eに基づき、ある店舗における販売を終了するSKUの候補(以下、終了候補)を選定する処理である。ここで、「販売を終了する」とは、例えば、商品を販売すること自体を停止する他、一時的に販売を中止することも含む。
図4は、プロセッサ11による候補選定処理の第1の実施形態における手順の一例を示すフローチャートである。
【0030】
Act11としてプロセッサ11は、終了候補に該当するか否かを判定するSKUとしての着目SKUを選択する。プロセッサ11は具体的には、分析結果リスト13eに示されるSKUのうちの1つを着目SKUとして選択する。なお、ここで選択した着目SKUのSKUコードをフィールドF1が示しているデータレコードR1を、以下においては着目レコードと称する。
【0031】
Act12としてプロセッサ11は、着目SKUに関してC店舗が存在するか否かを確認する。プロセッサ11は具体的には、着目レコードのフィールドF5に店舗コードが1つでも示されているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、C店舗が存在するならばYesと判定し、Act13へと進む。
【0032】
Act13としてプロセッサ11は、着目SKUに関してA店舗が存在するか否かを確認する。プロセッサ11は具体的には、着目レコードのフィールドF3に店舗コードが1つでも示されているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、A店舗が存在しないならばNoと判定し、Act14へと進む。
【0033】
Act14としてプロセッサ11は、終了候補リスト13fを更新する。
図5は終了候補リスト13fに含まれるデータレコードR2の構成を模式的に示す図である。
終了候補リスト13fは、複数のデータレコードR2の集合である。データレコードR2は、SKUに対応する。データレコードR2は、フィールドF11,F12,F13を含む。フィールドF11は、対応するSKUのSKUコードを表す。フィールドF12は、店舗コードを表す。フィールドF13は、当該データレコードR2で示されるデータがブックマークされているか否かを表すブックマークフラグを表す。つまりプロセッサ11はAct14としては、新たなデータレコードR2を生成し、当該データレコードR2を終了候補リスト13fに追加する。プロセッサ11は新たなデータレコードR2のフィールドF11,F12には、着目SKUのSKUコードと、着目レコードのフィールドF5に示されたC店舗の店舗コードとをそれぞれ表す。またプロセッサ11は、新たなデータレコードR2のフィールドF13のブックマークフラグを「ブックマークなし」を表す状態とする。なお、プロセッサ11は、図2に示す情報処理を開始した直後、あるいは図4に示す情報処理を開始した直後などに、終了候補リスト13fをクリアしておく。
【0034】
プロセッサ11は、このようにして終了候補リスト13fを更新し終えたならば、Act15へと進む。なおプロセッサ11は、着目SKUに関してC店舗が存在しないためにAct12にてNoと判定するか、A店舗が存在するためにAct13にてYesと判定した場合には、Act14をパスしてAct15へと進む。つまりプロセッサ11は、着目SKUに関してC店舗が存在しないか、C店舗は存在するもののA店舗が存在する場合には、終了候補リスト13fを更新しない。
【0035】
Act15としてプロセッサ11は、分析結果リスト13eに示されるSKUの全てを着目SKUとして選択済みであるか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、まだ着目SKUとして選択していないSKUが存在するならばNoと判定し、Act11以降の処理を繰り返す。このときにプロセッサ11はAct11としては、Act11-Act15のループを繰り返すうちにAct11にて既に選択したのとは異なるSKUを選択する。これによりプロセッサ11は、分析結果リスト13eに示されるSKUのそれぞれを順次に着目SKUとして選択しながらAct11-Act15のループを繰り返す。これにより、終了候補リスト13fは、C店舗が存在し、かつA店舗が存在しないとされたSKUに対応するデータレコードR2を含んだものとされる。
【0036】
プロセッサ11は、分析結果リスト13eに示されるSKUの全てを着目SKUとしてAct11-Act15のループを繰り返し終えたならば、Act15にてYesと判定し、図4に示す情報処理を、さらには図2に示す情報処理を終了する。
プロセッサ11が、以上のようにして図2に示す処理を実行することにより、例えば7日間と定められた解析期間における複数の店舗における売上実績に基づいて、図5に示すようなデータレコードR2の集合としての終了候補リスト13fが生成される。
【0037】
さて、店舗システム2が設けられた店舗において販売する商品の管理を担当する担当者等は、情報端末4を用い、通信ネットワーク5を介して情報提供サーバ1にアクセスする。このアクセスは、情報端末4に備えられた汎用のウェブブラウザを用いることが想定されるが、情報提供サーバ1が提供する情報提供サービスの利用のための専用のアプリケーションが用いられてもよい。
【0038】
プロセッサ11は、情報端末4からのアクセスが通信インタフェース14により検出されると、情報端末4での情報閲覧のための情報処理を情報提供アプリ13aに基づいて実行する。なおプロセッサ11は、この情報処理を、図2に示す情報処理と並行して実行する。ただし、担当者による情報端末4を用いての情報閲覧は、通常は店舗の営業時間内に行われることが想定される。つまり、情報端末4から情報提供サーバ1へのアクセスは、図2に示す情報処理が終了したのちに行われることが多い。またプロセッサ11は、複数の情報端末4からのアクセスがあった場合には、それら複数の情報端末4のそれぞれに対して、以下に説明する情報処理を並列して実行する。
