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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】高温充填容器のための装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20220314BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
B65B3/04
B29C49/42
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019520600
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017076913
(87)【国際公開番号】W WO2018073442
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-10-05
(31)【優先権主張番号】102016000106446
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】503308405
【氏名又は名称】エス.アイ.ピー.エイ.ソシエタ’インダストリアリザッジオーネ プロゲッタジオーネ エ オートマジオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】シグラー ローラン
(72)【発明者】
【氏名】モリーニ グラウコ
(72)【発明者】
【氏名】カブリーニ マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ザンカン ベネデッタ
(72)【発明者】
【氏名】ペルッツォ ジァーダ
(72)【発明者】
【氏名】ザネッテ ディーノ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ル ブルン レナート
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-507405(JP,A)
【文献】特開2014-128981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/04
B29C 49/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温充填または中温充填のための装置であって、
ブロー成形機(B)、充填機(F)、キャッピング機(C)、傾斜機(T)、冷却トンネル(CT)を含み、
折り畳み可能な熱可塑性容器に対してその長手軸(Z)に沿った軸方向の圧縮力を加えるように構成された圧縮機(P)が提供され、
前記圧縮機(P)は前記ブロー成形機(B)と前記充填機(F)との間、もしくは前記充填機(F)と前記キャッピング機(C)との間、もしくは前記冷却トンネル(CT)の後、に位置決めされるか、
または前記充填機は前記圧縮機でもあるか、
または前記キャッピング機は前記圧縮機でもあり、
前記折り畳み可能な熱可塑性容器は高温充填または中温充填プロセスのために設計されたものであって、
- ショルダーが設けられた本体、
- 前記本体の第1の側部における開口部を定める円形の上側端部と、ネックリング(52)とが設けられたネック(13)、
- 前記本体の前記第1の側部とは反対の第2の側部における底部面を定める底部を含み、
前記本体は、前記ネック(13)と前記長手軸(Z)に沿った前記容器の中央との間に周囲溝(12)を有し、
前記周囲溝は前記ネック(13)に対して近位の第1の側部(3)と、前記ネック(13)から遠位の第2の側部(4)とを含み、
前記周囲溝によって、前記長手軸(Z)に沿って前記軸方向の圧縮力が加えられたときに、前記第1の側部(3)が前記第2の側部(4)と接触することによって前記容器の内部体積を低減させ、
前記圧縮機(P)は
- 前記折り畳み可能な熱可塑性容器の前記底部に対する載置表面となるように設計された表面を有する少なくとも1つの下側本体(112、204、304)、
- 前記折り畳み可能な熱可塑性容器の前記周囲溝(12)より上の部分に接触するように設計された少なくとも1つの上側本体(108、116、118、119、202、212、308)を含み、
よって前記折り畳み可能な熱可塑性容器は前記少なくとも1つの下側本体(112、204、304)および前記少なくとも1つの上側本体(108、116、118、119、202、212、308)によって直立位置にて保持されることができ、前記圧縮機(P)はさらに
- 前記第1の側部(3)を前記第2の側部(4)と接触させて前記折り畳み可能な熱可塑性容器の内部体積を低減させるために前記軸方向の圧縮力を加えるために、前記少なくとも1つの下側本体(112、204、304)および/または前記少なくとも1つの上側本体(108、116、118、119、202、212、308)を始動させるための始動手段を含む、装置。
【請求項2】
前記圧縮機は回転型であり、回転軸の周りを回転するように適合されており、かつ円形パターンに配置された複数の下側本体(112)および複数の上側本体(108、116、118、119)が設けられており、各上側本体(108、116、118、119)はそれぞれの下側本体(112)と実質的に整列される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記軸方向の圧縮力を加えるために、前記回転軸と平行な方向に沿って前記下側本体(112)を逐次的に持ち上げるように構成された第1の始動手段、および/または前記方向に沿って前記上側本体(108、116、118、119)を逐次的に下げるように構成された第2の始動手段が提供される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の始動手段および/または前記第2の始動手段は、それぞれのカム機構を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記軸方向の圧縮力を加えるために、各上側本体は前記容器の前記円形の上側端部に接触するように適合されたロッド(108)を含むか、または各上側本体は前記容器の前記ネックリング(52)または前記ショルダーに接触するように適合されたクランプ手段(116、118)を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記容器の前記直立位置を保持することに寄与するために位置決め手段(119、120)が提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの下側本体は1つの下側コンベヤ(204)であり、前記少なくとも1つの上側本体は1つの上側コンベヤ(202、212)であり、前記下側コンベヤ(204)および前記上側コンベヤ(202、212)は、使用中に複数の折り畳み可能な熱可塑性容器に対する進行方向(T)を定める、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記上側コンベヤ(202)には前記下側コンベヤ(204)と平行な直線部分(210)と、前記直線部分(210)に関して傾斜されかつ隣接する傾斜した部分(206)とが設けられ、前記傾斜した部分(206)において前記下側コンベヤ(204)と前記上側コンベヤ(202)との間の距離が徐々に減少して前記直線部分(210)において最小距離に達するように構成されることによって、容器が前記直線部分(210)に到達したときに前記軸方向の圧縮力が加えられ、前記始動手段は前記上側コンベヤおよび下側コンベヤを始動するモーターである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記軸方向の圧縮力を複数の折り畳み可能な熱可塑性容器に同時に加えるために、前記始動手段は前記進行方向(T)に対して実質的に垂直な方向に沿って前記上側コンベヤ(212)を下げるように設計される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの下側本体は1つのコンベヤ(304)であり、
