(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】アンテナ構造と電子装置、アンテナ構造のアレイ配列方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/24 20060101AFI20220314BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
H01Q3/24
H01Q21/06
(21)【出願番号】P 2019563822
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2019111307
(87)【国際公開番号】W WO2020244118
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2019-11-18
(31)【優先権主張番号】201910493481.7
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517188574
【氏名又は名称】ペキン シャオミ モバイル ソフトウェア カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】柯常▲慶▼
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102646874(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/24
H01Q 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構造であって、
複数のアレイ素子と、
複数の給電ポートを含むRFコンポーネントと、
RF切り替えスイッチ
と
を備え、
前記RF切り替えスイッチが、少なくとも2つのアレイ素子と前記RFコンポーネントに含まれる少なくとも2つの給電ポートに接続され、前記RF切り替えスイッチが、それに接続された各給電ポートの給電オブジェクトを切り替え、予め設定されたアンテナアレイを構成するために用いられ、前記給電オブジェクトが前記RF切り替えスイッチに接続された少なくとも2つのアレイ素子のいずれか一つのアレイ素子であ
り、
前記アンテナ構造は複数のRFコンポーネントを備え、少なくとも一つのRFコンポーネントが複数の給電ポートを含み、各給電ポートが少なくとも一つのアレイ素子に対応し、
前記少なくとも一つのRFコンポーネントの各給電ポートがいずれも前記RF切り替えスイッチに接続され、前記RF切り替えスイッチが、各給電ポートに対応する給電オブジェクトを切り替えるために用いられる、アンテナ構造。
【請求項2】
前記アンテナ構造は
、複数の給電ポートを含む単一のRFコンポーネントを備え、前記給電ポートがいずれも前記RF切り替えスイッチに接続される
、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項3】
隣接するアレイ素子の間の間隔距離は、前記アンテナ構造が予め設定された動作周波数にある時の波長以下である
、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項4】
前記複数のアレイ素子は予め設定された範囲内に配列され、前記予め設定された範囲が前記複数のアレイ素子の配列中心を円点とし、前記アンテナ構造が予め設定された動作周波数にある時の2つの波長を半径とする範囲である
、請求項3に記載のアンテナ構造。
【請求項5】
前記複数のアレイ素子の配列は
、円形、方形、十字形、一字形を呈する
、請求項3に記載のアンテナ構造。
【請求項6】
前記アンテナ構造は、5Gミリ波アンテナを含む
、請求項1
~5のいずれか一項に記載のアンテナ構造。
【請求項7】
電子装置であって、
請求項1
~6のいずれか一項に記載のアンテナ構造を備える
、電子装置。
【請求項8】
アンテナ構造のアレイ配列方法であって、前記アンテナ構造が
請求項1~6のいずれか一項に記載のアンテナ構造であり、前記アレイ配列方法は、
前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定することと、
前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成すること
と
を含む
、アンテナ構造のアレイ配列方法。
【請求項9】
アンテナ構造のアレイ配列装置であって、前記アンテナ構造が
請求項1~6のいずれか一項に記載のアンテナ構造であり、前記アレイ配列装置は、
前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定するように構成される確定モジュールと、
前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成するように構成される調整モジュール
と
を備える
、アンテナ構造のアレイ配列装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
コンピュータ命令を記憶し、
前記命令がプロセッサによって実行される時に請求項
8に記載の方法のステップを実現する
、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
電子装置であって、
プロセッサと、
プロセッサで実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリ
と
を備え、