図6は情報閲覧のためのプロセッサ11による情報処理のフローチャートである。
【0039】
Act21としてプロセッサ11は、アクセス元の情報端末4に対してログイン画面を送信する。プロセッサ11は具体的には、ログイン画面の内容を表したウェブページデータを、情報端末4に宛てて通信インタフェース14から通信ネットワーク5へと送出させる。ログイン画面は、情報端末4を操作する担当者が、情報提供サーバ1により提供される情報提供を受ける権限を有することを認証するための認証データを担当者が入力するためのGUI(graphical user interface)画面である。
【0040】
情報端末4では、上記のウェブページデータが通信ネットワーク5を介して伝送されると、例えば情報端末4が備える表示デバイスにてログイン画面を表示する。そして情報端末4は、ログイン画面において担当者がログインデータを入力すると、当該ログインデータを情報提供サーバ1へと通知する。情報端末4は具体的には、ログインデータを上記のウェブページデータに対する応答として通知するための通知データを情報提供サーバ1に宛てて通信ネットワーク5へと送出する。この通知データは、通信ネットワーク5を介して情報提供サーバ1へと伝送されると、通信インタフェース14によって受信される。
【0041】
Act22としてプロセッサ11は、ログインデータが通知されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、上記のように通知データが通信インタフェース14によって受信されたならばYesと判定し、Act23へと進む。
【0042】
Act23としてプロセッサ11は、通信インタフェース14によって受信された通知データにより通知されたログインデータに基づいて情報端末4を操作する担当者の認証するための認証処理を行う。そしてプロセッサ11は、認証に成功したならばAct24へと進む。なお認証処理としては、周知の処理を適用できる。なおプロセッサ11は、認証に失敗したならば、Act21に戻るか、図8に示す情報処理を終了する。
【0043】
Act24としてプロセッサ11は、情報端末4に対して一覧画面を送信する。プロセッサ11は具体的には、一覧画面の内容を表したウェブページデータを、情報端末4に宛てて通信インタフェース14から通信ネットワーク5へと送出させる。一覧画面は、終了候補リスト13fの内容を閲覧させるための閲覧画面である。一覧画面は、表示を変更するための操作を受けるためのGUI画面でもある。
【0044】
図7は一覧画面SC1の一例を示す図である。
一覧画面SC1は、一覧表CH1、リストボックスRB1,RB2,RB3,RB4及びチェックボックスCB1,CB2を図示のように表す。
【0045】
一覧表CH1は、実績DB13d、分析結果リスト13e及び終了候補リスト13fの内容を表したものであり、一行が終了候補リスト13fの1つのデータレコードR2に対応する。プロセッサ11は、一覧表CH1の各行には、対応するデータレコードR2のフィールドF1,F2に示されたSKUコード及び店舗コードでそれぞれ識別されるSKU及び店舗に関する各種の情報を表す。なお、対応するデータレコードR2のフィールドF1,F2に示されたSKUコード及び店舗コードを、以下においては、対応SKUコード及び対応店舗コードと称する。また、対応SKUコード及び対応店舗コードでそれぞれ識別されるSKU及び店舗を、以下においては、対応SKU及び対応店舗と称する。同一行の複数の欄は左から、番号(No.)、商品名、売上実績、価格、件数実績、SKUコード、扱い店舗数、C店舗の数、Z店舗の数、B店舗の数、A店舗の数をそれぞれ表す。
【0046】
プロセッサ11は、一覧表CH1における表示順を表す連続番号を番号の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUコードに商品マスタDB13bで関連付けられている商品名を、商品名の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに属する商品に関しての対応店舗における売上実績の金額を実績DB13dに基づいて計算して、売上実績の欄に表す。なおプロセッサ11は、対応店舗が複数ある場合には、それら複数の対応店舗のそれぞれの売上実績の金額の総和を、売上実績の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関しての対応店舗における販売価格を実績DB13dに基づいて判定して、価格の欄に示す。なおプロセッサ11は、対応店舗が複数ある場合で、異なる販売価格が含まれる場合には、それら複数の販売価格のうちの最高価格を、価格の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関しての対応店舗における売上実績の件数を実績DB13dに基づいて判定して、件数実績の欄に示す。