(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】シンボルを評価するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/14 20060101AFI20220314BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220314BHJP
G06T 5/00 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
G06K7/14 060
G06K7/14 017
G06K7/10 384
G06T5/00 735
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020047274
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2020-05-26
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504382671
【氏名又は名称】コグネックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】グレン スピッツ
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-301113(JP,A)
【文献】特開2014-142729(JP,A)
【文献】特開2000-276553(JP,A)
【文献】特開平10-079854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0202695(US,A1)
【文献】特開2011-135182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
G06T 1/00-1/40
G06T 3/00-5/50
G06T 9/00-9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトのシンボルを評価するシステムであって、
イメージングデバイスと、前記イメージングデバイスと通信するプロセッサデバイスと、を有するイメージングシステムを備え、
前記イメージングデバイスは、前記シンボルを含む前記オブジェクトの第1の画像を取得するように構成され、
第2の画像の飽和閾値を決定し、前記第2の画像の輝度測定値が、前記第2の画像の前記飽和閾値との所定の目標関係を示すように、前記飽和閾値の外側の値を持つ前記第1の画像の画素を前記第2の画像の最大値にマッピングすることを含めた、前記第1の画像の画素を第2の画像にマッピングすることに基づいて、前記プロセッサデバイスは、前記第1の画像から導出される前記第2の画像を生成するように構成され
、
前記プロセッサデバイスは、前記シンボルの少なくとも1つの属性を決定するために、前記プロセッサデバイスを用いて前記第2の画像を評価するようにさらに構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
マップされた画素を明るい画素と暗い画素にセグメント化し、明るい画素の平均値を決定することに基づいて、マップされた画素の輝度測定値が決定されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の画像が第1のビット深度を有し、前記第2の画像が、前記第1のビット深度よりも小さい第2のビット深度を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の画像の飽和閾値を決定し、前記第1の画像の画素をマッピングすることは、
初期飽和閾値を特定し、
前記初期飽和閾値の外側の値を持つ前記第1の画像の画素を初期最大値にマッピングすることを含んで、前記第1の画像の画素を初期第2の画像に最初にマッピングし、
前記初期第2の画像の初期輝度測定値と、前記初期輝度測定値と前記初期飽和閾値との間の初期の関係とを決定し、そして、
前記初期の関係が前記所定の目標関係から実質的に逸脱している場合には、
後続の飽和閾値を特定し、
続いて、前記後続の飽和閾値の外側の値を有する前記第1の画像の画素を後続の最大値にマッピングすることを含んで、前記第1の画像の画素を後続の第2の画像にマッピングし、そして、
前記後続の第2の画像の後続の輝度測定、および前記後続の輝度測定と前記後続の飽和閾値との間の後続の関係を決定すること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記後続の飽和閾値は、所定のセットの飽和閾値に基づいて決定されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記後続の飽和閾値は、前記初期輝度測定値と前記初期飽和閾値との間の初期の関係に基づいて決定されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の画像の前記飽和閾値を決定することが、
前記第1の画像の前記画素の輝度測定値を決定することと、
前記第1の画像の前記画素の前記輝度測定値および前記所定の目標関係に基づいて前記飽和閾値を決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記所定の目標関係は、前記第2の画像の飽和閾値と前記マップされた画素の輝度測定値との間の所定の比率を特定することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサデバイスおよび前記イメージングデバイスは、訓練作業を実行するようにさらに構成され、
前記訓練作業は、
予想される最大画像輝度を表す第1の訓練画像を取得し、
予想される最小画像輝度を表す第2の訓練画像を取得し、
第1および第2の訓練画像のうちの1つまたは複数に基づいて前記第1の画像を取得するための前記イメージングデバイスのシステム応答を決定することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記イメージングデバイスは第1のイメージングデバイスであって、
前記システムはさらに第2のイメージングデバイスを備え、
前記第2のイメージングデバイスは、前記第1のイメージングデバイスが前記第1の画像を取得する前に、前記オブジェクトの試験画像を取得するように構成され、
前記第1のイメージングデバイスは、前記試験画像の特性に基づいて決定されるシステム応答を使用して前記第1の画像を取り込むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
オブジェクトのシンボルを評価するシステムであって、
イメージングデバイスと、前記イメージングデバイスと通信するプロセッサデバイスと、を備え、
前記イメージングデバイスは、第1のビット深度で、前記シンボルを含む前記オブジェクトの第1の画像を取得するように構成され、
第2の画像の飽和閾値と、前記第1の画像または前記第2の画像の少なくとも一方の輝度測定値との間の所定の目標関係に基づいて、前記第2の画像の飽和閾値を決定し、
前記第2の画像の前記飽和閾値に基づいて、前記第1の画像の画素を前記第2の画像にマッピングする、ことに基づいて、前記プロセッサデバイスは前記第1の画像から導出される前記第2の画像を生成するように構成され
、
前記プロセッサデバイスは、前記シンボルの少なくとも1つの属性を決定するために、前記プロセッサデバイスを用いて前記第2の画像を評価するようにさらに構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記シンボルがDPMシンボルであり、前記オブジェクトが移動オブジェクトであることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の画像と前記第1の画像の少なくとも1つを明るい画素と暗い画素にセグメント化し、明るい画素のそれぞれの平均値を決定することに基づいて、前記第1の画像または前記第2の画像の少なくとも一方の輝度測定値がそれぞれ決定されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記所定の目標関係は、前記第2の画像の飽和閾値と前記第2の画像の輝度測定値との間の所定の比率を特定することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサデバイスおよび前記イメージングデバイスは、前記第1の画像を取得する前に訓練作業を実行するようにさらに構成されており、
前記訓練作業は、
前記イメージングデバイスが目標ビット深度で、予想される最大の輝度を表す第1の訓練画像をキャプチャするための明るい画像のシステム応答を決定し、
前記イメージングデバイスが目標解像度で、予想される最小の輝度を表す第2の訓練画像をキャプチャするための、暗い画像のシステム応答を決定し、
前記明るい画像または暗い画像のシステム応答の1つまたは複数に基づいて、前記第1の画像を取得するための前記イメージングデバイスの動作システム応答を決定することを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
オブジェクト上のシンボルを評価するための方法であって、少なくとも部分的に、イメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して実行され、
前記イメージングデバイス
が、前記シンボルを含む前記オブジェクトの第1の画像を取得し、
前記プロセッサデバイス