前記プロセッサが実行する時に請求項
8に記載の方法のステップを実現するように構成される
、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は出願番号が201910493481.7で、出願日が2019年6月6日である中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容がここで参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施例は、端末技術分野に関し、特にアンテナ構造と電子装置、アンテナ構造のアレイ配列方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、第5世代移動通信ネットワークに対する研究及び開発が白熱化段階に入り、その伝送速度が現在広く使用されている第4世代移動通信ネットワークの数百倍であり、これにより、電子装置の通信速度が大幅に向上する。
【0004】
第5世代移動通信ネットワークの急速な発展に基づき、電子装置内のアンテナ構造に対する要求も向上し、例えば、通信ニーズを満たすために、通常、電子装置内に複数のアンテナアレイを設置する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、関連技術の不足を解決するために、アンテナ構造と電子装置、アンテナ構造のアレイ配列方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の第一の態様によるアンテナ構造は、
複数のアレイ素子と、
複数の給電ポートを含むRFコンポーネントと、
RF切り替えスイッチとを備え、
前記RF切り替えスイッチが、少なくとも2つのアレイ素子と前記RFコンポーネントに含まれる少なくとも2つの給電ポートに接続され、前記RF切り替えスイッチが、それに接続された各給電ポートの給電オブジェクトを切り替え、予め設定されたアンテナアレイを構成するために用いられ、前記給電オブジェクトが前記RF切り替えスイッチに接続された少なくとも2つのアレイ素子のいずれか一つのアレイ素子である。
【0007】
選択可能に、前記アンテナ構造は、
複数の給電ポートを含む単一のRFコンポーネントを備え、前記給電ポートがいずれも前記RF切り替えスイッチに接続される。
【0008】
選択可能に、前記アンテナ構造は複数のRFコンポーネントを備え、少なくとも一つのRFコンポーネントが複数の給電ポートを含み、各給電ポートが少なくとも一つのアレイ素子に対応し、
ここで、前記少なくとも一つのRFコンポーネントの各給電ポートがいずれも前記RF切り替えスイッチに接続され、前記RF切り替えスイッチが、各給電ポートに対応する給電オブジェクトを切り替えるために用いられる。
【0009】
選択可能に、隣接するアレイ素子の間の間隔距離は、前記アンテナ構造が予め設定された動作周波数にある時の波長以下である。
【0010】
選択可能に、前記複数のアレイ素子は予め設定された範囲内に配列され、前記予め設定された範囲が前記複数のアレイ素子の配列中心を円点とし、前記アンテナ構造が予め設定された動作周波数にある時の2つの波長を半径とする範囲である。
【0011】
選択可能に、前記複数のアレイ素子の配列は、
円形、方形、十字形、一字形を呈する。
【0012】
選択可能に、前記アンテナ構造は、5Gミリ波アンテナを含む。
【0013】
本開示の実施例の第二の態様による電子装置は、上記のいずれか一項の実施例に記載されるアンテナ構造を備える。
【0014】
本開示の実施例の第三の態様によるアンテナ構造のアレイ配列方法であって、前記アンテナ構造が複数のアレイ素子、RF切り替えスイッチとRFコンポーネントを含み、前記アレイ配列方法は、
前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定することと、
前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成することとを含む。
【0015】
本開示の実施例の第四の態様によれるアンテナ構造のアレイ配列装置であって、前記アンテナ構造が複数のアレイ素子、RF切り替えスイッチとRFコンポーネントを備え、前記アレイ配列装置は、
前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定するように構成される確定モジュールと、
前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成するように構成される調整モジュールとを備える。
【0016】
本開示の実施例の第五の態様によるコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶し、該命令がプロセッサによって実行される時に上記のいずれか一項に記載の方法のステップを実現する。
【0017】
本開示の実施例の第六の態様によれる電子装置は、
プロセッサと、
プロセッサで実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを備え、
ここで、前記プロセッサが実行する時に上記のいずれか一項の実施例に記載される方法のステップを実現するように構成される。
【0018】
本開示の実施例が提供する技術案は以下の有益な効果を含むことができる。
【0019】
上記実施例から分かるように、本開示の実施例ではRF切り替えスイッチの切り替え作用により、各給電ポートの給電オブジェクトを変更し、それによって異なる状態で異なるアンテナアレイを構成し、アンテナアレイのカバレッジを拡大し、関連技術における各アンテナアレイに含まれるアレイ素子が固定される技術案と比較し、本開示の実施例におけるアンテナアレイのアレイ配列方式がより柔軟である。
