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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】アイウエア及びテンプル
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/16 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
G02C5/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019174590
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021051214
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2019-09-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-11
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100208524
【弁理士】
【氏名又は名称】小曳 満昭
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】浅田 敬一
(72)【発明者】
【氏名】高原 光弘
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】小濱 健太
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-191134(JP,A)
【文献】登録実用新案第3184254(JP,U)
【文献】特開2009-120983(JP,A)
【文献】特表2016-511337(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074075(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0029248(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第108797102(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C1/00-13/00
A63B27/00
A63B71/00
A41D13/00
A61F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の目を覆うように装着されるアイウエアであって、
前記装着者の身体に接触するクッション部を備え、
前記クッション部は、可撓性材料によって構成された複数の線状部材が立体的に交差して形成された立体網状構造体を有し、
前記クッション部は、前記身体に接触する表面を有し、
前記複数の線状部材は、前記表面に沿って延在する複数の第1線状部材と、前記表面に交差する方向に延在する複数の第2線状部材とを含み、
前記複数の第2線状部材が交差している交差部を備え
前記クッション部は、長尺状を呈し、
前記立体網状構造体は、前記複数の線状部材によって画成され、前記表面に露出する複数の網状部を有し、
前記クッション部の長手方向における前記表面に露出する各前記網状部の長さは、前記クッション部の短手方向における前記表面に露出する各前記網状部の長さよりも長く、
前記クッション部は、前記アイウエアのテンプルに沿うように前記テンプルに固定されている、
アイウエア。
【請求項2】
前記網状部は、多角形状を呈する、
請求項1に記載のアイウエア。
【請求項3】
前記表面に露出する各前記網状部は、六角形状を呈する、
請求項2に記載のアイウエア
【請求項4】
記テンプルの先端部における前記クッション部は、前記テンプルの根元部における前記クッション部よりも柔らかい、
請求項1~のいずれか一項に記載のアイウエア。
【請求項5】
前記テンプルの先端部における前記クッション部の前記線状部材の太さは、前記テンプルの根元部における前記クッション部の前記線状部材の太さよりも細い、
請求項1~4のいずれか一項に記載のアイウエア。
【請求項6】
前記テンプルの先端部における前記立体網状構造体の密度は、前記テンプルの根元部における前記立体網状構造体の密度よりも小さい、
請求項1~5のいずれか一項に記載のアイウエア。
【請求項7】
前記線状部材の太さが0.5mm以上且つ1.0mm以下である、
請求項1~のいずれか一項に記載のアイウエア。
【請求項8】
前記線状部材の断面形状が円形状、楕円形状又は長円形状である、
請求項1~のいずれか一項に記載のアイウエア。
【請求項9】
装着者の目を覆うように装着されるアイウエアのテンプルであって、
前記装着者の身体に接触するクッション部を備え、
前記クッション部は、可撓性材料によって構成された複数の線状部材が立体的に交差して形成された立体網状構造体を有し、
前記クッション部は、前記身体に接触する表面を有し、
前記複数の線状部材は、前記表面に沿って延在する複数の第1線状部材と、前記表面に交差する方向に延在する複数の第2線状部材とを含み、
前記複数の第2線状部材が交差している交差部を備え
前記クッション部は、長尺状を呈し、
前記立体網状構造体は、前記複数の線状部材によって画成され、前記表面に露出する複数の網状部を有し、