が、前記第1の画像から導出された第2の画像を生成し、
前記プロセッサデバイス
が、前記第2の画像を評価し、前記シンボルの少なくとも1つの属性を決定することからなる方法であり、
前記生成することが、
前記第2の画像の飽和閾値と、前記第1の画像または前記第2の画像の少なくとも1つの輝度測定値との間の目標関係に基づいて前記第2の画像の前記飽和閾値を決定し、
前記第2の画像の前記飽和閾値の外側の値を持つ前記第2の画像の最大値への前記第1の画像の画素のマッピングが含まれる、前記第1の画像の前記画素を前記第2の画像にマッピングすること、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
複数の潜在的な飽和閾値を識別し、
前記潜在的な飽和閾値のそれぞれによってそれぞれ提供される画像の輝度の評価に基づいて、前記潜在的な飽和閾値から前記第2の画像の前記飽和閾値を選択すること、に基づいて、前記第2の画像の前記飽和閾値が繰り返し決定されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の画像の前記飽和閾値は繰り返し決定され、
前記第2の画像の前記飽和閾値を繰り返し決定し、前記第1の画像の前記画素を前記第2の画像にマッピングすることは、
初期飽和閾値を特定することと、
前記初期飽和閾値の外側の値を持つ前記第1の画像の前記画素を初期最大値にマッピングすることを含んで、最初に前記第1の画像の前記画素を初期第2の画像にマッピングすることと、
前記初期第2の画像の初期輝度測定値と、前記初期輝度測定値と前記初期飽和閾値との間の初期関係とを決定することと、
前記初期関係が前記目標関係に実質的に対応する場合、前記初期第2の画像を前記第2の画像として設定し、
前記初期関係が前記目標関係から実質的に逸脱している場合には、
後続の飽和閾値を識別し、
前記後続の飽和閾値の外側の値を持つ前記第1の画像の前記画素を後続の最大値にマッピングすることを含んで、続いて前記第1の画像の前記画素を後続の第2の画像にマッピングし、
前記後続の第2の画像の後続の輝度測定値と、前記後続の輝度測定値と前記後続の飽和閾値の間の後続の関係とを決定し、
前記後続の関係が前記目標関係に実質的に対応する場合、前記後続の第2の画像を前記第2の画像として設定すること
とを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画像の取得と分析のための訓練作業の実行をさらに備え、
前記訓練作業が、
予想される最大の輝度を表す第1訓練画像をキャプチャするための、前記イメージングデバイスのための明るい画像のシステム応答を決定すること、または、
目標解像度で、予想される最小の輝度を表す第2訓練画像をキャプチャするための、前記イメージングデバイスのための暗い画像のシステム応答を決定すること、の1つ以上と、
前記明るい画像または暗い画像のシステム応答の1つまたは複数に基づいて、前記第1の画像を取得するための前記イメージングデバイスの動作システム応答を決定すること、を含む
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記明るい画像のシステム応答を決定することは、
前記第1訓練画像の最大記録輝度の所定の割合である、前記第1訓練画像の明るい画素の目標平均値、または、
第1のビット深度に対応する前記最大記録輝度の目標飽和閾値、
の1つ以上に基づいていることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
該当なし。
【0002】
(連邦政府による資金提供を受けた研究に関する声明)
該当なし。
【0003】
本発明は、バーコードの検証を含む、シンボルの評価に関する。
【背景技術】
【0004】
多くのコンテキストでは、シンボルを評価するためにイメージングシステムを使用すると便利である。例えば、ダイレクトパーツマーキング(「DPM」)およびその他のコンテキストでは、取得したバーコードの画像を分析して、バーコードが適切に印刷またはマークされていること、またはその他の理由を確認できる。評価されるシンボルが動いている場合がある。例えば、バーコードがマークされているオブジェクトが生産ラインやその他の運搬手段に沿って移動しているときに、DPMバーコードを検証できると便利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するためのシステムを提供する。イメージングシステムは、イメージングデバイスおよびイメージングデバイスと通信するプロセッサデバイスを含むことができる。イメージングデバイスは、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するように構成することができる。第2の画像の輝度測定値が、第2の画像の飽和閾値との所定の目標関係を示すように、第2の画像の飽和閾値を決定し、飽和閾値の外側の値を持つ第1の画像の画素を第2の画像の最大値にマッピングすることを含めた、第1の画像の画素を第2の画像にマッピングすることに基づいて、プロセッサデバイスは、第2の画像を生成するように構成できる。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するためのシステムを提供する。イメージングデバイスは、第1のビット深度で、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するように構成することができる。第2の画像の飽和閾値と、第1の画像または第2の画像の少なくとも一方の輝度測定値との間の所定の目標関係に基づいて、第2の画像の飽和閾値を決定し、第2の画像の飽和閾値に基づいて、第1の画像の画素を第2の画像にマッピングすることに基づいて、プロセッサデバイスは、第1の画像から導出した第2の画像を生成するように構成できる。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するための方法を提供し、これは、少なくとも部分的に、イメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して実行され得る。シンボルを含むオブジェクトの第1の画像は、イメージングデバイスを用いて取得することができる。第1の画像の飽和閾値とは異なり得る第2の画像の飽和閾値を決定することと、第2の画像の飽和閾値の外側の値を持つ第1の画像の画素を第2の画像の最大値にマッピングすることを含む、第1の画像の画素を第2の画像にマッピングすることによって、プロセッサデバイスを使用して、第1の画像から導出される第2の画像を生成できる。第2の画像の飽和閾値は、第2の画像の飽和閾値と、第1の画像または第2の画像の少なくとも一方の輝度測定値との間の目標関係に基づいて決定することができる。第2の画像は、シンボルの少なくとも1つの属性を決定するために、プロセッサデバイスで評価され得る。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するためのシステムを提供する。イメージングシステムは、イメージングデバイスと、イメージングデバイスと通信するプロセッサデバイスとを含むことができる。イメージングデバイスは、第1のビット深度で、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するように構成することができる。第1の画像の画素を、第1のビット深度以下の第2のビット深度を有する第2の画像の画素にマッピングすることを含んだ、第1の画像から第2の画像を生成するように、および、第2の画像を評価して、シンボルの少なくとも1つの品質属性を決定するように、プロセッサデバイスを構成することができる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するためのシステムを提供する。システムは、イメージングデバイスと、イメージングデバイスと通信するプロセッサデバイスとを含むことができる。撮像デバイスは、第1のビット深度で、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するように構成することができる。プロセッサデバイスは、第1の画像について、飽和閾値および明るい画素平均のうちの少なくとも1つを決定し、そして、少なくとも部分的に飽和閾値と明るい画素平均の少なくとも1つに基づいて、第1のビット深度より小さい第2のビット深度を持つ第2の画像への第1の画像の画素のマッピングを決定するように構成され得る。プロセッサデバイスは、第1の画像から、第2のビット深度の第2の画像を生成し、そして、第2の画像を評価して、シンボルの少なくとも1つの品質属性を決定するように構成することもできる。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するための方法を提供し、これは、少なくとも部分的に、イメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して実行され得る。シンボルを含むオブジェクトの第1の画像は、第1のビット深度で、イメージングデバイスを用いて取得することができる。第1の画像から生成された第2の画像は、第1の画像の画素を第2の画像の画素にマッピングすることを含み、第2の画像は第1のビット深度より小さい第2のビット深度を有する。第2の画像は、シンボルの少なくとも1つの属性を決定するために、プロセッサデバイスで評価され得る。
【0011】