【0020】
理解すべきものとして、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的及び説明的なものだけであり、本開示を限定できない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のモジュールブロック図である。
【
図2】一つの例示的な実施例に基づいて示される別のアンテナ構造のモジュールブロック図である。
【
図3】一つの例示的な実施例に基づいて示される別のアンテナ構造のモジュールブロック図である。
【
図4】一つの例示的な実施例に基づいて示される別のアンテナ構造のモジュールブロック図である。
【
図5】一つの例示的な実施例に基づいて示される別のアンテナ構造のモジュールブロック図である。
【
図6】一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のアレイ配列方法のフローチャートである。
【
図7】一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のアレイ配列方法のフローチャートである。
【
図8】一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のアレイ配列のための装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここでの添付図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に一致する実施例を示し、明細書と共に本開示の実施例の原理を解釈することに用いられる。
【0023】
ここで例示的な実施例を詳しく説明し、その例が図面に示される。以下の説明が図面に関する時に、特に明記しない限り、異なる図面における同じ数字は同じ又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載される実施形態は本出願に一致する全ての実施形態を表すものではない。逆に、それらは添付の特許請求の範囲に詳細に記載される、本出願のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0024】
本出願で用いられる用語は特定の実施例を説明するためのだけであり、本出願を限定するものではない。本出願と添付の特許請求の範囲で用いられる単数形態の「一種」、「前記」及び「該」は、文脈が他の意味を明確に示しない限り、複数形態を含むことを意図する。また、理解すべきものとして、本明細書で用いられる用語「及び/又は」とは一つ又は複数の関連して示される項目のいずれか又は全ての可能な組み合わせを含むことを意味する。
【0025】
理解すべきものとして、本出願で第一、第二、第三などの用語を用いて様々な情報を説明する可能性があるが、これらの情報はこれらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は同一のタイプの情報を互いに区別するためのものだけである。例えば、本出願の範囲から逸脱することなく、第一の情報は、第二の情報と呼ばれてもよく、同様に、第二の情報は、第一の情報とも呼ばれてもよい。文脈に応じて、本明細書で用いられる単語「もし」は、「....時に」又は「.....場合」又は「確定したことに応答」と解釈されてもよい。
【0026】
図1は一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のモジュールブロック図である。
図1に示すように、該アンテナ構造100は複数のアレイ素子1、RFコンポーネント2とRF切り替えスイッチ3を備える。ここで、
図1に示すように、アンテナ構造100は9つのアレイ素子を備えることができ、当然、他の実施例では、他の数のアレイ素子、例えば8つの素子又は十つのアレイ素子などを含むことができるが、本開示の実施例はこれに限定されない。該RFコンポーネント2は複数の給電ポートを含むこともでき、RF切り替えスイッチ3は該9つのアレイ素子のうちの少なくとも2つのアレイ素子及びRFコンポーネント2に含まれる少なくとも2つのポートに接続されてもよく、例えば
図1において、該RF切り替えスイッチ3はアンテナ構造100に含まれる9つのアレイ素子及びRFコンポーネント2に含まれる6つの給電ポートに接続され、該RF切り替えスイッチ3はRFコンポーネント2上の、RF切り替え3に接続された各給電ポートの給電オブジェクトを切り替えるために用いられてもよく、該給電オブジェクトがRF切り替えスイッチ3に接続された少なくとも2つのアレイ素子のちのいずれか一つのアレイ素子であり、これにより、給電ポートとアレイ素子の間の導通関係を調整して複数種類の異なるアレイ素子を取得し、予め設定された異なるアンテナアレイを構成することができる。
【0027】
例えば、
