(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】制御システム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20220314BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20220314BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220314BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220314BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W84/18
H04M11/00 301
H04Q9/00 301C
H04L12/28 200Z
(21)【出願番号】P 2018039891
(22)【出願日】2018-03-06
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田代 太一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康隆
(72)【発明者】
【氏名】朝妻 智裕
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-087804(JP,A)
【文献】特開2009-188930(JP,A)
【文献】国際公開第2018/024489(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/132446(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04M 11/00
H04Q 9/00
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを送信する上位装置によって送信されたソフトウェアの更新データが記録される記憶部と、
前記記憶部に前記更新データが記録されているか否かを所定のタイミングで判定する第1判定部と、
前記更新データが記録されていない場合、前記更新データを送信する上位装置に前記更新データを要求する要求指示を送信する第1要求部と、
を備える、通信装置と、
他の制御装置とメッシュネットワークを構成し、前記要求指示を中継する無線通信部と、
前記要求指示を受信した場合、自装置が備える記憶部に前記更新データが記録されているか否かを判定する第2判定部と、
前記更新データが記録されていない場合、前記要求指示を前記上位装置に送信する第2要求部と、
前記更新データが記録されている場合、前記要求指示を送信した通信装置に前記更新データを送信する第1送信制御部と、
を備える、複数の制御装置と、
を備え
、
前記第1送信制御部は、前記ソフトウェアのデータの全体量に対して欠損しているデータの量を割合で示した情報である欠損率が最も低い前記他の制御装置に対して、前記要求指示を送信する、制御システム。
【請求項2】
前記要求指示を受信した場合、前記更新データを送信する第2送信制御部と、
を備える、
上位装置と、を更に備え、
前記制御装置は、
自装置が備える記憶部に前記上位装置から送信された前記更新データが記録されていない場合、前記更新データを自装置が備える記憶部に記録させる制御部と、
を更に備え、
前記無線通信部は、前記上位装置から送信された前記更新データを前記要求指示を送信した通信装置に送信する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記第1送信制御部は、前記要求指示を送信した通信装置が通信できない状態である場合、前記更新データを、前記通信装置が通信できる状態となるまで保持し、前記通信装置が通信できる状態になると、前記更新データを前記通信装置に送信する、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第2要求部は、ブロードキャストで前記要求指示を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1送信制御部は、前記上位装置が前記要求指示を受信するまでに中継される制御装置の台数が最も少なくなる制御装置に対して、前記要求指示を送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記第1送信制御部は、直接通信可能な他の制御装置のうち、前記他の制御装置から受信する電波が最も強い前記制御装置に対して、前記要求指示を送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
他の制御装置とメッシュネットワークを構成し、ソフトウェアの更新データを要求する要求指示を中継する無線通信部と、
前記要求指示を受信した場合、自装置が備える記憶部に前記更新データが記録されているか否かを判定する判定部と、
前記更新データが記録されていない場合、前記要求指示をソフトウェアの更新データを送信する上位装置に送信する要求部と、
前記更新データが記録されている場合、前記要求指示を送信した通信装置に前記更新データを送信する送信制御部と、
を備え
、
前記送信制御部は、前記ソフトウェアのデータの全体量に対して欠損しているデータの量を割合で示した情報である欠損率が最も低い前記他の制御装置に対して、前記要求指示を送信する、制御装置。
【請求項8】
通信装置が、データを送信する上位装置によって送信されたソフトウェアの更新データが記録される記憶部を備え、
通信装置が、前記記憶部に前記更新データが記録されているか否かを所定のタイミングで判定する第1判定ステップと、
通信装置が、前記更新データが記録されていない場合、前記更新データを送信する上位装置に前記更新データを要求する要求指示を送信する第1要求ステップと、
制御装置が、他の制御装置とメッシュネットワークを構成し、前記要求指示を中継する無線通信ステップと、
制御装置が、前記要求指示を受信した場合、自装置が備える記憶部に前記更新データが記録されているか否かを判定する第2判定ステップと、
制御装置が、前記更新データが記録されていない場合、前記要求指示を前記上位装置に送信する第2要求ステップと、
制御装置が、前記更新データが記録されている場合、前記要求指示を送信した通信装置に前記更新データを送信する第1送信制御ステップと、
を
有し、
前記第1送信制御ステップにおいて、前記制御装置は、前記ソフトウェアのデータの全体量に対して欠損しているデータの量を割合で示した情報である欠損率が最も低い前記他の制御装置に対して、前記要求指示を送信する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御システム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルの建設又は改築では、無線通信方式を用いたネットワークが構成される場合が増えている。このようなネットワーク構成の1つとして、自律分散型のメッシュネットワークがある。ネットワークに接続された制御システムでは、ソフトウェアのバグ修正又はセキュリティ向上を目的としてファームウェアの更新が行われる。しかし、ファームウェアの配信サーバは、自律分散型のメッシュネットワークでは、ネットワークの状態又は電波干渉等の周辺環境に応じて、ファームウェアのデータを正常に配信できない場合がある。このような場合、送信先となる通信装置が、ファームウェアの配信サーバに対してデータの再送信の要求を行うため、ネットワーク全体の通信帯域が使用されてしまい、制御システムの状態情報又は制御情報の通信効率が低下する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-42399号公報
【文献】特開2016-178544号公報
【文献】特開2009-188930号公報
【文献】特開2017-216526号公報
【文献】特開2017-139520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より少ない通信使用量で更新データを送信することができる制御システム、制御装置及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の制御システムは、通信装置と、複数の制御装置とを持つ。通信装置は、記憶部と、第1判定部と、第1要求部とを持つ。記憶部は、データを送信する上位装置によって送信されたソフトウェアの更新データが記録される。第1判定部は、前記記憶部に前記更新データが記録されているか否かを所定のタイミングで判定する。第1要求部は、前記更新データが記録されていない場合、前記更新データを送信する上位装置に前記更新データを要求する要求指示を送信する。制御装置は、無線通信部と、第2判定部と、第2要求部と、第1送信制御部とを持つ。無線通信部は、他の制御装置とメッシュネットワークを構成し、前記要求指示を中継する。第2判定部は、前記要求指示を受信した場合、自装置が備える記憶部に前記更新データが記録されているか否かを判定する。第2要求部は、前記更新データが記録されていない場合、前記要求指示を前記上位装置に送信する。第1送信制御部は、前記更新データが記録されている場合、前記要求指示を送信した通信装置に前記更新データを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の機器制御システムの概略を示す図。
【
図2】実施形態の空調制御システム1のネットワーク構成の概略を示す図。
【