前述の目的および関連する目的を達成するために、本発明の実施形態は、以下で十分に説明される特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。前述および以下の説明および添付の図面は、本発明の特定の例示的な態様を詳細に説明している。しかしながら、これらの態様は、本発明の原理を使用することができる様々な方法のほんのいくつかを示している。本発明の他の態様、利点および新規の特徴は、図面とともに考慮される本明細書の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0012】
本発明の特徴および利点は、添付の図面と併せて以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、DPM検証のためのマシンビジョンシステムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る、DPM検証のための方法の態様の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る、DPM検証のための方法の一態様の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る、DPM検証のための方法の一態様の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、DPM検証のための訓練プロセスの概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る、シンボル評価の方法の概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、シンボル評価の方法の概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、シンボル評価の方法の概略図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、シンボル評価のための訓練方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。図面において、文脈が他のことを指示しない限り、類似の記号は一般に類似のコンポーネントを識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本開示の態様は、本明細書で一般的に説明され、図に示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計でき、そのすべてが明示的に行われることは容易に理解されよう。
【0015】
本明細書で使用される「製造品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア(例えば、非一時的信号)、または媒体(例えば、非一時的媒体)からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することが意図される。例えば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップなど)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)など)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(カード、スティックなど)を含むことができるが、これらに限定されない。さらに、搬送波を使用して、電子メールの送受信やインターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークへのアクセスに使用されるデータなど、コンピュータで読み取り可能な電子データを伝送できることを理解されたい。当業者は、特許請求される主題の範囲または精神から逸脱することなく、これらの構成に多くの修正が行われ得ることを認識するであろう。
【0016】
また、本明細書で使用される場合、特に指定または限定されない限り、「コンポーネント」、「システム」、「モジュール」などの用語は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、または実行中のソフトウェアを含むコンピュータ関連システムを指すものとする。例えば、コンポーネントは、プロセッサデバイス、プロセッサデバイス上で実行されるプロセス、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コンピュータ上で実行されているアプリケーションとコンピュータの両方がコンポーネントになることができる。1つ以上のコンポーネント(またはシステム、モジュールなど)は、プロセスおよび/または実行のスレッド内に常駐し、1つのコンピュータにローカライズされ、2つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサデバイスに分散され、および/または別のコンポーネント(またはシステム、モジュールなど)に含まれる。
【0017】
また、本明細書で使用されるように、特に指定または限定されない限り、「シンボル」という用語は、イメージングデバイスによって画像化され得るしるし(indicia)を含む、情報を運ぶしるしを示す。いくつかの実施形態では、シンボルは、印刷、堆積、レーザーエッチングなどによって、DPM 2D(または他の)バーコードなどのDPMシンボルの形で形成することができる。いくつかの実施形態では、シンボルは、インクで印刷するなど、他の方法で形成することができる。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータで実施される方法を含む、システムおよび/または方法として実施することができる。本発明のいくつかの実施形態は、以下の議論と一致して、自動化デバイス、様々なコンピュータハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどを含む専用または汎用コンピュータなどのデバイスを含む(または利用する)ことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明による方法のコンピュータ化された実行を含む本発明の態様は、本明細書に詳述される態様を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサデバイスを制御するためのソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはそれらの任意の組み合わせを生成する標準プログラミングおよび/またはエンジニアリング技術を使用して、システム、方法、装置、または製造品として実行できる。したがって、例えば、本発明の実施形態は、プロセッサデバイスがコンピュータ可読媒体からの命令の読み取りに基づいて命令を実行できるように、非一時的コンピュータ可読媒体上で有形に実施される命令のセットとして実行することができる。
【0020】
本発明による方法の特定の動作、またはそれらの方法を実行するシステムの特定の動作は、各図に概略的に示されている。特に指定または限定されない限り、特定の空間順序での特定の操作の各図における表現は、それらの操作が特定の順序で実行されることを要求することを意図していない。図に表されている、または本明細書に開示されている特定の動作は、本発明の特定の実施形態に適切であるように、異なる順序で実行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、専用の並列処理デバイス、または大規模システムの一部として相互運用するように構成された別個のコンピューティングデバイスを含んで、特定の操作を並列に実行することができる。
【0021】
これも上記で説明したように、イメージングシステムを使用して、2Dバーコードなどを含むシンボルを評価すると便利な場合がある。例えば、DPMのコンテキストでは、DPMバーコード(例えば、2Dバーコード)の取得画像を使用してバーコードの品質を確認すると便利である。このようにして、例えば、ユーザーはDPM(または他の)シンボルが適切に高い印刷品質と全体的な忠実度を示すことを確認できる。
【0022】
同様に、場合によっては、動いているオブジェクトまたは短時間だけ静止しているオブジェクトのシンボルを評価すると便利な場合がある。例えば、マークされたオブジェクトが生産ラインに沿って移動しているときに、DPMシンボルの検証を実行すると便利である。これにより、評価作業が大幅に複雑になる場合がある。
【0023】
照明条件が可変であるか、そうでなければ理想的でない可能性があるコンテキストで、または比較的鏡面反射を生成する可能性のあるオブジェクトに対して、シンボルを評価することも役立つ場合がある。これはまた、評価作業をかなり複雑にするかもしれない。
【0024】
いくつかの従来のアプローチは、マシンビジョンシステムの使用を含む複数の画像の取得と評価を含む反復プロセスを実行することにより、シンボル評価を改善することを目的としている。例えば、マシンビジョンシステムは、「AIM DPM」ガイドラインとも呼ばれる国際標準化機構(「ISO」)および国際電気標準会議(「IEC」)によって発行された技術レポート29158の観点に基づいてシンボルを評価するように構成できる。
【0025】