図1に示すように、説明を容易にするために、本実施例では複数のアレイ素子1に含まれる各アレイ素子にアルファベット番号を付け、該複数のアレイ素子1はA、B、C、D、E、F、G、H、Iを含むことができ、RFコンポーネント2はPort1、Port2、Port3、Port4、Port5、Port6の6つの給電ポートを含むことができ、一つの状態で、RF切り替えスイッチ3の切り替えによりアレイ素子AとPort1、アレイ素子BとPort2、アレイ素子CとPort3、アレイ素子DとPort4、アレイ素子EとPort5、アレイ素子FとPort6がそれぞれ導通することができ、それによってアレイ素子A、B、C、D、E、Fからなる第一のアンテナアレイを取得し、別の状態で、RF切り替えスイッチ3の切り替えにより、アレイ素子AとPort1、アレイ素子BとPort2、アレイ素子CとPort3、アレイ素子DとPort4、アレイ素子EとPort5、アレイ素子GとPort6がそれぞれ導通することもででき、それによってアレイ素子A、B、C、D、E、Gからなる第二のアンテナアレイを取得する。これにより分かるように、本開示の実施例ではRF切り替えスイッチ3の切り替え作用により、各給電ポートの給電オブジェクトを変更し、それによって異なる状態で異なるアンテナアレイを構成し、アンテナアレイのカバレッジを拡大し、関連技術における各アンテナアレイに含まれるアレイ素子が固定される技術案と比較し、本開示の実施例におけるアンテナアレイのアレイ配列方式がより柔軟である。当然、他の実施例では、RFコンポーネント2に含まれる6つの給電ポートには5つの給電ポートがRF切り替えスイッチ3に接続されてもよく、アンテナ構造100に含まれる9つのアレイ素子のうちの8つのアレイ素子はRF切り替えスイッチ3に接続され、残りの一つのアレイ素子はRF切り替えコンポーネント2の残りの一つの給電ポートに直接接続されるが、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0028】
説明すべきものとして、本開示の実施例では上記の2つの状態における給電ポートとアレイ素子との対応関係のみを例として説明し、他の実施例では給電ポートとアレイ素子との他の対応関係があってもよく、これにより、第三のアンテナアレイ又は第四のアンテナアレイなどを構成し、ここで詳細な説明を省略する。ここで、RFコンポーネント2は増幅器、フィルタと周波数変換器のうちの一つ又は複数を含むことができるが、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0029】
本実施例では、依然として
図1に示すように、該アンテナ構造100は単一のRFコンポーネント2を備えることができ、該単一のRFコンポーネント2が複数の給電ポートを含むことができ、該複数の給電ポートがいずれもRF切り替えスイッチ3に接続され、これにより、アンテナ構造100内に搭載されたRFコンポーネント2の数を減少し、製造コストを削減することができる。別の実施例では、
図2に示すように、該アンテナ構造100は複数のRFコンポーネントを備えることもでき、該複数のRFコンポーネントのうちの少なくとも一つのRFコンポーネントが複数の給電ポートを含むことができ、各給電ポートが少なくとも一つのアレイ素子に対応することができる。
図2に示すように、アンテナ構造100は第一のRFコンポーネント21と第二のRFコンポーネント22を備えることができ、第一のRFコンポーネント21が給電ポートPort1とPort2を含むことができ、第二のRFコンポーネント22が給電ポートPort3とPort4を含むことができる。
【0030】
一つの実施例では、各給電ポートが複数のアレイ素子に対応することができ、例えば
図2に示すように、給電ポートort1がアレイ素子Aとアレイ素子Bに対応し、給電ポートPort2がアレイ素子Fとアレイ素子Gに対応し、給電ポートPort1とPort2がいずれもRF切り替えスイッチ3に接続され、RF切り替えスイッチ3により第一のRFコンポーネント21の給電オブジェクトを切り替えることができ、即ちRF切り替えスイッチ3は給電ポートPort1とアレイ素子A又は給電ポートPort1とアレイ素子Bを導通することができ、即ちRF切り替えスイッチ3により給電ポートPort2とアレイ素子F又は給電ポートPort2とアレイ素子Gを導通することができ、同様に、第二のRFコンポーネント22が
図2における右上の破線ボック内のアレイ要素C、D、E、H、Iに対応することができ、給電ポートPort3がアレイ素子C、アレイ素子Dとアレイ素子Eに対応し、給電ポートPort4がアレイ素子Hとアレイ素子Iに対応し、給電ポートPort3とPort4がいずれもRF切り替えスイッチ3に接続され、RF切り替えスイッチ3により第二のRFコンポーネント22の給電オブジェクトを切り替えることができ、即ちRF切り替えスイッチ3により給電ポートPort3とアレイ素子C又は給電ポートPort3とアレイ素子D又は給電ポートPort3とアレイ素子Eを導通することができ、RF切り替えスイッチ3により給電ポートPort4とアレイ素子H又は給電ポートPort4とアレイ素子Iを導通することができる。当然、ここで第一のRFコンポーネント21と第二のRFコンポーネント22のみを例として説明し、アンテナ構造100はさらに3つ及び3つ以上の数のRFコンポーネント2を備えることができ、
図2における第一のRFコンポーネント21及び第二のRFコンポーネント22とアレイ素子との対応関係も例示的なものだけであり、他の対応関係があってもよく、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0031】
別の実施例では、RF切り替えスイッチ3に接続されたRFコンポーネント2の給電ポートが一つのアレイ素子に対応することもでき、それによってRF切り替えスイッチ3により各給電ポートに対応するアレイ素子の動作状態を切り替えることができる。第一のRFコンポーネント21に含まれる給電ポートPort1を例とすると、該給電ポートPort1がアレイ素子Aのみに対応することができ、そのため、RF切り替えスイッチ3により、給電ポートPort1とアレイ素子Aを導通することができ、これにより、アレイ素子Aが動作状態になり、該RF切り替えスイッチ3により給電ポートPort1とアレイ素子Aの接続を切断することができ、これによりアレイ素子Aが非動作状態になる。