図3】実施形態のファームウェア管理サーバ100の機能構成を表す機能ブロック図。
【
図4】実施形態の制御装置200の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図5】実施形態のリモコン装置300の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図6】実施形態の経路情報テーブルの具体例を示す図。
【
図7】実施形態の接続情報テーブルの具体例を示す図。
【
図8】実施形態のファームウェアの送信の流れの第1の具体例を示すシーケンスチャート。
【
図9】実施形態のファームウェアの送信の流れの第2の具体例を示すシーケンスチャート。
【
図10】実施形態のファームウェアの送信の流れの第3の具体例を示すシーケンスチャート。
【
図11】実施形態のファームウェアの送信の流れの第4の具体例を示すシーケンスチャート。
【
図12】実施形態のファームウェアの送信の流れの第5の具体例を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の制御システム、制御装置及び制御方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の機器制御システムの概略を示す図である。
図1は、実施形態の機器制御システムの一例としての空調制御システム1を示す。空調制御システム1は、ビル内の空調を制御する機器制御システムである。空調制御システム1は、外調機10及び室内機20を備える。一般に、外調機10はAHU(Air HandlingUnit)と呼ばれ、ビル外の空気をビル内に取り込む設備である。
図1のダクト21は、外調機10によって取り込まれた空気の流れる配管である。外調機10は、ビル内に敷設されたダクト21を介して外気をビル内の各居室に送る。
【0009】
室内機20は、外調機10によってビル内に取り込まれた空気をビル内の各居室に供給する設備である。室内機20は、VAV(Variable Air Volume:可変風量)やFCU(Fan Coil Unit)等の送風機を備える。室内機20は、外調機10によってビル内に取り込まれた空気を天井裏から居室内に供給する。室内機20は、これらの送風機を制御するコントローラを備える。室内機20は、コントローラの制御によって居室内に供給する空気量を調節する。室内機20は、居室内のリモコン装置300又は各種センサ等から送風機の制御に必要な情報を取得する。
【0010】
例えば、リモコン装置300-1からリモコン装置300-m(mは自然数)は、それぞれ室内機20に対応するリモコン装置である。以下、いずれのリモコン装置であるかを区別しないときは、単にリモコン装置300と称して説明する。リモコン装置300は、利用者によって入力された設定情報を、無線通信によって室内機20に送信する。また、各種センサは、CO2センサ又は温度センサ等である。CO2センサは居室内のCO2の濃度を計測し、温度センサは居室内の温度を計測する。CO2センサ又は温度センサは、ゲートウェイ装置30との無線通信を介して、計測情報をDDC(Direct Digital Controller)40に送信する。DDC40は、外調機10を制御する装置である。DDC40は、CO2センサ又は温度センサから送信される計測情報に基づいて外調機10を制御する。
【0011】
ビル内の空調制御は、ビル内の空調エリアごとに行われる個別制御と、ビル全体で行われる全体制御とに大別される。個別制御は、各空調エリアを構成する機器に対して行われる制御である。例えば、個別制御は、リモコン装置300によって取得される設定情報に基づく室内機20の制御や、CO2センサ又は温度センサによって取得される計測情報に基づく外調機10の制御などであり、いずれも空調エリア内の通信によって実現される。なお、ビル内において、空調エリアはどのように設けられてもよい。例えば、空調エリアは、ビルのフロアごとに設けられてもよいし、各フロアの居室ごとに設けられてもよい。
【0012】
これに対して、全体制御は、上位システム50から送信される制御情報に基づく制御で
ある。例えば、全体制御は、全館の空調を一斉に停止又は開始する制御や、各空調エリア
に対して空調の目標値を定める制御などである。この全体制御のため、各空調エリアには、LCS(Local Control Server)60が設置される。LCS60は、ビル内の各空調エリアを結ぶ有線の制御ネットワーク70に接続され、制御ネットワーク70を介して上位システム50と通信する。例えば、LCS60は、ゲートウェイ装置30を介して、CO2センサ又は温度センサから計測情報を取得して上位システム50に送信する。上位システム50は、各空調エリアから収集された計測情報に基づいて、各空調エリアに対して空調の目標値を設定するための制御情報を生成する。上位システム50は、生成した制御情報を、制御対象の各空調エリアのLCS60に送信する。各空調エリアのLCS60は、上位システム50から送信された制御情報が示す目標値を実現されるように、自身が所属する空調エリアの各機器を制御する。
【0013】
本実施形態の空調制御システム1は、このような空調制御を実現する各空調エリアの機器制御ネットワークとして、第1ネットワーク80及び複数の第2ネットワーク90-1から90-Nを持つ。以下、いずれの第2ネットワークであるかを区別しないときは、単に第2ネットワーク90と称して説明する。第1ネットワーク80は、空調エリアにおいて安定して電力供給を受けられる装置間の通信を実現するための無線ネットワークである。例えば、第1ネットワーク80は、天井裏に設置された室内機20やゲートウェイ装置30等の装置間の通信を実現する。一方で、第2ネットワーク90は、空調エリアにおいて消費可能な電力に制限がある装置と、第1ネットワーク80に接続された機器との間の通信を実現するための無線ネットワークである。例えば、第2ネットワーク90は、居室内に設置され、電池等の有限な電源で動作するリモコン装置300又は各種センサ等との通信を実現する。
【0014】
図2は、実施形態の空調制御システム1のネットワーク構成の概略を示す図である。空調制御システム1は、ファームウェア管理サーバ100、複数の制御装置200及び複数のリモコン装置300で構成される。ファームウェア管理サーバ100は、制御装置200又はリモコン装置300に対してファームウェアのデータを送信する。制御装置200は、受信したファームウェアのデータをリモコン装置300又は他の制御装置200に送信する。制御装置200は、第1ネットワーク80を構成する。リモコン装置300は、ファームウェアのデータを受信する。リモコン装置300は、予め指定された制御装置200と通信を行う。第2ネットワーク90は、リモコン装置300と制御装置200との間のネットワークである。
【0015】
空調制御システム1の第1ネットワーク80は、無線メッシュネットワークとして構成される。メッシュネットワークとは、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、メッシュ状に形成された通信ネットワークのことである。特に、無線通信機能を持つ端末同士で形成されるメッシュネットワークを、無線メッシュネットワークという。メッシュネットワークでは、ネットワークを構成するノードが1つ以上の他のノードと相互に通信することによって、送信パケットがバケツリレー方式で宛先のノードに転送される。送信パケットの転送経路(通信経路)はメッシュネットワークのプロトコルによって、ネットワークの状態に応じて動的に決定される。そのため、無線メッシュネットワークは、仮に一つのノードが通信不能となった場合であっても、他の通信可能なノードによる転送経路で送信パケットを宛先のノードまで転送することができる。このように無線メッシュネットワークは高い耐障害性を有する。実施形態の空調制御システム1では、このような無線メッシュネットワークとして第1ネットワーク80を構成するため、各制御装置200の間の通信に関して高い信頼性を実現することができる。
【0016】
このように高い信頼性を実現できる一方で、第1ネットワーク80を構成する各ノードでは、ネットワークの状態に応じた動的な通信制御処理が必要となる。そのため、第1ネットワーク80を構成するノードには常時通信可能な状態であることが求められる。また、上記の通信制御処理は比較的負荷の高い処理であるため、長時間稼働のためには安定した電力供給が必要となる。そのため、第1ネットワーク80は、安定して電力供給を受けられ、かつ高い信頼性を要する制御装置200の通信ネットワークには適している。しかし、各居室内に設置され、電池等の有限な電源で動作するリモコンやセンサ等のリモコン装置300との通信には適していない。そのため、本実施形態の空調制御システム1では、第2ネットワーク90は、制御装置200とリモコン装置300との間の通信ネットワークを、負荷の高い通信制御処理を必要としないツリー型の無線ネットワークとして構成される。
【0017】
図3は、実施形態のファームウェア管理サーバ100の機能構成を表す機能ブロック図である。ファームウェア管理サーバ100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。ファームウェア管理サーバ100は、制御装置200又はリモコン装置300に対して、ファームウェアのデータを送信する。ファームウェア管理サーバ100は、ファームウェア送信プログラムを実行することによって無線通信部101、入力部102、表示部103、ファームウェア記憶部104、経路情報記憶部105及び制御部106を備える装置として機能する。なお、ファームウェア管理サーバ100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。ファームウェア送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。ファームウェア送信プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。ファームウェア管理サーバ100は、上位装置の一態様である。上位装置は、リモコン装置300又は制御装置200のデータを送信する。