前記軸方向の圧縮力を加えるために、前記上側本体は前記容器の前記円形の上側端部または前記容器のキャップに当接するように適合されたロッド(308)、または前記容器の前記ネックリング(52)または前記ショルダーに接触するように適合されたクランプを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記圧縮機は前記周囲溝(12)を冷却するための冷却手段を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
高温充填または中温充填プロセスであって、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置が提供されており、前記プロセスは、前記圧縮機(P)によって1つ以上の折り畳み可能な容器に同時または逐次的に前記軸方向の圧縮力を加えるステップを含む、高温充填または中温充填プロセス。
【請求項13】
以下のステップ、
- 前記ブロー成形機(B)によって、複数の折り畳み可能な熱可塑性容器を生産するステップ、
- 前記圧縮機(P)によって、前記折り畳み可能な熱可塑性容器に前記軸方向の圧縮力を同時または逐次的に加えるステップ、
- 前記充填機(F)によって、前記折り畳み可能な熱可塑性容器を充填するステップを含む、請求項12に記載の高温充填または中温充填プロセス。
【請求項14】
以下のステップ、
- 前記ブロー成形機(B)によって、複数の折り畳み可能な熱可塑性容器を生産するステップ、
- 前記充填機(F)によって、前記折り畳み可能な熱可塑性容器を充填するステップ、
- 前記圧縮機(P)によって、前記折り畳み可能な熱可塑性容器に前記軸方向の圧縮力を同時または逐次的に加えるステップ、
- 前記キャッピング機(C)によって、前記折り畳み可能な熱可塑性容器をキャッピングするステップを含む、請求項12に記載の高温充填または中温充填プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲温度より高い温度にて液体が充填されるように設計された可塑性容器、特に高温または中温充填のために設計された熱可塑性ボトルに対する装置およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
高温充填および中温充填プロセスは、食品および飲料業界において周知である。こうしたプロセスにおいては、容器に比較的高温の内容物が充填される。たとえば、中温充填プロセスにおいては典型的に60~80℃の温度の液体がボトルに充填されるのに対し、高温充填プロセスにおいては典型的に80~92℃の温度の液体がボトルに充填される。充填動作の後、ボトルはキャッピングされ、ボトルおよびキャップが熱で滅菌されるように傾けられる。次いでボトルは冷却される。中温または高温の液体は、冷却されるときに真空を生じる。真空圧は典型的に液体温度の低減に関係する。ボトルの変形または収縮を回避するために、この真空状態を補償する必要がある。たとえばポリエチレンテレフタラート(PET:Polyethylene terephthalate)などの可塑性材料でできたボトルにとって、これは典型的な問題である。
【0003】
したがって、最も一般的に中温および高温充填ボトルは、望ましくない変形を避けるためにボトルを補強するいわゆる真空パネルを有する。この解決策の欠点は、ボトルの生産のために大量の可塑性材料が必要なことである。
【0004】
近年、代替的な解決策が提案されており、ここでは高温または中温充填のためのボトルに、軸方向の圧縮力がボトルに加えられたときに自身を折り畳むように設計された周囲溝が設けられる。その利点にもかかわらず、特に大量生産の要求を満たす必要があるときには、こうしたボトルの有効利用は簡単ではない。実際にいつ、どのように、どのプロセス条件下でこうした圧縮力を加えるべきかを決定するのは些細なことではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、高温または中温充填プロセスのために設計されたボトル、特にボトルに圧縮力が加えられたときに自身を折り畳むかまたは閉鎖するような周囲溝が設けられたボトルに圧縮力を加える機械を含む装置を提供することである。
【0006】
上述の装置または生産プラントは、高温または中温充填プロセスに対するものである。
【0007】
本発明の別の目的は、コンパクトで、高効率で、かつ費用対効果の高いこうした装置および/またはこうした機械を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、前記ボトルにこうした圧縮力を加えるステップを含む効率的なプロセス、特に高温または中温充填プロセスを提供することである。
【0009】
本発明は、高温充填または中温充填のための装置によって上述の目的の少なくとも1つを達成し、この装置は
ブロー成形機、充填機、キャッピング機、傾斜機、冷却トンネルを含み、
折り畳み可能な熱可塑性容器に対して、その長手軸に沿った軸方向の圧縮力を加えるように構成された圧縮機が提供され、
前記圧縮機はブロー成形機と充填機との間、もしくは充填機とキャッピング機との間に位置決めされるか、
または充填機が前記圧縮機でもあり、すなわち前記軸方向の圧縮力を加えるように構成されるか、
またはキャッピング機が前記圧縮機でもあり、すなわち前記軸方向の圧縮力を加えるように構成されており、
折り畳み可能な熱可塑性容器は高温充填または中温充填プロセスのために設計されたものであって、
- ショルダーが設けられた本体、
- 本体の第1の側部における開口部を定める円形の上側端部と、ネックリングとが設けられたネック、
- 本体の第1の側部とは反対の第2の側部における底部面を定める底部を含み、
本体は、ネックと長手軸に沿った容器の中央との間に周囲溝を有し、
この周囲溝はネックに対して近位の第1の側部と、ネックから遠位の第2の側部とを含み、
この周囲溝によって、長手軸に沿って軸方向の圧縮力が加えられたときに、第1の側部が第2の側部(4)と接触することによって容器の内部体積を低減させ、
圧縮機は
- 折り畳み可能な熱可塑性容器の底部に対する載置表面となるように設計された表面を有する少なくとも1つの下側本体、
- 折り畳み可能な熱可塑性容器の周囲溝より上の部分に接触するように設計された少なくとも1つの上側本体を含み、
よって折り畳み可能な熱可塑性容器は少なくとも1つの下側本体および少なくとも1つの上側本体によって直立位置にて保持されることができ、圧縮機はさらに
- 第1の側部を第2の側部と接触させて折り畳み可能な熱可塑性容器の内部体積を低減させるために前記軸方向の圧縮力を加えるために、少なくとも1つの下側本体および/または少なくとも1つの上側本体を始動させるための始動手段を含む。
【0010】
この圧縮機は複数の熱可塑性の折り畳み可能な容器、特にボトルの制御された変形を達成するために、それらを制御された方式で圧縮することを可能にする。ボトルの圧縮は、同時または逐次的に行われ得る。
【0011】
圧縮機は押込み機とも名付けられ得る。
【0012】
圧縮機は、たとえば回転型またはリニア型などであり得る。
【0013】
回転圧縮機は典型的に高い生産能力を可能にする。好ましくは、たとえばブロー成形機および/または充填機および/またはキャッピング機が回転型であるなど、他の機械も回転型であるような装置または生産プラントにおいて回転圧縮機が用いられる。