AIM DPMガイドラインでは、複数の画像の取得とその分析に基づく、DPMシンボルの品質の評価について説明している。特に、AIM DPMは、画像のバーコードの評価に特定のシステム応答(例えば、ゲイン、Fストップ、またはシャッター時間の設定)を必要とし、初期画像の評価が不適切な露出示す場合、イメージングデバイスのシステム応答の調整を提供する。例えば、AIM DPMでは、初期画像が過度に飽和しているか、不十分な解像度を示している場合、システムの応答とキャプチャされた後続の画像に適切な調整を行う必要がある。次に、後続の画像を評価して、調整されたシステム応答が正しいシステム応答を達成したかどうか(つまり、飽和に対する平均の明るい画素の明るさの比率が望ましい値と一致するように)を判断できる。このようにして、複数の連続した画像取得のプロセスを通じて、飽和と解像度を適切にバランスさせる運用システム応答を得ることができ、特に、画像全体の輝度と飽和が発生する輝度レベルとの間に一定の関係を維持する。運用システムの応答は、実行時の画像キャプチャとシンボルの評価に使用できる。このようにして、例えば、シンボルの評価を、特定のアプリケーションまたはコンテキストに均一に適用できる。
【0026】
AIM DPMの原理に基づくシンボルの評価は有用だが、評価のために複数の画像を取得することは、一部のコンテキストでは非現実的または望ましくない場合がある。例えば、アクティブな生産ラインでは、ラインの作業を停止せずに、DPMシンボルを含む特定のオブジェクトの複数の画像を取得して処理することは現実的でない。したがって、必ずしも複数の画像のキャプチャを必要とせずに、DPM(または他の)シンボルの正確な評価をサポートすることができるシステムを提供することは有用であり得る。
【0027】
本発明の実施形態は、上記の問題に対処することができ、あるいは、シンボルの評価のための改善されたシステムまたは方法を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シンボルを評価するために、イメージングデバイスを使用してシンボルの第1の画像を取得することができる。次に、(少なくとも現在の評価サイクルで)シンボルの画像をさらに取得する必要は必ずしもなく、取得した第1の画像から第2の画像を導出できる。
【0028】
特に、いくつかの実施形態では、飽和閾値と画像輝度との間の目標関係を保存する第2の画像の飽和閾値を決定することに基づいて、第1の画像から第2の画像を導出することが有用であり得る。例えば、第2の画像の飽和閾値と画像輝度との間の目標比率は、(例えば、AIM DPMまたは他の関連する要因に基づいて)予め決定することができ、そして、第2の画像の飽和閾値を決定して、第2の画像の飽和閾値を超える画素を最大に設定することを含む、第1の画像の画素を第2の画像にマッピングすると、第2の画像の画像の明るさが目標比率を実質的に維持する。
【0029】
一部の実施形態では、導出された第2の画像の飽和閾値は、反復的に決定され得る。例えば、初期飽和閾値は、様々な考慮事項のいずれかに基づいて、第2の画像に対して選択され得る。次に、第1の画像の画素を「初期」の第2の画像に応じてマッピングすることができ、結果として生じる初期の第2の画像の画像輝度を決定することができる。この初期の画像の輝度が初期の飽和閾値との適切な関係を示す場合、初期の第2の画像のシンボルの評価を続行できる。対照的に、初期画像の輝度と初期飽和閾値の間の適切な関係が達成されない場合、第2の画像に対して後続の飽和閾値を選択でき、そして、第1の画像の画素は、「後続の」第2の画像に応じて再マッピングすることができる。次に、後続の第2の画像の画像輝度、ならびにこの後続の画像輝度と後続の飽和閾値との間の関係を決定することができる。
【0030】
初期の導出画像と同様に、後続の画像の明るさが後続の飽和閾値と適切な関係を示す場合、後続の第2の画像のシンボルの評価を続行できる。それでも適切な関係が得られない場合は、飽和閾値の選択、第1の画像の画素のマッピング、および画像の輝度の評価を続行できる。これに関して、例えば、後続の第2の画像は、事実上、新しい初期の第2の画像となり得、これは、新しい後続の飽和閾値を有する新しい後続の第2画像によって引き継がれ得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、導出された第2の画像の飽和閾値は、上記の例示的な反復などの反復なしで決定することができる。例えば、最初に取得した(または他の)画像の画像輝度を決定し、次に、決定した画像輝度と適切な関係を示す飽和閾値を選択することができる。次に、選択された飽和閾値を第2の画像の飽和閾値として設定し、第1の画像の画素を第2の画像に応じて再マッピングできる。特に、いくつかの実施形態では、そのような反復は、取得された単一の画像のみを使用して、すなわち移動する部品では不可能であり得るような後続の画像のキャプチャを必要とせずに実行できる。
【0032】
いくつかの実施形態では、より高いビット深度の画像化システムの利用可能性は、特に、単一の画像のみの取得に基づいて、画像の明るさと飽和レベル(例えば、AIM DPMで指定されるような)との間の目標関係を達成することを可能にし得る。例えば、オブジェクト上のシンボルを評価することは、第1のビット深度(例えば、12または16ビット)を示す、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得することを含み得る。第1の画像を分析して、第1のビット深度(例えば、8ビット)よりも小さい第2のビット深度への第1の画像の画素のマッピングを決定することができる。次に、第1の画像および決定されたマッピングに基づいて、第2のビット深度を有する第2の画像を生成し、評価して、シンボルの少なくとも1つの品質属性を決定することができる。したがって、これらおよび他の実施形態では、複数の画像を取得することなく、またはAIM DPMによって指定されるようなシステム応答の反復的な事前調整なしに、シンボルを評価することが可能であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のより大きいビット深度で取得された後の第1の画像は、第2のビット深度への画素のマッピングを決定するために様々な方法で分析され得る。いくつかの実施形態では、例えば、以下の操作のうちの1つまたは複数を実行することができる。第1の画像のダイナミックレンジを決定でき、例えばAIM DPMで指定されているように、明るい画素と暗い画素のセットを識別できる。明るい画素の平均強度値を決定することができ、次に、平均強度値に基づいて飽和閾値を決定することができる。飽和閾値を超える強度値を持つ画素は、特定の値(例えば、最大輝度値)に設定でき、第1から第2ビット深度への画素のマッピングは、決定された飽和閾値または平均明るい画素強度値に基づいて決定できる。または、いくつかの実施形態では、決定された飽和閾値を考慮して画素をマッピングした後、明るい画素の平均強度値が決定された飽和閾値と適切な関係を示すように、飽和閾値を決定することができる。
【0034】
一部の実施では、この点に関して、第1の画像の分析は、AIM DPMの反復分析と同様に進めることができる。しかし、いくつかの実施形態では、AIM DPMとは対照的に、本発明による分析は、単一の画像の取得のみを必要とし得る。すなわち、評価されるシンボルの第2の画像の取得を必ずしも必要としない。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による、オブジェクト24上のシンボル22を評価するための例示的なシステム20を示す。図示の実施形態では、シンボル22はフラットDPM 2Dバーコードであり、オブジェクト24は平行六面体の箱である。他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、画像化するオブジェクトにはさまざまな形状が可能であり、ドットピーン(dot-peen)や他のDPMシンボル、非DPMシンボルなど、さまざまなシンボルを画像化して評価できる。
【0036】
図1に示されたコンテキストでは、オブジェクト24は、オブジェクト24をシステム20を通過して予測可能かつ連続的な速度で移動させるように構成されたコンベヤ26上に配置される。他の実施形態では、オブジェクトは、本発明によるシステム内に、または本発明によるシステムを通過して、様々な方法で移動することができる。一部の実施形態では、オブジェクトは、評価システムに対して静止していてもよい。一部の実施形態では、評価システムは、評価されるべきオブジェクトおよびシンボルに対して移動されるように構成されてもよい。
【0037】
一般に、本発明によるシステムは、イメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを含むことができる。
図1に示す実施形態では、システム20は、プロセッサデバイス30と、コンベヤ26の一部を含む視野(「FOV」)34を有するイメージングデバイス32とを含むイメージングシステム28を含む。したがって、イメージングシステム28は、オブジェクト24がコンベヤ26によって動かされているときにオブジェクト24の1つまたは複数の画像を取り込むように構成することができる。
【0038】
イメージングデバイス32およびプロセッサデバイス30は、それぞれ、1つまたは複数の電子イメージングセンサおよび1つまたは複数のレンズアセンブリ、ならびにプログラム可能な汎用コンピュータデバイスまたはマシンビジョンコンピュータの配置を含む、様々な方法で構成することができる。いくつかの実施形態では、イメージングデバイスおよびプロセッサデバイスは、物理的に分離されたシステムの一部であり得る。例えば、イメージングデバイスは、本発明の実施において特定の作業を実行するために、遠隔配置されたプロセッサデバイス(例えば、クラウドベースのコンピューティングシステム)と通信するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、イメージングデバイスは、第1のビット深度で画像を取得するように構成することができ、関連するプロセッサデバイスは、画像内のシンボルを評価することを含む、第1のビット深度よりも小さい第2のビット深度で画像を分析するように構成することができる。異なる実施形態では、第1および第2のビット深度の異なる相対スケールが可能である。