なおプロセッサ11は、対応店舗が複数ある場合には、それら複数の対応店舗のそれぞれの売上実績の件数の総和を、売上実績の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUの売上実績のある店舗の数を、対応SKUコードをフィールドF1に含んだデータレコードR1におけるフィールドF3,F4,F5に示される店舗コードの総数として計数し、取扱店舗数の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関するC店舗の数を、対応SKUコードをフィールドF1に含んだデータレコードR1におけるフィールドF5に示される店舗コードの数として計数し、C店舗の数の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関するZ店舗の数を、対応SKUコードをフィールドF1に含んだデータレコードR1におけるフィールドF2に示される店舗コードの数として計数し、Z店舗の数の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関するB店舗の数を、対応SKUコードをフィールドF1に含んだデータレコードR1におけるフィールドF4に示される店舗コードの数として計数し、B店舗の数の欄に表す。プロセッサ11は、対応SKUに関するA店舗の数を、対応SKUコードをフィールドF1に含んだデータレコードR1におけるフィールドF3に示される店舗コードの数として計数し、A店舗の数の欄に表す。
【0047】
かくして担当者は、一覧表CH1を閲覧することにより、C店舗は存在するもののA店舗が存在しない商品としてどのようなSKUの商品が存在するかを確認できる。当該商品は、C店舗における売上の実績が芳しくなく、かつ他店においても良好な売上実績が得られていないのであるから、C店舗における販売を終了するのに適する可能性が高いのであり、担当者はそのことを認識できる。
【0048】
リストボックスRB1~RB4及びチェックボックスCB1,CB2は、一覧表CH1に表す情報のフィルタ条件を設定するためのGUIである。リストボックスRB1は、C店舗によるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタを適用しない設定状態を示している。リストボックスRB2は、商品カテゴリによるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタを適用しない設定状態を示している。リストボックスRB3は、新商品に関する除外期間によるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタとして「2週間」を適用する設定状態を示している。リストボックスRB4は、リピート期間によるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタを適用しない設定状態を示している。チェックボックスCB1は、価格変更によるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタを適用しない設定状態を示している。チェックボックスCB2は、割引によるフィルタのための設定であり、図7では当該フィルタを適用しない設定状態を示している。
【0049】
プロセッサ11はAct24においては、各フィルタをデフォルトの設定状態としてフィルタ処理を行って絞り込んだデータレコードR2に関する行をそれぞれ一覧表CH1に表す。なお各フィルタのデフォルトの設定状態は、例えば上記した図7に示す状態とすることが想定される。ただし各フィルタのデフォルトの設定状態は、例えば情報提供アプリの作成者、情報提供サーバの管理者、あるいは担当者によって任意に定められてよい。
【0050】
Act25としてプロセッサ11は、詳細表示が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する要求がなされていないならばNoと判定し、Act26へと進む。
Act26としてプロセッサ11は、条件が通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する通知がなされていないならばNoと判定し、Act25へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct25及びAct26としては、詳細表示が要求されるか、あるいは条件が通知されるのを待ち受ける。
【0051】
情報端末4では、上記のウェブページデータが通信ネットワーク5を介して伝送されると、例えば情報端末4が備える表示デバイスにて一覧画面SC1を表示する。そして情報端末4は、リストボックスRB1~RB4及びチェックボックスCB1,CB2における条件の設定が変更されたならば、その変更内容を情報提供サーバ1へと通知する。情報端末4は具体的には、変更後の条件を通知するための通知データを情報提供サーバ1に宛てて通信ネットワーク5へと送出する。なお情報端末4は、リストボックスRB1~RB4のそれぞれに示された三角マークがクリックされるなどによりリスト表示が指示されると、そのリストボックスに対応するフィルタの条件のリストを表示する。そして情報端末4は、当該リストから選択された条件を表すように該当のリストボックスを更新するとともに、該当のフィルタの条件として設定する。また情報端末4は、チェックボックスCB1,CB2のいずれかがクリックされるなどにより設定の変更が指示されると、そのチェックボックスに対応するフィルタの適用/不適用の設定を反転させる。情報端末4はこの場合はさらに、設定を反転させたチェックボックスに重ねて表すチェックマークの表示状態を反転後の設定に応じた状態に変更する。
【0052】