前記クッション部の長手方向における前記表面に露出する各前記網状部の長さは、前記クッション部の短手方向における前記表面に露出する各前記網状部の長さよりも長く、
前記クッション部は、前記テンプルに沿うように前記テンプルに固定されている、
テンプル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アイウエア及びテンプルに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-26784号公報には、レンズを保持するフロントフレームと、フロントフレームの両端のそれぞれに折り畳み可能に取り付けられた一対のテンプルと、フロントフレームの中央に形成された鼻パッドとを備えたメガネが記載されている。フロントフレーム及び一対のテンプルは、ウレタン樹脂又はシリコン樹脂等の樹脂によって構成されている。ウレタン樹脂又はシリコン樹脂等の樹脂は、メガネの装着者の肌に対して滑りにくい素材として用いられている。当該樹脂が肌に接触することにより、肌からのメガネのずれの抑制を図っている。
【0003】
特開平10-161067号公報には、鼻当て付きのフレームを備えたメガネが記載されている。このメガネでは、フレームにおける左右のレンズ保持枠の間に一対の鼻当てが配置されている。鼻当ては、鼻当て用の基材と、基材に貼り付けられると共に装着者の鼻に接触するパッドとを備える。パッドは軟質多孔性材料によって構成されており、この軟質多孔性材料は吸水性、柔軟性及び弾性を有する。メガネの着用時に着用者の鼻に上記のパッドが当たることにより、フレームのずれの抑制、及び不快感の低減を図っている。
【0004】
特開2019-66782号公報には、メガネフレームのクッション材が記載されている。クッション材は、メガネにおける鼻当てパッド部、テンプル及びフロントのそれぞれに固定されている。クッション材はシート状とされており、クッション材の材料はシリコーン系粘弾性材料とされている。クッション材は、装着者を保護するために設けられ、メガネの装着時に装着者に密着する。
【0005】
特表2013-533512号公報には、メガネ用のフレームが記載されている。フレームは、一対の耳づると、一対の耳づるを互いに接続する前部と、前部の中央付近において下方に突出する一対の鼻当てとを備える。耳づる及び鼻当てのそれぞれには、蒸気を透過する多数の孔が形成された機能的挿入体が設けられている。この機能的挿入体を備えたメガネを使用者が装着すると、使用者の汗が蒸気となったときに当該蒸気が機能的挿入体を透過する。これにより、使用者の皮膚上における汗の停滞を抑制している。
【0006】
実開平2-81518号公報には、メガネフレームの鼻当てパットが記載されている。メガネフレームは、連結板を介して互いに連結されると共にレンズが取り付けられる一対のリムと、一対のリムの両端側のそれぞれに位置する一対のヨロイと、各ヨロイに対して蝶番を介して回動自在に連結する一対のツルとを備える。メガネフレームは、リムの外周且つ連結板の下側に一対の鼻当てパットを備える。鼻当てパットは、複数のワイヤが格子状に互いに交差することによって網目状に形成されたパットを有する。このパットが使用者の鼻に当てられることによって鼻の部分における通気性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-26784号公報
【文献】特開平10-161067号公報
【文献】特開2019-66782号公報
【文献】特表2013-533512号公報
【文献】実開平2-81518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したメガネのフレームでは、装着者の身体に接触する部分に樹脂材料、軟質多孔性材料又はシート状のクッション材を用いてずれの抑制、又は装着者の保護を図っている。また、前述した機能的挿入体及び鼻当てパットでは、装着者の身体に接触する部分に多数の孔が形成されることにより、汗の停滞を防止して通気性を確保している。
【0009】
しかしながら、装着者の身体に接触する部分の材料がクッション材等である場合には、クッション材が身体に密着することにより、依然として蒸れることが想定されフィット性及び更なる通気性の改善が望まれる。また、装着者の身体に接触する部分に多数の孔が形成されている機能的挿入体及び鼻当てパットでは、孔が平面に沿うように2次元的に形成されている。しかしながら、孔が平面に沿うように2次元的に形成されている場合、平面的な構造であるが故に外力に対する強度が弱い上に、装着者の身体に接触する部位の3次元的な変形によるクッション性が担保されにくいことがある。よって、クッション性及びフィット性の点において改善の余地がある。
【0010】
本開示は、クッション性、フィット性及び通気性を向上させることができるアイウエア及びテンプルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係るアイウエアは、装着者の目を覆うように装着されるアイウエアであって、装着者の身体に接触するクッション部を備え、クッション部は、可撓性材料によって構成された複数の線状部材が立体的に交差して形成された立体網状構造体を有し、クッション部は、身体に接触する表面を有し、複数の線状部材は、表面に沿って延在する複数の第1線状部材と、表面に交差する方向に延在する複数の第2線状部材とを含み、複数の第2線状部材が交差している交差部を備える。クッション部は、長尺状を呈し、立体網状構造体は、複数の線状部材によって画成され、表面に露出する複数の網状部を有し、クッション部の長手方向における表面に露出する各網状部の長さは、クッション部の短手方向における表面に露出する各網状部の長さよりも長く、クッション部は、アイウエアのテンプルに沿うようにテンプルに固定されている。