【0014】
リニア圧縮機は典型的により多機能性を可能にする。実際にリニア圧縮機は、異なる方式のボトルを処理するために比較的簡単な調整を必要とする。
【0015】
加えて本発明は、本発明による装置によって行われる高温充填または中温充填プロセスを提供し、このプロセスは、圧縮機によって1つまたはそれ以上の折り畳み可能な容器に同時または逐次的に前記軸方向の圧縮力を加えるステップを含む。
【0016】
好ましくは、こうした圧縮機を含む装置は、ボトルを圧縮するため、特に周囲溝を閉じるために必要な力の強度ができる限り低くなるように特定的に設計される。圧縮機は小さい力を加えればよいため、このことは有利には圧縮機が非常にコンパクトかつ効率的であることを意味する。無論このことは費用対効果の高い圧縮機をもたらすことになる。実際にボトルの圧縮を最適化するために、装置レイアウトにおける圧縮機の位置は注意深く選択されている。
【0017】
本発明の機械、装置、およびプロセスは、容器、特にPETボトルなどの熱可塑性ボトルの高温充填または中温充填の分野に関する。
【0018】
特に、本発明の装置は、高温または中温充填のための熱可塑性ボトルを処理するように設計される。こうしたボトルは、軸方向の圧縮力がボトルに加えられたときに自身を折り畳むかまたは閉鎖するような周囲溝が設けられたタイプのボトルである。加えてこうしたボトルには、いわゆる真空パネルは提供されていない。
【0019】
特に本発明の装置は、圧縮機によってボトルが圧縮されたときに自身の凹所を変化させるような底部が設けられていない熱可塑性ボトルを処理するように設計されている。
【0020】
この圧縮機は、装置、またはプラント、レイアウトの異なる位置に配置され得る。非限定的な例として、圧縮機はキャッピング機の前、またはブロー成形機と充填機との間、または充填機の直後、またはキャッピング機の後に位置決めされ得る。
【0021】
排他的ではなく好ましくは、圧縮機はキャッピングされたボトルを冷却するたとえば冷却トンネルなどの冷却手段の前に配置される。したがって圧縮機は、有利にはまだ中温または高温のボトルに力を加える。
【0022】
一実施形態によると、圧縮機はブロー成形機と充填機との間に配置される。特に、圧縮機はブロー成形機の下流、好ましくはブロー成形機のすぐ下流に配置される。
【0023】
ブロー成形ステップの後のボトルは中温または高温であるため、このプラント構成は特に有利である。実際に、ブロー成形機のモールドは典型的に105~110℃の温度に加熱される。これは押込み動作を、力の強度および加える時間の両方の点で容易にする。押込み動作によって、ボトルが圧縮されるためにそれらの軸方向の高さおよび内部体積が低減する。さらなる利点は、ポリマー鎖がこうした圧縮構成の記憶を保存することである。典型的に、装置はブロー成形機の後に充填機、キャッパー、傾斜手段、および冷却トンネルを含む。したがって、圧縮されたボトルは充填機に移され、そこで高温または中温の液体が充填される。高温の液体によって与えられる熱によって、ボトルが元の形状すなわち圧縮前の形状を回復させることが起こり得る。加えて、ボトルがネックリングにて保持されることによって吊り下げられているとき、液体の重量がボトルの元の形状への回復をもたらすか、またはそれに寄与することが起こり得る。ボトルは次いでキャッパーによってキャッピングされ、次いで傾斜され、次いで冷却トンネルを通過する。典型的に、押込み動作によって与えられた圧縮構成の記憶と、おそらくはボトルの内側の真空圧とによって、冷却トンネル内でボトルは自発的に自身の圧縮構成を回復させる。
【0024】
別の実施形態によると、圧縮機はキャッピング機の後、好ましくは傾斜手段の後に配置される。特に、圧縮機はキャッピング機の下流、好ましくは傾斜手段の下流に配置される。より好ましくは、圧縮機は傾斜手段のすぐ下流に配置される。
【0025】
いずれの場合にも、圧縮機には、圧縮されたボトルに水および/または空気などの冷却媒体を噴霧するために適合されたスプレーノズルなどの冷却手段が任意に提供され得る。こうした冷却手段は、折り畳み可能な周囲溝を局所的に冷却するように構成されることが好ましい。実際に、こうした冷却はボトルの圧縮構成を安定化する。加えて、こうした冷却は液体の冷却を開始し、その結果としてボトルの内側に真空が生じ、これはボトルがキャッピングされるときに圧縮構成を安定化することに寄与する。
【0026】
典型的に、圧縮機の後にはボトルをさらに冷却する冷却トンネルが提供される。
【0027】
空のボトルまたは充填されたボトルにキャッピングの前に加えられる軸方向の力は、好ましくはネック終端に加えられ得るが、ボトルの頂部にも加えられ得る。ボトルの口の汚染を避けるために、ネック終端への印加が好ましい。
【0028】
非限定的な例として、軸方向の力がたとえばブロー成形機の後などに空の容器に加えられる場合、そのオーダーは10kg未満であるのに対し、容器がキャッピングされた後のオーダーは50kg未満である。有利には、すべての実施形態においてボトルの圧縮構成は安定であり、かつ多数のボトルに対して再現可能であり、これは大量生産のために重要である。
【0029】
従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を記載するものである。
【0030】
以下の図面の助けによって非限定的な例として示される、排他的ではなく好ましい本発明の実施形態の詳細な説明に照らして、本発明のさらなる特徴および利点がより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による圧縮機の実施例を概略的に示す図である。
図2】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図3】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図4】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図5】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図6】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図7】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図8】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図9】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図10】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図11】本発明による圧縮機の別の実施例を概略的に示す図である。
図12】本発明による装置レイアウトの実施例を概略的に示す図である。
図13】本発明による装置レイアウトの別の実施例を概略的に示す図である。
図14】本発明による装置レイアウトの別の実施例を概略的に示す図である。
図14a】本発明による装置レイアウトの別の実施例を概略的に示す図である。
図15】周囲溝が設けられたボトルの詳細部の断面輪郭を示す図であって、外部圧縮力を加えることによる折り畳みの順序を示す。
図16図15によるボトルの一部の長手方向断面輪郭および拡大した詳細を示す図である。
図17】ボトルの別の実施例の一部の長手方向断面輪郭および拡大した詳細を示す図である。
図18】実施例によるボトルの一部の長手方向断面輪郭および拡大した詳細を示す図である。
図19】実施例によるボトルの一部の長手方向部分および横断面を示す図である。
図20】実施例によるボトルの一部の長手方向部分および横断面を示す図である。