上記の条件の通知データが通信ネットワーク5を介して情報提供サーバ1に伝送されると、この通知データが通信インタフェース14によって受信され、その旨がプロセッサ11に通知される。この通知に応じてプロセッサ11はAct26にてYesと判定し、Act27へと進む。
【0053】
Act27としてプロセッサ11は、通知された条件を加味してフィルタ処理をやり直して絞り込まれたデータレコードR2に関する行を表した新たな一覧画面SC1を生成し、当該一覧画面SC1をAct24の場合と同様にして送信する。そしてプロセッサ11はこののち、Act25及びAct26の待受状態に戻る。なおフィルタ処理は、終了候補リスト13fから表示対象とするデータレコードR2を抽出するための処理であり、例えば次のような処理である。プロセッサ11は、C店舗によるフィルタの対象店舗が指定された場合は、その対象店舗の店舗コードがフィールドF12に示されるデータレコードR2を表示対象として抽出する。プロセッサ11は、商品カテゴリによるフィルタの対象カテゴリが指定された場合は、その対象カテゴリがカテゴリマスタDB13cで関連付けられているSKUコードがフィールドF11に示されているデータレコードR2を表示対象として抽出する。プロセッサ11は、新商品に関する除外期間によるフィルタの対象期間が指定された場合は、現在の日付から当該期間を遡った日よりも発売日が後であるSKUのSKUコードがフィールドF11に示されているデータレコードR2を表示対象から除外する。なお、少なくとも新商品のSKUに関しては、そのSKUのSKUコードに関連づけて商品マスタDB13bに発売日を含めておく。プロセッサ11は、リピート期間によるフィルタの対象期間が指定された場合は、その対象期間内に同一の買物客により繰り返し購入された実績のあるSKUのSKUコードがフィールドF21に示されているデータレコードR2を表示対象として抽出する。プロセッサ11は、価格変更によるフィルタが有効に設定された場合は、解析期間内に価格変更が行われたことがないSKUのSKUコードがフィールドF11に示されているデータレコードR2を表示対象として抽出する。割引によるフィルタが有効に設定された場合は、解析期間内の個々の取引の際に販売価格が値引きされたことがないSKUのSKUコードがフィールドF21に示されているデータレコードR2を表示対象として抽出する。なおプロセッサ11は、値引きの割合が指定された場合には、その指定された割合以上の値引きがなされたことがないSKUのSKUコードがフィールドF21に示されているデータレコードR2を表示対象として抽出してもよい。なお、プロセッサ11が行うフィルタ処理は、これらの処理のうちの一部のみとしてもよいし、別の条件に基づく処理が含まれていてもよい。
【0054】
図8はフィルタ処理後の一覧画面SC1の一例を示す図である。
図8に示す一覧画面SC1は、図7に示す一覧画面SC1が表示された状態から、リピート期間によるフィルタの対象期間として「3日間」が指定され、さらに価格変更によるフィルタ及び割引によるフィルタがともに有効に設定された場合の例である。
【0055】
このように様々な条件によるフィルタ処理によって、一覧表CH1に表す商品を絞り込むことができる。そしてフィルタ処理の条件は、担当者が任意に設定できる。従って、例えばリピート客の来店を促す効果の有無をも考慮したいなどの事情に適応した適切な情報提供が行える。
【0056】
担当者は一覧画面に示されたSKUの売上実績の詳細を確認したい場合は、予め定められた詳細表示要求のための操作を行う。この操作は例えば、一覧表の行内のクリックとすることが想定される。そしてこのような操作が行われたならば情報端末4は、指定されたSKUのSKUコードの通知を伴って詳細表示を情報提供サーバ1へと要求する。情報端末4は具体的には、SKUコードを含んだ要求データを情報提供サーバ1に宛てて通信ネットワーク5へと送出する。
【0057】
上記の要求データが通信ネットワーク5を介して情報提供サーバ1に伝送され、通信インタフェース14によって受信されると、その旨がプロセッサ11に通知される。この通知に応じてプロセッサ11はAct25にてYesと判定し、Act28へと進む。
【0058】
Act28としてプロセッサ11は、詳細画面を送信する。プロセッサ11は具体的には、詳細画面の内容を表したウェブページデータを、情報端末4に宛てて通信インタフェース14から通信ネットワーク5へと送出させる。詳細画面は、詳細表示が指定されたSKU(以下、指定SKUと称する)についての販売予測及び売上実績の詳細を閲覧させるための閲覧画面である。本実施形態においてプロセッサ11は、詳細画面を一覧画面SC1とは別の表示ウィンドウとして表示するよう指示する指示コマンドを上記のウェブページデータに含めることとする。
【0059】
情報端末4では、上記のウェブページデータが通信ネットワーク5を介して伝送されると、例えば情報端末4が備える表示デバイスにて詳細画面を表示する。なお情報端末4では、上記の指示コマンドに応じて、それまで表示していた一覧画面SC1を開いたままで、当該一覧画面SC1の上に重ねる形で、詳細画面を新たな表示ウィンドウとして表示する。
【0060】
図9は詳細画面SC2の一例を示す図である。
詳細画面SC2は、一覧表CH2及びボタンBU1を図示のように表す。