【0032】
上記各実施例では、隣接するアレイ素子の間の間隔距離は該アンテナ構造100が予め設定された動作周波数にある時の波長以下である。例えば、
図2に示すように、該アンテナ構造100が予め設定された動作周波数のミリ波を伝送することができると仮定すると、アレイ素子Hとアレイ素子Iの間の間隔距離Dは該予め設定された動作周波数のミリ波の波長以下であり、例えば該間隔距離は予め設定された動作周波数のミリ波の半分波長又は三分の一の波長の間隔距離に等しくてもよく、本開示の実施例はこれに限定されない。ここで、該間隔距離Dがアレイ素子Hの中心とアレイIの中心の間の距離であってもよく、該アンテナ構造100が5G信号を伝送することに用いられる場合、該予め設定された動作周波数は26GHz-49GHzにであってもよく、間隔距離Dは26GHz-49GHz範囲内のいずれかの動作周波数のミリ波の波長であってもよい。当然、ここでアンテナ構造100がミリ波を伝送することを例として説明し、他の実施例では、該アンテナ構造100は他の周波数帯域にある電磁波を伝送することもできるが、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0033】
本実施例では、該複数のアレイ素子は、予め設定された範囲内に配列されてもよく、該予め設定された範囲が複数のアレイ素子の配列中心を円点とし、アンテナ構造が予め設定された動作周波数にある時の2つの波長を半径とする範囲である。
図3に示すように、該予め設定された範囲が図における破線円に示される範囲であり、該予め設定された範囲に位置する各アレイ素子はいずれもRF切り替えスイッチ3に接続される。
【0034】
上記各実施例では、複数のアレイ素子は不規則な形状であってもよく、又は規則的な形状、例えば
図1、
図2に示す十字形、又は
図3に示す方形、又は
図4に示す一字形であってもよく、又は
図5に示す円形であってもよく、本開示の実施例はこれに限定されない。該アンテナ構造100は、電子装置の通信機能を強くするために5Gミリ波アンテナを含むことができる。本開示の実施例によるアンテナ構造100が配置された電子装置は、ハンドヘルド端末例えば携帯電話とタブレットコンピュータを備えることができ、又は該電子装置はは、ウェアラブルデバイス例えばスマートウォッチを備えることができ、又は該電子装置はさらにスマートホームデバイスを備えることができる。
【0035】
本開示の実施例の技術案に基づき、
図6に示すように、上記のいずれかの実施例に記載されるアンテナ構造に対するアレイ配列方法が提供され、以下のステップを含むことができる。
【0036】
ステップ601において、複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定する。
【0037】
本実施例では、電子装置は現在の通信ニーズに応じてアレイ配列のために必要なアレイ素子を確定することができ、例えば各アレイ素子の幅と位相、又は必要なアンテナアレイの指向性パターンと位相差に基づいてアレイ配列のためのアレイ素子を確定することができる。
【0038】
ステップ602において、RF切り替えスイッチを調整して、RFコンポーネントの給電ポートが該任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるように、アンテナアレイを構成する。
【0039】
本実施例では、該RF切り替えスイッチは、RFコンポーネントの各給電ポートの給電オブジェクトを切り替えるための多極マルチスロースイッチ又は単極マルチスロースイッチを含むことができ、各給電ポートの給電オブジェクトが変更された後にアンテナアレイ構造を変更することができる。
【0040】
上述したアレイ配列方法の実施例に対応して、本開示の実施例はさらにアレイ配列装置の実施例を開示する。
【0041】
図7は本開示の一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のアレイ配列装置のブロック図である。前記アンテナ構造は複数のアレイ素子、RF切り替えスイッチとRFコンポーネントを備え、
図7に示すように、該装置は確定モジュール701と調整モジュール702を備え、ここで、
確定モジュール701が複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定するように構成され、
調整モジュール702が、前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成するように構成される。
【0042】
上記実施例における装置について、そのうちの各モジュールが操作を実行する具体的な方式は既に該方法に関する実施例で詳細に説明され、ここで詳細な説明を省略する。
【0043】
装置の実施例については、それが基本的に方法の実施例に対応するため、関連するところが方法の実施例の部分の説明を参照すればよい。上述した装置の実施例は例示的なものだけでなく、ここで分離部材として説明された前記ユニットは物理的に分離するものであってもよく又は物理的に分離するものでなくてもよく、ユニットとして表示された部材は物理ユニットであってもよく又は物理ユニットでなくてもよく、即ち一つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワーク要素に分布してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又は全てのモジュールを選択して本開示の実施例の解決策の目的を達成することができる。当業者は創造的な労力を要せずに理解して実施することができる。
