(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】低水素系被覆アーク溶接棒
(51)【国際特許分類】
B23K 35/365 20060101AFI20220314BHJP
B23K 35/30 20060101ALN20220314BHJP
【FI】
B23K35/365 P
B23K35/30 330A
(21)【出願番号】P 2018060211
(22)【出願日】2018-03-27
【審査請求日】2020-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】302040135
【氏名又は名称】日鉄溶接工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 佑介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 将
(72)【発明者】
【氏名】岩立 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡部 雅大
【審査官】川口 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-367393(JP,A)
【文献】特開2000-107889(JP,A)
【文献】特開平05-293690(JP,A)
【文献】特開2017-064740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/365
B23K 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼心線に被覆剤が塗布されている低水素系被覆アーク溶接棒において、
前記被覆剤は、当該被覆剤全質量に対する質量%で、
金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:3~10%、
金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:1~5%、
Ti酸化物のTiO
2換算値の合計:1~3%、
Si酸化物のSiO
2換算値の合計:3~8%、
金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:40~55%、
金属弗化物のF換算値の合計:1~5%、
有機物の1種または2種以上の合計:0.1~2.0%、
鉄粉:10~30%、
Na化合物及びK化合物のNa
2O換算値及びK
2O換算値の合計:1~
4.6%未満を含有し、
残部は、塗装剤、鉄合金からのFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする低水素系被覆アーク溶接棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立向下進溶接においてアークの安定性及び耐棒焼け性に優れ、溶接金属の強度及び低温での靱性が優れる低水素系被覆アーク溶接棒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低水素系被覆アーク溶接棒は、優れた機械的性質を有する溶接金属が得られることから幅広く使用されている。一方、この低水素系被覆アーク溶接棒は、イルミナイト系溶接棒やライムチタニヤ系溶接棒と比較して、アークの安定性に欠け、溶融速度が遅い、ビードが伸びない、凸ビードになるなど溶接作業性が悪いという欠点をもっている。特に立向下進溶接においては、高電流溶接が常用されており、高電流の溶接条件で溶接すると、深い溶け込みが得られ溶接作業能率が向上する反面、溶接棒の後半部において鋼心線が発熱し、被覆剤が焼けた状態、即ち、棒焼け現象(以下、棒焼けという。)を起こし易くなる欠点がある。この棒焼けを生じた溶接棒を使用すると、溶接時にアークが不安定となり、溶接作業性の劣化を招くばかりかブローホールや溶け込み不足などの溶接欠陥が発生する。
【0003】
近年では、更なる溶接作業能率及び溶接部の品質向上が要求されることから、良好な機械的性能の溶接金属を維持しつつ、アークの安定性に優れ、アークの吹付けが好適な立向下進溶接用の低水素系被覆アーク溶接棒が要望されており、種々の提案がされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、被覆アーク溶接棒の被覆剤中の成分組成及び焼成後の嵩密度を規定することで溶接中の被覆の脱落を防止し、優れたアークの安定性とシールド効果を得る技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、被覆アーク溶接棒の被覆剤中のVの含有量を規定することで、
溶接金属の耐割れ性を向上させる技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、これら特許文献1及び特許文献2に記載の被覆アーク溶接棒では、従来からの低水素系被覆アーク溶接棒の問題点とされてきたアークの安定性、溶接金属の機械的性能を改善できるものの、耐棒焼け性を向上させることは困難であった。
【0007】
さらに、特許文献3には、固着剤としての水ガラスにおけるSiO2/Na2Oのモル比を2.8~3.8とした高モル比水ガラスを用いることによって棒焼けを防止する技術が開示されている。ところが、水ガラスのモル比を高くすると、製造時に乾燥割れが生じ、またNa2OやK2Oなどのアルカリ金属酸化物の含有量が少なくなるのでアーク状態が劣化しスパッタの飛散が多くなるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭57-72790号公報