一覧表CH2は、指定SKUに関する売上実績を表したものであり、一行が1つの店舗に対応する。同一行の複数の欄は左から、番号(No.)、店舗コード/店舗名、売上実績、価格、件数実績、実績ランク、ブックマークをそれぞれ表す。なお、一覧表CH2の欄外左上に表された文字列は、指定SKUの商品名及びSKUコードを表す。つまり図9の例では、商品名が「BBBB」であり、SKUコードが「4901820586」であるSKUについての売上実績を示すことを表している。プロセッサ11は、要求データに含まれたSKUコードと、当該SKUコードに商品マスタDB13bで関連付けられている商品名とを「商品名(SKUコード)」の形で一覧表CH2の左上に表す。
【0061】
プロセッサ11は、指定SKUのSKUコードを含んだデータレコードR1を分析結果リスト13eから選択し、当該データレコードR1のフィールドF2-F5に示された店舗コードで識別される各店舗にそれぞれ対応する行を一覧表CH2に含める。そしてプロセッサ11は各行を、C店舗、Z店舗、B店舗、A店舗の順でソートし、さらに同じランクの店舗に関しては売上実績の昇順でソートした順序で並べる。
【0062】
プロセッサ11は、一覧表CH2における表示順を表す連続番号を番号の欄に表す。プロセッサ11は、対応する店舗の店舗コード及び店舗名を、店舗コード/店舗名の欄に表す。プロセッサ11は、対応する店舗における、指定SKUの売上金額、販売価格及び売上件数を実績DB13dから求めて、売上実績、価格及び件数実績の各欄に表す。なおプロセッサ11は、対応する店舗における販売価格が解析期間中に変更されているなどの事情で実績DB13dに示される指定SKUの販売価格に幅がある場合には、その最低値と最高値とを求めて、「最低値-最高値」の形で価格の欄に表す。図9の例では3行目の「80-100」が、最低販売価格が80円で、最高販売価格が100円であった場合の表示例である。プロセッサ11は、対応する店舗が、A店舗である行については「A」を、B店舗である行については「B」を、C店舗である行については「C」を、Z店舗である行については「Z」を、それぞれ実績ランクの欄に表す。プロセッサ11は、データレコードR2のフィールドF13が「ブックマークなし」を示す状態であるならば、対応する店舗がC店舗である行のブックマークの欄をブランクとする。またプロセッサ11は、データレコードR2のフィールドF13が「ブックマークあり」を示す状態であるならば、例えば図9に示すようなチェックマークCM1をブックマークの欄に表す。プロセッサ11は、対応する店舗がA店舗、B店舗又はZ店舗である行のブックマークの欄はいずれもブランクとする。ただしプロセッサ11は、A店舗、B店舗又はZ店舗の店舗コードとSKUコードとの組み合わせに関するブックマーク状態を表したデータをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶させておいてもよい。そしてプロセッサ11は、そのデータが「ブックマークあり」を表す場合にはブックマークの欄にチェックマークCM1を表すようにしてもよい。
ボタンBU1は、詳細画面SC2の表示終了を宣言するためのGUIである。
【0063】
かくして担当者は、一覧表CH2を閲覧することにより、指定SKUの売上実績を店舗毎に確認できる。これにより担当者は、販売終了の候補として一覧画面SC1に示されたSKUが、ある店舗において販売を終了するのに適するかどうかを詳細に確認することができる。また担当者は、販売を終了しようとするSKUの売上実績を、他店の実績と比較して確認できる。
【0064】
なお担当者は、あるC店舗における販売を終了するか否かの決定を保留する場合などにおいては、後に再確認するなどのためにブックマークすることができる。この場合に担当者は、該当するC店舗に対応する行に含まれるブックマークの欄をクリックするなどしてブックマークの設定変更を指示する。また担当者は、既に設定済みのブックマークを解除したい場合にも、同様に設定変更を指示する。
【0065】
Act29としてプロセッサ11は、情報端末4からブックマーク状態の変更が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、当該要求がなされていなければNoと判定し、Act30へと進む。
Act30としてプロセッサ11は、詳細表示が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する要求がなされていないならばNoと判定し、Act31へと進む。
Act31としてプロセッサ11は、条件が通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する通知がなされていないならばNoと判定し、Act29へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct29-Act31の処理により、ブックマーク状態の変更が要求されるか、詳細表示が要求されるか、あるいは条件が通知されるのを待ち受ける。
【0066】
そして情報端末4は、ブックマークの設定変更が上記のように指示されると、ブックマーク状態の変更を情報提供サーバ1へと要求する。情報端末4はこの要求に際して、詳細画面SC2の表示対象となっているSKUのSKUコードとクリックされた欄を含む行に対応するC店舗の店舗コードとを通知する。情報端末4は具体的には、上記のSKUコード及び上記の店舗コードを含んだ要求データを情報提供サーバ1に宛てて通信ネットワーク5へと送出する。
【0067】
上記の要求データが通信ネットワーク5を介して情報提供サーバ1に伝送され、通信インタフェース14によって受信されると、その旨がプロセッサ11に通知される。この通知に応じてプロセッサ11はAct29にてYesと判定し、Act32へと進む。
【0068】