図21】実施例によるボトルの一部の長手方向部分および横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面における同じ番号および同じ参照文字は、同じ素子または構成要素を識別するものである。
【0033】
本発明は、自身を折り畳むかまたは閉鎖し得るような周囲溝が設けられた、特に好ましくはPETでできたボトルなどの容器のための圧縮機を含む装置を提供する。
【0034】
一般的に、この圧縮機は
- 容器の底部に対する載置表面となるように設計された表面を有する少なくとも1つの下側本体112、204、304、
- 容器の周囲溝12より上の部分に接触するように設計された少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308を含み、
よって容器は少なくとも1つの下側本体112、204、304および少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308によって直立位置にて保持されることができ、圧縮機はさらに
- 周囲溝12を閉じるために容器の長手軸Zと平行な方向に沿って作用する軸方向の圧縮力を加えるために、少なくとも1つの下側本体112、204、304および/または少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308を始動させるための始動手段を含む。たとえば図15~21によるボトルなどのボトルが圧縮機によって処理されるとき、近位直線側部3を遠位直線側部4と接触させて容器の内部体積を低減させるために軸方向の圧縮力が加えられる。
【0035】
よって、圧縮機はボトルに軸方向の圧縮力、すなわち各ボトルの長手軸に沿って作用する力を加えるように構成される。特に、圧縮機は周囲溝に自身を折り畳ませるか、または閉鎖させるように構成される。よって、圧縮機はボトルの構成または形状を変える働きをする。各ボトルは元の構成から圧縮構成になる。元の構成とはブロー成形動作の直後のボトルに想定される構成であり、圧縮構成とは自身を折り畳んだ周囲溝を有する構成である。このことは、圧縮構成のボトルの高さすなわち軸方向の長さおよび内部体積が、元の構成での高さおよび体積よりも小さいことを意味する。特に、圧縮構成のボトル全体の高さは、元の構成における全体の高さよりも低い。
【0036】
圧縮機は、たとえば回転型またはリニア型などであり得る。
【0037】
典型的に、回転圧縮機は、ボトルが上側および下側本体によって直立位置に保持されているときに、ボトルの長手軸Zと実質的に平行な回転軸の周りを回転するように適合される。
【0038】
回転圧縮機の実施例を図1に示す。なお、以下の図面では本発明を理解するために有用な構成要素のみが示されている。
【0039】
回転圧縮機は2つの平行な間隔を置かれた支持体、特に上側支持体102および下側支持体104を含む。たとえば、これらの支持体102、104はディスク形状である。上側支持体102には、円形パターンに配置された複数の貫通孔106が設けられる。各貫通孔106内にロッド108またはマンドレルが配置され、上側支持体102から下側支持体104に向かって突出している。代替的には、貫通孔の代わりにリニアガイドが提供され得る。各ロッド108には上側支持体102からの遠位に端部110が設けられ、この端部110はボトル50の口の円形の上側端部に当接し得る。下側支持体104には、円形パターンに配置された複数のベースプレート112が設けられる。各ベースプレート112はそれぞれのロッド108と整列されており、ベースプレート112の数はロッド108の数に等しい。ベースプレート112は、下側支持体104から上側支持体102に向かって突出している。各ベースプレート112は下側支持体104からの遠位に表面114を有し、この表面114はボトル50の底部に対する載置表面である。各ボトル50は、それぞれのロッド108とベースプレート112との間の位置に配置されて保持され得る。
【0040】
回転圧縮機は、ボトルを押すように、すなわちボトルに逐次的に軸方向の圧縮力を加えるように設計および構成される。特に、回転圧縮機は矢印Rの方向に鉛直回転軸の周りを回転する。以下に説明されるとおり、ロッド108および/またはベースプレート112の鉛直運動を始動させるカム機構が提供される(図示せず)。
【0041】
いくつかのボトル(左手側)は元の構成で、すなわち圧縮または押込み力を加える前の構成で示されており、いくつかのボトル(右手側)は圧縮構成で、すなわち周囲溝を閉じる押込み力を加えた後の構成で示されている。
【0042】
前述のとおり、ボトル50を逐次的に押すために、ロッド108および/またはベースプレート112は動き得る。たとえば、ベースプレート112は鉛直上向きに上側支持体102に向かって動き得るのに対し、ロッド108は位置が固定されており、ベースプレート112によって加えられる押込み力とは反対に作用する。代替的に、ロッド108は鉛直下向きに下側支持体104に向かって動き得るのに対し、ベースプレート112は位置が固定される。代替的に、ロッド108とベースプレート112とは互いに向かって動き得る。典型的に、ロッド108および/またはベースプレート112は予め定められた長さだけ動くように設計される。たとえば、ロッド108のみまたはベースプレート112のみの運動が提供されるとき、ロッド108またはベースプレート112は4~8mmに含まれる長さだけ移動するように設計される。ロッド108およびベースプレート112の両方の運動が提供されるとき、ロッド108およびベースプレート112の各々は5~7mmに含まれる長さだけ移動するように設計される。
【0043】
加えて圧縮機は、ロッドおよび/またはベースプレートの運動を始動させるための好適な始動手段を含む。特に、ロッドおよび/またはベースプレートの運動を始動させるカム機構を始動させるための始動手段が提供され得る。
【0044】
図1の圧縮機は、空のボトルを押すときを示している。代替的に、図2に示すとおり、同じ圧縮機が充填されたボトルを押すこともできる。
【0045】
図3は、図1の回転圧縮機の代替的変形を示す。図3の圧縮機は付加的に、各ボトル50に対するクランプ116またはグリッパーを含む。特に、各クランプ116は、ボトルのネックリング52のすぐ上に位置する部分をクランプするように設計される。なお、当業者はネックリングの意味を容易に理解できる。クランプ116は任意には、軸方向の圧縮力を加えるために下向きに動かされてネックリング52に作用できる。図4に示される変形において、図3の圧縮機にはロッド108が設けられない。ロッド108が設けられないとき、ボトル50の口の任意の起こり得る汚染が回避される。各ボトル50の圧縮は、それぞれのベースプレート112および/またはクランプ116の鉛直運動によって達成され得る。クランプ116が特に下向きに動いてネックリング52に作用するように設計されるとき、クランプ116の運動を始動させるための好適な始動手段が提供される。
【0046】
図5は、図4の回転圧縮機の代替的変形を示す。図5の圧縮機も、各ボトル50に対するクランプ118を含む。各クランプ118は、各ボトル50のネックリング52をクランプするように設計される。特に、各クランプ50は、ボトルのネックリング52のすぐ上に位置する部分と、ボトルのネックリング52のすぐ下の部分とをクランプするように設計される。各ボトルの圧縮は、それぞれのベースプレート112および/またはクランプ118の鉛直運動によって達成され得る。クランプ118が特に下向きに動くように設計されるとき、クランプ118の運動を始動させるための好適な始動手段が提供される。
【0047】