【0012】
本開示に係るテンプルは、装着者の目を覆うように装着されるアイウエアのテンプルであって、装着者の身体に接触するクッション部を備え、クッション部は、可撓性材料によって構成された複数の線状部材が立体的に交差して形成された立体網状構造体を有し、クッション部は、身体に接触する表面を有し、複数の線状部材は、表面に沿って延在する複数の第1線状部材と、表面に交差する方向に延在する複数の第2線状部材とを含み、複数の第2線状部材が交差している交差部を備える。クッション部は、長尺状を呈し、立体網状構造体は、複数の線状部材によって画成され、表面に露出する複数の網状部を有し、クッション部の長手方向における表面に露出する各網状部の長さは、クッション部の短手方向における表面に露出する各網状部の長さよりも長く、クッション部は、テンプルに沿うようにテンプルに固定されている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、クッション性、フィット性及び通気性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係るテンプル及びアイウエアの一例を示す斜視図である。
図2図1のテンプルに固定されたクッション部の例を示す斜視図である。
図3図2のクッション部を示す斜視図である。
図4図2のクッション部を示す側面図である。
図5図2のクッション部の一端部を拡大した斜視図である。
図6図2のクッション部をクッション部の長手方向に直交する面で切断した断面斜視図である。
図7】変形例に係るクッション部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るアイウエア及びテンプルの実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0016】
本開示において、「アイウエア」は、装着者の目を覆うように装着される器具を示している。「アイウエア」は、近視、遠視又は乱視等の目の屈折異常を補正する眼鏡、目の周辺を装飾するサングラス、並びに目を保護するゴーグル等を含んでいる。「テンプル」は、アイウエアが装着されたときに装着者のこめかみ及び耳に対向する一対の線状の部分を示しており、つる又はアームとも称される。
【0017】
図1は、実施形態に係る例示的なアイウエア1を示している。アイウエア1は、スポーツタイプのアイウエアであり、例えば、ゴルフ用のアイウエア、ランニング用のアイウエア、又はロードバイク用のアイウエアであってもよい。アイウエア1は、フレーム10と、フレーム10に固定される一対のレンズ20と、装着者の身体に接触するクッション部50とを備える。
【0018】
例えば、レンズ20は、プラスチックレンズであるが、ガラスレンズであってもよい。レンズ20は、球面状を呈していてもよいし、平面状等、非球面状を呈していてもよい。レンズ20は、視力を矯正する度付きのレンズであってもよいし、コントラストレンズ、又は偏光レンズであってもよい。また、レンズ20は、調光機能及び偏光機能を有しないレンズであってもよいし、度無しレンズであってもよい。このように、レンズ20としては種々のレンズを用いることが可能である。
【0019】
フレーム10は、方向D2に沿って延びるフロント11と、フロント11の両側のそれぞれに設けられる一対の蝶番12と、各蝶番12からフロント11に交差する方向D1に延び出す一対のテンプル30とを備える。蝶番12とテンプル30の間には、アイウエア1の方向D2の両端側を向く合口13が設けられる。
【0020】
フロント11は、テンプル30が並ぶ方向D2に沿って設けられると共にレンズ20を囲む一対のリム11bと、一対のリム11bを互いに連結するブリッジ11cと、ブリッジ11cの下方に位置するパッド11dと、リム11b及び蝶番12を互いに連結する一対のヨロイ11fと、を備える。ヨロイ11fは、智(ち)とも称される。
【0021】
リム11bは、例えば、レンズ20の全周を囲むフルリムであるが、ハーフリム又はアンダーリムであってもよく、リムの種類は適宜変更可能である。一例として、リム11bの内周面には溝が形成されており、この溝にレンズ20が嵌め込まれている。なお、リム11bは省略されてもよい(ツーポイント等のリムレス眼鏡であってもよい)。
【0022】
例えば、リム11bは、ブリッジ11cからレンズ20の上側を通ってヨロイ11fまで斜め上方に延びる上縁部11gと、ブリッジ11cからレンズ20に沿って斜め下方に延びる第1下縁部11hと、ヨロイ11fからレンズ20に沿って斜め下方に延びる第2下縁部11jと、第1下縁部11h及び第2下縁部11jを互いに接続する下端部11kとを有する。
【0023】
ブリッジ11cは、アイウエア1の方向D2の中央に位置しており、一対のリム11bを互いに接続している。ブリッジ11cは、例えば、リム11bの上縁部11gから窪む凹部11mを有する。なお、リム11bの形状、及びブリッジ11cの形状は、前述した例に限られず適宜変更可能である。
【0024】