Act32としてプロセッサ11は、要求データによる要求に応じて終了候補リスト13fを更新する。プロセッサ11は具体的には、終了候補リスト13fから、フィールドF11,F12に示されるSKUコード及び店舗コードのいずれもが、要求データに含まれたSKUコード及び店舗コードとともに一致するデータレコードR2を選択する。そしてプロセッサ11は、当該選択したデータレコードR2のフィールドF13に示されるブックマークフラグの状態を反転させる。プロセッサ11はこののち、Act29-Act31の待受状態に戻る。なお、詳細画面SC2におけるブックマークの欄でのチェックマークCM1の表示状態の変更は、情報端末4によって行われてもよいし、プロセッサ11が更新した詳細画面SC2を情報端末4へと送信することにより実現されてもよい。
【0069】
一方、担当者は、詳細画面SC2の確認を終えた場合は、ボタンBU1をクリックするなどにより詳細画面SC2の表示終了を指示する。そうすると情報端末4は、詳細画面SC2の表示を終了し、詳細画面SC2により見えなくなっていた一覧画面SC1を見せるように表示を更新する。かくしてこの後には、担当者は前述と同様に、条件の設定を変更するための操作又は詳細表示要求のための操作を行うことができる。
【0070】
条件の設定を変更するための操作に基づく通知データが情報端末4から送信され、この通知データが通信インタフェース14によって受信されると、プロセッサ11はAct31にてYesと判定し、Act27以降を前述と同様に実行する。また詳細表示要求のための操作に基づく要求データが情報端末4から送信され、この要求データが通信インタフェース14によって受信されると、プロセッサ11はAct30にてYesと判定し、Act28以降を前述と同様に実行する。
【0071】
以上に説明したように情報提供サーバ1によれば、担当者が、販売を終了するSKUを選定するにあたっての有用な様々な情報を提供できる。
【0072】
(第2の実施形態)
上記の第1の実施形態の候補選定処理においては、C店舗が存在し、かつA店舗が存在しないSKUに属する商品を、C店舗における販売を終了するのに適する商品の候補として選定している。
しかしながら、候補選定処理は第1の実施形態における内容には限らず、適宜に変更できる。この候補選定処理を変更した第2の実施形態について以下に説明する。
なお、第2の実施形態は、候補選定処理以外においては第1の実施形態と同様であってよいので、候補選定処理についてのみ説明する。
【0073】
図10は、プロセッサ11による候補選定処理の第2の実施形態における手順の一例を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理と同一の処理については同一の符号を付し、その説明は省略する。
プロセッサ11は、Act11,Act12,Act13に関しては、第1の実施形態と同様に実行する。そしてプロセッサ11は、C店舗が存在し、かつA店舗が存在しない場合には、第1の実施形態と同様にAct14へと進む。
【0074】
プロセッサ11はしかしながら、A店舗が存在した場合には、Act13にてYesと判定し、Act41へと進む。
Act41としてプロセッサ11は、着目SKUについてのC店舗のうちの1つを着目C店舗として選択する。プロセッサ11は具体的には、着目レコードのフィールドF5が表している店舗コードのうちの1つを選択し、当該店舗コードで識別される店舗を着目C店舗とする。
【0075】
Act42としてプロセッサ11は、A店舗のうちの1つを着目A店舗として選択する。プロセッサ11は具体的には、着目レコードのフィールドF3が表している店舗コードのうちの1つを選択し、当該店舗コードで識別される店舗を着目A店舗とする。
【0076】
Act43としてプロセッサ11は、着目A店舗と着目C店舗とでの共通SKU数を計数する。共通SKU数は、着目A店舗と着目C店舗との双方で販売している商品が属するSKUのうちの着目SKUと同一のカテゴリに属するSKUの数である。プロセッサ11は、着目SKUが属するカテゴリのカテゴリコードをカテゴリマスタDB13cに基づいて判定する。そしてプロセッサ11は、当該カテゴリコードが関連付けられ、かつ着目A店舗に関する商品マスタDB13b及び着目C店舗に関する商品マスタDB13bに共通に含まれたSKUとして共通SKUを判定し、当該共通SKUの数を計数する。つまり例えば、着目SKUが「ミックス・サンドウィッチ」であり、そのカテゴリが「パン」であるとする。このときに同じカテゴリ「パン」に属するSKUとして「タマゴ・サンドウィッチ」及び「クロワッサン」が着目Z店舗及び着目A店舗の双方で販売されているならば、これら「タマゴ・サンドウィッチ」及び「クロワッサン」は共通SKUとされる。なお共通SKUは、着目A店舗と着目C店舗との双方で売上実績のある商品が属するSKUとしてもよい。また共通SKUは、カテゴリに拘わらず、着目A店舗と着目C店舗との双方で販売しているか、又は売上実績のある商品が属する全てのSKUとしてもよい。
【0077】
Act44としてプロセッサ11は、共通SKU数が予め定められた閾値未満であるか否かを確認する。共通SKU数が多いほど、着目SKUが属するカテゴリの商品に関しての販売形態の類似性が高いと言える。そこでここでは、共通SKU数の多さに応じて、着目A店舗と着目C店舗との販売形態が類似するか否かを確認するのである。このため閾値は、例えば情報提供アプリ13aの作成者などにより任意に定められてよい。なお当該処理は、共通SKU数が予め定められた閾値以下であるか否かを確認する処理、あるいは共通SKU数が予め定められた閾値以上であるか否かを確認する処理により置き換えることもできる。そしてプロセッサ11は、共通SKU数が閾値未満であるならばYesと判定し、Act45へと進む。
