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特許7039629管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/02 20060101AFI20220314BHJP
【FI】
H05B3/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019572393
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 RU2018000604
(87)【国際公開番号】W WO2020009602
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】2018124791
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】517206856
【氏名又は名称】ジョイント・ストック・カンパニー エクスペリメンタル アンド デザイン オーガナイゼーション 「ギドロプレス」 アワーデッド ジ オーダー オブ ザ レッド バナー オブ レイバー アンド シーゼットエスアール オーダー オブ レイバー
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガブリーリン ヴィクトール アレクセーヴィチ
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102752887(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101504114(CN,A)
【文献】特開2017-174644(JP,A)
【文献】特開2003-091191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02-3/08;
3/40-3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状電気ヒーターブロックのバスバーシステムであって、
グループに統合された複数の管状電気ヒーターブロック、
シールされた端子箱及び
管状電気ヒーターの出口に電源ケーブルを接続する接続ノードから構成され、
前記接続ノードは、耐熱性及び気密性を有するバヨネットコネクタの形態を有し、
前記バヨネットコネクタを固定するピンが、管状電気ヒーターのハウジングに設けられ、
前記バヨネットコネクタのハウジングには、傾斜した側面を有する溝が開設され、
管状電気ヒーターにバヨネットコネクタを取り付けると、バヨネットコネクタの軸方向の移動に従った、溝の傾斜した側面に沿ったピンの動きに依存して、バヨネットコネクタと管状電気ヒーターとが、電気的に接続される
ことを特徴とする管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム。
【請求項2】
前記バヨネットコネクタに設けられた前記溝の側面の一つには、非対称の鋸歯状のノッチが設けられており、
前記ピンは、前記鋸歯状のノッチにより、固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム。
【請求項3】
前記管状電気ヒーターブロックには、バヨネット部の長さの異なるバヨネットコネクタが接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム。
【請求項4】
前記管状電気ヒーターブロックには、前記管状電気ヒーターブロックのグループ毎に、バヨネット部の長さの異なるバヨネットコネクタが接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力、特に原子力発電所の原子炉の安全システムにおける電気ヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
NPP原子炉設備の電気ヒーターのバスバーシステムは、電源システムの電力ボードから受け取った電気エネルギーを原子炉設備の電気ヒーターに確実に伝送するように設計されている。バスバーシステムは、電気ヒーター、耐熱性電気通信回線、導体接続ノード、端子箱を含んでいる。
【0003】
NPPでは、管状電気ヒーター(以下TEN)のブロック(以下BTEN)”管状電気ヒーターのブロック”(ロシア連邦特許第50639 F24H、G21C、2005年2月25日の優先権)を含むバスバーシステムが使用されている。
【0004】
このBTENは発熱体、通された穴が付いているフランジ、前述のフランジの通された穴にねじで締める締める物によってフランジに固定される保護包を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ロシア特許第50639号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この装置の欠点は次のとおりである。
【0007】
-TENの電流供給におけるボルト接続の存在、
-電気設備におけるTENの接点へのアクセスの複雑さ。
【0008】
技術的な本質で最も近いデバイスは、”管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム”(ロシア連邦実用新案第61937、IPC H01F 6/00(2006.01)、2006年6月22日の優先権)の装置である。複数の電気ヒーターのグループと気密端子箱の間の耐熱性電気通信回線は、1本の耐熱耐放射線ケーブルを使用して製造されている。バスバーは、ケーブル接続ノードにしっかりと結合され、気密端子箱のセパレータは絶縁体に接続されている。さらに、気密端子箱のハウジングは、薄いシート状のステンレス鋼でできている。気密端子箱のハウジングには、圧力損失補償器が取り付けられている。技術的な解決策はプロトタイプとして採用されている。
【0009】
プロトタイプとして取られた既知のデバイスの欠点は次のとおりである。
【0010】
-TENの電流供給のノードにおけるボルト接続の存在、
-インストール(解体)の複雑さ、TEN電気パラメータの検査、
-動作中のTENユニットの不十分な熱抵抗。
【0011】