パッド11dは、装着者の鼻に接触するノーズパッドであり、例えば、シリコン製である。アイウエア1は一対のパッド11dを備えており、一対のパッド11dは装着者の鼻を両側から挟むように鼻に当てられる。一例として、パッド11dは、装着者の鼻に接触する長円形状のパッド部と、当該パッド部をリム11bに固定する固定具(クリングスとも称される)とを備える。パッド11dの形状、大きさ及び材料は適宜変更可能である。
【0025】
図2は、テンプル30と蝶番12を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、テンプル30は蝶番12を支点として方向D2に沿って回動自在とされている。蝶番12は、例えば、テンプル30のフロント11側に設けられており、テンプル30をアイウエア1の方向D2の中央側に回動可能としている。
【0026】
蝶番12は、例えば、ヨロイ11fに連結されると共に上下方向D3に延びるネジ12bを有する第1部分12cと、テンプル30に連続する第2部分12dと、第2部分12dに固定されると共にネジ12b及び第1部分12cに対して回動自在とされた板状部12fとを備える。
【0027】
一例として、第1部分12c及び第2部分12dのそれぞれは、直方体状とされており、板状部12fが挿入される凹部12gを有する。板状部12fは、第1部分12c及び第2部分12dから方向D2の中央側に突出しないように凹部12gに挿入されている。なお、蝶番12の構成は、上記の例に限定されず適宜変更可能である。
【0028】
リム11b、ブリッジ11c、ヨロイ11f、第1部分12c、第2部分12d、及びテンプル30は、例えば、樹脂製である。一例として、リム11b、ブリッジ11c、ヨロイ11f、第1部分12c、第2部分12d及びテンプル30は、TR90素材によって構成されている。この場合、軽量で柔軟性が高く且つ装着時の違和感を低減させるアイウエア1とすることが可能となる。しかしながら、フレーム10の各部の材料は、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0029】
本実施形態において、テンプル30はフレーム10の蝶番12に固定されている。しかしながら、テンプル30は、アイウエア1(フレーム10)に対して着脱可能とされていてもよいし、蝶番12を有さずフロント11と一体とされたヒンジレスタイプであってもよい。テンプル30は、合口13から方向D1に沿って棒状に延びており、例えば、先端30bに向かうに従ってアイウエア1の方向D2の中央側、すなわち装着者の頭部に沿うように湾曲していてもよい。
【0030】
テンプル30は、先端30bを含むと共に合口13の反対側に位置する先端部31と、合口13に隣接する根元部32と、先端部31及び根元部32を互いに接続する中間部33とを有する。根元部32は、例えば、蝶番12(第2部分12d)から方向D1に沿って延びる部位を示している。中間部33は、例えば、根元部32の蝶番12との反対側からアイウエア1の方向D2の中央側に徐々に曲がる部位を示している。
【0031】
例えば、テンプル30におけるアイウエア1の方向D2の中央側には、クッション部50が固定されている。クッション部50は、例えば、装着者に対する衝撃を緩和する緩衝部材、及び装着者の身体への通気性を高める通気部材として機能する。クッション部50は、例えば、蝶番12の第2部分12dから方向D1に沿って線状に延びている。クッション部50は、例えば、アイウエア1の装着者のこめかみ又は耳に接触する。
【0032】
クッション部50は、テンプル30に沿うようにテンプル30に固定されており、例えば、先端部31におけるクッション部50は、根元部32におけるクッション部50よりも柔らかい。クッション部50は、根元部32から先端部31に向かうに従って漸次的に又は段階的に柔らかくなっていてもよい。また、クッション部50は、根元部32から中間部33に向かって硬くなると共に、中間部33から先端部31に向かって柔らかくなっていてもよい。
【0033】
図3は、クッション部50を示す斜視図である。図4は、クッション部50を示す側面図である。図3及び図4に示されるように、クッション部50は、長尺状を呈し、例えば、長手方向X1に沿って棒状に延在している。クッション部50は、クッション部50の短手方向X2に一定の幅を有する。クッション部50の長手方向X1は、例えば、テンプル30の延在方向である方向D1と一致する。
【0034】
クッション部50は、可撓性材料によって構成された複数の線状部材51と、複数の線状部材51を支持すると共にテンプル30に固定される固定部52とを備える。本開示において、「可撓性」とは、身体の接触によって撓みうる(柔軟に変形しうる)性状を示している。「可撓性材料」は、身体の接触によって撓みうる材料を示しており、柔軟性材料、弾性材料又は軟質材料を含んでいてもよい。
【0035】
例えば、各線状部材51の形状は、円柱状とされている。しかしながら、各線状部材51の形状は、楕円柱状、長円柱状又は角柱状であってもよい。固定部52は、例えば、平坦状とされている。一例として、クッション部50は、固定部52が接着剤によってテンプル30に接着されることにより、テンプル30に固定されている。しかしながら、クッション部50は、例えば、嵌合又はネジ止め等、接着以外の手段によってテンプル30に固定されてもよい。
【0036】
クッション部50は、複数の線状部材51が立体的に交差して形成された立体網状構造体55を有する。本開示において、「交差」とは、複数の線状部材が交わっている状態を示している。「交差」は、複数の線状部材が互いに接合すると共に当該接合の接合点から互いに異なる方向(例えば放射状)に延びる状態、及び、複数の線状部材が互いに接合しておらず特定の方向から見たときに互いに交わっている状態、の双方を含んでいる。