図1に示す実施形態では、例えば、イメージングデバイス32はFOV34の12ビット画像を取得するように構成され、プロセッサデバイス30は8ビット画像を分析するように構成される。いくつかの実施形態では、特定の実施形態がイメージングデバイスによって取得されるビット深度よりも小さいビット深度の画像の分析を含む場合でも、プロセッサデバイスは、関連するイメージングデバイスによって取得されるものと同じ(またはより大きい)ビット深度の画像を分析できる場合がある。いくつかの実施形態では、プロセッサデバイスが関連するイメージングデバイスの完全なビット深度を処理するように構成されている構成を含む、(例えば、導出された第2の画像が、取得された第1の画像と同じビット深度を示し得るように)異なる取得および処理ビット深度が可能である。
【0040】
有用なことに、いくつかの実施形態では、画像取得のビット深度および画像分析のビット深度を選択して、広範囲のイメージングパラメータ(例えば、ダイナミックレンジ、平均輝度など)にわたって画像を容易に処理できるようにすることができる。例えば、以下でも説明するように、適切なシステム応答とともに、画像取得のビット深度を選択できるので、過度に飽和することなく、予想される最も明るい画像を取得でき、そして、最も暗いと予想される画像を、その適切な分析を可能にするのに十分な解像度で取り込むことができる。同様に、画像分析のビット深度を選択できるため、さまざまな輝度プロファイルを持つ画像を、関連するより小さなビット深度に画像をダウンスケーリングした後など、効果的に分析できる。
【0041】
これに関して、例えば、イメージングデバイス32は、シンボル22を含むオブジェクト24の12ビット画像を取得するように構成することができる。例えば、オブジェクト24がFOV34に入ると、イメージングデバイス32は、所定のシステム応答(例えば、事前に設定されたfストップとシャッタースピードの設定)で画像を取得することができる。次に、プロセッサデバイス30は、8ビットまたは他の方法でビット深度が低減された第2の画像など、第1の(取得された)画像から第2の(取得されない)画像を生成することができる。例えば、プロセッサデバイス30は、以下にさらに詳述するように、取得された第1の画像から導出された第2の画像に関連画素をマッピングして、第2の画像の飽和レベルと画像の輝度の間の目標関係(例えば、AIM DPMで指定される比率)を提供するように構成され得る。
【0042】
生成されると、シンボルを評価するために、(例えば、より低いビット深度の)第2の画像を分析できる。例えば、生成された第2の画像は、AIM DPMまたは他の関連ガイドで指定されたものを含む、その中のシンボルの1つまたは複数の品質属性を評価するために分析することができる。
【0043】
一般に、本発明の実施形態の下で生成された画像は、取得された画像と同じ主題および類似の情報を含むことができる。しかし、生成された画像は、ビット深度の減少などにより、取得した画像に比べて解像度が若干低くなることがある。ただし、適切な訓練を行うことで十分な解像度を維持して、取得した画像を(生成した画像を介して)、そこに含まれるシンボルの評価、キャプチャされたビット深度に固有の制限、および関連するアプリケーションに必要な最小および最大のシステム応答を含んで、適切に分析できる。
【0044】
また上記のように、いくつかの実施形態では、プロセッサデバイスは、取得した画像の分析に基づいて、取得した(例えば、より大きいビット深度の)第1の画像から導出された(例えば、より小さいビット深度の)第2の画像へのマッピングを決定するように構成され得る。例えば、プロセッサデバイス30は、導出された画像の適切な飽和閾値を決定することと、取得した画像の、飽和閾値を超える画素を最大値に設定すること、次に、飽和閾値以下の取得した画像の画素を、導出する画像の対応する輝度レベルにマッピングすることに基づいて、取得された画像から生成された画像へのマッピングを決定するように構成され得る。このようにして、例えば、プロセッサデバイス30は、取得した画像からの関連情報が生成された画像にマッピングされることを保証するのを助けることができ、潜在的に余分な画素はそれほど強調されない。
【0045】
また上記のように、いくつかの実施形態では、導出された画像の適切な飽和閾値は、決定された飽和しきい値を超える取得画像内の画素の、導出された画像の最大値へのマッピングを説明する画像輝度の分析に基づいて決定することができる。例えば、
図2に示すように、イメージングデバイス32(
図1を参照)は、ヒストグラム40で表されるように第1の画像を取得している。プロセッサデバイス30(
図1を参照)を使用して、導出された第2の画像について初期飽和閾値42を決定することができる。次に、ヒストグラム44で表されるように、第1の画像の画素を初期の導出された画像にマッピングし、(ヒストグラム40にも示されるように)飽和閾値42を超える第1の画像の画素46は、初期の導出された画像の最大値(示されるように)にマッピングされている。次に、マップされた画素46を含む明るい画素50の平均輝度48などの最初に導出された画像の画像輝度を決定し、飽和閾値42と比較して、これらの要因間の関係を評価することができる。
【0046】
AIM DPMによって指定された目標比率(例えば、約77/100)など、平均輝度48と飽和閾値42の間の適切な関係が達成された場合、初期の導出された画像(ヒストグラム44で表される)は次に、シンボル22を評価するために使用される。そうでない場合、所望の関係をよりよく確立しようとして、後続の飽和閾値52(例えば、ヒストグラム40を参照)などの新しい飽和閾値を決定することができる。
【0047】
これに関して、以下でも説明するように、反復プロセスを採用することができる。例えば、選択した飽和閾値に基づく画素の再マッピングは、結果として生じる明るい画素の平均輝度(または他の輝度測定値)に影響を与える可能性があるため、連続する飽和閾値を決定する、画素を再マッピングし、結果として得られるそれぞれの輝度測定値を計算する、次に、現在の飽和閾値が、再マップされた画素の関連する輝度測定と適切な関係を示すかどうか、または、別の飽和閾値(および対応する画素マッピング)を選択する必要があるかどうかを評価するなどの、一連の操作が繰り返し実行される場合がある。
【0048】
飽和閾値52が決定されると、ヒストグラム54に表されるように、飽和閾値52を超える画素56を含む第1の画像の画素は、その後、後続の導出された画像に再マッピングされ得、そして、評価は、画像の輝度(例えば、平均明るい画素の輝度58として決定される)、および画像の輝度と飽和閾値52との関係についてなされ得る。この場合も、輝度58と飽和閾値52との間の適切な関係が達成された場合、対応する(後続の)導出された画像を使用して、シンボル22を評価することができる。そうでない場合、新しく選択された飽和閾値(図示せず)や対応する画素のマッピングなどを用いて、同様の反復プロセスを継続することができる。
【0049】
導出された画像の初期および後続の飽和閾値は、さまざまな方法で決定できる。いくつかの実施形態では、例えば、システムは、所定のセット内の各飽和閾値について、画素を順次マッピングし、画像の輝度を評価し、画像の輝度と飽和閾値との関係を評価することによって、下限と上限の間で(例えば、関連するダイナミックレンジ内で)所定の飽和閾値のセットをステップスルーすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、特定の飽和閾値について目標関係が確立された場合、または、先行する飽和閾値よりも目標関係との対応が悪くなるような後続の飽和しきい値などの他の関連基準に基づいて、そのような順次評価は終了する可能性がある。
【0050】
いくつかの実施形態では、対照的に、システムは、適切な飽和閾値および画素マッピングの決定を合理化するために適切であり得るように、バイナリサーチなどのサーチを実行し得る。例えば、関連する輝度範囲の中間点で飽和閾値を特定することなどによって、初期飽和閾値を決定することができ、その後、(例えば、上記のように)対応する分析を完了することができる。必要に応じて、目標関係を取得するために、より高い飽和閾値またはより低い飽和閾値が必要になる可能性があることを初期分析が示すかどうかに基づいて、新しい飽和閾値を識別できる。例えば、より高い(またはより低い)飽和閾値が必要な場合、以前の飽和閾値と関連する範囲の上限(または下限)の中間にある新しい飽和閾値を特定できる。他の実施形態では、他のタイプのサーチも可能である。
【0051】
いくつかの実施形態では、適切な飽和閾値は、取得画像への画素のマッピングの導出画像の画像輝度への影響を必ずしも考慮することなく、取得画像の画素の強度の分析に基づいて決定できる。
図3は、システム20(
図1を参照)によって実行される、このタイプの分析の例を示す。図示された実施形態では、例えば、イメージングデバイス32は12ビット画像を取得している。これに対応して、プロセッサデバイス30は、画像のダイナミックレンジ60を決定し、
図3にグラフで表されるように、画像のヒストグラムを生成した。(この例および他の例を用いて、当業者は、プロセッサデバイス30が必ずしもグラフィック表現を生成しなくてもよいが、画素数のリストの計算を格納および実行することなどにより、完全に数値的に特定のタスクを実行し得ることを認識するであろう。)