【0018】
無線通信部101は、ファームウェア管理サーバ100が、第1ネットワーク80又は第2ネットワーク90を構成する制御装置200又はリモコン装置300と通信するため無線通信インタフェースである。無線通信部101は、第1ネットワーク80からの受信パケットを制御部106が備える第1プロトコル処理部107に出力する。無線通信部101は、第1プロトコル処理部107から出力される送信パケットを無線電波に変換して出力する。無線通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。
【0019】
入力部102は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部102は、入力装置をファームウェア管理サーバ100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部102は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、ファームウェア管理サーバ100に対する指示を示す指示情報)を生成し、ファームウェア管理サーバ100に入力する。
【0020】
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部103は、出力装置をファームウェア管理サーバ100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部103は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0021】
ファームウェア記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。ファームウェア記憶部104は、制御装置200又はリモコン装置300に送信されるファームウェアを記憶する。ファームウェア記憶部104は、ファームウェアのデータを制御装置200又はリモコン装置300によって受信される受信単位毎に記憶される。ファームウェアのデータは、受信単位毎に識別可能な識別情報と対応付けて記憶される。ファームウェア記憶部104には、制御装置200用のファームウェアとリモコン装置300用のファームウェアとがそれぞれ記憶される。
【0022】
経路情報記憶部105は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。経路情報記憶部105は、経路情報テーブルを記憶する。経路情報テーブルは、ファームウェア管理サーバ100が第1ネットワーク80を介して接続される他の装置と通信する場合のネットワーク上の経路情報を記録する。
【0023】
図6は、実施形態の経路情報テーブルの具体例を示す図である。経路情報テーブルは、経路情報レコードを有する。経路情報レコードは、宛先装置、宛先アドレス及び転送先アドレスの各値を有する。宛先装置は、データの宛先となる装置の名称を表す。データはファームウェアのデータであってもよいし、他のどのようなデータであってもよい。宛先アドレスは、ファームウェアのデータの宛先となる装置のネットワーク上のアドレスを表す。宛先アドレスは、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、MAC(Media Access Control)アドレスであってもよい。転送先アドレスは、他の制御装置200を中継して宛先アドレスにデータを送信する場合、中継先となる直接数新可能な装置の宛先アドレスを表す。転送先アドレスは、他の制御装置200を中継しない場合、宛先装置の宛先アドレスとなる。自装置とは、データの送信元となる装置を表す。
【0024】
図6に示される例では、経路情報テーブルの最上段の経路情報レコードは、宛先装置の値が“制御装置200-1”、宛先アドレスの値が“192.168.10.1”、転送先アドレスが“192.168.10.1”である。従って、経路情報テーブルの最上段のレコードによると、データの送信先となる宛先装置が“制御装置200-1”である場合、宛先アドレスは“192.168.10.1”となる。自装置は、宛先アドレス“192.168.10.1”にデータを送信するために、転送先アドレス“192.168.10.1”にデータを送信することがわかる。また、最上段の経路情報レコードによると、宛先アドレスと転送先アドレスとが、“192.168.10.1”で一致している。したがって、自装置と宛先装置とは、直接通信可能であることがわかる。なお、
図6に示される経路情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、
図6とは異なる態様で経路情報テーブルが構成されてもよい。例えば、経路情報テーブルは、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)等の他の装置と通信を行うための通信プロトコルの値を有していてもよい。なお、経路情報テーブルは、装置毎に異なる値を持つ経路情報レコードが記録される。経路情報レコードは、複数の転送先アドレスを記憶するように構成されてもよい。転送先アドレスの値は、第1ネットワーク80のトラフィック状況に応じて、動的に変更されてもよい。
【0025】
図3に戻り、ファームウェア管理サーバ100の説明を続ける。制御部106は、ファームウェア管理サーバ100の各部の動作を制御する。制御部106は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部106は、ファームウェア配信プログラムを実行することによって、第1プロトコル処理部107、送信制御部108及び検索部109として機能する。
【0026】
第1プロトコル処理部107は、第1ネットワーク80側の通信プロトコルに基づく通信処理(以下「第1プロトコル処理」という。)を行う。具体的には、第1プロトコル処理部107は、無線メッシュネットワークの通信プロトコル(以下「無線メッシュプロトコル」という。)に基づくプロトコル処理を行う。例えば、無線メッシュプロトコルは、複数のノードでメッシュネットワークを構成する機能(以下「メッシュ構成機能」という。)や、受信データの宛先に応じて決定される経路で受信データを宛先のノードに転送する機能(以下「メッシュ転送機能」という。)などを有する。第1プロトコル処理部107は、このようなメッシュ構成機能やメッシュ転送機能を実現するプロトコル処理を実行する。宛先とはデータの転送経路において終点となるノードを表す。
【0027】
送信制御部108は、ファームウェアのデータを制御装置200又はリモコン装置300に送信する。具体的には、送信制御部108は、経路情報テーブルに記憶された宛先装置の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部108は、ファームウェア記憶部104に記憶されたファームウェアのデータを取得する。送信制御部108は、取得されたファームウェアのデータと宛先アドレスと転送先アドレスとを対応付けて第1プロトコル処理部107に出力する。送信制御部108は、第2送信制御部の一態様である。第2送信制御部は、欠損データ再送要求指示を受信した場合、欠損データ再送指示にて要求されたファームウェアのデータを送信する。
【0028】
検索部109は、ファームウェアのデータを検索する。具体的には、検索部109は、制御装置200又はリモコン装置300から欠損データ再送指示を受け付ける。検索部109は、受け付けた欠損データ再送指示に含まれる識別情報を取得する。検索部109は、取得された識別情報に対応付けられたファームウェアのデータを、ファームウェア記憶部104から検索する。検索部109は、ファームウェアのデータが特定できた場合、送信制御部108にファームウェアのデータが特定できたことを示す情報を出力する。検索部109は、ファームウェアのデータが特定できなかった場合、エラー画面を表示部103に表示させる。欠損データ再送指示は、制御装置200又はリモコン装置300から送信される。欠損データ再送指示は、再送指示の一態様である。
【0029】
欠損データ再送指示は、所定のファームウェアのデータの再送を要求する指示である。所定のファームウェアのデータとは、例えば、正常に受信されなかったファームウェアのデータであってもよい。欠損データ再送指示は、正常に受信されなかったファームウェアのデータに対応付けられた識別情報と、欠損データ再送指示を生成した装置を表すアドレスを少なくとも含む。
【0030】
エラー画面とは、少なくとも一部のファームウェアのデータがファームウェア記憶部104に記憶されていないことを示す画面である。エラー画面が表示部103に表示されることで、空調制御システム1の運用者は、ファームウェア記憶部104に記憶されたファームウェアのデータの欠損を検知することができる。運用者は、ファームウェアのデータの欠損を検知すると、ファームウェア記憶部104に記憶された欠損したファームウェアのデータの補完を早期に行うことが可能になる。エラー画面は予め記憶されていてもよいし、制御部106によって生成されてもよい。