【0044】
それに対応して、本開示の実施例によるアンテナ構造のアレイ配列装置は、プロセッサと、プロセッサで実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを備え、ここで、アンテナ構造が複数のアレイ素子、RF切り替えスイッチとRFコンポーネントを含み、前記プロセッサが前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定し、前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成するように構成される。
【0045】
それに対応して、本開示の実施例による端末は、アンテナ構造を備え、アンテナ構造が複数のアレイ素子、RF切り替えスイッチとRFコンポーネントを含み、前記端末はメモリ、及び一つ又は一つ以上のプログラムを備え、ここで、一つ又は一つ以上のプログラムがメモリに記憶され、且つ一つ又は一つ以上のプロセッサによって以下の操作のための命令を含む前記一つ又は一つ以上のプログラムを実行するように構成される:前記複数のアレイ素子のうちのアレイ配列のために必要な任意の数のアレイ素子を確定し、前記RF切り替えスイッチを調整して、前記RFコンポーネントの給電ポートが前記任意の数のアレイ素子と一つずつペアになるようにアンテナアレイを構成する。
【0046】
図8は一つの例示的な実施例に基づいて示されるアンテナ構造のためのアレイ配列のための装置800の構造図である。例えば、装置800は移動電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信装置、ゲーム機、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、パーソナルデジタルアシスタント等であってもよい。
【0047】
図8を参照すると、装置800は処理コンポーネント802、メモリ804、電源コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O)インターフェース812、センサコンポーネント814、及び通信コンポーネント816のうちの一つ又は複数を備えることができる。
【0048】
処理コンポーネント802は一般的に装置800の全体動作、例えば表示、電話コール、データ通信、カメラの動作及び記録動作と関連する動作を制御する。処理コンポーネント802は一つ又は複数のプロセッサ820を含んで命令を実行し、上記の方法の全て又は一部のステップを完了することができる。また、処理コンポーネント802と他のコンポーネントの間のインタラクションを容易にするために、処理コンポーネント802は一つ又は複数のモジュールを含むことができる。例えば、マルチメディアコンポーネント808と処理コンポーネント802の間のインタラクションを容易にするために、処理コンポーネント802はマルチメディアコンポーネントを含むことができる。
【0049】
メモリ804は様々なタイプのデータを記憶して装置800での動作をサポートするように構成される。これらのデータの例は装置800で動作するように構成されるいずれかのアプリケーションプログラム又は方法のための命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、イメージ、ビデオなどを含む。メモリ804は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどの任意のタイプの揮発性又は不揮発性記憶装置又はそれらの組み合わせにより実現されてもよい。
【0050】
電源コンポーネント806は装置800の様々なコンポーネントに電力を供給する。電源コンポーネント806は電源管理システム、一つ又は複数の電源、及び装置800に電力を生成、管理及び割り当てることに関連する他のコンポーネントを含むことができる。
【0051】
マルチメディアコンポーネント808は前記装置800とユーザの間の一つの出力インタフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例において、スクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネル(TP)を含むことができる。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンはタッチスクリーンとして実現され、ユーザからの入力信号を受信することができる。タッチパネルは一つ又は複数のタッチセンサを含んでタッチ、スライドとタッチパネル上のジェスチャをセンシングする。前記タッチセンサはタッチ又はスライド動作の境界をセンシングするだけでなく、前記タッチ又はスライド動作に関連する持続時間及び圧力を検出することができる。いくつかの実施例において、マルチメディアコンポーネント808は一つのフロントカメラ及び/又はリアカメラを含む。装置800が動作モード、例えば撮影モード又はビデオモードにある時、フロントカメラ及び/又はリアカメラは外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラ及び/又はリアカメラは一つの固定された光学レンズシステムであってもよく又は焦点距離及び光学ズーム能力を有する。
【0052】