【0052】
図3に表される特定の12ビット画像について、ダイナミックレンジ60は、可能であり得る最大強度62よりも著しく小さい。したがって、12ビット画像内の特定の情報は、所望の画像分析(例えば、シンボルの評価)に特に有用ではないか、または関連しない場合がある。本発明の実施形態は、概して、上記および下記で論じられるようなものを含む、分析のために低減されたビット深度(または他の導出された)画像からその情報の一部を排除することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ダイナミックレンジ60を識別し、ヒストグラムカウントを生成すると(
図3に示すように)、プロセッサデバイス30は、得られたバイモーダル分布に問い合わせて、明るい画素のセット66と暗い画素のセット64を識別できる。平均明るい画素値68(例えば、平均強度)は、明るい画素66の分析から決定することができ、次に、飽和閾値70は、平均明るい画素値68に基づいて決定することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、飽和閾値70は、平均明るい画素値68の所定の倍数(例えば、約100/77)として決定することができる。このようにして、例えば、平均明るい画素値68は、飽和閾値70の約77パーセントであり得る。他の実施形態では、他のアプローチが可能である。
【0055】
飽和閾値70が決定されると、閾値70を超える画素72を所定の値に設定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、画素72は、飽和閾値70内の最大強度値に設定することができ、これにより、
図3の画素74によって表されるように、閾値70の下の最大強度範囲で画素数が増加する。次に、飽和閾値を下回る取得画像の画素76を、決定された画像のより低いビット深度にマッピングすることができ、それを分析してシンボル22(
図1を参照)を評価することができる。
【0056】
また上記のように、飽和閾値70の特定の値の選択および画素72の対応する再マッピングは、最初に取得された画像に対する平均輝度(または画像輝度の他の測定値)の変化をもたらし得る。したがって、場合によっては、閾値70などの初期飽和閾値の選択は、初期飽和閾値との所望の関係(例えば、比率)を適切に示さない平均画像輝度をもたらす可能性がある。その場合、例えば、やはり上記で論じたように、適切な関係が達成されるまで、対応する画素の再マッピングおよび更新された輝度測定値の計算とともに、1つまたは複数の後続の飽和閾値の反復選択を続行できる。
【0057】
いくつかの実施形態では、明るい画素の平均(例えば、相加平均)強度以外の画像輝度の測定値を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサデバイス30は、明るい画素の分散または他の統計的測度を決定するように構成でき、次に、それに応じて飽和閾値70(または他のマッピングパラメータ)を決定できる。同様に、(例えば、評価アプリケーションとは対照的に)読み取りアプリケーションなど、より高いダイナミックレンジが好ましいいくつかの実施形態では、画像の輝度の他の測定値が有利に使用され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じられる作業は、それらが明示的に提示されているものとは異なる順序で実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、画素76をより低いビット深度(または他の導出された)画像にマッピングした後、画素72を所定の値に設定することが可能であり得る。
【0059】
図4は、
図1のシステム20によって実施することができる分析プロセスの別の例を示す。図示の実施態様では、イメージングデバイス32は別の12ビット画像を取得している。これに対応して、プロセッサデバイス30は、画像の対応するダイナミックレンジ80を決定し、
図3にグラフで表されるように、画像のヒストグラムを生成した。(再度、当業者は、プロセッサデバイス30が必ずしもグラフィック表現を生成しなくてもよいが、画素数のリストの計算を格納および実行することなどによって、完全に数値的に特定のタスクを実行できることを認識するであろう。)
【0060】
図4に表される特定の12ビット画像について、ダイナミックレンジ80は、画像に対して可能であり得る最大強度82にほぼ等しい。したがって、12ビット画像内の比較的少ない情報が、所望の画像分析(例えば、シンボル評価)には無関係または役に立たない可能性がある。これに関して、例えば、
図4に表される画像の強度に対応することができ、さまざまなダイナミックレンジで画像の高解像度の取得を可能にすることができる、より大きなビット深度画像の取得が見られる。さらに、上記でも説明したように、分析のビット深度を削減すると、AIM DPMのアスペクツを維持しつつ、同じ画像の信頼性の高い高品質の分析が可能になる。また、従来のアプローチとは対照的に、本発明のいくつかの実施形態の下での分析は、単一の画像のみの取得に基づいて進行することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、例えば、ダイナミックレンジ80を識別し、(
図4に示すように)ヒストグラムカウントを生成すると、プロセッサデバイス30は、得られたバイモーダル分布に問い合わせて、明るい画素のセット86および暗い画素のセット84を識別することができる。平均明るい画素強度88などの明るい画素の統計的測定は、明るい画素86の分析から決定することができ、次に、平均明るい画素強度88に基づいて飽和閾値90を決定することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、飽和閾値90は、平均明るい画素値88の所定の倍数(例えば、約100/77)として決定することができる。このようにして、例えば、平均明るい画素値88は、飽和閾値90の約77パーセントであり得る。他の実施形態では、他のアプローチが可能である。他の実施形態では、他の倍数(または比率)が適切な場合がある。
図2に関して論じられるような、いくつかの実施態様では、導出された画像の飽和閾値も同様に決定できるが、しかし、取得した画像の画素が導出された画像にマッピングされた後の画像の輝度の計算にも基づいて、決定された飽和閾値によって課せられた輝度カットオフを考慮に入れている。
【0063】
飽和閾値90が決定されると、閾値90を超える画素は、閾値90によって包含され得る所定の値に設定され得る。しかしながら、図示された実施形態では、明るい画素は十分にクラスター化されているので、取得された画像の画素は、飽和閾値90をほとんどまたはまったく超えない。したがって、例えば、取得された画像の画素96をより低いビット深度に(例えば、スケーリング操作において)マッピングする必要がある場合を除いて、画素の強度値を新しい値に設定する必要はないかもしれない。次に、マッピングされたより低いビット深度の画像を分析して、シンボル22(
図1を参照)を評価することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、評価のために画像を取得する前に、またはランタイム作業中の動的なものを含む他のときに、シンボルを評価するためのシステムを訓練することが有用な場合がある。これは、例えば、最も明るい目標の取得画像の過飽和を防ぐのに役立つ。
【0065】
異なる実施形態では、解像度とダイナミックレンジの間のバランスを適切に最適化するものを含む、異なる訓練アプローチが可能である。これに関して、
図5は、システム20(
図1を参照)によって実行することができる例示的な訓練作業の態様を示す。他の実施形態では、他の作業が可能である。
【0066】
図5に示される実施形態では、イメージングデバイス32(
図1参照)は、少なくとも2つの訓練画像、すなわち明るい訓練画像と暗い訓練画像を取得するように構成することができる。特に、ヒストグラム100に表されているように、明るい訓練画像は、関連するコンテキストに対して予想される最大の画像の輝度を表す画像を適切に取得するように構成することができる。例えば、訓練オブジェクトまたはシーンは、システム20のランタイム動作中に合理的に予想されるように、イメージングデバイス32が最も明るい鏡面反射または全体的な照明にさらされるように配置することができる。対照的に、ヒストグラム102に表されているように、暗い訓練画像は、関連するコンテキストの最小予想画像輝度を表すように構成することができる。例えば、訓練オブジェクトまたはシーンは、システム20のランタイム動作中に合理的に予想されるように、イメージングデバイス32が最も暗い鏡面反射または全体的な照明にさらされるように配置することができる。
【0067】
取得すると、明るい画像または暗い画像の訓練画像を分析して、イメージングデバイス32の適切な運用システム応答104(すなわち、ランタイム動作中のイメージングデバイス32に対するシステム応答)を決定することができる。これは、例えば、明るい訓練画像に対する撮像装置32の可能なダイナミックレンジの最適な(例えば、実質的に)完全な使用、および暗い訓練画像における関連する特徴の適切な解像度を保証するために有用であり得る。
【0068】
これらの(または他の)要因間の適切なバランスが得られた場合、訓練画像の取得に使用されたシステム応答を運用システム応答として設定できる。対照的に、適切なバランスが得られない場合、運用システム応答は、計算による調整(例えば、ルックアップテーブルまたは以前の訓練または実行時の作業に基づく)または、更新されたシステム応答を使用して、1つまたは複数の追加の暗い画像または明るい画像の訓練画像を取得および分析することによって、訓練システム応答の調整後に決定できる。