【0031】
図4は、実施形態の制御装置200の機能構成の具体例を示すブロック図である。制御装置200は、PLC(Programmable Logic Controller)、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。制御装置200は、他の制御装置200又はリモコン装置300に対して、ファームウェアのデータを送信する。制御装置200は、ファームウェア管理サーバ100又は他の制御装置200に対して、欠損データ再送指示を送信する。制御装置200は、ファームウェア送信プログラムの実行することによって無線通信部201、入力部202、表示部203、ファームウェア記憶部204、経路情報記憶部205及び制御部206を備える装置として機能する。なお、制御装置200の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。ファームウェア送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。制御装置プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0032】
無線通信部201は、制御装置200が、第1ネットワーク80及び第2ネットワーク90を構成するファームウェア管理サーバ100、他の制御装置200又はリモコン装置300と通信するため無線通信インタフェースである。無線通信部201は、第1ネットワーク80における通信と、第2ネットワーク90における通信と、を同じ無線周波数帯域を用いて行う。無線通信部201は、第1ネットワーク80からの受信パケットを制御部206が備える第1プロトコル処理部207に出力する。無線通信部201は、第2ネットワーク90からの受信パケットを制御部206が備える第2プロトコル処理部208に出力する。無線通信部201は、第1プロトコル処理部207及び第2プロトコル処理部208から出力される送信パケットを無線電波に変換して出力する。無線通信部201は、例えば無線LAN、Bluetooth又はLTE等の通信方式で通信してもよい。無線通信部201は、他の制御装置200とメッシュネットワークを構成し、受信したデータを中継する。
【0033】
なお、無線通信部201は、受信パケットのプロトコルが第1プロトコル処理部207又は第2プロトコル処理部208のいずれのプロトコルに対応するかをパケットのヘッダ等から判定する判定部(不図示)を備え、判定部の判定結果に応じたプロトコル処理部から受信パケットを出力してもよい。また、無線通信部201は、全ての受信パケットを第1プロトコル処理部207及び第2プロトコル処理部208の両方に出力してもよい。この場合、制御部206は、受信パケットの取捨選択を第1プロトコル処理部207及び第2プロトコル処理部208側で行うように構成されてもよい。
【0034】
入力部202は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部202は、入力装置を制御装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部202は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、制御装置200に対する指示を示す指示情報)を生成し、制御装置200に入力する。
【0035】
表示部203は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。表示部203は、出力装置を制御装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部203は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0036】
ファームウェア記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。ファームウェア記憶部104は、ファームウェア管理サーバ100又は他の制御装置200から送信されたファームウェアのデータを記憶する。ファームウェア記憶部204は、ファームウェアのデータを受信単位毎に記憶する。ファームウェアのデータは、受信単位毎に識別可能な識別情報と対応付けて記憶される。ファームウェア記憶部204には、制御装置200用のファームウェアとリモコン装置300用のファームウェアとがそれぞれ記憶される。
【0037】
経路情報記憶部205は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。経路情報記憶部205は、経路情報テーブルを記憶する。経路情報テーブルは、制御装置200が第1ネットワーク80又は第2ネットワーク90を介して接続される他の装置と通信する場合のネットワーク上の経路情報を記録する。経路情報テーブルは
図6に示されるテーブルと同じ態様で記録される。
【0038】
制御部206は、制御装置200の各部の動作を制御する。制御部206は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部206は、ファームウェア配信プログラムを実行することによって、第1プロトコル処理部207、第2プロトコル処理部208、送信制御部209、検索部210、要求部211及び更新処理部212として機能する。
【0039】
第1プロトコル処理部207は、上述の第1プロトコル処理を行う。第2プロトコル処理部208は、第2ネットワーク90側の通信プロトコルに基づく通信処理(以下「第2プロトコル処理」という。)を行う。具体的には、第2プロトコル処理部208は、ツリー型の無線ネットワークの通信プロトコル(以下「ツリー型無線プロトコル」という。)に基づくプロトコル処理を行う。例えば、ツリー型無線プロトコルは、複数のノードでツリー型の無線ネットワークを構成する機能(以下「ツリー構成機能」という。)などを有する。第2プロトコル処理部208は、このようなツリー型構成機能を実現するプロトコル処理を実行する。
【0040】
送信制御部209は、受信したファームウェアのデータを他の制御装置200又はリモコン装置300に送信する。具体的には、送信制御部209は、受信したファームウェアのデータに含まれる宛先装置の値が一致する経路情報レコードに記憶された宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得されたファームウェアのデータと宛先装置と宛先アドレスと転送先アドレスとを対応付けて第1プロトコル処理部107又は第2プロトコル処理部208に出力する。送信制御部209が取得するファームウェアのデータは、ファームウェア管理サーバ100又は制御装置200から送信されたデータであってもよいし、欠損データ再送指示に含まれるファームウェアのデータの識別情報に対応付けられたデータであってもよい。送信制御部209は、第1送信制御部の一態様である。第1送信制御部は、要求されたファームウェアのデータが記録されている場合、要求されたファームウェアのデータをリモコン装置300に送信する。
【0041】
検索部210は、所定のタイミングでファームウェアのデータを検索する。所定のタイミングとは、例えば、他の制御装置200又はリモコン装置300から欠損データ再送指示を受け付けた場合であってもよいし、更新処理部212から検索指示を受け付けた場合であってもよい。検索指示は、ファームウェア記憶部204に記憶されるファームウェアのデータを検索する指示である。検索指示は、ファームウェアのデータの識別情報が少なくとも含まれる。検索部210は、第2判定部の一態様である。第2判定部は、再送指示にて要求されたファームウェアのデータをファームウェア記憶部204に記録されているか否かを判定する。
【0042】
まず、欠損データ再送指示を受け付けた場合について説明する。検索部210は、制御装置200又はリモコン装置300から欠損データ再送指示を受け付ける。検索部210は、受け付けた欠損データ再送指示に含まれる識別情報を取得する。検索部210は、取得された識別情報に対応付けられたファームウェアのデータを、ファームウェア記憶部204から検索する。検索部210は、ファームウェアのデータを特定した場合、送信制御部209にファームウェアのデータを特定したことを示す情報を出力する。検索部210は、ファームウェアのデータが特定できなかった場合、要求部211にファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を出力する。
【0043】
次に、検索指示を受け付けた場合について説明する。検索部210は、更新処理部212から検索指示を受け付ける。検索部210は、受け付けた検索指示に含まれる識別情報を取得する。検索部210は、取得された識別情報に対応付けられたファームウェアのデータを、ファームウェア記憶部204から検索する。検索部210は、ファームウェアのデータが特定できた場合、更新処理部212にファームウェアのデータを特定したことを示す情報を出力する。検索部210は、ファームウェアのデータが特定できなかった場合、要求部211及び更新処理部212にファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を出力する。
【0044】