【0078】
Act45としてプロセッサ11は、着目SKUに関するA店舗の全てを着目A店舗として選択済みであるか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、まだ着目A店舗として選択していないA店舗が存在するならばNoと判定し、Act42以降の処理を繰り返す。このときにプロセッサ11はAct42としては、Act42-Act45のループを繰り返すうちにAct42にて既に選択したのとは異なるA店舗を選択する。これによりプロセッサ11は、着目SKUに関するA店舗のそれぞれを着目A店舗として選択してAct42-Act45のループを繰り返す。そしてプロセッサ11は、着目SKUに関するA店舗の全てを着目A店舗としてAct42-Act44をそれぞれ実行してもAct44にてNoと判定することなしにAct45へと進んだならば、Act45にてYesと判定することになる。そしてプロセッサ11はこの場合、Act14へと進む。そしてプロセッサ11は、Act14にて第1の実施形態と同様に終了候補リストを更新した上で、Act46へと進む。
これに対してプロセッサ11は、着目SKUに関するA店舗のいずれかに関する共通SKU数が閾値以上であるならばAct44にてNoと判定し、Act14をパスしてAct46へと進む。
【0079】
かくして、着目SKUに関するA店舗の中に共通SKU数が閾値以上であるA店舗が1つでも含まれるならば、着目SKUは着目C店舗での販売を終了する候補とはされない。つまり、着目SKUに関するA店舗が存在していても、当該A店舗の全てが着目C店舗と販売形態の類似性が低い場合には、着目SKUは着目C店舗での販売を終了する候補とされる。
【0080】
Act46としてプロセッサ11は、着目SKUに関するC店舗の全てを着目C店舗として選択済みであるか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、まだ着目C店舗として選択していないC店舗が存在するならばNoと判定し、Act41以降の処理を繰り返す。このときにプロセッサ11はAct41としては、Act41-Act46のループを繰り返すうちにAct41にて既に選択したのとは異なるC店舗を選択する。これによりプロセッサ11は、着目SKUに関するC店舗のそれぞれを着目C店舗として選択してAct41-Act46のループを繰り返す。
プロセッサ11は、着目SKUに関するC店舗の全てを着目C店舗としてAct41-Act46のループを繰り返し終えたならば、Act46にてYesと判定し、Act15へと進む。
【0081】
以上のように第2の実施形態によれば、着目SKUのC店舗での販売を終了すべきか否かの判断において、C店舗とA店舗との販売形態の類似性をも参照しているので、担当者が、販売を終了するSKUを選定するにあたってのより有用な様々な情報を提供できる。
【0082】
以下、以上に説明した各実施形態と、本願の出願当初の特許請求の範囲の記載との関係について説明する。
プロセッサ11は、着目SKUに関するA店舗の売上実績に基づいて、着目SKUに関するC店舗での販売を終了すべき終了候補として着目SKUに属する商品を決定している。かくして、C店舗が第1の店舗に相当し、A店舗が第2の店舗に相当する。そして情報提供アプリ13aに基づき図2中のAct3としての処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは上記のように終了候補を決定する決定手段として機能する。そして、実績データは、第1の店舗としてのC店舗及び第2の店舗としてのA店舗のそれぞれにおける過去の売上実績を示しているから、第1の実績データ及び第2の実績データに相当する。かくして情報提供アプリ13aに基づき図2中のAct1としての処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、そのような第1の実績データ及び第2の実績データを取得する第1の取得手段及び第2の取得手段として機能する。
【0083】
一覧画面SC1及び詳細画面SC2は、終了候補を示した候補データの一例である。従って、一覧画面SC1又は詳細画面SC2の内容を表したウェブページデータを端末装置としての情報端末4へと送信することは、候補データを出力することに相当する。かくして情報提供アプリ13aに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは出力手段として機能する。
【0084】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
例えば、着目SKUに関して全ての店舗がA店舗又はB店舗では無い場合に、着目SKUを各店舗における終了候補として決定するなど、他店舗の売上実績を参照する方法は任意であってよい。
【0085】
例えば、売上実績の金額が閾値以上であるか否かを判断することにより、売上実績のよい店舗と悪い店舗とに分類するなど、各店舗の分類はABCZ分析によらなくてもよい。
【0086】
売上実績は、売上金額に代えて又は加えて、個数又は利益金額などのような別の任意の要素を用いて判断してもよい。
【0087】