【0069】
いくつかの実施形態では、明るい訓練画像は、暗い訓練画像とは異なるシステム応答で取得することができる。訓練イメージ(またはシステム応答)の比較分析に基づいて、またはシステム応答が収束する訓練イメージの反復取得に基づいて運用システム応答が決定される。
【0070】
いくつかの実施形態では、反復訓練作業が可能な場合がある。例えば、上述のように、いくつかの実施形態は、適切に最適化された運用システム応答を識別するために、異なるシステム応答を伴う訓練画像の反復取得を含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、運用システム応答は、明るい訓練画像の明るい画素の統計的測定値と運用画像取得のためのビット深度によって提供される最大強度との間の適切な関係を提供するように決定され得る。例えば、運用システム応答104は、(例えば、ヒストグラム100に表されるように)明るい訓練画像における明るい画素の平均強度値が、第1の訓練画像(および一般にイメージングシステム)で可能な最大輝度の所定の割合(例えば、約77パーセント)に実質的に等しいことを保証するシステム応答として決定されることがある。このようにして、例えば、運用システム応答104を選択して、ランタイム動作中に予想される最大輝度を、第1のビット深度を実質的に完全に使用し、過飽和をほとんどまたは全く使用せずに記録できるようにすることができる。これに関して、上で詳述したような作業は、(例えば、取得画像のより低いビット深度への適切にスケーリングされたマッピングを介して)より暗い取得画像も適切に分析されることを確実にすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、(例えば、ヒストグラム102によって表されるように)関連する暗い訓練画像で表される特徴に適切な解像度を提供するように、運用システム応答を決定することができる。例えば、(例えば、ヒストグラム100で表される)明るい画像の訓練画像のイメージングビット深度の使用を最適化するシステム応答により、暗い訓練画像の解像度が許容できないほど低くなる場合、運用システムの応答104はそれに応じて調整できる。これに関して、例えば、最も暗い予想画像に対して適切な解像度を得るために、最適化された運用システム応答が時々決定されて、最も明るい予想画像がいくらか過飽和になる場合がある。
【0073】
いくつかの実施形態では、ランタイム作業の前に訓練を実行できる。いくつかの実施形態では、ランタイム作業の一部として訓練を実行できる。例えば、いくつかの実施形態では、イメージングシステム28(
図1を参照)は、ランタイム作業の期間中に明るい画像および暗い画像の訓練画像の候補を記録することができる。次に、必要に応じて、イメージングシステム28は、イメージングデバイス32の運用システム応答を更新することができる。例えば、イメージングシステム28は、画像の彩度、画像解像度、または他の関連する要因のバランスを適切にとるために、上述のアプローチと同様に複数の明るい画像または暗い画像の訓練画像を分析するように構成され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の画像を取得するように構成された第1のイメージングデバイスと、シンボル評価用の画像を取得するための第2のイメージングデバイスのシステム応答の選択をガイドするために使用される第1の画像で、2つのイメージングデバイスを使用することができる。例えば、
図1のイメージングデバイス110などの比較的高速の第1のイメージングデバイスが、イメージングデバイス32がシンボル22の評価のための画像を取り込む前に、オブジェクト24の試験画像を取り込むように構成することができる。次に、イメージングデバイス32の運用ビット深度または他の関連する考慮事項に基づくものを含む、イメージングデバイス32による画像取得のための適切なシステム応答を決定するために、試験画像の輝度(または他の観点)を分析することができる。例えば、試験画像の明るさは、適切な画像を取得するためのイメージングデバイス32の適切なシステム応答を決定するために、システム応答およびイメージングデバイス110の他の既知の特性ならびにイメージングデバイス32の既知の特性のコンテキストで分析することができる。このようにして、例えば、イメージングデバイス110による試験画像の取得は、イメージングデバイス32を使用して適切な特性を示す第1の画像を取得することを支援するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、次いで、適切に決定された飽和閾値に基づいて、イメージングデバイス32によって取得されたそのような画像を、上記のような導出画像にマッピングすることができる。
【0075】
上記の議論と一致して、本発明のいくつかの実施形態は、シンボル評価または他の(例えば、一般的なマシンビジョン)システムのソフトウェアまたはハードウェアモジュールによって実行される方法を含む、コンピュータ実行方法を含むことができる。これに関して、例えば、以上または以下で説明される1つまたは複数の動作を含むことができる方法は、システム20(
図1を参照)のモジュールによって、または他のシステムのモジュールによって実行することができる。
【0076】
一例として、
図6に示されるように、本発明の実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するための方法200を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法200は、システム20のイメージングデバイス32およびプロセッサデバイス(
図1を参照)などのイメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して少なくとも部分的に実行され得る。
【0077】
他のステップの中でも、方法200は、撮像装置を用いて、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するステップ202を備える。場合によっては、第1の画像を取得するステップ202は、特定のビット深度204を示すことがあり、これは、(上記で説明したように)より低いビット深度の導出画像の生成をサポートする場合があるためである。
【0078】
ステップ202で第1の画像が取得された後、方法は、プロセッサデバイスを用いて、第1の画像から導出される第2の画像を生成するステップ210をさらに備える。図示された実施形態において、例えば、導出された第2の画像を生成するステップ210は、第2の画像の飽和閾値を決定するステップ212と、取得された画像の画素を導出された画像にマッピングするステップ214とを含み、ステップ212で決定された飽和閾値を超えている取得された画像の画素を最大値へマッピングするステップ216を含む。いくつかの実施形態では、上記でも注記したように、ステップ210で生成された第2の画像は、ビット深度204よりも小さいビット深度を示す可能性がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、また上記で論じたように、飽和閾値と画像輝度との間の目標関係218に基づいて飽和閾値を決定するステップ212が有用であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法200は、ステップ210で生成された第2の画像の輝度と上で議論したようなステップ214、216での画素のマッピング後を含む飽和閾値との間で所定の比率(例えば、約77/100)が達成されるように飽和閾値を決定するステップ212を備える。
【0080】
図示の実施例では、適切な導出画像がステップ210で生成されると、方法200は、第2の画像のシンボルを評価するステップ220をさらに備える。例えば、関連するプロセッサデバイスは、シンボルが適切に印刷またはマークされていることを確認するために、または他の理由で、シンボルをステップ220で評価することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、方法200およびその他について、飽和閾値を決定し、画像の特定の関心領域の画素をマッピングすることが有用であり得る。場合によっては、このような関心領域には関連画像の一部のみが含まれることがある。例えば、主にシンボルの評価ステップ220を対象とする画像評価の場合、関連するシンボルを含むが、画像の他の特定の部分は除外するような画像の関心領域を特定することが有用な場合がある。次に、飽和閾値をステップ212で決定することができ、それに応じてステップ214で画像の画素をマッピングするが、これは、画像全体ではなく、関心領域についてのみ(または主に)行う。いくつかの場合において、決定された飽和閾値および対応する画素マッピングに基づいて導出された画像は、取得された画像における関心領域からの画素のみを(または主に)含み得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、さまざまな追加の用途のために、導出された画像をユーザーに提示することができる。例えば、ステップ212で適切に決定された飽和閾値およびステップ214での対応する画素のマッピングに基づいてステップ210で生成された第2の画像は、実質的に過飽和であるかまたは比較的小さな(そして、例えば暗い)範囲にクラスター化された意味のある画素を有する元の画像よりもユーザーにとって視覚的に有用な場合がある。この点で、ステップ210で生成された第2の画像は、ユーザーが比較的暗い(または他の)初期画像の内容と値をよりよく理解できるようにするなど、ユーザーに有用な視覚表示を提供し、シンボルまたはその他の目的のステップ220での評価にも役立つ。