要求部211は、ファームウェア管理サーバ100又は制御装置200に対して欠損データ再送指示を送信する。まず、要求部211は、検索部210からファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を受付ける。要求部211は、制御装置200が他の装置から欠損データ再送指示を受信していた場合、受信された欠損データ再送指示を第1プロトコル処理部107に出力する。この時、要求部211は、ファームウェア管理サーバ100のアドレスを宛先アドレスとしたユニキャストで送信するように指定してもよいし、ブロードキャストで送信するように指定してもよい。要求部211は、第2再送要求部の一態様である。第2再送要求部は、要求されたファームウェアのデータがファームウェア記憶部204に記録されていない場合、欠損データ再送指示をファームウェア管理サーバ100に送信する。
【0045】
また、更新処理部212から検索指示を受け付けていた場合、要求部211は、特定できなかったファームウェアのデータの識別情報を含む欠損データ再送指示を生成する。要求部211は、生成された欠損データ再送指示を第1プロトコル処理部107に出力する。この時、要求部211は、ファームウェア管理サーバ100のアドレスを宛先アドレスとしたユニキャストで送信するように指定してもよいし、ブロードキャストで送信するように指定してもよい。
【0046】
更新処理部212は、制御装置200のファームウェアを更新する。具体的には、更新処理部212は、ファームウェア記憶部204にファームウェアのデータの欠損があるか否かを判定する判定部を備える。欠損とは、受信されていないファームウェアのデータがある状態を表す。更新処理部212は、ファームウェアのデータの欠損がないと判定された場合に、ファームウェア記憶部204からファームウェアのデータを取得し、自装置のファームウェアの更新の処理を実行する。ファームウェアの更新が正常に実行された場合、表示部203に表示されるアイコンのデザインが変更されてもよいし、正常に実行された旨を示す画像が表示されてもよい。更新処理部212は、ファームウェアのデータの欠損があると判定された場合、欠損したファームウェアのデータの識別情報を含む検索指示を検索部210に出力する。
【0047】
更新処理部212は、検索部210からファームウェアのデータを特定したことを示す情報を受付けた場合、再度、自装置のファームウェアの更新の処理を実行する。更新処理部212は、検索部210からファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を受付けた場合、ファームウェアの更新の処理を停止する。ファームウェアの更新が停止された場合、表示部203にファームウェアの更新が停止されたことを示す画像が表示されてもよい。
【0048】
図5は、実施形態のリモコン装置300の機能構成の具体例を示すブロック図である。リモコン装置300は、室温又はCO2濃度等を測定するセンサ又は室内機20に対して制御指示を送信するリモコンなどの装置である。制御指示は例えば、室温の上昇又は下降を求める指示であってもよいし、除湿等の指示であってもよい。リモコン装置300は、ファームウェア管理サーバ100又は他の制御装置200に対して、欠損データ再送指示を送信する。リモコン装置300は、ファームウェア送信プログラムの実行することによって無線通信部301、入力部302、表示部303、ファームウェア記憶部304、接続情報記憶部305及び制御部306を備える装置として機能する。なお、リモコン装置300の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。ファームウェア送信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。制御装置プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。リモコン装置300は、通信装置の一態様である。
【0049】
無線通信部301は、リモコン装置300が、第2ネットワーク90を構成する制御装置200と通信するため無線通信インタフェースである。無線通信部301は、第2ネットワーク90からの受信パケットを制御部306が備える第2プロトコル処理部307に出力する。無線通信部301は、第2プロトコル処理部208から出力される送信パケットを無線電波に変換して出力する。無線通信部301は、例えば無線LAN、Bluetooth又はLTE等の通信方式で通信してもよい。
【0050】
入力部302は、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部302は、入力装置をリモコン装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部302は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、リモコン装置300に対する指示を示す指示情報)を生成し、リモコン装置300に入力する。
【0051】
表示部303は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。表示部303は、出力装置をリモコン装置300に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部303は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0052】
ファームウェア記憶部304は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。ファームウェア記憶部304は、ファームウェア管理サーバ100又は他の制御装置200から送信されたファームウェアのデータを記憶する。ファームウェア記憶部304は、ファームウェアのデータを受信単位毎に記憶する。ファームウェアのデータは、受信単位毎に識別可能な識別情報と対応付けて記憶される。ファームウェア記憶部304は、リモコン装置300のファームウェアのデータを記憶する。
【0053】
接続情報記憶部305は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。接続情報記憶部305は、接続情報テーブルを記憶する。接続情報テーブルは、制御装置200が、第2ネットワーク90を介して接続している他のリモコン装置300の接続情報を記憶する。
【0054】
図7は、実施形態の接続情報テーブルの具体例を示す図である。接続情報テーブルは、接続情報レコードを有する。
図7の接続情報テーブルは、
図2に示されたリモコン装置300-2に記憶された接続情報テーブルである。接続情報レコードは、装置名及びアドレスの各値を有する。装置名は、制御装置200に接続された他のリモコン装置300の名称を表す。アドレスは、リモコン装置300のネットワーク上のアドレスを表す。アドレスは、例えば、IPアドレスであってもよいし、MACアドレスであってもよい。接続情報テーブルは、リモコン装置300毎に異なる接続情報レコードが記録される。
【0055】
図7に示される例では、接続情報テーブルの最上段の接続情報レコードは、装置名の値が“リモコン装置300-3”、アドレスの値が“192.168.12.2”である。従って、接続情報テーブルの最上段のレコードによると、第2ネットワーク90-2には、リモコン装置300-2の他に、リモコン装置300-3が制御装置200-2に接続されていることがわかる。なお、
図7に示される接続情報テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、
図7とは異なる態様で経路情報テーブルが構成されてもよい。例えば、接続情報テーブルは、TCP又はUDP等の制御装置200と通信を行うための通信プロトコルの値を有していてもよい。
【0056】
図5に戻り、リモコン装置300の説明を続ける。制御部306は、リモコン装置300の各部の動作を制御する。制御部306は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部306は、ファームウェア配信プログラムを実行することによって、第2プロトコル処理部307、検索部308、要求部309及び更新処理部310として機能する。
【0057】
第2プロトコル処理部307は、第2プロトコル処理を行う。検索部308は、所定のタイミングでファームウェアのデータを検索する。所定のタイミングとは、例えば、更新処理部310から検索指示を受け付けた場合であってもよいし、ファームウェアのデータを受信した後、指定された時間が経過した後であってもよい。まず、検索部308は、更新処理部310から検索指示を受け付ける。検索部308は、受け付けた検索指示に含まれる識別情報を取得する。検索部308は、取得された識別情報に対応付けられたファームウェアのデータを、ファームウェア記憶部304から検索する。検索部308は、ファームウェアのデータが特定できた場合、更新処理部310にファームウェアのデータが特定できたことを示す情報を出力する。検索部308は、ファームウェアのデータが特定できなかった場合、要求部309及び更新処理部310にファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を出力する。検索部308は、第1判定部の一態様である。第1判定部は、ファームウェア記憶部304にファームウェアのデータが記録されているか否かを判定する。
【0058】