図6は、図1の回転圧縮機の代替的変形を示す。図6の圧縮機は付加的に、上側支持体102と下側支持体104との間に配置されたホイール120を含む。ホイール120には複数の溝122またはシートが設けられる。各溝122はボトル50を収容でき、特に押込み力を加える際にボトル50を直立位置に保持することに寄与する。典型的には、ホイール120も上側支持体102および下側支持体104と一緒に回転する。
【0048】
図7は、図3の回転圧縮機の代替的変形を示す。図7の圧縮機も、各ボトル50に対するクランプ119を含む。各クランプ119は、各ボトル50のネックリング52の下のショルダーに接触するように設計される。各ボトル50の圧縮は、それぞれのベースプレート112および/またはロッド108の鉛直運動によって達成され得る。各ボトルのショルダーに作用するクランプ119は、ボトルを誘導するように設計される。特にクランプ119は、ボトルの直立位置を保持することに寄与する。クランプ119が特に下向きに動くように設計されるとき、クランプ119の運動を始動させるための好適な始動手段が提供される。
【0049】
なお、ロッドを含まない変形において、上側支持体は必要ない。この場合、クランプまたはグリッパーは下側支持体に保持され得る。たとえば、クランプが設けられた中央支持構造が下側支持体に保持され得る。
【0050】
図8は、リニア圧縮機の実施例を示す。リニア圧縮機は、複数のボトル50が載り得る下側コンベヤベルト204を含む。特に、各ボトルの底部が下側コンベヤベルト204の上側表面に載る。加えて、リニア圧縮機は上側コンベヤベルト202を含む。上側コンベヤベルト202および下側コンベヤベルト204はモーター付きである。好ましくは上側コンベヤベルト202および下側コンベヤベルト204は同期しており、すなわち同じ速度で動く。上側コンベヤベルト202および下側コンベヤベルト204は、使用中にボトルに対する同じ進行方向Tを定める。なお、リニア圧縮機を含む実施形態において、上側コンベヤベルトおよび/または下側コンベヤベルトは、たとえばチェーンコンベヤまたは類似物などの異なるタイプのコンベヤであってもよい。
【0051】
上側コンベヤベルト202には、傾斜した部分206またはステップが設けられる。特に、上側コンベヤベルト202には、傾斜した部分206によって接続された実質的に直線状の部分208、210が設けられる。任意には第1の部分208が設けられず、すなわち傾斜した部分206と第2の直線部分210とのみが設けられる。
【0052】
第1の部分208および上側の部分210の下側表面は、下側コンベヤベルト204の上側表面と実質的に平行である。下側コンベヤベルト204の上側表面から第1の部分208(左手側、図8)の下側表面までの距離は、下側コンベヤベルト204の上側表面から第2の部分210(右手側、図8)の下側表面までの距離よりも大きい。加えて傾斜した部分206においては、上側コンベヤベルト202の下側表面と下側コンベヤベルト204の上側表面との間の距離が徐々に減少する。たとえばステップ206は、第1の部分208または同等に第2の部分210の下側表面と鋭角βを形成し、この鋭角βは好ましくは60°未満であり、たとえば両端値を含む1°から45°の範囲などに含まれる。ステップ206は、ボトルが傾くことを防ぐ。例として、高さ189mm(元の構成)を有する容器を圧縮する必要があるとき、下側コンベヤベルト204の上側表面から第1の部分208(提供時)の下側表面までの距離は189mmより大きく、下側コンベヤベルト204の上側表面から第2の部分210の下側表面までの距離は177~179mmに含まれる。
【0053】
一般的に、特に最終体積500mlを有するボトルに対する元の構成と圧縮構成との高さの差は10~12mm、好ましくは最大15mmであることが好ましい。
【0054】
このリニア圧縮機は、矢印Tで示されるとおり、ボトル50を第1の部分から第2の部分に向かって進む方向に運搬するように設計されている。よって、元の構成のボトルは第1の部分の下または左側で下側コンベヤベルト204の上に置かれることで、各ボトルの口または(ボトルがキャッピングされているときは)キャップの円形の上側端部は、第1の部分208の下側表面に接触することなく、その近くにある。
【0055】
ボトル50がステップ206に到達すると、ボトルの圧縮が始まる。ボトルがリニア圧縮機を離れるときの安定した形態を確実にするボトルの最適な圧縮を達成するために、第2の部分210の長さおよびコンベヤベルト202、204の進行速度が設計され得る。実際に、ボトル50の安定した形態を確実にするために、圧縮されたボトルを一定時間第2の部分210にとどめることが必要とされることがある。たとえば、各ボトルが1~5分間に含まれる時間だけ第2の部分210にとどまるように、リニア圧縮機が設計され得る。たとえば、容器の最終温度が45℃未満のときは2分間で十分である。例として、進行速度が約10ボトル/秒であるとき、第2の部分の長さは約10~20メートルである。図9は、リニア圧縮機の変形を示す。この変形において、上側コンベヤベルト212は実質的に直線状であり、すなわちステップが設けられていない。ボトルの圧縮は、上側コンベヤベルト212の鉛直運動によって同時に達成される。
【0056】
図10および図11はリニア圧縮機の別の実施例を示し、このリニア圧縮機は下側支持体304とロッド308とを含む。ボトルの底部は下側支持体304の上側表面に載り得る。ロッド308が延在し、鉛直方向すなわち下側支持体304の上側表面と実質的に垂直な方向に沿って動くように構成されている。なお、2つ以上のロッドを提供することもでき、この場合のロッドは互いに平行に配置され、かつ同時に動き得る。ロッド308には端部310が設けられ、この端部310はボトル50の口の円形の上側端部に当接し得る。ロッド308の鉛直運動によって、ロッド308の下に整列して配置されたボトルの圧縮がもたらされる。下側支持体は好ましくはコンベヤベルトである。代替的に、ロッド308は圧縮すべき各ボトルと逐次的に整列されるために、水平方向にも動き得る。
【0057】
図10に示されるボトルは空のボトルであり、図11に示されるボトルは充填されてキャッピングされている。
【0058】
なお、すべての実施形態において、図面に特定的に示されているものにかかわらず、装置のレイアウトにおける圧縮機の位置によって、圧縮機によって処理されるボトルは空でキャッピングされていないボトルであってもよいし、充填されてキャッピングされていないボトルであってもよい。
【0059】
すべての実施形態において、圧縮機には、圧縮されたボトルにたとえば水および/または空気などの冷却媒体を噴霧するために適合されたスプレーノズルなどの冷却手段が任意に提供され得る。こうした冷却手段は、折り畳み可能な周囲溝を局所的に冷却するように構成されることが好ましい。実際に、こうした冷却はボトルの圧縮構成を安定化する。加えて、こうした冷却は液体の冷却を開始し、その結果としてボトルの内側に真空が生じ、これは圧縮構成を安定化することに寄与する。
【0060】
加えて本発明は、高温または中温充填型の装置または生産プラントを提供する。よって、この装置は高温または中温充填プロセスを行うように構成される。図12図13図14、および図14aは、本発明による装置の実施例を概略的に示すものである。
【0061】
この装置は典型的に、少なくともブロー成形機(blowing machine)Bと、充填機(filling machine)Fと、キャッピング機(capping machine)Cと、傾斜手段(tilting means)Tと、冷却トンネル(cooling tunnel)CTとを含む。
【0062】
