(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】パノラマ映像の手振れ補正方法、装置及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220314BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220314BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220314BHJP
G03B 37/00 20210101ALI20220314BHJP
【FI】
H04N5/232 480
G03B5/00 K
G03B15/00 W
G03B37/00 B
G03B37/00 A
H04N5/232 380
H04N5/232 300
(21)【出願番号】P 2020519411
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2018110467
(87)【国際公開番号】W WO2019080748
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-03
(31)【優先権主張番号】201711015180.0
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520159673
【氏名又は名称】影石創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ARASHI VISION INC.
【住所又は居所原語表記】Room 1101, 1102, 1103, 11th Floor, Building 2, Jinlitong Financial Center, 1100 Xingye Road, Haiwang Community, Xin’an Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 聡
(72)【発明者】
【氏名】蔡 錦霖
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/201423(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107040694(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
G03B 5/00
G03B 15/00
G03B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得し、
拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定し、
ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させ、
ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得し、
現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成
し、
前記拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定することは、
S1021:状態回転量を初期化し、
ここで、d
0
は初期に測定した加速度値であり、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、
過程共分散を初期化し、
S1022:角速度値ω
k
を使用して第k時点の状態遷移行列Φ(ω
k
)を計算し、
ここで、ω
k
は第k時点の角速度値であり、Δtはジャイロスコープデータのサンプリング時間の間隔であり、
S1024:加速度値d
k
により観測量の雑音分散行列を更新し、観測遷移ヤコビ行列H
k
を計算し、現在の観測量と推定観測量誤差e
k
を計算し、
ここで、hは観察関数であり、
ここで、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、qは状態量、即ちワールド座標系からジャイロスコープ座標系までの回転量であり、v
k
は測定雑音であり、
ことを特徴とするパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項2】
携帯端末におけるジャイロスコープの加速度カウント値をリアルタイムで取得することは、加速度センサーを利用して3軸加速度カウント値を読み込むことであり、
携帯端末におけるジャイロスコープの角速度値をリアルタイムで取得することは、ジャイロセンサーを利用して3軸角速度カウント値を読み込むことである
ことを特徴とする請求項1に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項3】
携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得した後、更に、
ローパスフィルタリングを利用して加速度カウント値に対し雑音低減処理を行い、
に基づいて加速度カウント値に対し、ローパスフィルタリングによる雑音低減処理を行い、ここで、d’
iは第i時点のローパスフィルタリング後の加速度カウント値であり、d
iは第i時点の加速度カウント値であり、R
iはジャイロスコープの第iフレーム映像の相対回転量で、R
i=exp[-ω
i・Δt]
xであり、ω
iは第i時点の角速度値であり、d’
i-1は第i-1時点のフィルタリング後の加速度カウント値であり、αはスムージング因子で、
であり、f
cはローパスフィルタリングの遮断周波数であり、R
cは時定数であり、Δtはジャイロスコープデータのサンプリング時間の間隔である
ことを特徴とする請求項1に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項4】
前記ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させることは、
T
k≧t
j≧t
k-1になるように前記ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させることであり、
ここで、t
jはパノラマ映像のタイムスタンプであり、t
kはジャイロスコープの第kフレームのタイムスタンプであり、t
k-1はジャイロスコープの第k-1フレームのタイムスタンプである
ことを特徴とする請求項
1に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項5】
前記ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得することは、
隣接するジャイロスコープのタイムスタンプの相対回転量を計算し、
ことを特徴とする請求項
4に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項6】
前記現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成することは、
経緯度二次元画像における格子点を球面座標系にマッピングし、
単位球上のすべての点をトラバースして、現在の回転行列を利用して単位球上のすべての点に対し回転を行って、安定した映像フレームを生成し、
ここで、下記式により前記現在の回転行列を利用して単位球上のすべての点に対し回転を行って、安定した映像フレームを生成し、
ここで、[x,y,z]
Tは単位円の回転前の球面座標であり、[x
new,y
new,z
new]
Tは回転後の球面座標であり、Q
jは現在の回転行列であり、tは変位ベクトルで、t=[0,0,0]
Tである
ことを特徴とする請求項
5に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法。
【請求項7】
携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得する取得モジュールと、
拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定する推定モジュールと、
ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させる同期モジュールと、
ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得する補間モジュールと、
現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成する回転モジュールとを備え
、
前記拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定することは、
S1021:状態回転量を初期化し、
ここで、d
0
は初期に測定した加速度値であり、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、
過程共分散を初期化し、
S1022:角速度値ω
k
を使用して第k時点の状態遷移行列Φ(ω
k
)を計算し、
ここで、ω
k
は第k時点の角速度値であり、Δtはジャイロスコープデータのサンプリング時間の間隔であり、
S1024:加速度値d
k
により観測量の雑音分散行列を更新し、観測遷移ヤコビ行列H
k
を計算し、現在の観測量と推定観測量誤差e
k
を計算し、
ここで、hは観察関数であり、
ここで、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、qは状態量、即ちワールド座標系からジャイロスコープ座標系までの回転量であり、v
k
は測定雑音であり、
ことを特徴とするパノラマ映像の手振れ補正装置。
【請求項8】
コンピュータープログラムが記憶されており、
処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、前記請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法を実現する
ことを特徴とするコンピューター可読記憶媒体。
【請求項9】
一つ又は複数の処理装置と、
記憶装置と、
一つ又は複数のコンピュータープログラムとを備え、
前記一つ又は複数のコンピュータープログラムは、前記記憶装置に記憶され、前記一つ又は複数の処理装置により実行されるように配置され、
前記処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、前記請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のパノラマ映像の手振れ補正方法を実現する
ことを特徴とする携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理の分野に関し、特に、パノラマ映像の手振れ補正方法、装置及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によるパノラマ映像は、VRゴーグルを掛けて見ると、吐き気、めまいなどの違和感を生じ、VR酔いは、未だあまり解決されてない問題である。ハードウェア面でブレークスルーできていないことに加えて、ソフトウェア面での原因もある。特に、VRパノラマ映像は、例えば、手持ち式パノラマカメラを使用して撮影する場合、画面の手振れによるVR酔いの発生が更に加速される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、パノラマ映像の手振れ補正方法、装置、コンピューター可読記憶媒体及び携帯端末を提供し、画面の手振れがVR酔いの発生を加速させる問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるパノラマ映像の手振れ補正方法は、携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得し、拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定し、ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させ、ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得し;現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成する。
【0005】
また、本発明によるパノラマ映像の手振れ補正装置は、携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得する取得モジュールと、拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定する推定モジュールと、ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させる同期モジュールと、ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得する補間モジュールと、現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成する回転モジュールとを備える。
【0006】
また、本発明によるコンピューター可読記憶媒体は、コンピュータープログラムが記憶されており、処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、本発明による前記パノラマ映像の手振れ補正方法を実現する。
【0007】
また、本発明による携帯端末は、一つ又は複数の処理装置と、記憶装置と、一つ又は複数のコンピュータープログラムとを備え、前記一つ又は複数のコンピュータープログラムは、前記記憶装置に記憶され、前記一つ又は複数の処理装置により実行されるように配置され、前記処理装置により前記コンピュータープログラムを実行する際、本発明による前記パノラマ映像の手振れ補正方法を実現する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行ってパノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得するため、より正確な回転行列を得ることができる。そして、現在の回転行例によってパノラマ画像を回転させて安定した映像フレームを生成する。これにより、最終的に振れる映像フレームを安定させて、VR酔いを低減することができ、ノイズの多い場面やほとんどのスポーツシーンに対し非常に強いロバスト性をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法を説明するためのフローチャートである。
【
図2】本発明の第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法のステップS102のフローチャートである。
【
図3】本発明の第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正装置の構成図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態による携帯端末の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、技術的手段及び有益な効果をより明確に説明するために、以下、図面、実施形態に基づいて具体的に説明する。当然のことであるが、下記実施形態は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0011】
[第一の実施形態]
図1に示すように、本実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法は以下のステップを含む。
【0012】
S101:携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得する。
ここで、携帯端末におけるジャイロスコープの加速度カウント値をリアルタイムで取得することは、加速度センサーを利用して3軸加速度カウント値を読み込むことである。
また、携帯端末におけるジャイロスコープの角速度値をリアルタイムで取得することは、ジャイロセンサーを利用して3軸角速度カウント値を読み込むことである。
【0013】