要求部309は、ファームウェア管理サーバ100又は制御装置200に対して欠損データ再送指示を送信する。要求部309は、検索部308からファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を受付ける。要求部309は、特定できなかったファームウェアのデータの識別情報を含む欠損データ再送指示を生成する。要求部309は、生成された欠損データ再送指示を第2プロトコル処理部307に出力する。この時、要求部309は、ファームウェア管理サーバ100のアドレスを宛先アドレスとしたユニキャストで送信するように指定してもよいし、ブロードキャストで送信するように指定してもよい。要求部は、第1再送要求部の一態様である。第1再送要求部は、更新データの一部がファームウェア記憶部304に記録されていない場合、記録されていない更新データをファームウェア管理サーバ100に要求する再送指示を送信する。
【0059】
更新処理部310は、リモコン装置300のファームウェアを更新する。具体的には、更新処理部310は、ファームウェア記憶部304にファームウェアのデータの欠損があるか否かを判定する判定部(不図示)を備える。更新処理部310は、ファームウェアのデータの欠損がないと判定された場合に、ファームウェア記憶部304からファームウェアのデータを取得し、自装置のファームウェアの更新の処理を実行する。ファームウェアの更新が正常に実行された場合、表示部303に表示されるアイコンのデザインが変更されてもよいし、正常に実行された旨を示す画像が表示されてもよい。更新処理部310は、ファームウェアのデータの欠損があると判定された場合、欠損したファームウェアのデータの識別情報を含む検索指示を検索部308に出力する。
【0060】
更新処理部310は、検索部308からファームウェアのデータを特定したことを示す情報を受付けた場合、再度、自装置のファームウェアの更新の処理を実行する。更新処理部310は、検索部308からファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を受付けた場合、ファームウェアの更新の処理を停止する。ファームウェアの更新が停止された場合、表示部303にファームウェアの更新が停止されたことを示す画像が表示されてもよい。
【0061】
図8は、実施形態のファームウェアの送信の流れの第1の具体例を示すシーケンスチャートである。
図8は、
図2に示されるファームウェア管理サーバ100がリモコン装置300-6に対してファームウェアのデータを送信する流れについて示したチャートである。
【0062】
ファームウェア管理サーバ100の送信制御部108は、ファームウェアのデータを制御装置200-2に送信する(ステップS101)。具体的には、送信制御部108は、ファームウェア記憶部104に記憶されたファームウェアのデータを取得する。送信制御部108は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。
図8のチャートでは、取得された転送先アドレスは、制御装置200-2を表すアドレスである。したがって、送信制御部108は、取得されたファームウェアのデータ、宛先アドレス及び転送先アドレスを更新データとして制御装置200-2に送信する。なお、
図8では、送信制御部108は、更新データを第1更新データ、第2更新データ及び第3更新データの3つの更新データに分割して送信する。
【0063】
送信制御部108は、第1更新データを制御装置200-2に送信する(ステップS102)。なお、無線メッシュネットワークでは、電波が伝搬する領域に配置された装置は、第1更新データを受信できる。したがって、制御装置200-1は、第1更新データを受信する。制御装置200-2の制御部206は、受信した第1更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS103)。また、制御装置200-1の制御部206は、受信した第1更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0064】
制御装置200-2の送信制御部209は、第1更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS104)。具体的には、送信制御部209は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得された転送先アドレスに対して第1更新データを送信する。なお、
図8のチャートでは、転送先アドレスは、制御装置200-4のアドレスである。また、制御装置200-2によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、第1更新データを受信する。制御装置200-4の制御部206は、受信した第1更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS105)。また、制御装置200-3の制御部206は、受信した第1更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0065】
制御装置200-4の送信制御部209は、第1更新データをリモコン装置300-6に送信する(ステップS106)。具体的には、送信制御部209は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得された転送先アドレスに対して第1更新データを送信する。なお、
図8の場合、転送先アドレスは、リモコン装置300-6のアドレスである。リモコン装置300-6の制御部306は、受信した第1更新データをファームウェア記憶部304に記録する(ステップS107)。
【0066】
送信制御部108は、第2更新データを制御装置200-2に送信する(ステップS108)。なお、無線メッシュネットワークでは、電波が伝搬する領域に配置された装置は、第2更新データを受信できる。したがって、制御装置200-1は、第2更新データを受信する。制御装置200-2の制御部206は、受信した第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS109)。また、制御装置200-1の制御部206は、受信した第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0067】
制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS110)。具体的には、送信制御部209は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得された転送先アドレスに対して第2更新データを送信する。また、制御装置200-2によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置される。したがって、制御装置200-3は、第2更新データを受信する。制御装置200-4の制御部206は、受信した第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS111)。また、制御装置200-3の制御部206は、受信した第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0068】
制御装置200-4の送信制御部209は、第2更新データをリモコン装置300-6に送信する(ステップS112)。しかし、制御装置200-4によって送信された第2更新データは、リモコン装置300-6には到達していない。
【0069】
送信制御部108は、第3更新データを制御装置200-2に送信する(ステップS113)。なお、無線メッシュネットワークでは、電波が伝搬する領域に配置された装置は、第3更新データを受信できる。したがって、制御装置200-1は、第3更新データを受信する。制御装置200-2の制御部206は、受信した第3更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS114)。また、制御装置200-1の制御部206は、受信した第3更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0070】
制御装置200-2の送信制御部209は、第3更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS115)。具体的には、送信制御部209は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得された転送先アドレスに対して第3更新データを送信する。また、制御装置200-2によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、第3更新データを受信する。制御装置200-4の制御部206は、受信した第3更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS116。また、制御装置200-3の制御部206は、受信した第3更新データをファームウェア記憶部204に記録する。
【0071】
制御装置200-4の送信制御部209は、第3更新データをリモコン装置300-6に送信する(ステップS117)。具体的には、送信制御部209は、経路情報テーブルから、リモコン装置300-6の宛先アドレス及び転送先アドレスを取得する。送信制御部209は、取得された転送先アドレスに対して第3更新データを送信する。リモコン装置300-6の制御部306は、受信した第3更新データをファームウェア記憶部304に記録する(ステップS118)。
【0072】
リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS119)。