本発明の目的は、原子力発電所での運転におけるBTENの信頼性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
技術的な成果は、複数の管状電気ヒーターブロックのバスバーシステムは、グループに統合された複数の管状電気ヒーター、シールされた端子箱及び管状電気ヒーターの出口に電源ケーブルを接続する接続ノードを含むという事実によって達成される。管状電気ヒーターの出口に電源ケーブルを接続する接続ノードは、耐熱性及び気密性を有するバヨネットコネクタとして作られている。バヨネットコネクタを固定するピンは、管状電気ヒーターのハウジングに設けられ、バヨネットコネクタのハウジングには傾斜した側面を有する溝が開設されている。また、バヨネットコネクタのソケットは、管状電気ヒーターの出口に結合される。オプションとして、バヨネットコネクタの溝の1つの面に、非対称の鋸歯状のノッチが設けられている。オプションとして、様々な長さのバヨネットコネクタが管状電気ヒーターのブロックに使用される。オプションとして、様々な長さのバヨネットコネクタが、管状電気ヒーターのブロックのグループによってバスシステムで使用される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の技術的成果は、BTENの設置及び操作を簡素化し、設置時間及び保守要員の線量強度を低減し、TEN導体ユニットの耐熱性を増加させることを確実にする装置を製造することである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の本質は図面によって説明される。
図1図1は、管状電気ヒーターブロックのバスバーシステムの概観を示す。
図2図2は、管状電気ヒーターブロックを示す。
図3図3は、既存のBTEN(プロトタイプ)の導体ユニットを示す。
図4図4は、バヨネットコネクタを示す。
図5図5は、バヨネットコネクタのハウジングの溝の形状を示す。
図6図6は、バヨネットコネクタの溝面における非対称の鋸歯状のノッチの形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
複数の管状電気ヒーターブロックのバスバーシステム1は、グループに統合された複数の管状電気ヒーターの複数のブロック2、シールされた端子箱3、管状電気ヒーター6の出口5に電源ケーブル4を取り付ける接続ノードを含む。管状電気ヒーター6の出口5は、ロッド7及び接触プレート8を含む。耐熱性及び気密性を有するバヨネットコネクタ9は、電源ケーブル4を管状電気ヒーター6の出口5に取り付けるために使用される。管状電気ヒーター6の接触プレート8はこのコネクタのプラグである。バヨネットコネクタ9を固定するためのピン10は、管状電気ヒーター6のハウジング上に設けられている。また、バヨネットコネクタ9のハウジングには、傾斜した側面を有する溝11が開設されている。
【0016】
オプションとして、バヨネットコネクタ9の溝11の1つの面に、非対称の鋸歯状のノッチ12が設けられている。オプションとして、バヨネットコネクタ9は、管状電気ヒーター6のブロック内で、又は管状電気ヒーター6のブロックのグループによって、様々な長さとなるように作られている。
【0017】
バヨネットコネクタ9のソケット13は、接点14を押すためのバネ式アセンブリを有する。
【0018】
バヨネットコネクタ9のソケット13は、耐熱セラミック性の絶縁体16を使用して、バヨネットコネクタ9の内部のハウジング15から絶縁されている。
【0019】
耐熱性のガスケット17は、管状電気ヒーター6の出口5に電源ケーブル4を取り付ける接続ノードの絶縁を確実にするために使用される。さらに、電源ケーブル4の絶縁にはキャップナット18を使用する。管状電気ヒーター6に、バヨネットコネクタ9を確実に固定するためにバネ19を使用する。バヨネットコネクタ9のバヨネット部分の長さによって、電源ケーブル4を取り付ける接続ノードの重量を管状電気ヒーター6のハウジングに対して移動させて、接触プレート8とソケット13との間の許容できない機械的負荷を取り除くのに十分でなければならない。
この装置の製造には、次の耐熱材料が使用できる。バヨネットコネクタ9のハウジング15用には、鋼08Х18Н10Т、絶縁体16用には、酸化アルミニウムのセラミック、導体であるソケット13用には、ニッケル、電源ケーブル4用には、耐熱性及び耐放射線性ケーブル、ガスケット17用には、耐熱性及び耐放射線性ゴム製のエラストマーIRP1338が使用される。
【0020】
製造物は、次のようにして、使用される。管状電気ヒーター6に、バヨネットコネクタ9を取り付けると、接触プレート8とソケット13との間で、電気的な接続がなされる。バヨネットコネクタ9の軸方向の移動に従った、溝11の傾斜した側面に沿ったピン10の動きに依存して、電気接点が押され、同時に、管状電気ヒーター6との接続部が、ガスケット17及びばね19の弾性力により、密封される。鋸歯状のノッチ12を使用する場合、管状電気ヒーター6へのバヨネットコネクタ9の固定は、任意の中間位置で行われる。鋸歯状のノッチ12のサイズは、一方ではカムであるピン10が中間位置に固定され、他方ではカムであるピン10の溝11に沿った容易な移動及び鋸歯状のノッチ12からのの係合解除を確実にするように、選択される。
【0021】
バヨネットコネクタ9の取り外しは、以下のように行われる。バヨネットコネクタ9を前方に押し出し、バネ19の弾性力により軸方向の配置を確保し、カムであるピン10を鋸歯状のノッチ12から外す。バヨネットコネクタ9をその軸の周りで逆回転させると、その切断が確実になる。
【0022】
設置を簡素化するために、様々な長さのバヨネットコネクタ9が、管状電気ヒーターの同じブロック2内で使用される。オプションとして、バヨネットコネクタ9の長さは、管状電気ヒーターブロック2のグループによって変わる。
【0023】
このように、既知の装置と比較して本発明の技術的解決策の使用は、NPPでの運転の過程でBTENの信頼性を改善し、時間を短縮し、TENの電気的設置を簡素化し、製品の耐熱性を向上し、製品の運転中、保守要員の線量強度を低下させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6