【0037】
本開示において、「立体網状構造体」は、互いに異なる少なくとも3つの方向に延びる複数の線状部材によって形成された3次元構造体を示している。クッション部50の内部は、複数の線状部材51によって画成された複数の空洞が並ぶ中空構造とされている。すなわち、クッション部50は、内部に複数の空洞が並設された中空構造を有する。従って、クッション部50は高い通気性の確保を可能としている。
【0038】
クッション部50の材料は、一例として、ポリウレタンである。この場合、クッション部50を柔らかい素材とすることができるので、クッション部50の衝撃吸収効果を高めて装着者に対する安全性を高めることができる。しかしながら、クッション部50の材料は、ポリウレタン以外の樹脂材料(例えば、ゴム材料)等であってもよく、適宜変更可能である。
【0039】
立体網状構造体55において、例えば、複数の線状部材51のそれぞれは、互いに異なる方向に延びている。立体網状構造体55は、複数の線状部材51によって画成される複数の網状部56を有する。本開示において、「網状部」は、クッション部の表面(例えば後述する表面57)に露出する網状部、及びクッション部の内部に位置する(内部でクッション部の中空構造を形成する)網状部の両方を含んでいる。複数の網状部56は、クッション部50の長手方向X1に沿って連続的に形成されている。複数の網状部56は、クッション部50の短手方向X2に沿って並んでいる。複数の網状部56は、例えば、長手方向X1に沿って周期的に並んでいてもよい。
【0040】
長手方向X1に沿って並ぶ網状部56の数は、例えば、20以上且つ40以下であり、20以上且つ35以下、又は20以上且つ30以下であってもよく、一例として、25又は26である。短手方向X2に沿って並ぶ網状部56の数は、例えば、3以上且つ7以下であり、一例として、4又は5である。しかしながら、網状部56の数は、クッション部50が固定されるテンプル30の形状(例えばテンプル30の長さ若しくは幅)、又は線状部材51の材料の特性(例えば硬度)に応じて適宜変更可能である。
【0041】
例えば、網状部56は、多角形状を呈する。網状部56は、一例として、六角形状の網状部と、四角形状の網状部とを含んでいてもよい。このように、クッション部50の一部における網状部の形状と、クッション部50の残部における網状部の形状とが互いに異なっていてもよい。
【0042】
網状部56が六角形状の網状部を含む場合、クッション部50は、ハニカム構造の立体網状構造体55を有する。各網状部56の長手方向X1の長さL1は、各網状部56の短手方向X2の長さL2よりも長い。長さL2に対する長さL1の倍率は、例えば、1.5倍以上且つ7倍以下であり、3倍以上且つ6倍以下であってもよく、一例として、4倍以上且つ5倍以下である。しかしながら、網状部56の長さL1及び長さL2の関係は適宜変更可能である。
【0043】
クッション部50は、例えば、テンプル30の先端部31に固定される一端部53と、テンプル30の根元部32に固定される他端部54とを備える。一端部53は、他端部54よりも柔らかい。一例として、クッション部50は、他端部54から一端部53に向かうに従って徐々に柔らかくなっている。例えば、テンプル30の先端部31における線状部材51の太さは、テンプル30の根元部32における線状部材51の太さより細くてもよい。すなわち、線状部材51の太さは、他端部54から一端部53に向かうに従って細くなっていてもよい。固定部52に対する線状部材51の上端の高さH(クッション部50の高さ方向X3の長さ)は、他端部54から一端部53に向かうに従って高くなっていてもよい。
【0044】
例えば、テンプル30の先端部31(一端部53)における立体網状構造体55の密度は、テンプル30の根元部32(他端部54)における立体網状構造体55の密度よりも小さい。この場合、立体網状構造体55の密度が他端部54から一端部53に向かうに従って小さくなっているので、クッション部50が他端部54から一端部53に向かうに従って柔らかくなる構成が実現される。
【0045】
各網状部56の面積(複数の線状部材51によって画成される網状部56の内側空間の面積)が他端部54から一端部53に向かうに従って広くなっていてもよい。また、網状部56の短手方向X2の長さL2が、他端部54から一端部53に向かうに従って長くなっていてもよい。線状部材51、固定部52又は網状部56が上記のような構成を備えることにより、他端部54から一端部53に向かって徐々に柔らかくなる構成が実現される。
【0046】
なお、クッション部50は、他端部54から一端部53に向かうに従って段階的に柔らかくなっていてもよい。他端部54における線状部材51の材料と、一端部53における線状部材51の材料とを互いに異なる材料として、他端部54における硬度、及び一端部53における硬度を互いに異ならせてもよい。
【0047】
網状部56の形状又は面積がクッション部50の部位によって異なっていてもよい。一方、線状部材51の太さ、及び固定部52に対する線状部材51の上端の高さH、の少なくともいずれかは一定であってもよい。網状部56の長手方向X1の長さL1は一定、すなわち、複数の網状部56の長さL1は互いに同一であってもよい。更に、立体網状構造体55の密度、又はクッション部50の硬度は、長手方向X1に沿って一定であってもよく、適宜変更可能である。