図8のチャートでは、第2更新データが、リモコン装置300-6に到達していない。したがって、ファームウェアのデータには欠損があると判定される。なお、ファームウェアのデータに欠損がない場合(ステップS119:NO)、処理は、ステップS124に遷移する。ファームウェアのデータに欠損がある場合(ステップS119:YES)、要求部309は、制御装置200-4に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS120)。
【0073】
制御装置200-4の検索部210は、欠損データ再送指示に含まれる識別情報に対応付けられた第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する(ステップS121)。制御装置200-4の送信制御部209は、第2更新データをリモコン装置300-6に送信する(ステップS122)。リモコン装置300-6の制御部306は第2更新データをファームウェア記憶部304に記録する(ステップS123)。リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、ファームウェアの更新を行う(ステップS124)。
【0074】
図9は、実施形態のファームウェアの送信の流れの第2の具体例を示すシーケンスチャートである。
図9は、
図2に示されるファームウェア管理サーバ100がリモコン装置300-6に対してファームウェアのデータを送信する流れについて示したチャートである。
図9のステップS101からステップS109までは、
図8と同じであるため、説明を省略する。
【0075】
制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS110a)。しかし、制御装置200-2によって送信された第2更新データは、制御装置200-4には到達していない。なお、制御装置200-2によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、第2更新データを受信する。したがって、第2更新データは、制御装置200-3のファームウェア記憶部204に記録される(ステップS111a)。
図9のステップS113からステップS118までは、
図8と同じであるため、説明を省略する。
【0076】
リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS201)。
図9のチャートでは、第2更新データが、リモコン装置300-6に到達していない。したがって、ファームウェアのデータには欠損があると判定される。なお、ファームウェアのデータに欠損がない場合(ステップS201:NO)、処理は、ステップS208に遷移する。ファームウェアのデータに欠損がある場合(ステップS201:YES)、要求部309は、制御装置200-4に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS202)。
【0077】
制御装置200-4の検索部210は、欠損データ再送指示を受け付けると、欠損データ再送指示に含まれる第2更新データの識別情報を取得する。検索部210は、第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する。なお、
図9のチャートでは、第2更新データが、制御装置200-4に到達していない。したがって、検索部210は、制御装置200-4の要求部211にファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を出力する。要求部211は、制御装置200-2に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS203)。なお、制御装置200-4によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、欠損データ再送指示を受信する。
【0078】
制御装置200-2の検索部210は、欠損データ再送指示に含まれる識別情報に対応付けられた第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する(ステップS204)。制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを欠損データ再送指示の送信元である制御装置200-4に送信する(ステップS205)。この場合、制御装置200-4のファームウェア記憶部204は、第2更新データを記憶していない。したがって、ファームウェア記憶部204は、第2更新データを記憶してもよい。制御装置200-4は、送信された第2更新データを欠損データ再送指示の送信元であるリモコン装置300-6に送信する(ステップS206)。リモコン装置300-6の制御部306は第2更新データをファームウェア記憶部304に記録する(ステップS207)。リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、ファームウェアの更新を行う(ステップS208)。
【0079】
図10は、実施形態のファームウェアの送信の流れの第3の具体例を示すシーケンスチャートである。
図10では、制御装置200用のファームウェアが制御装置200-4に対して送信される流れについて示したチャートである。
図10のステップS101からステップS105まで、ステップS108、ステップS109は、
図8と同じであるため、説明を省略する。
【0080】
制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS110b)。しかし、制御装置200-2によって送信された第2更新データは、制御装置200-4には到達していない。なお、制御装置200-2によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、第2更新データを受信する。したがって、第2更新データは、制御装置200-3のファームウェア記憶部204に記録される(ステップS111b)。
図10のステップS113からステップS116までは、
図8と同じであるため、説明を省略する。
【0081】
制御装置200-4の更新処理部212は、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS301)。
図10のチャートでは、第2更新データが、制御装置200-4に到達していない。したがって、ファームウェアのデータには欠損があると判定される。なお、ファームウェアのデータに欠損がない場合(ステップS301:NO)、処理は、ステップS306に遷移する。ファームウェアのデータに欠損がある場合(ステップS301:YES)、要求部211は、制御装置200-2に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS120)。なお、制御装置200-4によって送信された電波が伝搬する領域には制御装置200-3が配置されている。したがって、制御装置200-3は、欠損データ再送指示を受信する。
【0082】
制御装置200-2の検索部210は、欠損データ再送指示に含まれる識別情報に対応付けられた第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する(ステップS303)。制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS304)。制御装置200-4の制御部206は第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS305)。制御装置200-4の更新処理部212は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、ファームウェアの更新を行う(ステップS306)。
【0083】
図11は、実施形態のファームウェアの送信の流れの第4の具体例を示すシーケンスチャートである。
図11は、制御装置200-4が、送信元となる制御装置200-2とは異なる制御装置である制御装置200-3に対して、再送指示を送信する流れについて示したチャートである。
図11のステップS101からステップS116までは、
図10と同じであるため、説明を省略する。
【0084】
制御装置200-4の更新処理部212は、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS401)。
図11のチャートでは、第2更新データが、制御装置200-4に到達していない。したがって、ファームウェアのデータには欠損があると判定される。なお、ファームウェアのデータに欠損がない場合(ステップS401:NO)、処理は、ステップS406に遷移する。ファームウェアのデータに欠損がある場合(ステップS401:YES)、要求部211は、制御装置200-3に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS402)。
【0085】
制御装置200-3の検索部210は、欠損データ再送指示に含まれる識別情報に対応付けられた第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する(ステップS403)。制御装置200-3の送信制御部209は、第2更新データを制御装置200-4に送信する(ステップS404)。制御装置200-4の制御部206は第2更新データをファームウェア記憶部204に記録する(ステップS405)。制御装置200-4の更新処理部212は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、ファームウェアの更新を行う(ステップS406)。
【0086】