【文献】特開平8-281474号公報
【文献】特開昭57-206595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、特に立向下進溶接においてアークの安定性に優れ、好適なアークの吹付けが得られ、ビード形状及び耐棒焼け性が良好で、機械的性能に優れた溶接金属が得られる低水素系被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は、鋼心線に被覆剤が被覆されている低水素系被覆アーク溶接棒において、鋼心線に被覆剤が塗布されている低水素系被覆アーク溶接棒において、前記被覆剤は、当該被覆剤全質量に対する質量%で、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:3~10%、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:1~5%、Ti酸化物のTiO2換算値の合計:1~3%、Si酸化物のSiO2換算値の合計:3~8%、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:40~55%、金属弗化物のF換算値の合計:1~5%、有機物の1種または2種以上の合計:0.1~2.0%、鉄粉:10~30%、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:1~4.6%未満を含有し、残部は、塗装剤、鉄合金からのFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする低水素系被覆アーク溶接棒である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の低水素系被覆アーク溶接棒によれば、特に立向下進溶接において良好なアーク安定性、好適なアークの吹付けが得られるなど優れた溶接作業性を確保することができ、ビード形状、耐棒焼け性が良好で、機械的性能に優れた溶接金属を得ることができる。このため、溶接作業能率の向上及び溶接部の品質向上に大いに貢献できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために、低水素系被覆アーク溶接棒を作製し、立向下進溶接において溶接作業性及び溶接金属の機械的性能を改善するべく、まずは耐棒焼け性について詳細に調査した。その結果、立向下進の溶接では、高電流で溶接を行うため溶接熱によって溶接棒が赤熱しやすいため、金属炭酸塩の含有量及び有機物の含有量を適正とし、吸熱反応を早くさせることにより、棒焼けを防止できることを見出した。
【0013】
また、アークの安定性は、被覆剤中のTiO2及びNa化合物及びK化合物といったアーク安定剤の各含有量を適正にすることで改善できることを見出した。
【0014】
溶接金属の機械的性能については、被覆剤中のSi及びMnの含有量を適正とし、溶接金属中に適量のSi及びMnを歩留まらせることで、溶接金属の機械的性能を改善できることを見出した。
【0015】
以下、本発明を適用した低水素系被覆アーク溶接棒の被覆剤中の成分組成と、その成分組成の限定理由について詳細に説明する。なお、各成分組成の含有量は、被覆剤全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載することとする。
【0016】
[金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:3~10%]
Siは、金属Si、Fe-Si、Fe-Si-Mn等のSi合金から添加され、溶接金属の脱酸を目的として使用されるが、溶接作業性確保の上でも必要である。金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が3%未満では、脱酸不足で溶接金属中にブローホールが発生し易く、アークが不安定で溶接の継続が困難となる。一方、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が10%を超えると、溶接金属組織の粒界に低融点酸化物を析出させ靱性が低下する。したがって、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計は3~10%とする。
【0017】
[金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:1~5%]
Mnは、金属Mn、Fe-Mn、Fe-Si-Mn等のMn合金から添加され、Siと同様に脱酸剤として添加する他、溶接金属の強度向上を図る上で有効である。金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計が1%未満では、溶接金属の強度が低下する。一方、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計が5%を超えると、溶接金属の強度が高くなり靭性が低くなる。したがって、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計は1~5%とする。
【0018】
[Ti酸化物のTiO2換算値の合計:1~3%]