ステップS101を行った後、下記のようなステップを行ってもよい。即ち、ローパスフィルタリングを利用して、加速度カウント値に対し雑音低減処理を行う。
【0014】
具体的には、下記式に基づいて加速度カウント値に対し、ローパスフィルタリングによる雑音低減処理を行う。
ここで、d’
iは第i時点のローパスフィルタリング後の加速度カウント値であり、d
iは第i時点の加速度カウント値であり、R
iはジャイロスコープの第iフレーム映像の相対回転量で、R
i=exp[-ω
i・Δt]
xであり、ω
iは第i時点の角速度値であり、d’
i-1は第i-1時点のフィルタリング後の加速度カウント値であり、αはスムージング因子で、
であり、f
cはローパスフィルタリングの遮断周波数であり、Rcは時定数であり、Δtはジャイロスコープデータのサンプリング時間の間隔である。
【0015】
S102:拡張カルマンフィルター(Extended Kalman Filtering)を使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定する。
【0016】
拡張カルマンフィルターは、非線形システムを線形化してからカルマンフィルタリングを行う、高効率の再帰形フィルターであって、雑音を完全に含んでいない一連のテストから、動的システムの状態を推定することができる。
【0017】
図2に示すように、本実施形態においてS102は具体的に下記ステップを含んでもよい。
【0018】
S1021:状態の回転量を初期化する。
ここで、d
0は初期に測定した加速度値であり、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、
そして、過程共分散を初期化する。
【0019】
S1022:角速度値ω
kを使用して第k時点の状態遷移行列Φ(ω
k)を計算する。
ここで、ω
kは第k時点の角速度値であり、Δtはジャイロスコープデータのサンプリング時間の間隔である。
【0020】
【0021】
S1024:加速度値d
kにより観測量の雑音分散行列を更新し、観測遷移ヤコビ行列H
kを計算し、現在の観測量と推定観測量誤差e
kを計算する。
ここで、αは加速度変化量のスムージング因子であり、βは加速度大きさの影響因子であり、
ここで、hは観察関数であり、
ここで、gはワールド座標系の重力ベクトルであり、qは状態量、即ちワールド座標系からジャイロスコープ座標系までの回転量であり、v
kは測定雑音である。
【0022】
S1025:第k時点の最適カルマン利得行列K
kを更新する。
【0023】
【0024】
S103:ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させる。
【0025】
ステップS103は具体的には、tk≧tj>tk-1になるようジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させる。ここで、tjはパノラマ映像のタイムスタンプであり、tkはジャイロスコープの第kフレームのタイムスタンプであり、tk-1はジャイロスコープの第k-1フレームのタイムスタンプである。
【0026】
S104:ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得する。
【0027】
本実施形態において、S104は具体的に下記ステップを含んでもよい。まず、隣接するジャイロスコープのタイムスタンプの相対回転量を計算する。
また、クォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームから第kフレームまでの相対回転量を取得する。
ここで、R
jは第kフレームの相対回転量である。
また、パノラマ映像フレーム中の第jフレームの映像の回転行列を計算する。
【0028】
S105:現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成する。
【0029】
本実施形態において、S105は具体的に下記ステップを含んでもよい。即ち、経緯度二次元画像における格子点を球面座標系にマッピングし、単位球上のすべての点をトラバースして、現在の回転行列を使用して単位球上のすべての点に対し回転を行って、安定した映像フレームを生成する。
具体的には、下記式により現在の回転行列を使用して単位球上のすべての点に対し回転を行って、安定した映像フレームを生成する。
ここで、[x,y,z]
Tは単位円の回転前の球面座標であり、[x
new,y
new,z
new]
Tは回転後の球面座標であり、Q
jは現在の回転行列であり、tは変位ベクトルで、t=[0,0,0]
Tである。
【0030】
[第二の実施形態]
図3に示すように、本実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正装置は、携帯端末におけるジャイロスコープの現在の状態のタイムスタンプ、加速度カウント値、角速度値をリアルタイムで取得する取得モジュール11と、拡張カルマンフィルターを使用して、加速度カウント値と角速度値を結合することによって、携帯端末からワールド座標系までの回転量を推定する推定モジュール12と、ジャイロスコープのタイムスタンプとパノラマ映像フレームのタイムスタンプを同期させる同期モジュール13と、ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行って、パノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得する補間モジュール14と、現在の回転行列によってパノラマ画像を回転させて、安定した映像フレームを生成する回転モジュール14とを備える。
【0031】
本発明の第二の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正装置と第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法は、同一の概念に属し、詳しい実現については本明細書に記載されているので、ここでは改めて言及しない。
【0032】
[第三の実施形態]
本実施形態よるコンピューター可読記憶媒体は、コンピュータープログラムが記憶されており、処理装置によりコンピュータープログラムを実行する際、上記第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法のステップを実現する。
【0033】
[第四の実施形態]
図4には本実施形態による携帯端末の構成ブロック図が示され、携帯端末100は、一つ又は複数の処理装置101と、記憶装置102と、一つ又は複数のコンピュータープログラムとを備える。処理装置101と記憶装置102は、バス(bus)により接続されており、一つ又は複数のコンピュータープログラムは記憶装置102に記憶され、一つ又は複数の処理装置101により実行されるように配置されている。処理装置101によりコンピュータープログラムを実行する際、上記第一の実施形態によるパノラマ映像の手振れ補正方法のステップを実現する。
【0034】
本発明の実施形態において、ジャイロスコープの状態に対しクォータニオン補間を行ってパノラマ映像フレームに対応する回転行列を取得するため、より正確な回転行列を得ることができる。そして、現在の回転行例によってパノラマ画像を回転させて安定した映像フレームを生成する。これにより、最終的に振れる映像フレームを安定させて、VR酔いを低減することができ、ノイズの多い場面やほとんどのスポーツシーンに対し非常に強いロバスト性をもたらす。
【0035】
当然のことであるが、上述した方法におけるすべて又は一部のステップは、プログラムで関連のハードウェアに指令を出して完了することができ、そのプログラムをコンピューター可読記憶媒体に記憶することができる。ここで、記憶媒体としては、例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどがある。
【0036】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱しない限り、その趣旨に基づいて変更、同等代替又は改善することができ、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。