【0048】
図5は、クッション部50の一端部53を拡大した斜視図である。図6は、短手方向X2及び高さ方向X3の双方に延びる平面に沿ってクッション部50を切断したときの断面斜視図である。図5及び図6に示されるように、クッション部50は、装着者の身体(例えば、こめかみ又は耳)に接触する表面57を有する。
【0049】
本開示において、「(クッション部の)表面」とは、クッション部の最外面を構成する仮想面を示している。本実施形態において、短手方向X2及び高さ方向X3の双方に延びる平面に沿ってクッション部50を切断したときの表面57の形状は、固定部52の幅方向の一端から固定部52の幅方向の他端まで延びる逆U字状とされている。
【0050】
複数の線状部材51は、表面57に沿って延在する複数の第1線状部材58と、表面57に交差する方向に延在する複数の第2線状部材59とを含んでいる。一端部53に形成された網状部56は、例えば、四角形状の第1先端網状部60、及び三角形状の第2先端網状部61、の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0051】
表面57に形成された網状部56は、例えば、六角形状とされている。複数の第1線状部材58は、例えば、クッション部50の長手方向X1に沿って延在する複数の線状部材58bと、長手方向X1に対して斜めに延びる複数の線状部材58cとを含んでいる。複数の第1線状部材58は、長手方向X1に対して垂直に延びる線状部材58cを含んでいてもよい。線状部材58b(長手方向X1)と線状部材58cとの成す角度は、例えば、20°以上且つ90°以下であり、25°以上且つ60°以下、又は30°以上且つ45°以下であってもよく、適宜変更可能である。
【0052】
表面57には、線状部材58bと線状部材58cとが交わる複数の第1交差部62が形成されている。第1交差部62では、例えば、少なくとも3本の線状部材51(一例として1本の線状部材58bと2本の線状部材58c)が交差している。六角形状の網状部56は、例えば、2本の線状部材58bと4本の線状部材58cとによって画成されている。
【0053】
第2線状部材59は、表面57を構成しない線状部材51を示しており、例えば、表面57よりもクッション部50の内側に位置する。一例として、複数の第2線状部材59のうちの一部は、前述した第1交差部62からクッション部50の内側に延びており、残部は、長手方向X1に沿って延びている。クッション部50の内側には、複数の第2線状部材59が交わる複数の第2交差部63が形成されている。第2交差部63では、例えば、少なくとも3本の第2線状部材59が交差している。
【0054】
前述した第1交差部62及び第2交差部63の数(線状部材51の分岐の数)は、クッション部50の部位によって異なっていてもよい。クッション部50は、第1交差部62及び第2交差部63(以下では単に「交差部」と記載することもある)の数が多いほど硬くなり、交差部の数が少ないほど柔らかくなる。従って、クッション部50では、複数の線状部材51が交わる交差部の数を調整することにより、クッション部50の硬度を調整することが可能である。
【0055】
例えば、テンプル30の先端部31におけるクッション部50(一端部53)の交差部の数は、テンプル30の根元部32におけるクッション部50(他端部54)の交差部の数より少なくてもよい。この場合、クッション部50が他端部54から一端部53に向かうに従って柔らかくなる構成が実現される。
【0056】
短手方向X2及び高さ方向X3の双方に延びる面に沿ってクッション部50を切断した断面において、複数の第1線状部材58は複数の第2線状部材59を囲むように配置されている。本実施形態では、当該断面において、5本の第1線状部材58(線状部材58b)が2本の第2線状部材59を囲むように配置されている。
【0057】
固定部52は、例えば、複数の第2線状部材59が延び出す平坦面52bと、平坦面52bから見て固定部52の幅方向の両端のそれぞれに形成された突出部52cとを有する。各突出部52cは、平坦面52bから曲面状(一例として円弧状)に突出している。
【0058】
複数の突出部52cは、例えば、クッション部50の長手方向X1に沿って並んでいる。各突出部52cは、長手方向X1に延びる線状とされている。一例として、各突出部52cの長手方向X1の端部から第1線状部材58が延び出していてもよい。また、固定部52は、テンプル30に固定される平坦状の固定面52dを平坦面52bの反対側に有していてもよい。
【0059】
線状部材51(第1線状部材58及び第2線状部材59のそれぞれ)の長手方向に直交する平面に沿って線状部材51を切断したときの断面形状は、例えば、円形状とされている。しかしながら、当該断面形状は、角丸四角形状、長円形状、楕円形状又は多角形状であってもよい。例えば、線状部材51の太さTは、0.5mm以上且つ1.0mm以下である。
【0060】
本開示において、「線状部材の太さ」とは、線状部材の幅を示しており、例えば複数の線状部材の幅の平均値である。線状部材51の長手方向に直交する平面に沿って線状部材51を切断したときの断面形状が円形状である場合、線状部材51の太さTは線状部材51の断面の直径に相当する。線状部材の長手方向に直交する平面に沿って線状部材を切断したときの断面形状が正方形状である場合、線状部材の太さは線状部材の断面の一辺に相当する。線状部材51の太さTの下限は、0.6mm又は0.7mmであってもよい。線状部材51の太さTの上限は、0.9mm、0.8mm又は0.7mmであってもよい。