Ti酸化物は、ルチール、酸化チタン、チタン酸ソーダ、チタンスラグ等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性及びビード形状を改善する効果を有する。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が1%未満であると、アークが不安定になるとともに、スラグ流動性が悪くなってビード形状が不良となる。一方、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が3%を超えると、溶接時に溶融スラグの粘性が高くなりスラグの流れが低下するので、ビードの形状が凸状で溶込みが浅くなり融合不良が生じやすくなる。したがって、Ti酸化物のTiO2換算値の合計は1~3%とする。
【0019】
[Si酸化物のSiO2換算値の合計:3~8%]
Si酸化物は、珪砂、長石、水ガラス等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性及びスラグ剥離性を改善する効果を有する。Si酸化物のSiO2換算値の合計が3%未満であると、アークが弱く不安定になるとともに、生成したスラグのガラス質が少なくなってスラグ剥離性が不良になる。一方、Si酸化物のSiO2換算値の合計が8%を超えると、スラグの粘性が高くなってビード形状が不良となる。したがって、被覆剤中のSi酸化物のSiO2換算値の合計は3~8%とする。
【0020】
[金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:40~55%]
金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン、炭酸リチウム等から1種または2種以上にわたり添加され、アーク中で分解してCO2ガスを発生させて溶着金属を大気から遮蔽して保護する効果を有する。金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が40%未満であると、シールド効果が不足してブローホールが発生しやすくなり、棒焼けが発生しやすくなる。一方、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が55%を超えると、アークが不安定で凸ビードとなり、スラグ剥離性も悪くなる。したがって、被覆剤中の金属炭酸塩の1種または2種以上の合計は40~55%とする。
【0021】
[金属弗化物のF換算値の合計:1~5%]
金属弗化物は蛍石、弗化バリウム、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム等から添加され、F換算値はそれらに含有されるF換算値の合計である。これら弗素化合物は、いずれも溶融スラグの粘性を下げて流動性のよいスラグを作り優れたビード形状とする。金属弗化物のF換算値の合計が1%未満であると、適正な溶融スラグの粘性が得られずビードの形状が劣下する。一方、金属弗化物のF換算値の合計が5%を超えると、スラグ剥離性が劣化する。したがって、金属弗化物のF換算値の合計は1~5%とする。
【0022】
[有機物の1種または2種以上の合計:0.1~2.0%]
有機物は、アルギン酸ソーダ、小麦粉、澱粉、コーンスターチ等から1種または2種以上にわたり添加され、アークの吹付けを強くし、溶け込みを深くしてブローホール等の溶接欠陥を抑制する効果がある。有機物の1種または2種以上の合計が0.1%未満であると、アークの吹付けが弱くなり、溶込みが浅くなってブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、有機物の1種または2種以上の合計が2.0%を超えると、棒焼けが発生しやすくなり、スパッタ発生量も多くなる。したがって、被覆剤中の有機物の1種または2種以上の合計は0.1~2.0%とする。
【0023】
[鉄粉:10~30%]
鉄粉は溶着金属量を増大させるため、溶接能率を向上させる上で極めて有効である。鉄粉が10%未満では、溶接能率が低下しビード形状が劣化する。一方、鉄粉が30%を超えると、溶接時後半において棒焼けし最後まで溶接できない。したがって、鉄粉は10~30%とする。
【0024】
[Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:1~4.6%未満]
Na化合物及びK化合物は、水ガラス中の珪酸ソーダ、珪酸カリウム、カリ長石等から添加され、アーク安定剤として作用してアークを安定化する効果を有する。Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が1%未満であると、アークが不安定になる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が4.6%以上であると、アークの吹付けが過剰に強くなり、ビード形状が不良になる。したがって、被覆剤中のNa化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計は1~4.6%未満とする。
【0025】
なお、本発明を適用した低水素系被覆アーク溶接棒の残部は、塗装剤として、ヘクトライト、マイカ等の1種以上を合計で被覆剤全質量に対する質量%で5%以下含有することができ、その他はFe-Si、Fe-Mn、Fe-Si-Mn等の鉄合金からのFe分及び不可避不純物である。
【0026】
また、使用する軟鋼心線は、JIS G3523 SWY11を用いることが好ましい。さらに、被覆剤の軟鋼心線への被覆率は、溶接棒全質量に対する被覆剤の質量%で25~38%であることが好ましい。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を提供した低水素系被覆アーク溶接棒の実施例について具体的に説明する。
【0028】