オーディオコンポーネント810はオーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は一つのマイクロホン(MIC)を含み、装置800が動作モード、例えばコールモード、記録モードと音声識別モードにある場合、マイクロホンは外部の音声信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号はさらにメモリ804に記憶又は通信コンポーネント816を介して送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント810はさらにオーディオ信号を出力するための一つのスピーカを含む。
【0053】
I/Oインターフェイス812は処理コンポーネント802と周辺インタフェースモジュールの間にインタフェースを提供し、上記周辺インタフェースモジュールがキーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンはホームボタン、音量ボタン、スタートボタンとロックボタンを含むことができるがこれらに限定されない。
【0054】
センサコンポーネント814は装置800に様々な態様の状態評価を提供するための一つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント814は装置800のオープン/クローズ状態、コンポーネントの相対的な位置決め、例えば前記コンポーネントが装置800のディスプレイ及びキーパッドであることを検出することができ、センサコンポーネント814はさらに装置800又は装置800の一つのコンポーネントの位置変化、ユーザと装置800との接触の存在又は非存在、装置800の方位又は加速/減速と装置800の温度変化を検出することができる。センサコンポーネント814はいかなる物理的な接触がない時に近くの物体の存在を検出するように構成される近接センサを含むことができる。センサコンポーネント814はさらにメージングアプリケーションに使用される光センサ、例えばCMOS又はCCDイメージセンサを含むことができる。いくつかの実施例において、該センサコンポーネント814はさらに加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサを含むことができる。
【0055】
通信コンポーネント816は装置800と他の装置の間の有線又は無線方式の通信を容易にするように構成される。装置800は通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2G又は3G、4G LTEF、5G NR又はこれらの組み合わせにアクセスすることができる。一つの例示的な実施例では、通信コンポーネント816は放送チャネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号又は放送関連情報を受信する。一つの例示的な実施例では、前記通信コンポーネント816はさらに近距離通信(NFC)モジュールを含み、短距離通信を容易にする。例えば、NFCモジュールは無線周波数識別(RFID)技術、赤外線通信協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術及び他の技術に基づいて実現されてもよい。
【0056】
例示的な実施例では、装置800は上記方法を実行するために、一つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又は他の電子素子により実現されてもよい。
【0057】
例示的な実施例では、命令を含む非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えば命令を含むメモリ804が提供され、上記命令は装置800のプロセッサ820によって実行されて上記方法を完了することができる。例えば、前記非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体はROM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクと光データ記憶装置などであってもよい。
【0058】
当業者は明細書を考慮してここでの開示を実践した後、本開示の他の実施例の実施手段を容易に想到する。本出願は本開示の実施例のいかなる変形、用途又は適応的変化を含むことを意図し、これらの変形、用途又は適応的変化が本開示の一般的な原理に従い且つ本開示の実施例で公開されない本技術分野における公知知識又は慣用の技術手段を含む。本明細書及び実施例は例示のみとして見なされるが、本開示の実施例の真の範囲と精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0059】
理解すべきものとして、本開示の実施例は以上に説明され且つ添付図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行うことができる。本開示の実施例は添付の特許請求の範囲によって限定される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示の実施例ではRF切り替えスイッチの切り替え作用により、各給電ポートの給電オブジェクトを変更し、それによって異なる状態で異なるアンテナアレイを構成し、アンテナアレイのカバレッジを拡大し、関連技術における各アンテナアレイに含まれるアレイ素子が固定される技術案と比較し、本開示の実施例におけるアンテナアレイのアレイ配列方式がより柔軟である。