ブロー成形機B、充填機F、およびキャッピング機Cは、回転型またはリニア型であり得る。たとえばこうした機械は、それぞれの鉛直の回転軸の周りを回転する回転コンベヤまたはホイールの形で構築され得る。こうした機械の間に、たとえば移送ホイール(transfer wheel)などの1つまたはそれ以上の移送手段TWが提供され得る。加えて、当業者に周知のローディングホイールおよびアンローディングホイールが提供され得る。
【0063】
ブロー成形機Bは、好ましくは射出延伸ブロー成形機である。ブロー成形機Bは複数のモールドを含み、プリフォームをブロー成形することによってボトルを生産する。モールドは、たとえば105~110℃に含まれる温度に加熱される。典型的に、モールドの加熱は本体区域にて行われる。したがって、ブロー成形プロセスの後、ブロー成形されたボトルはまだ温かい。排他的ではなく典型的に、ブロー成形プロセスの後のボトルは30~60℃に含まれる温度である。
【0064】
充填機Fは、各ボトルに高温または中温の液体を注入する。たとえば、中温充填プロセスにおいては典型的に60~75℃の温度の液体がボトルに充填されるのに対し、高温充填プロセスにおいては典型的に85~92℃の温度の液体がボトルに充填される。
【0065】
キャッピング機Cは、ボトルにキャップを付ける。
【0066】
キャッピングの後、ボトルは傾斜手段Tまたは傾斜機もしくはステーションによって、回転または傾斜される。典型的に、傾斜手段Tはリニアコンベヤを含む。例として、傾斜動作はボトルを約90°の角度だけ回転させるステップを含み、この位置が約30秒間保たれる。次いでボトルが再び回転されることでボトルは直立し、すなわちキャップを上にした鉛直位置になる。傾斜手段Tは当該技術分野において周知であるため、さらに説明することはしない。図示されていないこうした傾斜手段は、典型的にキャッピング機Cの後ろに配置される。
【0067】
冷却トンネルCTは典型的に、ボトルを輸送するためのたとえばコンベヤベルトなどの輸送手段を含む。加えて冷却トンネルは、ボトルにたとえば水などの冷却媒体を噴霧するように適合された一連のノズルを含む。好ましくは、ボトルがトンネルに沿って前進するにしたがって、より低い温度の水が噴霧される。
【0068】
加えてこの装置は、押込み機(pushing machine)とも命名される圧縮機Pを含む。圧縮機はボトルに軸方向の圧縮力、すなわち各ボトルの長手軸に沿って作用する力を加えるように構成される。特に、圧縮機は周囲溝に自身を折り畳ませるか、または閉鎖させるように構成される。よって、圧縮機はボトルの構成または形状を変える働きをする。各ボトルは元の構成から圧縮構成になる。元の構成とはブロー成形動作の後のボトルに想定される構成であり、圧縮構成とは自身を折り畳んだ周囲溝を有する構成である。このことは、圧縮構成のボトルの高さすなわち軸方向の長さおよび体積が、元の構成での高さおよび体積よりも小さいことを意味する。圧縮機Pは、回転型またはリニア型であり得る。排他的ではなく、たとえば圧縮機は図1~11に示される圧縮機の1つであり得る。
【0069】
第1の実施形態(図12)によると、ブロー成形機Bと充填機Fとの間に圧縮機Pが配置される。特に、圧縮機Pはブロー成形機Bの下流、好ましくはブロー成形機Bのすぐ下流に配置される。圧縮機Pの中にボトルを配置するために、図示されていないローディングホイールおよびアンローディングホイールが提供され得る。
【0070】
この実施形態において、圧縮機Pは好ましくは10~60N、好ましくは20~50Nに含まれる力を加えるように構成される。こうした力が加えられる時間は、好ましくは0.1~6秒間に含まれる。
【0071】
この装置は、ボトルをたとえばブロー成形機Bから充填機Fなど、1つの機械から別の機械に移送するための1つまたはそれ以上の移送ホイールTWも任意に含んでもよい。移送手段は回転型またはリニア型であり得る。
【0072】
図13に示される別の実施形態によると、圧縮機Pはキャッピング機Cの後、好ましくは傾斜手段Tの後に配置される。特に、圧縮機Pはキャッピング機Cの下流、好ましくは傾斜手段Tの下流に配置される。より好ましくは、圧縮機Pは傾斜手段Tのすぐ下流に配置される。
【0073】
この実施形態において、圧縮機Pは好ましくは100~600N、好ましくは300~500Nに含まれる力を加えるように構成される。こうした力が加えられる時間は、好ましくは60~300秒間に含まれる。
【0074】
図示されていない別の実施形態によると、圧縮機は冷却トンネルの後に配置される。特に、圧縮機は冷却トンネルの下流、好ましくは冷却トンネルのすぐ下流に配置される。
【0075】
この実施形態において、圧縮機は好ましくは100~300N、好ましくは120~280Nに含まれる力を加えるように構成される。こうした力が加えられる時間は、好ましくは10~120秒間に含まれる。
【0076】
図14に示されるさらなる実施形態によると、圧縮機Pはキャッピング機Cの後ろ、かつ傾斜手段Tの前に配置される。
【0077】
図14aに示されるさらなる実施形態によると、圧縮機Pは充填機Fの後ろ、かつキャッピング機Cの前に配置される。
【0078】
さらなる実施形態によると、キャッピング機が圧縮機としても用いられる。
【0079】
さらなる実施形態によると、充填機が圧縮機としても用いられる。実際にこの場合には、充填機はボトルに軸方向の圧縮力を加えるように構成される。よって、同じ機械がボトルの充填および圧縮の両方を行い得る。ボトルの圧縮は、充填動作の前、途中、または後に行われ得る。
【0080】
他の実施形態によると、装置の構成またはレイアウトは、非限定的な例として、圧縮機がキャッピング機の前またはキャッピング機の後に配置されるようなものである。加えて圧縮機は、ブロー成形機と充填機との間、または充填機とキャッピング機との間の任意の中間スターホイールにおいて実施され得る。
【0081】
なおさらなる実施形態によると、ブロー成形機は圧縮機を含むシステムまたは装置とは別個のものである。好ましくは、この場合は図12~14を参照して、ブロー成形機Bはリンサーすなわちリンス機に置き換えられ、ボトルは好ましくはエアコンベヤを用いて充填機に供給され、ボトルはブロー成形機またはアンスクランブラーによって供給されている。
【0082】
代替的に提供されるラインにおいては、圧縮機はリンサーの前に位置決めされて圧縮/リンス/充填/キャッピング装置に一体化されるか、またはスタンドアロン装置としてリンス/充填/キャッピング装置の前に位置決めされ、どちらの構成でも、充填機とブロワーまたはアンスクランブラーとの間に配置されたエアコンベヤによってボトルが供給される。
【0083】
代替的に、本発明は高温充填または中温充填のための装置を提供し、この装置は
ブロー成形機B、ブロー成形機Bによってボトルを供給されるように適合されたサイロおよび/またはアンスクランブラーを含み、
折り畳み可能な熱可塑性容器に対してその長手軸Zに沿った軸方向の圧縮力を加えるように構成された圧縮機Pが提供され、
前記圧縮機Pはブロー成形機の後の、たとえばブロー成形機とサイロおよび/またはアンスクランブラーとの間などに位置決めされ、圧縮機は好ましくはブロー成形機に直接接続され、折り畳み可能な熱可塑性容器は高温充填または中温充填プロセスに対して設計されており、この折り畳み可能な熱可塑性容器は
- ショルダーが設けられた本体、
- 本体の第1の側部における開口部を定める円形の上側端部と、ネックリング52とが設けられたネック13、
- 本体の第1の側部とは反対の第2の側部における底部面を定める底部を含み、
本体は、ネック13と長手軸Zに沿った容器の中央との間に周囲溝12を有し、
この周囲溝はネック13に対して近位の第1の側部3と、ネック13から遠位の第2の側部4とを含み、
この周囲溝によって、長手軸Zに沿って軸方向の圧縮力が加えられたときに、第1の側部3が第2の側部4と接触することによって容器の内部体積を低減させ、
圧縮機Pは