店舗の販売形態の類似性は、共通SKU数に代えて又は加えて、別の任意の要素を用いて判断してもよい。また、第2の実施形態のように候補選定処理の毎に類似性を判断するのではなく、予めの設定に基づいてもよい。例えば、店舗コードに、その店舗コードで識別される店舗と販売形態が類似する店舗の店舗コードを関連付けて示したデータテーブルを予め用意しておく。そしてプロセッサ11は、図4中のAct13においては、C店舗の店舗コードに上記のデータテーブルで関連付けられた店舗コードで識別される店舗にA店舗が含まれるか否かを判定する。
【0088】
情報提供サーバ1で行っている情報処理の全て又は一部を、情報提供サーバ1とは別の情報処理装置で行ってもよい。例えば、図2及び図4に示す情報処理と、図6に示す情報処理とを、それぞれ別々のサーバ装置で行ってもよい。また例えば、情報提供サーバ1の機能と、情報端末4の機能とを、単一の情報処理装置に備えてもよい。この場合、有効性データの出力は、送信によるのではなく、表示がそれに相当する。なお、この場合はさらに、表示に代えて、あるいは表示に加えて、プリント又は音声出力が行われてもよい。
【0089】
前述した情報処理は、その一部の処理の順番を入れ替えたり、一部の処理を省略したり、別の処理を追加したりしてもよい。
【0090】
情報提供サーバ1のハードウェアと、情報提供アプリ13aとは、同じ事業者が情報提供サーバ1の使用者に譲渡しても良いし、異なった事業者がそれぞれ個別に譲渡しても良い。また情報提供アプリ13aの譲渡は、情報提供サーバ1の補助記憶デバイス13に記憶された状態で行われてもよいし、情報提供サーバ1のハードウェアとは別に、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録された状態で行われてもよい。
【0091】
情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 所定の商品について第1の店舗における過去の売上実績を表した第1の実績データを取得する第1の取得手段と、
前記商品についての前記第1の店舗とは異なる第2の店舗における過去の売上実績を表した第2の実績データを取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記第1の実績データ及び前記第2の取得手段により取得された前記第2の実績データに基づいて、前記商品を前記第1の店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
を具備する情報提供装置。
[付記2] 前記決定手段は、前記第1の取得手段により取得された前記第1の実績データに基づいて、前記商品に関する前記第1の店舗における売上実績が予め定められた第1の基準に対して低いと判定し、かつ前記第2の取得手段により取得された前記第2の実績データに基づいて、前記商品に関する前記第2の店舗における売上実績が予め定められた第2の基準に対して高いと判定した場合には、前記商品を前記第1の店舗における販売を終了すべき終了候補として決定しない、
付記1に記載の情報提供装置。
[付記3] 前記第2の取得手段は、複数の前記第2の店舗における過去の売上実績をそれぞれ表した複数の第2の実績データを取得し、
前記決定手段は、複数の前記第2の実績データに基づいて、前記商品に関する複数の前記第2の店舗のいずれか1つの店舗における売上実績が前記第2の基準に対して高いと判定した場合には、前記商品を前記第1の店舗における販売を終了すべき終了候補として決定しない、
付記2に記載の情報提供装置。
[付記4] 前記決定手段は、前記商品に関する売上実績が前記第2の基準に対して高いと判定した前記第2の店舗の全てにおける販売形態が前記第1の店舗の販売形態との類似性が低い場合には、前記商品を前記第1の店舗における販売を終了すべき終了候補として決定する、
付記3に記載の情報提供装置。
[付記5] 情報提供装置が備えるコンピュータを、
所定の商品について第1の店舗における過去の売上実績を表した第1の実績データを取得する第1の取得手段と、
前記商品についての前記第1の店舗とは異なる第2の店舗における過去の売上実績を表した第2の実績データを取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記第1の実績データ及び前記第2の取得手段により取得された前記第2の実績データに基づいて、前記商品を前記第1の店舗での販売を終了すべき終了候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された終了候補を示した候補データを出力する出力手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
[付記6] 所定の商品について第1の店舗における過去の売上実績を表した第1の実績データを取得し、
前記商品についての前記第1の店舗とは異なる第2の店舗における過去の売上実績を表した第2の実績データを取得し、
取得された前記第1の実績データ及び前記第2の実績データに基づいて、前記商品を前記第1の店舗での販売を終了すべき終了候補として決定し、
決定された終了候補を示した候補データを出力する、
情報提供方法。
【符号の説明】
【0093】
1…情報提供サーバ、2…店舗システム、3…本部サーバ、4…情報端末、5…通信ネットワーク、6…セキュリティ回線、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、15…通信インタフェース、16…システムバス、21…POS端末、22…店舗サーバ、23…店内通信網。
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