【0061】
以上のように構成されるクッション部50は、複数の線状部材51(第1線状部材58及び第2線状部材59)が3次元的に交差する立体網状構造体55を有するため、例えば、射出成形ではなく、3Dプリンタによって製造される。この場合、クッション部50の立体網状構造体55を容易に造形することができ、装着者に応じたクッション部50を短時間で容易に作製することも可能となる。すなわち、カスタムメイドを容易に行うことも可能となる。
【0062】
続いて、本実施形態に係るアイウエア1及びテンプル30の作用効果について詳細に説明する。図1に示されるように、アイウエア1及びテンプル30は、装着時に装着者の身体に接触するクッション部50を備える。クッション部50は立体網状構造体55を有し、立体網状構造体55は可撓性材料によって構成された複数の線状部材51が立体的に交差して形成されている。
【0063】
よって、装着者の身体には、立体網状構造体55を形成すると共に可撓性材料によって構成された複数の線状部材51が接触する。すなわち、アイウエア1及びテンプル30では、可撓性を有する複数の線状部材51が身体に接触するので、蒸れにくくすることができ、装着者に煩わしいと感じさせにくくすることができる。従って、装着時に可撓性材料によって構成された複数の線状部材51が身体に接触することにより、フィット性及び通気性を向上させることができる。
【0064】
図6に示されるように、クッション部50は、身体に接触する表面57を有し、複数の線状部材51は、表面57に沿って延在する複数の第1線状部材58と、表面57に交差する方向に延在する複数の第2線状部材59と、を含んでもよい。この場合、可撓性を有する複数の第1線状部材58がクッション部50の表面57に沿って延在することにより、可撓性を有する複数の第1線状部材58が身体に接触するので、身体に対するクッション性を高めることができる。
【0065】
また、可撓性を有する複数の第2線状部材59がクッション部50の表面57に交差する方向に延在することにより、外力が表面57に作用したときにおけるクッション部50の強度、すなわち装着者の身体との接触強度を容易に調整することができる。従って、非装着時におけるクッション部50の表面形状を弾性によって維持するだけでなく、装着時におけるクッション部50のクッション性を確保することができる。その結果、アイウエア1の掛け心地を良好にすることができると共にフィット性を向上させることができる。
【0066】
図3及び図4に示されるように、立体網状構造体55は、複数の線状部材51によって画成される複数の網状部56を有し、各網状部56は、多角形状を呈してもよい。この場合、立体網状構造体55を容易に作製することができる。すなわち、立体網状構造体55が多角形状の網状部56によって形成される場合、網状部56の数及び配置の設計を容易に行うことができる。
【0067】
各網状部56は、六角形状を呈していてもよい。この場合、網状部56の数及び配置の設計を更に容易に行うことができる。すなわち、各網状部56が六角形状を呈する場合、規則性を有する網状部56の配置設計が可能になるので、設計段階における立体網状構造体55の密度等の計算、及びクッション部50の接触強度の計算を容易に行うことができる。
【0068】
クッション部50は、長尺状を呈し、クッション部50の長手方向X1における各網状部56の長さL1は、クッション部50の短手方向X2における各網状部56の長さL2よりも長くてもよい。この場合、クッション部50の長手方向X1に沿って長く延びる複数の網状部56が形成されるので、網状部56の数を増やすことができる。従って、クッション部50におけるクッション性及びデザイン性の向上に寄与する。
【0069】
図1及び図2に示されるように、クッション部50は、アイウエア1のテンプル30に沿うようにテンプル30に固定されており、装着者に対する接触面積が相対的に広いテンプル30の先端部31におけるクッション部50(一端部53)は、装着者に対する接触面積が相対的に狭いテンプル30の根元部32におけるクッション部50(他端部54)よりも柔らかくてもよい。この場合、テンプル30の先端部31に位置するクッション部50(一端部53)が相対的に柔らかいことにより、アイウエア1を装着してテンプル30の先端部31が身体に接触するときにおけるクッション性及びフィット性をより向上させることができる。
【0070】
また、テンプル30の根元部32に位置するクッション部50(他端部54)が相対的に硬いことにより、外力付与時におけるテンプル30の根元部32の蝶番12(第2部分12d)等とクッション部50との段差の発生を抑制することができるので、身体に対する蝶番12等からの圧力を緩和することができる。従って、装着者に対する安全性を高めることができる。
【0071】
図6に示されるように、線状部材51の太さTが0.5mm以上且つ1.0mm以下であってもよい。ところで、線状部材の太さが0.5mm未満である場合、立体網状構造体が柔らかくなりすぎてクッション部の弾性が低下することが懸念される。また、線状部材の太さが1.0mmよりも太い場合、立体網状構造体が硬くなってクッション部の柔軟性が低下することが懸念される。これに対し、線状部材51の太さTが0.5mm以上且つ1.0mm以下である場合、クッション部50の弾性及び柔軟性を適度にすることができるので、装着者に対するフィット性の向上に寄与する。