【0083】
いくつかの実施形態では、ステップ212で飽和閾値を決定することは、潜在的に反復的なプロセスを含み得る。
図7に示される実施形態では、例えば、ステップ212で飽和閾値を決定することは、ステップ230で最初に初期飽和閾値を特定することを含む。また上記のように、初期飽和閾値は、飽和閾値の事前設定範囲の下端または上端、そのような範囲内の中点または他の中間点などの特定に基づくことを含む、さまざまな方法で特定することができる。
【0084】
ステップ230で初期飽和閾値が特定された後、ステップ202で取得された第1の画像の画素は、ステップ232で初期(導出された)第2の画像にマッピングされ得る(
図6のマッピング214も参照)。次に、ステップ234で初期の第2の画像の輝度測定値を決定することができる。例えば、最初の第2の画像の平均明るい画素輝度は、AIM DPMで教示されるアプローチなどの様々な既知のアプローチの1つまたは複数を使用してステップ234で決定することができる。
【0085】
次に、初期の第2の画像が適切な特性を示すかどうかを判定するために、輝度測定値と初期の飽和閾値との間の関係をステップ236で判定することができる。例えば、プロセッサデバイス30は、ステップ230で特定された飽和閾値に対するステップ234で決定された輝度測定値の比をステップ236で決定することができる。
【0086】
ステップ236で決定された関係が、所定の比率(例えば、約77/100)などの目標の所定の関係に実質的に対応する場合、ステップ238で初期の第2の画像を最終の第2の画像として設定することができ、ステップ220(
図6を参照)で派生画像のシンボルを適切に評価することができる。対照的に、ステップ236で決定された関係が所定の関係に実質的に対応しない場合、
図7に示されるプロセスは、後続のステップ230の飽和閾値の特定、後続の飽和閾値に基づくステップ232の後続の(導出された)第2の画像への画素のマッピング、結果として得られる画像の明るさと飽和閾値との間の関係の評価などを繰り返すことができる。
【0087】
これに関して、例えば、やはり上記で論じたように、反復プロセスを使用することができる。例えば、ステップ230で特定された飽和閾値に基づく画素の再マッピングは、結果として生じる明るい画素の平均輝度値(および他の輝度測定値)に影響を与える可能性があるため、一連の操作を実行して、ステップ230で後続する飽和閾値を特定し、それに応じてステップ232で画素をマッピングし、結果として生じるそれぞれの輝度測定値をステップ234で決定し、決定された関係が適切かどうか、または別の飽和しきい値をステップ230で特定する必要があるかどうかをステップ236で評価する。
【0088】
別の例として、
図8に示すように、本発明の実施形態は、オブジェクト上のシンボルを評価するための方法300を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法300は、システム20のイメージングデバイス32およびプロセッサデバイス(
図1を参照)などのイメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して少なくとも部分的に実行され得る。
【0089】
他の作業の中でも、方法300は、イメージングデバイスを用いて、シンボルを含むオブジェクトの第1の画像を取得するステップ302を含む。特に、画像は、第1のビット深度304(例えば、12ビット以上のビット深度)でステップ302で取得することができる。さらなる分析を容易にするために、方法300は、プロセッサデバイスで、第1の画像から第2の画像を生成するステップ310も含み、第2の画像は、第1のビット深度304よりも小さい(例えば、8ビット以下のビット深度)第2のビット深度312を含む。いくつかの点で、これは、第1の画像の画素の第2の画像の画素へのマッピングを決定するステップ330、およびステップ330で決定されたマッピングを実施することを含み得る。次に、必要に応じて、ステップ320で、プロセッサデバイスを用いて、シンボルの少なくとも1つの品質属性を決定することを含んで、第2の画像を評価できる。
【0090】
上記のように、いくつかの実施形態では、第2の画像を生成するステップ310は、第1の画像の第2のビット深度へのマッピングを決定するステップ330に基づくことができる。いくつかの実施形態では、マッピングは、ステップ332での第1の画像の明るい画素の平均(または他の輝度尺度)または飽和閾値の決定に基づいてステップ330で決定することができる。例えば、上記でも説明したように、決定された飽和閾値を超える画素は、所定の(例えば、最大)値に設定でき、飽和閾値未満の画素は、より低いビット深度にマッピングできる。
【0091】
一部の実施形態では、ステップ332の飽和閾値の決定は、第1の画像の統計分析に基づくことができる。例えば、プロセッサデバイスは、ステップ334で第1の画像のダイナミックレンジを決定し、ステップ336で第1の画像を明るい画素のセットと暗い画素のセットに分割し、次いでステップ338で明るい画素のセットの平均(例えば、相加平均)値を決定するように構成することができる。次に、ステップ338で決定された平均を所定の倍数(例えば、約100/77)で乗算することなどによって、ステップ338で決定された平均に基づいてステップ332で飽和閾値を決定することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、方法200、300の一方または両方は、
図9に示されている方法400などの訓練方法を含むか、またはそれとともに実行することができる。いくつかの実施形態では、方法400の作業は、方法200、300のいずれかの作業の前に実行することができる。いくつかの実施形態では、方法400の作業は、方法200、300のいずれかの作業と同時に、またはその後に実行することができる。いくつかの実施形態では、方法200、300と同様に、方法400は、システム20のイメージングデバイス32およびプロセッサデバイス(
図1参照)などのイメージングデバイスおよびプロセッサデバイスを使用して少なくとも部分的に実行され得る。
【0093】
図9に示す実施形態では、方法400は、関連するイメージングデバイスの明るい画像システム応答を決定するステップ402を備える。特に、例えば、明るい画像システム応答は、第1のビット深度304(
図8を参照)で、実行時の作業中に予想される最大の輝度を表す明るい訓練画像をキャプチャするようにイメージングデバイスを適切に構成するために決定することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ステップ402の明るい画像システム応答の決定は、明るい訓練画像の明るい画素の目標統計(例えば、平均強度)値404および目標飽和閾値406に基づくことができる。例えば、目標飽和閾値406は、明るい訓練画像(または
図8で取得された第1の画像302)のビット深度の最大強度値に実質的に等しくなるように設定することができる。同様に、明るい画素の目標統計(例えば、平均強度)値404は、最大強度値(例えば、その約77パーセントになる)に対して適切な関係を示すように設定することができる。次に、明るい画像システム応答は、一般に、明るい訓練画像の明るい画素の実際の統計(例えば、平均強度)値が目標統計(例えば、平均強度)値404に実質的に等しいことを保証できるシステム応答としてステップ402で決定することができる。
【0095】
また、
図9に示す実施形態では、方法400は、イメージングデバイスの暗い画像システム応答を決定するステップ410を備える。特に、例えば、イメージングデバイスがランタイム動作中に予想される最小輝度を表す暗い訓練画像を適切な解像度で取り込むために、暗い画像システム応答を決定することができる。例えば、ランタイム中のシンボルの適切な分析のための目標解像度412を決定することができ、目標解像度412が一般的に得られることを確実にするために、ステップ410で暗い画像システム応答を決定することができる。
【0096】
続いて、方法400は、明るい画像または暗い画像のシステム応答の1つまたは複数に基づいて、最初の(より大きなビット深度の)ランタイム画像(例えば、
図8の取得された302画像)を取得するためのイメージングデバイスの動作システム応答を決定するステップ420を備える。例えば、プロセッサデバイス30(
図1を参照)は、暗い画像の目標解像度412と明るい画像の明るい画素の目標飽和閾値406または統計値404の適切なバランスに応じて、決定された402、410の明るい画像または暗い画像のシステム応答に対応する運用システム応答をステップ420で決定するように構成され得る。
【0097】
本発明を例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行ってもよく、その要素を同等物で置き換えてもよいことが当業者には理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の機器、状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正が当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。