- 折り畳み可能な熱可塑性容器の底部に対する載置表面となるように設計された表面を有する少なくとも1つの下側本体112、204、304、
- 折り畳み可能な熱可塑性容器の周囲溝12より上の部分に接触するように設計された少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308を含み、
よって折り畳み可能な熱可塑性容器は少なくとも1つの下側本体112、204、304および少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308によって直立位置にて保持されることができ、圧縮機Pはさらに
- 第1の側部3を第2の側部4と接触させて折り畳み可能な熱可塑性容器の内部体積を低減させるために前記軸方向の圧縮力を加えるために、少なくとも1つの下側本体112、204、304および/または少なくとも1つの上側本体108、116、118、119、202、212、308を始動させるための始動手段を含む。
【0084】
排他的ではなく好ましくは、本発明のすべての実施形態において、ボトルは、ヘッド空間体積が元の構成におけるボトルの総体積の4~8%となるように充填される。
【0085】
加えて本発明は、本発明による装置が提供された高温充填または中温充填プロセスを提供し、このプロセスは、圧縮機によって1つまたはそれ以上の折り畳み可能な容器に同時または逐次的に前記軸方向の圧縮力を加えるステップを含む。
【0086】
たとえば本発明は、以下のステップを順に含む高温充填または中温充填プロセスを提供する。
- ブロー成形機Bによって、複数の折り畳み可能な熱可塑性容器を生産するステップ、
- 圧縮機Pによって、折り畳み可能な熱可塑性容器に前記軸方向の圧縮力を同時または逐次的に加えるステップ、
- 充填機Fによって、折り畳み可能な熱可塑性容器を充填するステップ。
【0087】
別の実施例によると、本発明は、以下のステップを順に含む高温充填または中温充填プロセスを提供する。
- ブロー成形機Bによって、複数の折り畳み可能な熱可塑性容器を生産するステップ、
- 充填機Fによって、折り畳み可能な熱可塑性容器を充填するステップ、
- 圧縮機Pによって、折り畳み可能な熱可塑性容器に前記軸方向の圧縮力を同時または逐次的に加えるステップ、
- キャッピング機Cによって、折り畳み可能な熱可塑性容器をキャッピングするステップ。
【0088】
非限定的な例として、本発明の圧縮機および装置によって処理されることが好適な容器の実施例を以下に説明する。
【0089】
それは液体のための折り畳み可能な熱可塑性容器であって、非炭酸化液体の高温充填、中温充填、または低温充填プロセスに好適であり、長手軸Zを定めており、この折り畳み可能な熱可塑性容器は
- 本体、
- 本体の第1の側部における開口部が設けられたネック、
- 本体の第1の側部とは反対の第2の側部における底部面を定める底部を含み、
本体は2つの実質的に円錐台形または四角錐台形の部分を有し、それらの小さい方の底面が互いに対向することで、ネックと長手軸Zに沿った容器の中間との間に周囲溝を構成し、この周囲溝は長手軸Zと同一平面上の第1の面におけるその投影においてV形状の輪郭を有し、
このV形状の輪郭は、長手軸Zの方を指す先端部と、長手軸Zに対して垂直の第2の面に関する第1の角度の第1の勾配および第1の長さを有する、ネックに対して近位の近位直線側部と、前記第2の面に関する第2の角度の第2の勾配および第2の長さを有する、ネックに対して遠位の遠位直線側部とを有し、
第2の長さは第1の長さよりも小さく、
かつ第1の角度は第2の角度よりも大きく、
これによって、長手軸Zに沿って大気圧からもたらされる力よりも大きな圧縮力が加えられたときに、任意にはこうした圧縮力が加えられたときだけ、近位直線側部と遠位直線側部とが接触することによって容器の内部体積が低減する。
【0090】
この容器、特にボトルは、たとえばPETなどの熱可塑性材料でできている。このボトルは、圧力の変動による制御されない収縮効果を回避するように設計される。
【0091】
ボトルの内部圧力変動を補償するために、軸方向の外力、すなわちボトルの長手軸Zに沿って作用する力を加えることによって、ボトルの内部体積および高さが制御された方式で低減されるようにボトルが設計される。ボトルの高さの減少によるこの体積の低減は内圧の増加を生じ、これによって、包装された製品のライフサイクルのさまざまな段階において含まれる液体の温度または体積変動によって起こり得る任意の圧力低減が補償され得る。もし前述のような圧力低減がなければ、ボトルはこの体積の低減によってより高い鉛直頂部荷重に耐え得る。この種のボトルは、ボトルの長手軸Zに対して横方向に、円筒形、正方形、八角形、多角形の断面などの異なる断面を有し得る。非限定的な例として、ボトルは500mlから1000mlの範囲の体積を有し得る。たとえば、本発明の容器は500mlの体積と、18~22g、好ましくは18~20g、たとえば19gなどの重量とを有し得る。
【0092】
本文書において、以下の説明の一部は、特に長手軸Zと同一平面上の面などの面への投影を参照して行われることになる。
【0093】
図15および図16を参照して、第1の実施例によると、ボトルは長手軸Zを定め、1つの側部における開口部を有するネック13を有する本体と、ネック13の反対側でボトルを閉じて底部面を定める底部とを含む。本体はネック13に対して近位の部分9と、ネック13から遠位の部分10とを有する。近位9および遠位10部分の間に、2つの実質的に円錐台形の本体部分が存在し、それらの小さい方の底面が互いに対向している。言い換えると、ネック13に対して近位の円錐台形部分の大きい方の底面は近位部分9の方を指しており、ネック13から遠位の円錐台形部分の大きい方の底面は遠位部分10の方を指している。この方式で周囲溝12が形成され、この周囲溝12はこの実施例においては円周方向の溝であり、長手軸Zと同一平面上の面におけるその投影においてV形状の輪郭を有し、その先端部5は長手軸Zの方を指している。好ましくは、この周囲溝は容器の「ショルダー」、すなわちボトルのネックに対して近位の湾曲部分に位置する。V形状の輪郭は2つの直線側部、すなわちネック13に対して近位の第1の直線側部3と、ネック13から遠位の第2の直線側部4とを有する。したがって周囲溝12は、ボトルの外側から先端部5にかけて減少する長手軸Zに沿った長さを有する間隙である。この実施例において、先端部はリングを定める内部リブ5であり、長手軸Zと同一平面上の面におけるその投影において0~3mmに含まれる半径Rを有する円の円弧として成形される。
【0094】
近位側部3は長手軸Zに対して垂直な面Xとの角度αの勾配7を有し、遠位側部4は面Xとの角度αの勾配8を有する。たとえば、面Xは内部リブ5の円の円弧の中間点を含む面である。
【0095】
周囲溝の開口角はαによって示され、次の等式によって定められる。
α=α+α
ここでα>α
【0096】
前述のとおり、近位3および遠位4側部は直線状である。近位側部は長さdを有し、遠位側部は長さdを有し、dはdよりも小さい。長さdおよびdは直線側部の実際の長さ、すなわち図16に示されている長さである。長手軸Zに対して垂直な方向に沿った周囲溝の深さは、dおよびdによって実質的に定められる。
【0097】
近位部分9および遠位部分10は、図16において円の円弧として示されている湾曲部分によって、本体のそれぞれの円錐台形部分に好ましくは直接接続される。遠位部分10とそれぞれの円錐台形部分との間の湾曲部分は、参照番号6によって示される。近位部分9とそれぞれの円錐台形部分との間の湾曲部分は、参照番号6’によって示される。好ましくは、湾曲部分6’に対する長手軸Zと平行な接線は、湾曲部分6または遠位直線側部4と交差する。
【0098】