図12は、実施形態のファームウェアの送信の流れの第5の具体例を示すシーケンスチャートである。
図12は、ファームウェア管理サーバ100からリモコン装置300-6にデータを送信するまでの通信経路と、リモコン装置300-6からファームウェア管理までにデータを送信するまでの通信経路と、が異なる場合における、再送指示を送信する流れについて示したチャートである。
図12のステップS101からステップS118までは、
図9と同じであるため、説明を省略する。
【0087】
リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS501)。
図12のチャートでは、第2更新データが、リモコン装置300-6に到達していない。したがって、ファームウェアのデータには欠損があると判定される。なお、ファームウェアのデータに欠損がない場合(ステップS501:NO)、処理は、ステップS508に遷移する。ファームウェアのデータに欠損がある場合(ステップS501:YES)、要求部309は、制御装置200-4に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS502)。
【0088】
制御装置200-4の検索部210は、欠損データ再送指示を受け付けると、欠損データ再送指示に含まれる第2更新データの識別情報を取得する。検索部210は、第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する。なお、
図12のチャートでは、第2更新データが、制御装置200-4に到達していない。したがって、検索部210は、制御装置200-4の要求部211にファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報を出力する。要求部211は、制御装置200-3に対して欠損データ再送指示を送信する(ステップS503)。
【0089】
制御装置200-3の検索部210は、欠損データ再送指示に含まれる識別情報に対応付けられた第2更新データを、ファームウェア記憶部204から検索する(ステップS504)。制御装置200-2の送信制御部209は、第2更新データを欠損データ再送指示の送信元である制御装置200-4に送信する(ステップS505)。この場合、制御装置200-4のファームウェア記憶部204は、第2更新データを記憶していない。したがって、ファームウェア記憶部204は、第2更新データを記憶してもよい。制御装置200-4は、送信された第2更新データを欠損データ再送指示の送信元であるリモコン装置300-6に送信する(ステップS506)。リモコン装置300-6の制御部306は第2更新データをファームウェア記憶部304に記録する(ステップS507)。リモコン装置300-6の更新処理部310は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、ファームウェアの更新を行う(ステップS508)。
【0090】
このように構成された空調制御システム1では、リモコン装置300の更新処理部310が、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する。要求部309は、ファームウェアのデータに欠損がある場合、ファームウェア管理サーバ100又は制御装置200に対して、ファームウェアのデータの再送を要求する。ファームウェア管理サーバ100までの各制御装置200が、欠損されたファームウェアのデータを記憶している場合、その制御装置200が、リモコン装置300に対してファームウェアのデータを送信する。したがって、各ノードで分割受信するファームウェアのデータに欠損があった場合に、逐次、ファームウェア管理サーバ100に欠損データの再送を要求する必要がなくなる。このため、近傍のノードが保持するファームウェアのデータで欠損データを補完して、ファームウェアのデータを再構築するため、特に狭帯域の無線通信方式で構成されたネットワークにおいて、ネットワークの使用量を抑制することができ、通信効率が向上する。また、リモコン装置300等の中継転送機能を有さない無線機器は、欠損した更新データの要求から受領までの待ち時間を短縮することができる。したがって、リモコン装置300がバッテリで駆動する場合には、稼働時間の長期化を図ることができる。
【0091】
(実施形態の変形例)
ファームウェア管理サーバ100の送信制御部108又は制御装置200の送信制御部209は、リモコン装置300までの中継段数が最も少ない制御装置200を転送先として決定してもよい。中継段数とは、宛先装置までに中継される制御装置200の数を表す。この場合、経路情報レコードは、複数の転送先アドレスを記憶する。また、経路情報テーブルは、転送先アドレスに対応付けて中継段数の値を記録する。送信制御部108又は送信制御部209は、宛先装置の経路情報レコードの中継段数の値を参照する。送信制御部108又は送信制御部209は、中継段数が最小となる転送先アドレスに対して、ユニキャストでファームウェアのデータを送信する。
【0092】
ファームウェア管理サーバ100の送信制御部108又は制御装置200の送信制御部209は、ファームウェアのデータをリモコン装置300又は制御装置200に送信する場合、他の制御装置200又はリモコン装置300との間の電波強度に基づいて、転送先となる装置を決定するように構成されてもよい。電波強度とは、転送先アドレスの装置と通信するための電波の強さを表す情報である。電波強度は、例えばdBで表される。この場合、経路情報レコードは、複数の転送先アドレスを記憶する。また、経路情報テーブルは、転送先アドレスに対応付けて電波強度の値を記録する。送信制御部108又は送信制御部209は、宛先装置の経路情報レコードの電波強度の値を参照する。送信制御部108又は送信制御部209は、電波強度が最大となる転送先アドレスに対して、ユニキャストでファームウェアのデータを送信する。
【0093】
ファームウェア管理サーバ100及び制御装置200は、欠損率を算出する欠損率算出部を更に備えるように構成されてもよい。欠損率は、ファームウェアのデータの全体量に対して、欠損しているデータの量を割合で示した情報である。欠損率は、他の制御装置200又はリモコン装置300によって送信される。この場合、経路情報レコードは、宛先装置、宛先アドレス及び転送先アドレスに加えて、欠損率をさらに記憶する。制御装置200は、欠損データ再送指示を受信した場合、欠損率が最も低い制御装置200に対して、欠損データ再送指示を送信する。
【0094】
リモコン装置300は、ファームウェア管理サーバ100からファームウェアのデータが送信されたか否かに関わらず、ファームウェアのデータに欠損がある場合には、ファームウェアのデータを要求するように構成されてもよい。具体的には、検索部308は、予め指定されたタイミングで、ファームウェア記憶部304に、ファームウェアのデータに欠損があるか否かを判定する。検索部308は、ファームウェアのデータに欠損がある場合、要求部309に対して、欠損したファームウェアのデータの識別情報とファームウェアのデータが特定できなかったことを示す情報とを出力する。検索部308は、ファームウェアのデータに欠損がない場合、更新処理部310にファームウェアのデータに欠損がないことを示す情報を出力する。更新処理部310は、リモコン装置300のファームウェアを更新する。
【0095】
制御装置200の送信制御部209は、ファームウェアのデータの送信先となるリモコン装置300が電源オフ等で通信できない状態である場合、電源オン等の通信できる状態となるまでファームウェアのデータをファームウェア記憶部204に記録するように構成されてもよい。
【0096】
上記各実施形態では、送信制御部108、検索部109、送信制御部209、検索部210、要求部211、更新処理部212、検索部308、要求部309、更新処理部310はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
【0097】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、検索部210、要求部211、更新処理部212、検索部308、要求部309、更新処理部310を持つことにより、欠損データが発生した場合であっても、ファームウェア管理サーバ100に再送を要求する必要がなくなる。このため、ネットワークの使用量を抑制することができ、通信効率が向上することができる。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
1…空調制御システム、10…外調機、20…室内機、21…ダクト、30…ゲートウェイ装置、40…DDC、50…上位システム、60…LCS、70…制御ネットワーク、80…第1ネットワーク、90…第2ネットワーク、100…ファームウェア管理サーバ、101…無線通信部、102…入力部、103…表示部、104…ファームウェア記憶部、105…経路情報記憶部、106…制御部、107…第1プロトコル処理部、108…送信制御部、109…検索部、200…制御装置、201…無線通信部、202…入力部、203…表示部、204…ファームウェア記憶部、205…経路情報記憶部、206…制御部、207…第1プロトコル処理部、208…第2プロトコル処理部、209…送信制御部、210…検索部、211…要求部、212…更新処理部、300…リモコン装置、301…無線通信部、302…入力部、303…表示部、304…ファームウェア記憶部、305…接続情報記憶部、306…制御部、307…第2プロトコル処理部、308…検索部、309…要求部、310…更新処理部