表1に示す直径4.0mm、長さ400mmのJIS G3523 SWY11の軟鋼心線に、表2に示す各成分組成からなる被覆剤を塗布後乾燥して各種低水素系被覆アーク溶接棒を試作した。
【0029】
【0030】
【0031】
これら試作溶接棒を使用し、溶接作業性及び機械的性能について調査した。
【0032】
溶接作業性の評価は、板厚9mm、幅75mm、長さ450mmのJIS G 3101 SS400の軟鋼板をT字に組んだ試験体を用い、二次側無負荷電圧が60Vの小型溶接機を使用し、溶接電流170~190Aで立向下進溶接を行い、アークの吹付け、アーク安定性、スラグ剥離性、ビード形状、棒焼けの有無を調査した。また、耐棒焼け性は、210Aで立向下進溶接した際、鋼心線が発熱して棒焼けしないものを良好とした。
【0033】
機械的性能の評価は、板厚19mmのJIS G 3106 SM490Aを用い、JIZ Z3111に準じて交流溶接機で溶着金属試験を行い、引張試験片(A0号)と衝撃試験片(Vノッチ試験片)を採取して引張試験及び衝撃試験を行った。
【0034】
引張試験の評価は、引張強さが440~550MPaを良好とした。また、靭性の評価は、試験温度-30℃でシャルピー衝撃試験を行い、各々繰り返し3回の吸収エネルギーの平均値が60J以上を良好とした。
【0035】
溶接欠陥は、溶着金属試験後の試験体を、JIS Z 3106に準じてX線透過試験を実施し、ブローホール及び融合不良等の有無を調査した。これらの調査結果を表3にまとめて示す。
【0036】
【0037】
表2及び表3中、溶接棒記号R1~R6、R8~R12が本発明例、溶接棒記号R13~R25は比較例である。
【0038】
本発明例である溶接棒R1~R6、R8~R12は、被覆剤中の金属Si及びSi合金のSi換算値の合計、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計、Ti酸化物のTiO2換算値の合計、Si酸化物のSiO2換算値の合計、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計、金属弗化物のF換算値の合計、有機物の1種または2種以上の合計、鉄粉、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が適正であるので、アークの吹付けが適正で、アークが安定し、スラグ剥離性に優れ、ビード形状が良好であった。また、棒焼けも発生せず、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーも良好で、極めて満足な結果であった。
【0039】
比較例中溶接棒R13は、Ti酸化物のTiO2換算値が多いので、溶融スラグの粘性が高くなり、ビードが凸状となり融合不良も発生した。
【0040】
溶接棒R14は、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が多いので、溶着金属の吸収エネルギーの最低値が低かった。また、鉄粉が多いので、棒焼けした。
【0041】
溶接棒R15は、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が少ないので、アークが弱く不安定で、ブローホールが生じた。
【0042】
溶接棒R16は、金属Mn及びMn合金のMn換算値が高いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーも低かった。また、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が多いので、アークが不安定で、スラグ剥離性が不良となり、ビード形状も凸状であった。
【0043】
溶接棒R17は、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計が少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。また、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が多いので、アークの吹付けが過剰に強く、ビード形状が不良であった。
【0044】
溶接棒R18は、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が少ないので、アークが不安定で、ビード形状が不良であった。
【0045】
溶接棒R19は、Si酸化物のSiO2換算値の合計が多いので、ビード形状が不良であった。また、有機物の1種または2種以上の合計が多いので、棒焼けが発生した。
【0046】
溶接棒R20は、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が少ないので、棒焼けが生じ溶着金属にブローホールも発生した。
【0047】
溶接棒R21は、金属弗化物のF換算値の合計が多いので、スラグ剥離性が不良であった。また、鉄粉が少なかったので、溶着量が不足してビード形状が不良であった。
【0048】
溶接棒R22は、金属弗化物のF換算値が少ないので、ビードの形状が不良であった。
【0049】
溶接棒R23は、有機物の1種または2種以上の合計が少ないので、アークの吹付けが弱くて溶込みが浅くなり溶着金属にブローホールが発生した。
【0050】
溶接棒R24は、Si酸化物のSiO2換算値の合計が少ないので、アークが弱く不安定で、スラグ剥離性も不良であった
【0051】
溶接棒R25は、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が少ないので、アークが不安定であった。