【0072】
線状部材51の断面形状が円形状、楕円形状又は長円形状であってもよい。この場合、線状部材51の丸みを帯びた部分が装着者の身体に接触するので、フィット性を更に向上させることができる。
【0073】
以上、本開示に係るアイウエア及びテンプルの実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、アイウエア及びテンプルの各部の形状、大きさ、材料、数及び配置態様は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0074】
前述の実施形態では、スポーツタイプのアイウエアであるアイウエア1について説明した。しかしながら、アイウエアは、スポーツタイプ以外のアイウエア、サングラス又はゴーグルであってもよく、アイウエアの種類は適宜変更可能である。
【0075】
前述の実施形態では、六角形状の網状部を備えたクッション部50について説明した。しかしながら、クッション部の態様は、前述した実施形態の例に限られず適宜変更可能である。例えば、前述の実施形態では、線状部材51が複数の網状部56を形成するクッション部50について説明した。クッション部は、当該複数の網状部56の全部又は一部が膜状部材で覆われたものであってもよい。この膜状部材としては、例えば、網目状の孔部を有する通気性部材(一例としてガーゼ)、又は、弾性材料(一例としてゴム)によって構成された薄膜状部材が挙げられる。このように、複数の網状部56の少なくともいずれかが膜状部材で覆われたクッション部であっても、クッション部50と同様の効果が得られる。
【0076】
クッション部は、例えば図7に示されるように、長手方向X4に延びる長方形状の網状部76が形成されたクッション部70であってもよい。クッション部70の材料は、例えば、クッション部50の材料と同様であってもよい。
【0077】
クッション部70は、クッション部70の長手方向X4に延びる複数の線状部材71、クッション部70の短手方向X5に延びる複数の線状部材72、及び線状部材71と線状部材72との交差部74からクッション部70の表面77に交差する方向に延びる線状部材73とを備える。
【0078】
網状部76は、例えば、2本の線状部材71と2本の線状部材72とによって画成された長方形状を呈する。この網状部76のように、クッション部の網状部の形状は適宜変更可能である。網状部の形状は、角丸四角形状、長円形状又は楕円形状であってもよい。また、網状部の大きさ(面積)、数及び配置態様についても、前述した実施形態に限定されず適宜変更可能である。
【0079】
前述の実施形態では、テンプル30に固定されるクッション部50について説明した。しかしながら、クッション部は、テンプルに対して着脱可能とされていてもよい。例えば、クッション部は、袋状とされており、袋状とされたクッション部の内部にテンプルが挿入される構成を有していてもよい。この場合、既存のアイウエアにクッション材を取り付けることが可能となる。また、テンプルの先端にモダンが形成されたアイウエアにおいて、モダンが挿入されるクッション部であってもよい。
【0080】
クッション部は、テンプル30以外の部分に取り付けられるものであってもよい。例えば、アイウエアは、パッド(ノーズパッド)に取り付けられたクッション部を備えていてもよい。クッション部が取り付けられたパッドがアイウエアに対して着脱可能とされていてもよい。例えば、クッション部は、ゴーグルの装着者の目の周囲に接触する部分、又は花粉カット用のアイウエアにおける目の周囲の風防部分に取り付けられるものであってもよい。これらの場合も、クッション部が装着者の身体(鼻又は目の周囲の部分等)に接触するので、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
前述の実施形態では、テンプル30の根元部32から先端部31まで長尺状に延びるクッション部50について説明した。しかしながら、クッション部は、例えば、テンプルの先端部のみに設けられるものであってもよい。すなわち、クッション部は、アイウエアのパーツの一部を覆うものであってもよい。また、クッション部の形状は、長尺状に限られず、取り付け対象のパーツの形状等に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…アイウエア、10…フレーム、11…フロント、11b…リム、11c…ブリッジ、11d…パッド、11f…ヨロイ、11g…上縁部、11h…第1下縁部、11j…第2下縁部、11k…下端部、11m…凹部、12…蝶番、12b…ネジ、12c…第1部分、12d…第2部分、12f…板状部、12g…凹部、13…合口、20…レンズ、30…テンプル、30b…先端、31…先端部、32…根元部、33…中間部、50,70…クッション部、51,71,72,73…線状部材、52…固定部、52b…平坦面、52c…突出部、52d…固定面、53…一端部、54…他端部、55…立体網状構造体、56…網状部、57…表面、58…第1線状部材、58b…線状部材、58c…線状部材、59…第2線状部材、60…第1先端網状部、61…第2先端網状部、62…第1交差部(交差部)、63…第2交差部(交差部)、74…交差部、77…表面、D1,D2…方向、D3…上下方向、X1…長手方向、X2…短手方向、X3…高さ方向、X4…長手方向、X5…短手方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7