図15は、長手軸Zに沿ってたとえばネック13などにおいて中央に外部圧縮力が加えられたときのボトルの折り畳みを示す。ボトルの元の位置または形態は参照番号1の実線によって示され、最終位置または形態は参照番号2の破線によって示されている。こうした圧縮力を加えることによって、周囲溝12が位置および形状を変える。特に最終位置2において、周囲溝12は自身を折り畳んでいる。約90~130Nの外力を加えることによって、好ましくは内側リブ5の形状の機能によって、近位側部3と遠位側部4とが合併し、すなわち図1の参照11に示されるとおりに互いに接触する。外部圧縮力を加えることは、周囲溝12の折り畳みが制御されることを保証する。外力がボトルに漸進的に加えられるとき、遠位側部4において一連の折り畳みが開始し、遠位側部4はボトルの底部に向かって屈曲して反転点から始まる元の勾配を反転し、内側リブ5はより速い速度で動いて、運動の最後には可能な最低位置に到達し、すなわち折り畳み前の元の位置に対してネック13からより遠距離であるような長手軸Zに沿った高さとなる。近位側部3は、その形状および勾配をほぼ維持しながら下に動く。近位側部3に押されて、湾曲部分6はその曲率半径を低減させながら元の位置に対して長手軸Zから半径方向に離れる方に動き、このやり方で図15において参照番号56で示されるとおりに形状を変え、このやり方でボトルにより多くの安定性および剛性を与えることを助ける。周囲溝12の構造および加えられた力によってスナップ作用がもたらされ、それが溝間隙の突然の折り畳みを引き起こし、図15の最終位置2の破線で示されるとおり、溝間隙は自身を閉じる。こうした最終位置2は安定平衡状態にあり、たとえば牽引力などの外力のみがボトルを元の位置1にさせ得る。溝の閉鎖は、突然の折り畳みが起こるまで元の位置1から位置2に向かって行く連続的な下向きの運動、すなわち容器の底部に向かう運動としての外力によって平滑に達成される。この折り畳みは典型的に不可逆的であり、軸方向の荷重すなわち圧縮力を除去した後も残る。外部圧縮力が加えられるとき、溝が折り畳まれてポリマーのいわゆる「記憶」を破壊し、反対方向の別の外力すなわち牽引力の介入なしには溝を元の形に戻せなくする。ボトル内の圧力低減があるときは、元の形状を再取得するために加えなければならない力が大きくなることは明白である。
【0099】
有利には、たとえば本発明の圧縮可能なボトルにおける湾曲部分6に隣接する直線側部4などの、湾曲部分に隣接する直線側部によって効果的なスナップ機構を達成できることは注目に値する。実際に、最終位置2でとる形態が参照番号56(図1)で示されている湾曲部分6は、図1の参照番号11の合併した直線側部に対して、典型的に牽引力しかボトルを元の位置1に戻せないような力を働かせる。さらに、これらの合併した直線側部11は直線状であるため、参照番号56で示される湾曲部分が働かせる力に耐え得る。直線部分3に隣接する湾曲部分6’を有することも有利である。
【0100】
図17を参照して、第2の実施例によると、ボトルは長手軸Zを定め、1つの側部における開口部を有するネック13を有する本体と、ネック13の反対側でボトルを閉じて底部面を定める底部とを含む。本体はネック13に対して近位の部分9と、ネック13から遠位の部分10とを有する。近位9および遠位10部分の間に、2つの実質的に円錐台形の本体部分が存在し、それらの小さい方の底面が互いに対向している。言い換えると、ネック13に対して近位の円錐台形部分の大きい方の底面は近位部分9の方を指しており、ネック13から遠位の円錐台形部分の大きい方の底面は遠位部分10の方を指している。この方式で周囲溝32が形成され、この周囲溝32はこの実施例においては円周方向の溝であり、長手軸Zと同一平面上の面におけるその投影においてV形状の輪郭を有し、その先端部25は長手軸Zの方を指している。好ましくは、この周囲溝は容器の「ショルダー」、すなわちボトルのネックに対して近位の湾曲部分に位置する。V形状の輪郭は2つの直線側部、すなわちネック13に対して近位の第1の直線側部23と、ネック13から遠位の第2の直線側部24とを有する。したがって周囲溝32は、ボトルの外側から先端部25にかけて減少する長手軸Zに沿った長さを有する間隙である。この実施例において、先端部はリングを定める内部リブ25であり、長手軸Zと同一平面上の面におけるその投影における0~3mmに含まれる長さhの直線セグメントとして成形され、周囲溝32に台形の部分に似た断面形状を与える。
【0101】
近位側部23は長手軸Zに対して垂直な面Xとの角度αの勾配27を有し、遠位側部24は面Xとの角度αの勾配28を有する。
【0102】
周囲溝の開口角はα10によって示され、次の等式によって定められる。
α10=α+α
ここでα>α
【0103】
前述のとおり、近位23および遠位24側部は直線状である。近位側部は長さdを有し、遠位側部は長さdを有し、dはdよりも小さい。長さdおよびdは直線側部の実際の長さ、すなわち図17に示されている長さである。長手軸Zに対して垂直な方向に沿った周囲溝の深さは、dおよびdによって実質的に定められる。
【0104】
近位部分9および遠位部分10は、図16において円の円弧として示されている湾曲部分によって、本体のそれぞれの円錐台形部分に好ましくは直接接続される。遠位部分10とそれぞれの円錐台形部分との間の湾曲部分は、参照番号26によって示される。近位部分9とそれぞれの円錐台形部分との間の湾曲部分は、参照番号26’によって示される。好ましくは、湾曲部分26’に対する長手軸Zと平行な接線は、湾曲部分26または遠位直線側部4と交差する。
【0105】
折り畳み機構は、ボトルの第1の実施例と実質的に同じである。好ましくは、第1および第2の記載の実施例の両方において、溝は次の式によって与えられる高さhに位置する。
Tot2<h<4/5hTot
ここでhはボトルの底部面から測定された周囲溝の位置の高さを示し、hTotは加えられた外力によるボトルの折り畳み前のボトルの元の合計高さを示す。
【0106】
好ましくは、周囲溝はネックと、ボトルの最大直径の部分との間に位置する。
【0107】
図18を参照して、ボトルの第1および第2の実施例の変形によると、遠位側部から始まる周囲溝の折り畳みを容易にするために、遠位部分10と円錐台形部分とを接続する湾曲部分36が波形にされている。
【0108】
図19を参照して、第1および第2の実施形態の変形によると、近位側部33および遠位側部34に刻みが付けられる。たとえば複数の突出するリブが提供されることで、近位および直線側部の表面が実質的に波形にされ得る。近位および遠位側部のリブは直線状であり、ともに噛み合うことができる。
【0109】
図20を参照して、ボトルの第1および第2の実施例の変形によると、近位側部43および遠位側部はセグメントに分けられる。たとえば複数のリブが提供されることで、近位および直線側部の表面上に複数の実質的に矩形形状の区間が定められ得る。
【0110】
図21を参照して、ボトルの第1および第2の実施例の変形によると、周囲溝の内部リブ42は、長手軸Zに対して垂直な面におけるその投影において波状の円形の形にされる。
【0111】
図19~21に示されるこれらの異なる構成は、外力が必然的に周囲溝においてボトルの折り畳みを達成するようにさせる剛性を与えることを助ける。
【0112】
本発明の機械および装置は、ボトルに圧縮力が加えられたときに折り畳まれるか、または閉じるように設計された1つまたはそれ以上の周囲溝が設けられた他のボトルとともに用いられ得ることが注目に値する。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12
図13
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図14a
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21